JPH06326397A - パルスガスレーザ装置の出力安定化方法及びそれを用いたパルスガスレーザ装置 - Google Patents

パルスガスレーザ装置の出力安定化方法及びそれを用いたパルスガスレーザ装置

Info

Publication number
JPH06326397A
JPH06326397A JP11259693A JP11259693A JPH06326397A JP H06326397 A JPH06326397 A JP H06326397A JP 11259693 A JP11259693 A JP 11259693A JP 11259693 A JP11259693 A JP 11259693A JP H06326397 A JPH06326397 A JP H06326397A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
air supply
duct
discharge
main discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11259693A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Yokogawa
博之 横川
Takahisa Jitsuno
孝久 實野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NDC Co Ltd
Nippon Dia Clevite Co Ltd
Original Assignee
NDC Co Ltd
Nippon Dia Clevite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NDC Co Ltd, Nippon Dia Clevite Co Ltd filed Critical NDC Co Ltd
Priority to JP11259693A priority Critical patent/JPH06326397A/ja
Publication of JPH06326397A publication Critical patent/JPH06326397A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰り返し周期が短く且つピーク出力の大きい
短パルス幅のレーザ光を発生するパルスガスレーザ装置
における放電ガスの逆流の問題を解消するとともに、放
電部に常に新しい媒質ガスを均一に供給することでレー
ザ出力の安定化(±1〜2%以内)を図ったパルスガス
レーザ装置の出力安定化方法及びそれを用いたパルスガ
スレーザ装置を提供することを目的とする。 【構成】 一対の反射鏡2,3の光軸Lに沿って所定間
隔のギャップGを形成した一対以上の主放電電極4,5
を配設するとともに、該主放電電極を臨む一側に逆流規
制機能及び均一拡散機能を備えた媒質ガスを連続的に供
給する給気ダクト6の開口8を配設し且つ他側に主放電
電極間を通過した放電ガスを排気する排気ダクト7の開
口9を配設してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パルスガスレーザ装置
の出力安定化方法及びそれを用いたパルスガスレーザ装
置に係わり、特に繰り返し周期が短く且つピーク出力の
大きい短パルス幅のレーザ光を安定に発生するパルスガ
スレーザ装置の出力安定化方法及びそれを用いたパルス
ガスレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のパルスガスレーザ装置は、図6に
示すように、キャビティ容器100の対面した壁側に一
対の反射鏡101,102を配設するとともに、その光
軸に沿って棒状の陽電極103と陰電極104とを所定
間隔のギャップを設けて配設し、前記キャビティ容器1
00にはレーザ媒質となるガスを供給する供給管105
と、ガスを排気する排気管106とを連結した構造が一
般的である。そして、前記供給管105からキャビティ
容器100内にガスを導入した状態で、陽電極103と
陰電極104のギャップ間でパルス放電を発生してレー
ザ媒質をポンピングし、その放出光を両反射鏡101,
102間で反復させ、それによって発生した誘導放出光
を、反射率が1より若干小さい一方の反射鏡102から
レーザ光として出力するのである。ここで、前記排気管
106からは、連続的にガスを排気し若しくは所定ショ
ット数毎にガスを排気するのである。
【0003】このような従来のパルス放電ガスレーザ装
置では、短い時間(ns〜μsオーダ)の放電でエネル
