JPH0633733A - 消音器 - Google Patents

消音器

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JPH0633733A
JPH0633733A JP21345392A JP21345392A JPH0633733A JP H0633733 A JPH0633733 A JP H0633733A JP 21345392 A JP21345392 A JP 21345392A JP 21345392 A JP21345392 A JP 21345392A JP H0633733 A JPH0633733 A JP H0633733A
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JP
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water
silencer
gas
outer cylinder
inner cylinder
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Jiyun Itani
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小さな直径で、しかも通気抵抗をあまり大き
くすることなく大きな消音効果が得られ、かつそれ自身
の冷却を効果的に行うことができるようにした消音器を
提供する。 【構成】 この消音器20は、断面円形の外筒22と、
その内部に同軸状に収納された断面円形の内筒24と、
それぞれが外筒22と内筒24間をつないでいてしかも
螺旋状にねじられた3枚の羽根板31〜33とを備えて
いる。内筒24は、その一端側24aから水40が供給
され、他端側24bは塞がれており、かつ円周方向およ
び軸方向に分散配置された複数の水噴出孔26を有す
る。断面で見た各羽根板31〜33間の角度αは約12
0度である。上記のような構成によって、外筒22、内
筒24および各2枚の羽根板31〜33間に、螺旋状の
気体通路36〜38がそれぞれ形成されている。そして
外筒22内で各羽根板31〜33を少なくとも一捻りし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、典型的には船舶のエ
ンジンの排気音、更にはその他のエンジンやコンプレッ
サ等の排気音や吸気音を小さくする消音器に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の消音器の従来例を図6に示す。
この消音器2は、筒4の内部に複数枚のバッフルプレー
ト6を設け、かつ各バッフルプレート6に、複数の短い
パイプ8を互いの中が直視できないように取り付けたも
のである。その入口部および出口部には、管10、12
がそれぞれ接続される。
【0003】管10から消音器2内に送り込まれた、気
団状の気体(例えば排気ガス)14は、例えば図のよう
な経路Gを屈曲しながら通って、管12側に排出され
る。これによって、気体14の急激な膨張を避けて、ま
た消音器2の内部で音波を互いに干渉させて、排気音等
を小さくするようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な消音器2においては、気体14の流れを屈曲させるパ
イプ8を、前段側のものと後段側のものとの間で、互い
の中が直視できないよう、バッフルプレート6の直径方
向にそれぞれずらして設置しなければならない等の理由
で、消音器2の直径が非常に大きくなるという問題があ
る。例えば船舶用の場合、消音器2の直径は、その前後
の排気または吸気用の管10、12の直径の5倍程度に
もなっている。消音器2の部分だけがこのように非常に
太いと、この消音器2の周りの空間の有効利用が図りに
くく、またこの消音器2の設置工事もしにくい。
【0005】また、気体14の流れを単に複雑に屈曲さ
せるだけであるので、通気抵抗が大きい割には、消音効
果があまり良くない。例えば、上記のような構造の消音
器2では、通常は15〜18dB程度の消音効果しか得
られていないのが現状である。
【0006】バッフルプレート6を増やす、パイプ8を
細くする等して、気体14をより複雑に屈曲させるよう
にすれば、消音効果はこれよりも幾分上がるが、そのよ
うにすると、通気抵抗が非常に大きくなり、それによっ
てエンジンの背圧が大きく上昇して、エンジンの出力低
下を惹き起こす。コンプレッサの場合も効率低下を惹き
