JPH0634375A - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JPH0634375A
JPH0634375A JP4212025A JP21202592A JPH0634375A JP H0634375 A JPH0634375 A JP H0634375A JP 4212025 A JP4212025 A JP 4212025A JP 21202592 A JP21202592 A JP 21202592A JP H0634375 A JPH0634375 A JP H0634375A
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JP
Japan
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cantilever
substrate
angular velocity
potentiometer
displacement amount
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JP4212025A
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English (en)
Inventor
Yoichi Mochida
洋一 持田
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 静止状態における洩れ出力を低減し、角速度
の検出精度や信頼性等を向上する。 【構成】 片持梁13に幅方向に離間して各圧電体1
5,15を設けると共に、各圧電体15により静止状態
で片持梁13を振動させ、片持梁13の変位量を左,右
のピエゾ抵抗素子16からの検出信号の差分ΔV(=V
L−VR)によって検査し、この検査結果に基づき、各
圧電体15に印加する交流電圧V1 ,V2 を調整するこ
とにより、各圧電体15の変形力(振動力)を片持梁1
3の幅方向たる左,右方向でバランスさせるポテンショ
メータ18を設ける構成とした。これにより、ポテンシ
ョメータ18の摺動子18Aの位置を各ピエゾ抵抗素子
16からの検出信号の差分ΔVに基づいて調節し、静止
状態において、片持梁13を左,右方向に傾けることな
く上,下方向に振動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車両等の回転方
向,姿勢等を検出するのに用いて好適な角速度センサに
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両等の回転方向を検出するの
に用いられる角速度センサは、基板と、基端側が該基板
に固定され先端側が自由端となった片持梁と、該片持梁
に設けられ、電極を介して伝達された制御信号により該
片持梁を振動させる振動発生部と、前記片持梁の変位量
を検出する変位量検出部とから構成され、前記振動発生
部に静電力を利用し、前記変位量検出部にピエゾ抵抗素
子を用いたものが例えば特公平3−74926号公報等
によって知られている。
【0003】そこで、図14および図15に従来技術に
よる角速度センサとして、特公平3−74926号公報
に記載の半導体回転センサを例に挙げて示す。
【0004】図において、1はシリコン材料からなる基
板を示し、該基板1は、図15にも示す如く、下側に位
置する下側基板1Aと、該下側基板1A上に形成された
上側基板1Bとから大略構成され、該各基板1A,1B
間には後述する片持梁2の振動を許す空間1Cが形成さ
れている。また、該上側基板1Bの上面側には酸化膜1
Dが形成されている。
【0005】2は基板1の上側基板1Bにエッチング技
術等を用いて一体形成された片持梁を示し、該片持梁2
は、その基端2A側が上側基板1Bに固定された固定端
となり、その先端2B側が基板1に対して垂直な上,下
方向に振動可能な自由端となっている。また、該片持梁
2の基端2A側には、幅方向の中心に位置して長手方向
に伸びる角形状のスリット3が穿設されている。
【0006】4は片持梁2の先端2B側上面に形成され
た振動発生部としての電極を示し、該電極4は所定の周
波数信号を発振する発振回路5と接続されている。そし
て、発振回路5から制御信号としての周波数信号が電極
