JPH06321801A - 消化管粘膜障害の予防及び治療剤 - Google Patents

消化管粘膜障害の予防及び治療剤

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JPH06321801A
JPH06321801A JP6070021A JP7002194A JPH06321801A JP H06321801 A JPH06321801 A JP H06321801A JP 6070021 A JP6070021 A JP 6070021A JP 7002194 A JP7002194 A JP 7002194A JP H06321801 A JPH06321801 A JP H06321801A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、M−CSFを有効成分として含有す
ることを特徴とする消化管粘膜障害の予防及び治療剤を
提供するものである。 【効果】本発明によれば、新規な消化管粘膜障害の予防
及び治療剤が提供され、各種の組織障害因子に起因する
消化管粘膜障害を効果的に処置することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はM−CSF(macrophage
colony stimulating factor:マクロファージコロニー
刺激因子)の医薬用途、特に該M−CSFを有効成分と
して含有する消化管粘膜障害の予防及び治療剤に関す
る。
【0002】
【従来技術とその課題】消化管粘膜細胞は、代謝回転が
盛んであり、種々の組織障害因子の影響を顕著に受ける
ことが知られている。之等組織障害因子の代表例として
は、治療目的で投与された薬剤の副作用を挙げることが
できる。例えば各種抗癌剤や抗生物質等の投与による消
化管粘膜障害の発現は古くからよく報告されている。イ
ンドメタシンやアスピリン等の抗炎症剤も同様であり、
之等の副作用としての種々の消化器症状の発症が知られ
ている。
【0003】上記消化管粘膜障害は、またその原因とな
る組織障害因子の役割と共に、その効果的な処置法が種
々検討されてきているが、現状では、可能な限り原因と
なる組織障害因子を除くことに努力がはらわれているに
過ぎない。尚、最近之等消化管粘膜障害の予防及び治療
を積極的に図る試みとして、グルタミン添加輸液が開発
されその効果が注目、検討されている(JJPEN, Vol.14,
No.6, pp.933-940 (1992))。
【0004】一方、M−CSFは、正常骨髄細胞に作用
してマクロファージ/単球の分化増殖を促進する生物活
性を有する生体因子として知られており、例えば白血球
減少を伴う疾患及び病態の予防及び治療剤、骨髄移植の
補助剤、各種感染症の予防及び治療剤、更にある種の癌
の治療剤等としての有用性が報告されている(特開平2
−2391号公報参照)。また、M−CSFは、抗炎症
作用及び抗アレルギー作用を有することが明らかにさ
れ、抗炎症剤及び抗アレルギー剤としての有用性も報告
されている(国際公開特許WO91/08754号公報
参照)。
【0005】本発明の目的は、従来知られていないM−
CSFの新たな医薬用途、殊に前記消化管粘膜障害の予
防及び治療のための用途を開発することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、消化管粘
膜障害の予防及び治療法を種々研究する過程において、
M−CSFが従来報告されている薬理作用とは全く異な
って、上記消化管粘膜障害に対して効果的に奏効すると
いう予想できない事実を見出した。本発明はかかる新規
な知見に基づいて完成されたものである。
【0007】本発明によれば、M−CSFを有効成分と
して含有することを特徴とする消化管粘膜障害の予防及
び治療剤が提供される。
【0008】本発明の消化管粘膜障害の予防及び治療剤
(以下単に「本発明医薬」という)の適用によれば、粘
膜障害の保護作用及び粘膜、消化管の機能改善等の薬理
効果が奏される。
【0009】本発明医薬が適用される消化管粘膜障害に
は、各種の組織障害因子に起因する種々の消化管粘膜障
害が包含される。その内特に腸管粘膜障害に対して本発
