JPH06322263A - 生分解性重合体組成物および成形物 - Google Patents

生分解性重合体組成物および成形物

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JPH06322263A
JPH06322263A JP13503893A JP13503893A JPH06322263A JP H06322263 A JPH06322263 A JP H06322263A JP 13503893 A JP13503893 A JP 13503893A JP 13503893 A JP13503893 A JP 13503893A JP H06322263 A JPH06322263 A JP H06322263A
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polymer
enzyme
microorganism
rubber
polyamide
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JP13503893A
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Masaaki Takami
正明 高見
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリアミド系重合体、アクリル系重合体及び
/又はゴム中に該重合体を分解する酵素及び微生物の少
なくとも1種を含有する生分解性重合体組成物、並びに
それらの重合体からなる成形物の表面に成形物を構成す
る重合体を分解する酵素及び微生物の少なくとも1種を
被覆保持する生分解性重合体成形物。 【効果】 本発明のポリアミド系重合体、アクリル系重
合体及びゴムの組成物及び成形物は、保存等の未使用時
や使用時にはそれらの重合体の物性低下を最小限に抑制
して良好な物性を保つことができ、使用済みとなった後
は速やかに生分解して低分子化することができるので、
大きな問題となっている環境汚染に円滑に対応すること
ができる。更に、本発明による場合は、それらの重合体
を分解する酵素や微生物の分解能、使用量等を調節する
ことによって、その分解の程度や速度等を調節すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微生物や酵素によって円
滑に分解される生分解性の重合体組成物および成形物に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高分子材料がその種々の優れた特
性により広く用いられているが、一方でその高い安定性
のために使用後も環境中で容易に分解せず、使用済みの
高分子材料の処理やそれによる環境破壊が大きな問題と
なっている。かかる点から使用後は微生物や酵素などに
よって容易に分解して環境破壊などを生じない、いわゆ
る生分解性の高分子材料が求められるようになってお
り、生分解性の高分子材料に関する研究が行われてい
る。
【0003】例えばポリアミド系重合体については、天
然蛋白質であるゼラチン、絹および羊毛、並びに各種の
合成ポリアミノ酸が比較的生分解性に優れていることが
従来から広く知られている。また、それらのポリアミド
系重合体とアクリル系モノマー、ビニルアルコール系モ
ノマー、ブタジエン系モノマー、エチレン系モノマーま
たはオキシエチレン系モノマーとの共重合体やグラフト
共重合体が微生物や各種の加水分解酵素によって分解さ
れることも報告されている[“J.Polymer Science Pol
ym.Chem.Ed.”19(5),1265-1267(1981);“Pollim
o”12(8),702-709(1988);“Biomaterials”8(5),4
07-410(1987);“Biomaterials”11(6),409-413(19
90);“Taehan Hwahakhoe”34(2),197-202(1990);
「繊維学会誌」43(9),462-470(1987)]。そして、難
分解性の合成高分子であるナイロンについても、ナイロ
ンオリゴマーを分解する酵素の単離が報告されており
[“J.Biochem.”Vol.159,537(1966)]、ナイロン
自体の土壌中での分解も示唆されている。
【0004】また、近年高吸収性材料などとして多量に
使用されているアクリル系重合体は、比較的生分解性に
乏しいところから、生分解性が明らかになっている化合
物との複合体にしたり共重合体にする研究が行われてお
り、具体的には澱粉類、セルロース、ポリビニルアルコ
ールとの複合体や共重合体からなる生分解性材料が知ら
れている[「高分子論文集」Vol.45,No.4,317-324(1
988);“Adv.Polym.Technol.”Vol.10,No.1,23-3
0(1990)]。また、難分解性といわれているアクリル
系重合体ではあっても、ポリアクリル酸水溶液にすると
生分解されることが確認されており、活性汚泥からの分
解菌の単離も報告されている[「油化学」Vol.33,No.
