JPH06347489A - 電流センサ - Google Patents

電流センサ

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JPH06347489A
JPH06347489A JP5138763A JP13876393A JPH06347489A JP H06347489 A JPH06347489 A JP H06347489A JP 5138763 A JP5138763 A JP 5138763A JP 13876393 A JP13876393 A JP 13876393A JP H06347489 A JPH06347489 A JP H06347489A
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voltage
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detection signal
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JP5138763A
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Inventor
Kaneo Mori
佳年雄 毛利
Masahiko Sumikama
正彦 炭竃
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Mitsumi Electric Co Ltd
Original Assignee
Mitsumi Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は電流センサに関し、小型・軽量、高
感度、高精度、高速応答性、高信頼性、及び低価格を実
現することを目的とする。 【構成】 MI素子MI1 ,MI2 には、被測定電流I
による磁界Hexの方向に関して互いに逆方向のバイアス
磁界Hb を印加され、電圧Vacの電圧源1より交流電流
acを供給される。センサ回路11は、MI素子MI1
に発生する誘導電圧の、磁界Hexに対応した振幅変化を
検出して、検出信号EB1を生成し、かつ、MI素子MI
2 に発生する誘導電圧の、磁界Hexに対応した振幅変化
を検出して、検出信号EB2を生成する。差動増幅回路A
1 は、検出信号EB1と検出信号EB2との差をとり、電流
検出信号EB0を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気インダクタンス素子
を用いた電流センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の非接触形の電流センサには、一例
として、集磁コアとホール素子を組合せた方式がある。
この方式では、センサヘッドは、被測定電流が貫通する
リング状(または、矩形の環状)の集磁コアと、この集
磁コアの切欠部に設けられたホール素子からなる。この
フェライト又はアモルファスの集磁コアは、ホール素子
の感度が低いため、電流センサとしての感度を高くする
ために用いられる。
【0003】ホール素子には、電源から電流が供給され
る。被測定電流によりホール素子で発生した信号電圧
は、増幅器で増幅された後、信号処理回路で、被測定電
流による信号成分が検出される。
【0004】また、別の電流センサの例として、DCC
T(直流変流器)を源流とする磁心入りコイルの、非線
形インダクタンスを利用する変調(フラックスゲート)
方式がある。
【0005】フラックスゲート方式では、センサヘッド
である直流変流器は、被測定電流が貫通する2個の高透
磁率トロイダルコアからなる。この2個のコアにまたが
って、励振コイルと、検出コイルが巻かれている。
【0006】励振用回路から交流の励振電流が励振コイ
ルに供給されると、検出コイルには、励振電流の周波数
の2倍の周波数の信号が生ずる。この検出コイルの信号
の大きさは、被測定電流による磁界の大きさに比例して
変化する。検出コイルの信号を増幅器で増幅した後、信
号処理回路で、励振周波数の信号を用いて同期検波し
て、被測定電流による信号成分が検出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の、集磁コアとホ
ール素子を組合せた方式では、ホール素子は微小寸法
(1ミリ角以下)でコイルレスであるが、磁界検知感度
が低いため、集磁コア(フェライト又はアモルファス)
が必要である。集磁コアは、直径3〜4cm程度あるた
め、センサヘッドの寸法が大きくなってしまう。又、温
度特性が悪いので、温度補償回路が必要であることや、
最高使用温度が70℃程度であること等の問題がある。
【0008】また、検出感度は、磁界の大きさで1Oe
(エルステッド)以下で、地磁気程度(0.3Oe程
度)の測定が困難である。また、検出可能な周波数は、
1kHz程度である。また、集磁コアは、価格が高い。
【0009】一方、フラックスゲート方式では、直径数
2〜3cmのコアを用いており、感度を上げるには、反
磁界を抑制するための適度の磁心長(10mm以上)が
必要であり、小型化に難点がある。また、高透磁率コア
(磁心)に、多数回の被覆銅線コイルを施す必要があ
り、製作作業が煩雑で価格が高くなる。
【0010】また、コイルの浮遊容量のため、高周波励
磁が不安定になり、電流センサの高速応答性が悪い(検
出可能な周波数は、数百Hz)等の問題がある。