起こす。
【0007】また、気体14が排気ガスの場合、その熱
によって消音器2は高温(例えば100℃程度以上)に
なり、これを放置しておくと周りのものや壁が焼ける等
するので、消音器2の周りを分厚い断熱材で覆わなけれ
ばならず、そのため消音器2の部分が一層太くなるとい
う問題もある。
【0008】そこでこの発明は、小さな直径で、しかも
通気抵抗をあまり大きくすることなく大きな消音効果が
得られ、かつそれ自身の冷却を効果的に行うことができ
るようにした消音器を提供することを主たる目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の消音器は、断面円形の外筒と、この外筒
内に同軸状に収納された断面円形の内筒であって、その
一端側から内部に水が供給され、他端側は塞がれてお
り、かつ円周方向および軸方向に分散配置された複数の
水噴出孔を有するものと、それぞれが外筒と内筒との間
をつないでいてしかも螺旋状にねじられた3枚の羽根板
であって、断面で見た各羽根板間の角度が約120度で
あるものとを備えていて、外筒、内筒および各2枚の羽
根板間に螺旋状の気体通路がそれぞれ形成されており、
かつ外筒内で各羽根板を少なくとも一捻りしていること
を特徴とする。
【0010】
【作用】上記消音器にその一端側から、排気ガスのよう
な気団状の気体を押し込むと、当該気体は、螺旋状の三
つの気体通路内をねじられながら他端側に向かって流
れ、他端側から大気中に放出される。
【0011】このとき、外筒の内壁に近い所を進む気体
と、内筒の外壁に近い所を進む気体とを比べた場合、外
筒の内壁に近い所ほど通過距離が長くなるので、中心部
を通った気体は短い遅延時間で、外側に近い所を通った
気体は長い遅延時間で、それぞれ大気中に放出されるよ
うになる。
【0012】このような遅延時間の違いにより、この消
音器に入力された各気団は、それぞれ時間的に引き伸ば
されて大気中に放出されることになり、このような作用
によって気体の急激な膨張を避けることができ、消音効
果が発揮される。
【0013】また、上記通過距離の違いにより、各気団
内でそこに含まれている音波の位相がずれて互いに干渉
して打ち消し合うようになり、このような作用によって
も消音効果が発揮される。
【0014】また、上記内筒内にその一端側から水を供
給すると、他端側は塞がれているから、円周方向および
軸方向に分散配置された複数の水噴出孔から、外筒内即
ち各気体通路内に、水が軸方向の複数個所から円周上の
複数方向に噴出する。この噴出した水は、気体通路内を
通過する気体の流れによって出口方向に向けて吹き飛ば
されて霧状に拡散され、これによって当該消音器全体を
ほぼ一様にかつ効果的に冷却することができる。
【0015】しかも、各水噴出孔から噴出した水は、や
がては、各気体通路内の約下半分に溜まり、気体はこの
溜まった水を押し下げて、内筒の下をくぐり抜けながら
出口側へ向かって通過する。この溜まった水を押し下げ
る作用により、各気団の音圧のピークが削られて音圧の
時間的分布の平均化が図られる。このような作用によっ
ても消音効果が発揮される。
【0016】この他にも、上記のような螺旋状の気体通
路を形成することによる、更には内筒に給水することに
よる作用効果は幾つかあるが、それについては実施例の
項で詳述する。
【0017】
【実施例】図1は、この発明の一実施例に係る消音器
を、その外筒を切断して示す図である。図2は、図1の
線A−Aに沿う断面図である。図3は、図1の線B−B
に沿う断面図である。
【0018】この消音器20は、例えば船舶のエンジン
の排気音の消音用のものであり、断面円形の外筒22
と、この外筒22内に同軸状に収納された断面円形の内
筒24と、それぞれが外筒22と内筒24との間をつな
いでいてしかも螺旋状にねじられた3枚の羽根板31〜
33とを備えている。
【0019】外筒22の一端側22aには、この例で
は、図示しない船舶のエンジンにつながる排気管42が
上方に曲がるように接続されている。外筒22の他端側
22bは開放されている。この他端側22bは、例えば
船尾の壁(トランサム)50を貫通して船外に開放され
ている。
【0020】内筒24は、この例ではその一端側24a
が上方に曲げられて外筒22を貫通しており、そこに図
示しない給水管を接続する接続部28が設けられてお
り、そこから水40が供給される。この水40は、例え
ば、この消音器20を接続するエンジンの冷却水を流用
すれば、特別な給水装置が不要になり都合が良い。内筒
