JPH06342674A - 蓄電池電気容量計測法及びその装置 - Google Patents

蓄電池電気容量計測法及びその装置

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JPH06342674A
JPH06342674A JP6051156A JP5115694A JPH06342674A JP H06342674 A JPH06342674 A JP H06342674A JP 6051156 A JP6051156 A JP 6051156A JP 5115694 A JP5115694 A JP 5115694A JP H06342674 A JPH06342674 A JP H06342674A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓄電池電気容量計測法及び装置において、蓄
電池電解液に紫外光ないし可視光領域の光を照射し、蓄
電池電解液の比重又は電気容量をその透過光強度から計
算によって換算する手法を提供する。 【構成】 蓄電池電解液に紫外光ないし可視光の領域の
光を照射して、その透過光強度を計測して換算式を求め
るか、若しくは標準サンプルの計測値をもとに蓄電池電
解液の比重又は蓄電池の電気容量を透過光強度から計算
によって換算する。光透過光強度の変化で蓄電池電解液
の比重を連続的に知ることができ、また、蓄電池の老朽
化の度合いが判り、蓄電池の電気特性が大きく変化する
前に、蓄電池の寿命や交換の時期を正確に知ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蓄電池の電気容量を光
学的、かつ電気的に連続して計測する方法及びその装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】蓄電池(例えば、鉛−硫酸電池)の電気
容量を知るための方法として、蓄電池の端子電圧を計測
する電気的な手法や、電解液の比重を計測する手法や、
光学屈折率方式などが知られている。これらのうち、電
解液の比重を計測する手法では、目盛り付きフロートの
入ったガラス製のスポイトに電解液を吸い上げて、フロ
ートの位置を読み取るフロート形式が主流である。光学
屈折率方式は、光ファイバやプリズムなどの光学素子の
表面に蓄電池電解液が接するようにしておき、光学素子
を透過する光の強度や、位置を計測する方法であり、比
重が変化すると電解液の屈折率が変化し、電解液と接し
ている光学素子を透過する光強度や、位置も、同時に変
化する現象を利用したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の端子
電圧を計測する電気的な手法では、蓄電池が老朽化して
いたり気温が低いときなどは、蓄電池の老朽の程度で大
きく誤差が出て蓄電池の電気容量を正確に知ることは困
難であった。すなわち、老朽化した蓄電池では、その蓄
電池を充電して蓄電池を点検すると、端子電圧は充電完
了時の電圧を示し、電解液の比重は満充電時の規定値を
満たすが、その蓄電池は短時間に消耗して使用できなく
なる。このため、電気的な手法で蓄電池の老朽の度合い
を判定することは容易でなく、特に、早期での寿命検知
は困難である。
【0004】また、電解液の比重を計測する方法は、蓄
電池の電気容量を比較的正確に知ることができるが、蓄
電池電解液の液温が室温から変化すると、正確に蓄電池
の電気容量が予想できない欠点があった。また、液温を
一定に保って比重を計測したとしても、比重の重い液が
電池の底に沈み、比重の軽い液が電池の液面に浮き上が
るため、容積の大きな蓄電池では、比重の違う液が充分
に均一に混ざりあうまで待たねばならず、計測される電
解液の比重と蓄電池の電気容量との関係に時間的なずれ
が有るため、時間的に連続して計測を行うことすなわ
ち、連続的に蓄電池の電気容量を知ることは困難であっ
た。また、フロート式での比重計測は、液面の振動や上
下動に弱く、電気自動車に搭載した蓄電池の容量計測に
は不向きである。
【0005】光学屈折率方式では、光学素子と接触して
いる電解液の屈折率しか計測できないため、蓄電池の内
部で電解液の比重に分布があったり、光学素子と電解液
との接触面や液面が乱れ、若しくは汚れると、測定値と
実際の値との誤差が大きくなる傾向にあった。また、接
触面の精度が厳しく要求され、さらには、入射光の位置
情報が必要なことから、CCD等のセンサが必要とな
り、構成が複雑になる。
【0006】
【課題を解決するための手段】これらの問題を解決する
には、前述の手法によらない方法で蓄電池電解液の変化
を観測することができれば、解決できると考えた。考察
の結果、蓄電池電解液は、常に電極物質と接触してお
り、電気化学反応によって電極物質と蓄電池電解液とが
反応し、電気エネルギーを放出していることから、蓄電
池電解液には、幾種類かの物質がイオン化して溶けてい
る。通常、このような溶出イオンを知るには、吸光光度
分析を行なうことが多いことに着目した。
【0007】そこで、蓄電池の放電前と放電後の電解液
に光を照射して吸収させ、その透過光の分光スペクトル
を測定したところ、図3に示すような特性が得られた。
すなわち図3において、実線は、放電前の吸収スペクト
ルであり、点線は、放電後の吸収スペクトルである。実
