JPH06345537A - セラミックス基板及びその用途 - Google Patents
セラミックス基板及びその用途Info
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- JPH06345537A JPH06345537A JP5138254A JP13825493A JPH06345537A JP H06345537 A JPH06345537 A JP H06345537A JP 5138254 A JP5138254 A JP 5138254A JP 13825493 A JP13825493 A JP 13825493A JP H06345537 A JPH06345537 A JP H06345537A
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- JP
- Japan
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- ceramic substrate
- thermal resistance
- copper
- substrate
- thermal
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱抵抗の小さいセラミックス基板、及び熱衝
撃・熱履歴に対する耐久性に著しく優れた銅回路を有す
るセラミックス基板の提供。 【構成】 立方晶窒化ホウ素からなり、その熱抵抗が
0.01℃/W以下であることを特徴とするセラミック
ス基板、及びこのセラミックス基板の片面には銅回路が
形成され、反対の面にはセラミックス基板とほぼ等しい
面積を有する銅板が接合されてなることを特徴とする銅
回路を有するセラミックス基板。
撃・熱履歴に対する耐久性に著しく優れた銅回路を有す
るセラミックス基板の提供。 【構成】 立方晶窒化ホウ素からなり、その熱抵抗が
0.01℃/W以下であることを特徴とするセラミック
ス基板、及びこのセラミックス基板の片面には銅回路が
形成され、反対の面にはセラミックス基板とほぼ等しい
面積を有する銅板が接合されてなることを特徴とする銅
回路を有するセラミックス基板。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波トランジスタや
発光ダイオードなどのヒートシンク等に使用されるセラ
ミックス基板及びそのセラミックス基板を用いてなる銅
回路を有するセラミックス基板に関する。
発光ダイオードなどのヒートシンク等に使用されるセラ
ミックス基板及びそのセラミックス基板を用いてなる銅
回路を有するセラミックス基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ロボットやモーター等の産業機器
の高性能化に伴い半導体素子から発生する熱も増加の一
途をたどっている。この熱を効率よく放散するため、高
周波トランジスタや発光ダイオードなどのヒートシンク
基板では従来より様々な方法が取られてきた。特に最近
では、良好な熱伝導を有するセラミックス基板が利用で
きるようになったため、基板上に銅板などの金属板を接
合し、回路を形成後、そのままあるいはメッキ等の処理
を施してから半導体素子を実装する構造も採用されつつ
ある。
の高性能化に伴い半導体素子から発生する熱も増加の一
途をたどっている。この熱を効率よく放散するため、高
周波トランジスタや発光ダイオードなどのヒートシンク
基板では従来より様々な方法が取られてきた。特に最近
では、良好な熱伝導を有するセラミックス基板が利用で
きるようになったため、基板上に銅板などの金属板を接
合し、回路を形成後、そのままあるいはメッキ等の処理
を施してから半導体素子を実装する構造も採用されつつ
ある。
【0003】金属とセラミックスを接合する方法には種
々あるが、回路基板の製造という点からは、Mo-Mn 法、
活性金属ろう付け法、硫化銅法、DBC法、銅メタライ
ズ法などがあげられる。
々あるが、回路基板の製造という点からは、Mo-Mn 法、
活性金属ろう付け法、硫化銅法、DBC法、銅メタライ
ズ法などがあげられる。
【0004】一方、高周波トランジスタや発光ダイオー
ドなどのヒートシンクに用いられる基板として、高熱伝
導性の立方晶窒化ホウ素が注目されている。これは、立
