JPH06330947A - 金属部材及び重合体複合部材を備えた運動伝達アセンブリ及びその製法 - Google Patents

金属部材及び重合体複合部材を備えた運動伝達アセンブリ及びその製法

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JPH06330947A
JPH06330947A JP14124093A JP14124093A JPH06330947A JP H06330947 A JPH06330947 A JP H06330947A JP 14124093 A JP14124093 A JP 14124093A JP 14124093 A JP14124093 A JP 14124093A JP H06330947 A JPH06330947 A JP H06330947A
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L Vogel Ferdinand
ファーディナンド、エル、ヴォウゲル
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BEAVER PRECISION PROD Inc
BIIBAA PRECISION PROD Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械部品組合せ内で締まりばめになるが、従
来の機械部品組合せより摩擦及び摩耗の生じにくい機械
部品の組合せ及びその製法を提供する。 【構成】 金属部材14,21に移動可能に接合した自
己潤滑重合体複合部材から成るアセンブリは、自己潤滑
コンパウンドを含浸した耐摩耗性の多孔質表面層22を
持つ金属部材21を備えている。重合体複合部材18,
26は金属部材に狭いすきまを置いて接触している。こ
のアセンブリを作る製法は、成形可能な重合体複合材料
を、金属部材の自己潤滑コンパウンドを含浸させた多孔
質表面層につかみ作用を伴って接触するように硬化させ
る。この硬化した重合体複合部材の表面にラッピングコ
ンパウンドを被覆した後、前記重合体複合部材及び金属
部材の間に所定の狭いすきまが得られるまで、硬化した
重合体複合部材を、金属部材の含浸表面層に沿って移動
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に低い摩擦のもと
に小さいすきまを置いて移動可能に接合するのに適する
各機械部品の組合せ、ことに低い摩擦のもとに小さいす
きまを置いて移動可能に接合するのに適する、金属部材
及び重合体複合部材から成る運動伝達アセンブリと、こ
の運動伝達アセンブリの製法とに関する。
【0002】
【発明の背景】精密に組合う低摩擦低摩耗の機械部品を
作る公知の方法では、組合う部品に自動潤滑複合材料を
成形する。たとえばジャーナル軸受は、黒鉛のような乾
性潤滑剤(dry lubricant)を含むエポキ
シ樹脂を、エポキシ樹脂/潤滑剤混合物の硬化に次いで
各部品の分離を容易にする離型剤を塗布したみがき軸に
対し成形することにより作ることができる。エポキシ樹
脂を硬い固体に硬化した後、この軸受を軸から分離しラ
ッピングコンパウンド(lapping compou
nd)で加工しこの軸受が軸を自由に通すが極めて狭い
すきまを持つようにする。軸及び軸受を洗浄しラッピン
グコンパウンドを除去すると、得られる結合体には摩擦
及び摩耗割合が低い。
【0003】この軸受の摩擦及び摩耗は、通常吹付け及
び焼付けにより乾性潤滑剤被覆を軸に施すことによって
さらに減らすことができる。しかし乾性潤滑剤被覆を軸
に施すことにより摩擦及び摩耗の低減ができてもこのよ
うな被覆の使用により切実な障害を伴う。ラッピング処
理に次いで乾性潤滑を施すと2個の組合う部品のすきま
が変る。このようにして得られるはまりあいは緊密すぎ
又は過度のラッピング作用により乾燥潤滑被覆に対しこ
れを施した後余裕を与えることができない。或はラッピ
ング作業に先だって乾性潤滑剤被覆を施すと、この被覆
の大部分は、研摩ラッピング剤により摩耗し摩擦及び摩
耗の低減効果がなくなり又は除かれる。
【0004】従って、機械部品組合せ内で締まりばめに
なるが現在利用できる機械部品組合せより摩擦及び摩耗
が著しく生じにくい機械部品と互いに組合う機械部品の
形成法とが必要である。
【0005】従って本発明の目的は、軸/回転軸受組合
せ、軸/直線軸受(linearbearing)組合
せ、ねじ/ナット組合せ等のような低摩擦、低摩耗の自
己潤滑機械部品組合せとこの組合せを作る方法とを提供
することにある。
【0006】本発明の他の目的は、広い範囲の環境条件
で有用な機械部材組合せを提供することにある。
【0007】なお本発明の他の目的は、連続した長期の
工業的使用のもとで摩擦及び摩耗の少ない高精度の機械
部材組合せを提供することにある。
【0008】
【発明の概要】これ等の又その他の目的は、2部品すな
わち自己潤滑重合体複合物で形成した部材と少なくとも
1種類の金属、金属合金又は金属混合物で形成した金属
部材との運動伝達組合せを提供する本発明により達成さ
れる。重合体複合部材は、自己潤滑剤を含浸した耐摩耗
性の多孔質表面層を持つ金属部材に移動自在に接合する
ようにしてある。この組合せの各部材を互いに接合する
ときは、被覆金属部材は成形部材に小さいすきまを置い
て接触する。
【0009】本発明は又、前記したような金属部材に移
動可能に接合するようにした重合体複合部材を備えた運
動伝達組合せを作る方法に係わる。本発明製法は、 a)耐摩耗性の多孔質表面層を持つ金属部材を設ける段
階と、 b)この金属部材に耐摩耗性の多孔質の表面層に自己潤
滑剤を含浸する段階と、 c)この含浸金属部材を重合
体及び自己潤滑剤から成る成形可能な混合物に接触させ
る段階と、 d)この混合物を硬化させて成形部材を形成する段階
と、 e)この成形部材を金属部材に対してなるべくはラッピ
ングコンパウンドで加工し、前記成形部材及び金属部材
の間のすきまを小さく保ちながら前記成形部材を前記金
属部材に移動可能に接合する段階と、を包含する。
【0010】回転軸受/軸組合せ、直線軸受/軸組合
せ、ねじ/ナット組合せ、直線軸受/スプライン組合
せ、スライダ/案内面組合せ、回転子/ハウジング組合
せ、歯車、カム機構、輸送車両の荷重支持レール及び車
