JPH063425B2 - 流動電位測定方法 - Google Patents

流動電位測定方法

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JPH063425B2
JPH063425B2 JP60186573A JP18657385A JPH063425B2 JP H063425 B2 JPH063425 B2 JP H063425B2 JP 60186573 A JP60186573 A JP 60186573A JP 18657385 A JP18657385 A JP 18657385A JP H063425 B2 JPH063425 B2 JP H063425B2
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秀樹 飯島
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    • G01N27/60Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrostatic variables, e.g. electrographic flaw testing

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は中空状円筒管の中空部内壁を構成する物質のゼ
ータ電位を流動電位法にて測定するに際に使用する流動
電位測定方法に関する。さらに詳しくは、該中空状円筒
管を電極となる中空状金属管に導入して上記ゼータ電位
を測定する流動電位測定方法に関する。
〔従来の技術〕
流動電位法により物質のゼータ電位を測定する方法は古
くより研究されている。それらの方法は次の2法に大別
される。
第1の方法は、繊維あるいは粉体の表面のゼータ電位を
求めるに際し、測定しようとする繊維あるいは粉体をテ
フロン(登録商標)などの非導電性の円筒(直径約5mm
〜20mm)内に密に充填して多孔体を形成し、この多孔
体の両端に細孔(直径約0.5mm)を多数持つ金属板を
装着して、これを電極とし、加圧により流動液体を多孔
体内に導入する方法である。流動電位よりゼータ電位
(ζ)を求めるために、円形毛細管について導出された
ヘルムホルツ(Helmholtz)の式(3) H=PζD/4πηks (3) (ここで、H:流動電圧、P:静水圧、ks:両極間の
比伝導度、D:液体の誘導率、η:液体の粘度)を採用
する。しかし、円筒毛細管の仮定が上記の方法では成立
しないのでこの方法で得られるゼータ電位の値は、理論
的信頼性に乏しいと考えられる。さらに、上記の多孔体
では流動電位に対して表面伝導性を補正する満足すべき
方法がない。さらに、上記の多孔体が圧力に対して圧縮
性であるために、加圧の際上記の多孔体の孔径が変化す
るなどの影響があり、多孔体について流動電位法により
求めたゼータ電位の値は、すべて疑わしいと言わなけれ
ばならない。
第2の方法は、毛細管あるいはチューブの内壁面に測定
しようとする物質をコーティングするか、または測定し
ようとする物質を毛細管あるいはチューブ状に成型し
て、この毛細管あるいはチューブ内に流動液体を導入し
て流動電位を測定する方法である。この方法は素材を選
定すればゼータ電位が一義的に決定されると仮定してい
る。しかしながら、一般的にはゼータ電位は超分子構造
に依存するのでこの方法自体は固体表面のゼータ電位測
定としては直接的でない。この方法においては、(3)式
との理論的隔りは第1の方法に比べて小さいと言える
が、毛細管あるいはチューブの出入口付近に電極を固定
することが極めて困難であり、流動電位の測定値の信頼
性に乏しい。例えば、毛細管を用いて流動電位を測定す
る際、毛細管の両端付近に電極を外部より給水槽及び受
水槽内に挿入する方法もあるが、毛細管の端と電極との
距離を常に出来る限り短かく、かつ、一定に設定するの
は困難であり、測定値の再現性に乏しい。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、従来採用された流動電位法の上述のよ
うな難点のない、中空状円筒管内壁面のゼータ電位を流
動電位法にて測定する方法を提供するにある。本発明の
方法によれば、従来の多孔体を用いる流動電位法の不正
確さを排し、また、従来の毛細管あるいはチューブを用