方晶窒化ホウ素を基板状に成形・加工した後、その表面
に銅板を接合したり、メタライズ、スパッタ等によって
導電層を形成させたものであり、これらは、機器や装置
の軽薄短小化や多機能化の要求により将来の需要が見込
まれているものである。
ドなどのヒートシンクに用いられる基板として、高熱伝
導性の立方晶窒化ホウ素が注目されている。これは、立
方晶窒化ホウ素を基板状に成形・加工した後、その表面
に銅板を接合したり、メタライズ、スパッタ等によって
導電層を形成させたものであり、これらは、機器や装置
の軽薄短小化や多機能化の要求により将来の需要が見込
まれているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高周波トランジスタや
発光ダイオードなどのヒートシンクが備えなければなら
ない特性は、放熱、信号遅延、接合の信頼性等である
が、これらのうち、放熱性は基板材料の特性に負うとこ
ろが大きいが、立方晶窒化ホウ素では、その熱伝導率を
理論値に近づけることは極めて困難であるか、又はコス
ト高となって実用化までには至っていない。
発光ダイオードなどのヒートシンクが備えなければなら
ない特性は、放熱、信号遅延、接合の信頼性等である
が、これらのうち、放熱性は基板材料の特性に負うとこ
ろが大きいが、立方晶窒化ホウ素では、その熱伝導率を
理論値に近づけることは極めて困難であるか、又はコス
ト高となって実用化までには至っていない。
【0006】近年、高周波トランジスタや発光ダイオー
ドに負荷される電力が1kWや10kWになってきてい
るため、これまでは余り重要視されなかった小数点以下
2桁目や3桁目の熱抵抗値が問題とされるようになっ
た。すなわち、強度・熱伝導性等の特性が十分満たされ
たセラミックス基板であっても、それをモジュール化す
る際、メタライズや銅板との接合界面に生じたボイド等
の欠陥によってシリコンチップからの放熱が不十分とな
る、すなわち熱抵抗が計算どおりに低くならないという
問題があった。したがって、可能な限り実使用の場合と
差が生じないように熱抵抗を管理することが要求されて
きた。
ドに負荷される電力が1kWや10kWになってきてい
るため、これまでは余り重要視されなかった小数点以下
2桁目や3桁目の熱抵抗値が問題とされるようになっ
た。すなわち、強度・熱伝導性等の特性が十分満たされ
たセラミックス基板であっても、それをモジュール化す
る際、メタライズや銅板との接合界面に生じたボイド等
の欠陥によってシリコンチップからの放熱が不十分とな
る、すなわち熱抵抗が計算どおりに低くならないという
問題があった。したがって、可能な限り実使用の場合と
差が生じないように熱抵抗を管理することが要求されて
きた。
【0007】本発明者らは、以上のような問題点を解決
するために鋭意検討を重ねた結果、セラミックス基板の
厚みを薄くするなどして、基板の構造的な観点から熱抵
抗を減少させるとともに、この場合、当然予想される基
板の信頼性についても何ら問題のない、換言すれば、低
熱抵抗であり、熱衝撃や熱履歴に対しても十分な耐久性
をもったセラミックス基板を完成し、本発明を提案する
に至ったものである。
するために鋭意検討を重ねた結果、セラミックス基板の
厚みを薄くするなどして、基板の構造的な観点から熱抵
抗を減少させるとともに、この場合、当然予想される基
板の信頼性についても何ら問題のない、換言すれば、低
熱抵抗であり、熱衝撃や熱履歴に対しても十分な耐久性
をもったセラミックス基板を完成し、本発明を提案する
に至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、立
方晶窒化ホウ素からなり、その熱抵抗が0.01℃/W
以下であることを特徴とするセラミックス基板、及びこ
のセラミックス基板の片面には銅回路が形成され、反対
の面にはセラミックス基板とほぼ等しい面積を有する銅
板が接合されてなることを特徴とする銅回路を有するセ
ラミックス基板である。
方晶窒化ホウ素からなり、その熱抵抗が0.01℃/W
以下であることを特徴とするセラミックス基板、及びこ
のセラミックス基板の片面には銅回路が形成され、反対
の面にはセラミックス基板とほぼ等しい面積を有する銅
板が接合されてなることを特徴とする銅回路を有するセ
ラミックス基板である。
【0009】以下、さらに詳しく本発明について説明す
ると、一般的にセラミックス基板の熱伝導率と熱抵抗と