輪、及び本発明の類似の組合せは、従来の公知の組合せ
に対してはるかにすぐれた性能特性を持ち有利である。
【0011】I.運動伝達組合せ 前記した目的は、金属部材に移動自在に接合するように
した重合体複合部材を備えた本発明の運動伝達組合せに
より達成される。金属部材は、少なくとも1種類の金
属、金属合金又は金属混合物で形成され、耐摩耗性の多
孔質表面層を持つ。この金属部材に施す自己潤滑剤の被
覆は、多孔質表面層の多孔内に含浸させ又は侵入してい
る。被覆金属部材及び重合体複合部材は狭いすきまを置
いて接触することができる。
【0012】本発明に関して使う場合に、「運動伝達」
という用語は、一方の部材により運動を伝えるが他方の
部材は主として組合せ空間配置を保持する部材、要素又
は部品の組合せのことである。本発明の組合せの部材は
絶対的には静止状態であるが、両部材は相対的に運動し
ていて、すなわち「運動伝達」の状態にある。本発明の
組合せは又両部材間で力を伝える組合せを含んでもよ
い。
【0013】この運動伝達組合せは、1個所又は複数個
所の機械的接触部を持ち各部材により又はこれ等の部材
間に運動又は力或はこれ等の両方を伝えるようにした任
意の具体的に適用できる。運動伝達機械的接触部の例に
は、ジャーナル軸受のような滑り軸受と、玉軸受、ころ
軸受及び針状ころ軸受のような転動部材軸受とを含む軸
受/軸組合せと、ねじ/ナット及びボルト/座金組合せ
のようなねじファスナ/鎖錠装置組合せと、互いに組合
う又はかみあう平歯車及びはすば歯車を含む歯車と、摩
擦を伴って接触する互いに対向する2表面を持つ摩擦ク
ラッチと軸に直交する円板及び板部材を利用する軸線方
向クラッチと内側部材及び外側部材をレースに乗る同心
のころ又はボールにより互いにくさび作用で止めたオー
バランニングクラッチとのようなクラッチと、実際上た
わみ性ラックを形成する1連の互いに連結したジャーナ
ル軸受であるローラチェーンを備えたチェーン駆動装置
と、カム機構と、レール又は軌道に乗る軌道車両又は自
動案内車両システムのような運搬車両の荷重支持レース
又は軌道及び車輪等とがある。
【0014】これ等の各実施例では運動伝達組合せの部
材の少なくとも一つは重合体複合部材であり、少なくと
も1つの他の部材は金属部材であり、そして重合体複合
部材は金属部材に移動可能な接合に適する。この説明で
使用する場合に「移動可能な接合に適する(adapt
ed for movable joinder)」と
いう語句は、2個の部材を互いに接合するときに一方の
部材が他方の部材に対して移動できることを意味する。
たとえば本発明による運動伝達組合せは、静止した(絶
対的な意味で)金属軸とこの軸のまわりに回転する重合
体複合品軸受とにより構成できる。或は両部材は、2個
の互いにかみあう平歯車の場合のように共に動くことが
でき、又は重合体複合部材が静止(絶対的な意味で)し
金属部材を可動にしてもよく、これはたとえば金属製玉
軸受/重合体複合ハウジング組合せの場合である。
【0015】自己潤滑剤を含浸させた耐摩耗性多孔質表
面層を持つ本発明組合せの金属部材は、重合体複合部材
に狭いすきまを置いて接触することができる。金属部材
の全表面積の全部又は一部は重合体複合部材に接触する
が、金属表面の少なくとも重合体複合部材に接触する部
分は耐摩耗性で多孔質であり自己潤滑剤を含浸させてあ
る。ここで使う「含浸(impregnated)」と
は、自己潤滑剤が金属部材の多孔質表面層の多孔内に浸
入することを意味する。前記したように従来知られてい
る機械部品組合せから生ずる機械的接触部は実質的な摩
擦摩耗を生じ機械部品の特定寸法からの許容できない偏
差を招き不利である。本発明に関して使う場合に「狭い
すきま(low clearance)」という語句
は、この金属部材の含浸した耐摩耗性の多孔質表面が重
合体複合部材に接触し一方又は両方の部材が他方に対し
動くときは、本発明組合せにより得られる耐摩耗性及び
摩擦は各部材が相互に緊密にすべりばめの状態になりし
かも自由に相対的に可動になるような値であることを意
味する。金属部材及び重合体複合部材の間のすきまは、
これ等の部材を互いに接合したときに、約2.5μmす
なわち0.0001インチから約100μmすなわち
0.04インチまでの範囲がよくなお約5μmすなわち
0.0002インチから約50μmすなわち0.002
インチまでの範囲が一層よい。
【0016】本発明は、2つの部材の組合せに限るもの
でなく又多重の重合体複合部材及び単一の金属部材、単
一の重合体複合部材及び多重金属部材又は多重重合体複
合部材及び多重金属部材の運動伝達組合せも含むもので
ある。たとえば典型的な玉軸受用で多重転動要素又はボ
ールは2個の環又はレースにより形成した円形のみぞ又
は軌道のまわりに互いに等しい間隔を隔てている。印加
負荷の軸受への付加時に、この負荷はレースを経て複数
の又は全部の転動要素に不均等に配分される。さらに本
発明は、部材又は各部材が1個又は複数個の他の部材に
運動を伝えることに関して限定するものではない。典型
的には金属部材から重合体複合部材に力を伝えるが、又
重合体複合部材から金属部材に力を伝えてもよい。
【0017】II.重合体複合部材 本発明の力伝達組合せの少なくとも1個の部材は自己潤
滑重合体複合物から形成してある。この複合物は、重合
体と自己潤滑コンパウンドとから成る実質的に均質な混
合物から成っている。
【0018】自己潤滑重合体複合物の重合体は、自己潤
滑剤を含む実質的に一様な混合物を形成する任意の有機
重合体でよい。有用な重合体は、成形し又は硬化する
と、実質的に非溶融性かつ非融解性であり、又は約60
0°Fまでの工業的用途で使う作動温度において熱を加
えると他の方式では実質的に再溶融、再成形、溶解又は
変形を生じない。本発明の複合物に有用な出発重合体材
料は、粉末、粒状品、予備成形品の場合のようにピル、
錠剤、ビスケット又は予備成形品のような固体、予備混
合品、ゲル、パテ、ドウ又はスラリのようなバルクモー
ルディングコンパウンド、又はフローマット又はモール
ドマットのようなシートモールディングコンパウンドで
よい。或は出発重合体材料は、液体樹脂の場合のように
流体、半流体又は液体でもよい。
【0019】重合体の性質は、可塑性、たわみ性、強
さ、剛性、高い又は低い密度、耐温度性、弾性、変形
性、接着性、粘着性、高分子接着性、結晶化度又は非結
