JPH06331845A - 平面状光導波路の製造方法 - Google Patents

平面状光導波路の製造方法

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JPH06331845A
JPH06331845A JP14138493A JP14138493A JPH06331845A JP H06331845 A JPH06331845 A JP H06331845A JP 14138493 A JP14138493 A JP 14138493A JP 14138493 A JP14138493 A JP 14138493A JP H06331845 A JPH06331845 A JP H06331845A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機重合体材料の厚膜積層に際し,ソルベン
トストレスクラッキングや再溶解の発生がなく,均一の
塗膜で,かつ散乱損失の少ない平面状光導波路の製造方
法を提供すること。 【構成】 クラッド層用の第1有機重合体材料を溶解し
た原料溶液10と,コア層用の第2有機重合体材料を溶
解した原料溶液20を準備し,基板4をクラッド層用の
原料溶液10に浸漬し,乾燥する第1積層工程を行な
い,その後コア層用の原料溶液20に基板4を浸漬し,
乾燥する第2積層工程を行う。上記浸漬は,それぞれ複
数回行ない,その間に基板4の下端41と上端42との
反転を行う。また乾燥時には,塗膜を鉛直方向となし,
また塗膜からの溶媒蒸発量を抑制して乾燥を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,光導波路材料として有
機重合体材料を積層することにより構成した,平面状光
導波路の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来,長距離光通信や光情報処理の分野に
おいては,高信頼性化,高速化,低損失化,小型化を実
現するために光回路素子の集積化が進められている。そ
して,その主要構成部品として平面状光導波路も種々検
討されている。従来,これらの分野では,主として,単
一モードの光伝送を前提としており,導波路の口径が1
0μm角以下で,比屈折率差も1%以下といった構成の
光導波路が作製されている。
【0003】また,光導波路用の材料としても,酸化物
結晶,ガラス,半導体,有機材料といったあらゆる材料
が検討されている。この中でも有機材料は,材料コスト
が最も安く,量産性に優れていることから,短距離用途
を中心とする民生品への応用が期待されている。また,
基板上への有機材料による成膜は,通常スピンコーティ
ング法が用いられており,小面積であれば比較的良好に
膜厚の均一性が得られている。
【0004】
【解決しようとする課題】上述したように,従来法によ
る有機材料を用いた平面状光導波路の作製法は,有機重
合体材料を溶媒に溶かし,スピンコーティングにより基
板上に成膜させる方法が一般的である。しかしながら,
この方法では厚さ10μm以上で,且つ,面内で膜厚の
均一生の高い成膜は困難であった。
【0005】更に,厚膜を積層する場合は,一般に膜内
の溶媒が全て蒸発するまで長時間を要する。そのため,
既に塗布乾燥している下層の重合体膜が溶媒に接する時
間が必然的に長くなり,ソルベントストレスクラッキン
グという亀裂が発生する。或いは,境界面における再溶
解が徐々に進行し,その結果2種の有機重合体材料によ
る混合層を生じ,この混合層の厚みが使用波長に対して
無視できない大きさになるという問題点があった。
【0006】ソルベントストレスクラッキングは,構造
的な光の散乱中心となり,混合層は屈折率のランダムな
揺らぎによる光の散乱を生じる。そのため,これら両者
は平面状光導波路の損失要因となる。また,上記混合層
に関しては,高分子材料と溶媒の溶解度パラメータとい
う概念を用いて,両者の組み合わせを規定する試みが提
案されている(特開昭62−6202号公報)。
【0007】しかし,この規定は溶解の容易性を図るも
のであり,混合層の発生の有無を表現するものではな
い。特に長時間にわたり溶媒に接していたり,高温乾燥
の場合においては,上記混合層の厚みは容易に使用波長
以上になってしまうという問題点があった。本発明は,
上記問題点に鑑み,有機重合体材料の厚膜積層に際し,
ソルベントストレスクラッキングや再溶解の発生がな