4,228-232(1984);「油化学」Vol.39,No.4,245-24
9(1990)]。更にポリアクリロニトリルの分解菌に関す
る報告もなされている[「繊維学会誌」Vol.40,No.8,
T.297-T.301(1984)]。
【0005】更に、天然ゴムおよび合成ゴムは日常大量
に用いられており、その廃棄物は主として焼却によって
なされ、その際に発生する有毒ガスや高熱が問題となっ
ているが、ゴムの生分解については古くから研究されて
いて、土壌中の微生物によって分解されることが報告さ
れている[例えば“Chem.Tech.”July 1971,409-41
5;特開平2−76575号公報;“Appl.Environ Mic
robiol.”50(4),965-970(1985);“J.Appl.Poly
m.Sci.”Vol.41,No.5-6,1181-1187(1990)]。
【0006】しかしながら、ポリアミド系重合体、アク
リル系重合体およびゴムの生分解に際しては、通常、そ
れらの重合体を水、土壌、空気などを含む環境下に置い
て、そこに棲息する微生物または微生物が産生する酵素
に遭遇接触させて分解するという方法が採られており、
このことはポリアミド系重合体、アクリル系重合体およ
びゴムの生分解に関する上記した種々の研究においても
例外ではない。そのため、これらの重合体の生分解に当
たっては、生分解しようとする物品や組成物中における
重合体の含有量、その共重合組成や変性内容などによっ
て大きく左右される。したがって、ポリアミド系重合
体、アクリル系重合体またはゴムの生分解を促進する場
合にはそれらの要素を制御・調節することが必要である
が、一方で共重合や化学的変性による場合は、重合体の
物性変化が著しく使用に耐え得ないものとなるため、実
用化には至っていない。また、ポリアミド系重合体、ア
クリル系重合体またはゴムの生分解性を高めるために、
生分解性に優れる他の重合体を配合した場合にも物性変
化や低下の問題を避けることができない。
【0007】一方、酵素や微生物を高分子化合物に固定
化してバイオリアクター等として用いることが広く行わ
れているが、その場合は高分子化合物を担体とし、それ
に触媒である酵素や微生物を担持させて、バイオリアク
ター、センサー、排水処理促進剤、脱臭剤などとして用
いるものであり、高分子化合物自体の分解を目的とする
ものではなく、そのため高分子化合物に担持させる微生
物や酵素としてはそれを分解しないものが使用されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、未使
用時(保存時)や使用時にはポリアミド系重合体、アク
リル系重合体および/またはゴムまたはそれからなる成
形物の物性低下を最小限に抑制して通常の同種の重合体
と同様に良好な物性を保つことができ、しかも使用後は
速やかに且つ容易に生分解するポリアミド系重合体、ア
クリル系重合体および/またはゴムの組成物ならびにそ
れらの重合体からなる成形物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく検討を重ねてきた。その結果、ポリアミド
系重合体、アクリル系重合体および/またはゴム自体を
化学的に変性したり、それらの重合体中に他の生分解性
の重合体や成分を配合する上記した従来の方法に代え
て、ポリアミド系重合体、アクリル系重合体および/ま
たはゴムにそれを分解することのできる酵素や微生物を
含有させると、保存時等の使用前および使用時は良好な
物性を維持し、しかも使用済みとなった後は速やかに生
分解される重合体組成物が得られることを見出した。更
に本発明者は、ポリアミド系重合体、アクリル系重合体
および/またはゴム中にそのような酵素や微生物を含有
させる方法に代えて、それらの重合体からなる成形物の
表面に酵素および/または微生物を被覆した場合にも同
様に優れた結果が得られることを見出し、それらの発見
に基づいて本発明を完成した。
【0010】したがって、本発明は、ポリアミド系重合
体、アクリル系重合体およびゴムから選ばれた重合体並
びに該重合体を分解する酵素および微生物の少なくとも
1種からなることを特徴とする生分解性重合体組成物で
ある。
【0011】そして、本発明は、ポリアミド系重合体、
アクリル系重合体およびゴムから選ばれた重合体からな
る成形物の表面に成形物を構成する重合体を分解する酵
素および微生物の少なくとも1種を被覆保持しているこ
とを特徴とする生分解性重合体成形物である。
【0012】本発明の生分解性重合体組成物において、
酵素および/または微生物を混合する前のポリアミド系
重合体、アクリル系重合体およびゴムの形態は特に限定
されず、例えば粉末状、ペレットやチップなどのような
粒状など任意の形態でよい。その場合に酵素および/ま
たは微生物は、それらの重合体の粉末や粒状体と単に混
合しても、または練り込んでも、或いはその表面に付着
するなどしてもよい。また、酵素および/または微生物
を含有させた重合体組成物の形態も特に限定されず、例
えば粉末状、粒状(ペレット、チップなど)、塊状、液
状など任意の形態にしておくことができる。
【0013】また、酵素および/または微生物を被覆保
持させるポリアミド系重合体、アクリル系重合体および
ゴムからなる成形物の種類や形状なども制限されず、例
えば繊維、糸、布帛、紙、フイルム、シート、板、管、
容器、タイヤ、履物、その他の型物、他の素材を含む複
合体などを挙げることができるが、勿論これらに限定さ
れない。更に成形物の寸法なども特に制限されない。
【0014】本発明でいうポリアミド系重合体は、アミ
ノ酸、ラクタム類、ポリカルボン酸とポリアミンなどか
ら誘導されるアミド単位を分子中に複数個有する化合物