晶化度、及び又は高い或は低い分子量のような性質が得
られるように所望に応じて選定すればよい。これ等の性
質に対する好適な値は次の通りである。
【0020】表 1 引張強さ 約4,000PSI以上 引張りモジュラス 約8×105PSI以上 曲げ強さ 約8,000PSI以上 屈曲モジュラス 約7×105PSI以上 圧縮強さ 約13,000PSI以上 衝撃強さ 約0.5ft−lb/in ロックウエル硬さ 約E60以上
【0021】表1に示した任意の又は適当に分類した数
のこれ等の性質を持つ重合体とこれ等の重合体の製法と
は重業体技術の当業者にはよく知られている。
【0022】一般に本発明に有用な重合体には、熱硬化
性重合体、熱可塑性重合体、又は熱硬化性も熱可塑性も
持つ重合体がある。有用な熱硬化性重合体には、ビスフ
エノール−Aエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂のような
架橋した又は網目の重合体、単量体ジアリルフタレート
(DAP)、ジアリルイソフタレート(DAIP)及び
アリルジグリコールカーボネートから生成したエステル
のようなアリルエステル、尿素−ホルムアルデヒド(U
F)及びメラミン−ホルムアルデヒド(MF)のような
アミノ重合体、フエノール樹脂又はフエノール−ホルム
アルデヒド(PF)重合体、アルキド樹脂のような網目
のポリエステルを含むポリエステル、ポリイミド、シア
ノアクリレート、ポリウレタン、シリコーン樹脂のよう
なシリコーン、及びこれ等重合体の混合物がある。熱硬
化性重合体の一般的説明では、テイー・リチャードソン
を著者とする論文コンポジッツ(Composite
s):デザインガイド(A Design Guid
e)65ないし81頁〔インダストリアル・プレス・イ
ンコーポレイテッド(Industrial Pres
s, Inc)1987年刊行〕を参照すればよい。そ
の内容は本説明に参照してある。機械的設計における工
業材料として有利な成形エポキシ樹脂は、マテリアルズ
・エンジニアリングMaterials Engin
eering)(1983年4月刊)のジエイ・エム・
ウイルソン(J.M.Wilson)を著者とする論文
「機械的設計における金属代替成形エポキシ樹脂」に記
載してある。この論文の説明も又本説明に参照してあ
る。ケミカル・エンジニアリング(Chemical
Engineering)69頁ないし83頁(198
8年10月24日)の「構造材料:現用文献」に工業的
に利用できる種種の工業的エポキシ樹脂について記載し
てある。この記載も又本説明に参照してある。
【0023】本発明の運動伝達組合せの使用の際に出会
う作用温度に露出してもあまり柔らかくならない熱可塑
性又は鎖状の重合体、たとえばポリスチレン、ポリエチ
レン、ポリ塩化ビニル及びポリエチレテレフタレートも
又本発明に有用である。熱硬化性でもあり熱可塑性でも
ある重合体も又本発明に有用である。たとえば架橋結合
分子を持ち負荷及び高い温度のもとで向上した寸法安定
性を持つ変性したポリエチレン及びポリ塩化ビニル重合
体が利用できる。たとえばこの説明に参照したエイ・ル
ーデイン(A.Rudin)の著書重合体の科学及び工
学の要素23頁ないし24頁(1982年刊)を参照す
ればよい。
【0024】本発明の自己潤滑重合体複合物内の重合体
の量は、この複合物の全重量に基づいて約30重量%な
いし約99重量%の範囲であり約70ないし80重量%
が好適である。
【0025】本発明の自己潤滑重合体複合物に有用な自
己潤滑コンパウンドは、重合体との実質的に一様な混合
物を生成することのできるコンパウンドである。これ等
の自己潤滑コンパウンドは、それぞれ弱い分子間力によ
り相互にゆるく結合して保持された層から成る層状組織
によって、低いせん断力及び低い摩擦力を持つ、黒鉛、
二硫化モリブデン(MoS2)及び二硫化タングステン
(WS2)のような固体潤滑剤から成る。有用な自己潤
滑コンパウンドは又、黒鉛のインタ−カレイションコン
パウンド又はジカルコゲナイド(dichalcoge
nides)のようなインタ−カレイテイド(inte
rcalated)固体物質、或は酸化銀、酸化鉛、酸
化カドミウム又は酸化亜鉛のような酸化物から構成でき
る。或は自己潤滑コンパウンドは、ペルハロオレフイン
(perhaloolefin)なるべくはペルフルオ
ルオレフイン(perfluoroolefin)たと
えば商標名テフロンTMとして工業的に利用できるポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)、フルオン(Flu
on)及びフルオロフレックス(Fluorofle
x)のような可塑性潤滑剤、或は類似の非粘着性物質に
より構成できる。本発明による自己潤滑コンパウンドは
又適当な担体、添加剤、充てん剤等により構成してもよ
い。
【0026】自己潤滑重合体複合物内の自己潤滑コンパ
ウンドの量は、この複合物の全重量に基づいて約1重量
%ないし約70重量%の範囲であり、約20ないし30
重量%が好適である。
【0027】この場合有用な自己潤滑重合体複合品の適
当な工業用製剤は、西独のグライトベラーク・テヒニッ
ク(Gleitbelag−Technich)GMb
H製のエポキシ材であるSKC3と、西独の商標名デイ
マントTM・メタルプラステイック(商標名Diaman
TMMetall Plastic)GMbH製の別の
エポキシ樹脂であるモグライス(Moglice)P5
00と、米国ペンシルバニア州モンゴメリビルのITW
フイラデルフイア・レジンズ・コーポレイション(Ph
iladelphia Resins Corpora
tion)製のエポキシ材であるスーパー・アロイーブ
ラック(Super Alloy−Black)150
0LFと、米国ミシガン州ポート・ヒューロンのすべて
インターカル(Intercal)製のインターカレイ
テイド黒鉛材である商標名INTERCALTMEP2
8、EP66及びEP49とがある。商標名インターカ
TM製剤はインターカレイテイド黒鉛で強化した有機質
母材複合物である。これ等の製剤の調整法は米国特許第
4,414,142号明細書に記載され、その記載は本
説明に参照してある。
【0028】III.金属部材 本発明による運動伝達組合せは又少なくとも1個の金属
部材を含んでいる。この金属部材は所望の用途で生ずる
