JPH0634257Y2 - セロハン上包機械 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、所定本数のシガレットを包装したたばこ包装
品にセロハンを連続的に包装するセロハン上包機械の改
良に関するものであり、詳しくは、たばこ包装品のセロ
ハン包装を顧客に実演展示するために、たばこ包装品を
単品毎に目視し易い低速度でセロハン包装するように改
良したセロハン上包機械に関する。

〔従来の技術〕

セロハン上包機械は、たばこの生産工場内に設備され、
所定本数のシガレットを包装した紙袋をセロハンで包装
する機械である。

此のセロハン包装されたたばこ包装品は、市販されるた
ばこ包装品の外観をなすものであり、一般顧客にとって
は見慣れたものであるが、此のセロハンの自動包装は一
般顧客にとって興味深いものであるにも係わらず見る機
械が少なく、又、包装が高速度で行われるために目視困
難である。

従って、たばこの展示即売会場などで、顧客の目の前で
たばこ包装品のセロハン包装を顧客の目視出来る速度で
実演して即売すれば、顧客の注視を集めて商品の宣伝効
果が高まり、即売促進の実効が挙がるものと考えられ
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

然し、現在のセロハン上包機械は、高速度で連続的に自
動包装する機械であるために、たばこの包装速度を目視
し易い低速度で運転することが出来ず、又、各顧客の要
望数に応じた個数単位で包装して見せることも出来な
い。

かかる理由により、実演展示に適したセロハン上包機械
が存在しなかった。

本考案は、かかる課題を解決することを目的としたもの
であり、展示に適した速度で単品毎に包装可能な実演展
示用のたばこ上包機械を提供することを目的としたもの
である。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、二条の無端チェ
ンの複数箇所にプッシャーの両端を接続し、該プッシャ
ーによりたばこ包装品を間欠搬送する搬入コンベアの上
方に、内部にたばこ包装品を堆積して収容し下部に供給
開口を有するホッパーと、所定長さに切断されたセロフ
ァンを上記搬入コンベアに供給するセロハン供給装置を
配設し、上記搬入コンベアの搬出側に、円周方向に等間
隔にたばこ包装品抱持用の凹部を配設し上記搬入コンベ
アに同期して間欠回転するターレットを配設し、該ター
レットの上方にセロハンの前後端の折込み溶着部を配設
し、上記ターレットの後方にセロハンの側端の折込み溶
着部を備え上記搬入コンベアに同期して走行する搬出コ
ンベアを設け、上記セロハン供給装置から上記搬入コン
ベア内に供給されたセロハンの中央に、上記ホッパーの
供給開口から上記搬入コンベアに間欠供給され搬送され
るたばこ包装品を押しつけてセロハンをＵ字形に巻付け
て上記ターレットのたばこ包装品抱持用の凹部に移載
し、上記折込み溶着部によりセロハンの前後端を折り曲
げ溶着して上記搬出コンベアに移載し、該搬出コンベア
でセロハンの両端を折り曲げ溶着するセロハン上包機械
において、上記搬入コンベアの搬送面の上方に所定長さ
のセロハンの上部を収容するセロハンホッパーを設け、
該ホッパーの直下で且つ上記搬送面の下方に上記所定長
さのセロハンの下部を収容するセロハン受け部を設けて
上記セロハン供給装置を構成し、好ましくは、上記搬入
コンベアを駆動する手動ハンドルを設けた。

〔作用〕

上記のように構成されたセロハン上包機械の動作は次の
様になる。

セロハンホッパーの上方から手差しされた一枚の所定長
さのセロハンは、上部がセロハンホッパーに下部がセロ
ハン受け部に収容され、中央部が搬入コンベアの搬送面
に露出する。

ホッパーから搬送コンベア上に供給された一個のたばこ
包装品は、例えば手動ハンドルで低速走行する搬送コン
ベアの走行により上記のセロハンの中央部に当たり、セ
ロハンをＵ字状に巻付けてターレットのたばこ包装品抱
持用の凹部に移載される。

次に、ターレットの間欠回転中に、折込み溶着部により
セロハンの前後端が溶着され、搬出コンベアに移載され
セロハンの両側端が折り曲げ溶されてたばこ包装品がセ
ロハン包装される。