24の他端側24bは塞がれている。
【0021】この内筒24には、その一端側24aと他
端側24bとの間に、円周方向および軸方向に分散配置
された複数の水噴出孔26が設けられている。より具体
的には、水噴出孔26は、この例では図1に示すよう
に、約1/3ピッチごとに軸方向に6個所(他端側24
b付近には設けても意味がないから設けていない)設け
ている。また、上記各個所には、この例では図2に示す
ように、後述する各気体通路36〜38に2個ずつ、即
ち円周方向に合計6個ずつ設けている。
【0022】上記各羽根板31〜33は、一例として図
1に示すように、軸方向に見て逆時計方向(左方向)に
ねじられている。また、断面で見た各羽根板31〜33
間の角度αは、図2に示すように、それぞれ約120度
である。
【0023】上記のような構成によって、外筒22、内
筒24および各2枚の羽根板31〜33間に、螺旋状の
三つの気体通路36〜38がそれぞれ形成されている。
【0024】また、この実施例では、外筒22内で各羽
根板31〜33を二捻りしている。図1中のLは一捻り
分の長さである。
【0025】なお、上記各羽根板31〜33のねじれ角
(即ち、図1中に示すように、各羽根板31〜33が外
筒22の内壁に接する線と、その上の一点を通り外筒2
2の軸に平行な直線とが成す角度)βは、約45度にす
るのが好ましく、この実施例ではそのようにしている。
これは、このねじれ角βが45度より小さ過ぎると、各
羽根板31〜33の一捻り分の長さLが大きくなり、そ
のぶん消音器20全体の長さが長くなるからであり、逆
にねじれ角βが45度より大き過ぎると、各気体通路3
6〜38における通気抵抗が大きくなり、エンジンに対
する背圧が大きくなり過ぎるからである。
【0026】また、この消音器20は、内部に水40を
溜める関係上、ほぼ水平に配置するのが好ましい。
【0027】このような消音器20に、その一端側か
ら、排気管42を通して気団状の排気ガス44を押し込
むと、当該排気ガス44は、螺旋状の三つの気体通路3
6〜38内をねじられながら他端側に向かって流れ、他
端側から大気中に放出される。
【0028】このとき、外筒22の内壁に近い所を進む
排気ガス44と、内筒24の外壁に近い所を進む排気ガ
ス44とを比べた場合、外筒22の内壁に近い所ほど通
過距離が長くなる。これを図4を参照して説明する。
【0029】図4Aは一捻り分の長さLの外筒22を展
開して示し、図4Bは一捻り分の長さLの内筒24を展
開して示す。外筒22の内半径をRとした場合、外筒2
2の内壁ぎりぎりを通過する排気ガス44の通過距離
は、図4A中の対角線の距離L1 であり、 L1 ={L2+(2πR)21/2 ・・・(1) と表される。同様に、内筒24の外半径をrとした場
合、内筒24の外壁ぎりぎりを通過する排気ガス44の
通過距離は、図4B中の対角線の距離L2 であり、 L2 ={L2+(2πR)21/2 ・・・(2) と表される。
【0030】従って、一捻り分の長さLにおける最大の
通過距離の差ΔLは、 ΔL=L1 −L2 ・・・(3) となる。
【0031】例えば、上記のような消音器20を100
0馬力の船舶エンジン用に試作したが、その場合、一捻
り分の長さLが約140cm、外筒の内半径Rが約17
cm、内筒の外半径rが約3.5cmであり、上記最大
の通過距離の差ΔLは約34cmになる。これは一捻り
分の差であり、この実施例のように二捻り分ある場合
は、その2倍になる。
【0032】上記のような通過距離の差により、この消
音器20の中心部を通った排気ガス44は短い遅延時間
で、外側に近い所を通った排気ガス44は長い遅延時間
で、それぞれ大気中に放出されるようになる。
【0033】このような遅延時間の違いにより、この消
音器20に入力された排気ガス44を構成する各気団
は、それぞれ時間的に引き伸ばされて大気中に放出され
ることになり、このような作用によって排気ガス4の急
激な膨張を避けることができ、消音効果が発揮される。
【0034】また、各気体通路36〜38を通過中に、
上記通過距離の違いにより、各気団内でそこに含まれて
いる音波の位相がずれて互いに干渉して打ち消し合うよ
うになり、このような作用によっても消音効果が発揮さ
れる。
【0035】また、上記内筒24内にその一端側24a
から水40を供給すると、他端側24bは塞がれている
から、円周方向および軸方向に分散配置された複数の水
噴出孔26から、外筒22内即ち各気体通路36〜38
内に、水40が軸方向の複数個所から円周上の複数方向
