JPH06337254A - 液中水分測定装置 - Google Patents

液中水分測定装置

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JPH06337254A
JPH06337254A JP14850593A JP14850593A JPH06337254A JP H06337254 A JPH06337254 A JP H06337254A JP 14850593 A JP14850593 A JP 14850593A JP 14850593 A JP14850593 A JP 14850593A JP H06337254 A JPH06337254 A JP H06337254A
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capacitance
concentration
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Kunimitsu Tamura
邦光 田村
聖記 ▲つる▼戸
Kiyonori Tsuruto
Isao Tazawa
勇夫 田澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で且つ精度が高く、しかも校正の容易
な、低コストの油中水分測定装置を提供する。 【構成】 油中水分測定装置は、油中の水分を検知する
ための静電容量型水分センサーSと、この静電容量型水
分センサーSの静電容量Cの変化に応じて出力する周波
数Fが変化するCR発信回路を備えたセンサー処理部1
0と、下記演算式に従って前記センサー処理部20から
の出力周波数(F)を水分濃度(L)に換算する演算処
理部を備えたマイクロコンピュータ20と、このマイク
ロコンピュータ20からの水分濃度出力を表示する水分
値表示部30とを有する。 【数1】 ここで、X、Y、Z及びA、B、βは、油種によって決
定される定数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば絶縁油や冷凍機
等の潤滑油、溶剤、燃料及び石油化学原料等の石油製品
等の種々の液中に含有される水分量、即ち、水分濃度を
検知するための測定装置(以下「液中水分測定装置」と
いう。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、電気絶縁油は、油中に水分が含
有されるのを嫌うために、製油所において出荷の際、脱
水剤や真空浄油機などのような適当な手段で脱水し、そ
の水分監視を行っている。又、変電所、発電所等におい
て使用される油入型変圧器、油入型変成器などの電気設
備においても電気設備の予防保全上その水分監視が重要
な項目となっている。
【0003】又、最近冷蔵庫、自動車用エアコン等に使
用される潤滑油は、フロンガス規制を背景にした冷媒変
更が余儀なくされており、そのために、従来の鉱油か
ら、合成系の潤滑油であるエステルやPAG(ポリアル
キレングリコール)に変わりつつある。これら合成系潤
滑油は、鉱油より吸湿性が高く、過度に吸湿すると加水
分解或は酸化劣化を生じて潤滑性が低下し、機械の正常
な動作を妨げることが知られている。また、例えば、ジ
ェット燃料については、航空機が成層圏を飛行する際、
水分が含まれていると凍結し、燃料ラインを目詰まりさ
せることが知られている。
【0004】このような理由のために、潤滑油やその他
の各種の石油製品等に含有された水分量を検知する必要
性が増加している。
【0005】従来から、このような液中の水分検知は、
カールフイッシャー法に代表される電量滴定法が主流を
占めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来行
なわれているカールフイッシャー法などの電量滴定法
は、バッチ式の測定法であるために、現場で油を一定量
サンプリングし、それを試験室に運び分析装置にかけて
測定するという手順が踏まれており、現場にて迅速に対
応できないという問題、更には、連続監視ができないと
いう問題があった。
【0007】このような問題を解決するにはオンライン
方式の液中水分測定装置が望まれるが、未だ斯かる要求
を十分に満足せしめる、市場で入手可能な本格的な製品
はない。
