JPH06322614A - グラファイト系繊維物とその製法 - Google Patents

グラファイト系繊維物とその製法

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JPH06322614A
JPH06322614A JP5144169A JP14416993A JPH06322614A JP H06322614 A JPH06322614 A JP H06322614A JP 5144169 A JP5144169 A JP 5144169A JP 14416993 A JP14416993 A JP 14416993A JP H06322614 A JPH06322614 A JP H06322614A
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graphite
basic
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pitch
fiber
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JP5144169A
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Sadao Kumasaka
貞男 熊坂
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】従来から知られている各種の炭素繊維と同等の
耐熱耐火性能を有するグラファイト系繊維物を、廉価で
製造して、その用途を飛躍的に向上させる。 【構成】ガラス繊維類の形状を長短繊維状、織物状、不
織布状を問わず基本材料として、これにカルシウム成分
を主体とする金属塩を加えたグラファイト系物質を含有
する炭化物を含浸、粘着または混合攪拌させた基本配合
物を加熱しながら600℃から1200℃以内で焼成完
結させることにより、基本材料と添加物とが熱化合され
炭素化させる。また、この基本配合に鉄、銅などの金属
元素を1種または2種上の金属元素を加え混合し、熱化
合することにより磁性、電導性などの特殊機能を有する
グラファイト系繊維物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
(1)本発明により得られるグラファイト系繊維物は、
従来から知られる各種の炭素繊維と同じ耐熱、耐火作用
を有するものを廉価で製造できる事を特長としている。
炭素繊維類が既に機能については、広く世界で高い評価
を受けているものの、製造コストが高いために用途が限
られているが、本発明の繊維類は既存の炭素繊維が開拓
して来た用途を飛躍的に向上させる事が期待できるもの
である。
【0002】(2)また本発明の製法は基本材料の形状
が長短繊維状、織物状、不織布状などの形態を自由に選
択して基本配合をするので、初めから用途に合わせた形
状のグラファイト系繊維物を得られる。従って、加工面
でのコストは従来の炭素繊維類とは比較にならぬほど廉
価に市場にグラファイト系繊維物を供給出来るため、将
来1000円/kg以下の炭素系繊維を求める産業界で
の利用分野は拡大する。
【0003】(3)本発明による製法は従来の炭素繊維
類とは違い、磁性、電導性を付与したグラファイト系繊
維物をつくることが出来るため、炭素繊維類の持つ優れ
た性能と同じ性能を有する上に、磁性、電導性などを有
するものが容易につくれるので各種エレクトロニクス、
建築材料、航空機分野への用途は今まで以上に広がる。
【0004】
【従来の技術】従来から知られる炭素繊維類の製法は液
相炭素化法、加圧下炭素化法、固相炭素化法、気相炭素
化法などが知られている。中でも本発明と同じくピッチ
系炭化物を利用して作られるピッチ系炭素繊維は2種の
製法に分類されている。しかし、いずれの製法もピッチ
原料の溶融紡糸が可能な原料を必要とする。しかもピッ
チの粘度、流動性から見た可紡性の選別、また光学的に
等方性を有するピッチかどうかにより紡糸の高度な均一
調整が必要になる。しかも高温加熱処理において、空気
による酸化(不融化処理)を防ぐため、例えばテトラヒ
ドロキノリン中で380〜500℃に加熱してピッチを
水素化し、更にそれを減圧下しながら不活性ガスを吹き
込んでピッチ成分から軽質分を除いて紡糸を可能にする
などの工程が必要とされる。この様にして得られた紡糸
用のピッチの軟化点は240〜280℃に調整され、更
にベンゼン不溶分が80%以下のものは紡糸の時に2相
分離して紡糸が困難になるため使用することが出来ない
とされる。現在のピッチ系炭素繊維類のコストは高く、
用途が高価な分野にしか使われない背景である。
【0005】本発明の製法により得られた繊維物に形状
が似ている炭素繊維の製法は、固相炭素化法が知られて
いる。この製法により作られた炭素繊維はガラス状を示
す。この製法は使用する基本材料により、いくつかの製
法が知られており、例えば、セルローズを原料とする場
合は、その粉末を水に分散させて遠心力を利用して成形
体とし、乾燥させた後140kg/cmの圧力下で5
00℃まで焼成、常圧下で1300〜3000℃に加熱
処理してつくる。また熱硬化性樹脂のフェノール樹脂、
フラン樹脂などを使用する場合は、多重塗付、型込成