ギーを周囲ガス中に投入するため、放電部(ギャップ
間)の温度が急激に上昇して媒質ガス(放電ガス)が膨
張し、衝撃波が発生して放電部からガスが外側に向かっ
て噴出する。その後、温度が下がると減圧状態が発生
し、外部よりガスが放電部に不均一に流入する。
【0004】放電後のガス内の電荷(電子)は再結合に
より減少するが、電子密度が減少してくるとその減少速
度は急激に遅くなる(減少しなくなる)。このため、一
度放電したガスには次の放電まで大量のイオンが残留し
ていると考えられ、その放電後のガスが放電空間に不均
一に混入すると、予備電離が不均一に行われた事にな
り、放電が不均一になってレーザ出力が減少したり、不
安定になる。
【0005】媒質ガスを循環させず、ガスボンベより流
して使用するフローティング式のパルスガスレーザ装置
においても、衝撃波による減圧状態で外部からのガス
(空気)の逆流が生じる。即ち、一度放電したガスが放
電部に逆流して来るか、あるいは装置の気密が不良な場
合には空気の混入を生じる。空気中には酸素が含まれて
いるため、レーザ装置内で均一放電を発生するための予
備電離の光量が減少して、放電が不安定になる。
【0006】また、繰り返しの多いパルス放電を行うた
めに、媒質ガスを循環する循環式のパルスガスレーザ装
置においても放電部へのガスの混入が同様に発生する。
この放電ガスの逆流現象及び空気の混入によるパルスレ
ーザ装置のレーザ出力の不安定性は、重大な問題であ
り、未解決の状態であった。
【0007】そこで、このようなパルスガスレーザ装置
では、放電部の放電ガスを吹き飛ばす目的で、図6に示
すようにキャビティ容器100内にファン107を設置
し、キャビティ容器100内の媒質ガスを攪拌する構造
のものも提供されているが、この方式であっても一度放
電したガス(放電ガス)が放電部に逆流することを完全
には排除できず、その出力の安定性は高々±5%程度で
ある。
【0008】また、従来のパルスガスレーザ装置では、
図7に示すように主放電電極(陽電極103と陰電極1
04)の近傍に一対の予備電離ピン列108,109を
配することが多い。具体的には、一方の予備電離ピン列
108はコンデンサ110を介して電極板111に接続
し、他方の予備電離ピン列109は直接電極板112に
接続している。この予備電離ピン列を設けることによっ
て、媒質ガスを予備電離させて、主放電電極による放電
開始を容易にしている。しかし、この予備電離ピンとそ
れに付随する電極板等によって媒質ガスの乱流が発生
し、放電部の予備電離ガスが不均一になり、レーザ出力
の不安定化の原因にもなっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このようにレーザ出力
を不安定にする原因として、残留イオンを含む媒質ガス
が次の放電時まで放電部に残留することによるブレーク
ダウン電圧のばらつきと、放電部へ供給する未放電の媒
質ガスの不均一な乱流等による媒質電子密度の空間的ば
らつきとが挙げられ、これらが複雑に組み合わさってい
る。前者によるレーザ出力への影響は、電流の立上りの
時間変動、換言すれば媒質ガスへ供給するポンピングエ
ネルギーの変動となり、後者によるレーザ出力への影響
は、レーザ媒質の電子密度変動による予備電離量の変動
となり、パルスレーザ出力変動の起因となるのである。
【0010】そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決
しようとするところは、パルスガスレーザ装置における
放電ガスの逆流の問題を解消するとともに、放電部に常
に新しい媒質ガスを均一に供給することでレーザ出力の
安定化を図ったパルスガスレーザ装置の出力安定化方法
及びそれを用いたパルスガスレーザ装置を提供する点に
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、主放電電極間を臨む一側に配設した逆流防
止機能及び均一拡散機能を備えた給気ダクトから媒質ガ
スを連続的に供給するとともに、主放電電極による放電
で生成した放電ガスを他側に配設した排気ダクトにて排
気し、放電ガス中に含まれる寿命の長いイオンが再度主
放電電極間に逆流することを防止し、該イオンによる出
力の不安定要因を排除してなるパルスガスレーザ装置の
出力安定化方法を提供する。
【0012】上述の出力安定化方法を採用し、一対の反
射鏡の光軸に沿って所定間隔のギャップを形成した一対
以上の主放電電極を配設するとともに、該主放電電極を
臨む一側に逆流規制機能及び均一拡散機能を備えた媒質
ガスを連続的に供給する給気ダクトの開口を配設し且つ
他側に主放電電極間を通過した放電ガスを排気する排気
ダクトの開口を配設してなるパルスガスレーザ装置を構