をいい、低分子量のポリアミドから高分子量のポリアミ
ドまで含み、アミド単位を5個以上有するポリアミド、
更にはより高分子量のポリアミドに対して有効である。
ポリアミド系重合体は、単一のアミド単位からなる単独
重合体であってもまたは2種以上のアミド単位からなる
共重合体であっても、或いは他の共重合単位を含む共重
合ポリアミドであっても、更には化学的に変性したもの
であってもよい。
【0015】本発明で対象としているアミド単位のみか
らなるポリアミド系重合体の例としては、コラーゲン、
ゼラチン、絹蛋白質、ウール蛋白質などの天然蛋白質;
ポリリジン、ポリグルタミン酸、ポリグルタミン酸エス
テル、ポリ−N−ヒドロキシアルキルグルタメート、ポ
リアスパラギン酸、N−ヒドロキシエチルグルタミン・
ロイシン共重合体、N−ヒドロキシエチルグルタミン・
アラニン共重合体、N−ヒドロキシエチルグルタミン・
メチルグルタメート共重合体、N−ヒドロキシエチルグ
ルタミン・リジン共重合体、アスパラギン酸・グルタミ
ン酸共重合体などの合成ポリアミノ酸;ナイロン6、ナ
イロン6,6、ナイロン2,6、ナイロン4,6、ナイロ
ン11などのナイロンなどを挙げることができる。
【0016】アミド単位と他の共重合単位との共重合ポ
リアミドまたは変性ポリアミドの例としては、アクリル
系モノマー、エチレンやプロピレンなどのオレフィン
類、スチレンなどのエチレン性不飽和モノマーの少なく
とも1種と共重合するかまたはそれらのモノマーで変性
したポリアミド、ブタジエンやイソプレンなどのジエン
系モノマーと共重合するかまたは該ジエン系で変性した
ポリアミド、アルキレンオキシド系化合物、グリコシド
系化合物、ウレタン系化合物、エステル系化合物などと
共重合するかまたはそれらで変性したポリアミドなどを
挙げることができる。
【0017】また、ポリアミド系重合体は他の重合体と
混合して組成物の形態になっていてもよい。ポリアミド
系重合体と混合していてもよい他の重合体の例として
は、脂肪族ポリエステル類、澱粉、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、アクリル系重合体などを挙げることができ、ポリア
ミド系重合体はこれら他の重合体の1種類または2種以
上を必要に応じて含有することができる。
【0018】また、本発明でいうアクリル系重合体は、
(メタ)アクリル酸またはその塩、(メタ)アクリル酸
エステル、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル
などから誘導されるアクリル単位を分子中に複数個有す
る化合物をいい、低分子量のアクリル系重合体から高分
子量のアクリル系重合体まで含み、アクリルを5個以上
有するアクリル系重合体、更にはより高分子量のアクリ
ル系重合体に対して有効である。アクリル系重合体は、
単一のアクリル単位からなる単独重合体であってもまた
は2種以上のアクリル単位の共重合体であっても、或い
は他の共重合単位を含むアクリル共重合体であっても、
更には化学的に変性したものであってもよい。
【0019】アクリル単位のみからなる本発明における
アクリル系重合体の例をとしては、ポリ(メタ)アクリ
ル酸またはその塩、ポリアクリロニトリル、ポリ(メ
タ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリレート、上記
したアクリル系モノマーの2種または3種以上の共重合
体などを挙げることができる。
【0020】アクリル単位と他の共重合単位とのアクリ
ル共重合体または変性アクリル系重合体の例としては、
エチレンやプロピレンなどのオレフィン類、スチレン、
ハロゲン化ビニルなどのエチレン性不飽和モノマーの少
なくとも1種との共重合体、ブタジエンやイソプレンな
どのジエン系モノマーとの共重合体、アルキレンオキシ
ド系化合物、グリコシド系化合物、ウレタン系化合物、
エステル系化合物で変性したアクリル系重合体などを挙
げることができる。
【0021】また、アクリル系重合体は他の重合体と混
合されて組成物の形態になっていてもよい。アクリル系
重合体と混合していてもよい他の重合体の例としては、
脂肪族ポリエステル類、澱粉、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、
ポリアミドなどを挙げることができ、アクリル系重合体
はこれら他の重合体の1種類または2種以上を必要に応
じて含有することができる。
【0022】そして、本発明でいうゴムとしては、天然
ゴムまたは合成イソプレンゴムを挙げることができ、ゴ
ムは未加硫のものであっても、加硫したものであっても
よく、更に化学的に変性されていてもよい。また、生分
解の対象となるゴムは、1種類のゴムからなっていても
または2種以上のゴムの混合物であっても、或いは他の
重合体を含有するゴム組成物であってもよい。ゴム中に
含有されていてもよい他の重合体の例としては、ポリウ
レタン、脂肪族ポリエステル類、澱粉、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリアミドなどを挙げることができ、これらの
他の重合体の1種類または2種以上を必要に応じて含有
することができる。
【0023】更に、本発明におけるポリアミド系重合
体、アクリル系重合体およびゴムは、それら重合体に対
して通常使用されている種々の添加剤、例えば、充填
剤、補強剤、染顔料、紫外線安定剤、酸化防止剤、帯電
防止剤、難燃剤、滑剤、架橋剤、加硫剤などを場合によ
り含有することができる。
【0024】そして本発明では、対象とする重合体の種
類に応じて、それらの重合体の分解能を有する酵素およ
