JPH06345599A - 炭化珪素のウイスカーと粉状体の製造方法 - Google Patents
炭化珪素のウイスカーと粉状体の製造方法Info
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- JPH06345599A JPH06345599A JP5160234A JP16023493A JPH06345599A JP H06345599 A JPH06345599 A JP H06345599A JP 5160234 A JP5160234 A JP 5160234A JP 16023493 A JP16023493 A JP 16023493A JP H06345599 A JPH06345599 A JP H06345599A
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- Japan
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- silicon carbide
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- product
- whiskers
- carbide whisker
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 稲科植物系の原料による反応生成物から独特
の分級機構を用いて炭化珪素のウイスカーと粉状体を同
時に分別併産する製造方法。 【構成】 稲化植物の果実殻または茎もしくはこれらの
炭化物を非酸化性雰囲気下で1400〜2000℃の温度域で加
熱処理したのち、生成物に対し残留炭素成分の酸化除去
およびシリカ成分の洗浄除去を施す。ついで、非酸化性
雰囲気下で1600〜2000℃の温度に加熱して生成物中の炭
化珪素粉状体を選択的に大粒化し、炭化珪素ウイスカー
と分級処理して分別回収する。
の分級機構を用いて炭化珪素のウイスカーと粉状体を同
時に分別併産する製造方法。 【構成】 稲化植物の果実殻または茎もしくはこれらの
炭化物を非酸化性雰囲気下で1400〜2000℃の温度域で加
熱処理したのち、生成物に対し残留炭素成分の酸化除去
およびシリカ成分の洗浄除去を施す。ついで、非酸化性
雰囲気下で1600〜2000℃の温度に加熱して生成物中の炭
化珪素粉状体を選択的に大粒化し、炭化珪素ウイスカー
と分級処理して分別回収する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、稲科植物の果実殻また
は茎を原料成分として炭化珪素のウイスカーと粉状体を
同時に併産するための製造方法に関する。
は茎を原料成分として炭化珪素のウイスカーと粉状体を
同時に併産するための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属、プラスチックス、セラミックス等
の複合強化材料として有用されている炭化珪素ウイスカ
ーの製造技術には多様の方法が知られている。従来の製
造技術を原料系によって分類すると、珪素源にSiCl
4 、SiHCl3 、(CH3)4Siのような分解性珪素
化合物、炭材としてCH4 、C3 H8 、CCl4 などを
用いて気相反応させる気相原料法と、SiO2 を含む固
形状の珪素源とカーボン粉末のような炭材を混合する
か、これら成分を複合的に含有する物質を加熱反応させ
る固相原料法とに大別することができる。このうち気相
原料を用いる方法は、ハロゲンや水素などの極めて取扱
いにくいガス状物質を用いるため、工程的および設備的
に工業生産に適さない。これに対し、固相原料法は安定
な粉末原料を用いる関係で工業的に有利であり、現状で
は実用的な製造技術とされている。
の複合強化材料として有用されている炭化珪素ウイスカ
ーの製造技術には多様の方法が知られている。従来の製
造技術を原料系によって分類すると、珪素源にSiCl
4 、SiHCl3 、(CH3)4Siのような分解性珪素
化合物、炭材としてCH4 、C3 H8 、CCl4 などを