成した。
【0013】また、密封したキャビティ容器の対面する
側壁に配設した一対の反射鏡の光軸に沿って所定間隔の
ギャップを形成した一対以上の主放電電極を配設すると
ともに、前記キャビティ容器の側壁を気密貫設し前記主
放電電極を臨む一側に逆流規制機能及び均一拡散機能を
備えた媒質ガスを連続的に供給する給気ダクトの開口を
配設し且つ前記キャビティ容器の側壁を気密貫設し前記
主放電電極を臨む他側にギャップ間を通過した放電ガス
を排気する排気ダクトの開口を配設してなるパルスガス
レーザ装置を構成した。
【0014】ここで、前記給気ダクト及び排気ダクトの
開口が光軸に沿って延びた偏平状開口であることが好ま
しい。
【0015】そして、より具体的には、前記給気ダクト
として、媒質ガスの逆流規制機能及び均一拡散機能を付
与すべくダクト内に、バッフル、メッシュ、整流板及び
逆止弁の中から選択した1種又は2種以上を内装した給
気ダクトを用いてなるのである。
【0016】更に、一対の反射鏡の光軸に沿って所定間
隔のギャップを形成した一対以上の主放電電極を配設す
るとともに、両電極をギャップを臨む頂部を除き絶縁体
でそれぞれモールドし且つ陽極側絶縁体と陰極側絶縁体
との間に略平行な媒質ガス流路を形成し、前記ギャップ
に対する該流路の上流側を媒質ガスを連続的に供給する
給気ダクトとし且つ該給気ダクト内には媒質ガスの逆流
規制機能及び均一拡散機能を付与するとともに、下流側
を排気ダクトとしてなるパルスガスレーザ装置を構成し
た。
【0017】この場合にも、前記給気ダクトに媒質ガス
の逆流規制機能及び均一拡散機能を付与すべく該ダクト
内に、バッフル、メッシュ、整流板及び逆止弁の中から
選択した1種又は2種以上を内装してなるのである。
【0018】
【作用】以上の如き内容からなる本発明のパルスガスレ
ーザ装置の出力安定化方法及びそれを用いたパルスガス
レーザ装置は、一対以上の主放電電極間のギャップに給
気ダクトの開口から媒質ガスを連続的に供給するととも
に、該ギャップを通過した放電ガスを排気ダクトの開口
から連続的に排気し、この媒質ガス流の存在の下で、主
放電電極間に高電圧を印加し、パルス放電を発生して媒
質ガスをポンピングし、その媒質ガスからの放出光を両
反射鏡間で反復させ、それによって発生した誘導放出光
を、常法通り反射率が1より若干小さい一方の反射鏡か
らレーザ光として出力するのである。
【0019】ここで、前記主放電電極のギャップ間の放
電部で放電ガスの温度が急激に上昇してガスが膨張し、
衝撃波が発生して放電部からガスが外側に向かって噴出
しても、該放電ガスが未放電の媒質ガスに混入して再度
放電部に供給されることがなく、そのため安定な放電を
繰り返すことが可能である。即ち、放電ガスが上流側へ
噴出しても、給気ダクトには逆流規制機能を有するの
で、未放電ガスとの混合が規制され、その後温度が下が
って減圧状態が発生し、上流側よりガスが放電部に流入
しても、供給する媒質ガスの流速を単純なガス交換速度
より速く設定すれば、次の放電までに排気ダクト内へ排
気することが可能であり、また放電ガスが下流側へ噴出
し、その後に温度が下がって減圧状態が発生しても、前
記同様に媒質ガスの流動に伴って排気ダクト内へ排気す
るので、放電部は常に新しい媒質ガスで満たされるので
ある。
【0020】更に、給気ダクトには均一拡散機能が備わ
っているので、前記ギャップ間の放電部に媒質ガスを均
一に拡散して供給することが可能であり、それによりレ
ーザ出力の安定化が図れるのである。
【0021】具体的には、給気ダクト内に、バッフル、
メッシュ、整流板及び逆止弁の中から選択した1種又は
2種以上を内装して媒質ガスの逆流規制機能及び均一拡
散機能を付与するのである。
【0022】また、一対以上の主放電電極の両電極をギ
ャップを臨む頂部を除き絶縁体でそれぞれモールドし且
つ陽極側絶縁体と陰極側絶縁体との間に略平行な媒質ガ
ス流路を形成することで、給気ダクトと排気ダクトを別
途設ける必要がなく、前記ギャップに対する媒質ガス流
路の上流側の給気ダクトと下流側の排気ダクトとが連続
し、外部から酸素等の不純物ガスの混入の恐れがなく、
また絶縁体によって両電極が強固に保持されるので、放
電による衝撃波によって両電極が振動し、そのギャップ
間隔が変動することを防止できるのである。
【0023】
【実施例】次に添付図面に示した実施例に基づき更に本
発明の詳細を説明する。図1及び図2は本発明のパルス
ガスレーザ装置の代表的実施例を示し、図中1はキャビ
ティ容器、2,3は反射鏡、4は陽電極(主放電電
極)、5は陰電極(主放電電極)、6は給気ダクト、7
は排気ダクトをそれぞれ示している。
【0024】本発明のパルスガスレーザ装置は、密封し