【0011】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、小型・軽量、高感度、高精度、高速応答性、高信頼
性、及び低価格を兼備する電流センサを提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、磁気
インダクタンス素子と、上記磁気インダクタンス素子に
所定の交流電流を供給する交流電流供給手段と、上記磁
気インダクタンス素子の電極間に発生する誘導電圧の、
被測定電流による磁界に対応した振幅変化を検出して、
電流検出信号を生成する検出信号生成手段とを有する構
成とする。
【0013】請求項3の発明は、被測定電流による磁界
の方向に関して互いに逆方向のバイアス磁界を印加され
た第1及び第2の磁気インダクタンス素子と、上記第1
及び第2の磁気インダクタンス素子に交流電流を供給す
る交流電流供給手段と、上記第1の磁気インダクタンス
素子の電極間に発生する誘導電圧の、上記被測定電流に
よる磁界に対応した振幅変化を検出して、第1の電流検
出信号を生成し、かつ、上記第2の磁気インダクタンス
素子の電極間に発生する誘導電圧の、上記被測定電流に
よる磁界に対応した振幅変化を検出して、第2の電流検
出信号を生成する検出信号生成手段と、上記第1の電流
検出信号と上記第2の電流検出信号との差から、第3の
電流検出信号を生成する差信号生成手段とを有する構成
とする。
【0014】
【作用】本発明では、磁気インダクタンス素子は、寸法
が1ミリ程度と小さく、低価格である。また、磁界に対
する感度が高く、ノイズが少なく精度が高い。また、1
0MHz程度までの被測定電流に応答できる。また特性
の温度変化が小さい。このため、高感度、高精度、高速
応答性、高信頼性、及び低価格を兼ね備えた電流センサ
を実現することを可能とする。
【0015】請求項3の発明では、第1及び第2の磁気
インダクタンス素子に、被測定電流による磁界の方向に
関して互いに逆方向のバイアス磁界を印加して、電流の
変化に対する変化の極性が異なる、第1及び第2の電流
検出信号を生成し、上記第1及び第2の電流検出信号の
差から第3の電流検出信号を生成する。
【0016】このため、電流の変化に対して線形に変化
し、かつ、高感度の電流検出信号を得ることを可能とで
きる。
【0017】
【実施例】先ず、本発明の電流センサに用いる磁気イン
ダクタンス素子(MI素子)について説明する。先に、
本発明者の一人が磁気インダクタンス素子について提案
している(特願平4−111989)。図1は、MI素
子の説明図を示す。MI素子は、磁性を持つ導体の両端
に電極を設けたものである。図1は、磁性導線の両端に
電極を設けた例である。
【0018】円周方向に磁気異方性と高透磁率を有する
磁性導線に、交流電流Iacを通電すると、磁性導線の電
極間には、2種類の電圧の和etot が現れる。一つは、
磁性導線の持つ電気抵抗RW と電流の積によるオーミッ
ク電圧RW ・Iacで、今一つは、円周方向磁束φR の時
間変化dφR /dt に等しいパルス状の誘導電圧e L
である。
【0019】ここで、誘導電圧eL について説明する。
磁性導体の半径をa、電極間の長さをhL としたとき、
磁性導体の面積a・hL を通る円周方向磁束φR は、下
記(1) 式となる。ここで、BR は、円周方向の磁束密度
である。
【0020】 φR =a・hL ・BR (1) ここで、円周方向磁界をHR 、円周方向の透磁率をμR
として、BR は、円周方向の磁束密度で下記(2) 式とな
る。
【0021】 BR =μR ・HR (2) 誘導電圧eL は、下記(3) 式で表せる。
【0022】
【数1】
【0023】また、円周方向磁界HR は、磁性導体の中
心からの距離をrH として、下記(4) 式となる。
【0024】 HR =(rH ・Iac)/(2・π・a2 ) (4) いま、rH =aの表面磁界で近似すると、HR は、下記
(5) 式となる。
【0025】 HR =Iac/(2・π・a) (5) 上記(3) 式と(5) 式から、誘導電圧eL は、下記(6) 式
で表せる。
【0026】
【数2】
【0027】ここで、Iac=Imac sinωtのとき
は、誘導電圧eL は、下記(7) 式となる。
【0028】 eL =(μR ・hL ・ω/2・π)・Imac cosωt (7) 上記式に示すように、誘導電圧eL は、電極間距離hL
に比例し、また、Iacが正弦波のときは、Iacの周波
数、電流Iacの振幅Imac にも比例する。通常、誘導電
圧eL は、オーミック電圧RW ・Iacに比べて非常に小
さい。
【0029】図2は、MI素子の等価回路を示す。図2
に示すように、MI素子は、抵抗R W とインダクタンス
W の直列回路で等価的に表せる。上記誘導電圧e
L は、MI素子のインダクタンスLW による電圧とみな
せる。
【0030】この誘導電圧eL の振幅|eL |は、磁性
導線の長さ方向の外部磁界Hexによって、敏感に変化す
る。(等価回路のインダクタンスLW が変化する)。一
般的には、外部磁界Hexによって、eL の振幅|eL
が減少する。この現象を、「磁気インダクタンス効果
(Magneto−Inductive effec
t)」と称することとする。また、この磁気インダクタ
ンス効果による磁気素子を、「磁気インダクタンス素子
(MI素子)」と称することとする。
【0031】次に、MI素子の特性について説明する。