用いて気相反応させる気相原料法と、SiO2 を含む固
形状の珪素源とカーボン粉末のような炭材を混合する
か、これら成分を複合的に含有する物質を加熱反応させ
る固相原料法とに大別することができる。このうち気相
原料を用いる方法は、ハロゲンや水素などの極めて取扱
いにくいガス状物質を用いるため、工程的および設備的
に工業生産に適さない。これに対し、固相原料法は安定
な粉末原料を用いる関係で工業的に有利であり、現状で
は実用的な製造技術とされている。
【0003】とくに固相原料のうち、稲科植物の果実殻
や茎にはそれ自体に珪素源と炭素源となる成分が複合的
に含有されており、また農業廃棄物を有効利用するため
原料コスト的にも有利となる。このため、稲科植物の果
実殻として代表的な籾殻を原料として炭化珪素ウイスカ
ーを製造する技術については古くから知られている〔米
国特許第3754076 号明細書、J.Am.Ceram.Soc 67,715-72
0(1984) 〕。この技術によると、籾殻は非酸化性雰囲気
中で1300℃に加熱すると炭化が進行し、この炭化物
が籾殻中に含有されている珪素分と反応する機構によっ
て炭化珪素に転化するが、生成する炭化珪素はウイスカ
ーとその太さと同程度の直径をもつサブミクロン級の粉
状体とが混在するものである。
や茎にはそれ自体に珪素源と炭素源となる成分が複合的
に含有されており、また農業廃棄物を有効利用するため
原料コスト的にも有利となる。このため、稲科植物の果
実殻として代表的な籾殻を原料として炭化珪素ウイスカ
ーを製造する技術については古くから知られている〔米
国特許第3754076 号明細書、J.Am.Ceram.Soc 67,715-72
0(1984) 〕。この技術によると、籾殻は非酸化性雰囲気
中で1300℃に加熱すると炭化が進行し、この炭化物
が籾殻中に含有されている珪素分と反応する機構によっ
て炭化珪素に転化するが、生成する炭化珪素はウイスカ
ーとその太さと同程度の直径をもつサブミクロン級の粉
状体とが混在するものである。
【0004】したがって、炭化珪素ウイスカーを得るた
めには粉状体からウイスカーのみを分離回収しなければ
ならない。籾殻原料による反応生成物から炭化珪素ウイ
スカーを分離回収する手段としては、例えば細断した反
応生成物を水と灯油、軽油など疎水性有機溶媒との混合
液に分散させ、水相側に炭化珪素ウイスカーを、また有
機溶媒側に残留炭材と副生した炭化珪素の粉状体を移行
させて分離する方法(米国特許第4249700 号明細書、特
開昭57−200299号公報)、反応生成物を水に分散したの
ち硫酸アルミニウムのような凝集剤を加えて選択的に炭
化珪素ウイスカーを凝集させ、ついで疎水性有機溶媒を
混合して前記技術と同様に二液分離する方法(米国特許
第4256571 号明細書) などが提案されている。
めには粉状体からウイスカーのみを分離回収しなければ
ならない。籾殻原料による反応生成物から炭化珪素ウイ
スカーを分離回収する手段としては、例えば細断した反
応生成物を水と灯油、軽油など疎水性有機溶媒との混合
液に分散させ、水相側に炭化珪素ウイスカーを、また有
機溶媒側に残留炭材と副生した炭化珪素の粉状体を移行
させて分離する方法(米国特許第4249700 号明細書、特
開昭57−200299号公報)、反応生成物を水に分散したの
ち硫酸アルミニウムのような凝集剤を加えて選択的に炭
化珪素ウイスカーを凝集させ、ついで疎水性有機溶媒を
混合して前記技術と同様に二液分離する方法(米国特許
第4256571 号明細書) などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
二液分離法は工程が煩雑であるうえ、生成した炭化珪素
ウイスカーをその太さと同等直径を有するサブミクロン
級の炭化珪素粉状体から完全に分離することが困難であ
る。また、炭化珪素のウイスカーと粉状体を同時に製造
することは意図されていない。
二液分離法は工程が煩雑であるうえ、生成した炭化珪素
ウイスカーをその太さと同等直径を有するサブミクロン
級の炭化珪素粉状体から完全に分離することが困難であ
