JPH06340963A - 形状記憶素材 - Google Patents
形状記憶素材Info
- Publication number
- JPH06340963A JPH06340963A JP15788793A JP15788793A JPH06340963A JP H06340963 A JPH06340963 A JP H06340963A JP 15788793 A JP15788793 A JP 15788793A JP 15788793 A JP15788793 A JP 15788793A JP H06340963 A JPH06340963 A JP H06340963A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shape memory
- film
- shape
- base material
- alloy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 製造効率に優れる形状記憶素材を得ること。
【構成】 フレキシブルな基材(1)に形状記憶合金か
らなる膜(2)を密着形成して、当該膜の記憶形状に基
づき基材と膜が一体的に変形するように形成してなる形
状記憶素材。 【効果】 基材と形状記憶合金膜の分離作業を要さず製
造効率に優れ、基材の弾性等の物性を形状回復に利用で
きる。
らなる膜(2)を密着形成して、当該膜の記憶形状に基
づき基材と膜が一体的に変形するように形成してなる形
状記憶素材。 【効果】 基材と形状記憶合金膜の分離作業を要さず製
造効率に優れ、基材の弾性等の物性を形状回復に利用で
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロマシーン用の
アクチュエータ等の形成に好適な形状記憶素材に関す
る。
アクチュエータ等の形成に好適な形状記憶素材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、形状記憶素材としては、形状記憶
合金を所定の形態に成形したものが知られていた。すな
わち石英や岩塩、シリコン等の剛体からなる基材の上に
スパッタリング方式等で形状記憶合金の膜を形成し、そ
の形成膜を基材より分離回収して素材としたものが知ら
れていた。そのため、素材を得るまでに多時間、多労力
を要して製造効率に劣る問題点があった。
合金を所定の形態に成形したものが知られていた。すな
わち石英や岩塩、シリコン等の剛体からなる基材の上に
スパッタリング方式等で形状記憶合金の膜を形成し、そ
の形成膜を基材より分離回収して素材としたものが知ら
れていた。そのため、素材を得るまでに多時間、多労力
を要して製造効率に劣る問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製造効率に
優れる形状記憶素材の開発を課題とする。
優れる形状記憶素材の開発を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、フレキシブル
な基材に形状記憶合金からなる膜を密着形成して、当該
膜の記憶形状に基づき基材と膜が一体的に変形するよう
に形成してなることを特徴とする形状記憶素材を提供す
るものである。
な基材に形状記憶合金からなる膜を密着形成して、当該
膜の記憶形状に基づき基材と膜が一体的に変形するよう
に形成してなることを特徴とする形状記憶素材を提供す
るものである。
【0005】
【作用】上記の構成により、形状記憶合金からなる膜が
温度上昇により基材と共に記憶形状に変形することが可
能になり、温度が低下すると当該膜が基材と共に元の形
状に復帰する。これにより、伸縮動作等からなるアクチ
ュエータ機能などが達成される。その場合、基材の物性
により挙動特性を制御でき、例えば基材が弾性を有して
いれば元の形状への復帰を助長する。
温度上昇により基材と共に記憶形状に変形することが可
能になり、温度が低下すると当該膜が基材と共に元の形
状に復帰する。これにより、伸縮動作等からなるアクチ
ュエータ機能などが達成される。その場合、基材の物性
により挙動特性を制御でき、例えば基材が弾性を有して
いれば元の形状への復帰を助長する。
【0006】
【実施例】本発明の形状記憶素材は、フレキシブルな基
材に形状記憶合金からなる膜を密着形成したものであ
る。その例を図1に示した。1がフレキシブルな基材、
2が形状記憶合金からなる膜である。
材に形状記憶合金からなる膜を密着形成したものであ
る。その例を図1に示した。1がフレキシブルな基材、
2が形状記憶合金からなる膜である。
【0007】フレキシブルな基材としては、厚さtの基
材を直径Dの円柱の外周に沿わせて湾曲させた場合にク
ラック等のダメージが発生する、式:ε=t/D×10
0%で定義される曲げ歪εが1%以上のものが用いられ
る。これにより、密着する形状記憶合金膜の記憶形状に
基づいて基材と当該膜が一体的に変形する形状記憶素材
を得ることができる。好ましく用いうるフレキシブルな