び微生物のいずれもが使用でき、その種類や起源などは
限定されない。また、酵素および微生物は1種類のみを
使用しても、またはそれらが互いに悪影響を及ぼさない
限りは2種以上を併用してもよい。
【0025】ポリアミド系重合体用の酵素および微生物
の例としては、そのアミド結合を加水分解することので
きるプロテアーゼを代表とする加水分解酵素およびそれ
を産生する微生物を挙げることができ、具体的には、ト
リプシン、キモトリプシン、スブチリシン、パパイン、
サーモライシン、アミノペプチダーゼ類、カルボキシペ
プチダーゼ類、カテプシン類、カゼイナーゼ、ゲラチナ
ーゼ、コラゲナーゼ等のメタロプロテアーゼ類、エステ
ラーゼ、エラスターゼ、ペプシン、リパーゼなどの酵
素、並びにこれらの酵素を産生する菌類を挙げることが
でき、上記した酵素類およびそれらの酵素を産生する菌
類はいずれも広く知られている。また、ナイロン類を分
解する酵素としては、例えばナイロンオリゴマーを加水
分解することが知られているアミノペプチダーゼ類を挙
げることができる[“J.Appl.Microbiol.”Vol.13,
125(1967)]。ポリアミド系重合体を分解する酵素は
精製品であっても、或いは菌体より得た粗精製物または
菌体粉砕物であってもよい。
【0026】また、活性汚泥や土壌中にはポリアミド系
重合体の分解機能を有する菌類が含まれることが既に知
られており、活性汚泥や土壌中に含まれるそのようなポ
リアミド分解菌を使用してもよい。その場合に活性汚泥
や土壌を直接そのまま使用してもよいが、活性汚泥や土
壌中に含まれるポリアミド分解菌を、ポリアミド系重合
体を含有する培地を用いてスクリーニングし、それを用
いて高い分解能を有する菌株をクローニングし、この菌
株をポリアミド系重合体の分解菌として用いるとその分
解を一層促進することができる。
【0027】また、アクリル系重合体を分解する酵素は
現在のところ単離精製されていないが、アクリル系重合
体の分解活性を有する微生物は知られていて、活性汚泥
からそのような菌が単離されており、糸状菌類からもア
クリル系重合体を分解する菌が単離されているので[上
記した「油化学」Vol.33,No.4,228-232(1984);
「油化学」Vol.39,No.4,245-249(1990);「繊維学
会誌」Vol.40,No.8,T.297-T.301(1984)など]、それ
らの菌の粗抽出物または培養上清を粗酵素として用いる
ことができる。菌類をアクリル系重合体の分解に用いる
場合は、上記した活性汚泥または糸状菌類に含まれるア
クリル系重合体分解菌を用いるとよい。その場合に活性
汚泥や糸状菌類を直接そのまま使用してもよいが、ポリ
アミド系重合体の場合と同様に、活性汚泥や糸状菌類中
に含まれるアクリル系重合体分解菌を、アクリル系重合
体を含有する培地を用いてスクリーニングし、それを用
いて高い分解能力を有する菌株をクローニングし、この
菌株をアクリル系重合体の分解菌として用いるとその分
解を一層促進することができる。
【0028】更に、ゴムを分解する酵素はアクリル系重
合体の場合と同様に現在のところ単離精製されていない
が、ゴムを分解する微生物として、ストレプトミセス属
菌[Sci(“Soc.Chem.Ind.”London)Monogr.,23,1
85(1966)]、ノルカディアまたはロドコッカス属菌
(特開平2−76575号公報)、ノルカディア属菌
[“J.Appl.Polym.Sci.”41(5-6),1181-1187(1
990)]などが知られているので、それらの菌の粗抽出
物または培養上清を粗酵素として用いることができる。
また、上記したようなゴム分解菌を用いてもよく、その
場合はゴム分解菌を直接そのまま使用しても、或いはゴ
ムを含有する培地を用いてスクリーニングし、次いでク
ローニングして得たゴム分解能の高い菌を用いてもよ
い。
【0029】酵素および/または微生物の使用割合は、
ポリアミド系重合体、アクリル系重合体またはゴムに対
する酵素または微生物の分解能、それらの重合体の化学
組成、組成物中におけるそれらの重合体の含有量、重合
体や組成物の粒径、成形物の大きさや形状等の要件に応
じて種々調節することができる。酵素および微生物の少
なくとも1種をポリアミド系重合体、アクリル系重合体
および/またはゴムに混合して生分解性の重合体組成物
を調製する場合は、重合体の重量に基づいて、酵素およ
び微生物の少なくとも1種を0.01〜50重量%、好
ましくは0.1〜10重量%(乾物換算)(2種以上の
酵素および/または微生物を併用する場合はその合計
量)混合するのがよい。また、それらの重合体からなる
成形物の表面に被覆する場合は、ポリアミド系重合体、
アクリル系重合体および/またはゴムの重量に基づい
て、酵素および微生物の少なくとも1種の被覆量が0.
01〜20重量%(乾物換算)(2種以上の酵素および
/または微生物を併用する場合はその合計量)の割合に
なるように被覆するのがよい。
【0030】酵素および微生物の安定化、活性保持、ポ
リアミド系重合体、アクリル系重合体および/またはゴ
ム組成物或いは成形物の物性低下の抑制などのために、
酵素および微生物を、乾燥微粉末化またはマイクロカプ
セル化して使用してもよく、或いは担体(例えば澱粉、
シリカ、ゼオライト、セライト、アルギン酸、ガラス、
セラミックス、ポリアクリレート、ポリウレタンなど)
に固定化または包埋して使用してもよい。担体を使用す
る場合は、担体の割合が50重量%を超えないようにす
るのが好ましい。また、酵素および微生物の表面にポリ
エチレングリール、脂肪酸、脂質などを結合させて安定
性や親和性を調節したものを使用してもよい。
【0031】更に、酵素および/または微生物の微粉末