る。また、炭化珪素のウイスカーと粉状体を同時に製造
することは意図されていない。
【0006】本発明の目的は、稲科植物系の原料による
反応生成物から独特の分級機構を用いて炭化珪素ウイス
カーと炭化珪素粉状体を同時に且つ分別的に効率併産す
ることができる炭化珪素のウイスカーと粉状体の製造方
法を提供することにある。
反応生成物から独特の分級機構を用いて炭化珪素ウイス
カーと炭化珪素粉状体を同時に且つ分別的に効率併産す
ることができる炭化珪素のウイスカーと粉状体の製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による炭化珪素のウイスカーと粉状体の製造
方法は、稲科植物の果実殻または茎もしくはこれらの炭
化物を非酸化性雰囲気下で1400〜2000℃の温度
域で加熱処理したのち、生成物に対し残留炭素成分の酸
化除去およびシリカ成分の洗浄除去を施し、ついで非酸
化性雰囲気下で1600〜2000℃の温度に加熱して
生成物中の炭化珪素粉状体を選択的に大粒化させ、炭化
珪素ウイスカーと分級処理することを構成上の特徴とす
る。
めの本発明による炭化珪素のウイスカーと粉状体の製造
方法は、稲科植物の果実殻または茎もしくはこれらの炭
化物を非酸化性雰囲気下で1400〜2000℃の温度
域で加熱処理したのち、生成物に対し残留炭素成分の酸
化除去およびシリカ成分の洗浄除去を施し、ついで非酸
化性雰囲気下で1600〜2000℃の温度に加熱して
生成物中の炭化珪素粉状体を選択的に大粒化させ、炭化
珪素ウイスカーと分級処理することを構成上の特徴とす
る。
【0008】本発明の原料には、稲、麦、粟などの穀物
類、そのほか葦、茅などを含む各種稲科植物の果実殻ま
たは茎、あるいは前記の稲科植物類を乾燥し、必要に応
じて破砕、裁断したのち非酸化雰囲気に保持された加熱
炉により600℃以上の温度で炭化処理した炭化物が選
択的に用いられる。この原料系の選択により、炭化珪素
ウイスカーと炭化珪素粉状体を含む複合生成物の効率的
な反応生成ができ、また生成物を加熱処理する後工程で
炭化珪素粉状体のみを大粒化することが可能となる。
類、そのほか葦、茅などを含む各種稲科植物の果実殻ま
たは茎、あるいは前記の稲科植物類を乾燥し、必要に応
じて破砕、裁断したのち非酸化雰囲気に保持された加熱
炉により600℃以上の温度で炭化処理した炭化物が選
択的に用いられる。この原料系の選択により、炭化珪素
ウイスカーと炭化珪素粉状体を含む複合生成物の効率的
な反応生成ができ、また生成物を加熱処理する後工程で
炭化珪素粉状体のみを大粒化することが可能となる。
【0009】上記の原料は黒鉛製の反応容器に充填し、
非酸化性雰囲気に保持された加熱炉で加熱処理して原料
中の珪素成分と炭化した炭素成分とを反応させる。この
際、炭化珪素のウイスカーと粉状体を同時に複合生成さ
せるためには加熱温度を1400〜2000℃の温度域
に設定することが重要で、1400℃未満では炭化珪素
そのものが生成せず、2000℃を越えると粉状体の炭
化珪素が支配的に生成して炭化珪素ウイスカーが含有さ
れなくなる。
非酸化性雰囲気に保持された加熱炉で加熱処理して原料
中の珪素成分と炭化した炭素成分とを反応させる。この
際、炭化珪素のウイスカーと粉状体を同時に複合生成さ
せるためには加熱温度を1400〜2000℃の温度域
に設定することが重要で、1400℃未満では炭化珪素
そのものが生成せず、2000℃を越えると粉状体の炭
化珪素が支配的に生成して炭化珪素ウイスカーが含有さ
れなくなる。
【0010】生成物には未反応の炭素成分が残留してい
るため、これを酸化除去する。酸化除去は、生成物を大
気中で約600℃の温度に加熱して残留炭素成分を焼却
除去する方法が適用される。引き続き、生成物を薬品処
理して炭化珪素のウイスカーおよび粉状体の表面に付着
形成されたシリカ成分を洗浄除去する。この洗浄処理を
施さないと、後工程の加熱処理時に炭化珪素粉状体の円
滑な大粒化が進行しなくなる。洗浄処理は生成物を5%
濃度の弗化水素酸水溶液に浸漬する方法でおこなうこと
ができる。