運動又は力或はこれ等の両方に耐えこれ等を伝達するの
に十分な強度を持つ任意の金属又は合金から成ってい
る。有用な金属には一般に、アルミニウム、クロム、
銅、鉄、チタン、ニッケル、タングステン、バナジウ
ム、亜鉛、ジルコニウム又はこれ等の金属の合金又は混
合物がある。前記の金属の表からの特定の選択は合金又
は混合物中に含める場合だけ適当である。本発明に有用
な金属混合物は炭素のような非金属材料を含んでもよ
い。
【0029】前記の金属、金属合金又は金属混合物の性
質は、耐食性、降伏強さ、引張強さ、伸び、硬さ、延
性、密度、比重、融点、熱伝導率、抵抗率、引張弾性率
及び成形性のような性質が得られるように所望に応じて
選定する。任意の又は適当に分類した数のこれ等の性質
を持つこれ等の金属、金属合金又は金属混合物は金属技
術関係の当業者にはよく知られている。これ等の性質に
対する数値の選択は含まれる特定の用途による。機械的
な運動又は力の伝達に対する要求時にこのような数値の
例は次の通りである。
【0030】 表 2 降伏強さ 8,000〜40,000PSI 引張強さ 30,000〜150,000PSI 圧縮強さ 40,000〜200,000PSI 衝撃強さ 10〜150ft−lb(V切欠きシャルピー試 験により測定した) 硬さ ロックウエル H50−C60
【0031】本発明の金属部材の表面は多孔質である。
ここで使う場合に「多孔質」という用語は、金属の表面
層がこの金属の表面に施す有効量の自己潤滑コンパウン
ドを多孔内に浸入させるのに十分な多孔組織又は多孔率
すなわち多孔度を持つことを意味する。金属部材の表面
層の多孔度はこの金属部材の含浸に先だっては約1ない
し約35体積%の範囲でありなおなるべくは約10ない
し約15体積%の範囲である。
【0032】この金属部材の多孔質表面層は又耐摩耗性
を持つ。耐摩耗性は、金属部材を形成するのに使う金
属、金属合金又は金属混合物の固有の特性であり、又は
当業界にはよく知られている方法でたとえば陽極処理に
より又は外部無電界被覆を施すことによって人工的に得
られる。又以下の方法の説明で耐摩耗性多孔質層を得る
方法についてのさらに詳しい説明を参照すればよい。
【0033】自己潤滑コンパウンドを構成する被覆は、
この被覆を施すのに先だって金属表面の性質により得ら
れる耐摩耗性のほかに摩擦を減らし摩滅及び摩耗に対す
る抵抗を増すように本発明の運動伝達組合せの金属部材
の耐摩耗性の多孔質表面層に施す。自己潤滑重合体複合
部材に有用な前記した自己潤滑コンパウンドの任意のも
のを、金属部材用の被覆の自己潤滑コンパウンドとして
利用する。
【0034】被覆金属部材の好適な配置は、金属部材の
表面の多孔内への自己潤滑コンパウンドの被覆の含浸又
は浸入によって生ずると考えられる。このようにして金
属表面及び被覆の間の適当な接着が得られる。
【0035】自己潤滑コンパウンドを含む被覆は、フル
オロポリマイトテロマー粉末(fluoropolym
ite telomere powder)でよい。適
当に工業的に利用できるこの粉末の噴霧はミシガン州ポ
ート・ヒューロンのアキソン・コロイズ・カンパニ(A
cheson Colloids Co.)製のGP1
589である。
【0036】自己潤滑コンパウンドを含む被覆は、米国
ニュージャージー州リンデンのジェネラル・マグナプレ
イト・コーポレイション(General Magna
plate Corporation)から市販されて
いる商標名タフラムTM(TuframTM)のような工業
的に利用できる「相乗作用」被覆(synergist
ic coatings)の1種でよい。相乗作用被覆
は、主金属、間欠的接着層及び注入又は含浸重合体面が
もとの成分とは異なる性質を持つ一体材料になる。製品
パンフレットには、ジエネラル・マグナプレイト・コー
ポレイション製の「タフラムすなわちアルミニウムの耐
食性、硬さ及び潤滑性を改良する相乗作用被覆の商標名
タフラム(Tufram)と、モダン・メタルズ(Mo
dernMetals)第46頁(1976年5月)の
論文「アルミニウム部品のタフ、スリック・ハイド・エ
キスパンズ・マーケッツ(Tough,Slick H
ide Expands Markets)」と、マヌ
ファクチュアリング・エンジニアリング(Manufa
cturing Engineering)第56頁
(1977年8月)の論文「アルミニウムを硬くし耐腐
食/侵食性にする被覆」とが記載してある。これ等の論
文はすべて、本説明に参照してあり、アルミニウムの商
標名タフラムTM被覆がテトラフルオロエチレン(TF
E)をアルミニウム表面に含浸させることを記載してあ
る。このアルミニウム表面は被覆を施す前に陽極処理を
行っても行わなくてもよい。被覆は増大した耐摩耗性及
び恒久的乾燥潤滑性を生ずるのがよい。他の工業的に利
用できる協力作用被覆は、同様にジェネラル・マグナプ
レイト・コーポレイションにより開発されたレクトロフ
ルオル(Lectrofluor)である。これは鉄金
属及び非鉄金属にアライド・ケミカル(Allied
Chemical)社の商標名ヘイラーTM(Halar
TM)フルオロ重合体を含ませたものである。このレクト
ロフルオロ(Lectrofluor)製品はジエネラ
ル・マグナプレイト・コーポレイションの製品パンフレ
ット「スイナーギステイック・タイムズ(Synerg
isticTimes)」とケミカル・エクイップメン
ト(Chemical Equipment)第36頁
(1965年2月)の「金属用新相乗作用(syner
gistic)フルオロポリマーコーテイング」とに記
載してある。これ等の記載は本説明に参照してある。第
3の協力作用被覆は、マグナプレイト・コーポレイショ
ンの「マグナプレイト・ニューズ(Magnaplat
e News)(1978年)に記載してあるようにジ
ェネラル・マグナプレイト社から商品名NEDOXとし
て市販されている。この記載は本説明に参照してある。
米国ウイスコンシン州グリーン・ベイ市のパイオニア・
ノーレルコート(Pioneer−Norelkot
e)社から市販されている製品のハードリューブ(Ha
rdlube)は、アルミニウムを陽極処理しポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)で処理するのに有用な
別の被覆であり処理部分に摩擦、摩耗及び摩滅に対する
所望の耐性を与えるのを好適とする。