たキャビティ容器1の対面する側壁に固定した一対の反
射鏡2,3の光軸Lに沿って所定間隔のギャップGを形
成した一対以上の主放電電極4,5(陽電極4と陰電極
5)を配設するとともに、前記キャビティ容器1の側壁
を気密貫設し前記ギャップGを臨む一側に逆流規制機能
及び均一拡散機能を備えた媒質ガスを連続的に供給する
給気ダクト6の開口8を配設し且つ前記キャビティ容器
1の側壁を気密貫設し前記ギャップGを臨む他側にギャ
ップ間を通過した媒質ガスを排気する排気ダクト7の開
口9を配設したものである。ここで、一方の反射鏡2は
反射率1の全反射鏡であり、他方の反射鏡3は反射率が
1より若干小さい半反射鏡で常法通り構成されている。
また、前記キャビティ容器1は、ギャップG内へ外気等
の不純物ガスの混入の恐れがない場合には省略すること
も可能である。
【0025】更に詳しくは、前記キャビティ容器1は絶
縁材で形成され、その側壁10に電極板11を適宜な手
段にて固定し、キャビティ容器1内へ延びた電極板11
の先端に断面略半円柱状の長尺導体からなる陽電極4を
固着し、同様に電極板12の先端に陰電極5を固着し、
該陽電極4の頂部13と陰電極5の頂部14とを平行に
対向させて保持している。また、この陽電極4と陰電極
5は、銅、アルミニウム又はタングステン等で形成され
ている。更に、前記陽電極4と陰電極5の一対を光軸L
に沿って設けても、また二対以上を光軸Lに沿ってタン
デムに設けてもよいのである。
【0026】また、前記給気ダクト6と排気ダクト7と
は、絶縁材で形成され、その開口8,9は光軸Lに沿っ
て延びた偏平状に形成され、この開口8,9をそれぞれ
前記ギャップGを臨む両側に位置させて前記キャビティ
容器1の側壁10に気密貫設している。そして、前記給
気ダクト6内には、媒質ガスの逆流規制機能及び均一拡
散機能を付与すべく、バッフル、メッシュ、整流板及び
逆止弁の中から選択した1種又は2種以上を内装してい
る。図示したものは前記給気ダクト6内にメッシュ15
を内装したものを例示したが、適宜バッフルや整流板及
び逆止弁等と併用することも可能である。ここで、バッ
フルとは減流板のことである。また、メッシュ15は金
属製等の細線を格子状に編んだもの若しくは金属薄板等
に微小な穴を無数に設けたものが採用される。又は、メ
ッシュ15の変形例として連続気泡を有する多孔質材、
例えばスポンジ状のものも可能である。それらの組み合
わせは、繰り返し放電の周期及び媒質ガスの流速に応じ
て適宜決定される。
【0027】そして、前記給気ダクト6の開口8から炭
酸ガスやKrFエキシマ等の媒質ガスを連続的に前記ギ
ャップGに供給し、該ギャップGを通過した後、排気ダ
クト7の開口9から排気するのである。
【0028】しかして、前記給気ダクト6から供給され
る媒質ガスは、その内部に内装したメッシュ15等によ
って開口8の全域にわたって均一に拡散されてギャップ
Gに供給され、該ギャップGに媒質ガスが存在する状態
において、前記電極板11,12から陽電極4と陰電極
5に繰り返し周期が短く且つ短いパルス幅(ns〜μ
s)の電圧を印加する。それによって陽電極4と陰電極
5間で放電が発生し、媒質ガスをポンピング(励起)す
る。ポンピングされた媒質ガスからは、エネルギーの高
い励起準位からエネルギーの低い基底準位等に遷移して
光が自然放出され、その放出光が両反射鏡2,3間を光
軸Lに沿って反復することによって、その光軸Lに沿っ
た方向に光を誘導放出し、これらがカスケード式に起こ
って大きな光出力として一方の反射鏡3からレーザ光と
して放出されるのである。
【0029】この場合、ギャップGでの放電によって媒
質ガスの温度が急激に上昇してガスが膨張し、衝撃波が
発生してこの放電部からガスが外側に向かって噴出す
る。上流側の給気ダクト6内へ逆流した放電ガスはメッ
シュ15やバッフル等によってその逆流が規制され、そ
の後の自然冷却による放電部の減圧と給気ダクト6から
供給される未放電の媒質ガスの流動によって、次の放電
までにギャップGを通過して排気ダクト7内へ排気され
る。一方、下流側に噴出した放電ガスは媒質ガスの流動
に伴って排気ダクト7内へ排気されるのである。この現
象を間歇的に行われる放電の度に繰り返すのである。従
って、陽電極4と陰電極5間のギャップGには、放電時
に常に未放電の媒質ガスが存在することになり、しかも
空間的に密度分布が均一であり、各放電の度に両電極
4,5には略同一の電圧が印加され、媒質ガスの密度も
略等しいので、安定な放電が行われ且つ安定なレーザ出
力が得られるのである。
【0030】また、主放電電極4,5による放電が正確
且つ容易に行えるように、主放電電極4,5の周辺に予