MI効果は、磁性体の磁区構造や寸法によって異なる。
図3〜図5は、アモルファス磁性ワイヤのMI効果の測
定例である。図3〜図5では、Hexが、約±10Oe
度の範囲を示している。また、Iacの周波数は、10k
Hzである。また、Hex=0のときの|eL |の値はワ
イヤ長hL で変わるが、特性の曲線部分でのHexの変化
に対する|eL |の変化の割合は、ワイヤ長hL によら
ずほとんど同じである。
【0032】as−cast (超急冷アモルファス材
料)ワイヤは、超急冷時に残留する応力により、ワイヤ
長さ方向に異方性を持つ中心核(inner cor
e)と円周方向に異方性を持つ外殻(outer sh
ell)の2重構造を持つと考えられる。ワイヤ長さ方
向の外部磁界Hexにより、中心核がまず磁気的に飽和
し、外殻に反磁界を印加すると考えられる。
【0033】図3(A)〜(C)に示すように、ワイヤ
長hL を短くすると、|eL |−H ex特性に不感域が現
れる。このas−castワイヤに張力(1kg/mm
2 )を印加し、390℃,1minの急熱・急冷処理を
施すと、図4(A)〜(C)に示すように、ワイヤ長h
L を減少させても、不感域は、余り大きく現れない。こ
れは、張力熱処理によって、中心核が減少したためと考
えられる。
【0034】一方、as−castワイヤを線引加工し
(30μm径)、その後、張力(2〜40kg/m
2 )熱処理(390℃,1min)を施すと、図5
(A)〜(C)に示すように、ワイヤ長を、hL =1m
mに極端に短くしても、MI効果は、ワイヤ長hL >1
00mmの場合と同程度の高感度性を示している。図5
に示すas−castワイヤでは、中心核は、ほぼ、消
滅しているためと考えられる。なお、線引加工は、例え
ば、ダイスで1段階5μm程度減少させて行う。
【0035】上記の、外部磁界Hexによる|eL |の減
少は、円周方向の磁化ベクトルが、ワイヤの長さ方向に
回転する(円周方向の磁束密度が下がる)ためと考えら
れる。
【0036】なお、Iacの周波数が200MHz程度ま
で、磁界測定に有効な、振幅|eL|が得られる。ただ
し、1MHz程度以上では、渦電流のために、振幅|e
L |は減少する。
【0037】以下に、MI素子による電流センサについ
て説明する。図6は、外部磁界Hexによる誘導電圧eL
の変化を検出するための検出回路を示す。交流電圧源1
の電圧Vacにより、MI素子5には交流電流Iacが供給
される。MI素子5の持つ電気抵抗RW によるオーミッ
ク電圧RW ・Iacは、 抵抗R3 ,R4 、MI素子5,
半固定抵抗VR1 による抵抗ブリッジ回路で相殺され、
外部磁界Hexによるe L の変化分のみを検出することが
できる。
【0038】図7は、図6の回路の等価回路を示す。図
6のVR1 は、図7の抵抗R1 及び抵抗R2 に置き換え
ている。ブリッジ回路の平衡をとるために、R3 =R4
としている。また、回路条件を乱さぬように、R1 +R
2 <<R3 =R4 としている。
【0039】MI素子5両端の高周波電圧etot は、M
I素子5の抵抗RW による電圧eRW=Iac・RW とイン
ダクタンスLW による電圧eL との合成電圧である。V
1を微妙に調整すると、MI素子5両端の高周波電圧
tot の電圧値は、抵抗R1両端の電圧eR1の電圧値と
等しくなる。このとき、電圧etot の位相と電圧eR1
位相は逆になっているため、検出回路の出力端子T1
らは、下記(8) 式で表せる出力電圧VB が出力される。
【0040】 VB =eR2−(eR1−(eRW+eL ))=eR2=Iac・R2 (8) なお、ここで、eR2は、抵抗R2 両端の電圧、eR1は抵
抗R1 両端の電圧である。
【0041】MI素子5の長さ方向に外部磁界Hexが入
ると、MI素子5のインダクタンスLW が減少し、誘導
電圧は、eL ’に減少する。このときの出力電圧VB
は、下記(9) 式で表せる。
【0042】 VB ’=eR2−(eR1−(eRW+eL ’)) (9) 上記(8) ,(9) 式から分かるように、外部磁界Hexによ
る誘導電圧eL の減少に対応して、交流の出力電圧VB
の振幅が減少する。この出力電圧VB の振幅の減少分
が、外部磁界Hexによる誘導電圧eL の振幅|eL |の
減少分に相当する。
【0043】交流の出力電圧VB の振幅を検出するに
は、例えば、整流回路を用いればよい。検出した交流電
圧VB の振幅から、一定のオフセット分である電圧eR2
の振幅を差し引くと、誘導電圧の振幅|eL |の減少分
のみが検出できる。
【0044】前記のように、誘導電圧の振幅|eL |の
減少分と被測定電流Iによる外部磁界Hexとには、一定
の対応関係がある。また、被測定電流Iと外部磁界Hex
とは一定の対応関係にある。例えば、導線に電流Iが流
れるときは、導線から距離rの位置での磁界Hexは、下
記(10)式で表せる。
【0045】 Hex=I/(2・π・r) (10) 従って、上記のようにして検出した誘導電圧の振幅|e
L |の減少分から、被測定電流Iを検出することができ
る。
【0046】図8は、MI効果の線形化の説明図を示
す。2個のMI素子の長さ方向に、互いに逆の直流バイ
アス磁界Hb を印加して、上記2個のMI素子の誘導電
圧の振幅|eL |の差をとり、MI効果の線形化を行う
ことができるる。
【0047】図8で、26は、検出する外部磁界Hex
逆方向の−Hb のバイアス磁界をかけたMI素子の|e
L1|−−Hex特性を示し、27は、検出する外部磁界H