【0008】更に別の問題として、上述の電量滴定装置
のような湿式分析装置は形が大きく、持ち運びが不便で
あるという問題があった。このために、小型で、持ち運
び可能の、所謂ポータブルタイプの液中水分測定装置が
望まれるが、この目的に適し、十分な性能を有する製品
を市場で見出すことはできない。
【0009】他方、技術的にはこのような目的の製品に
適するセンサーとして、従来からアルミニウム陽極酸化
膜型の水分センサーが検討されてきた。このセンサーの
特長は、小型であり且つ直接液中に置き使用できること
である。
【0010】アルミニウム陽極酸化膜型水分センサーの
検知原理は、被検知対象の液中にセンサーを置くと水分
がセンサーと液の界面に吸着し、電気的静電容量を発生
する。静電容量は、水分子の吸着量に対応し、又、吸着
量は、液中の水分濃度に対応するために、このセンサー
を使用して液中の水分検知が可能である。
【0011】しかしながら、このような従来技術は、元
来気体中の水分検知技術の応用であり、これをそのまま
液中の水分検知に応用し、水分量を直接、濃度、例えば
ppmにて表示しようとすると技術上の困難が生ずる。
【0012】即ち、通常、斯かる水分センサーの出力信
号、例えば静電容量、抵抗、インピーダンス等の電気信
号は、或る種の電気回路でそれに対応する別のパラメー
タ(位相、周波数、電圧など)へと電気的に変換され、
又、その出力様式も電気信号でアナログ或はディジタル
の両方あり、最終的には適当な変換手段で濃度(pp
m)に変換される。
【0013】この一連のプロセスにおける問題は、水分
センサーから発生してくる静電容量等の大きさと水分濃
度との関係が直線的ではないことにある。つまり、温度
によって変わり、又、その関係も、各センサー間に特性
の差があるためにセンサー毎に異なる。
【0014】このために、従来では、例えば静電容量C
と水分濃度Wのデータテーブルを作成するか、又は、静
電容量Cを変換した別の電気信号Jと、水分濃度Wのデ
ータテーブルを作成して、それらをROMに書き込み、
測定回路内に組み込んだマイクロコンピュータのPGM
(プログラミング)により、信号C又はJに対応した水
分濃度Wを適宜引き出して適当な電気回路で処理して濃
度(ppm)表示をさせていた。
【0015】このような従来方法の問題点は、データテ
ーブルを作成するために実験データを多くとる必要があ
ること、又、それもセンサー毎にとる必要があるため
に、実験工数が膨大になり製品自体がコスト高になるこ
とである。更に、センサーは、通常、経時変化を起こす
ので定期的に校正しなければならないが、校正の度に多
くの工数を要する実験が必要とされる。更に、上述のよ
うな設計の測定装置では使用現場での校正は困難であ
る。
【0016】従って、本発明の目的は、小型で且つ精度
が高く、しかも校正の容易な、低コストの液中水分測定
装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
液中水分測定装置にて達成される。要約すれば、本発明
は、液中の水分を検知するための静電容量型水分センサ
ーと、前記静電容量型水分センサーの静電容量の変化に
応じて出力する周波数が変化するCR発信回路を備えた
センサー信号処理部と、下記演算式(3)に従って前記
センサー信号処理部からの出力周波数(F)を水分濃度
(L)に換算する演算処理部を備えたマイクロコンピュ
ータと、前記マイクロコンピュータからの水分濃度出力
を表示する水分値表示部とを備えたことを特徴とする液
中水分測定装置である。
【0018】
【数3】 ここで、X、Y、Zは、液種及びセンサーによって決定
される定数である。
【0019】好ましくは、前記センサー処理部からの出
力周波数(F)は、下記演算式(4)にて水分濃度に換
算される。
【0020】
【数4】 ここで、X、Y、Z及びA、B、βは、液種及びセンサ
ーによって決定される定数である。
【0021】更に、好ましくは、前記定数A、B、β
は、外部操作により入力され、又、前記定数X、Y、Z
に関するデータは、マイクロコンピュータの記憶部に内
蔵され、電源投入時に上記演算式(3)或は(4)に入
力され、演算される。
【0022】
【実施例】以下、本発明に係る液中水分測定装置を図面
を参照しながら油中の水分を測定する場合を例にして、
更に詳しく説明する。本発明の液中水分測定装置は、図