かくして、実際のセロハン上包機械と同じ包装動作で、
目視出来る包装速度で、たばこ包装品を単品毎に包装実
演することが出来る。

〔実施例〕

本考案の実施例について図面を参照しながら説明する。

第１図は本考案の上包機械Ａの一部破断正面略図、第２
図は要部正面図、第３図はセロハン供給装置の斜視図を
示す。

同図において、上包機械Ａのケイシング１の正面のほぼ
中央に穿設された孔に軸２が回動可能に嵌挿される。

軸２には、端部にハンドル３が、ケイシング１の表面の
手前にカム４が、ケイシング１の内部に回転力伝達用の
スプロケツト（図示しない）がそれぞれ固着される。

ケイシング１の右側上部には搬入コンベア５が設けられ
る。

搬入コンベア５は、ケイシング１の上面に設けられ、た
ばこ包装品の走行面となる搬送ベッド６（第３図参照）
と、ケイシング１に回動可能に設けられた駆動軸７の両
端に固着された駆動スプロケツト８と、ケイシング１に
回動可能に設けられた従動軸9,10の両端にそれぞれ固着
された従動スプロケツト11,12と（第１図参照）、搬送
ベッド６の両側の駆動スプロケツト８及び従動スプロケ
ツト11,12にそれぞれ巻回された無端チェン13とによっ
て構成される。

両無端チェン13には、棒状のプッシャー14の両端が取り
つけられ、駆動軸７に固着されるスプロケツト（図示し
ない）と軸２に固着されるスプロケツトにチェンが巻回
されて、駆動軸７は軸２の回転に同期して回転し、搬入
コンベア５は、搬送ベッド６上に載置されたたばこ包装
品Ｂをプッシャー14で押動しながら矢印Ｆ方向に走行す
る。

搬入コンベア５の上方には、ホッパー15及びセロハン供
給装置16が配設される（第３図及び第４図参照）。

ホッパー15はたばこ包装品Ｂを縦一列に堆積して収容す
る筒状体で、下部の供給開口17の位置は、搬送ベッド６
の上面に載置されたたばこ包装品Ｂよりも僅かに高い位
置にある。

従って、ホッパー15に収容された最下位のたばこ包装品
Ｂは搬送ベッド６上に載置され、無端チェン13の回動に
よりプッシャー14に押されて矢印Ｆ方向に搬送され、最
下位のたばこ包装品Ｂの上に載っていたたばこ包装品Ｂ
が新たな最下位となって搬送ベッド６上に載置されるよ
うになっている。

ホッパー15の搬送方向に配設されているセロハン供給装
置16は、搬入コンベア５の搬送面の上方に設けられた薄
形筒状のセロハンホッパー18と、セロハンホッパー18の
直下にあって搬送面の下方に設けられたセロハン受け部
19とより成り、第３図に示すようにティアテープC₁を上
下にして、セロハンホッパー18の上方から手差しにより
挿入されたセロハンＣの下端をセロハン受け部19が支持
し、所定長さのセロハンＣ（第３図及び第４図参照）の
中央部が搬入コンベア５の搬送面に露出する。

セロファンＣの手差しを容易にすると共に手差しされた
セロファンＣをかたつかないように保持するためには、
セロファンホッパー18の寸法を下記の寸法とする。

セロファンホッパー18の下部開口の厚さ寸法Ｔを４〜5m
mとし、セロファン受け部19の厚さ方向寸法ｔを３〜6mm
とする。

搬入コンベア５の搬出側には、ターレット20が配設され
る。

ターレット20は軸21の外周面より放射状に伸びる包装品
Ｂ抱持用の凹部22が円周方向に等間隔に複数個配設さ
れ、ハンドル３の回転がゼネバ機構を介して軸21に伝達
されて、ターレット20はハンドル３の回転に同期して間
欠回転する。

ケイシング１には搬送面の上方に突出する上部ケイシン
グ23を有し、上部ケイシング23の正面には折込み溶着部
24が設けられる。

折込み溶着部24は、上部ケイシング23に回動可能に設け
られた軸25と軸26を有し、軸25の先端に爪27が、軸26の
先端にヒーター28がそれぞれ固着される。

軸25及び27は、ハンドル３に同期して回転する二個のカ
ムにそれぞれ接触する二個のレバーを有し、ハンドル３
に同期して爪27及びヒーター28が揺動する。

ターレット18の左側には、搬出コンベア29が配設され
る。

搬出コンベア29は、搬出ベッド（図示しない）の両側に
それぞれ配設された無端チェン30に断面形状がＬ形のプ
ッシャー31の両端が固着され、ターレット20から移載さ
れたたばこ包装品Ｂをプッシャー31で矢印Ｆ方向に押動
する。

搬出コンベア29のそばには折込み溶着部32が配設され
る。

折込み溶着部32は、搬出コンベア29の両側に、たばこ包
装品Ｂの長さ寸法より僅かに広い間隔を挟んで立設さ
れ、搬出コンベア29により搬送されるたばこ包装品Ｂに
被覆されたセロハンＣの両端が挿入され、たばこ包装品
Ｂの搬送に伴ってセロハンＣが折り曲げられる上下二本
のガイド溝33a,33b付きのガイド板34と、ガイド溝33に
よって折り込まれたセロハンＣの端部を溶着するヒータ
ー35とより構成される。