形、押出成形などによって成形加工したのち、極めてゆ
っくり硬化、炭素化させることを特長とする為、製造コ
ストが廉価になる可能性は極めて難しいと言われてい
る。
【0006】その他気相成長系炭素繊維は、水素をキャ
リアガスとしてベンゼン蒸気を電気炉に送り炭素を熱分
解させて基板上に成長させる方法も知られているが、実
験段階にあると言われている。
【0007】一番市場性があるとされるポリアクリルニ
トリル系炭素繊維は不活性雰囲気の中でレーヨンを加熱
処理して炭素化する。ピッチからの製法と同じく紡糸、
不融化処理を経て第1段階を0℃までに吸着水を離脱さ
せ、第2段階の150〜240℃までの工程でセルロー
ズ環から脱水する。第3段階の240〜400℃の工程
で主鎖その他のC−OおよびC−C結合を急激に促進さ
せ、第4段階の400℃では主として脱水素を伴う芳香
族化を進めて炭素化する。この様な製法によりつくられ
た炭素繊維の市場価格は通常kg当たり5000円から
万単位までに広がっており、一番安い短繊維の最高安値
は現在kg当たり3000円以上であるとされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、高価な既存炭素系繊維類を廉価に販売可能
なコストダウン製法を確立をすることにある。そのため
炭素化するのに必須の工程を極力単純化又は除去し、基
本原料を炭素化するのに適した材料を発見し、使用する
ピッチの軟化点は極力低い85〜110℃の安物を使用
する事を課題としたものである。またピッチの性状に粘
度、流動性、光学的等方性などの選別を問わず、更にベ
ンゼン不溶分が80%以下のものも使用が可能な製法、
そして高温焼成で基本配合材料を装置に入れてから1時
間内に炭素化させる製法を関発して、kgあたり100
0円台以下の廉価で市場に提供することを課題としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は基本材料にガラス繊維類を選んだ。何故
ならばガラス織維はピッチ成分と良く熱化合することは
知られている。更にフェノール処理をしたガラス繊維は
更に炭素化しやすいことに着目し、品質安定の要因とし
て利用した。
【0010】(2)本発明の製法工程を単純化するた
め、基本材料は最初から繊維伏、織物状不織布状のもの
を採用し、紡糸、不融化処理工程を除去することによ
り、基本配合物をいきなり酸化防止処理工程を必要とし
ないで焼成装置に入れ、既存の複雑な焼成方法を単純化
した。
【0011】(3)本発明はピッチの成分であるグラフ
ァイト系成分を均一に基本材料と熱化合させるために、
カルシウムを主成分とする金属塩を添加すると、カルシ
ウムが基本材料のガラス繊維成分やピッチ炭化物に容易
に熱疎溶性を示し、かつ基本材料のガラス繊維の強靱な
弾性を残しながら剛直性を付与し、少量のピッチとの熱
化合で、短時間に基本配合物の炭素化を可能とする現象
を発見して利用した。
【0012】グラファイト系を含むピッチであれば軟化
点が極力低い85〜110℃にあるものであれば、ピッ
チの流動性、光学的等方性、ベンゼン不溶分などを特定
しないものを使用するので、最高に価格の安いピッチを
利用することを手段とした。
【0013】焼成熱はピッチの使用がカルシウム金属塩
の作用で少なくてすむので、1時間内で基本材料を炭素
化出来るので、エネルギーを極端に少なくする事が出来
る。
【0014】
【作用】
(1)本発明の作用は、基本配合物が1000℃以上に
まで均一に焼成熱が上がった時、完全に炭素化が完結さ
れ、当初用意した基本材料の原形状を止めながら弾性を
損なうことなく、強靱な剛直性を付与したグラファイト
系繊維物を産み出し、炭素系繊維類が持つ特有の耐熱、
耐火、耐食性などの性能を備えたものを産み出す作用を
有する。
【0015】(2)また、本製法は短時間で焼成され複
雑な工程がないため、今までの炭素化繊維類とは比較に
ならぬ安定品質と廉価なコストで製造できる作用を有す
る。
【0016】(3)本発明の製法は、各種カルシウム金
属塩とピッチの配合量を変化させる事により、焼成時間
の短縮や基本材料の剛直性を自由に加減できる作用を有
する。
【0017】(4)基本配合に鉄、銅などの金属粉体を
添加すると、基本材料が炭素化する熱化合の過程で、
鉄、銅などの金属イオンは炭素成分と層間化合物を形成
して基本材料の炭素化組成成分として残り、磁性や電導
性が付与されたグラファイト系繊維物を産み出す作用が
ある。
【0018】
【実施例】 〔1〕グラファイト系短繊維物の製法例 (1) 配合組成 ガラス短繊維(長さ3mm) 5kg 炭化カルシウム 5kg ピッチ 1.5kg (2) ピッチと炭化カルシウムの粉体を良く混合攪拌
した中に、ガラス短繊維を入れて均一になる様、更に混
合攪拌した後、これを焼成釜にいれて1000℃以上焼
成すると、基本材料のガラス繊維がマグマ状になり炭素
化は完結し、急冷を含めて工程は1時間内で終わる。
【0019】 〔2〕グラファイト系織物の製法例 (1) 配合組成 ガラス織物(量産時は連続巻物状)1m 炭化カルシウム 1000g ピッチ 300g (2) ガラス織物を、炭化カルシウムとピッチの配合
比が10対3の割合で配合し熱溶液化させた槽の中に漬
けて含浸させ、これを600℃を越えて熱した鉄板(量