いる流動電位法の電極設置方式の不備を排すことができ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
中空状円筒管の内壁部を構成する物質のゼータ電位を流
動電位法で測定する本発明の方法は、この中空状円筒管
の一端を流動液体供給槽に接続された中空状金属管に挿
入し、また、この中空状円筒管の他の一端を別の同種の
中空状金属管に挿入し、これら2つの中空状金属管が互
いに接触しない状態で電極として使用することを特徴と
する。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の方法を説明する。
第1図は本発明方法の実施に用いる装置の一例を示す概
略図であり、第3図は他の一例を示す概略図である。第
2図(1)および(2)は中空状円筒管の一端に中空状金属管
を取付けた状態を示す断面図である。
本発明においてゼータ電位を測定しようとする物体は、
中空部内径の断面形状が円形状の中空状円筒管1を構成
している。ここで「中空部内径の断面形状が円形状」と
は、管の長さ方向に垂直な断面の中空部内壁の形状が円
であるか、あるいは内壁の最長直径d1と最短直径d2
比d2/d1が d/d≧0.9
(4) を満たすようなだ円形であることと定義する。中空状円
筒管というが管の外壁断面の形状は必ずしも円形状であ
る必要はない。中空状円筒管の中空部内径が1mmより大
であると、測定操作上、大量の液体を必要とし、また、
液体を層流状態で安定に制御することが困難となる。従
って、中空部内径は1mm以下であることが好ましい。
第1図に示すように、流動液体供給槽2には流動液体9
への加圧部3(通常窒素ガス圧による)と、中空状円筒
管入口の圧力を検出する圧力センサー4が装着されてい
る。この流動液体供給槽2に中空状金属管5が接続され
ており、この中空状金属管5にゼーター電位と測定しよ
うとする中空状円筒管1の一端が挿入され隙間がシール
13により埋められている。流動液体供給槽2はテフロ
ン(登録商標)などの非導電性物質で構成することが好
ましい。
中空状金属管5は種々の方法によって流動液体供給槽2
に接続することができる。1つの方法としては第1図に
示すように中空状金属管5を接続用アダプター6に接着
剤14で埋め込み、このアダプター6を流動液体供給槽
2に差し込む方法がある。別法としては、流動液体供給
槽2に接着剤等により直接金属管5を接続する方法が挙
げられる。
中空状円筒管1の他の一端についても同様に中空状金属
管7に挿入し、隙間をシール13′で埋める。金属管7
に円筒管1から出た流動液体12が接触しなければなら
ない。金属管7は接続用アダプター6′および接着剤1
4′によって、流動液体受給槽12に接続することがで
きる。
ここで、中空状金属管5と7は同種でなければならな
い。「同種」とは、相互にその素材、内径、外径、長さ
共に実験範囲内で同一であることを意味する。素材とし
ては、化学的安定性より白金あるいはAg/AgClが好まし
い。
流動液体供給槽2側の中空状金属管5と液体出口側の中
空金属管7とが接触しない状態で流動電位測定用電極と
して電位差計8に接続する。電位差計8はその内部抵抗
が10MΩ以上であることが、測定精度向上のため好ま
しい。
流動液体受給槽10に圧力センサー11を取り付け、圧
力センサー4との差圧を測定することもできる。
中空状金属管5および7の内半径Rは中空状円筒管1が
挿入できる範囲でなるべく小さい方が好ましく、Rが 2R≦5〔mm〕
(1) を満足することが好ましい。2R>5〔mm〕では円筒管
1の先端15と金属管5の外端16との距離および円筒
管1の先端15′と金属管7の外端16′との間の距離
(両者とも距離Lと呼ぶ)を小さくする効果が期待でき
ない。
中空状円筒管1を金属管5および7に挿入し、それぞれ
シール13および13′で固定するに際し、2つの中空
状金属管5,7の互に遠いほうの2つの端(第2図、1
6,16′)とそれぞれに近いほうの中空状円筒管の2
つの端(第2図、15,15′)との距離Lが金属管5
および7の内半径Rとの関係において、 |L|≦4R (2) を満たすことが好ましい。第2図(1)に示したように円
筒管の端15(15′)が金属管5(7)の管内に入っ
ている場合をL<0,また、第2図(2)に示したように
円筒管の端15(15′)が金属管5(7)の管外に出
ている場合をL>0とする。|L|が4Rを越えるよう
になるとL<0では、流動液体が金属管5,7の内表面