1及び図2に概略その構成が示されるように、基本的に
は、油中の水分量を検知する静電容量型の、例えばアル
ミニウム陽極酸化膜型センサーのような水分センサーS
と、この静電容量型水分センサーSの静電容量の変化に
応じて出力する周波数が変化するCR発信回路を備えた
センサー信号処理部10と、所定の演算式に従って前記
センサー信号処理部10からの出力周波数(F)を水分
濃度(L)に換算する演算処理部を備えたマイクロコン
ピュータ20と、このマイクロコンピュータ20からの
水分濃度出力を表示する水分値表示部30とを有する。
【0023】最初に、本発明に従った油中における水分
量測定原理について説明する。
【0024】油を含めた液体中に溶解している成分の多
くは、その成分の分子が固/液界面で吸着する際、単分
子吸着をすることが知られている。この場合多くは、吸
着量と成分濃度の関係は、図4に示すようなラングミュ
ア(Langmuir)型の吸着等温線をとる。
【0025】本発明者らは、油中水分濃度の低い範囲で
は水分吸着量が静電容量を支配する誘電率に影響を与え
ると考え、油中の水分量と静電容量との関係もラングミ
ュア型の曲線となるのではないかと考えた。
【0026】このような本発明者らの考えの下に、多く
の研究実験を行なった結果、アルミニウム陽極酸化膜型
センサーにおいて、カールフィッシャー法で測定した油
中の水分濃度(L1 )とLCRメーターで測定した静電
容量(C)との関係が、図5に示すように、ラングミュ
ア型の吸着等温線と同じ形になることを見出した。
【0027】この関係を数式で表すと、代表的には下記
の式(5)のようになる。
【0028】
【数5】 ここで、XC =C−XB 、XB はベースの容量、XS
C の飽和値である。
【0029】上記関係式(5)を得るに至った経緯につ
いて説明すると、次の通りである。
【0030】油中における水分センサーの出力静電容量
(C)は、LCRメータによる計測によれば、上述のよ
うに、図5に示すように、低濃度領域から立ち上がり、
次第に漸近的に一定の値に近付く。この現象は、気相中
での水分検知とは全く異なる。これは、センサー表面に
て、気相中では多分子吸着が行なわれているのに対し
て、油中では単分子吸着が行なわれているからであると
思われる。
【0031】このような考えに基づくと、下記の式
(6)が成り立つ。
【0032】
【数6】 ここで、n :水分子1個が吸着サイト1個を含有す
るときの油分子1個が占有する吸着サイト数 M :1個の油分子 P :センサー表面の1個の吸着サイト N0 :油分子によって占有された吸着サイト数 L1 :油中水分の活動度 N1 :水分子によって占有された吸着サイト数 L2 :油の活動度 上記式(6)は平衡関係にあるから、
【0033】
【数7】
【0034】
【数8】 ここで、N:全吸着サイト数 K:平衡定数
【0035】上記式(6)、(7)にて、L2 は、油の
活動度であるが、事実上多量にあるので1とし、又、L
1 は、油中水分の活動度であるが水分濃度が希薄なので
濃度に置き換えることができる。
【0036】このような前提に、上記式(7)、(8)
より、下記の式(9)が得られる。
【0037】
【数9】 上記式(9)にて、N1 /Nは、表面被覆率(θ)に相
当する。
【0038】
【数10】 である。
【0039】上記式(9)を、表面被覆率(θ)を用い
て表すと、
【0040】
【数11】 となり、この式(11)は、ラングミュア型吸着等温式
と同じ形となる。
【0041】ここで、実際にLCRメータ計測により得
られた静電容量Cは、図5に示すように、水分濃度で変
化するXC 成分と、水分濃度が零の時にセンサーが固有
に有するXB 成分(ベース容量)、及び飽和時のXC
分に相当するXS 成分からなることが理解される。
【0042】今、表面被覆率θ=XC /XS と仮定する
(この根拠は、静電容量の変化量XC が油/固体界面で
水の誘電率が一定であるとすれば、水の吸着量に比例す
ると考えられるためである。)と、式(11)は、ラン
グミュア型吸着等温式と同じ形の上述の式(5)に書き
換えることができる。もし、ラングミュア型の単分子吸
着が成り立っているならば、この式(5)に関し、L1
に対してL1 /XC をプロットすると、直線関係が得ら
れるはずである。
【0043】本発明者らは、上記式(5)が実際に成り