るため、これを酸化除去する。酸化除去は、生成物を大
気中で約600℃の温度に加熱して残留炭素成分を焼却
除去する方法が適用される。引き続き、生成物を薬品処
理して炭化珪素のウイスカーおよび粉状体の表面に付着
形成されたシリカ成分を洗浄除去する。この洗浄処理を
施さないと、後工程の加熱処理時に炭化珪素粉状体の円
滑な大粒化が進行しなくなる。洗浄処理は生成物を5%
濃度の弗化水素酸水溶液に浸漬する方法でおこなうこと
ができる。
【0011】ついで、炭化珪素ウイスカーと炭化珪素粉
状体からなる混合生成ケーキをほぐして黒鉛容器に充填
し、非酸化製雰囲気に保持された加熱炉に入れて160
0〜2000℃の温度で加熱処理する。この加熱処理に
より生成物中の炭化珪素粉状体が選択的に大粒化し、炭
化珪素ウイスカーの太さより大きな粒径に成長する。し
かし、加熱温度が1600℃未満であると炭化珪素粉状
体の大粒化が円滑に進行せず、2000℃を越えると炭
化珪素ウイスカーが粒子形状に変形する。この加熱処理
により、炭化珪素ウイスカーの性状が直径0.2〜0.
6μm 、長さ50〜200μm であるのに対し、混在す
る炭化珪素粉状体の粒径は0.5μm 程度から3〜10
μm にまで大粒化し、粒径が顕著に相違する。
状体からなる混合生成ケーキをほぐして黒鉛容器に充填
し、非酸化製雰囲気に保持された加熱炉に入れて160
0〜2000℃の温度で加熱処理する。この加熱処理に
より生成物中の炭化珪素粉状体が選択的に大粒化し、炭
化珪素ウイスカーの太さより大きな粒径に成長する。し
かし、加熱温度が1600℃未満であると炭化珪素粉状
体の大粒化が円滑に進行せず、2000℃を越えると炭
化珪素ウイスカーが粒子形状に変形する。この加熱処理
により、炭化珪素ウイスカーの性状が直径0.2〜0.
6μm 、長さ50〜200μm であるのに対し、混在す
る炭化珪素粉状体の粒径は0.5μm 程度から3〜10
μm にまで大粒化し、粒径が顕著に相違する。
【0012】加熱処理した生成物は、十分に解繊したの
ち浮遊選鉱装置、液体サイクロン装置など適宜な分級機
を用いて炭化珪素ウイスカーと炭化珪素粉粒体に分別し
て回収する。
ち浮遊選鉱装置、液体サイクロン装置など適宜な分級機
を用いて炭化珪素ウイスカーと炭化珪素粉粒体に分別し
て回収する。
【0013】
【作用】本発明において、稲科植物の果実殻や茎または
これらの炭化物を非酸化性雰囲気下に1300〜200
0℃の温度域で加熱処理する工程で得られる反応物は概
ね同径性状の炭化珪素ウイスカーと炭化珪素粉状体を含
む複合生成物であって、このうち炭化珪素ウイスカーは
軸方向に垂直(Basal plane) な積層欠陥が密に形成され
た耐熱性の高い結晶性状を呈している。また、一般に同
径性状を備える炭化珪素のウイスカーと粉状体では前者
に比べて後者の表面エネルギーが大きく、加熱に際して
物質移動(拡散、昇華)が生じ易いため大粒化する傾向
が強い。このため、残留炭素成分およびシリカ成分を除
去した生成物を非酸化雰囲気下に1600〜2000℃
で加熱する後処理工程において、熱的に安定な炭化珪素
ウイスカーは性状変化を生じないが、物質移動現象が生
じ易い炭化珪素粉状体は選択的に成長して円滑に数μm
水準まで大粒化する。
これらの炭化物を非酸化性雰囲気下に1300〜200
0℃の温度域で加熱処理する工程で得られる反応物は概
ね同径性状の炭化珪素ウイスカーと炭化珪素粉状体を含
む複合生成物であって、このうち炭化珪素ウイスカーは
軸方向に垂直(Basal plane) な積層欠陥が密に形成され
た耐熱性の高い結晶性状を呈している。また、一般に同
径性状を備える炭化珪素のウイスカーと粉状体では前者
に比べて後者の表面エネルギーが大きく、加熱に際して
物質移動(拡散、昇華)が生じ易いため大粒化する傾向
が強い。このため、残留炭素成分およびシリカ成分を除
去した生成物を非酸化雰囲気下に1600〜2000℃
で加熱する後処理工程において、熱的に安定な炭化珪素
ウイスカーは性状変化を生じないが、物質移動現象が生
じ易い炭化珪素粉状体は選択的に成長して円滑に数μm
水準まで大粒化する。