線と点線を比較すると、紫外線領域の波長である200
nm〜400nmの間の吸収スペクトルが変動している
ことが判る。また、図3は蓄電池電解液の吸収率を示し
ているので、蓄電池を放電すれば吸収率は、増加するこ
とが判る。また、放電した蓄電池を充電すると、図3の
点線部分の吸収スペクトルは、実線部分の吸収スペクト
ルまで復帰する。すなわち、前述した波長での紫外線透
過光強度(吸収率)の変化は、可逆な現象である。従っ
て、この現象を利用すれば、比較的容易に蓄電池の電気
容量を正確に知ることができると考えられた。
【0008】この発明に係わる蓄電池の電気容量計測法
及びその装置は、蓄電池電解液(蓄電池電解質も含む)
に、紫外領域成分から可視領域成分(波長200nm〜
690nm)を含んだ光を照射し、蓄電池電解液を構成
している物質に光を吸収させ、蓄電池電解液を透過した
後の光を受光計測し、その光強度を電気信号強度に変換
し、蓄電池容量に換算するものである。
【0009】そして、このような計測値から蓄電池容量
へ換算する手法としては、電解液の比重が電気容量と比
較的正確な対応関係にあり(蓄電池が老朽化していない
限り)、蓄電池電解液の紫外線の透過光強度と同電解液
の比重との間に相関関係があることから、予め蓄電池電
解液の紫外光の透過光強度と比重又は電気容量との相関
関係を求めておき、この関係を用いて換算する方法が挙
げられる。蓄電池電解液を透過した紫外光透過強度と比
重又は電気容量との関係は、例えば、図4又は図5に示
すようなものとなる。このような相関関係を用いて、上
記の計測で求めた光強度を、蓄電池電解液の比重又は電
気容量に換算することで、蓄電池の電気容量が判明す
る。
【0010】この方法及び装置においては、蓄電池の個
々の特性を予め実験的に測定して、図4や図5に示した
ような相関関係を一度求めておけば、以降は、その相関
関係情報を用いて蓄電池の電気容量を計測可能である。
また、紫外光透過強度と比重又は電気容量との関係は、
必ずしも図4や図5のように直線になるとは限られな
い。さらに、上記とは別に、紫外光透過強度の計測値か
ら蓄電池容量へ換算する手法として、計測される蓄電池
電解液の紫外光透過強度と、同蓄電池電解液の初期値に
相当する光学特性を持った標準サンプルを透過した光強
度又はそれに相当する電気信号値若しくはその情報とを
比較する方法が挙げられる。また、透過光強度と充放電
回数との関係は図6に示すような傾向を呈する。この関
係を用いて蓄電池の寿命、老朽化の程度を知ることがで
きる。
【0011】さらに、また、後に示す各実施例は、本発
明における蓄電池の電気容量計測法及び装置の望ましい
例であるが、蓄電池電解液や計測器の光学部品に蛍光物
質を含ませて、前記波長領域の紫外光及び可視光を波長
変換して計測することや、充電状態や放電状態の管理に
電気的な数値を併用することや、一部の手法の自動化に
よる手順の省略といったような、計測法に部分的な改略
や変更を加えて実施することが可能である。また、蓄電
池電解液などの電池を構成する電解質は、紫外線領域か
ら可視光線領域の光を透過する物質であれば、液体、固
体、気体などいずれの状態の物質でもよく、電解質をゲ
ル状や、固体状にした電池の電気容量を計測することも
可能である。
【0012】なお、蓄電池の中には、老朽化するまでに
至っていない段階で、放電前と放電後とで紫外光透過強
度の関係が図3の特性とは逆転しているものが存在し
(詳細は後述の図8)、そのような蓄電池の場合は、図
4、図5の相関関係も、やはり、逆転した形で成立す
る。以下の説明では、前者つまり図3の特性を持つ蓄電
池をタイプ1といい、後者つまり図8の特性を持つ蓄電
池をタイプ2という。
【0013】
【作用】図7に蓄電池内部における充放電反応の状況を
示す。この反応は、鉛−硫酸電池の反応の最も代表的な
ものである。図7より、放電の際には、反応経路aの反
応が起き、蓄電池電解液の硫酸を消費して、+極1の酸
化鉛は硫酸鉛になり、−極2の鉛も硫酸鉛となる。これ
に伴って蓄電池電解液中の硫酸濃度が下がり、液の比重
は水の比重に近づく。また、充電を行なえば外部から入
力された電気エネルギーによって図7の反応経路bの反
応が起き、+極1は硫酸鉛から酸化鉛になり、−極2は
硫酸鉛から鉛になる。この時、電極を構成している硫酸
鉛の硫酸イオンが蓄電池電解液に溶出し、ほぼ同時に硫
酸となる。従って、蓄電池電解液の水の濃度が減少し硫
酸の濃度が増加するため、蓄電池電解液の比重は、放電
前の比重に回復する。ここで、+極1や−極2に生成す
る硫酸鉛は、水や蓄電池電解液に対して不溶である。
【0014】そして、上述したように、蓄電池の放電前
と放電後における紫外光の吸収スペクトルは第3図に示
すごとき特性を示し、しかも、この図3の特性を持つ蓄
電池の透過光強度と電解液比重との関係は図4に示すご
とくになり、同蓄電池の透過光強度と電解液比重との関
係は図5に示すごとくになり、また、同蓄電池の透過光
強度と充放電回数の関係は図6に示すごとくになり、蓄
電池が老朽化すると、紫外線の透過強度が減少する。こ
のような相関関係を利用して上述の方法により蓄電池の
電気容量を計測することができる。
【0015】ところで、鉛蓄電池の電解液として用いら
れる硫酸は、200nm〜400nmの紫外光の波長域