備電離ピン列を配列し、予備電離ガスをギャップGに吹
き付けるようにすることも可能である。但し、予備電離
ピン列が給気ダクト6からの媒質ガス流を乱さないよう
にすることは必要である。
【0031】また、図3はパルスガスレーザ装置の第二
発明を示し、一対の反射鏡2,3の光軸Lに沿って所定
間隔のギャップGを設けて陽電極4と陰電極5を配設す
るとともに、両電極をギャップを臨むそれぞれの頂部1
3,14を除き絶縁体でそれぞれモールドし且つ陽極側
絶縁体16と陰極側絶縁体17との間に略平行な媒質ガ
ス流路Fを形成し、前記ギャップGに対する該流路Fの
上流側を媒質ガスを連続的に供給する給気ダクト6とし
且つ該給気ダクト内には媒質ガスの逆流規制機能及び均
一拡散機能を付与するとともに、下流側を排気ダクト7
としてなるものである。ここで、本実施例においても媒
質ガスの逆流規制機能及び均一拡散機能を付与するため
に、給気ダクト6内にメッシュ15を内装したものを例
示したが、これに限定されるものではない。また、媒質
ガス流路Fの両端開口部は他の適宜な絶縁体、若しくは
陽極側絶縁体16又は陰極側絶縁体17の一方の絶縁体
を延設した突条部で閉塞しているものとし、この絶縁体
の厚みによってギャップGの間隔は調節可能である。
【0032】また、本発明において媒質ガスの給排気シ
ステムとして図4に示した例は、前記給気ダクト6に、
高圧ガスボンベ18から適宜なレギュレータを介して媒
質ガスを所定圧力、所定流速で供給するとともに、前記
排気ダクト7から自然排気又は切替弁19によって排気
ポンプ20で強制的に排気するようになしたものであ
る。この給排気システムによって、媒質ガスを循環させ
ないパルスガスレーザ装置を構成するのである。
【0033】更に、媒質ガスの給排気システムとして図
5に示した他の例は、前記給気ダクト6には、高圧の媒
質ガスを充填したバッファータンク21から媒質ガスを
前記同様に適宜なレギュレータ等を介して供給し、前記
排気ダクト7から媒質ガスを排気ポンプ20で強制的に
排気し、イオン交換器22を通して放電ガスの電荷を中
和した後、圧縮ポンプ23で前記バッファータンク21
に充填するようになしたものである。前記イオン交換器
22は、排気ダクト7の直後に配設することも可能であ
る。この給排気システムによって、媒質ガスを循環させ
るパルスガスレーザ装置を構成するのである。
【0034】尚、前述の両給排気システムでは、給気ダ
クト6に供給するガス圧及び流量をモニタリングして、
制御回路にその信号をフィードバックし、レギュレータ
等を自動的に調節して常に所定の条件で媒質ガスを供給
できるとともに、排気ポンプ20等に付随した流量調節
用の流量計等を調節して所定の排気速度が得られるよう
にしている。
【0035】
【発明の効果】以上にしてなる本発明のパルスガスレー
ザ装置の出力安定化方法及びそれを用いたパルスガスレ
ーザ装置によれば、一対以上の主放電電極のギャップ間
の放電部でパルス放電により媒質ガスの温度が急激に上
昇してガスが膨張し、衝撃波が発生して放電部からガス
が外側に向かって噴出しても、該放電ガスが未放電の媒
質ガスに混入して再度放電部に供給されることがなく、
そのため安定な放電を繰り返すことができるとともに、
放電部に媒質ガスを均一に拡散して供給することがで
き、もってレーザ出力の変動を±1〜2%以内に抑制
し、出力が安定したパルスレーザ光を発生させることが
可能である。
【0036】また、一対以上の主放電電極の両電極をギ
ャップを臨む頂部を除き絶縁体でそれぞれモールドし且
つ陽極側絶縁体と陰極側絶縁体との間に略平行な媒質ガ
ス流路を形成することで、給気ダクトと排気ダクトを別
途設ける必要がなく、前記ギャップに対する媒質ガス流
路の上流側の給気ダクトと下流側の排気ダクトとが連続
し、外部から酸素等の不純物ガスの混入の恐れがなく、
また絶縁体によって両電極が強固に保持されるので、放
電による衝撃波によって両電極が振動し、そのギャップ
間隔が変動することも防止でき、装置をコンパクトに構
成できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルスガスレーザ装置の簡略斜視図で
ある。
【図2】同じく要部拡大断面図である。
【図3】第二発明のパルスガスレーザ装置の要部拡大断
面図である。
【図4】媒質ガスを循環させない給排気システムの簡略
配置図である。
【図5】媒質ガスを循環させる給排気システムの簡略配
置図である。
【図6】従来のパルスガスレーザ装置の簡略斜視図であ
る。
【図7】従来の電極近傍に予備電離ピンを配したパルス
ガスレーザ装置の要部斜視図である。