【0014】本発明は上記の機構を巧みに利用し、後処
理加熱工程で混在する炭化珪素粉状体のみを大粒化する
ことによって炭化珪素ウイスカーとの分級度合を高めた
点に作用的な特徴があり、構成要件とされた一連のプロ
セスを介して炭化珪素のウイスカーと粉状体の同時かつ
効率的な分別併産が可能となる。
理加熱工程で混在する炭化珪素粉状体のみを大粒化する
ことによって炭化珪素ウイスカーとの分級度合を高めた
点に作用的な特徴があり、構成要件とされた一連のプロ
セスを介して炭化珪素のウイスカーと粉状体の同時かつ
効率的な分別併産が可能となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
明する。
【0016】実施例1〜2、比較例1〜2 籾殻を窒素ガス雰囲気に保持された加熱炉に入れ、80
0℃の温度に90分間加熱して炭化した。この籾殻炭化
物を黒鉛製の反応容器に充填して加熱炉に移し炉内に窒
素ガスを送入しながら加熱して炭化珪素の反応生成をお
こなった。この際の加熱温度は1300℃、1600
℃、1700℃および2100℃とし、加熱時間は90
分に設定した。生成物を反応容器から取り出し、大気中
で600℃の温度で12時間加熱して残留炭素成分を焼
却除去した。その結果、1300℃処理時の生成物には
炭化珪素の生成が認められず、2100℃処理の生成物
は大部分が炭化珪素の粉状体であった。1600℃およ
び1700℃で生成反応をおこなった生成物は、直径
0.4〜0.5μm 、長さ80〜100μm の炭化珪素
ウイスカーと平均粒径0.4μm の粉粒体が混在する複
合生成物であった。
0℃の温度に90分間加熱して炭化した。この籾殻炭化
物を黒鉛製の反応容器に充填して加熱炉に移し炉内に窒
素ガスを送入しながら加熱して炭化珪素の反応生成をお
こなった。この際の加熱温度は1300℃、1600
℃、1700℃および2100℃とし、加熱時間は90
分に設定した。生成物を反応容器から取り出し、大気中
で600℃の温度で12時間加熱して残留炭素成分を焼
却除去した。その結果、1300℃処理時の生成物には
炭化珪素の生成が認められず、2100℃処理の生成物
は大部分が炭化珪素の粉状体であった。1600℃およ
び1700℃で生成反応をおこなった生成物は、直径
0.4〜0.5μm 、長さ80〜100μm の炭化珪素
ウイスカーと平均粒径0.4μm の粉粒体が混在する複
合生成物であった。
【0017】上記の生成物のうち、1700℃処理によ
る生成物を5%弗化水素酸水溶液に浸漬してシリカ成分
を洗浄除去し、十分に水洗して乾燥した。この混合生成
ケーキをほぐして黒鉛容器に充填し、アルゴンガス雰囲
気に保持された加熱炉に入れて表1に示す加熱温度で2
0分間加熱処理を施した。加熱処理後の生成物をSEM
観察して性状を測定した。その結果を、適用した加熱温
度と対比させて表1に示した。表1の結果から、加熱温
度が1500℃(比較例1)では炭化珪素粉状体は大粒
化せず、2100℃処理時(比較例2)では炭化珪素ウ
イスカーが粒状化して存在が認められなかった。これに
対し、実施例では炭化珪素粉状体が1800℃処理(実
施例1)では4μm に、また1900℃処理(実施例
2)では8μm に大粒化し、ウイスカー直径に比べて著
しく増大した。
る生成物を5%弗化水素酸水溶液に浸漬してシリカ成分
を洗浄除去し、十分に水洗して乾燥した。この混合生成
ケーキをほぐして黒鉛容器に充填し、アルゴンガス雰囲
気に保持された加熱炉に入れて表1に示す加熱温度で2
0分間加熱処理を施した。加熱処理後の生成物をSEM
観察して性状を測定した。その結果を、適用した加熱温
度と対比させて表1に示した。表1の結果から、加熱温
度が1500℃(比較例1)では炭化珪素粉状体は大粒
化せず、2100℃処理時(比較例2)では炭化珪素ウ
イスカーが粒状化して存在が認められなかった。これに
対し、実施例では炭化珪素粉状体が1800℃処理(実
施例1)では4μm に、また1900℃処理(実施例
2)では8μm に大粒化し、ウイスカー直径に比べて著
しく増大した。
【0018】