に吸収ピークを持つ。従って、蓄電池の放電前に対して
放電後は上記一般的な蓄電池内部での電気化学反応だけ
からすれば硫酸の濃度が下がり水に近付くことから、本
来なら、この放電後の紫外光の吸収ピークは放電前より
も下がるはずであるが、図3に示すように吸収ピークの
変化は放電後の方が上がっている。このように吸収ピー
クが変化する理由は、上記の一般的な電気化学反応だけ
では説明がつかないが、蓄電池の老朽化の程度について
調べることにより説明することができる。すなわち、長
期間に渡って使用され、充電と放電を繰り返した老朽化
の激しい蓄電池と、新品の蓄電池との比較を行ったとこ
ろ、新品の蓄電池で充電と放電のサイクルを複数回繰り
返して老朽化しておらず使用可能な範囲では、充電後に
紫外線領域の吸収ピークは、放電前の状態まで回復す
る。それに対して、老朽化が激しく使用に耐えなくなっ
た蓄電池では、放電後の紫外線領域の吸収ピークはタイ
プ1の蓄電池で説明すると、図3よりも極端に大きくな
り(詳細は後述の図9)、しかも放電後に端子電圧や蓄
電池電解液の比重が充電終了条件を満たすまで充電を行
なっても、紫外線領域の吸収ピークは、減少することが
ないことが判った。タイプ2の蓄電池についてもこの現
象は同じである(詳細は後述の図8)。
【0016】このような現象が生じるのは、放電反応に
より電解液中に鉛蓄電池では酸化鉛と硫酸鉛又は硫酸鉛
と鉛の粒子が浮遊して、これに紫外光が吸収されること
によると推定される。老朽化についてさらに詳述する
と、充放電回数(放電と充電を行なって1回として計
数、新品の蓄電池では0回目である)が増加して蓄電池
が老朽化してくると、紫外光の吸収率が増大し、透過光
強度が減少するようになる(老朽化した場合の詳細は後
述の図10)。また、老朽化に伴い波長400nm〜6
90nmでの光の吸収率も増大する。この要因としては
光の散乱が考えられる。その透過光強度と充放電回数と
の関係は図6に示すような傾向を呈する。図6の相関関
係は必ずしも直線とはならない。
【0017】このような特性を有することから紫外光領
域で蓄電池電解液を観測することにより、蓄電池の老朽
化の程度を知ることができる。また、蓄電池の老朽化の
度合いについては、可視光領域の吸収スペクトルの変化
と紫外光領域の吸収スペクトル変化の両特性間に密接な
関連があることから、この変化を検出することによって
も蓄電池の老朽化の度合いを知ることができる。図3に
は、波長の長い可視光領域での吸収スペクトルが変化す
る状況を示していないが、その詳細については後述す
る。
【0018】また、タイプ1とタイプ2で老朽化するま
でに至っていない段階で放電前と放電後で紫外光吸収特
性(特に300nm前後で)が反転している(図3と図
8)理由は、蓄電池の電極構造並びにその電気化学反応
の違いに起因すると考えられる。すなわち、鉛蓄電池の
場合、電極は一般に格子状極板に酸化鉛粒子(正極)や
鉛粒子(陰極)がペースト状に塗込められており、これ
が、セパレータにより保持され電解液中に挿入されてお
り、正極の酸化鉛は放電により硫酸鉛となり、その一部
が電解液中に出て、また、充電により逆に極板の酸化鉛
に硫酸鉛が戻るため電解液中の硫酸鉛の粒子が減少す
る。
【0019】ここに、放電時に、正極を構成する酸化鉛
の結晶は硫酸鉛との反応での体積変化が大きく、正極の
作成状態によっては(電極構造はコスト及び寿命と密接
に関係している)、酸化鉛と硫酸鉛の粒子が電極から剥
がれ落ちる性質が顕著に現われる。この酸化鉛と硫酸鉛
の粒子は細かいために電解液中に浮遊する。このために
紫外光が遮られ、その結果、上記の性質が現われる蓄電
池では、図3に示されるような光吸収特性を呈するもの
と考えられる(タイプ1)。この蓄電池では比較的寿命
が短いものである。一方、正極が緻密に作成された蓄電
池では、放電反応により陰極の鉛粒子の周りに硫酸鉛が
成長する性質の方が顕著となり、この硫酸鉛の粒子は大
きいことから、電解液中に浮遊せず下に沈む。従って、
上記のように紫外光が遮られることがなく、むしろ放電
により電解液中の硫酸が減少することによる光吸収特性
が出て、その結果、図8に示されるような光吸収特性を
呈するものと考えられる(タイプ2)。この蓄電池は寿
命が比較的長い。
【0020】
【実施例】
実施例1 図1は実施例1による計測法の処理手順を示すフローチ
ャートである。まず、充電済み被計測蓄電池に使用され
ている蓄電池電解液の紫外線透過光強度を計測するとと
もに、蓄電池電解液の比重を調べ、これらを初期値とす
る(S1)。次に、被計測蓄電池の放電を10時間率以
上の時間率で計算される電流値で行なう。この放電電流
値は、蓄電池の使用と性能に支障がない限り自由に定め
てもよいが、通常は10時間程度の時間率で計算される
電流値で放電させることが望ましい。放電中は、連続的
に蓄電池電解液の比重と紫外線透過光強度を計測し(S
2)、図4、図5に相当する関係を求める。光強度の計
測には、半導体や光電子増倍管などの光電変換素子を用
いればよい。放電停止条件になれば、放電を止める(S
3)。この放電停止条件は、蓄電池電解液の比重が、初
期値より10%程度低下した値にしておく。この値は、
望ましい値であり、あくまでも目安であって、これ以外
の値であってもよい。通常、蓄電池電解液の比重は、
1.28前後であるので、放電停止条件の比重は、1.