exと同一方向の+Hb のバイアス磁界をかけたMI素子
の|eL2|−−Hex特性を示す。なお、バイアス磁界H
b は、|eL |が最大値から50%程度減少する値に設
定する。
【0048】この2個のMI素子の誘導電圧の振幅の差
|e0 |=|eL1|−|eL2|は、図8の28に示すよ
うに、−Hb 〜+Hb の範囲で、外部磁界Hexに対して
線形に変化する特性となる。
【0049】また、振幅|e0 |は、MI素子1個のと
きの振幅|eL |に比べて、外部磁界Hexの変化に対す
る感度が高くなっている。
【0050】図9は、本発明の第1実施例の電流センサ
の回路図を示す。図9の交流電源形電流センサは、一対
のMI素子MI1 ,MI2 と電流検出信号を生成するセ
ンサ回路11からなる。この電流センサは、図6に示し
たブリッジ回路と、図8で説明した線形化の方法を用い
たものである。
【0051】抵抗R13,R14、MI素子MI1 ,半固定
抵抗VR11でブリッジ回路を構成している。同様に、抵
抗R23,R24、MI素子MI2 ,半固定抵抗VR22でブ
リッジ回路を構成している。
【0052】被測定電流Iは、図9中、紙面と垂直方向
に流れるものとする。MI素子MI 1 ,MI2 は、被測
定電流Iの中心位置から距離rの位置に、互いに平行に
配置される。被測定電流Iの中心から距離rでの外部磁
界をHexとする。
【0053】MI素子MI1 とMI素子MI2 には、M
I素子の長さ方向の検出する外部磁界Hexの方向に対し
て、互いに逆方向のバイアス磁界を印加する。図9の例
では、被測定電流Iが紙面表から裏に流れるときの外部
磁界Hexの向き(図中、矢印方向)を、外部磁界Hex
プラス方向とする。
【0054】このとき、MI素子MI1 には、MI素子
MI1 での外部磁界Hexのプラス方向(図中、左から右
へ向かう方向)に対して、逆方向のバイアス磁界(−H
b )を印加し、MI素子MI2 には、MI素子MI2
の外部磁界Hexのプラス方向(図中、右から左へ向かう
方向)に対して、+Hb のバイアス磁界を印加する。
【0055】一定のバイアス磁界Hb を印加するには、
例えば、MI素子MI1 ,MI2 の長さ方向に磁束を発
生させるようにMI素子MI1 ,MI2 に近接して配置
した、棒状の微小磁石を用いる。また、MI素子M
1 ,MI2 にコイルを設置して、DC電流を流しても
よい。この場合、例えば、MI素子MI1 ,MI2 に円
筒状の保護チューブを被せた上に、MI素子MI1 、M
2 全体にわたってコイルを巻く。この場合、コイル電
流によるHb とMI素子の電流によるMI素子の円周磁
界HR は直交するので、コイルの設置は、交流励磁に影
響を与えない。
【0056】図9の回路の交流電圧源1の電圧Vacによ
り、周波数fG の正弦波状の交流電流IacがMI素子M
1 ,MI2 に供給されて、MI素子MI1 ,MI2
誘導電圧eL が発生する。なお、電圧源1には、安定度
の高いものを使用する。
【0057】図7で説明したように、電流Iの測定の前
に、VR11、VR21を調整してブリッジの平衡をとって
おく。
【0058】図10は、図9の回路の各部の電圧波形の
説明図を示す。図7で説明したように、ブリッジ回路の
端子T11からは、一定のオフセット分に相当する信号に
対して、MI素子MI1 の誘導電圧の振幅|eL1|の変
化分だけ振幅の変化する出力電圧VB1が出力される。同
様に、ブリッジ回路の端子T12からは、一定のオフセッ
ト分に相当する信号に対して、MI素子MI2 の誘導電
圧の振幅|eL2|の変化分だけ振幅の変化する出力電圧
B2が出力される。
【0059】前記のように、MI素子MI1 は、外部磁
界のプラス方向に対してマイナス方向のバイアス磁界−
b が印加されている。このため、図8の26に示した
|e L1|の特性と同様に、外部磁界Hexが増加する(−
b から+Hb の範囲で)のに対して、VB1の振幅は増
加する。一方、MI素子MI2 は、外部磁界のプラス方
向に対してプラス方向のバイアス磁界+Hb が印加され
ている。このため、図8の27に示した|eL2|の特性
と同様に、外部磁界Hexが増加する(−Hb から+Hb
の範囲で)のに対して、VB2の振幅は減少する。
【0060】ダイオードD1 とコンデンサC1 により整
流回路が構成される。ダイオードD 1 により、図10
(A)に示す交流電圧VB1は、図10(B)に示すプラ
ス側のみの信号になり、コンデンサC1 により、周波数
G 成分が減衰されて、交流電圧VB1の振幅に相当する
電圧EB1(図10(C))がダイオードD1 のカソード
に生成される。電圧EB1は、一定のオフセット分の振幅
値から、誘導電圧|eL1|の変化分を引いた値の電圧で
ある。
【0061】同様に、ダイオードD2 とコンデンサC2
による整流回路が構成される。ダイオードD2 により、
図10(D)に示す交流電圧VB2は図10(E)に示す
プラス側のみの信号になり、コンデンサC2 により、周
波数fG 成分が減衰されて、交流電圧VB2の振幅に相当
する電圧EB2(図10(F))がダイオードD1 のカソ
ードに生成される。電圧EB2は、一定のオフセット分の
振幅値から、誘導電圧|eL2|の変化分を引いた値の電
圧である。
【0062】差動増幅器A1 は、出力端子T13から、電
圧EB1と電圧EB2の差の出力電圧E B0=EB1−EB2を出
力する。この出力電圧EB0が電流検出信号であり、後述
するように、被測定電流Iに比例して変化する電圧であ