産時はベルト)に乗せて急速に焼成する。鉄板の表面熱
が上がり織物が熱漿の如く灼熱化された時に炭素化の工
程は1時間内で完結する。
【0020】 〔3〕磁性及び電導性を有するグラファイト系短繊維の製法例 (1) 配合組成 ガラス短繊維 5kg 炭化カルシウム 1kg ピッチ 2kg 鉄(粉体) 1kg 銅(粉体) 1kg (2) ピッチ、炭化カルシウム、鉄、銅の粉体を良く
混合攪拌した中に、ガラス短繊維を入れて更に混合攪拌
した後、、これを焼成釜に入れて1000℃以上に焼成
すると、基本材料のガラス織維と金属物がマグマ状に灼
熱色を発する状態で炭素化は完結し、急冷させる。工程
は1時間内で完結する。
【0021】
【発明の効果】
(1)この発明により得られたグラファイト系繊維物
は、従来から知られる炭素繊維類が備える機能、例えば
対熱、耐火、耐食性などの特長を同じ程度に有し、かつ
基本材料から添加材料まで廉価なものを採用することが
出来、かつ焼成時間も1時間内で炭素化できるので、本
発明の目的であるkg当たり1000円台で市場に提供
できる効果を有する。勿論、量産が進めば1000円内
の提供も目前にある。将来は限り無く500円/kgに
近づくことは可能である。
【0022】(2)この発明は最初から用途に合わせて
形状を長短繊維状、織物状、不織布状など自在に製品設
計が出来るので、原素材形状でもそのま利用できる分野
は多い上に、二次加工を進める上でコスト逓減ができる
し、多様な原形状は用途開発を進める上で抜群な効果が
ある。
【0023】(3)本発明による短繊維状のものは、市
場性が豊かであり、各種のセメント製品、ケイ酸カルシ
ウムボード、石膏ボードなどの弾性強化充填材や、耐食
性強化材、耐熱強化材としての用途は炭素繊維の既存巨
大市場に広がる効果を有する。
【0024】(4)本発明の不織布状は極めて豊かなク
ッション性を示し、かつ全く不燃および無煙の性状を示
すので、航空機、船舶、地下鉄などの特殊座席の詰め物
や、また不織布状の層状構造が空気断熱を付与している
ので、建材、電化品等の断熱材として利用できる効果を
有する。
【0025】(5)本発明の織物状の特長は、従来耐火
シートなどの分野で主流であったアスベスト類が禁止に
なった時代の潮流に合致して、この分野から有効に効果
を上げて行くと思われる。何故ならば代替材料としての
ガラス織物などは800℃を越える灼熱の鉄漿に耐える
ことが出来ない現状にある。また、この織物状の量産化
が進むと更に資材調達の逓減化、及び量産装置の完備で
連続量産が可能になるためコストダウンが可能であり、
そうなると薄くて耐火、耐熱抜群の建材シート、船舶、
航空機などのシール材などに進出する効果を有するのは
確実と判断する。
【0026】(6)本発明の磁性、電導性付与した各種
製品は、エレクトロニクスのシール材、人工大理石など
の機能性を高める素材として、今後の炭素織維市場を広
げて行く効果を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス繊維類の形状を長短繊維状、織物
    状、不織布状を問わず基本材料として、これにカルシウ
    ム成分を主体とする金属塩を加えたグラファイト系物質
    を含有する炭化物を含浸、粘着または混合攪拌させたも
    のを本製法の基本配合物とする。この基本配合物を加熱
    しながら600℃から1200℃以内で焼成完結させる
    ことにより、基本材料と添加物とが熱化合され炭素化す
    ることにより得られたグラファイト系繊維物とその製
    法。
  2. 【請求項2】請求項1の基本配合に鉄、銅などの金属元
    素を1種または2種上の金属元素を加え混合し、熱化合
    により得られた磁性、電導性などの特殊機能を有するグ
    ラファイト系繊維物と、その製法。
JP5144169A 1993-05-12 1993-05-12 グラファイト系繊維物とその製法 Pending JPH06322614A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997015171A2 (de) * 1995-10-17 1997-04-24 Magnus Kluge Elektrische widerstandsheizung zur raumklimatisierung in wohnungen und gebäuden

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997015171A2 (de) * 1995-10-17 1997-04-24 Magnus Kluge Elektrische widerstandsheizung zur raumklimatisierung in wohnungen und gebäuden
WO1997015171A3 (de) * 1995-10-17 2002-02-14 Magnus Kluge Elektrische widerstandsheizung zur raumklimatisierung in wohnungen und gebäuden

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