15前後である。放電停止後、再び、蓄電池電解液の比
重と紫外線透過光強度を計測する(S4)。
【0021】上記両者の計測値から図4、図5に相当す
る関係を求め、被計測蓄電池の蓄電池電解液の比重と紫
外線透過光強度との関係を換算式化する(S5)。こう
して最初の計測により換算式を一旦求めた後は、被計測
蓄電池を交換し又は充電して(S6)から行なう2回目
以降の計測では、紫外線透過光強度を計測するのみで、
蓄電池電解液の比重を換算式を用いて計算によって求め
ることができ、通常使用としての放電及び充電を行なう
ことができる(S7〜S14)。蓄電池電解液の比重が
蓄電池の電気容量であることを考慮すると、電気容量の
消費率の換算も容易にできる。また、充電の際には、前
述した換算式によって計算される蓄電池電解液の比重又
は電気容量が初期値になるまで回復すれば、それをもっ
て充電完了条件とする。
【0022】また、蓄電池の形式や蓄電池そのものが変
更された場合は、上記換算式は変更されることが望まし
いが、蓄電池の変更がない限り有効であり、また、少々
の誤差を含んでもよいならば、換算式を変更せずに用い
てもよい。さらには、上記の処理は通常、計測メータで
行うが、そのメータにコンピュータや電子回路的な手段
を付加して計測を自動化しておけば、換算式の変更は、
容易に対応することが可能であり、極めて容易に蓄電池
の充放電の状況を管理することができる。図1における
通常使用とは、毎日行なわれる計測作業の一環として本
実施例を適用できることを示している。また、蓄電池を
交換した場合、それらの性能にバラツキがあっても、計
測メータ側で初期オフセット調整を行なうことにより、
そのバラツキは補正できる。
【0023】実施例2 図2は、実施例2による計測法の処理手順を示すフロー
チャートである。この実施例では、まず、蓄電池電解液
の初期値に相当する光学特性をもった標準サンプルを標
準値として定めておき、その標準サンプルと被計測蓄電
池を準備し(S21)、これら両者の紫外線透過光強度
を比較計算することで、被計測蓄電池の電気容量の消費
の度合いや、蓄電池電解液の比重が計算によって換算で
きるので、通常使用としての充放電を行なうことができ
る(S22〜S29)。初期値に相当する標準サンプル
は、蓄電池電解液である必要はなく、他の材質の物でも
よく、また、電子回路的に設定された電気信号値やコン
ピュータ等に記憶させた情報なども使用できる。また、
標準サンプルの特性が既知のものであるならば、多少の
値のずれは、計算によって補正することができるため、
例えば、蓄電池電解液の紫外光透過強度に温度特性が見
られる場合、標準サンプルの光学特性に蓄電池電解液の
温度特性と相似の関係を有する標準サンプルを採用すれ
ばよく、この場合、標準サンプルに多少の値のオフセッ
トがあったとしても、計算によってオフセットを補正す
ることができる。また、蓄電池の形式や蓄電池そのもの
の変更があった場合、標準サンプルを変更することで対
応できる。
【0024】こうして、被計測電池の透過光強度計測値
と標準サンプルの値との比較だけで、極めて簡便に蓄電
池の電気容量や蓄電池電解液の比重を計算によって換算
することができる。図2における通常使用とは、毎日行
なわれる計測作業の一環として本実施例を適用できるこ
とを示す。また、図2における放電停止条件は、標準サ
ンプルと蓄電池電解液の紫外光透過強度の差が10%前
後変化した時点で放電を停止すればよいが、この数値
は、あくまでも目安であって、別にこれ以外の値であっ
てもよい。充電完了条件は、標準サンプルと蓄電池電解
液の紫外光透過強度の差が0になった時点とすればよ
い。前述した実施例1と同様、上記一連の手順をコンピ
ュータや電子回路的な手段を使用して自動化しておけ
ば、極めて容易に蓄電池の充放電の状況を管理すること
ができる。
【0025】ところで、蓄電池の中には、上述したよう
に、電解液の紫外線吸収ピークの充放電による変化が図
3の特性(タイプ1の蓄電池)と反対の特性を持つ蓄電
池(タイプ2の蓄電池)も実在する。図8にタイプ2の
蓄電池電解液の充電前と充電後の紫外吸収波長特性を示
す。前述した図3では、400nmより長波長の可視光
線領域の吸収スペクトルの変動を示していなかったが、
ここでは、それをも示している。図9は、図8と対にな
る図である。図8において、実線は放電前を示し、点線
は放電後を示し、細線の点線は蓄電池の老朽化(1年、
充放電回数、約260回)後の紫外線及び可視光線の吸
収波長特性の平均値を示し、一点鎖線は蓄電池がさらに
老朽化(3年、充放電回数、約930回、又は、放置状
態)した場合の紫外線及び可視光線の吸収波長特性の平
均値を示す。図8より、放電前後での吸収特性(特に3
00nm前後参照)が図3とは逆であることが判る。こ
のタイプ2の場合は、硫酸の濃度と、実線と点線で示す
特性との関係は比例関係で説明できる。当然のことなが
ら、図4、図5の相関関係も逆転する。
【0026】蓄電池が老朽化(1年、充放電回数、約2
60回)して蓄電池電解液の特性が図8の細線の点線で
示すようになると、蓄電池を充電しても紫外線及び可視