る。
【0063】図11は、電圧EB1,EB2、出力電圧EB0
の説明図を示す。図11の61は、電圧EB1−−Hex
特性を示し、62は電圧EB2−−Hexの特性をしめす。
また、図11の63は、出力電圧EB0−−Hexの特性を
示す。
【0064】EB1−−Hexの特性61で、EB1の変化分
は、|eL1|の変化分に等しい。また、前記のバイアス
磁界−Hb のために、電圧EB1が最大となる位置は、M
I素子MI1 に印加される磁界が0である+Hb の位置
となっている。EB1−−Hexの特性61は、最大値E
OF1 (一定のオフセット分)の値を除き、図8の|eL1
|−−Hex特性26と同一の特性である。
【0065】同様に、EB2−−Hexの特性62で、EB2
の変化分は、|eL2|の変化分に等しい。また、前記の
バイアス磁界+Hb のために、電圧EB2が最大となる位
置は、MI素子MI2 に印加される磁界が0である−H
b の位置となっている。EB2−−Hexの特性62は、最
大値EOF2 =EOF1 (一定のオフセット分)の値を除
き、図8の|eL2|−−Hex特性27と同一の特性であ
る。
【0066】電圧EB1は、EB1=|eL1|+ΔEP で表
せ、また、電圧EB2=|eL2|+ΔEP で表せる。ここ
で、ΔEP はEB1と|eL1|の最大値の差(EB2と|e
L2|の最大値の差でもある)にあたる一定の値である。
従って、出力電圧EB0は、EB0=EB1−EB2=|eL1
−|eL2| となる。
【0067】従って、出力電圧EB0は、図8の|e0
に相当する電圧であり、−Hb から+Hb の範囲で、外
部磁界Hexに対してリニアに変化する電圧である。上記
のように、外部磁界Hexに比例して変化する出力電圧E
B0が得られる。図10の例では、外部磁界Hexがプラス
の場合で、図10(G)の出力電圧EB0>0となってい
る。
【0068】図9の例では、Hex=被測定電流I/(2
・π・r) であるので、I=K1・EB0の関係があ
る。センサ回路11の利得、電流Iacの大きさ、周波数
G 等で決まる、比例定数K1 を求めておくことで、出
力電圧EB0から、被測定電流Iを検出することができ
る。
【0069】なお、検出可能な被測定電流の周波数は、
電流Iacの周波数fG の周波数の1/10程度までであ
る。また、出力電圧EB0の波形は、被測定電流Iの波形
と忠実に同一波形になるため、出力電圧EB0から容易に
交流電流Iの実効値を求めることができる。
【0070】また、センサヘッドとなるMI素子M
1 ,MI2 は、180°C程度まで使用可能であり、
高温の環境下での測定ができる。
【0071】次に、図9の電流センサの具体例について
説明する。図12は、図9の交流電源形電流センサの電
流検出特性例である。MI素子MI1 ,MI2 は、50
μm径、2mm長の、張力アニール処理(4kg/mm
2 ,390℃,1min)アモルファスワイヤを2本用
いた。
【0072】交流電流IACは正弦波で、電流値は15m
A、周波数fG (励磁周波数)は100kHzである。
また、バイアス磁界Hb =2Oe (エルステッド)と
し、被測定電流Iの流れる導線とMI素子の間隔rを1
0mmとする。Hex=I/(2・π・r)の関係より、
I=10Aのときに、Hex=2Oe となる。
【0073】上記の条件で、±5Aの検出範囲,DC〜
5kHzの導線電流Iを高精度(50μAの分解能)
で、非接触検出することができる。
【0074】上記第1実施例の電流センサでは、センサ
ヘッドとしては、MI素子MI1 ,MI2 のみである。
前記のように、MI素子は、長さ1mm程度、直径数1
0μm程度であるので、超小型のセンサヘッドを実現す
ることができる。
【0075】また、数Aの最大検出電流に対して、数十
μA程度の分解能を持ち(磁界Hexの分解能で、10-6
e 程度)、高感度、かつ、高精度の電流センサを実現
できる。また、ノイズレベルは、10-5〜10-6e
度と極めて小さい。
【0076】また、Iacの周波数fG は10MHz程度
まで使用でき、1MHz程度までの電流Iを検出するこ
とができる、高速応答性を持っている。
【0077】また、MI素子は、製作が容易で、従来の
コアを用いる電流センサに比べて、センサヘッドを大幅
に低価格とすることができる。
【0078】また、MI素子は、特性の温度変動が小さ
く、従来のホール素子を用いた方式と異なり、温度補償
のための回路を必要としない。
【0079】図13は、本発明の第2実施例の電流セン
サの回路図を示す。図9の交流電源形電流センサは、一
対のMI素子MI1 ,MI2 と電流検出信号を生成する
センサ回路12からなる。この電流センサは、2個のM
I素子とバイポーラトランジスタ2個によるマルチバイ
ブレータ形電流センサである。
【0080】トランジスタTr1,Tr2のコレクタに夫
々、MI素子MI1 、MI2 の一端を接続している。M
I素子MI1 、MI2 の他端は、DC電源に接続されて
おり、電圧Vccが供給されている。なお、このDC電源
には、安定度の高いものを使用する。
【0081】トランジスタTr1,Tr2、MI素子M
1 、MI2 、コンデンサC31,抵抗R 31、コンデンサ
32,抵抗R32、抵抗Rb1,抵抗Rb2 、抵抗R33,R
34、VR 31。により、マルチバイブレータが構成されて
いる。マルチバイブレータの発振周波数fM1は、MI素
子MI1 、MI2 のインダクタンスL、トランジスタT