の関係は、(1)式として表すことができる。 RP =k・(1/λ)・(t/S) ・・・(1) RP :熱抵抗(℃/W) λ:熱伝導率(W/mK)
k:係数 t :セラミックス基板の厚み(m) S :セラミックス基板の面積(m2 )
ると、一般的にセラミックス基板の熱伝導率と熱抵抗と
の関係は、(1)式として表すことができる。 RP =k・(1/λ)・(t/S) ・・・(1) RP :熱抵抗(℃/W) λ:熱伝導率(W/mK)
k:係数 t :セラミックス基板の厚み(m) S :セラミックス基板の面積(m2 )
【0010】(1)式から、セラミックス基板の熱抵抗
を小さくするには、熱伝導率を大きくする、厚みを薄く
する、面積を大きくするの3つの方法が考えられる。こ
れらのうち、熱伝導率は、選択する材料によって決まっ
てしまい同一材料で熱伝導率を向上させるには技術的に
困難で限界がある。また、セラミックス基板の面積は容
易に変えることができるが他の技術的な側面、例えばモ
ジュールの大きさ等から制限を受けるので、余り自由に
変えることはできない。そこで、本発明者らはセラミッ
クス基板の厚みを小さくすることに着目した。
を小さくするには、熱伝導率を大きくする、厚みを薄く
する、面積を大きくするの3つの方法が考えられる。こ
れらのうち、熱伝導率は、選択する材料によって決まっ
てしまい同一材料で熱伝導率を向上させるには技術的に
困難で限界がある。また、セラミックス基板の面積は容
易に変えることができるが他の技術的な側面、例えばモ
ジュールの大きさ等から制限を受けるので、余り自由に
変えることはできない。そこで、本発明者らはセラミッ
クス基板の厚みを小さくすることに着目した。
【0011】通常、この分野で用いられる銅回路を有す
るセラミックス基板は、例えば、窒化アルミニウムの場
合、その厚みが0.635〜1mmである。ここで、例
えば、その厚みを60%にしたとすると熱抵抗も60%
となる。つまり、セラミックス基板の熱伝導率を1/
0.6=1.67倍にしたのと同様の効果がある。本発
明者らは、このような観点にたって種々検討し、実用に
際しても強度等の耐久性の問題のないセラミックス基板
を完成させたものである。
るセラミックス基板は、例えば、窒化アルミニウムの場
合、その厚みが0.635〜1mmである。ここで、例
えば、その厚みを60%にしたとすると熱抵抗も60%
となる。つまり、セラミックス基板の熱伝導率を1/
0.6=1.67倍にしたのと同様の効果がある。本発
明者らは、このような観点にたって種々検討し、実用に
際しても強度等の耐久性の問題のないセラミックス基板
を完成させたものである。
【0012】本発明において、セラミックス基板の熱抵
抗は、例えば、以下のようにして測定することができ
る。まず、図1に示される装置を用い、トランジスタに
負荷された電力(W)に対するトランジスタ温度T1 と
アルミニウム放熱ブロック温度T2 との温度差(℃)か
ら総熱抵抗を(RALL )を(1)式を用いて算出する。
この際のセラミックス基板のサイズとしては、5×5m
mが適切である。
抗は、例えば、以下のようにして測定することができ
る。まず、図1に示される装置を用い、トランジスタに
負荷された電力(W)に対するトランジスタ温度T1 と
アルミニウム放熱ブロック温度T2 との温度差(℃)か
ら総熱抵抗を(RALL )を(1)式を用いて算出する。
この際のセラミックス基板のサイズとしては、5×5m
mが適切である。
【0013】この総熱抵抗(RALL )は(2)式のよう
に分解することができるので、セラミックス基板の熱抵
抗RP は(3)式で与えられる。 RALL =RTr+RGr1 +RP +RGr2 ・・・(2) RTr :トランジスタ(シリコン)の熱抵抗 RGr1 :トランジスタ側の放熱グリースの熱抵抗 RP :セラミックス基板の熱抵抗 RGr2 :アルミニウム放熱ブロック側の放熱グリースの
熱抵抗 RP =RALL −(RTr+RGr1 +RGr2 ) ・・・(3)
に分解することができるので、セラミックス基板の熱抵
抗RP は(3)式で与えられる。 RALL =RTr+RGr1 +RP +RGr2 ・・・(2) RTr :トランジスタ(シリコン)の熱抵抗 RGr1 :トランジスタ側の放熱グリースの熱抵抗 RP :セラミックス基板の熱抵抗 RGr2 :アルミニウム放熱ブロック側の放熱グリースの