4を介して片持梁2に印加されると、該片持梁2は静電
力により上,下方向に振動するようになっている。
【0007】6,6はスリット3の左,右に位置して片
持梁2の基端2A側に設けられた変位量検出部としての
ピエゾ抵抗素子を示し、該各ピエゾ抵抗素子6は、基板
1の回転時に片持梁2に生じる応力を抵抗値変化として
検出し、この検出信号を後述の信号処理回路7に出力す
るものである。
【0008】7は各ピエゾ抵抗素子6に接続された信号
処理回路を示し、該信号処理回路7は、各ピエゾ抵抗素
子6からの検出信号を電圧信号に変換し、両者の差分を
角速度検出信号として外部のコントロールユニット(図
示せず)等に出力するものである。
【0009】従来技術による角速度センサは上述の如き
構成を有するもので、次に、その製造方法について説明
する。まず、基板1の上面を酸化して酸化膜1Dを形成
した後、該酸化膜1Dをマスクとして基板1の上面にホ
ウ素等のP型不純物を拡散し、各ピエゾ抵抗素子6を形
成する。次に、エッチング技術により酸化膜1Dの一部
を除去して窓を開け、この窓内に金合金等の導電性材料
を蒸着,スパッタ等により付着せしめ、電極4を形成す
る。最後に、基板1に電解エッチングを施して片持梁2
を形成し、角速度センサを製造する。
【0010】このようにして製造された角速度センサ
は、発振回路5から電極4を介して所定の周波数信号を
印加すると静電力が発生し、これにより、片持梁2の先
端2Bは例えば自身の共振周波数で基板1に対して垂直
な上,下方向に振動する。そして、この状態で、基板1
に回転軸O−Oを中心とする回転力Tが加わると、コリ
オリの力によって片持梁2によじれ(応力)が生じ、こ
の回転によるよじれは、スリットの左,右に圧縮応力,
引張応力としてそれぞれ表われる。
【0011】これにより、各ピエゾ抵抗素子6は、これ
ら圧縮応力,引張応力に応じた信号を出力し、信号処理
回路7は該各ピエゾ抵抗素子6からの検出信号を電圧信
号に変換し、両者の差分を回転力Tの角速度検出信号と
して外部のコントロールユニット等に出力する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による角速度センサでは、シリコン材料からなる
基板1にエッチング技術等の半導体微細加工技術を用い
て片持梁2,電極4,各ピエゾ抵抗素子6を一体形成し
ているから、生産性を高めつつ小型化を図ることができ
る。しかし、片持梁2や電極4等を基板1に一体形成し
ているから、これら片持梁2,電極4等の形状や取付位
置等の微調整によって静電力(振動力)の補正を行うこ
とができず、電極4による静電力を片持梁2の幅方向に
対してバランスさせることができない。
【0013】このため、上述した従来技術によるもので
は、回転力Tが加わっていない静止状態(無回転状態)
において、発振回路5から電極4に周波数信号を印加
し、片持梁2を上,下方向に振動させると、回転力Tが
加えられていないにも拘らず、該片持梁2が幅方向であ
る左,右方向に傾いてよじれが生じ、各ピエゾ抵抗素子
6からの検出信号が不一致となって、信号処理回路7に
洩れ出力が生じるという問題がある。
【0014】即ち、従来技術によるものでは、片持梁2
や電極4の寸法,厚み等の製造誤差によって、片持梁2
に生じる静電力が左,右方向で相違するため、静止状態
においても片持梁2が左,右に傾いてよじれが生じ、こ
れにより、洩れ出力が発生してS/N比が低下し、角速
度の検出精度や信頼性等が大幅に低下するという問題が
ある。
【0015】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、静止状態における洩れ出力を効果的に低
減し、角速度の検出精度や信頼性等を向上できるように
した角速度センサを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明が採用する構成は、基板と、基端側が該
基板に固定され先端側が自由端となった片持梁と、該片
持梁に設けられ、電極を介して伝達された制御信号によ
り該片持梁をそれぞれ振動させる複数の振動発生部と、
前記片持梁の変位量を検出する変位量検出部と、該変位
量検出部からの検出信号に基づき、前記各振動発生部の
振動力を前記片持梁の幅方向に対してバランスさせる振