立つものか否かを確認するために、実際に、鉱油系電気
絶縁油及びエステル系冷凍機油について、油中水分濃度
1と静電容量Cとの関係を調べた。L1 に対してL1
/XC をプロットした結果が図6及び図7に示される。
【0044】これら図6及び図7をみると、L1 とL1
/XC との間には直線関係が成立しており、本発明者ら
の上記考えが正しいことが立証された。
【0045】つまり、上述したように、例えばアルミニ
ウム陽極酸化膜型センサーのような静電容量型水分セン
サーを使用して油中の水分濃度を計測した場合に、油中
の水分濃度と静電容量との関係は、上記式(5)にて表
すことができ、その関係曲線は、ラングミュア型の吸着
等温線と同じ形になることが分かった。このような報告
は、本発明者らの知る限りにおいて、現在までどの研究
報告、特許文献などにも見出すことはできない。
【0046】また、本発明は、上述の理由から油中の水
分のみならず個/液界面でラングミュア型の単分子吸着
をし、かつ液体との誘電率の差が大きい成分の濃度測定
にも利用できる。例えば、鉱油の誘電率はε=1〜2で
あり、水はε=78.5で、n−ヘキサンはε=1.8
9、ベンゼンはε=2.3である。従って、n−ヘキサ
ンやベンゼン中の水分も全く同様に適用できることは自
明である。
【0047】上記式(5)において、平衡定数Kは、そ
の大きさはセンサーの個体差、油の種類によって異な
る。実験の結果から、例えば油が鉱油の場合は、0.0
15〜0.051であり、またエステル等の合成潤滑油
では1.5×10-3〜5.4×10-3である。
【0048】従って、実際の液中水分測定装置では、上
記式(5)を含んだアルゴリズムを有する水分検出回路
を設計に織り込めば、静電容量値から水分濃度値への計
算が容易となり最終的に精度の高い「ppm」表示が可
能となる。
【0049】次に、本発明の液中水分測定装置にて、水
分センサーSの静電容量Cをその後の取扱いが容易な電
気信号に変えるためのセンサー信号処理部10、即ち、
変換回路について説明する。
【0050】水分センサーSの静電容量Cをその後の取
扱いが行い易い電気信号に変えるためには、幾通りかの
変換回路が考えられ、例えば、周波数に変換する、電圧
に変換する、位相差に変換する電気回路等が考えられ
る。
【0051】本発明者らは、変換回路として静電容量を
周波数に変換する方式を検討した。この方式は、出力と
して一定レベルの電圧、例えば波高5Vのパルス電圧を
出力し、その周波数が静電容量に対応する構成とされ
る。この方式は、S/N比の良い出力形態が確保できる
という利点を有する。一例としてシュミット回路を応用
した変換回路を有するセンサー信号処理部10が図1に
示される。
【0052】図1に示すセンサー信号処理部10の変換
回路は、原理的にはCR発信回路であって、本実施例で
は、例えばC−MOS型のシュミットインバータ11
と、このインバータ11の入出力間(帰還回路)に接続
されたパルス周波数決定用素子である固定抵抗器Rと、
インバータ11の入力側に接続された静電容量C’と、
この静電容量素子C’と上記シュミットインバータ11
の入力側との間に直列に接続されたもう1つのパルス周
波数決定用素子である静電容量型センサーSとにて構成
され、油中の水分量に起因したセンサーSの静電容量
(C)の変化に対応して周波数(F)が変動するパルス
信号を出力する。なお、センサーSと並列に接続された
抵抗器R’はセンサーSに直流電圧成分がかからないよ
うにするためのものである。通常、水分センサーとして
酸化アルミニウムなどからなるセンサーが用いられるの
で、直流電圧成分が印加されると、分極、絶縁破壊など
によりセンサー特性の劣化などが生じ易くなるので、こ
れを防止するためである。パルス発生回路からのパルス
信号は、第2のC−MOS型のシュミットインバータ1
2にてそのパルス波形が反転された同じ周波数の出力電
圧とされ、マイクロコンピュータ20に供給される。マ
イクロコンピュータ20は、センサー信号処理部10か
らの周波数Fをカウントするカウント部、カウント部か
らの信号を所定の演算式にて演算し水分濃度ppmに換
算する演算処理部などを有する。
【0053】本実施例における変換回路10で出力され
る周波数と静電容量の関係は、下記の式(12)のよう
に表わされる。
【0054】