【0037】IV.調製法 金属部材に可動なように接合するようにした重合体複合
部材を備えた運動伝達組合せを作る方法が又本発明によ
り得られる。
【0038】本方法の初期工程として、耐摩耗性の多孔
質面を持つ金属部材を設ける。このような表面は金属部
材に固有のものである。そうでなければこのような表面
は、金属部材の表面を陽極処理することによって得られ
る。金属仕上げ業界ではよく知られている処理である陽
極処理では、50%硫酸溶液のような電解浴中に金属部
材を浸し、この浴に電流を通ずることから成っている。
陽極処理しようとする金属部材は正端子とする。電流密
度は約25A/ft2がよく、浸漬時間は少なくとも約
1hrがよい。
【0039】陽極処理は又、本方法に使う金属部材に酸
化物表面を得る方法でもある。たとえばアルミニウム部
材は陽極処理してこの部材の表面に酸化アルミニウム層
を生成することができる。この層は、前記したような自
己潤滑化合物を含浸するのに適当な耐摩耗性の多孔質組
織を持つ。
【0040】或は金属部材の耐摩耗性の多孔質表面層
は、ニッケル又はクロムの電解質層を施すことにより形
成してもよい。この場合クロムはその硬さによってとく
に有用である。或は多孔質のりん酸亜鉛層を金属表面に
接着してもよい。
【0041】金属部材の耐摩耗性の多孔質表面層は又、
この部材を形成する金属を適当に選択することにより形
成してもよい。たとえば1ないし35%の多孔度を持つ
焼結粉末金属は、よく知られ多孔質表面を形成するのに
利用することができる。
【0042】本発明方法の次の工程は、金属部材の多孔
質表面に自己潤滑コンパウンドを含浸させることであ
る。有用な自己潤滑コンパウンドは、それぞれ弱い分子
間力により相互に弱く結合した層から成る層状組織によ
り低いせん断力及び低い摩擦係数を生ずる黒鉛、二硫化
モリブデン(MoS2)及び二硫化タングステン(W
2)のような固体潤滑剤、黒鉛のインターカレイテイ
ドコンパウンド又はジカルコゲナイド(dichalc
ogenides)のようなインターカレイテイド固
体、或は酸化銀、酸化鉛、酸化カドミウム又は酸化亜鉛
のような酸化物により構成してもよい。或は自己潤滑コ
ンパウンドは、ペルハロオレフインたとえば商標名テフ
ロンTMとして市販されているポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)、フルオン及びフルオロフレックスのよ
うな可塑性潤滑剤又は類似の非粘着性材料により構成し
てもよい。自己潤滑コンパウンドは又適当な担体、添加
剤、充てん剤又は類似物により構成してもよい。
【0043】自己潤滑コンパウンドから成る被覆は、自
己潤滑コンパウンドが金属部材の多孔質表面層の多孔内
に確実に含浸し又は浸入するのに有効な任意の方式で施
すことができる。たとえば被覆は、表面層に吹付けら
れ、ブラシ又はローラで施され、或は金属部材を自己潤
滑コンパウンドのタンク又は槽内に浸してもよい。自己
潤滑被覆を施した後、被覆金属部材はこの金属部材の多
孔質表面層内の被覆を乾燥し又は硬化し次でこの被覆を
固定するように少なくとも約1hrにわたり200ない
し300°Fで焼成するのに十分な時間にわたり耐えな
ければならない。
【0044】本方法の次の工程では、金属部材の含浸面
を重合体及び自己潤滑コンパウンドの成形できる混合物
に接触させ、重合体複合部材を形成するように得られる
複合材料を硬化する。ここで使う場合に「成形可能な混
合物」という語句は、金属部材に接触したときに硬化時
に金属部材の形状に一致又は適合するのに十分なだけキ
ャスタブルであり、形成性を持ち、成形性があり又は可
鍛性を持つ、重合体及び自己潤滑コンパウンドの任意の
流体、半流体、固体又は反固体の混合物を意味する。こ
の成形できる混合物の有用な重合体には、熱硬化性重合
体と熱可塑性重合体と前記したように熱硬化性及び熱可
塑性を共にもつ重合体とがある。硬化させようとする成
形できる混合物は、これを重合体複合部材の外面を構成
でき成形できる混合物を成形する型枠として作用する殻
又はその他のケーシング内に封入することにより金属部
材の被覆面に接触した状態に保持する。或は成形できる
混合物は金属部材に吹付け、ブラシがけし又はロールが
けしてもよい。
【0045】複合材料は、成形すると、選定した重合体
の硬化作用に適当なものとして当業者にはよく知られて
いる任意適当な方法により硬化することができる。たと
えば重合体がペンダントオレフイングループ(pend
ant olefin groups)及び内部触媒を
持つポリオレフインであるか又はブロックポリイソシア
ネート(blooked polyisocyanat
e)であれば、複合品は重合体複合品混合物を殻内に又
金属部材(殻により囲んだ)を硬化がま内にそれぞれ入
れることにより硬化する。硬化がまは赤外線、対流又は
伝導による加熱作用を生ずる。硬化がまの典型的作用温
度は約300°Fないし400°Fである。硬化がま
は、ニュージャジー州ピーターソン市のグレンロ・イン
コーポレイテッド(Glenro,Inc.)、ニュー
ジャージー州ウイツコフ市のレイデイエイション・シス
テムズ・インコーポレイテッド(Radiation
Systems,Inc.)及びミネソタ州ミネアポリ
ス市のBGK.インコーポレイテッドから市販されてい
る。重合体がペンダントグリシジル(pendantg
lycidyl)及び酸基を持つ1種類又は複数種類の
重合体を含むものであれば、成形できる混合物は又この
混合物を硬化するのに室温で少なくとも約24時間材料
を耐えさせることにより硬化させる。付加的な後硬化を
行い室温にして複合材料を確実に十分に硬化させる。
【0046】複合品が硬化すると本方法の次の工程で
は、硬化した複合物をラッピングコンパウンドを塗布し
た金属面に対して作用させ重合体複合部材及び金属部材
の間に適正なすきまを設ける。ラッピングコンパウンド
及びその使用法は金属加工業界の当業者にはよく知られ
ている。工業的に利用できるラッピングコンパウンドは
イリノイ州フランクリンパーク市のタイムセイバー・プ
ロダクツ・カムパニ(Time Saver Prod
ucts Company)製のタイムセイバー群のラ
ッピングコンパウンドとイリノイ州スコーキー市のフエ
ル−プロ・インコーポレイテッド(Fel−Pro I
ncorporated)製の商標名クローバーTM(C