に噴出する。この噴出した水40は、気体通路36〜3
8内を通過する排気ガス44の流れによって出口方向に
向けて吹き飛ばされて霧状に拡散され、これによって当
該消音器20全体をほぼ一様にかつ効果的に冷却するこ
とができる。従って、この消音器20を断熱材で覆う必
要も無くなる。
【0036】しかも、各水噴出孔26から噴出した水4
0は、やがては、各気体通路36〜38内の約下半分に
溜まる。より具体的には、図1〜図3に示すように、水
40は最大で内筒24の上面のレベルまで溜まる。これ
を更に分かりやすくするために、この溜まった水40を
図5中にハッチングを付して示す。このレベルより上が
ろうとすると、水40は、内筒24の上を乗り越えて隣
の溜まりの部分に移り、最後は外筒22の開放されてい
る他端側22bから排出されるため、内筒24の上面の
レベルが最高水位となる。
【0037】従ってこの消音器20内に押し込まれた排
気ガス44は、この溜まった水40を押し下げて、内筒
24の下をくぐり抜けながら出口側へ向かって通過す
る。これを図5を参照して更に説明すると、例えば気体
通路36を通ってC部の空間まで達した排気ガス44
は、行き場所が無くなり、そこの空間の圧力が上昇し
て、その部分に溜まっている水40を矢印D(図3も参
照)のように押し下げる。そして、その部分の水40の
レベルが内筒24の下面まで下がると、排気ガス44は
矢印のように内筒24の下をくぐり抜けて次のE部の空
間へと進む。その瞬間に元のC部の空間の圧力が下がる
ので、水40の水位が上がり再び塞がれる。このような
ことを繰り返しながら、排気ガス44は最終的には外筒
22の他端側22bから大気中へ放出される。また、押
し下げられた分の水40は、隣の溜まりの部分に移り、
最終的には外筒22の他端側22bから排出されるが、
水噴出孔26から噴出している水によってすぐに補給さ
れる。
【0038】上記のようにして、溜まった水40を押し
下げる作用により、排気ガス44を構成する各気団の音
圧のピークが削られて音圧の時間的分布の平均化が図ら
れる。このような作用によっても消音効果が発揮され
る。
【0039】更に、元々温度の高かった排気ガス44
が、内筒24の各水噴出孔26から噴出され霧状になっ
た水40によって冷やされ、あるいは上記のように溜ま
った水40と接することによって冷やされ、それによっ
て排気ガス44を構成する各気団の圧力が下がるので、
このような作用による消音効果も得られる。
【0040】また、各気体通路36〜38内には水40
が霧状に充満しており、その中を排気ガス44が進むの
で、ウォーターカーテンのような作用によっても消音効
果が得られる。
【0041】以上のような数々の消音作用によって、例
えば、前述した船舶エンジン用に試作した消音器20で
は、エンジンから排出された生の排気音は、約500H
z付近を中心とするポンポンあるいはパンパンという大
きく甲高い音であったのが、出口では小さなボーという
連続した重低音に変換されており、排気音のピーク値は
33〜35dB程度も下がり、従来の消音器では到底得
られないような、非常に大きな消音効果が得られた。
【0042】しかも、上記消音器20は、螺旋状にねじ
られた気体通路36〜38に排気ガス44を通すので、
また水40を押し下げるとしてもそれに要する圧力は内
筒24の外径に相当する水圧分であるので、通気抵抗は
あまり大きくならない。従って、エンジンの背圧上昇に
よる出力低下を防ぐことができる。
【0043】また、3枚の羽根板31〜33を螺旋状に
ねじった構造であるので、前述した従来のバッフルプレ
ート方式や、吸音材を詰める方式等の消音器に比べて、
消音器20の直径を遙かに小さくすることができる。例
えば、排気管42の直径の1.3〜1.5倍程度の直径
でも十分に大きな消音効果を発揮することができる。従
って、この消音器20の周りの空間の有効利用を図りや
すく、またこの消音器20の設置工事もしやすい。
【0044】また、従来の消音器だと、使用期間が長く
なると、排気ガス中に含まれているススが中に溜まり、
これが加熱され発火して火の粉が大気中に放出されるこ
とも起こっていたが、上記消音器20では、内部に水4
0が溜まっている、あるいは霧状に充満しているので、
火の粉が大気中に放出されることは全く起こらない。従
って、防火の面からも極めて安全である。
【0045】例えば、船舶の用途によっては、オイルタ
ンカーやLNGタンカーの事故現場に消化、監視等のた
めに行く必要があるが、その場合、消音器から火の粉が