【表1】
【0019】実施例1および実施例2の生成物を十分の
解繊処理して液体サイクロン装置で分級したのち乾燥し
たところ、炭化珪素ウイスカーと炭化珪素粉状体が完全
に分離した状態で分別回収された。
解繊処理して液体サイクロン装置で分級したのち乾燥し
たところ、炭化珪素ウイスカーと炭化珪素粉状体が完全
に分離した状態で分別回収された。
【0020】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば稲化植物
系の原料と独特の処理工程を適用することにより炭化珪
素のウイスカーと粉状体を同時に効率よく製造すること
ができる。したがって、複合強化材および焼結材を併産
するための製造技術として有用である。
系の原料と独特の処理工程を適用することにより炭化珪
素のウイスカーと粉状体を同時に効率よく製造すること
ができる。したがって、複合強化材および焼結材を併産
するための製造技術として有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 稲科植物の果実殻または茎もしくはこれ
らの炭化物を非酸化性雰囲気下で1400〜2000℃
の温度域で加熱処理したのち、生成物に対し残留炭素成
分の酸化除去およびシリカ成分の洗浄除去を施し、つい
で非酸化雰囲気下で1600〜2000℃の温度に加熱
して生成物中の炭化珪素粉状体を選択的に大粒化させ、
炭化珪素ウイスカーと分級処理することを特徴とする炭
化珪素のウイスカーと粉状体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5160234A JPH06345599A (ja) | 1993-06-03 | 1993-06-03 | 炭化珪素のウイスカーと粉状体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5160234A JPH06345599A (ja) | 1993-06-03 | 1993-06-03 | 炭化珪素のウイスカーと粉状体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06345599A true JPH06345599A (ja) | 1994-12-20 |
Family
ID=15710610
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5160234A Pending JPH06345599A (ja) | 1993-06-03 | 1993-06-03 | 炭化珪素のウイスカーと粉状体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06345599A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018090455A (ja) * | 2016-12-05 | 2018-06-14 | 大阪瓦斯株式会社 | カーボンナノチューブを含む炭素材料を製造する製造方法、および炭素材料 |
KR20200079751A (ko) * | 2018-12-26 | 2020-07-06 | 한국세라믹기술원 | 증착공정에서 발생되는 탄화규소 부산물의 재생 방법 |
-
1993
- 1993-06-03 JP JP5160234A patent/JPH06345599A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018090455A (ja) * | 2016-12-05 | 2018-06-14 | 大阪瓦斯株式会社 | カーボンナノチューブを含む炭素材料を製造する製造方法、および炭素材料 |
KR20200079751A (ko) * | 2018-12-26 | 2020-07-06 | 한국세라믹기술원 | 증착공정에서 발생되는 탄화규소 부산물의 재생 방법 |
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