熱抵抗 RP =RALL −(RTr+RGr1 +RGr2 ) ・・・(3)
【0014】そこで、図2に示されるように、セラミッ
クス基板を挟まないで部品を組立てた装置を用い、トラ
ンジスタ温度T3 とアルミニウム放熱ブロック温度T4
の温度差を測定してセラミックス基板以外の部品の熱抵
抗を算出する。両者の差が求めるセラミックス基板の熱
抵抗となる。この場合において、セラミックス基板以外
の部品の熱抵抗は、それを十分に無視できるような材
料、例えば厚みの十分薄い銅板等で熱抵抗を測定し、そ
の値で代用することもできる。
クス基板を挟まないで部品を組立てた装置を用い、トラ
ンジスタ温度T3 とアルミニウム放熱ブロック温度T4
の温度差を測定してセラミックス基板以外の部品の熱抵
抗を算出する。両者の差が求めるセラミックス基板の熱
抵抗となる。この場合において、セラミックス基板以外
の部品の熱抵抗は、それを十分に無視できるような材
料、例えば厚みの十分薄い銅板等で熱抵抗を測定し、そ
の値で代用することもできる。
【0015】しかしながら、このようにセラミックス基
板の厚みを従来よりも薄くして銅回路を形成する場合、
その信頼性に対しては次のような問題が考えられる。す
なわち、通常、ヒートサイクル試験を行った場合のセラ
ミック基板に対する熱応力は、銅とセラミックスとの熱
膨張係数の差から回路側に引張りの応力として作用する
ので、銅とセラミックスとの熱膨張差による熱応力を可
能な限り減少させる必要がある。
板の厚みを従来よりも薄くして銅回路を形成する場合、
その信頼性に対しては次のような問題が考えられる。す
なわち、通常、ヒートサイクル試験を行った場合のセラ
ミック基板に対する熱応力は、銅とセラミックスとの熱
膨張係数の差から回路側に引張りの応力として作用する
ので、銅とセラミックスとの熱膨張差による熱応力を可
能な限り減少させる必要がある。
【0016】そこで、本発明者らは、このような問題が
現実となった場合には、以下の対策を講ずればよいこと
を併せ見いだしたものである。その方策は、セラミック
ス基板と銅板を接合させた後、非酸化性雰囲気下におい
て、500〜700℃の熱処理を加えることにより、銅
板の熱収縮によって生じるセラミックス基板への熱応力
を緩和させることである。具体的には、セラミックス基
板と銅板を接合させ、室温まで冷却した後炉に入れ、非
酸化性雰囲気下、例えば窒素ガス、水素ガス、アルゴン
等の不活性ガス中において、温度500〜700℃、処
理時間1〜3時間程度の熱処理を行い、2℃/分程度の
速度で冷却を行う。この熱処理は、接合後であれば、室
温に冷却するまでの途中において、温度500〜700
℃、保持時間1〜3時間で保持することによっても行う
ことができる。
現実となった場合には、以下の対策を講ずればよいこと
を併せ見いだしたものである。その方策は、セラミック
ス基板と銅板を接合させた後、非酸化性雰囲気下におい
て、500〜700℃の熱処理を加えることにより、銅
板の熱収縮によって生じるセラミックス基板への熱応力
を緩和させることである。具体的には、セラミックス基
板と銅板を接合させ、室温まで冷却した後炉に入れ、非
酸化性雰囲気下、例えば窒素ガス、水素ガス、アルゴン
等の不活性ガス中において、温度500〜700℃、処
理時間1〜3時間程度の熱処理を行い、2℃/分程度の
速度で冷却を行う。この熱処理は、接合後であれば、室
温に冷却するまでの途中において、温度500〜700
℃、保持時間1〜3時間で保持することによっても行う
ことができる。
【0017】本発明の銅回路を有するセラミックス基板
の構造としては、例えば、セラミックス基板である立方
晶窒化ホウ素基板の厚みが0.1mm、回路側の銅板の
厚みが0.3〜0.5mmである場合、裏銅板の厚みは
0.1〜0.25mmであることが望ましい。銅板の種
類については、無酸素銅、タフピッチ銅などが使用され
る。セラミックス基板と銅板の接合法としては、活性金
属ろう付け法、DBC法のいずれでも問題はないが、接
合温度の低い活性金属ろう付け法がより好ましい。
の構造としては、例えば、セラミックス基板である立方
晶窒化ホウ素基板の厚みが0.1mm、回路側の銅板の
厚みが0.3〜0.5mmである場合、裏銅板の厚みは
0.1〜0.25mmであることが望ましい。銅板の種
類については、無酸素銅、タフピッチ銅などが使用され