動力調整手段とからなる。
【0017】
【作用】振動力調整手段によって、各振動発生部による
振動力は片持梁の幅方向に対してバランスするから、静
止状態において各振動発生部に制御信号を印加し、該各
振動発生部によって片持梁を振動させると、該片持梁は
幅方向に傾くことなく振動し、変位量検出部により検出
される片持梁の変位量が零となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図13に
基づいて説明する。なお、実施例では、上述した図14
および図15に示す従来技術と同一の構成要素に同一の
符号を付し、その説明を省略する。
【0019】図中、11は本実施例による角速度センサ
のセンサ本体を示し、該センサ本体11は図2に示す如
く、後述の発振回路17および信号処理回路21と共に
角速度センサを構成している。
【0020】12はセンサ本体11を構成する基板を示
し、該基板12は従来技術で述べた基板1とほぼ同様に
シリコン材料から形成され、下側基板12Aと、上側基
板12Bと、該各基板12A,12B間に形成された空
間12Cとから構成されている。しかし、本実施例によ
る上側基板12Bの上,下両面側には酸化膜12D,1
2Dが形成されている。
【0021】13は基板12の上側基板12Bにエッチ
ング技術等を用いて一体形成された片持梁を示し、該片
持梁13は、従来技術で述べた片持梁2とほぼ同様に、
その基端13A側が上側基板12Bに固定された固定端
となり、その先端13B側が基板12に対して垂直な
上,下方向に振動可能な自由端となり、基端13A側に
は幅方向の中心に位置して長手方向に伸びる角形状のス
リット14が形成されている。しかし、本実施例による
片持梁13の上面側には基板12の酸化膜12Dを介し
て後述の圧電体15,15が設けられている。
【0022】15,15は片持梁13の上面側に幅方向
に離間して設けられた振動発生部としての2個の圧電体
を示し、該各圧電体15は、片持梁13の上面側に酸化
膜12Dを介して設けられた下側電極15Aと、該下側
電極15Aの上面側に設けられた酸化亜鉛等の圧電材料
からなる圧電膜15Bと、該圧電膜15Bの上面側に設
けられた上側電極15Cとから構成されている。また、
該各圧電体15は、各電極15A,15Cを介して制御
信号としての所定の周波数信号(交流電圧)を出力する
発振回路17に接続されている。そして、該各圧電体1
5は、発振回路17から所定の周波数信号が印加される
と変形し、この変形力(振動力)により片持梁13を
上,下方向に振動させるものである。
【0023】16,16はスリット14の左,右に位置
して片持梁13の基端13A側に設けられた変位量検出
部としてのピエゾ抵抗素子を示し、該各ピエゾ抵抗素子
16は、基板12の回転時に片持梁13に生じる応力を
抵抗値変化として検出し、この検出信号を信号処理回路
21に出力するものである。
【0024】17は各圧電体15に制御信号としての所
定の周波数信号を印加する発振回路、18は該発振回路
17と各圧電体15との間に設けられた振動力調整手段
としてのポテンショメータをそれぞれ示し、該ポテンシ
ョメータ18は、図3に示す如く、その両端部がリード
線19,19を介して各圧電体15の下側電極15Aお
よび発振回路17に接続され、その摺動子18Aがリー
ド線20,20を介して各圧電体15の上側電極15C
に接続されている。そして、該ポテンショメータ18
は、後述の如く、各ピエゾ抵抗素子16からの洩れ出力
に応じて、その摺動子18Aの位置が定められ、これに
より、発振回路17からの交流電圧を分圧し、左,右の
圧電体15に印加する交流電圧V1 ,V2 をそれぞれ調
節するものである。
【0025】21は各ピエゾ抵抗素子16に接続された
信号処理回路を示し、該信号処理回路21は、左,右の
ピエゾ抵抗素子16からの検出信号VL,VRを電圧信
号に変換し、両者の差分を角速度検出信号ΔV(=VL
−VR)として後述のコントロールユニット22に出力
するものである。
【0026】図10において、22はCPU等からマイ
クロコンピュータとして構成されたコントロールユニッ
トを示し、該コントロールユニット22は後述の如くポ
テンショメータ18の初期設定に用いられるもので、そ
の入力側に信号処理回路21が接続され、その出力側に