【数12】 ここで、F :出力周波数 C :水分センサーの静電容量(C=XC +XB ) XC :水分濃度で変化する成分 XB :水分センサーの固有成分(ベース容量) C’:回路定数(静電容量) R :回路定数(抵抗) k :回路の特性係数
【0055】従って、上記式(5)と式(12)とを利
用して、周波数から液中水分濃度を求める自動演算のた
めの関係式を求めることができる。水分濃度Lと出力周
波数Fの関係式は、次の式(13)の通りである。
【0056】
【数13】
【0057】なお、X1 、X2 は、例えば高濃度(L
1 )、中濃度(L2 )、低濃度(L3)の3点の水分濃
度にてそれぞれ実際に測定して得られた周波数値F1
2 、F3 を式に代入することにより得ることができ
る。
【0058】ここで、上記式(13)を実験により検証
した結果、図8のように、上記式(13)による計算値
と実測値とが良く一致することが明らかになった。即
ち、油中水分測定装置における計算のアルゴリズムに、
基本的に、上記式(13)を用いれば、式(13)の逆
極数として水分濃度L(ppm)を算出し、表示するこ
とが可能である。
【0059】そこで、上記式(13)を変形して、マイ
クロコンピュータ20の演算処理部における計算のアル
ゴリズムに適したものとするべく、種々検討した。その
結果、製品に具体化するには、下記の式(14)に変形
することが極めて好適であることが分かった。
【0060】
【数14】
【0061】上記式(14)の係数X、Y、Zは、測定
する液種に対しての各センサー固有の定数であり、従っ
て、上記より理解されるように、例えば高濃度(L
1 )、中濃度(L2 )、低濃度(L3 )の3点の水分濃
度にてそれぞれ実際に測定して得られた周波数値F1
2 、F3 を式に代入することにより得ることができ
る。これら数値データは、液中水分測定装置のマイクロ
コンピュータのROMに記憶させておき、電源投入時に
定数X、Y、Zを計算し、計測時に式(14)に入力す
ることができる。図9に、本発明に従った液中水分測定
装置による水分量検知測定結果と、カールフィッシャー
法による測定結果を示す。両測定結果の間に相関がある
ことが分かる。
【0062】本発明の液中水分測定装置は、上述のよう
に、実測値L1 、L2 、L3 、F1、F2 、F3 を入力
することにより、上記式(14)を含んだアルゴリズム
にて液体中の水分量測定が可能であるが、現実には、長
期の使用などによりセンサーの出力特性が変化し、カー
ルフィッシャー法で測定した測定値と、本発明の測定装
置の表示値との間にズレが生じる場合がある。この場合
には、式(14)の代わりに、次の式(15)を使用す
れば良い。
【0063】
【数15】 ここで、L :液中水分濃度(ppm) F :測定周波数(KHz) A、B、β:補正係数
【0064】上記式(15)に基づく校正方法を、図1
0を参照して、説明する。 (1)始めに、液中水分測定装置にて実測して得られ
る、L1 、L2 、L3 、F1 、F2 、F3 の数値を装置
に設けられた設定スイッチ40を操作して入力する。こ
のとき、A=0、B=0、β=1とする。 (2)上記(1)の後、カールフィッシャー法による実
測水分濃度と、測定装置の表示との関係をチェックす
る。実測水分濃度と測定装置の表示との関係が、図10
に示すように、目標のaからbのようにズレた場合に
は、以下のような校正を行なう。 (3)β補正係数を入力する。
【0065】測定装置の特性は、曲線b’から曲線へ
と移動する。 (4)A補正係数を入力する。
【0066】測定装置の特性は、曲線から曲線へと
移動する。 (5)B補正係数を入力する。
【0067】測定装置の特性は、曲線が平行移動して
目標曲線a’へと移動する。これにより、実測水分濃度
と測定装置の表示との間に存在したズレがなくなる。即
ち、実測水分濃度と測定装置の表示との関係は、bが目
標のaと一致するように補正される。
【0068】このような校正方法を採用することによ
り、検知対象油種を、極端に性質の異なる、例えばトラ
ンス油からエステルに変えたような場合にも、本発明の
液中水分測定装置は極めて有効に機能することができ
る。
【0069】次に、上記補正係数A、B、βの求め方に
ついて説明する。
【0070】上記式(15)中の定数A、B、βは、測