く,均一塗膜を有し,散乱損失の低い,平面状光導波路
の製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】本発明は,基板の表面に第1有機重
合体材料よりなるクラッド層及び第2有機重合体材料よ
りなるコア層を順次積層してなる平面状光導波路を製造
するに当たり,上記第1有機重合体材料又は第2有機重
合体材料を溶媒に溶解した原料溶液をそれぞれ準備し,
まずクラッド層用の原料溶液に基板を浸漬し,乾燥する
第1積層工程を行ない,次いで上記クラッド層を形成し
た基板をコア層用の原料溶液に浸漬し,乾燥する第2積
層工程を行う方法であって,上記第1積層工程及び第2
積層工程においては,それぞれ上記浸漬を複数回行うと
共に少なくとも1回は基板の上下方向の反転を行ない,
かつ上記乾燥時には基板における上記原料溶液の塗膜が
鉛直方向に平行な状態にあって,上記塗膜からの溶媒蒸
発量を抑制しながら乾燥を行うことを特徴とする平面状
光導波路の製造方法にある。
【0009】本発明において最も注目すべきことは,上
記第1積層工程及び第2積層工程の浸漬時には上記複数
回の浸漬及び基板の,少なくとも1回の上下反転を行う
こと,乾燥時には上記塗膜を鉛直方向になし,かつ塗膜
からの溶媒蒸発量を抑制しながら乾燥することである。
【0010】即ち,上記第1積層工程においては,第1
有機重合体材料を溶媒により溶解した原料溶液を準備
し,この原料溶液中に基板を浸漬する。浸漬は複数回行
うが,この際少なくとも1回は,基板の上下位置を反転
させた浸漬を行う。これにより,基板上にほぼ均一な塗
膜を形成させることができる。
【0011】上記の上下反転を行わない場合には,基板
の下方における塗膜の厚みが上方よりも大きくなってし
まい,均一厚みとならない。上記複数回の浸漬は,所望
するクラッド層の塗膜厚みが得られるまで行う。その後
は,上記塗膜の乾燥を行う。これにより,基板上にクラ
ッド層が形成される。
【0012】即ち,塗膜形成に当たっては,浸漬法を用
い,基板面を鉛直方向に平行に配置したまま原料溶液中
に浸漬し,引上げ後,例えば溶媒蒸気含有の乾燥ガスに
より塗膜面からの溶媒の蒸発速度を抑制しながら乾燥す
る。塗布された膜は乾燥が進むにつれてゲル化し,最終
的に粘度と乾燥時間で規定される膜厚となる。
【0013】ここで,乾燥時間が溶液の流動による移動
時間に比べ十分長ければ,ゲル状膜の表面張力により膜
面内で平滑な膜面が得られ,余剰の溶液は下方に移動
し,基板から滴下される。また,複数回の浸漬におい
て,基板の向きが常に一定であると,鉛直下方ほど膜厚
が大きくなる。そこで,複数回にわたり浸漬し,且つ,
その途中において,少なくとも1回以上,基板の向きを
上下反転する。これにより,面内で均一な膜厚が得られ
る。
【0014】クラッド層,コア層の厚膜化は,溶媒中に
有機重合体材料を高濃度で溶解した溶媒中に浸漬と乾燥
を繰り返すことにより得られる。この際複数回塗布する
と,既に乾燥もしくはゲル化している同一の有機重合体
材料を再び溶解し,ゲル状の膜を形成する。しかしなが
ら,このゲル状の膜は極端に流動性が悪くなるため容易
に厚膜化が達成される。上記乾燥に当たっては,基板上
の塗膜が鉛直方向となるように基板を垂下させ,塗膜か
らの溶媒蒸発量を抑制しながら乾燥を行う。
【0015】溶媒蒸発量の抑制方法としては,例えばク
ラッド層を形成させる場合には,上記第1有機重合体材
料の原料溶液を作成するに当たって用いた溶媒と同一の
溶媒蒸気を含むガス流を,塗膜の表面に流しながら,加
熱する。この加熱温度は溶媒の沸点よりも低い温度とす
ることが好ましい。沸点よりも高いと,生成されるクラ
ッド層の表面に凹凸を生じ,平面状光導波路の機能に障
害を生ずるおそれがある。
【0016】次に,第2積層工程においては,上記クラ
ッド層を形成した基板を,第2有機重合体材料を溶媒に
より溶解した原料溶液の中に複数回浸漬する。この際に
基板の上下反転を行うこと,乾燥に際して塗膜を鉛直方
向とすること,溶媒蒸発量を抑制すること,その手段な
どは,上記第1積層工程と同様である。これにより,基
板の表面にクラッド層,コア層が順次積層される。ま
た,このコア層の上には,必要に応じて上部クラッド層
を積層する。該上部クラッド層を積層する第3積層工程
は,後述する。
【0017】また,上記基板としては,ガラス,樹脂,
半導体,酸化物結晶などの材料を用いる。クラッド層形
成用の第1有機重合体材料としては,フルオロアルキル