明医薬は好適に適用され、これによりその予防及び治療
効果を奏し得る。
【0010】上記組織障害因子には、消化管粘膜細胞の
障害を誘導する種々の因子が包括的に含まれる。その例
としては例えば前述した各種の薬剤やエタノール等の障
害性物質、長期の完全静脈栄養法(TPN)、術後の異
化状態、酸素ストレス(oxidative stress)等を例示で
きる。之等の内で、TPNに起因する障害は、腸管の萎
縮として特徴付けられ、本発明医薬の適用できる粘膜障
害には、かかる腸管萎縮や腸管の機能低下状態等も当然
に包含され、之等の組織障害因子乃至それによる消化管
粘膜障害は当業界でよく知られている。
【0011】本発明医薬において有効成分とするM−C
SFには、M−CSFの本来の生理活性、即ち正常骨髄
細胞に作用して単球、マクロファージの分化、増殖を促
進する活性(例えばScience, 236, 1229 (1987) 参照)
を有する各種の生理活性物質が包含される。該M−CS
Fは勿論天然体に限らず、遺伝子工学的手法によって得
られる組換え型であってもよく、更に同様の活性を有す
るそれらの誘導体であってもよい。
【0012】従って、本明細書における「M−CSF」
なる用語は、上記天然型、組換え型及びそれらの誘導体
を包括的に含む広い意味で用いられるものとする。本発
明に利用できる上記M−CSFの具体例としては、例え
ば欧州特許公開第261592号公報、同328061
号、国際公開公報WO91/06567号等に開示のヒ
ト起源のものを例示できる。之等M−CSFの個々につ
いては、便宜上、上記各公報に記載された554アミノ
酸からなる前駆体のアミノ酸配列を基準として、その3
3番目のアミノ酸Gluを1位とする表記に従って示す
ものとする。本発明に利用するM−CSFとしては、上
記各公報に記載のヒト起源のものが好ましいが、之等の
内でも1位Gluから5位Gluの領域にN末端を有し
且つ145位Gluから214位Pro、殊に153位
Thrから214位Pro、の領域にC末端を有するア
ミノ酸一次配列のM−CSFが好適であり、特に3位V
al又は4位Serから153位Thrまでのアミノ酸
一次配列を有するM−CSFが本発明医薬としての適用
に最も適している。
【0013】本発明医薬は、通常有効成分としてのM−
CSFの薬理有効量を薬学的に許容される通常の無毒性
担体と共に含有する医薬組成物の製剤形態に調製され、
該形態に応じて各種投与経路にて投与される。該製剤形
態としては、液状形態、例えば溶液、懸濁液、乳濁液等
が一般的であり、有利に採用できる。之等は一般には経
口、静脈内、皮下、皮内、筋肉内等に投与される。上記
各医薬形態への調製は、通常の方法により行なうことが
でき、得られる製剤中への有効成分の配合量は、通常約
0.001〜100mg蛋白量程度の範囲とされるのが
適当である。
【0014】本発明医薬は勿論上記液状形態に限らず、
他の通常採用される経口、非経口投与に適した各種の製
剤形態に調製することもできる。また該医薬製剤は使用
前に適当な水溶性担体の添加により液状となし得る乾燥
品形態に調製されてもよい。
【0015】本発明医薬の投与量は、所望の薬理効果、
患者の年齢、性別、障害の程度等に応じて適宜決定さ
れ、特に限定されるものではないが、通常成人に対して
有効成分が蛋白量として約0.001〜50mg/kg
/日程度となる量とするのがよく、該製剤は1日1回又
は複数回に分けて投与、或は点滴静注による持続投与す
ることができる。特に本発明医薬はこれを点滴静注して
持続投与するための、適当な輸液剤や通常の輸液に希釈
できる用時調整剤とするのが、その効果上好ましい。
【0016】尚、本発明医薬には、所望により他の薬理
有効成分を配合することもでき、例えばアラニルグルタ
ミン等のグルタミン成分はかかる配合剤として有効であ
る。
【0017】
【実施例】以下に、試験例を挙げて、本発明をより詳し
く説明する。
【0018】試験例1 M−CSFとして国際公開公報WO91/06567号
に記載の方法に従って大腸菌を用いて製造したM−CS
F(4位Serから153位Thrまでのアミノ酸配列
を有するポリペプチドからなる活性体)を用いた。
【0019】消化管障害に対するM−CSFの効果を、