定する水分濃度範囲において任意の2点の水分濃度とそ
のときの液中水分測定装置の出力周波数からの計算値と
して得ることができる。つまり、水分濃度と周波数をそ
れぞれLa 、Lb 、Fa 、Fb とすると、下記の式(1
6)となる。
【0071】尚、Fa 、Fb における式(15)による
計算値をLa ’、Lb ’とすると、
【0072】
【数16】
【0073】ここで、X、Y、Zは、上述したように、
任意の水分濃度、例えば高濃度(L1 )、中濃度(L
2 )、低濃度(L3 )と、そのときの周波数出力F1
2 、F3 から計算される液体の種類に関する定数であ
り、上述と同様に、次の式(17)により求められる。
【0074】
【数17】
【0075】上記校正方法を適用してトランス油、エス
テルなどを測定した場合のカールフィッシャー法による
実測水分濃度と、検知器の表示との関係が図11及び図
12に示される。これらの図から、上記式(15)に従
った計算アルゴリズムを含んだ演算処理部を有するマイ
クロコンピュータに対して、測定時に、カールフィッシ
ャー法による実測値と検知器の表示が合うように数値を
調整して、補正係数A、B、βを設定スイッチによりイ
ンプットすることにより、本発明の測定装置を好適に校
正することができ、それによって、種々の液体の水分検
知に適用し得る。
【0076】本発明に従った液中水分測定装置の操作手
順を示すフロー図の一実施例を図3に示す。
【0077】図3について説明すると、先ず、装置の電
源がON又はリセットされると(ステップ1)、装置の
初期化が行なわれ(ステップ2)、演算式(14)或は
(15)のX、Y、Zを、装置に設けられた設定スイッ
チ40を操作して入力するか、或は予め記憶部のROM
に貯蔵されている定数L1 、L2 、L3 、F1 、F2
3 から計算する。
【0078】次に、設定モードの必要があるか否かを調
べ、必要とあれば、定数A、B、βを、装置に設けられ
た設定スイッチ40などを用いて入力する。もし、この
ときオペレータなどが勝手に外部から定数の入力をする
のを防止したい場合には、装置内に内部スイッチを設
け、このスイッチがOFFの時は、外部入力が不可能と
することもできる。又、設定モードには、アラーム設定
(HI、LO)を含むことができ、水分値が許容範囲外
となった時に警報を発するように構成することができ
る。
【0079】設定モードには、サンプル時間の設定を含
むことができ、定数A、B、β及びアラームの設定が終
わるか、或はその必要がない場合には、次にサンプル時
間の設定を行なう(ステップ5)。例えばサンプル時間
は1秒とされる。
【0080】次に、ステップ6にて計測を行ない、セン
サー処理部10からマイクロコンピュータ20へと1秒
間のパルス数を周波数(F)とする信号が入力され、カ
ウンタ部でその周波数がカウントされる。計測時には、
好ましくは、水分量測定と同時に油の温度を温度センサ
ー(サーミスタなど)にて計測し、その計測結果がマイ
クロコンピュータ20に入力され、センサー信号処理部
10からの信号の温度補正が行なわれる(ステップ
7)。
【0081】次に、マイクロコンピュータ20の演算部
にて、演算式(14)或は(15)を用いて演算され
(ステップ8)、センサー信号処理部10を介してコン
ピュータ20に入力された水分センサーSの信号が、最
終的に水分値表示部30にて水分濃度(ppm)により
表示される(ステップ9)。
【0082】尚、上記において、定数A、B、β及び
X、Y、Zは全て外部操作により入力しても良く、ま
た、全て予め、マイクロコンピュータの記憶部に記憶さ
せ、電源投入時に自動的に演算部に設定して、演算でき
るようにしても良い。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る液中
水分測定装置は、液中の水分を検知するための静電容量
型水分センサーの静電容量の変化に応じて、CR発信回
路により周波数の変化に変換し、その信号をマイクロコ
ンピュータにより演算して水分濃度をppmにて出力す
る構成とされるために、小型で且つ精度が高く、しかも
校正の容易であり、低コストであるという特長を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液中水分測定装置の一実施例の概
略構成図である。