loverTM)群のラッピングコンパウンドがある。
【0047】金属部材に対する重合体複合部材のラッピ
ング処理に次いで両部材を石けん及び水又はアセトンの
ような適当な溶媒で洗浄し残留ラッピングコンパウンド
を除去する。金属部材及び重合体複合部材の表面はその
使用に先だってグリース又はその他の流体潤滑剤の塗布
を適宜に行う。
【0048】本発明を次の詳細な説明によってさらに詳
しく述べる。
【0049】
【実施例】
例 1 重合体複合ナットを持つ陽極処理アルミニウムねじ 直径1インチ、長さ12インチ、リード0.25インチ
のACMEねじを6061アルミニウム合金から成る押
出し丸棒から機械加工した。次いでこのねじは、中間軽
機械油とイリノイ州フランクリン・パーク市のタイムセ
イバー・プロダクツ・カムパニ製の60Nラッピングコ
ンパウンドとの混合物を使い中間精密仕上げ(6ないし
12μin RMS)にラッピング加工する。次いでね
じは、石けんや水で十分に清掃し、ミシガン州メアリズ
ビル市のBTMコーポレイションの独占的方法を使うこ
とにより陽極処理して厚さ0.002インチの硬い酸化
物被覆を生成する。この陽極処理したねじは引続いてB
TMコーポレイションによるPTFEで処理し自己潤滑
仕上げを行う。
【0050】重合体複合部材の構成は図1及び2に示し
てある。先ず図1に示すようにこの構成は、押出しの6
061アルミニウム合金から成り内径(ID)1.35
インチ外径(OD)1.50インチで長さ2インチに切
断した殻10で出発した。陽極処理したアルミニウムね
じの外径に締まりばめになるIDと長さ2インチの押出
しアルミニウム殻のIDに締まりばめになるODとを一
端部に持つジグ12を鋼材で作った。ジグ12の他端部
は拡大した断面を持ち、そのIDがアルミニウム殻のO
Dにすべりばめになるようにした。次いでこのジグ12
を使い、ねじ14を殻10で心合せすると共にこの組合
せの下端部のまわりに柔らかいゴム型16を成形した。
この柔らかい型は、ダウコーニング(Dow Corn
ing)1触媒と共にインデイアナ州インデイアナポリ
ス市のサーモセット(Thermoset)社製のSC
−131シリコーンを使い成形した。
【0051】殻内でめねじ付きナットを成形するのに使
う材料は、ITWフイラデルフイア・レジンズ・コーポ
レイション(ITW Philadelphia Re
sins Corporation)から商標名スーパ
ー・アロイ・ブラック(Super Alloy Bl
ack)1500L.F.として作られた製品であっ
た。この製品は、製造者のすすめる工程を使って適用さ
れた。この工程はすなわち(1)全部の金属面をトリク
ロルエチレンで洗浄し、汚れ及びグリースを除き、
(2)殻10内のねじの表面に離型剤〔コネチカット州
ダンバリー市のミラー・ステフエンソン・ケミカル・カ
ムパニ(Miller StephensonChem
ical Company)製のMS−122〕を吹付
け、(3)重合体複合コンパウンドの2成分を、用意し
た硬化剤を樹脂内に注入し3分間かきまぜることにより
所定量ずつ互いに混合した。
【0052】重合体複合樹脂の混合に先だってねじを柔
らかい型内に位置させた。図2に示すように重合体複合
コンパウンド18をナット殻及びねじの間の空洞内に注
入した。この空洞に充満した後、ジグ12の広い端部
を、ナット殻の上端部内にねじを心合せするように位置
させた。重合体複合品は次いで夜通し室温に放置し固体
品に硬化させた。硬化後にナットをラッピングのために
ねじからはずした。
【0053】このラッピングは、軽機械油とイリノイ州
フランクリン・パーク市のタイムセイバー・プロダクツ
・カムパニ製の60Nラッピングコンパウンドとの50
−50(重量比)混合物をねじに加えナットをこれが自
由に動くまで前後方向に動かすことにより行った。次い
でラッピングコンパウンド油混合物をナット及びねじか
らアセトンで洗浄した。この時点で処理が完了し、ナッ
トはねじのまわりに自由に回転するようになった。ねじ
に対するナットのすきまは約13μmすなわち0.00
05インチであった。
【0054】例 2 重合体複合物滑動車両を備えた陽極処理軌道 図3及び4に示すようにこの例に使われウイスコンシン
州ピーウオーキー市のハーケン・ヨット・フイツテイン
グズ(Harken Yacht Fittings)
社製の#155ハイ−ビーム・トラック(Hi Bea
m Track)である軌道21は、長方形横断面を持
つアルミニウム合金押え品であった。この軌道はウイス
コンシン州グリーン・ベイ市のパイオニア・ノアレルコ
ート(Pioneer−Norelkote)社のハー
ドリューブ(Hardlube)と称する独得の被覆処
理を行った。ハードリューブ処理は、アルミニウム部品
にこれに硬い耐摩耗性表面を与えるように先ず陽極処理
を行い、次いでこの表面に自己潤滑性を与えるようにP
TFEで処理することから成っている。この軌道に滑動
車両を成形するのに先だって、この軌道に、コネチカッ
ト州ダンバリー市のミラー・ステフエンソン・ケミカル
カムパニ・インコーポレイテッド製の離型剤(part
ing compound)MS−122を吹付けた。
【0055】重合体複合部材の構成は、滑動車両の外側
面を構成し、重合体複合材料を成形する型枠として作用
するステンレス鋼で形成した殻24で始めた。殻24
は、図1に述べた柔らかいゴム製型と同様に作ったポリ
ウレタンワッシャ25により保持した。ポリウレタンワ
ッシャ25により金属製軌道21を殻24内に位置させ
この殻の各端部をせき止め流体状重合体複合混合物を封
入するようにした。
【0056】ミシガン州ポート・ヒューロン市のインタ
ーカル社から市販されている自己潤滑性2部分エポキシ
INTERCALTM(商標名)を製造者の指示書に記載
の比率で混合し殻内に注入した。この成形混合物は夜通
し70°Fの室温に放置し硬化させた。翌日この重合体
複合混合物は180℃(350°F)で2時間にわたり
後硬化させた。次いで重合体複合部材26、この場合軌
道に沿って滑動できる車両又は直線軸受を、これを軌道
の端部から滑りとおすことによりはずした。金属軌道に
接触する重合体複合部材26の内面に、イリノイ州フラ
ンクリン−パーク市のタイムセイバー・プロダクツ・カ
ンパニ製のLON中間物(medium)ラッピングコ