化、マイクロカプセル化、担体への固定化や包埋時など
に、親水性高分子や可塑剤などを併用すると、酵素や微
生物を配合されたポリアミド系重合体、アクリル系重合
体および/またはゴムの強度保持、物性低下の抑制を図
ることができ望ましい。その際の親水性高分子として
は、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、
ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポ
リエチレンイミン、ポリアクリル酸ナトリウムなどの水
溶性合成高分子、カゼイン、ゼラチン、膠、大豆蛋白、
コラーゲン、蛋白質系抽出物、繊維素グリコール酸ナト
リウム、多糖類誘導体などの天然高分子などを挙げるこ
とができる。
【0032】また可塑剤としては、グリセリン、ソルビ
トール、エチレングリコール、プロピレングリコール、
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの
多価アルコール類、脂肪酸類、油脂類、ジエタノールア
ミン、エタノールアミンなどのアミノアルコール類、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアル
キルアミド類、N−アセチルアラニン、N−セチルグリ
シンなどのアミノ酸類やこれらの水溶性塩類、N−エチ
ル−p−トルエンスルホンアミド、N−ブチルベンゼン
スルホンアミド、N−シクロヘキシルトルエンスルホン
アミドなどのスルホンアミド類、テトラエチルアンモニ
ウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩類を挙げる
ことができる。上記した親水性高分子および/または可
塑剤は1種類のみを使用しても、2種以上を併用しても
よい。また、酵素および/または微生物をポリアミド系
重合体、アクリル系重合体および/またはゴムからなる
成形物の表面に被覆する場合も同様である。
【0033】また、上記した親水性高分子および/また
は可塑剤は酵素や微生物の調製時に使用してもよく、酵
素や微生物をポリアミド系重合体、アクリル系重合体お
よび/またはゴム体或いはその組成物中に配合する際に
直接重合体中に配合してもよく、或いは重合体やそれか
らなる物品の表面に酵素および/または微生物を被覆す
る際に被覆用組成物中に添加してもよい。いずれの場合
も、親水性高分子および/または可塑剤の使用量が酵素
および/または微生物との合計重量に基づいて50重量
%以下になるようにするのが望ましい。
【0034】また、酵素および微生物を均一に分散させ
るために、それらの調製時あるいは重合体中への酵素お
よび/または微生物の配合時、被覆時などに、界面活性
剤、乳化剤、サーファクタント類を併用してもよい。
【0035】ポリアミド系重合体、アクリル系重合体お
よび/またはゴム、或いはそれらの重合体中に酵素およ
び/または微生物を混合する方法は特に制限されず、酵
素および/または微生物の分解能を著しく低減すること
なく均一に混合分散し得る方法であればいずれでもよい
が、好ましい混合方法の例として以下の〜の方法を
挙げることができる。
【0036】 ポリアミド系重合体、アクリル系重合
体および/またはゴム、或いはそれらの重合体を含む組
成物の粉末、粒状物(ペレット等)などに、酵素および
/または微生物の乾燥粉末、マイクロカプセル、担体担
持物などを、必要に応じて他の成分とともに混合して酵
素および/または微生物を含有するポリアミド系重合
体、アクリル系重合体および/またはゴムの組成物を調
製する方法。
【0037】 水、有機溶媒(例えばジメチルスルホ
キシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アル
コール、テトラヒドロフラン、アセトン等の極性溶媒)
または水と有機溶媒との混合溶媒の存在下に、ポリアミ
ド系重合体、アクリル系重合体および/またはゴム或い
はそれらの重合体を含む組成物と、酵素および/または
微生物を、必要に応じて界面活性剤、乳化剤などの存在
下に混合した後、溶媒を例えば抽出、減圧処理などの適
当な方法で除去して、酵素および/または微生物を含有
するポリアミド系重合体、アクリル系重合体および/ま
たはゴムの組成物を調製する方法。
【0038】 酵素および/または微生物の存在下に
ポリアミド系重合体、アクリル系重合体および/または
ゴムの重合を行って、酵素および/または微生物を含有
するそれらの重合体の組成物を直接製造する方法。
【0039】上記〜のいずれの方法も、酵素および
/または微生物の重合体分解活性が大きく低下しないよ
うにすることが必要であり、50%以上の分解活性が保
たれるようにして酵素および/または微生物と重合体と
を混合するのが好ましい。そしてそのためには、重合体
と酵素および/または微生物の混合操作を150℃以下
の温度で行うのが好ましく、120℃以下がより好まし
い。酵素および/または微生物の混合時の温度が80℃
以上の場合は、その処理時間を10分以内にするのが望
ましい。
【0040】上記〜の方法を行う場合に、酵素およ
び/または微生物として親水性高分子および/または可
塑剤の存在下に調製したものを使用しても、或いは親水
性高分子および/または可塑剤を、酵素および/または
微生物を重合体と混合する際に同時に混合してもよい。
【0041】そして、上記〜の方法により製造され
た酵素および/または微生物を含有するポリアミド系重
合体、アクリル系重合体および/またはゴムの組成物は
そのまま保存、流通、販売しても、繊維、糸、布帛、紙
類、フイルム、シート、その他の物品にして流通、販売
してもよい。それらの物品にする場合は酵素および/ま