る。セラミックス基板と銅板の接合法としては、活性金
属ろう付け法、DBC法のいずれでも問題はないが、接
合温度の低い活性金属ろう付け法がより好ましい。
【0018】銅回路の形成方法としては、あらかじめセ
ラミックス基板の全面に銅板を張りつけ、接合後に塩化
第2鉄や塩化第2銅によってエッチングを行う手法が望
ましい。このとき、銅板の厚みに応じて、エッチングス
ピード、処理温度、塩素イオン濃度などを変化させる必
要がある。パターンの形状としては、セラミックス基板
との熱膨張差を可能な限り小さくするように、セラミッ
クス基板の長さに対して連続したパターンの長さが短い
方が望ましい。また、使用するセラミックス基板のサイ
ズについても、基板の長さに比例して基板の端面にかか
る熱応力が大きくなるので、可能な限り小さい方が望ま
しい。
ラミックス基板の全面に銅板を張りつけ、接合後に塩化
第2鉄や塩化第2銅によってエッチングを行う手法が望
ましい。このとき、銅板の厚みに応じて、エッチングス
ピード、処理温度、塩素イオン濃度などを変化させる必
要がある。パターンの形状としては、セラミックス基板
との熱膨張差を可能な限り小さくするように、セラミッ
クス基板の長さに対して連続したパターンの長さが短い
方が望ましい。また、使用するセラミックス基板のサイ
ズについても、基板の長さに比例して基板の端面にかか
る熱応力が大きくなるので、可能な限り小さい方が望ま
しい。
【0019】本発明で使用されるセラミックス基板であ
る立方晶窒化ホウ素基板は、例えば特公平4-77612 号公
報に記載されるように、熱分解窒化ホウ素又は六方晶窒
化ホウ素粉末を高温・高圧処理することにより製造する
ことができる。具体的には、純度が99.9%以上の六
方晶窒化ホウ素粉末又は熱分解窒化ほう素の粉末又は板
状原料をフラットベルト型超高圧高温発生装置を用い、
立方晶窒化ホウ素が化学的に安定な条件でかつ圧力6G
Pa以上、温度1500℃以上で高圧高温処理を行うこ
とによって合成することができる。
る立方晶窒化ホウ素基板は、例えば特公平4-77612 号公
報に記載されるように、熱分解窒化ホウ素又は六方晶窒
化ホウ素粉末を高温・高圧処理することにより製造する
ことができる。具体的には、純度が99.9%以上の六
方晶窒化ホウ素粉末又は熱分解窒化ほう素の粉末又は板
状原料をフラットベルト型超高圧高温発生装置を用い、
立方晶窒化ホウ素が化学的に安定な条件でかつ圧力6G
Pa以上、温度1500℃以上で高圧高温処理を行うこ
とによって合成することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例と比較例をあげてさら
に具体的に説明する。 実施例1〜4 比較例1〜3 C軸方向の格子定数が6.95オングストロームで結晶
性の低い六方晶窒化ホウ素粉末をMo製カプセルに充填
し、フラットベルト型超高圧高温発生装置中で、圧力
7.3GPa、温度1850℃の条件で60分間処理し
て、サイズ5×5mm、厚み0.1〜0.2mmの立方
晶窒化ホウ素基板を製造し、熱伝導率と熱抵抗を測定し
た。熱抵抗は図1及び図2の装置を組立て測定し、ま
た、熱伝導率はレーザーフラッシュ法で測定した。
に具体的に説明する。 実施例1〜4 比較例1〜3 C軸方向の格子定数が6.95オングストロームで結晶
性の低い六方晶窒化ホウ素粉末をMo製カプセルに充填
し、フラットベルト型超高圧高温発生装置中で、圧力
7.3GPa、温度1850℃の条件で60分間処理し
て、サイズ5×5mm、厚み0.1〜0.2mmの立方
晶窒化ホウ素基板を製造し、熱伝導率と熱抵抗を測定し
た。熱抵抗は図1及び図2の装置を組立て測定し、ま
た、熱伝導率はレーザーフラッシュ法で測定した。
【0021】銀粉末75重量部、銅粉末25重量部、水
素化チタン粉末20重量部、 テルピネオール15重量部
及び有機結合剤としてポリイソブチルメタアクリレート
のトルエン溶液を固形分で1.5重量部を混合してろう
材ペーストを調整し、それを上記で得られた立方晶窒化
ホウ素基板の両面にスクリーン印刷によって全面塗布し
た。その際の塗布量(乾燥後)を6〜8mg/cm2 と
した。
素化チタン粉末20重量部、 テルピネオール15重量部
及び有機結合剤としてポリイソブチルメタアクリレート
のトルエン溶液を固形分で1.5重量部を混合してろう
材ペーストを調整し、それを上記で得られた立方晶窒化