ンパウンドの油混合物を塗布し、車両を容易な運動のた
めの十分なすきまを与えるように50フイートの累積距
離にわたり軌道に対しラップ仕上げを行った。
【0057】ラップ仕上げを完了した後、各部品を分離
しアセトンで洗浄しラッピング剤油混合物を除き、互い
に組合う表面にミシガン州ポート・ヒューロン市のアチ
ソン・コロイズ・カムパニ(Acheson Coll
oids Company)製のグリースであるグレダ
ーク(Gredag)740の軽い被覆を形成した。ア
ルミニウム合金はもちろん銀白色であるが、ハードリュ
ーブ陽極処理被覆は平滑で一様な暗灰色であった。ラッ
ピング処理後にハードリューブ陽極処理したアルミニウ
ム合金面に摩耗のこん跡はなかった。すなわち重合体複
合品表面に接触してない他の区域に比べたラップ処理区
域内の被覆の色濃度に変化がなく、表面に細すじがな
く、又はその他わずかな金属除去のしろしを含んだ。
【0058】例 3 モグライスTM(MogliceTM)〔商標名〕重合体複
合物ブッシングを持つ硬質クロム被覆丸鋼軸 図5に示すようにこの例に使う丸軸31は直径1インチ
×長さ12インチの冷間圧延SAE1060鋼であっ
た。軸表面に耐摩耗性クロム被覆を形成するのに電気め
っきを使った。この被覆は、厚さが1/1000ないし
2/1000インチで硬さがロックウエルC72の変性
した硬い電気めっきクロムであった。この半多孔質被覆
は、PTFEを含浸させ、自己潤滑コンパウンドを含浸
させた耐摩耗性表面層32を生成するようにした。
【0059】滑動ブシュ33の製造は、自己潤滑複合部
材35(図6参照)を成形するための殻34として作用
するように円筒体の機械加工で開始した。この円筒体
は、内径1−1/4in、外径1−3/4inを持ち長
さが2inであった。殻34の内面は成形ライナの接着
を促進するように荒くした。
【0060】殻34内で殻31を心合せするのに使うジ
グ36は、殻34内にすべりばめになる1インチの内径
を持つ円筒体により構成した。柔らかい型37は、軸3
1及び殻34を上下方向位置に、軸31を殻34の下縁
部の下方約1/8inに、ジグ36を殻34及び軸31
の間に位置にして保持することにより軸/殻組合せの一
端部を覆うように作った。このアセンブリは直径3イン
チ×深さ3インチの容器38内に上下方向位置に保持し
た。インデイアナ州インデイアナ市のサーモセット・プ
ラスチックス・インコーポレイテッド(Thermos
et Plastics,Inc)製のシラステイック
(Silastic)成形コンパウンドをこのアセンブ
リの底部のまわりに深さ2インチまで注入した。このシ
ラステイックコンパウンドは液通し硬化させ、ジグ36
を殻34及び軸31の間の環状空間から取出した。
【0061】ブシュ33の成形ライナは、デイアマント
TM(DiamanTM)〔商標名〕によりドイツで作られ
デビット・マシナリ・カムパニ(Devitt Mac
hinery Company)により米国に輸入され
た2成分エポキシ基体(epoxy−based)自己
潤滑重合体複合材料のモグライスPL500から構成し
た。製造者の指示に従うと、エポキシ基体材料は、前も
って計測した各成分を一緒に注入し3minにわたりか
きまぜることにより混合した。又軸31は、型37から
取出し、離型剤(parting compound)
MS・122を吹付け型内の位置に戻した。軸を位置決
めすると、モグライスTMPL500混合物を軸及び殻の
間の空洞に注入し16hrにわたり室温で硬化させた。
【0062】成形自己潤滑重合体複合部材35を十分に
硬化させた後、軸及びブシュアセンブリをシラステイッ
ク型から取出し、ブッシングを軸に沿い押圧することに
より抜き出した。この段階ではブシュは軸に沿い動かす
ことがむずかしかった。その理由はこれ等の2部品間の
すきまが実質的に零であったからである。適正量のすき
ますなわちブシュを軸に沿い自由に動かすようにしたす
きまは、イリノイ州フラレクリン・パーク市のタイムセ
イバー・プロダクツ・カムパニ製の60N中間物ラッピ
ングコンパウンド(medium lapping c
ompound)の混合物でラップ仕上げすることによ
り得られた。
【0063】以上本発明をその種種の好適とする実施例
について述べた。しかし本発明はその精神を逸脱しない
で種種の変化変型を行うことができるのはもちろんであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】例1に述べたような本発明による運動伝達ねじ
ナット組合せの製法の第1の工程を示すジグ及び殻アセ
ンブリを備えた金属製ねじの縦断面図である。
【図2】ねじナット組合せの製法の第2の工程を示す重
合体複合ナット殻アセンブリを備えた図1のねじの縦断
面図である。
【図3】例2に述べた本発明の実施例の製法の第1工程
を示す図4の3−3線に沿う、滑動車両殻ジグアセンブ
リを備えた金属製軌道の断面図である。
【図4】軌道と重合体複合部材を持つ仕上がりの滑動車
両とを示した図3の4−4線に沿う断面図である。
【図5】例3に述べた本発明の他の実施例の製法の第1
工程を示すブシュ付き丸軸及びジグアセンブリの縦断面
図である。
【図6】軸と重合体複合部材を備えた仕上がりブシュを
示す図5の6−6線に沿う断面図である。
【符号の説明】
10,24 殻 14,21 金属部材 18,26 重合体複合部材 22 自己潤滑面

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属部材及び重合体複合部材を備え、こ
    の重合体複合部材を前記金属部材の表面部分に相対的に
    移動可能につかみ作用を伴って係合する状態に取付けた
    運動伝達アセンブリにおいて、 前記金属部材に、多孔質金属酸化物層又は多孔質電解金
    属層と、前記金属酸化物層又は電解金属層の多孔内に含
    浸させた第1の自己潤滑コンパウンドとから成る耐摩耗
    性自己潤滑面を設け前記重合体複合部材が、熱硬化性、
    熱可塑性又は熱硬化性/熱可塑性の重合体と、第2の自
    己潤滑コンパウンドとから成る自己潤滑重合体複合物で
    あり、前記重合体複合部材を金属殻内に入れ、 前記金属部材と、前記重合体複合部材との間に狭いすき
    まを設けて成る運動伝達アセンブリ。
  2. 【請求項2】 前記狭いすきまが、約2.5μm(0.