たは微生物の活性低下を抑制しながら、通常の方法によ
って行うとよく、その製法などは特に制限されない。
【0042】また、酵素および/または微生物を重合体
中に混合する代わりに重合体や物品などの表面に被覆す
る場合は、酵素および/または微生物の活性が大幅に低
減しない限りその被覆方法は特に制限されないが、一般
に、水や上記の方法で挙げたと同様の有機溶媒を使用
して酵素および/または微生物を含有する溶液、エマル
ジョン、懸濁液などからなる被覆用組成物を調製し、そ
れを重合体、その組成物または物品の表面に被覆する方
法を採用するのがよい。その際に必要に応じて上記した
親水性高分子および/または可塑剤を併用することがで
き、該親水性高分子および/または可塑剤は予め酵素お
よび/または微生物に保持させておいても、酵素および
/または微生物を水や溶媒に溶解または分散させる際に
同時に加えてもよい。この場合も、酵素および/または
微生物の重合体分解能が大きく低下しないようにして被
覆処理を行うことが必要であり、酵素および/または微
生物の50%以上の分解活性が保たれるように150℃
以下の温度で被覆用組成物の調製および被覆処理を行う
のが好ましい。
【0043】酵素および/または微生物を含有するか或
いは表面に被覆保持する本発明のポリアミド系重合体、
アクリル系重合体およびゴムの組成物および成形物は、
その保存時等の使用前および使用時には酵素や微生物が
働かないようにできるだけ乾燥した状態にしておくのが
望ましく、更に空気などとの接触も少なく保つことがよ
り好ましく、それによって一時的に酵素および/または
微生物の分解活性を抑えることができ、それらの重合体
本来の良好な物性を維持したまま保存および/または使
用が可能である。そして、使用済みとなった後は水分や
空気などとの接触を多くして酵素や微生物が働きやすい
環境にすることによって、速やかに生分解させることが
できる。
【0044】本発明のポリアミド系重合体、アクリル系
重合体および/またはゴムの組成物および成形物は、使
用が済んだ後に速やかに生分解されることが特に望まれ
ている消耗品、例えば紙おむつ、生理用品、コンドー
ム、ゴム手袋などの使い捨て衛生用品、つり糸、包装用
フイルム、ロープ、魚網、建築用ネット、ボトル類など
として好ましく使用される。以下に実施例などにより本
発明を具体的に説明するが、本発明はそれにより限定さ
れない。以下の例中、%は重量%を表す。
【0045】
【実施例】
《実施例 1》[パパインを含有するポリL−グルタミ
ン酸繊維の製造] (1) パパイン(力価10U/mg以上)(Worthing
ton Biochemical Corp.製)1gをリン酸緩衝液(pH
6.2)10mlに溶解し、不溶物を除去した後凍結乾
燥して水分含量が0.3%以下となった粉末を得て、こ
れをポリL−グルタミン酸分解酵素として用いた。 (2) 「繊維学会誌」43(9),462-470(1987)に記載
されている林らの方法にしたがって、L−グルタミン酸
−γ−メチル酸無水物(味の素社製)250gを再結晶
して精製した後、ジオキサン/塩化メチレン混合溶媒中
でトリエチルアミンを開始剤として重合させ、重合体を
冷メタノール中に析出させ、粗分別処理してポリL−グ
ルタミン酸−γ−メチルを得た。
【0046】(3) 次いで、「繊維学会誌」28,112
(1972)に記載されている高橋らの方法にしたがってポ
リL−グルタミン酸繊維を製造した。すなわち、上記
(2)で製造したポリL−グルタミン酸−γ−メチル1
00gを1.8%NaOHの75%メタノール溶液50
0ml中に入れて20℃に3時間保ってケン化し、不溶
物を除去した後リン酸緩衝液(pH6.2)に対して透
析してポリL−グルタミン酸の水溶液を得た。この水溶
液500mlに上記(1)で得たポリL−グルタミン酸
分解酵素粉末100mgおよびポリエチレングリコール
(分子量3000)0.5gを加え、適度に濃縮して紡
糸原液を調製した。この紡糸原液を用いて、リン酸凝固
剤を含む凝固浴に湿式紡糸して、パパインを含有するポ
リL−グルタミン酸繊維を製造した。 (4) パパインを使用しない以外は上記(2)および
(3)と同様にしてパパインを含有しないポリL−グル
タミン酸繊維を製造し、これを対照とした。
【0047】(5) 上記(3)で製造したパパインを
含有するポリL−グルタミン酸繊維および(4)で製造
したパパインを含有しないポリL−グルタミン酸繊維の
それぞれを約5mmの繊維長に裁断し、それぞれ1gを
リン酸緩衝液(pH6.2)100ml中に浸漬し、3
0℃の恒温槽で5日間振盪した。次いで、恒温槽より繊
維を取り出して乾燥した後その重量を測定したところ、
パパインを含有しないポリL−グルタミン酸繊維では初
期重量に比べて重量減少はほとんどなかったのに対し
て、パパインを含有する本発明のポリL−グルタミン酸
繊維では46%の重量減少が見られた。この結果から、
パパインを含有する本発明のポリL−グルタミン酸繊維
が生分解性であることが確認された。
【0048】《実施例 2》[ナイロン分解菌を被覆し
たナイロンシートの製造] (1) “Polymer Preprints”Vol.40,No.8,2730(1
991)(Japan)に記載された辻らの方法を参考にして、
ナイロンオリゴマー(直鎖状ε−カプロラクタム4量
体)を0.1重量%含有する寒天平板培地を用い、活性
汚泥に含有される菌群を該寒天平板培地に均一に塗布
し、生育増殖したナイロンオリゴマー分解能を有する菌
群をそれぞれ分離することなく、ナイロンオリゴマー
0.1%、イースト抽出物0.005%、ペプトン0.
005%および塩類(CaCl2 0.01%、(NH4)2SO4 0.