基材は、ダメージの発生を伴わない前記の曲げ歪εが2
%以上、就中5%以上のものである。
材を直径Dの円柱の外周に沿わせて湾曲させた場合にク
ラック等のダメージが発生する、式:ε=t/D×10
0%で定義される曲げ歪εが1%以上のものが用いられ
る。これにより、密着する形状記憶合金膜の記憶形状に
基づいて基材と当該膜が一体的に変形する形状記憶素材
を得ることができる。好ましく用いうるフレキシブルな
基材は、ダメージの発生を伴わない前記の曲げ歪εが2
%以上、就中5%以上のものである。
【0008】フレキシブルな基材は、予め使用目的の形
態に成形されていてもよいし、形状記憶合金膜を密着形
成した後の切断加工等により使用目的形態に成形するよ
うにしたものであってもよく、その基材形態は任意であ
る。
態に成形されていてもよいし、形状記憶合金膜を密着形
成した後の切断加工等により使用目的形態に成形するよ
うにしたものであってもよく、その基材形態は任意であ
る。
【0009】フレキシブルな基材は、高弾性体からなる
ことが好ましいが薄厚、例えば10μm以下に形成でき
るものであれば変形が容易なことよりセラミックの如き
低弾性体からなるものも充分に用いうる。
ことが好ましいが薄厚、例えば10μm以下に形成でき
るものであれば変形が容易なことよりセラミックの如き
低弾性体からなるものも充分に用いうる。
【0010】フレキシブルな基材の形成材には、形状記
憶合金膜に記憶形状を与える際の加熱温度、例えば40
0〜600℃の温度としても形状記憶合金と反応せず、
かつその加熱温度に耐える化学的、物理的性質を有する
ものが用いられる。
憶合金膜に記憶形状を与える際の加熱温度、例えば40
0〜600℃の温度としても形状記憶合金と反応せず、
かつその加熱温度に耐える化学的、物理的性質を有する
ものが用いられる。
【0011】前記形成材の具体例としては、ニッケルや
チタンの如き金属ないし合金、イットリウム安定化ジル
コニア(YZA)の如きセラミックなどがあげられる。
前記のニッケルやチタン等は、Ti・Ni系形状記憶合金
に特に好ましく用いうる。
チタンの如き金属ないし合金、イットリウム安定化ジル
コニア(YZA)の如きセラミックなどがあげられる。
前記のニッケルやチタン等は、Ti・Ni系形状記憶合金
に特に好ましく用いうる。
【0012】形状記憶合金としては、その温度特性等に
応じて適宜なものを用いてよい。その例としては、Ti
・Ni系合金、Ti・Ni・Cu系合金、Ti・Ni・Fe系
合金、Ni・Al系合金、Ag・Cd系合金、Au・Cd系合
金、Cu・Al・Ni系合金、Cu・Au・Zn系合金、Cu
・Sn系合金、Cu・Zn系合金、Cu・Zn・Al系合金、
In・Tl系合金、In・Cd系合金などがあげられる。
応じて適宜なものを用いてよい。その例としては、Ti
・Ni系合金、Ti・Ni・Cu系合金、Ti・Ni・Fe系
合金、Ni・Al系合金、Ag・Cd系合金、Au・Cd系合
金、Cu・Al・Ni系合金、Cu・Au・Zn系合金、Cu
・Sn系合金、Cu・Zn系合金、Cu・Zn・Al系合金、
In・Tl系合金、In・Cd系合金などがあげられる。
【0013】フレキシブルな基材への形状記憶合金から
なる膜の密着形成は、例えば真空蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレーティング法、メッキ法、ゾル・ゲル
法ないし粉末焼付け法、CVD法、形状記憶合金膜との
ラミネート法、それらの併用法など、適宜な方法で行う
ことができる。形成する形状記憶合金膜の厚さは、基材
の変形に要する力等に応じて適宜に決定することがで
き、一般には1mm以下、就中1〜500μmである。な
お形状記憶合金膜はフレキシブルな基材の全面に設けら
れていてもよいし、一部の面に設けられていてもよい。
なる膜の密着形成は、例えば真空蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレーティング法、メッキ法、ゾル・ゲル
法ないし粉末焼付け法、CVD法、形状記憶合金膜との
ラミネート法、それらの併用法など、適宜な方法で行う
ことができる。形成する形状記憶合金膜の厚さは、基材
の変形に要する力等に応じて適宜に決定することがで
き、一般には1mm以下、就中1〜500μmである。な
お形状記憶合金膜はフレキシブルな基材の全面に設けら
れていてもよいし、一部の面に設けられていてもよい。
【0014】本発明の形状記憶素材は、例えばアクチュ
エータやマイクログリッパ、マイクロバルブなどの如
く、形状の変化に基づいて保持や流動の制御などの目的
を達成する種々の用途に好ましく用いることができ、特
に微小体の形成に有利に用いることができる。
エータやマイクログリッパ、マイクロバルブなどの如
く、形状の変化に基づいて保持や流動の制御などの目的
を達成する種々の用途に好ましく用いることができ、特
に微小体の形成に有利に用いることができる。
【0015】記憶形状の付与は、膜を形成する形状記憶
合金の特性に基づいて形状記憶素材を所定の温度に加熱