はポテンショメータ18の摺動子18Aの位置を調節す
べく、サーボモータ,歯車(いずれも図示せず)等から
構成された調節部23が接続されている。また、該コン
トロールユニット22のROM,RAM等からなる記憶
回路内には記憶エリア22Aが形成され、該記憶エリア
22Aには図11に示すプログラムと基準値α等とが記
憶されている。
【0027】ここで、前記基準値αは、静止状態におけ
る片持梁13の変位量が実質的に零となったか否かの判
定に用いられるものである。
【0028】本実施例による角速度センサは上述の如き
構成を有するもので、次に、その製造方法について図4
ないし図12を参照しつつ説明する。
【0029】まず、図4に示す酸化膜形成工程では、例
えば熱酸化法等の手段を用いて、単結晶シリコン材料か
らなる基板12の上側基板12Bの上,下両面側に酸化
膜12Dを形成する。
【0030】次に、図5に示すピエゾ抵抗素子形成工程
では、酸化膜形成工程で上側基板12Bの上面側に形成
された酸化膜12Dの一部を除去し、該酸化膜12Dを
マスクとして上側基板12Bにホウ素等のP型不純物を
注入,拡散し、各ピエゾ抵抗素子16を形成する。
【0031】そして、図6に示す圧電体形成工程では、
各ピエゾ抵抗素子16に抵抗用電極(図示せず)を形成
すると共に、各圧電体15の下側電極15Aを蒸着,ス
パッタ等の技術を用いて形成し、該下側電極15Aの上
面側に、酸化亜鉛等の圧電材料からなる圧電膜15B
と、該圧電膜15B上に位置する上側電極15Cとを形
成することにより、各圧電体15を形成する。
【0032】次に、図7に示す溝形成工程では、上側基
板12Bの表面にレジスト(図示せず)を塗布し、該レ
ジストをマスクとして、酸化膜12Dおよび上側基板1
2Bの一部を所定の深さまでドライエッチングすること
により、将来スリット14となる溝24と、片持梁13
を形どる他の溝25とを形成する。
【0033】さらに、図8に示す片持梁形成工程では、
前記溝形成工程で用いたレジストを除去し、上側基板1
2Bの上面側をワックス等で保護した後、上側基板12
Bの下面側をKOH等のエッチング液を用いて電解エッ
チングすることにより、空間12Cを形成して前記各溝
24,25を貫通せしめ、片持梁13とスリット14と
を形成する。
【0034】そして、図9に示す接合工程では、このよ
うにして片持梁13,各圧電体15,各ピエゾ抵抗素子
16等が形成された上側基板12Bの下側に、別工程で
形成された下側基板12Aを陽極接合技術等を用いて接
合し、センサ本体11を形成する。
【0035】最後に、ポテンショメータ18の初期設定
を行う振動力調整工程について、図10ないし図12に
基づき説明する。
【0036】まず、図11に示すステップ1では、前記
接合工程で形成されたセンサ本体11を振動力調整ステ
ージに搬送してセットし、調節部23をポテンショメー
タ18に接続すると共に、該ポテンショメータ18の摺
動子18Aを中点に位置させる。
【0037】次に、ステップ2では、センサ本体11に
回転力Tを加えない静止状態において、発振回路17か
ら各圧電体15に各電極15A,15C,ポテンショメ
ータ18等を介して周波数信号(交流電圧V1 =V2 )
を印加することにより、該各圧電体15の変形力によっ
て片持梁13を上,下方向に振動させる。
【0038】そして、ステップ3では、信号処理回路2
1を介して左,右のピエゾ抵抗素子16,16からの検
出信号の差分ΔVを読込み、ステップ4では、この信号
処理回路21からの検出信号ΔVと記憶エリア22A内
に予め記憶された基準値αとを比較する。
【0039】このステップ4で「ΔV<α」と判定した
場合は、左側のピエゾ抵抗素子16からの検出信号VL
よりも右側のピエゾ抵抗素子16からの検出信号VRの
方が大きく、片持梁13が幅方向右側に傾いて振動して
いるときだから、ステップ5に移る。そして、このステ
ップ5では、調節部23によりポテンショメータ18の
摺動子18Aを中点から右側に所定量だけ移動させ、右
側の圧電体15に印加される交流電圧V2 を低下させる
と共に、左側の圧電体15に印加する交流電圧V1 を増
大させて前記ステップ3に戻る。
【0040】また、前記ステップ4で「ΔV>α」と判
定したときは、左側のピエゾ抵抗素子16からの検出信
号VLの方が右側のピエゾ抵抗素子16からの検出信号