1%、FeSO4・7H2O 0.001%、KH2PO4 0.02%、K2
HPO4 0.1%、MgSO4・7H2O 0.02%、NaCl 0.01
%)を加えた培地に添加して大量培養した(30℃、通
気撹拌速度200rpm)。集菌後、凍結乾燥し、次い
で同量のPVA[(株)クラレ製「PVA217」;重
合度1700の部分ケン化PVA]を加えてW/Oタイ
プのエマルジョンを調製し、これを噴霧乾燥して、微粒
状の菌体を調製した。
【0049】(2) PVA[(株)クラレ製「PVA
217」;重合度1700の部分ケン化PVA]の10
%水溶液に上記(1)で調製した微粒状の菌体を2重量
%になるように加えて均一に分散させて被覆用溶液を調
製した。 (3) ナイロン6(東レ社製「アミランCM102
1」)を常法によりT型ダイスから押出し後チルドロー
ルで冷却して厚さ1mmのシートを製造した。このナイ
ロンシートに上記(2)で調製した被覆用溶液をコーテ
ィングし、風乾した後、90℃で2分間熱処理した。上
記(1)で調製した菌体微粒子の塗布量は約2mg/c
2であった。 (4) 菌体を使用しない以外は上記(2)および
(3)と同様の操作を行って、菌体を被覆しないナイロ
ンシートを作製し、対照とした。
【0050】(5) 上記(3)および(4)で得られ
たナイロンシートのそれぞれからなる約5cm平方のシ
ート片を土中に埋設し、30日後に取り出して、その引
張強度をJIS K−6301により測定したところ、
菌体で被覆した上記(3)で得られた本発明のナイロン
シートの強度は土中に埋設する前に比べて28%低下し
ていたのに対して、菌体を被覆してない上記(4)で得
られた対照のナイロンシートでは引張強度の低下が約1
0%に止まっていた。このことから、菌体を被覆した本
発明のナイロンシートは良好な生分解性を有しているこ
とがわかる。
【0051】《実施例 3》[分解菌を含有するポリア
クリル酸ナトリウムの製造] (1) 実施例2の(1)に記載した辻らの方法を参考
にして、ポリアクリル酸(分子量2000;Aldrich社
製)を0.1重量%含有する寒天平板培地を用い、活性
汚泥に含有される菌群を該寒天平板培地に均一に塗布
し、生育増殖したポリアクリル酸分解能を有する菌群を
それぞれ分離することなく、ポリアクリル酸(分子量2
000)0.1%、イースト抽出物0.005%、ペプ
トン0.005%、塩類[実施例2の(1)で用いたの
と同じもの]を加えた培地に添加して大量培養した(3
0℃、通気撹拌速度200rpm)。集菌後、凍結乾燥
し、次いで同量のPVA[(株)クラレ製「PVA21
7」]を加えてW/Oタイプのエマルジョンを調製し、
これを噴霧乾燥して、微粒状の菌体を調製した。
【0052】(2) 架橋ポリアクリル酸ナトリウム
(三洋化成工業社製「サンウエットIM−1000」)
100gに、上記(1)で調製した菌体微粒子2gを懸
濁含有する水200mlを加えてよく混合した後、すべ
ての水が吸収されるまで放置した。次いで、減圧下に6
0℃で10分間加熱して脱水し、生成した固形物を粉砕
して菌体含有架橋ポリアクリル酸ナトリウム粉末を得
た。 (3) 菌体を使用しなかった以外は上記(2)と同様
にして架橋ポリアクリル酸ナトリウム粉末を調製して対
照とした。
【0053】(4) 上記(2)で調製した菌体を含有
するポリアクリル酸ナトリウム粉末および(3)で調製
した菌体を含有しないポリアクリル酸ナトリウム粉末の
それぞれ0.1gを実施例2の(1)で用いた塩類を含
む溶液(pH6.2)200ml中に加えて、30℃の
恒温槽で15日間振盪した。次いで、恒温槽より取り出
したそれぞれの溶液にジメチルスルホキシドを各300
ml加えて激しく振盪した後、固形残渣を回収し、濾紙
を用いて溶質部分を可能な限り除去した。次に、固形残
渣を減圧下で乾燥してその重量を測定して、上記溶液に
加える前の重量に対する減量率を調べた。その結果、上
記(2)で調製した菌体を含有する本発明のポリアクリ
ル酸ナトリウム粉末の重量減少は34%であったのに対
して、上記(3)で調製した菌体を含まない対照のポリ
アクリル酸ナトリウム粉末の重量減少は6%であった。
このことから、菌体を含有する本発明のポリアクリル酸
ナトリウムは良好な生分解性を有していることがわか
る。
【0054】《実施例 4》[分解酵素を含有するポリ
アクリル酸ナトリウムの製造] (1) 実施例3の(1)と同様にしてポリアクリル酸
分解菌群を1Lスケールで大量培養し、集菌した後、リ
ン酸緩衝液(pH7.9)50ml中で超音波破砕し
た。遠心分離後の上清み液を分子量10000以下の物
質を除外するメンブランフィルター(アミコン社製)を
用いて10mlに濃縮した後、凍結乾燥して添加用粗酵
素を調製した。 (2) 実施例3の(2)と同様にして、架橋ポリアク
リル酸ナトリウム(三洋化成工業社製「サンウエットI
M−1000」)100gに、上記(1)で調製した粗
酵素1gを懸濁含有する水200mlを加えてよく混合
した後、すべての水が吸収されるまで放置した。次い
で、減圧下に60℃で10分間加熱して脱水し、生成し
た固形物を粉砕して酵素含有架橋ポリアクリル酸ナトリ
ウム粉末を得た。 (3) 粗酵素を使用しなかった以外は上記(2)と同
様にして架橋ポリアクリル酸ナトリウム粉末を調製して
対照とした。
【0055】(4) 上記(2)で調製した酵素含有ポ
リアクリル酸ナトリウム粉末および(3)で調製した酵
素を含有しないポリアクリル酸ナトリウム粉末を用い
て、実施例3の(4)と同様にしてそれぞれの生分解性
を調べたところ、上記(2)で調製した酵素を含有する
本発明のポリアクリル酸ナトリウム粉末の重量減少は2
6%であったのに対して、上記(3)で調製した酵素を
含まない対照のポリアクリル酸ナトリウム粉末の重量減
少は6%であり、このことから酵素を含有する本発明の
ポリアクリル酸ナトリウムは良好な生分解性を有してい
