JPH0634387Y2 - 給糸テンション制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、給糸テンションの制御装置に関し、特に、編
機等にゴム状弾性糸を供給するに際し、その張力を自在
に変えることのできる装置を提供するものである。

（従来技術） 近時の衣料品業界においては体型にマッチし、よりフィ
ット性の向上した機能商品への要求が高まり、例えば、
ストッキング、ソックス等を例にとると、大腿は太く、
締め付けを弱く、足首は細く締め付けを強くというよう
に弾性糸の給糸量に変化を持たせ段階的に、或は、部分
的にその機能を調整したものが求められるようになって
きた。

従来、かかる目的のもとに考案された給糸装置として
は、例えば、回転する円錐形の２つのローラの間に弾性
糸をニップし、そのニップ位置を変えること、即ち、ロ
ーラ径の異なる位置に糸を供給することによって給糸量
を変えるもの、或は、回転する円盤上に糸を供給し、前
記と同様円盤上の接触位置、即ち、径の位置を変えるこ
とによって調整しようとするもの等があるが、特に極細
弾性糸においては入力側の給糸テンションのバラツキが
そのまま残ってしまうという精度上の問題があり、ま
た、コントロールの容易性、信頼性においてもなお十分
なものでなかった。

（解決しようとする問題点） 本考案はかかる点、編成に供される弾性糸の給糸張力を
精度よく任意にコントロールできる従来にない新規な装
置を提供するものである。

（問題を解決するための手段） しかるに、本考案はその構成において、付加するテンシ
ョンをステッピングモータの回転によって制御するこ
と、即ち、具体的にはガイド棒を横架した匡体に対し、
その給糸側に糸案内ガイドを、送り出し側には送り出し
ガイドを設けたテンション調整ロッドを支点を介して軸
支し、該給糸側ロッドの端縁に上方に設けたステッピン
グモータに係合して荷重部材を連設したことを特徴を有
するものである。

（作用） 本考案は、ステッピングモータの正逆回転により、これ
に係合される荷重部材の長さに変化を生じさせ、かかる
長さの変化をウエイトの変化としてテンション調整ロッ
ドに伝えテンションコントロールを行なうと共に、これ
と支点を介して回転するバランサー機構の組合わせによ
ってよりその精度、制御の容易性を高めたものである。

以下、その構成について、例示した図面をもとに説明す
る。

（実施例） 第１図は、本考案の構成を例示した斜視図であり、その
構成は、ゴム状弾性糸（１）の進行方向に対し、直角方
向にガイド棒（２）を横架した匡体（３）を設け、これ
の出口側下方に支点（９）を介し正逆回転自在にテンシ
ョン調整ロッド（８）が軸支される。

かかるテンション調整ロッド（８）の給糸側ロッド
（４）には給糸口（12）を有する糸案内ガイド（５）
が、また、送り出し側ロッド（６）にはディスク状の送
り出しガイド（７）が設けられ、かかる給糸側ロッド
（４）と送り出し側ロッド（６）は支点（９）を介し、
付加される荷重により相反する方向に廻動するよう匡体
（３）に軸支されている。

一方、給糸側ロッド（４）の端縁にはこれの上方に設け
たステッピングモータ（10）と係合し、これの正逆回転
を受けて上下する荷重部材、即ち、図例ではチエーン
（11）が連設されている。かかるステッピングモータ
（10）はパルスの発信によってその回転を微細に制御で
きる精度を有し、これの正逆回転によって係止リール
（13）も回転し、垂下された荷重部材，チエーン（11）
がガイド（14）を介して上下し、その垂下長さに変化を
生じ、この長さ変化が重量変化となってガイド（15）
（16）を介して給糸側ロッド（４）の端縁に伝えられテ
ンションコントロールされる構成となっている。

尚、第２図には、給糸側ロッド（４）にウエイトがかか
り、給糸テンションが付加された状態を示したが、これ
に付加される荷重が除去されると給糸側ロッド（４）が
上昇し、匡体（３）の入口孔（17）と出口孔（18）にお
ける糸（１）の状態が平行となって、無張力の状態が現
出する構成より成る。

（考案の効果） 本考案は以上の構成であり、例えば、その使用の形態と
して、糸の出口側における引き取りテンションが過大な
ときには送り出し側ロッドが下降し、これとは逆に給糸
側ロッドが上昇して前記した平行状態が現出してテンシ
ョンの均一化がはかられたり、或は、垂下されるチエー
ンを巻き上げ給糸側ロッドにかかるウエイトを軽減させ
張力を弱めたり、逆に徐々にウエイトを加えて段階的に
テンションを強めたり、ある部分のみ急激にテンション
を付加，或は、除去する等その利用は目的に応じて任意
である。

尚、かかるテンション調整のためのステッピングモータ
の回転は、例えば、編機回転と連動させたり、給糸量、
編設計と連動するよう予め電気的な制御回路を組むこと
によってコントロールすることができる。

以上のように、本考案は特に微細な作動が可能であるス
テッピングモータの利用と、これの回転をテンションに
変換し、また、これと支点を介して回転するバランサー
機構の組合わせによって極めて簡単な構成でありなが
ら、その精度を高め、且つ、コントロールを容易とした
特徴を有する。

尚、本考案装置にはスパンデックス、ゴム等の弾性糸の
他、これと他の糸との合撚、カバー、コアー等複合糸に
も適用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の構成を例示した斜視図。第２図はその
構成の一部を示した側面図。 （１）……ゴム状弾性糸、（２）……ガイド棒、（３）……
匡体 （４）……給糸側ロッド、（５）……糸案内ガイド （６）……送り出し側ロッド、（７）……送り出しガイド （８）……テンション調整ロッド、（９）……支点 （10）……ステッピングモ-タ、（11）……荷重部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】糸の進行方向に対し、直角方向にガイド棒
   （２）を横架した匡体（３）に、その給糸側ロッド
   （４）に糸案内ガイド（５）を、また、送り出し側ロッ
   ド（６）に送り出しガイド（７）を設けたテンション調
   整ロッド（８）を支点（９）を介して廻動自在に軸支
   し、該給糸側ロッド（４）にはその端縁に上方に設けた
   ステッピングモータ（10）と係合する荷重部材（11）を
   連設して設けたことを特徴とする給糸テンション制御装
   置。