VRよりも大きく、片持梁13が幅方向左側に傾いて変
位しているときだから、ステップ6に移り、調節部23
によりポテンショメータ18の摺動子18Aを中点から
左側に所定量だけ移動させ、左側の圧電体15に印加さ
れる交流電圧V1 を低下させると共に、右側の圧電体1
5に印加する交流電圧V2 を増大させてステップ3に戻
る。
【0041】このように、ステップ3〜6までを繰返す
ことにより、左,右の圧電体15に印加される発振回路
17からの交流電圧V1 ,V2 は、図12に示す如く、
ポテンショメータ18により調節され、これにより、各
圧電体15に発生する変形力が左,右方向でバランス
し、片持梁13が左,右に傾くことなく、上,下方向に
振動するようになる。
【0042】即ち、図12において、縦軸に左,右のピ
エゾ抵抗素子16,16からの検出信号の差分ΔVをと
り、横軸に各圧電体15の印加電圧比(V1 /V1 +V
2 )をとった場合、ポテンショメータ18から左,右の
圧電体15に印加される交流電圧V1 ,V2 が等しいと
き(ポテンショメータ18の摺動子18Aが中点に位置
するとき)は、印加電圧比がO.5であり、この場合に
は、センサ本体11の製造誤差に起因してVαの洩れ出
力が発生する。
【0043】そこで、上述の如く、例えばポテンショメ
ータ18を右側に移動させて左側の圧電体15に加える
交流電圧V1 を増加せしめると共に、右側の圧電体15
に加える交流電圧V2 を減少せしめ、印加電圧比を調整
する。これにより、印加電圧比がある値に達すると、該
各圧電体15の変形力が左,右でバランスするようにな
り、洩れ出力が零となる。
【0044】そして、前記ステップ4で「ΔV=α」と
判定した場合は、前述の如く、ポテンショメータ18の
摺動子18Aの位置を調整することによって、各圧電体
15の変形力が左,右方向でバランスし、片持梁13が
左,右に傾くことなく上,下方向に振動しているときだ
から、プログラムを終了する。
【0045】本実施例による角速度センサはこのように
して製造されるもので、片持梁13の変位量によって角
速度を検出するという基本的な作動については、従来技
術によるものと格別差異はない。
【0046】然るに、本実施例では、片持梁13の上面
側に幅方向に離間して各圧電体15,15を設けると共
に、該各圧電体15によって静止状態で片持梁13を振
動させ、該片持梁13の変位量を左,右のピエゾ抵抗素
子16からの検出信号の差分ΔV(=VL−VR)によ
って検査し、この検査結果に基づき、各圧電体15に印
加する交流電圧を調整することにより、各圧電体15の
変形力(振動力)を片持梁13の幅方向たる左,右方向
でバランスさせるポテンショメータ18を設ける構成と
したから、センサ本体11の製造後に各圧電体15の変
形力の調整を行うことができ、該センサ本体11に回転
力Tが加わっていない静止状態において、片持梁13を
左,右方向に傾けることなく上,下方向に振動させるこ
とができる。
【0047】この結果、静止状態において、信号処理回
路21からの洩れ出力を効果的に低減することができ、
S/N比を高めて、角速度の検出精度や信頼性等を大幅
に向上することができる。
【0048】また、本実施例では、振動発生部に各圧電
体15を用いる構成であるから、従来技術で述べた静電
力による振動発生部(電極4)に比較して、精度よく片
持梁13を上,下方向に振動させることができ、制御性
や信頼性等を大幅に向上することができる。
【0049】なお、前記実施例では、振動発生部として
左,右に離間した2個の圧電体15を用いる場合を例に
挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば図1
3に示す変形例の如く、片持梁13′に従来技術による
振動発生部としての電極4とほぼ同様の電極31,31
(片側のみ図示)を幅方向に離間して設け、該各電極3
1に印加する交流電圧をポテンショメータ18′により
調節する構成としてもよい。
【0050】また、前記実施例では、酸化亜鉛等の圧電
材料から各圧電体15を形成するものと述べたが、例え
ばPZT等の他の圧電材料を用いてもよい。
【0051】さらに、前記実施例では、変位量検出部と
してP型不純物を拡散してなる拡散抵抗型のピエゾ抵抗
素子16,16を用いるものとして述べたが、これに替