    0001インチ)ないし約100μm(0.04イン
    チ)である、請求項1の運動伝達アセンブリ。
  3. 【請求項3】 前記第1の自己潤滑コンパウンドが、黒
    鉛、インターカレーテイド黒鉛、二硫化モリブデン、二
    硫化タングステン、ペルハロオレフイン、酸化銀、酸化
    鉛、酸化カドミウム、酸化亜鉛又はこれ等の混合物から
    成る、請求項1の運動伝達アセンブリ。
  4. 【請求項4】 前記第1の自己潤滑コンパウンドが、ペ
    ルハロオレフインである、請求項3の運動伝達アセンブ
    リ。
  5. 【請求項5】 ペルハロオレフインが、ポリテトラフル
    オロエチレンである、請求項4の運動伝達アセンブリ。
  6. 【請求項6】 重合体複合部材が軸受である、請求項1
    の運動伝達アセンブリ。
  7. 【請求項7】 前記軸受が、滑り軸受である、請求項6
    の運動伝達アセンブリ。
  8. 【請求項8】 前記金属部材が、おねじを持つ棒であ
    り、前記重合体部材が、めねじを持つナット部材であ
    る、請求項1の運動伝達アセンブリ。
  9. 【請求項9】 前記重合体部材が、ブシュである、請求
    項1の運動伝達アセンブリ。
  10. 【請求項10】 前記金属部材が、軸である、請求項1
    の運動伝達アセンブリ。
  11. 【請求項11】 前記金属部材が、荷重支持部材であ
    る、請求項1の運動伝達アセンブリ。
  12. 【請求項12】 前記荷重支持部材が、レール又は軌道
    である、請求項11の運動伝達アセンブリ。
  13. 【請求項13】 前記重合体が、熱硬化性であり、エポ
    キシ樹脂、アリルエステル、アミノ重合体、フエノール
    樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリウレタン、シリ
    コーン又はこれ等の混合物である、請求項1の運動伝達
    アセンブリ。
  14. 【請求項14】 前記重合体が、自己潤滑重合体複合物
    の約30ないし99重量%である、請求項1の運動伝達
    アセンブリ。
  15. 【請求項15】 前記重合体が、自己潤滑重合体複合物
    の約70ないし80重量%である、請求項1の運動伝達
    アセンブリ。
  16. 【請求項16】 前記第2の自己潤滑コンパウンドが、
    前記自己潤滑重合体複合物の約1ないし70重量%であ
    る、請求項1の運動伝達アセンブリ。
  17. 【請求項17】 前記第2の自己潤滑コンパウンドが前
    記自己潤滑重合体複合物の約20ないし30重量%であ
    る、請求項1の運動伝達アセンブリ。
  18. 【請求項18】 前記金属部材の金属が、アルミニウ
    ム、クロム、銅、鉄、チタン、ニッケル、タングステ
    ン、バナジウム、亜鉛、ジルコニム又はこれ等の合金或
    は混合物である、請求項1の運動伝達アセンブリ。
  19. 【請求項19】 前記金属部材の多孔質面の多孔度が、
    約1ないし35体積%である、請求項1の運動伝達アセ
    ンブリ。
  20. 【請求項20】 金属部材に移動可能に接合した重合体
    複合部材を備えたアセンブリを作るアセンブリの製法に
    おいて、 (a)金属部材を設ける段階と、 (b)この金属部材に耐摩耗性の多孔質の表面層を生成
    する段階と、 (c)前記金属部材の耐摩耗性の多孔質表面層に自己潤
    滑コンパウンドを含浸する段階と、 (d)前記金属部材の含浸面に、重合体及び自己潤滑コ
    ンパウンドから成る成形可能な混合物を接触させる段階
    と、 (e)この成形可能な混合物を硬化させて重合体複合部
    材を形成する段階と、 (f)この重合体複合部材を前記金属部材に対しラップ
    仕上げをして成形部材及び金属部材の間に所定の狭いす
    きまを作る段階と、を包含するアセンブリの製法。
  21. 【請求項21】 前記金属部材の耐摩耗性の多孔質表面
    層を、金属酸化物層により構成する、請求項20のアセ
    ンブリの製法。
  22. 【請求項22】 前記金属部材の耐摩耗性の多孔質表面
    層を、前記金属部材の陽極処理により生成する、請求項
    20のアセンブリの製法。
  23. 【請求項23】 前記金属部材の耐摩耗性の多孔質表面
    層を、クロムコーティング又はりん酸亜鉛コーティング
    により構成する、請求項20のアセンブリの製法。
  24. 【請求項24】 前記成形可能な混合物を、約300°
    Fないし約400°Fの温度で硬化させる、請求項20
    のアセンブリの製法。
  25. 【請求項25】 前記成形可能な混合物を、赤外線加
    熱、対流加熱又は伝導加熱を適用することにより硬化さ
    せる請求項20のアセンブリの製法。
  26. 【請求項26】 前記成形可能な混合物を、ほぼ周囲温
    度で又はほぼ周囲温度より適度に高い温度で化学反応に
    より硬化させる、請求項20のアセンブリの製法。
  27. 【請求項27】 前記段階(e)において、前記成形部
    材を前記金属部材に対しラッピングコンパウンドで加工
    する、請求項20のアセンブリの製法。
  28. 【請求項28】 さらに溶媒による洗浄により前記ラッ
    ピングコンパウンドを除く段階を包含する、請求項27
    のアセンブリの製法。
  29. 【請求項29】 さらに流体潤滑剤の被覆を前記の金属
    部材及び成形部材に施す段階を包含する、請求項20の
    アセンブリの製法。
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JP14124093A Pending JPH06330947A (ja) 1993-05-21 1993-05-21 金属部材及び重合体複合部材を備えた運動伝達アセンブリ及びその製法

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JP (1) JPH06330947A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19980042893A (ko) * 1996-11-29 1998-08-17 엘러스 호르스트, 로트만 칼-하인츠 구조 부재와 구조 요소 사이에 연결부를 만드는 방법
JP2000046037A (ja) * 1998-06-09 2000-02-15 Rexnord Corp 複合ベアリング構造体
JP2010511135A (ja) * 2006-12-01 2010-04-08 テナリス・コネクシヨンズ・アクチエンゲゼルシヤフト ねじ込み連結部用のナノ複合コーティング

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