出るような船舶は、却って火災を誘発する危険があるの
で使用できない。また、高温に加熱された消音器の一部
が船外に露出しているような船舶も、同様の理由から使
用できない。これに対して上記消音器20は、前述した
ように、水40で全体を効果的に冷却することができ、
また火の粉も全く排出されないので、上記のような船舶
に使用する場合も都合が良い。
【0046】また、船舶の場合、港等の人家に近い所で
は排気音を小さくし、沖に出れば排気音は多少大きくな
っても、エンジンに対する背圧を下げてエンジンに出力
を効率良く取り出すことが優先されるが、従来の消音器
ではそのようなことは全くできない。
【0047】これに対して上記消音器20では、エンジ
ンの出力を下げると、排気ガス44の勢いが弱まるので
それによって内部の水40が吹き飛ばされて排出される
割合が少なく、内部に水40が十分に溜まり、それによ
る前述した消音効果を発揮することができるので、排気
音は最も小さくなる。
【0048】一方、沖に出たような場合でエンジンの出
力を上げると、排気ガス44の勢いが強くなってそれに
よって内部の水40は殆どが吹き飛ばされて排出され、
内部には溜まらなくなるので、そのぶん、エンジンに対
する背圧は小さくなり、エンジンの出力を効率良く取り
出すことができる。このようなことを上記消音器20で
は、何ら制御・操作等を要することなく全く自動的に行
うことができる。
【0049】なお、消音器20の内部に水40が溜まら
なくても、前述したように、螺旋状にねじられた気体通
路36〜38の作用で、かつ内部に水40が霧状に充満
していてウォーターカーテンによる作用で、かなりの消
音効果は期待できる。例えば、前述した試作品では、内
部の水40を吹き飛ばした状態でも、従来例よりも遙か
に高い、27〜28dB程度の消音効果が得られた。
【0050】また、近年は、大気中に人為的に放出され
る炭酸ガスによる地球の温暖化が問題になっている。例
えば、大気中に放出される炭酸ガスの内、16%程度が
船舶によるものだとも言われている。これについては、
上記消音器20では、排気ガス44が、内部に溜まっ
た、あるいは霧状に充満している水40の中を通過する
ので、その間に炭酸ガスが水40中に溶けて、大気中に
放出される炭酸ガスの量を減らす効果も得られる。水4
0中に溶けた炭酸ガスは、やがては炭酸カルシウムの形
に変えられ、海水中に還元される。
【0051】また、同様の作用から、上記消音器20
は、排気ガス40中に含まれている有害な窒素酸化物
(NOx )やイオウ酸化物(SOx )を水40の中に溶
かして、大気中に放出されるそれらの量を減らすという
効果も得られる。
【0052】なお、内筒24に設ける水噴出孔26の位
置や数は、上記例のようなものに限られない。例えば、
図2を参照して、各気体通路36〜38ごとに水噴出孔
26を1個ずつ、あるいは3個以上ずつ設けても良い。
また、軸方向の位置も、図1を参照して、1/4ピッチ
ごと、あるいは1/2ピッチごとに設けても良い。
【0053】また、消音器20の全体の長さも、上記実
施例では、各羽根板31〜33の二捻り分(即ち2L)
にしているが、一捻り分でも、若干の効果は低下するも
のの、前述したような種々の効果を発揮することができ
る。勿論、必要に応じて、三捻り分以上にしても良い。
【0054】また、以上においては、この消音器20を
船舶用に用いることを例に説明したが、勿論この消音器
20は、それ以外の用途、例えば陸上用や車両用のエン
ジンの排気音や、コンプレッサの吸気音を小さくするこ
と等にも使用することができる。
【0055】
【発明の効果】以上のようにこの発明の消音器は、次の
ような数々の顕著な効果を奏する。
【0056】 3枚の羽根板を用いて螺旋状にねじら
れた気体通路を形成していて、これによってそこを通過
する各気団を時間的に引き伸ばしてそれらが大気中に放
出される時の急激な膨張を避けることができるので、し
かも上記気体通路を通過中に通過距離の違いにより各気
団内でそこに含まれる音波の位相がずれて互いに干渉し
て打ち消し合うようになるので、これらの作用によって
大きな消音効果が得られる。
【0057】 内筒の各水噴出孔から噴出した水が、
気体通路を通過する気体によって吹き飛ばされて霧状に
拡散され、またやがては各気体通路内に溜まるので、当
該消音器全体をほぼ一様にかつ効果的に冷却することが
できる。従ってこの消音器を断熱材で覆う必要も無くな
る。
【0058】 気体通路内に溜まった水を押し下げて
気体が通過することによって各気団の音圧の時間的分布