えて、例えば電界効果型トランジスタのピエゾ抵抗効果
を利用してもよい。
【0052】さらにまた、前記実施例では、片持梁13
の幅方向に離間して2個の圧電体15を設ける場合を例
示したが、本発明はこれに限らず、例えば4個,6個
等、多数の偶数個の圧電体を片持梁に幅方向に離間して
設けてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、基
板と、基端側が該基板に固定され先端側が自由端となっ
た片持梁と、該片持梁に設けられ、電極を介して伝達さ
れた制御信号により該片持梁をそれぞれ振動させる複数
の振動発生部と、前記片持梁の変位量を検出する変位量
検出部と、該変位量検出部からの検出信号に基づき、前
記各振動発生部の振動力を前記片持梁の幅方向に対して
バランスさせる振動力調整手段とによって構成したか
ら、静止状態において各振動発生部に制御信号を印加
し、該各振動発生部によって片持梁を振動させると、該
片持梁は幅方向に傾くことなく振動し、変位量検出部に
より検出される片持梁の変位量が零となる。この結果、
静止状態において、変位量検出部からの洩れ出力を効果
的に低減でき、S/N比を高めて、角速度の検出精度や
信頼性等を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による角速度センサを示す平面
図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向断面図である。
【図3】図1中の矢示III −III 方向断面図である。
【図4】酸化膜形成工程を示す縦断面図である。
【図5】図4による酸化膜形成工程に続くピエゾ抵抗素
子形成工程を示す縦断面図である。
【図6】図5によるピエゾ抵抗素子形成工程に続く圧電
体形成工程を示す縦断面図である。
【図7】図6による圧電体形成工程に続く溝形成工程を
示す縦断面図である。
【図8】図7による溝形成工程に続く片持梁形成工程を
示す縦断面図である。
【図9】図8による片持梁形成工程に続く接合工程を示
す縦断面図である。
【図10】振動力調整工程を示す平面図である。
【図11】振動力調整処理を示す流れ図である。
【図12】ポテンショメータによる各圧電体への印加電
圧比と洩れ出力との関係を示す説明図である。
【図13】本発明の変形例による角速度センサを示す図
2と同様の断面図である。
【図14】従来技術による角速度センサの平面図であ
る。
【図15】図14中の矢示XV−XV方向断面図である。
【符号の説明】
12,12′ 基板 13,13′ 片持梁 15 圧電体(振動発生部) 16,16′ ピエゾ抵抗素子(変位量検出部) 18,18′ ポテンショメータ(振動力調整手段) 31 電極(振動発生部)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、基端側が該基板に固定され先端
    側が自由端となった片持梁と、該片持梁に設けられ、電
    極を介して伝達された制御信号により該片持梁をそれぞ
    れ振動させる複数の振動発生部と、前記片持梁の変位量
    を検出する変位量検出部と、該変位量検出部からの検出
    信号に基づき、前記各振動発生部の振動力を前記片持梁
    の幅方向に対してバランスさせる振動力調整手段とから
    構成してなる角速度センサ。
JP4212025A 1992-07-16 1992-07-16 角速度センサ Pending JPH0634375A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6321598B1 (en) 1999-03-12 2001-11-27 Denso Corporation Angular velocity sensor device having oscillators

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6321598B1 (en) 1999-03-12 2001-11-27 Denso Corporation Angular velocity sensor device having oscillators

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