ガイド板34の先端には外方に開いた折込み案内部34aが
形成される（第７図参照）。

搬入コンベア５とターレット20との間には、第５図に示
すような物品受渡しレバー36が設けられる。

受渡しレバー36は、ケイシング１の内壁に樹設された軸
37に枢着されたボス部38と、ボス部38より上方に向かっ
て立設されるレバー部39と、レバー部39の先端に屈曲延
設された受渡し部40と、ボス部38から横方向に伸びるレ
バー部41とから構成され、ケイシング１に一端を止着さ
れたばね42の他端がレバー部41に止着され、レバー部41
の先端に設けられたカムフォロアー43が、ハンドル３に
同期して回転するカム44の外周面に圧接する。

従って、カム44の回転に伴って受渡しレバー36が揺動
し、搬入コンベア５のプッシャー14が受渡しレバー36の
受渡し部40に接近したときに、受渡し部40がプッシャー
14から離れる方向に移動してプッシャー11との干渉を防
止すると共に、プッシャー14に押し出されたたばこ包装
品Ｂを載置してターレット20の凹部22内に移載するよう
になっている。

又、ターレット20が約半回転すると、第６図に示すよう
な移載装置45によりたばこ包装品Ｂが搬出コンベア29に
移載される。

移載装置45は、ケイシング１に樹設された軸46にレバー
47の一端が枢着され、レバー47の中間部に突設されたピ
ン48にクランクレバー49の一端が枢着される。

クランクレバー49の他端は、ケイシング１に回動可能に
嵌挿された回転軸50に偏芯して固着された偏芯板51に設
けられたピン52に枢着される。

回転軸50にはカム53が固着され、カム53の外周面には、
ケイシング１に樹設された軸54に一端が枢着された揺動
部材55の下部に設けられたカムフォロア56が当接する。

揺動部材55に設けられた摺動面55aに摺動可能に設けら
れたスライダー57は、レバー47の先端に樹設されたピン
58に枢着される。

スライダー57の端部には斜め上方に延設され先端が鉤状
に形成されたプッシャー59が設けられる。

従って、回転軸50がハンドル３に同期して回転すると、
カム53の回転により揺動部材55が軸54を支点として上下
に揺動し、偏芯板51の回転により揺動するレバー47の先
端のピン58に枢着されたスライダー57が揺動部材55の摺
動面55a上を往復運動し、プッシャー59は符号Ｆで示す
運動軌跡を描き、ターレット20の凹部22に収納されたた
ばこ包装品Ｂを搬出コンベア29に押し出して搬出コンベ
ア29に移載する。

以上述べたように構成された展示用のセロハン上包機械
の作用を第８図（イ）〜（ホ）にもとずいて説明する。

実演者がハンドル３を回転操作すると、搬入コンベア５
の搬送ベッド６に載置された最下位のたばこ包装Ｂがプ
ッシャー14に押動されて搬送ベッド６上を走行し、セロ
ハン供給装置16に収容されたセロハンＣの中央部に当た
り（第８図（イ）参照）、更にプッシャー14に押動され
るたばこ包装品Ｂに押されたセロハンＣがＵ字状に折れ
たばこ包装品Ｂと共に搬入コンベア５の搬出端に送られ
る。

搬入コンベア５の搬出端に送られたたばこ包装品Ｂは受
渡しレバー36の受渡し部40の上に押し出され、受渡しレ
バー36がターレット20方向に移動してたばこ包装品Ｂは
凹部22内に挿入される。

凹部22の内面はたばこ包装品Ｂの外形と略同形状であ
り、セロハンＣがたばこ包装品Ｂの３面に密着してコの
字形状となる（第８図（ロ）参照）。

次に、停止していたターレット20が２ピッチだけ間欠回
動したときに、爪27がセロハンＣの一端部60aを折り曲
げ、ヒーター28が他端部60bを一端部60aの上に折り重ね
て（第８図（ハ）参照）加熱し両端部60aと60bとを溶着
し、たばこ包装品Ｂは筒状のセロハンＣに包まれる（第
８図（ニ）参照）。

ターレット20が半回転したときに、移載装置45のプッシ
ャー59がたばこ包装品Ｂを搬出コンベア29上の押し出す
と共に、筒状のセロハンＣの両側の前後部61a及び61bが
プッシャー59及びガイド板34の折込み案内部34aに当た
って折り込まれ（第８図（ホ）参照）、次に、セロハン
Ｃの両側の上下部62a及び62bがガイド溝33a及び33b内に
入り、ガイド溝33aに沿って移動する上部62aが先に折り
込まれた後に、ガイド溝33bに沿って移動する下部62bが
折り込まれ、更に、ヒーター35に加熱されてセロハンＣ
の上下部62aと62aとが溶着される（第８図（ヘ）参
照）。