ることがわかる。
【0056】《実施例 5》[ゴム分解菌を被覆したゴ
ム手袋の製造] (1) 特開平2−76575号公報に記載された方法
を参考にして、NR−35A株(FERM−P726
6)菌を、ゴム裁断片2.5gを入れた培地[(NH4)2SO
4 2.0g、KH2PO4 0.2g、K2HPO4 0.7g、MgSO4・7
H2O 0.1g、NaCl0.1g、CaCl2・2H2O 0.01g、F
eSO4 5mg、Na2MoO4・2H2O 0.5mg、Na2WO4・2H2O
0.5mg、MnSO4 0.5mg、蒸留水1000ml;p
H7.0]でゴム裁断片が完全になくなるまで培養し、
集菌後、凍結乾燥し、次いで同量のPVA[(株)クラ
レ製「PVA217」]を加えてW/Oタイプのエマル
ジョンを調製し、これを噴霧乾燥して、微粒状の菌体を
調製した。
【0057】(2) PVA[(株)クラレ製「PVA
217」]の10%水溶液に上記(1)で調製した微粒
状の菌体を2重量%になるように加えて均一に分散させ
て被覆用溶液を調製した。 (3) 市販のゴム手袋に上記(2)で調製した菌体を
含有する被覆用溶液をコーティングし、風乾した後、6
0℃で2分間熱処理した。上記(1)で調製した菌体微
粒子の塗布量は約2mg/cm2であった。 (4) 菌体を使用しない以外は上記(2)および
(3)と同様の操作を行って、菌体を被覆しないゴム手
袋を作製し、対照とした。
【0058】(5) 上記(3)および(4)で製造し
たゴム手袋の裁断片(100mm×2mm;0.2g)
を上記(1)で使用したのと同じ培地200ml中に浸
漬し、30℃の恒温槽で25日間振盪した。次いで、培
地中の固形残留物を濾過して回収し、減圧下で乾燥して
その重量を測定したところ、菌体を被覆した上記(3)
のゴム手袋の裁断片ではその重量減少率(分解率)が6
3%であったのに対して、菌体を被覆しない上記(4)
のゴム手袋の裁断片ではその重量減少率(分解率)が5
%であり、菌体を被覆した本発明のゴム手袋は生分解性
であることが確認された。
【0059】《実施例 6》[酵素を含有するゴム組成
物の製造] (1) 実施例5の(1)と同様にしてゴム分解菌群を
培養し、集菌した後、リン酸緩衝液(pH7.9)50
ml中で超音波破砕した。遠心分離後の上清液を分子量
10000以下の物質を除外するメンブランフィルター
(アミコン社製)を用いて10mlに濃縮した後、凍結
乾燥して添加用粗酵素粉末を調製した。 (2) ゴム100gに対して、酸化亜鉛5g、ステア
リン酸0.5g、硫黄2g、加硫促進剤(CBS)0.
5g、炭酸カルシウム50gおよび上記(1)で調製し
た粗酵素粉末1gを加えて、JIS K6300に準じ
て混合した後、90℃で3時間加硫して酵素を含有する
加硫ゴムを製造した。 (3) 粗酵素粉末を加えなかった以外は上記(2)と
同様にして酵素を含まない加硫ゴムを製造し、対照とし
た。
【0060】(4) 上記(2)および(3)で製造し
た加硫ゴムの裁断片(長さ100mm、径1mmの線
体;0.1g)を実施例5の(1)で使用したのと同じ
培地200ml中に浸漬し、30℃の恒温槽で25日間
振盪した。次いで、培地中の固形残留物を濾過して回収
し、減圧下で乾燥してその重量を測定したところ、酵素
を含有する上記(2)の加硫ゴムの裁断片ではその重量
減少率(分解率)が32%であったのに対して、酵素を
含有しない上記(3)の加硫ゴムの裁断片ではその重量
減少率(分解率)が5%であり、酵素を含有する本発明
のゴムは生分解性であることが確認された。
【0061】
【発明の効果】本発明のポリアミド系重合体、アクリル
系重合体およびゴムの組成物および成形物は、保存時な
どの未使用時や使用時にはそれらの重合体の物性低下を
最小限に抑制して通常と同様に良好な物性を保つことが
でき、しかも使用済みとなった後は速やかに且つ容易に
生分解して低分子化することができる。そのために、本
発明のポリアミド系重合体、アクリル系重合体およびゴ
ムの組成物および成形物は大きな問題となっている環境
汚染に円滑に対応することができる。更に、本発明によ
る場合は、上記した重合体を分解する酵素および/また
は微生物の分解能やその使用量などを調節することによ
って、その分解の程度や速度などを調節することができ
る。
【0062】また、本発明による場合は、酵素および/
または微生物を含有または保持するポリアミド系重合
体、アクリル系重合体およびゴムの組成物や成形物など
を酵素および/または微生物の著しい活性低下を生ずる
ことなく円滑に製造することができる。そして、今後、
蛋白質工学などの進歩により高耐熱性、高安定性の酵素
および/または微生物が得られれば、酵素および/また
は微生物を含有するそれらの重合体組成物や物品の製造
条件がより緩和されて、その製造が極めて円滑に行われ
るようになる可能性が大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/20 LJT 33/26 LJV 89/00 LSE

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド系重合体、アクリル系重合体
    およびゴムから選ばれた重合体並びに該重合体を分解す
    る酵素および微生物の少なくとも1種からなることを特
    徴とする生分解性重合体組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアミド系重合体、アクリル系重合体
    およびゴムから選ばれた重合体からなる成形物の表面に
    成形物を構成する重合体を分解する酵素および微生物の
    少なくとも1種を被覆保持していることを特徴とする生
    分解性重合体成形物。
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