光線の吸収スペクトルは、初期状態に回復することはな
い。しかし、蓄電池電解液の比重や蓄電池の端子電圧は
回復するため、従来の測定法では、蓄電池が老朽化して
いることに気が付かないことが多い。しかも、この状態
の蓄電池に負荷をかけると、端子電圧は短時間で著しく
低下する。また、この状態の蓄電池の内部を観察してみ
ると、蓄電池電解液が赤色系統もしくは黄色系統の色に
着色していることが多い。
【0027】蓄電池がさらに老朽化(3年、充放電回
数、約930回、又は、放置状態)して蓄電池電解液の
特性が図8の一点鎖線で示すような特性を示すようにな
ると、蓄電池に負荷を接続した直後から端子電圧が著し
く減少し、蓄電池としては使用できなくなる。しかし、
充電を行えば、端子電圧は回復し、電解液の比重も回復
するため、電解液の比重を計測するだけでは、蓄電池の
老朽化の度合いを知ることは、不可能である。従来は、
蓄電池を負荷に接続して端子電圧の計測を行ない良否を
判断していた。この状態で蓄電池の内部を観察すると蓄
電池電解液は、黒っぽく汚れ、蓄電池の底には、沈殿物
が溜まっていることが多い。このため、充放電回数と透
過光強度との相関関係は、タイプ2の蓄電池が老朽化し
た場合でも、図6が成立する。
【0028】蓄電池が老朽化し使用に耐えることができ
なくなった場合、タイプ1、タイプ2の蓄電池に共通し
ている特徴は、紫外光の吸収率が増加し、蓄電池電解液
に紫外光を照射しても透過しなくなることである。これ
は、蓄電池電解液の中に電極表面から剥離した粒子が混
入することに起因する。蓄電池電解液の中に粒子が混入
する理由は次のように説明できる。蓄電池の陽極や陰極
の表面は、直接もしくはセパレータを介して電解液と接
触しており、また、電極表面の仕上げは微視的な領域に
おいて均一ではなく、多少の凹凸や電極を構成している
物質などに、ミクロンレベルの不均一な部分が存在して
いる。そのため、放電後の充電によって、凹凸のある部
分や電極成分の不均一な部分に電極成分が成長し始める
と、当然のことながら、充電によって電極に成長を続け
る電極成分も不均一となる。特に、電極に機械的な凹凸
がある場合、電界は尖ったところに集中する傾向を持つ
ため、充電後、さらに凹凸が激しくなる傾向が見られ
る。このようにして、電極表面は充放電を繰り返すごと
に凹凸が激しくなる。
【0029】また、凹凸が原因で電界が集中した部分や
電極成分の不均一な部分は、微視的なレベルで結晶構造
が異なり、機械強度的にも不均一となる。従って、機械
強度的に不均一な部分に存在している強度的に弱い部分
が、充放電中に発生する水素ガスの気泡や電池に加えら
れる機械的振動などによって電極表面から剥離し、電解
液中に混入する。その結果、電解液は徐々に濁って行
き、蓄電池の底には沈殿物が見られるようになる。
【0030】蓄電池が、老朽化し使用に耐えることがで
きなくなった場合のその他の特徴は、図8に示すよう
に、紫外線領域の吸収が増加し、なおかつ、可視光領域
の波長400nm〜690nmの波長領域の吸収率まで
増加することである。蓄電池電解液の、この波長領域に
おける初期状態は、図8より、紫外光は透過し、そし
て、可視光領域である波長400nm〜690nmの範
囲において、特に吸収ピークは持たない。このことは、
新品の蓄電池電解液、すなわち、硫酸と水の混合物の可
視光領域の波長吸収特性は、水とほぼ同一である。従っ
て、蓄電池電解液の可視光領域で観測(測定)される吸
収率の変動は、水と同じように考えてよい。すなわち、
吸収率の増加(透過光強度の減少)は、散乱成分の増加
として、とらえることができる。水とほぼ同一とした場
合の散乱要因は、ラマン散乱、レイリー散乱、ミー散乱
などの散乱成分であり、これらの散乱成分が増加するこ
とによって蓄電池電解液の吸収率が増加(透過光強度は
減少)すると考えられる。
【0031】以下、各々の散乱について説明する。ラマ
ン散乱とは、媒質を透過した波長の光が数十nmほど長
波長側にずれる散乱で、主に、媒質中の分子の数や照射
された光強度に比例して現れる。また、ラマン散乱は、
特定の物質に固有の波長ずれを示すため、定性分析など
に用いられる。蓄電池の中では、計測光の強度に比例し
てラマン散乱光の強度が大きくなり、光軸合わせを困難
にする。従って、1mより長い光路長で計測する時や光
路長が短い場合でも測定光にレーザなどの出力密度が大
きな光源を利用する時には、波長選択フィルタや波長板
が必要になることもある。(一般的に深いプールや海が
青く見えるのは400nm近傍の光子によるラマン散乱
の影響が大きい。)
【0032】レイリー散乱とは、媒質中に照射された光
の波長に近い大きさの粒子が存在することで起きる。蓄
電池の中では、電解液に含まれる分子のクラスターや溶
出イオンが散乱要因であり、1mより長い光路長で計測
する時に、紫外光や青色光の透過光強度が計算値よりも
少しだけ減少する形で現れる。このような時は、紫外か
ら可視光領域までの分光波長特性を計測して吸収率のデ
ータを求め、1/(波長の4乗)で計算される数値に対
して吸収率を対数プロットすると、グラフが直線でプロ