ホウ素基板の両面にスクリーン印刷によって全面塗布し
た。その際の塗布量(乾燥後)を6〜8mg/cm2 と
した。
【0022】次いで、上記ろう材ペーストの塗布された
立方晶窒化ホウ素基板の両面に、そのサイズに応じた種
々の厚みの銅板を接触配置してから炉に入れ、1×10
-5Torrの高真空中、温度900℃で30分加熱した
後、2℃/分の降温速度で室温まで冷却して活性金属ろ
う付け法による接合体を製造した。そして、実施例3と
4については、得られた接合体を別の炉に入れ、窒素ガ
ス中、温度650℃、処理時間2時間の熱処理を行い、
2℃/分程度の速度で冷却を行った。
立方晶窒化ホウ素基板の両面に、そのサイズに応じた種
々の厚みの銅板を接触配置してから炉に入れ、1×10
-5Torrの高真空中、温度900℃で30分加熱した
後、2℃/分の降温速度で室温まで冷却して活性金属ろ
う付け法による接合体を製造した。そして、実施例3と
4については、得られた接合体を別の炉に入れ、窒素ガ
ス中、温度650℃、処理時間2時間の熱処理を行い、
2℃/分程度の速度で冷却を行った。
【0023】次に、上記接合体の銅板上に、UV硬化タ
イプのエッチングレジストをスクリーン印刷にて回路パ
ターンに塗布後、塩化第2銅溶液を用いてエッチング処
理を行って銅板不要部分を溶解除去し、さらにエッチン
グレジストを5%苛性ソーダー溶液で剥離した。エッチ
ング処理後の接合体には、銅回路パターン間に残留不要
ろう材及び活性金属成分とセラミックス基板の反応物が
あるのでそれを除去するため、温度60℃、10%フッ
化アンモニウム溶液に10分間浸漬した。
イプのエッチングレジストをスクリーン印刷にて回路パ
ターンに塗布後、塩化第2銅溶液を用いてエッチング処
理を行って銅板不要部分を溶解除去し、さらにエッチン
グレジストを5%苛性ソーダー溶液で剥離した。エッチ
ング処理後の接合体には、銅回路パターン間に残留不要
ろう材及び活性金属成分とセラミックス基板の反応物が
あるのでそれを除去するため、温度60℃、10%フッ
化アンモニウム溶液に10分間浸漬した。
【0024】これら一連の処理を経て得られた銅回路を
有するセラミックス基板について、ヒートサイクル(熱
衝撃)試験を行った。ヒートサイクル試験は、気中、−
40℃×30分保持後、25℃×10分間放置、さらに
125℃×30分保持後、25℃×10分間放置を1サ
イクルとして行った。評価は、各実施例及び比較例の1
例毎にサンプルを数十枚ずつ作製し、直ちにヒートサイ
クル試験を行った。そして、3サイクル毎に各サンプル
の状態を観察し、その中で1枚のサンプルにでも銅板剥
離を起こしているものがあればその時のサイクル数を銅
板剥離開始回数とし、その数の大小にて耐ヒートサイク
ル性を評価した。
有するセラミックス基板について、ヒートサイクル(熱
衝撃)試験を行った。ヒートサイクル試験は、気中、−
40℃×30分保持後、25℃×10分間放置、さらに
125℃×30分保持後、25℃×10分間放置を1サ
イクルとして行った。評価は、各実施例及び比較例の1
例毎にサンプルを数十枚ずつ作製し、直ちにヒートサイ
クル試験を行った。そして、3サイクル毎に各サンプル
の状態を観察し、その中で1枚のサンプルにでも銅板剥
離を起こしているものがあればその時のサイクル数を銅
板剥離開始回数とし、その数の大小にて耐ヒートサイク
ル性を評価した。
【0025】以上の結果を表1〜表4に示す。表1と表
2は実施例1〜4の結果であり、表3と表4は比較例1
〜3の結果である。そして、表1及び表3は立方晶窒化
ホウ素基板についての結果であり、表2及び表4は銅板
又は銅回路を有するセラミックス基板についての結果で
ある。
2は実施例1〜4の結果であり、表3と表4は比較例1
〜3の結果である。そして、表1及び表3は立方晶窒化
ホウ素基板についての結果であり、表2及び表4は銅板
又は銅回路を有するセラミックス基板についての結果で
ある。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、熱抵抗の小さいセラミ
ックス基板が得られ、このセラミックス基板を用いて作
製された銅回路を有するセラミックス基板は、熱衝撃や
熱履歴に対する耐久性、すなわち耐ヒートショック性と
耐ヒートサイクル性が著しく向上する。
ックス基板が得られ、このセラミックス基板を用いて作