【図2】本発明に係る液中水分測定装置の一実施例の概
略構成ブロック図である。
【図3】本発明に係る液中水分測定装置の一実施例の操
作手順を示すフロー図である。
【図4】ラングミュア型吸着等温線の一例を示す図であ
る。
【図5】液中水分濃度と静電容量の関係曲線の一例を示
す図である。
【図6】水分センサーの特性を示す図である。
【図7】水分センサーの特性を示す図である。
【図8】液中水分濃度と水分センサーの出力周波数の関
係を示す図である。
【図9】本発明に係る液中水分測定装置の出力と、カー
ルフィシャー法による実測値のと関係を示す図である。
【図10】本発明に従った校正方法の原理を説明する図
である。
【図11】本発明に係る液中水分測定装置における、校
正前と校正後における本発明に係る液中水分測定装置の
出力と、カールフィシャー法による実測値のと関係を示
す図である。校正前は、トランス油に係るX、Y、Zの
データを入力し、A=0、B=0、β=1.0として水
分測定を行なった結果であり、校正後はこれに本発明の
方法により、A、B、βを求めて、それで校正した後の
測定結果である。
【図12】本発明に係る液中水分測定装置における、校
正前と校正後における本発明に係る液中水分測定装置の
出力と、カールフィシャー法による実測値のと関係を示
す図である。校正前は、トランス油に係るX、Y、Zの
データを入力し、A=0、B=0、β=1.0として水
分測定を行なった結果であり、校正後はこれに本発明の
方法により、A、B、βを求めて、それで校正した後の
測定結果である。
【符号の説明】
10 センサー信号処理部 11、12 シュミットインバータ 20 マイクロコンピュータ 30 水分値表示部 S 静電容量型水分センサー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液中の水分を検知するための静電容量型
    水分センサーと、前記静電容量型水分センサーの静電容
    量の変化に応じて出力する周波数が変化するCR発信回
    路を備えたセンサー信号処理部と、下記演算式(1)に
    従って前記センサー信号処理部からの出力周波数(F)
    を水分濃度(L)に換算する演算処理部を備えたマイク
    ロコンピュータと、前記マイクロコンピュータからの水
    分濃度出力を表示する水分値表示部とを備えたことを特
    徴とする液中水分測定装置。 【数1】 ここで、X、Y、Zは、液種及びセンサーによって決定
    される定数である。
  2. 【請求項2】 前記センサー信号処理部からの出力周波
    数(F)は、下記演算式(2)にて水分濃度に換算され
    る請求項1の液中水分測定装置。 【数2】 ここで、X、Y、Z及びA、B、βは、液種及びセンサ
    ーによって決定される定数である。
  3. 【請求項3】 前記定数A、B、βは、外部操作により
    入力される請求項2の液中水分測定装置。
  4. 【請求項4】 前記定数X、Y、Zに関するデータは、
    マイクロコンピュータの記憶部に内蔵され、電源投入時
    に上記演算式に入力され、演算される請求項1、2又は
    3の液中水分測定装置。
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DE4493593T DE4493593T1 (de) 1993-05-27 1994-05-26 Vorrichtung zum Messen des Feuchtigkeitsgehaltes in Flüssigkeiten

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998003858A1 (en) * 1996-07-19 1998-01-29 Honeywell Inc. Humidity sensing circuit
CN103048364A (zh) * 2012-11-28 2013-04-17 华南农业大学 一种基于rc网络频率特性的土壤含水量测量装置和方法
CN104237331A (zh) * 2014-10-10 2014-12-24 中国航空工业集团公司北京长城航空测控技术研究所 一种油液微量水分在线监测传感器

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