r1,Tr2、のコレクタ・エミッタ間容量、コンデンサC
31,抵抗R31、コンデンサC32,抵抗R32、の値により
決まる。抵抗Rb1,Rb1は、ベース接地抵抗で、コンデ
ンサC31,抵抗R31、は、夫々、トランジスタTr2をオ
ンさせるチャージコンデンサとベース電流制限抵抗であ
る。同様に、コンデンサC32,抵抗R32、は、トランジ
スタTr1をオンさせるチャージコンデンサとベース電流
制限抵抗である。
【0082】抵抗R33,R34、VR31は、トランジスタ
r1,Tr2のエミッタ抵抗となる。また、VR31は、M
I素子MI1 ,MI2 、トランジスタTr1,Tr2の微妙
な特性によって生じる、マルチバイブレータの出力電圧
E1とVE2の差を補正するためのもので、VR31を調整
して、電圧VE1とVE2の差を補正する。
【0083】MI素子MI1 、MI2 には、図9の回路
と同様に、バイアス磁界−Hb ,+Hb が印加されてい
る。なお、MI素子MI1 ,MI2 に設けたコイルによ
りバイアス磁界Hb を印加する場合、コイル電流による
b とMI素子MI1 ,MI 2 の電流による円周磁界H
R は直交するので、コイルの設置は、交流励磁や、発振
条件に影響を与えない。
【0084】図14は、図13の回路の各部の信号の波
形の説明図を示す。マルチバイブレータの発振により、
MI素子MI1 、MI2 には、周波数fM1の交流電流I
ac1,Iac2 (図14(A)、(B))が供給され、誘
導電圧eL が発生する。
【0085】発振周波数fM1が数MHzのときは、トラ
ンジスタTr1、Tr2のエミッタ電圧であるマルチバイブ
レータの出力電圧VE1,VE2は、図14(B)、(C)
に示すように、パルス状の電圧となる。電圧VE1は、一
定のオフセット分に相当するパルス信号に対して、MI
素子MI1 の誘導電圧の振幅|eL1|の変化分だけ振幅
が変化した電圧である。電圧VE1は、パルスの振幅の最
小電圧値がプラスの電圧である。
【0086】電圧VE1と同様に、電圧VE2は、一定のオ
フセット分に相当するパルス信号に対して、MI素子M
2 の誘導電圧の振幅|eL2|の変化分だけ振幅が変化
した電圧である。また、出力電圧VE1と同様に、電圧V
E2は、パルスの振幅の最小電圧値がプラスの電圧であ
る。
【0087】ローパスフィルタ(LPF)51は、発振
周波数fM1の成分を減衰させる。このため、LPF51
の出力電圧EE1は、一定のオフセット分の振幅値から、
誘導電圧の振幅|eL1|の変化分を引いた値の電圧であ
る。
【0088】同様に、ローパスフィルタ(LPF)52
は、発振周波数fM1の成分を減衰させる。このため、L
PF52の出力電圧EE2は、一定のオフセット分の振幅
値から、誘導電圧の振幅|eL2|の変化分を引いた値の
電圧である。
【0089】抵抗R35,R36,R37,R38,増幅器A2
により差動増幅回路を構成している。なお、R35=R36
=R37=R38に設定してある。この差動増幅回路によ
り、電圧EE1と電圧EE2の差の出力電圧ET0=EE1−E
E2が出力端子T14から生成される。この出力電圧ET0
電流検出信号であり、後述するように、被測定電流Iに
比例して変化する電圧である。
【0090】電圧EE1と電圧EE2は、同一値のオフセッ
ト分(MI素子に印加される磁界=0のときの電圧
E1,電圧EE2の最大値)を持っている。従って、差動
増幅回路により、この一定のオフセット分が相殺され
て、出力電圧ET0は、ET0=EE1−EE2=|eL1|−|
L2|となる。
【0091】出力電圧ET0は、図10に示した図9の回
路の出力電圧VB0と同様に、−Hbから+Hb の範囲
で、外部磁界Hexに比例して変化する電圧である。図1
4の例では、外部磁界Hexがプラスの場合で、出力電圧
T0>0となっている。
【0092】上記のように、外部磁界Hexに比例して変
化する出力電圧ET0が得られる。この出力電圧ET0
ら、ET0と一定の比例関係にある被測定電流Iを検出す
ることができる。即ち、測定電流I=K2 ・ET0 (K
2 は比例定数)から、センサ回路12の利得、電流Iac
の大きさ、周波数fM1等で決まる、K2 を求めておくこ
とで、電流Iを検出できる。
【0093】上記第2実施例は、第1実施例と同様に、
超小型で低価格のセンサヘッドを実現することができ
る。また、数Aの最大検出電流に対して、数μA程度の
分解能(磁界Hexの分解能で、10-6e 程度)を持
ち、高感度、かつ、高精度の電流センサを実現できる。
【0094】また、Iacの周波数fM1は10MHz程度
まで使用でき、1MHz程度までの電流Iを検出するこ
とができる、高速応答性を持っている。
【0095】また、MI素子は、特性の温度変動が小さ
く、従来のホール素子を用いた方式と異なり、温度補償
のための回路を必要としない。
【0096】図15は、本発明の第3実施例の電流セン
サの回路図を示す。第3実施例の共振マルチバイブレー
タ形電流センサは、図13の回路のトランジスタTr1
r2の代わりに、FET1 ,FET2 を用いている。
【0097】回路の構成、動作は、第2実施例の回路と
同様である。電流帰還抵抗RS ,高周波バイパスコンデ
ンサCS は、高周波での安定度を増すためのものであ
る。
【0098】図16に、図15の回路の各部の信号の波
形の説明図を示す。図15の回路では、周波数fM2の正
弦波状の発振が行われ、MI素子に供給される交流電流