製された銅回路を有するセラミックス基板は、熱衝撃や
熱履歴に対する耐久性、すなわち耐ヒートショック性と
耐ヒートサイクル性が著しく向上する。
【図1】 セラミックス基板の熱抵抗を測定するための
説明図。
説明図。
【図2】 セラミックス基板の熱抵抗を測定するための
説明図。
説明図。
1 トランジスタ(「2SC−3062」底面積:2×
2mm2 ) 2 セラミックス基板(立方晶窒化ホウ素基板:5×5
mm×厚み) 3 トランジスタ側の放熱グリース 4 アルミニウム放熱ブロック側の放熱グリース 5 アルミニウム放熱ブロック(水冷式)
2mm2 ) 2 セラミックス基板(立方晶窒化ホウ素基板:5×5
mm×厚み) 3 トランジスタ側の放熱グリース 4 アルミニウム放熱ブロック側の放熱グリース 5 アルミニウム放熱ブロック(水冷式)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 41/91 B H01L 23/12 H05K 1/03 B 7011−4E (72)発明者 寺野 克典 福岡県大牟田市新開町1 電気化学工業株 式会社大牟田工場内
Claims (2)
- 【請求項1】 立方晶窒化ホウ素からなり、その熱抵抗
が0.01℃/W以下であることを特徴とするセラミッ
クス基板。 - 【請求項2】 請求項1記載のセラミックス基板の片面
には銅回路が形成され、反対の面にはセラミックス基板
とほぼ等しい面積を有する銅板が接合されてなることを
特徴とする銅回路を有するセラミックス基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5138254A JPH06345537A (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | セラミックス基板及びその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5138254A JPH06345537A (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | セラミックス基板及びその用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06345537A true JPH06345537A (ja) | 1994-12-20 |
Family
ID=15217661
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5138254A Pending JPH06345537A (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | セラミックス基板及びその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06345537A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006196565A (ja) * | 2005-01-12 | 2006-07-27 | Sumitomo Metal Electronics Devices Inc | 発光素子収納用パッケージ |
JPWO2015022956A1 (ja) * | 2013-08-14 | 2017-03-02 | デンカ株式会社 | 窒化ホウ素−樹脂複合体回路基板、窒化ホウ素−樹脂複合体放熱板一体型回路基板 |
-
1993
- 1993-06-10 JP JP5138254A patent/JPH06345537A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006196565A (ja) * | 2005-01-12 | 2006-07-27 | Sumitomo Metal Electronics Devices Inc | 発光素子収納用パッケージ |
JPWO2015022956A1 (ja) * | 2013-08-14 | 2017-03-02 | デンカ株式会社 | 窒化ホウ素−樹脂複合体回路基板、窒化ホウ素−樹脂複合体放熱板一体型回路基板 |
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