を流動するために生じる流動電位が測定誤差として無視
できなくなる。また、L>0で|L|が4Rを越えると金
属管7を流動液体受給槽10に接続しない場合円筒管1
より出た流動液体が金属管7に接触できずに電位測定不
可となることがあり好ましくない。Lが0に近いことが
測定の正確さをあげるために望ましい。また、中空状金
属管5,7について、Lは同種の符号となるように中空
状円筒管1を挿入することが電極の対称性から望まし
い。
〔発明の効果〕
本発明方法の効果の第1は、中空状円筒管の内壁面のζ
電位を流動電位法により正確に求めることができる点に
ある。従来技術によって多孔体に流動電位法を適用して
求めたζ電位はほとんど疑わしいと言わなければならな
いが、本発明の方法はより理論に忠実であるため高い精
度で測定値が得られる。
第2の効果は、中空状金属管内に測定すべき中空状円筒
管試料を導入し、さらに、中空状金属管の内壁面を流動
液体が流れることを最小限に抑制し、さらに流動液体の
試料部の出入置口での均等性および電極の対称性がすぐ
れているため、流動電位測定の誤差が極めて小さく、高
い精度で再現性ある測定を行うことができる点にある。
第3の効果は、1本の中空状円筒管を使用するだけであ
るから、少ない試料量でも測定できる点にある。
第4の効果は、流動する液体量が少ないので流動液体供
給槽に入る液量を調節すれば、かなり長時間連続して流
動電位の測定が可能であることにある。従って、中空状
円筒管の内壁面のゼータ電位の経時変化の長時間測定が
可能となる。
〔実施例〕
実施例に先立ち、流動電位法によるゼータ電位の算出法
を示す。
流動電位H〔mV〕からゼータ電位ζ〔mV〕の算出はブ
リッグス(Briggs)(J.Phys.Chem.,32,641(1928))の式(5)
をP〔kg/cm2〕に変えた式(6)を用いた。
なお、電位差計の極を流体の上流に位置する電極に、 を下流に位置する電極にそれぞれ接続した。
実施例1 第1図に示す装置を用いて測定を行った。
内径0.5mm、外径0.9mm、長さ2cmの白金パイプを陰極
に、銀板を陽極にそれぞれ接続して0.05モルAgNO3水溶
液と0.15モルKCN水溶液の1:1混合液中で電圧約
4V、電流約3mAとなるように調整し、1時間、白金パ
イプの銀メッキ処理を行った。次いで、銀メッキ処理さ
れた白金パイプを陽極に、白金板を陰極にそれぞれ接続
して0.1えモルHCl水溶液中で電圧約4V、電流約1.5mA
となるよう調整し、約15分間電解することによって中
空状Ag/AgCl円筒管電極を2本作製した。
これら電極を接続用アダプター6,6′(これは市販注
射針の針を抜いて用いた)に挿入してエポキシ樹脂接着
剤で接着した。
公知の方法により作製した透析用銅アンモニア再生セル
ロース中空糸(中空部内径250μm、膜厚20μm)を1
5cmに切り、両端を中空状Ag/AgCl円筒管電極にL=0
となるように挿入し、シリコン接着剤からなるシール1
3,13′で接着した。
第1図に示すように、テフロン(登録商標)製流動液体
供給槽2、テフロン(登録商標)製流動液体受給槽1
0、圧力センサー4,11、電位差計8(東亜電波製高
感度直流電圧電流計PM-18R)を組み立て、中空糸1をセ
ットした。流動液体9として電気伝導度1.36〔μS/c
m〕のイオン交換水を用いN2gas3で加圧した。
結果を表1に示す。
これらより、式(6)を用いて求めたゼータ電位は+0.014m
Vであった。
実施例2 第3図に示す装置を用いて測定を行った。
内径1mm、外径1.4mm、長さ2cmの白金パイプ17を実
施例1と同様の方法で接続用アダプター6に挿入して接
着した。公知の方法で作製した透析用銅アンモニア再生
セルロース中空糸18(中空部内径250μm、膜厚20μ
m)の一端を前述の接続用アダプター6に接着した白金
パイプ17にL=0で挿入してシリコン接着剤13で第
3図のようにシールし、また、この中空糸18の他の一
端を内径1mm、外径1.4mm、長さ2cmの白金パイプ1
7′にL=0で挿入してシリコン接着剤13′で第3図
のようにシールした。
流動液体供給槽19、圧力センサー4、電位差計8(実
施例1と同じ)と中空糸18白金パイプ17,17′、
接続用アダプター6とを第3図の様に組み立て、N2gas
3で電気伝導度Ks3.14〔μS/cm〕の蒸留水20を加圧
した。
中空糸の糸長を変えた場合のζ電位を表2に示す。
実施例3 実施例2と同様の装置を用い、公知の方法で作製した透