アクリレート,ポリメタクリル酸トリフルオロエチル,
シリコン樹脂などを用いる。コア層形成用の第2有機重
合体材料としては,ポリメチルメタクリレートなどを用
いる。
【0018】上記原料溶液を準備するに当たって,第1
有機重合体材料を溶解する溶媒としては,メチルエチル
ケトン,酢酸エチル,アセトニトリル等の1種又は2種
以上の混合物を用いる。一方,第2有機重合体材料を溶
解する溶媒としては,メチルイソブチルケトン,酢酸n
ブチル,トルエン,クロロベンゼンの1種又は2種以上
の混合物を用いる。
【0019】次に,上記第1積層工程の後に上記第2積
層工程を行うに際して,コア層用原料溶液中の溶媒が乾
燥するまでの乾燥時間をt,第2積層工程における乾燥
温度における上記溶媒に対する上記第1有機重合体材料
の溶解速度をA,製造される平面状光導波路の使用波長
をλとしたとき,これらの間には,「A<λ/t」の条
件が満足されるよう,上記第1有機重合体材料と上記コ
ア層用原料溶液中の溶媒との組合せを選択することが好
ましい。
【0020】即ち,クラッド層の上にコア層の原料溶液
を塗布してコア層を積層していく際には,既に成膜され
ているクラッド層の第1有機重合体材料が,コア層原料
溶液の溶媒と接触する時間が長くなる。そのため,クラ
ッド層とコア層との混合層が生じ,その厚みが光学的損
失を生じる使用波長λ程度に達する場合がある。そこ
で,上記「A<λ/t」の関係を満足する条件で,コア
層の形成を行うことが好ましい。
【0021】上記乾燥時間「t」の単位は時間(Hr)
を,溶解速度「A」の単位はμm/Hrを,使用波長
「λ」の単位はμmを示す。また,「A」は単位時間当
たりの溶解もしくは膨潤した第1有機重合体材料の厚み
を測定することにより得られる。
【0022】例えば,コア層用の第2有機重合体材料と
してポリメチルメタクリレートを用い,原料溶液作成用
の溶媒としてメチルイソブチルケトンを用い,第2積層
工程における乾燥温度を25℃とする。一方,平面状光
導波路の使用波長「λ」を0.66μmとし,t=6H
rとする。そうするとλ/t=0.11μm/Hrであ
る。そのため,「A<0.11μm/Hr」とするに
は,第1有機重合体材料として,上記乾燥温度における
上記溶媒に対する溶解速度が0.1μm/Hr未満のフ
ルオロアルキルアクリレートを用いることになる。
【0023】次に,第1有機重合体材料はフルオロアル
キルアクリレートを用い,上記乾燥時における塗膜から
の溶媒蒸発量を抑制する手段として,上記原料溶液中の
溶媒と同一の溶媒の濃度σの蒸気を含むガス流により,
塗膜面積1cm2 当たり,ガス流速2σCCM/cm2
未満の雰囲気を用いることが好ましい。上記ガス流速の
単位「CCM」は,「cc/分」を示す。
【0024】また,第2有機重合体材料としてポリメチ
ルメタクリレートを用い,その溶媒としてメチルイソブ
チルケトン,酢酸nブチル,トルエン,クロロベンゼン
の1種又は2種以上を用い,乾燥時においては乾燥用雰
囲気ガス流中に混入した溶媒蒸気濃度,及び乾燥用雰囲
気のガス流速により乾燥後の塗膜を制御することが好ま
しい。
【0025】次に,上記のごとく,クラッド層の上にコ
ア層を形成した後には,更に必要に応じて,上記コア層
を包みこむようにして上部クラッド層を形成する。この
場合には,例えば次の方法がある。即ち,上記基板の上
にクラッド層,コア層を順次積層し,更に該コア層の上
に第3有機重合体材料よりなる上部クラッド層を積層し
てなる平面状光導波路を製造するに当たり,上記第2積
層工程の後に上記第1積層工程と同様の操作の第3積層
工程を行う。
【0026】そして,上記第2積層工程の後に上記第3
積層工程を行うに際して,第3有機重合体材料用原料溶
液中の溶媒が乾燥するまでの乾燥時間をt,第3積層工
程における乾燥温度における上記溶媒に対する上記第2
有機重合体材料の溶解速度をA,製造される平面状光導
波路の使用波長をλとしたとき,これらの間には「A<
λ/t」の条件が満足されるよう,上記第2有機重合体
材料と上記上部クラッド層用原料溶液中の溶媒との組み
合わせを選択する。
【0027】上記第3有機重合体材料としては,熱硬化
性シリコン樹脂,フッ素樹脂等がある。また,この第3
積層工程は前記第1積層工程と同様にして,原料溶液中
への浸漬,乾燥を行う。また,上記「A<λ/t」の関
係も同様である。なお,何らかの方法により作製された
光導波路を有する平板を基板として用い,これに本発明