ットされることで、レイリー散乱であることを判断する
ことができる。従って、レイリー散乱が、蓄電池の電気
容量計測に影響を与えることは少ない。(一般的に、空
が青く見えるのは、レイリー散乱の影響である。)
【0033】ミー散乱とは、媒質中に光の波長より大き
な粒子が存在することで発生する散乱である。蓄電池の
中では、充放電中に発生する気泡や、蓄電池の老朽化に
伴って発生する沈殿物や外部から電解液に混入したゴミ
などが散乱の要因となって、測定光に損失を与え、透過
光強度を減少させてしまう。(一般的には、大気中を直
進するレーザー光線がまっすぐな筋になって見えるの
は、この散乱が原因である。)
【0034】上記のような散乱を図8のグラフにあては
めて説明すると、図8は光路長が1mmでの測定グラフ
であるので、ラマン散乱やレイリー散乱などの現象は、
測定できるほど現れてはいない。従って、老朽化した蓄
電池電解液の波長400nm以上の可視光線吸収率が蓄
電池の老朽化に伴って増加しているのは、ミー散乱の影
響であることが判る。
【0035】以上のことから、可視光領域と紫外領域の
特性を比較することで蓄電池の老朽化の度合いを判定で
きることが分かる。そして、可視光領域の吸収率が増加
するほど蓄電池が老朽化すると、紫外線領域の吸収が急
激に増加するため(図8参照)、紫外光透過強度は著し
く減少する。また、このような紫外光透過強度特性が現
れた蓄電池は、その電気特性が使用に耐えることができ
ない程、劣っているので、その交換が必要である。従っ
て、紫外線透過強度のみを観測することによって、蓄電
池の交換時期を知ることができる。
【0036】また、可視光領域の波長の光を照射し、そ
の透過光強度を観測することによっても蓄電池の物理的
な老朽化を検出することができる。すなわち、図3の波
長特性を持つタイプ1の蓄電池及び図8の波長特性を持
つタイプ2の蓄電池のいずれの場合においても、蓄電池
電解液に可視光を透過させて、その光強度を計測し、初
期値と比較することで、補水の時期を簡単に判定でき
る。具体的には、可視光透過強度がその初期値よりも低
い場合は、蓄電池電解液が初期状態よりも濁っており、
前述したように蓄電池の交換を必要としている状態であ
る。可視光透過強度とその初期値がほぼ等しい場合で、
なおかつ、充電後の紫外線透過強度が初期値に回復しな
い場合は、電解液に含まれている水が減少し、電解質が
初期状態より濃くなっている状態である。このような場
合は、電解液の液面の位置を点検して補水を行なえばよ
い。さらに、厳密を要する場合や蓄電池電解質の状態に
よっては、予め実験によって、紫外光及び可視光線の透
過光強度と電解液比重との対応関係を求めておくことが
望ましい。
【0037】前述した図3と同じ特性を持つ蓄電池(タ
イプ1)において、400nmより長波長の可視光線領
域の吸収スペクトルの変動を測定した波長特性を図10
に示す。図11は図10と対になる図である。上述した
図8と、ここに示す図10では光路長を1mmとしてい
るが(図3では光路長10mm)、測定波長が300n
m以上の長い波長域では、蓄電池電解液の吸収率が小さ
いため、さらに長い光路長での計測が可能になり、具体
的には光源の強度にもよるが300mm程度の光路長で
測定が可能である。
【0038】次に、上述の実施例1、2(図1、2)の
測定法が適用される装置構成例を説明する。図12は、
実施例1の場合を示し、サンプル10は被測定蓄電池の
電解液であり、光源11(LED、レーザなどのコヒー
レント光源、重水素ランプ、水銀ランプ、放電管、ハロ
ゲンランプとフィルタ等)から発光される紫外光をサン
プル10に照射し、その透過光を受光素子(光電変換素
子)12により受光し、出射光計測器13にて光強度を
計測する。光源11から発光される紫外光の一部は、ハ
ーフミラーで分割されパワーモニタ用受光素子15によ
り受光され、入射光計測器16にて計測される。出射光
と入射光の計測値の比から演算によりサンプル10の透
過率が算出できる。図13は図12の構成を簡素化した
例で、光源11と受光素子12とから構成され、手順1
でサンプル10を光路中に入れ、手順2でサンプル10
を光路中から取り除く。これら各手順での光強度測定値
の比より透過率が算出できる。図14は実施例1での換
算式を算出するための構成例を示し、蓄電池17の電解
液18をポンプ19によりサンプル10として取り出
し、また、電解液の比重を比重計20により計測する。
光強度計測及び比重計測は、蓄電池充電済みの状態から
放電しながら連続して行う。一度、換算式が算出される
と、その後は、蓄電池の仕様に変更がない限り、比重計
測は必要でない。
【0039】図15は実施例2の場合を示し、光源11
からの光を切り替えミラー21により標準サンプル22
と被測定サンプル10とに切り替えて光透過させて計測
する。図16は図15の構成を簡素化した例で、手順1
でサンプル10を光路中に入れ、手順2で標準サンプル
22に取替える。両測定値の差から標準値に対する差が
求まる。
【0040】次に、本実施例による計測器の構成を示
す。図17は計測器30の外観を示し、計測器30には