析用銅アンモニア再生セルロース中空糸(中空部内径25
0μm、膜厚20μm、糸長20cm)の流動電位H〔mV〕
を圧力P=0.5〔kg/cm2〕において、Lを変えて測
定した。白金パイプの内半径Rは0.5mm、蒸留水の電
気導伝度Ks=3.14μS/cmであった。結果を表3に示
す。
L=+5.0〔mm〕では、液体出口側の電極に水が接触
できないため、流動電位が測定できなかった。|L|>2
R=2〔mm〕の範囲では安定した流動電位の測定ができ
なかった。
実施例4 実施例2と同様の装置を用い、公知の方法で作製した透
析用銅アンモニア再生セルロース中空糸(中空部内径25
0μm、膜厚20μm、糸長20cm)の流動電位H〔m
V〕を圧力P=0.5〔kg/cm2〕においてL=0で測定
するに際し、電極とする白金パイプの内半径Rを変え
た。結果を表4に示す。
2R≦5〔mm〕の範囲で安定した流動電位の測定ができ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施に用いる装置の一例を示す概
略図である。 1…中空状円筒管、2…流動液体供給槽、3…加圧部、
4…圧力センサー、5…中空状金属管(流動液体流入口
側)、6…接続用アダプター(中空状金属管5に接着)
6′…接続用アダプター(中空状金属管7に接着)、7
…中空状金属管(流動液体流出口側)、8…電位差計、
9…流動液体(流入前)、10…流動液体受給槽、11
…圧力センサー、12…流動液体(流出後)、13…シ
ール(中空状金属管5側)、13′…シール(中空状金
属管7側)、14…接着剤(中空状金属管5側)、1
4′…接着剤(中空状金属管7側)。 第2図(1)および(2)は中空状円筒管の一端に中空状金属
管を取り付けた状態を示す断面図である。 15…中空状円筒管先端(中空状金属管5側)、15′
…中空状円筒管先端(中空状金属管7側)、16…中空
状金属管5の外端、16′中空状金属管7の外側。 第3図は本発明方法の実施に用いる装置の他の一例を示
す概略図である。 17…白金パイプ(流動液体流入口側)、17′…白金
パイプ(流動液体流出口側)、18…透析用銅アンモニ
ア再生セルロース中空糸、19…流動液体供給槽(流動
液体流出口下部設置型)、20…蒸留水。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空状円筒管の内壁部を構成する物質のゼ
    ータ電位を流動電位法で測定するに際し、該中空状円筒
    管の一端を流動液体供給槽に接続された中空状金属管に
    挿入し、また、該中空状円筒管の他端を別の同種の中空
    状金属管に挿入し、両中空状金属管が互いに接触しない
    状態で両中空状金属管を電極とすることを特徴とする流
    動電位測定方法。
  2. 【請求項2】中空状円筒管の内径が1mm以下であり、さ
    らに中空状金属管の内半径Rが下記式(1) 2R≦5〔mm〕
    (1) を満足し、かつ、中空状金属管が白金またはAg/AgClで
    構成されている特許請求の範囲第1項記載の流動電位測
    定方法。
  3. 【請求項3】ゼータ電位を測定しようとする中空状円筒
    管の両端が各々同種の中空状金属管に挿入された状態に
    おいて、2つの中空状金属管の互いに遠い方の2つの端
    とそれぞれに近い方の中空状円筒管の2つの端との距離
    Lが、2つの中空状金属管について同符号であり、かつ
    下式(2)を満たす特許請求の範囲第1項または第2項記
    載の流動電位測定方法。 0≦|L|≦4R (2)
JP60186573A 1985-08-27 1985-08-27 流動電位測定方法 Expired - Lifetime JPH063425B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2944952B1 (de) * 2014-05-13 2023-01-11 Anton Paar GmbH System zum ermitteln des zetapotenzials zum charakterisieren einer fest-flüssig-phasengrenze mit gesteuerter druckprofilbeaufschlagung

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