ac 1 ,Iac2 (図16(A)、(B))も、正弦波状
の電流である。また、電圧V D1,VD2(図16(C)、
(D))は、図13の電圧VE1,VE2に相当する。誘導
電圧|eL1|,|eL2|の変化により振幅が変化する電
圧VD1,VD2も、正弦波状の電圧である。
【0099】また、LPF51,52の出力電圧ED1
D2は、図13の電圧EE1,EE2に相当する。出力電圧
D1,ED2は、一定のオフセット分の振幅値から、夫
々、誘導電圧の振幅|eL1|,|eL2|の変化分を引い
た値の電圧である。
【0100】端子T15の出力電圧EF0は、EF0=ED1
D2=|eL1|−|eL2|となる。出力電圧EF0は、図
10に示した図9の回路の出力電圧EB0と同様に、−H
b から+Hb の範囲で、外部磁界Hexに比例して変化す
る電圧である。
【0101】図16では、外部磁界Hexがプラスの場合
で、出力電圧EF0>0となっている。図13の回路同様
に、この出力電圧EF0から、EF0と一定の比例関係にあ
る被測定電流Iを検出することができる。即ち、測定電
流I=K3 ・EF0 (K3 は比例定数)から、センサ回
路12の利得、電流Iacの大きさ、周波数fM2等で決ま
る、K3 を求めておくことで、電流Iを検出できる。
【0102】第3実施例では、例えば、Hex=0.25
e (周波数:100Hz)のときに、EF0=1Vとな
る高感度の電流センサを実現できる。
【0103】上記第3実施例は、第2実施例と同様に、
超小型で低価格のセンサヘッドを実現することができ
る。また、数Aの最大検出電流に対して、数μA程度の
分解能(磁界Hexの分解能で、10-6e 程度)を持
ち、高感度、かつ、高精度の電流センサを実現できる。
【0104】また、Iacの周波数fM2は200MHz程
度まで使用でき、10MHz程度までの電流Iを検出す
ることができる、高速応答性を持っている。
【0105】また、MI素子は、特性の温度変動が小さ
く、従来のホール素子を用いた方式と異なり、温度補償
のための回路を必要としない。
【0106】図17は、本発明の第4実施例の電流セン
サの構成図を示す。第4実施例の電流センサは、センサ
回路72、増幅器A3 、帰還抵抗Rf 、帰還コイル71
からなる。センサ回路72には、第1実施例〜第3実施
例で示した、電流Iに比例する出力電圧を生成する回路
のいずれかを適用する。
【0107】ここで、センサ回路の利得をGS 、出力電
圧をE0 とし、増幅器A3 の利得をGN 、出力電圧をE
0Nとする。増幅器A3 を設けない場合は、出力電圧E0
下記(11)式で表せる。
【0108】 E0 =GS ・Hex (11) 以下に、増幅器A3 を設けて、帰還抵抗Rf を介して帰
還コイル71に出力電圧E0 に比例した負帰還電流を流
す場合について説明する。なお、バイアス磁界Hb は、
第1実施例〜第3実施例と同様に印加する。この場合の
出力電圧E0Nは、下記(12)式で表せる。
【0109】 E0N=(GS ・GN /(1+GS ・GN ・FN ))・Hex (12) ここで、FN は帰還係数で、下記のようにして定まる。
【0110】帰還コイル71により発生する帰還磁界H
f は、下記(13)式となる。
【0111】 Hf =(Nf ・E0N)/(df ・Rf ) (13) 上記(13)式から、帰還係数FN は下記(14)式となる。
【0112】 FN =Nf /(df ・Rf ) (14) ここで、Nf は、帰還コイル71の巻き数、df は、帰
還コイル71の長さである。
【0113】増幅器A3 の利得GN が十分大きく、|G
S ・GN ・FN |>>1とすると、出力電圧E0Nは、下記
(15)式となる。
【0114】 E0N≒Hex/FN =(df ・Rf ・Hex)/Nf (15) 図18は、出力電圧E0Nの特性の説明図を示す。帰還コ
イル71による帰還を行わないときの出力電圧E0 は、
b ex<−Hb 、Hex>Hb の範囲では、特性が線形
ではなくなる。これに対して、図17の回路で負帰還を
行った場合の出力電圧E0Nは、Hex<−Hb 、Hex>H
b の範囲まで、特性が線形化できている。
【0115】MI素子自身は、温度による誘導電圧eL
の変動はほとんど無い。一方、センサ回路72は、周囲
温度の変動幅が大きい場合(100°C程度)、利得G
S 等に変動が生じる。しかし、図17の回路では、上記
の負帰還により、出力電圧E 0Nがセンサ回路の利得GS
の温度変動の影響をほとんど受けなくなるため、出力電
圧E0Nの温度変動を低減することができる。
【0116】図19は、MI素子を複数個配置する例の
説明図を示す。図19の例では、4個の直列接続したM
I素子81〜83と、4個の直列接続したMI素子84
〜86の2組を電流Iの周囲に設けている。MI素子8
1〜83とMI素子84〜86とには、互いに逆方向の
バイアス磁界Hb を印加している。
【0117】MI素子81〜83とMI素子84〜86
と、前記第1〜第3実施例のいずれかのセンサ回路を用
いて、導線80に流れる電流I(紙面と垂直方向)を検
出する。こうすることにより、被測定電流Iの周辺の外
乱磁気の影響を無くすことができる。
【0118】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、磁気イン
ダクタンス素子は、寸法が1ミリ程度と小さく、低価格
であり、また、磁界に対する感度が高く、ノイズが少な
く精度が高く、また、10MHz程度までの被測定電流