【符号の説明】 G ギャップ L 光軸 F 媒質ガス流路 1 キャビティ容器 2 反射鏡 3 反射鏡 4 陽電極 5 陰電極 6 給気ダクト 7 排気ダクト 8 開口 9 開口 10 側壁 11 電極板 12 電極板 13 頂部 14 頂部 15 メッシュ 16 陽極側絶縁体 17 陰極側絶縁体 18 高圧ガスボン
ベ 19 切替弁 20 排気ポンプ 21 バッファータンク 22 イオン交換器 23 圧縮ポンプ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主放電電極間を臨む一側に配設した逆流
    防止機能及び均一拡散機能を備えた給気ダクトから媒質
    ガスを連続的に供給するとともに、主放電電極による放
    電で生成した放電ガスを他側に配設した排気ダクトにて
    排気し、放電ガス中に含まれる寿命の長いイオンが再度
    主放電電極間に逆流することを防止し、該イオンによる
    出力の不安定要因を排除してなることを特徴とするパル
    スガスレーザ装置の出力安定化方法。
  2. 【請求項2】 一対の反射鏡の光軸に沿って所定間隔の
    ギャップを形成した一対以上の主放電電極を配設すると
    ともに、該主放電電極を臨む一側に逆流規制機能及び均
    一拡散機能を備えた媒質ガスを連続的に供給する給気ダ
    クトの開口を配設し且つ他側に主放電電極間を通過した
    放電ガスを排気する排気ダクトの開口を配設してなるこ
    とを特徴とするパルスガスレーザ装置。
  3. 【請求項3】 密封したキャビティ容器の対面する側壁
    に配設した一対の反射鏡の光軸に沿って所定間隔のギャ
    ップを形成した一対以上の主放電電極を配設するととも
    に、前記キャビティ容器の側壁を気密貫設し前記主放電
    電極を臨む一側に逆流規制機能及び均一拡散機能を備え
    た媒質ガスを連続的に供給する給気ダクトの開口を配設
    し且つ前記キャビティ容器の側壁を気密貫設し前記主放
    電電極を臨む他側に主放電電極間を通過した放電ガスを
    排気する排気ダクトの開口を配設してなることを特徴と
    するパルスガスレーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記給気ダクト及び排気ダクトの開口が
    光軸に沿って延びた偏平状開口である請求項2又は3記
    載のパルスガスレーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記給気ダクトとして、媒質ガスの逆流
    規制機能及び均一拡散機能を付与すべくダクト内に、バ
    ッフル、メッシュ、整流板及び逆止弁の中から選択した
    1種又は2種以上を内装した給気ダクトを用いてなる請
    求項2又は3又は4記載のパルスガスレーザ装置。
  6. 【請求項6】 一対の反射鏡の光軸に沿って所定間隔の
    ギャップを形成した一対以上の主放電電極を配設すると
    ともに、両電極をギャップを臨む頂部を除き絶縁体でそ
    れぞれモールドし且つ陽極側絶縁体と陰極側絶縁体との
    間に略平行な媒質ガス流路を形成し、前記ギャップに対
    する該流路の上流側を媒質ガスを連続的に供給する給気
    ダクトとし且つ該給気ダクト内には媒質ガスの逆流規制
    機能及び均一拡散機能を付与するとともに、下流側を排
    気ダクトとしてなることを特徴とするパルスガスレーザ
    装置。
  7. 【請求項7】 前記給気ダクトに媒質ガスの逆流規制機
    能及び均一拡散機能を付与すべく該ダクト内に、バッフ
    ル、メッシュ、整流板及び逆止弁の中から選択した1種
    又は2種以上を内装してなる請求項6記載のパルスガス
    レーザ装置。
JP11259693A 1993-05-14 1993-05-14 パルスガスレーザ装置の出力安定化方法及びそれを用いたパルスガスレーザ装置 Pending JPH06326397A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11259693A JPH06326397A (ja) 1993-05-14 1993-05-14 パルスガスレーザ装置の出力安定化方法及びそれを用いたパルスガスレーザ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11259693A JPH06326397A (ja) 1993-05-14 1993-05-14 パルスガスレーザ装置の出力安定化方法及びそれを用いたパルスガスレーザ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06326397A true JPH06326397A (ja) 1994-11-25