を適用することによっても,複数の導波層を有する平面
状光導波路が得られる。
【0028】
【作用及び効果】本発明においては,上記第1積層工程
及び第2積層工程を行ない,その際の浸漬,乾燥を上記
のごとく操作している。そのため,クラッド層とコア層
との界面に生成される混合層は,平面状光導波路におい
て使用する波長に比較して大きな厚みとならない。その
ため,上記界面の屈折率揺らぎに起因する散乱損失は殆
ど発生せず,低損失の平面状光導波路を得ることができ
る。
【0029】また,前述のソルベントストレスクラッキ
ングの発生機構は,塗膜表面に存在する微視的応力集中
源に発生したクレーズに溶媒が作用して分子鎖を切断す
るものである。しかし本発明によれば,上記微視的応力
集中源発生を極力押えることができるため有機重合体材
料を積層してもソルベントストレスクラッキングは発生
しない。それのみならず,本発明法によれば大面積の基
板上でも,均一,且つ,平滑に有機重合体材料をコーテ
ィング出来る。
【0030】したがって,本発明によれば,有機重合体
材料の積層に際してソルベントストレスクラッキングや
再溶解の発生がなく,均一塗膜を有し,散乱損失の低
い,平面状光導波路の製造方法を提供することができ
る。
【0031】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例にかかる,平面状光導波路の製造方法に
つき,図1,図2を用いて説明する。本例は,図1
(G)に示すごとく,基本的には,基板4の表面に第1
有機重合体材料よりなるクラッド層1及び,第2有機重
合体材料よりなるコア層2を順次積層してなる平面状光
導波路を製造しようとするものである。
【0032】また,最終的には,この平面状光導波路
は,図2(D)に示すごとく,上記コア層2の周囲にこ
れを包み込むように上部クラッド層15が形成され,更
に上部クラッド層15の上に上部基板45が設けられ
る。上記平面状光導波路の製造に当たっては,まず図1
に示すように,第1有機重合体材料を溶媒に溶解したク
ラッド層用原料溶液10(図1A)と,第2有機重合体
材料を溶媒に溶解したコア層用原料溶液20(図1F)
を準備する。
【0033】そして,まず,図1(A),(B)に示す
ごとく,クラッド層用原料溶液10に基板4を浸漬し,
次いでこれを引き上げ乾燥する(図1C)という第1積
層工程を行う。該第1積層工程は,図1(A)〜(E)
に示すごとく,複数回行う。そして,その間に,次回の
浸漬に先立って少なくとも1回は,基板4の下端41と
上端42との上下方向の反転を行う(図1B〜D)。
【0034】また,乾燥時(図1C,E)には,基板に
おける上記原料溶液10の塗膜11が鉛直方向に平行と
なる状態において,上記塗膜11からの溶媒蒸発量を抑
制しながら,乾燥を行う。溶媒蒸発量の抑制は,例えば
塗膜11の表面にクラッド層用原料溶液に用いた溶媒の
蒸気のガス流を当てながら行う。
【0035】次に,基板4の表面にクラッド層1を形成
した後は,図1(F)に示すごとく,基板4をコア層用
原料溶液20の中に浸漬する。次いで,クラッド層形成
の場合と同様に,複数回浸漬,上下反転,鉛直状態での
溶媒蒸発量抑制下の乾燥を行う。これにより,図1
(G)に示すごとく,基板4の表面に,クラッド層1,
コア層2が順次積層された中間体40が得られる。
【0036】次に,図2(A)〜(D)に示すごとく,
上記中間体40において,コア層2の上面にエッチング
マスク3をフォトリソグラフィーにより形成し,ドライ
エッチングによりエッチングを行ないチャンネル型光導
波路22を作製した(図2A〜C)。更に,上記光導波
路22の周囲に,必要に応じて,第1積層工程と同様に
して上部クラッド層15を形成し,更にその上に上部基
板45を設けた。これにより,チャンネル型光導波路を
有する平面状光導波路が製造される。
【0037】実施例2 次に,上記実施例1に示した平面状光導波路の製造につ
き,その具体例を,上記図2,更に図3〜図6を用いて
説明する。即ち,図2(A)に示すように,全長76m
mのガラス材料よりなる基板4上に浸漬法を用い,クラ
ッド層1用の第1有機重合体材料としてフルオロアルキ
ルアクリレート(ダイキン工業(株)製:OP−10
0;屈折率1.39)を成膜する。
【0038】第1有機重合体材料を溶解する溶媒として
はメチルエチルケトンを用いたが,他の溶媒として,酢
酸エチル,アセトニトリル等,もしくはこれらの混合溶