コード31を介して電解液中に挿入されるセンサ32が
取り付けられる。図18、図19は各々センサ32の詳
細構成を示す。センサ32は、前述した図12と同等の
構成を有し、ケース33内部に、光源11、受光素子1
2、ハーフミラー14、モニタ受光素子15、導光素子
34(光ファイバ)もしくは光路用のプリズム36が配
され、ケース33に対向して設けた光学窓35の間のケ
ース33外に電解液が充満され、この電解液を透過した
光を計測するようになっている。図20は蓄電池17の
電解液18中にセンサ32を臨ませて計測を行なう状態
を示す。
【0041】図21乃至図24は蓄電池17のケース3
7自体に透過光計測のための光学窓38を設け、かつ、
その周辺に計測用の光源11や受光素子12を配置した
構成例を示す。図21は蓄電池電解液に対し横方向に光
透過させ、図22は電解液に対して深さ方向に光透過さ
せてそれぞれ計測し、図23は蓄電池の一側面に光源1
1と受光素子12とを配し、電解液での散乱光又は反射
光を計測する。図24はプリズム又は反射鏡39を用い
て電解液の深さ方向(水平方向でも可)に透過光を往復
させるようにした例である。
【0042】次に、上述した実施例1、2の具体的回路
構成例を説明する。図25は実施例1の場合の回路であ
り、光源11(重水素ランプ)からの紫外光はビームス
プリッタを経てサンプル10(セル)を透過し、受光素
子12(PD)にて受光され、その受光信号はプリアン
プを経て除算回路41に与えられる。また、パワーモニ
タのため一部の光は、モニタ用受光素子15(PD)に
て受光され、モニタアンプを経て除算回路41に与えら
れる。除算回路41の出力V0(=−Vx・Vy/V
z)は電圧計Vに与えられる。この電圧計Vには、上述
したフローチャート手順により予め求めた換算式に応じ
た目盛り(図4、図5に相当)を表示しておくことによ
り、電圧計の指針を読むことで、蓄電池の充電完了や電
気容量が判る。蓄電池の変更に対しては、電圧計の変更
や零点調整、アンプ増幅度の調整などで対応できる。ま
た、蓄電池の老朽化の度合いについては、老朽化した蓄
電池電解液の紫外光透過強度が著しく減少することよ
り、電圧Vxの絶対値を電圧計Vで計測することにより
知ることができる。つまり、電圧Vxが初期値から例え
ば半分に減少した時、電池寿命と判断すればよい。
【0043】図26は実施例2の具体的回路構成例であ
り、この回路では、サンプル10と標準サンプル22に
よる各透過光の受光信号V1、V2が減算回路42に与
えられ、この減算回路42の出力V0(=V2−V1)
が電圧計Vに与えられる。電圧V1は蓄電池の電気容量
に相当し、また、充電時に出力電圧V0が零になれば充
電完了である。図27は、上記回路において標準サンプ
ル22を電気信号に置き換えて計測する場合の回路構成
例であり、この回路では、最初にサンプル10に標準値
となる電解液(使用前の蓄電池電解液でもよい)を入
れ、V2値つまりアンプ(AMP2)の増幅度を調整し
て出力電圧V0を零にする。次に、サンプル10から標
準となる電解液を排出し、サンプル10に被計測蓄電池
の電解液を入れて、計測を開始する。なお、図27では
標準サンプルを電気信号に置き換えるために受光素子や
アンプを用いて電圧V2を得ているが、これに代えて所
定の直流電圧原を用いることもできる。
【0044】図28(a)(b)は図25の回路をディ
ジタル化した場合の構成例であり、図29(a)(b)
は図26の回路をディジタル化した場合の構成例であ
り、各々(a)はアナログ−ディジタル(A/D)変換
の場合、(b)は電圧−周波数(V/f)変換の場合を
示す。図30(a)(b)は実施例1の具体回路におい
てロックインアンプを使用した場合のアナログ及びディ
ジタルの構成例である。アナログの場合、ロックインア
ンプはアクティブフィルタとアンプの機能を有し、この
出力が演算回路(加減算又は乗除算)43に与えられて
いる。
【0045】なお、本発明は、上記実施例の構成に限ら
れるものではなく種々の変形が可能であり、例えば、上
記においてパワーモニタ用の構成を備えることで測定精
度の向上が図れるが、それ程、厳密な精度が要求されな
い場合は、その構成は省略し得る。また、電気自動車に
搭載される蓄電池の計測器として使用される場合は、そ
れらのメーカ側で予め蓄電池の比重又は電気容量と光透
過強度や吸収率の相関関係(換算式相当)を求め、それ
に基づいたバッテリメータを作成しておくことで、通常
使用において透過光計測のみで残存容量や充電必要時
期、充電時の充電完了や蓄電池の老朽化の度合いを知る
ことができる。
【0046】
【発明の効果】この発明に関わる蓄電池電気容量計測法
及び装置によれば、蓄電池電解液が有している充放電に
よる紫外線及び可視光線の吸収スペクトルの変動を利用
しているので、従来の屈折率を利用した光学測定法など
とは異なり、外部環境の変化に影響されたり電解液と光
学素子との接触面の乱れ等に左右されることなく、ま
た、複雑な構成を要することなく、蓄電池電解液の比重
又は蓄電池の電気容量を正確かつ連続的に知ることがで
きる。