Family

ID=14590702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11259693A Pending JPH06326397A (ja) 1993-05-14 1993-05-14 パルスガスレーザ装置の出力安定化方法及びそれを用いたパルスガスレーザ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06326397A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4064465A (en) Laser cavities with gas flow through the electrodes
US4210877A (en) Split ground state atomic iodine or bromine laser
US4748635A (en) Apparatus and method for uniform ionization of high pressure gaseous media
Norris et al. Compact sealed photopreionized TEA CO2 laser without heterogeneous catalysis or gas recycling
US4331937A (en) Stability enhanced halide lasers
US4381564A (en) Waveguide laser having a capacitively coupled discharge
US4308507A (en) Electron beam switched discharge for rapidly pulsed lasers
JPS636886A (ja) 横方向励起型レ−ザ装置
JPH06326397A (ja) パルスガスレーザ装置の出力安定化方法及びそれを用いたパルスガスレーザ装置
US3582821A (en) Direct current excited ion laser including gas return path
JP5493030B2 (ja) 放電励起式パルス発振ガスレーザ装置
Hasson Review of design concepts and diagnostics for 100-KW-class repetitively pulsed CO2 lasers
JP5331858B2 (ja) 放電励起式パルス発振ガスレーザ装置
US4894838A (en) Electron beam preionization of a high pressure self-sustaining gas laser
JP4845094B2 (ja) 放電励起式パルス発振ガスレーザ装置
Panchenko et al. Ultraviolet KrCl excilamps pumped by a pulsed longitudinal discharge
US4813053A (en) Method and apparatus for preionizing a self-sustained gas discharge device
JP2734191B2 (ja) レーザ装置
US3757251A (en) Laser direct current auxiliary ionization of an axially excited flowing gas
US4594721A (en) Corona discharge preionized high pulse repetition frequency laser
US4488310A (en) Continuously excited laser
JPH11214771A (ja) ガスレーザ発振装置
US4596017A (en) Electron beam method and apparatus for obtaining uniform discharges in electrically pumped gas lasers
Bunkin et al. High-power fast-flow CO2 lasers
Sugii et al. Compact, semi‐sealed‐off, high‐repetition‐rate transversely excited atmospheric‐pressure CO2 laser with a surface‐wire‐corona preionization