の平均化が図られるので、また気体通路内で霧状に拡散
した水によるウォーターカーテンのような作用によっ
て、更に気体通路内に拡散した水や溜まった水によって
熱い気団が冷却されてその圧力が下がるので、これらの
作用によっても消音効果が増大する。
【0059】 螺旋状にねじられた気体通路内に気体
を通すので、また溜まった水を押し下げるにしてもそれ
に要する圧力は内筒の外径に相当する水圧分であるの
で、通気抵抗はあまり大きくならない。従って、エンジ
ンの背圧上昇による出力低下等を防ぐことができる。
【0060】 3枚の羽根板を螺旋状にねじった構造
であるので、当該消音器の直径を従来の消音器に比べて
遙かに小さくすることができる。従ってこの消音器の周
りの空間の有効利用を図りやすく、またこの消音器の設
置工事もしやすい。
【0061】 内部に水が溜まっている、あるいは霧
状に充満しているので、この消音器から火の粉が排出さ
れることは全く起こらず、また前述したようにこの消音
器の全体が水によって効果的に冷却されていることか
ら、防火等の面からも極めて安全である。
【0062】 内部に水を溜めること、あるいはその
水を吹き飛ばして溜まらなくすることを、エンジンの出
力の下降上昇によって自動的に行うことができるので、
消音を優先することも出力を優先することも、特別な制
御・操作等を要することなく全く自動的に行うことがで
きる。
【0063】 内部に水が溜まっている、あるいは霧
状に充満していてその中を排気ガス等が通過するので、
それに含まれている炭酸ガス、窒素酸化物、イオウ酸化
物等を水にある程度吸収させることができ、それによっ
て地球の温暖化防止、大気汚染防止等による自然環境保
護に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る消音器を、その外筒
を切断して示す図である。
【図2】図1の線A−Aに沿う断面図である。
【図3】図1の線B−Bに沿う断面図である。
【図4】図1の一捻り分の長さの外筒および内筒をそれ
ぞれ展開して示す図である。
【図5】図1の消音器内に水が溜まった状態を示す図で
ある。
【図6】従来の消音器の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
20 消音器 22 外筒 24 内筒 26 水噴出孔 31〜33 羽根板 36〜38 気体通路 40 水 42 排気管 44 排気ガス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面円形の外筒と、この外筒内に同軸状
    に収納された断面円形の内筒であって、その一端側から
    内部に水が供給され、他端側は塞がれており、かつ円周
    方向および軸方向に分散配置された複数の水噴出孔を有
    するものと、それぞれが外筒と内筒との間をつないでい
    てしかも螺旋状にねじられた3枚の羽根板であって、断
    面で見た各羽根板間の角度が約120度であるものとを
    備えていて、外筒、内筒および各2枚の羽根板間に螺旋
    状の気体通路がそれぞれ形成されており、かつ外筒内で
    各羽根板を少なくとも一捻りしていることを特徴とする
    消音器。
  2. 【請求項2】 前記各羽根板のねじれ角が約45度であ
    る請求項1記載の消音器。
JP21345392A 1992-07-17 1992-07-17 消音器 Pending JPH0633733A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4890022A (en) * 1987-03-26 1989-12-26 Oki Electric Industry, Ltd. Delay circuit device utilizing the Miller effect
CN104653253A (zh) * 2014-06-21 2015-05-27 柳州聚龙科技有限公司 汽车排气管尾气过滤装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4890022A (en) * 1987-03-26 1989-12-26 Oki Electric Industry, Ltd. Delay circuit device utilizing the Miller effect
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