して所定の形態を付与することにより行うことができ
る。図2に、高温で挾み棒31,32が当接するように
したマイクログリッパ3を例示した。また図3に、高温
で弁体41,42が閉じるようしたマイクロバルブ4を
設けた管体5を例示した。
合金の特性に基づいて形状記憶素材を所定の温度に加熱
して所定の形態を付与することにより行うことができ
る。図2に、高温で挾み棒31,32が当接するように
したマイクログリッパ3を例示した。また図3に、高温
で弁体41,42が閉じるようしたマイクロバルブ4を
設けた管体5を例示した。
【0016】
【発明の効果】本発明の形状記憶素材は、フレキシブル
な基材と形状記憶合金膜とが当該膜の記憶形状に基づい
て一体的に変形し、基材と形状記憶合金膜の分離作業を
要しないことから製造効率に優れている。また基材の弾
性等の物性を形状回復に利用することができる。
な基材と形状記憶合金膜とが当該膜の記憶形状に基づい
て一体的に変形し、基材と形状記憶合金膜の分離作業を
要しないことから製造効率に優れている。また基材の弾
性等の物性を形状回復に利用することができる。
【図1】実施例の断面図。
【図2】応用例の説明図。
【図3】他の応用例の説明断面図。
1:フレキシブルな基材 2:形状記憶合金からなる膜 3:マイクログリッパ 4:マイクロバルブ
Claims (1)
- 【請求項1】 フレキシブルな基材に形状記憶合金から
なる膜を密着形成して、当該膜の記憶形状に基づき基材
と膜が一体的に変形するように形成してなることを特徴
とする形状記憶素材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15788793A JPH06340963A (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 形状記憶素材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15788793A JPH06340963A (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 形状記憶素材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06340963A true JPH06340963A (ja) | 1994-12-13 |
Family
ID=15659593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15788793A Pending JPH06340963A (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 形状記憶素材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06340963A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006043878A (ja) * | 2004-08-04 | 2006-02-16 | Palo Alto Research Center Inc | 金属間材料からなるバネ構造及びバネ構造の製造方法 |
WO2008142980A1 (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-27 | National Institute For Materials Science | 2方向性形状記憶合金薄膜アクチュエータとそれに使用される形状記憶合金薄膜の製造方法 |
JP5304896B2 (ja) * | 2009-07-02 | 2013-10-02 | コニカミノルタ株式会社 | アクチュエータ、駆動装置、撮像装置、およびアクチュエータの製造方法 |
-
1993
- 1993-06-02 JP JP15788793A patent/JPH06340963A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006043878A (ja) * | 2004-08-04 | 2006-02-16 | Palo Alto Research Center Inc | 金属間材料からなるバネ構造及びバネ構造の製造方法 |
WO2008142980A1 (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-27 | National Institute For Materials Science | 2方向性形状記憶合金薄膜アクチュエータとそれに使用される形状記憶合金薄膜の製造方法 |
JP5304896B2 (ja) * | 2009-07-02 | 2013-10-02 | コニカミノルタ株式会社 | アクチュエータ、駆動装置、撮像装置、およびアクチュエータの製造方法 |
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