【0047】また、従来の蓄電池端子電圧を計測する方
法などでは困難であった、蓄電池の寿命判定や補水の必
要性などを蓄電池の電気特性が大きく変化する前に早期
かつ確実に検知することができる。さらには、紫外光の
波長の長い領域(300nm以上)を選択すれば、蓄電
池電解液の吸収率が小さいことから紫外光を長い光路長
で透過させることができるため、従来技術で不可能とさ
れていた電解槽の深い蓄電池での電解液比重の正確な測
定が可能になり、また、紫外光の波長の短い領域(30
0nm以下)を選択すれば、蓄電池電解液の吸収率が大
きいことから光路長が短くても充分に測定が可能であ
り、測定器(センサ)の小型化が図れる。
【0048】また、蓄電池の老朽化の度合いを知るに
は、蓄電池が老朽化すると紫外線領域の吸収率が充電を
行なっても回復しなかったり、吸収率が急激に増加し透
過光強度が著しく減少するので、これを検出すること
で、蓄電池の老朽化の度合いを知ることができる。ま
た、可視光線領域(400nm以上)の吸収率や透過光
強度を計測することで蓄電池の良否判定を行なうことも
でき、従来の計測法では、不可能とされていた蓄電池の
性能低下を蓄電池を負荷に接続する前に知ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による計測法の処理手順を示
すフローチャートである。
【図2】本発明の実施例2による計測法の処理手順を示
すフローチャートである。
【図3】蓄電池電解液の放電前と放電後における紫外光
吸収率(タイプ1蓄電池)の波長特性図である。
【図4】蓄電池電解液の紫外光透過強度と比重との相関
関係図である。
【図5】蓄電池電解液の紫外光透過強度と電気容量との
相関関係図である。
【図6】蓄電池電解液の紫外光透過強度と充放電回数と
の相関関係図である。
【図7】蓄電池の充放電における反応を示す図である。
【図8】紫外光吸収率(タイプ2蓄電池)の波長特性図
である。
【図9】放電時間に対する吸収率の変化測定図である。
【図10】紫外光吸収率(タイプ1蓄電池)の波長特性
図である。
【図11】放電時間に対する吸収率の変化測定図であ
る。
【図12】実施例1の測定法が適用される装置の構成例
を示す図である。
【図13】図12の変形例を示す図である。
【図14】実施例1の測定法が適用される装置の構成例
を示す図である。
【図15】実施例2の測定法が適用される装置の構成例
を示す図である。
【図16】図15の変形例を示す図である。
【図17】本発明の一実施例による計測器の外観図であ
る。
【図18】同計測器のセンサ部分の構成を示す断面図で
ある。
【図19】センサ部分の変形構成を示す断面図である。
【図20】蓄電池にセンサを配置した構成例を示す断面
図である。
【図21】蓄電池にセンサを配置した構成例を示す断面
図である。
【図22】蓄電池にセンサを配置した構成例を示す断面
図である。
【図23】蓄電池にセンサを配置した構成例を示す断面
図である。
【図24】蓄電池にセンサを配置した構成例を示す断面
図である。
【図25】実施例1の測定法が適用される回路構成例を
示す図である。
【図26】実施例2の測定法が適用される回路構成例を
示す図である。
【図27】図26の変形例を示す図である。
【図28】図25の回路をディジタル化した場合のブロ
ック構成図である。
【図29】図26の回路をディジタル化した場合のブロ
ック構成図である。
【図30】実施例1が適用される回路の他の例を示すブ
ロック構成図である。
【符号の説明】
10 サンプル 11 光源 12 受光素子 17 蓄電池 18 電解液 22 標準サンプル 41 除算回路 42 減算回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄電池電解質に光を照射し可視ないし紫
    外線領域の光を蓄電池電解質に吸収させ、該電解質を透
    過した光強度を計測し、その計測値から蓄電池容量を換
    算することを特徴とする蓄電池電気容量計測法。
  2. 【請求項2】 予め求めておいた光強度と比重又は容量
    との相関関係を用いて上記計測値から蓄電池容量を換算
    することを特徴とする請求項1記載の蓄電池電気容量計
    測法。
  3. 【請求項3】 蓄電池電解液の初期値に相当する光学特
    性を持った標準サンプルを透過した光強度又はそれに相
    当する電気信号値と上記計測値とを比較することにより
    蓄電池容量を換算することを特徴とする請求項1記載の
    蓄電池電気容量計測法。
  4. 【請求項4】 蓄電池電解質に可視ないし紫外線領域の
    波長成分を含む光を照射する光照射手段と、上記蓄電池
    電解質を透過した光を受光する受光手段と、上記受光手
    段により受光された光強度に対応して変換された電気信
    号を演算処理して蓄電池容量に換算される信号を出力す
    る信号処理手段とを備えたことを特徴とする蓄電池電気
    容量計測装置。
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