媒も可能である。乾燥後,続いてコア層用の第2有機重
合体材料として,ポリメチルメタクリレート(屈折率;
1.49)を用いて成膜する。溶媒としては,メチルイ
ソブチルケトンとモノクロロベンゼンの混合溶媒を用い
た。
【0039】しかし,溶媒としては,この他に,上記第
1有機重合体材料のフルオロアルキルアクリレートに対
して10時間以上接触しても,クラッド層とコア層の混
合層を形成しない溶媒として,酢酸nブチル,トルエ
ン,及びこれらの混合溶媒がある。これらの溶媒の25
℃における前記フルオロアルキルアクリレートに対する
溶解速度は,全て1時間当たり0.1μm未満であっ
た。これらの成膜条件を表1に示す。
【0040】また,上記図2(B)〜(D)に示すエッ
チング,上部クラッド層15,上部基板45の形成等は
公知の方法を採用した。上部クラッド層15としては,
シリコン樹脂等の非溶剤系の低屈折率樹脂を用いた。上
部基板45としては,ガラスを用いた。
【0041】
【表1】
【0042】上記方法において,第1有機重合体材料の
乾燥は,溶媒と同じメチルエチルケトンの飽和蒸気を,
2 ガス等の不活性ガスにより20%(すなわち,飽和
蒸気濃度σ=0.2)に希釈したものを乾燥ガスとして
用いた。塗膜1cm2 当たりの,単位流路断面積を通過
するガス流量(cc/分/cm2 /cm2 =CCM/c
4 )をパラメータとして,乾燥後の膜厚分布を図3に
示した。同図の横軸は基板の下端から上端までの位置
(ymm)を,縦軸は第1有機重合体材料の膜厚Tμm
を示している。
【0043】同図より知られるごとく,流量が0.4C
CM/cm4 未満では,溶媒の蒸発速度が低くなり,溶
液の下方への移動が容易になるため,溶液が表面張力で
規定される膜厚に収束し,面内での膜厚もほぼ均一化す
ることが分かる。ここで,飽和蒸気の濃度σと流量は比
例関係にあるため,流量は2σCCM/cm4 未満であ
れば,常に一様な膜が得られる。
【0044】次に,上記表1の条件において,第1有機
重合体材料の濃度を12wt%とした場合の成膜後の膜
厚分布を図3と同様にして,図4に示す。同図中,黒点
は2回とも同一方向にディップしたものであり,白点は
上下反転をした結果である。上下反転により膜厚の面内
均一性が向上していることが分かる。
【0045】次に,図5は,クラッド層形成後に,第2
有機重合体材料に4回浸漬した後の膜厚分布を,図3と
同様に示したものである。上記浸漬は,2回同一方向に
浸漬したのち,上下反転して2回浸漬した。これによ
り,良好な均一性を示す厚膜が得られた。また,図6に
は,76×26mm2 の基板を用いて表1の条件でポリ
メチルメタクリレートを成膜し,その際溶媒蒸気のガス
流量を変えた場合の膜厚変化を示す。同図より知られる
ごとく,乾燥時の溶媒蒸気のガス流量を変えることによ
り,広い範囲で膜厚の調整が可能となる。
【0046】また,表1に示したようにコア層形成時の
乾燥時間が6時間であっても,前記混合層の厚みが使用
波長である0.66μmに達しない。そのため,これを
2次元光導波路として用いた場合,そのクラッド層とコ
ア層の境界面での散乱は観測されず,伝播損失も0.2
dB/cmと低かった。上記のごとく,本発明によれ
ば,有機重合体材料の積層に際して,ソルベントストレ
スクラッキングや再溶解の発生がなく,均一塗膜を有
し,散乱損失の低い平面状光導波路を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における平面状光導波路の製造方法を
示す説明図。
【図2】図1に続く,平面状光導波路の製造方法を示す
説明図。
【図3】実施例2における,フルオロアルキルアクリレ
ートを成膜した場合の,乾燥ガス流量と,基板位置及び
膜厚の関係を示す線図。
【図4】実施例2における,フルオロアルキルアクリレ
ートを成膜した場合の,基板の上下反転と,基板位置及
び膜厚の関係を示す線図。
【図5】実施例2における,基板の上下反転を行って,
ポリメチルメタクリレートを成膜した場合の,基板位置
及び膜厚の関係を示す線図。
【図6】実施例2における,ポリメチルメタクリレート
を成膜した場合の,乾燥ガス流量と膜厚との関係を示す
線図。
【符号の説明】