に応答でき、また、特性の温度変化が小さいため、高感
度、高精度、高速応答性、高信頼性、及び低価格を兼ね
備えた電流センサを実現することができる特長を有す
る。
【0119】請求項3の発明によれば、第1及び第2の
磁気インダクタンス素子に、被測定電流による磁界の方
向に関して互いに逆方向のバイアス磁界を印加して、電
流の変化に対する変化の極性が異なる、第1及び第2の
電流検出信号を生成し、上記第1及び第2の電流検出信
号の差から第3の電流検出信号を生成するため、電流の
変化に対して線形に変化し、かつ、高感度の電流検出信
号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MI素子の説明図である。
【図2】MI素子の等価回路を示す図である。
【図3】アモルファス磁性ワイヤのMI効果の測定例を
示す図である。
【図4】アモルファス磁性ワイヤのMI効果の測定例を
示す図である。
【図5】アモルファス磁性ワイヤのMI効果の測定例を
示す図である。
【図6】誘導電圧eL の変化を検出するための検出回路
を示す図である。
【図7】図6の回路の等価回路を示す図である。
【図8】MI効果の線形化の説明図である。
【図9】本発明の第1実施例の電流センサの回路図であ
る。
【図10】図9の回路の各部の電圧波形の説明図であ
る。
【図11】電圧EB1,EB2、出力電圧EB0の説明図であ
る。
【図12】図9の電流センサの電流検出特性例を示す図
である。
【図13】本発明の第2実施例の電流センサの回路図で
ある。
【図14】図13の回路の各部の信号波形の説明図であ
る。
【図15】本発明の第3実施例の電流センサの回路図で
ある。
【図16】図15の回路の各部の信号波形の説明図であ
る。
【図17】本発明の第4実施例の構成図である。
【図18】出力電圧E0Nの特性の説明図である。
【図19】MI素子を複数個配置する例の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 交流電圧源 5 MI素子 Hex 外部磁界 MI1 ,MI2 MI素子 Hb バイアス磁界 11,12,13 センサ回路 71 帰還コイル 72 センサ回路 81〜83,84〜86 MI素子

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気インダクタンス素子と、 上記磁気インダクタンス素子に所定の交流電流を供給す
    る交流電流供給手段と、 上記磁気インダクタンス素子の電極間に発生する誘導電
    圧の、被測定電流による磁界に対応した振幅変化を検出
    して、電流検出信号を生成する検出信号生成手段とを有
    することを特徴とする電流センサ。
  2. 【請求項2】 前記検出信号生成手段は、ブリッジ回路
    と整流回路とからなることを特徴とする請求項1記載の
    電流センサ。
  3. 【請求項3】 被測定電流による磁界の方向に関して互
    いに逆方向のバイアス磁界を印加された第1及び第2の
    磁気インダクタンス素子と、 上記第1及び第2の磁気インダクタンス素子に交流電流
    を供給する交流電流供給手段と、 上記第1の磁気インダクタンス素子の電極間に発生する
    誘導電圧の、上記被測定電流による磁界に対応した振幅
    変化を検出して、第1の電流検出信号を生成し、かつ、
    上記第2の磁気インダクタンス素子の電極間に発生する
    誘導電圧の、上記被測定電流による磁界に対応した振幅
    変化を検出して、第2の電流検出信号を生成する検出信
    号生成手段と、 上記第1の電流検出信号と上記第2の電流検出信号との
    差から、第3の電流検出信号を生成する差信号生成手段
    とを有することを特徴とする電流センサ。
  4. 【請求項4】 前記検出信号生成手段は、前記第1の磁
    気インダクタンス素子に接続された第1のブリッジ回路
    と第1の整流回路、及び、前記第2の磁気インダクタン
    ス素子に接続された第2のブリッジ回路と第2の整流回
    路とからなることを特徴とする請求項3記載の磁気イン
    ダクタンス素子。
  5. 【請求項5】 前記交流電流供給手段及び前記検出信号
    生成手段は、 夫々が、前記第1及び第2の磁気インダクタンス素子に
    接続された一対のスイッチングトランジスタによるマル
    チバイブレータと、 上記交流電流供給手段の周波数成分を減衰させる低域通
    過フィルタと、 からなることを特徴とする請求項3記載の電流センサ。
  6. 【請求項6】 前記磁気インダクタンス素子は、アモル
    ファス磁性体であることを特徴とする請求項1又は請求
    項3記載の電流センサ。
  7. 【請求項7】 前記アモルファス磁性体は、アモルファ
    ス磁性ワイヤであることを特徴とする請求項6記載の電
    流センサ。
  8. 【請求項8】 前記アモルファス磁性ワイヤは、張力下
    加熱処理が施されたことを特徴とする請求項7記載の電
    流センサ。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2の磁気インダクタンス
    素子は、夫々、被測定電流の周囲に配置された複数個の
    磁気インダクタンス素子からなることを特徴とする請求
    項3記載の電流センサ。
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