以上の包装の各動作は、ハンドルを低速度で手回しする
ことにより、顧客に充分目視され理解される。

而も、セロハン包装の実演直後のたばこ包装品をその場
で購入することが出来る。

又、顧客のサインを入れて包装実演して即売することも
自由である。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したように構成されているので、下
記のような効果をそうする。

（１）本考案のたばこ上包機械は、搬入コンベア、ター
レット、ターレット上方の折込み溶着部、搬出コンベ
ア、受渡しレバー及び移載装置が手回しハンドルの回転
に同期して動作するので、観客に目視し易い包装速度で
セロハン包装動作を実演展示することが出来るようにな
った。

従って、顧客には自動包装の面白さを知ると同時に実演
されたたばこを購入することが出来るので、展示効果を
高めることができる。

（２）本考案のたばこ上包機械は、たばこ包装品一個分
の所定寸法のセロハンをセロハン供給装置に手差しによ
り簡単にセットすることが出来、手差しされたセロファ
ンはがたつきも折れ曲がりもなく安定してセットされ
る。

ハンドルを手回しするだけの簡単な動作でよいので、展
示実演者の機械操作が極めて容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第８図は本考案の実施例を示し、 第１図はたばこ上包機械の正面略図、 第２図はたばこ上包機械の要部正面図、 第３図はセロハン供給装置の斜視図、 第４図はセロハン供給装置の縦断面図、 第５図は受渡しレバーの正面図、 第６図は移載装置の正面図、 第７図はガイド板の正面図、 第８図（イ）〜（ヘ）はセロハン包装動作説明用の斜視
図である。 Ａ…セロハン上包機械、Ｂ…たばこ包装品、Ｃ…セロハ
ン、１…ケイシング、２…軸、３…ハンドル、４…カ
ム、５…搬入コンベア、13…無端チェン、14…プッシャ
ー、15…ホッパー、16…セロハン供給装置、17…供給開
口、20…ターレット、21…軸、22…凹部、31…プッシャ
ー、32…折込み溶着部、33a,33b…ガイド溝、34…ガイ
ド板、35…ヒーター、36…受渡しレバー、44…カム、45
…移載装置。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】二条の無端チェンの複数箇所に、両端が無
   端チェンに接続されたプッシャーを有し、該プッシャー
   によりたばこ包装品を間欠搬送する搬入コンベアと、 上記搬入コンベアの始端側上方に配設され、内部に上記
   たばこ包装品を堆積して収容し、下部に供給開口を有す
   るホッパーと、 上記搬入コンベアの終端部分に配設され、セロハンを上
   記搬入コンベアに向けて供給するセロハン供給装置と、 上記搬入コンベアの搬出側に配設され、円周方向に等間
   隔にたばこ包装品抱持用の凹部を有し、上記搬入コンベ
   アに同期して間欠回転するターレットと、 該ターレットの上方に配設され、セロハンの前後端の折
   込み溶着部と、 上記ターレットの後方に配設され、セロハンの両側端の
   折込み溶着部を有し、上記搬入コンベア同期して走行す
   る搬出コンベアとを具備し、 上記セロハン供給装置から上記搬入コンベアに向けてセ
   ロハンを供給し、該セロハンの中央に、上記ホッパーの
   供給開口から上記搬入コンベアに供給されたたばこ包装
   品を間欠搬送して押しつけることより、上記ターレット
   のたばこ包装品抱持用の凹部にセロハンをたばこ包装品
   とともに移載してたばこ包装品にＵ字形に巻付け、上記
   ターレットの間欠回転に伴い、ターレットの上記折込み
   溶着部によりセロハンの前後端を折り曲げ溶着した後、
   セロハンが筒状に巻付けられたたばこ包装品を上記搬出
   コンベアに移載し、該搬出コンベアの上記折込み溶着部
   により筒状のセロハンの両端を折り曲げ溶着するセロハ
   ン上包機械において、 上記セロハン供給装置は、上記搬入コンベアの搬送面よ
   りも上方に配置され、所定長さに切断されたセロハンを
   上方から受け入れるセロハンホッパーと、上記搬送面よ
   りも下方に配置され、上記該セロハンホッパーの下端開
   口から導き出されるセロハンの中央部分を上記搬送面上
   に露出させた状態で、該セロハンの下端を支持するセロ
   ハン受け部とを備えていることを特徴とするセロハン上
   包機械。
2. 【請求項２】上記搬入コンベアを駆動する手動ハンドル
   を備えていることを特徴とする請求項１のセロハン上包
   機械。