1...クラッド層, 10...第1有機重合体材料の原料溶液, 15...上部クラッド層, 2...コア層, 20...第2有機重合体材料の原料溶液, 22...チャンネル型光導波路, 3...エッチングマスク, 4...基板, 41...下端, 42...上端, 45...上部基板,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 守弘 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 加藤 覚 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 市川 正 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に第1有機重合体材料よりな
    るクラッド層及び第2有機重合体材料よりなるコア層を
    順次積層してなる平面状光導波路を製造するに当たり,
    上記第1有機重合体材料又は第2有機重合体材料を溶媒
    に溶解した原料溶液をそれぞれ準備し,まずクラッド層
    用の原料溶液に基板を浸漬し,乾燥する第1積層工程を
    行ない,次いで上記クラッド層を形成した基板をコア層
    用の原料溶液に浸漬し,乾燥する第2積層工程を行う方
    法であって,上記第1積層工程及び第2積層工程におい
    ては,それぞれ上記浸漬を複数回行うと共に少なくとも
    1回は基板の上下方向の反転を行ない,かつ上記乾燥時
    には基板における上記原料溶液の塗膜が鉛直方向に平行
    な状態にあって,上記塗膜からの溶媒蒸発量を抑制しな
    がら乾燥を行うことを特徴とする平面状光導波路の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記第1積層工程の
    後に上記第2積層工程を行うに際して,コア層用原料溶
    液中の溶媒が乾燥するまでの乾燥時間をt,第2積層工
    程における乾燥温度における上記溶媒に対する上記第1
    有機重合体材料の溶解速度をA,製造される平面状光導
    波路の使用波長をλとしたとき,これらの間には,「A
    <λ/t」の条件が満足されるよう,上記第1有機重合
    体材料と上記コア層用原料溶液中の溶媒との組合せを選
    択することを特徴とする平面状光導波路の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において,第1有機重合体材料
    はフルオロアルキルアクリレートを用い,上記乾燥時に
    おける塗膜からの溶媒蒸発量を抑制する手段として,上
    記原料溶液中の溶媒と同一の溶媒の濃度σの蒸気を含む
    ガス流により,塗膜面積1cm2 当たり,ガス流速2σ
    CCM/cm2 未満の雰囲気を用いることを特徴とする
    平面状光導波路の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において,第2有機重合
    体材料としてポリメチルメタクリレートを用い,その溶
    媒としてメチルイソブチルケトン,酢酸nブチル,トル
    エン,クロロベンゼンの1種又は2種以上を用い,乾燥
    時においては乾燥用雰囲気ガス流中に混入した溶媒蒸気
    濃度,及び乾燥用雰囲気のガス流速により乾燥後の膜厚
    を制御することを特徴とする平面状光導波路の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1において,上記基板の上にクラ
    ッド層,コア層を順次積層し,更に該コア層の上に第3
    有機重合体材料よりなる上部クラッド層を積層してなる
    平面状光導波路を製造するに当たり,上記第2積層工程
    の後に上記第1積層工程と同様の操作の第3積層工程を
    行う方法であって,上記第2積層工程の後に上記第3積
    層工程を行うに際して,第3有機重合体材料用原料溶液
    中の溶媒が乾燥するまでの乾燥時間をt,第3積層工程
    における乾燥温度における上記溶媒に対する上記第2有
    機重合体材料の溶解速度をA,製造される平面状光導波
    路の使用波長をλとしたとき,これらの間には「A<λ
    /t」の条件が満足されるよう,上記第2有機重合体材
    料と上記上部クラッド層用原料溶液中の溶媒との組み合
    わせを選択することを特徴とする平面状光導波路の製造
    方法。
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