木戸らの方法〔JJPEN, Vol.14, No.6, pp.933-940 (199
2)〕に従い、メトトレキセート(MTX)障害ラットを
用いて以下の通り試験した。
【0020】即ち、体重約200gのウイスター系雄ラ
ット(日本SLC、Std Wistar/ST)に、静脈カテーテ
ルを留置し、MTXを含む下記組成の輸液を7日間施行
して消化管障害モデル(コントロール群)とした(MT
X投与量:0.3mg/kg/日)。
【0021】 〈輸液組成〉 GE−3(薬理と治療,20巻,増刊号2,645-655 頁,1992年) 140 ml アミパレン(登録商標、大塚製薬社製) 89.2ml オーツカMV注(大塚製薬社製) 0.1ml MTX(武田薬品社製) 0.3ml 蒸留水(大塚製薬社製) 総量270mlとなる量 試験群として、上記輸液に前記M−CSFの100又は
250μgを加えた輸液の投与群(M−CSF輸液群、
M−CSF投与濃度毎にn=6匹とする)を設け、各M
−CSF輸液群と、対照とするM−CSF無添加の上記
輸液投与群(対照輸液群、n=6)のそれぞれにつき、
組織学的検査を行ない、M−CSFの投与による効果を
評価した。
【0022】尚、組織学的検査は、通常の方法に従い作
成した組織切片のヘマトキシリンエオジン(HE)染色
及び核内増殖抗原(PCNA)に対する抗体を用いた免
疫染色により行なった。
【0023】上記HE染色法は、常法に従い組織切片を
脱パラフィン後、流水水洗し、ヘマトキシリン染色液で
核染色し、流水中にて色出しし、次にエオジン染色液で
細胞質を染色し、アルコール脱水、キシレン透徹をへて
マリノールで封入して実施した。
【0024】また上記抗PCNAを用いる免疫染色は、
次の通り実施した。即ちまず組織切片を脱パラフィン
後、0.3%H2 2 メタノール溶液(メタノール15
0mlに30%H2 2 1.5mlを加えたもの(用時
調製))に室温下に30分間浸漬して内因性ペルオキシ
ダーゼを失活させ、アルコール処理して水に移し、PB
Sになじませた。上記切片にブロッキング試薬(10%
正常ウシ血清、生化学工業)を加え、室温で30分間浸
漬した後、余分な水分をとり、洗浄せずに一次抗体とし
て抗ヒトPCNAモノクローナルマウス抗体(DAKO
−PCNA、PC10ダコ(Dako)社製)を加え、室温
で1時間浸漬した。ネガチブコントロールには、上記一
次抗体の代わりにブロッキング試薬を用いた。次にPB
Sで洗浄後、二次抗体(ビオチン標識抗マウスIgG+
IgA+IgM、生化学工業)を加え、室温で30分間
浸漬した。PBSにて洗浄後、DAB−H2 2 溶液
(3,3′−ジアミノベンチジン−4HCl(和光純
薬)30mg、蒸留水135ml、0.5MトリスHC
l緩衝液(pH7.6)15ml及び2.5%H2 2
水溶液0.3mlを用時混和したもの)に5〜10分程
度浸漬して発色させた。尚、ブロッキング試薬、二次抗
体及び標準試薬としては、ヒストファイン染色キット構
成試薬(生化学工業)を用いた。
【0025】上記試験の結果を図1乃至図8に示す。
【0026】各図より、以下のことが明らかである。即
ち、MTXの小腸上皮細胞障害として、粘膜細胞の膨潤
と細胞質の空胞形成、上皮細胞の剥離、血漿の腸管腔内
への漏出、粘膜下層への白血球浸潤、最後には腸管の全
長に亘る重篤な剥離性腸炎を起こすことが知られてい
る。本試験においても、MTXを含む輸液を7日間行な
うと(対照群)、空腸の重篤な剥離性腸炎が認められた
(図1及び図4参照)。
【0027】しかるに、このMTXを含む輸液にM−C
SFを100μg又は250μg加えた輸液を7日間行
なうと(M−CSF輸液群)、全例において、空腸絨毛
及び陰窩の構造が保持され、MTXによる剥離性腸炎を
効果的に処置することができた(図2、図3、図5及び
図6参照)。また、上記M−CSFの空腸に対する効果
は、十二指腸及び回腸においても同様に認められた。
【0028】尚、対照輸液群では、PCNA陽性細胞が
殆ど認められなかったのに対して、M−CSF輸液群で
はPCNA陽性細胞が陰窩細胞に認められた(図7及び
図8参照)。
【0029】試験例2 この試験は、ラットにメトトレキセートを投与して作成
した小腸粘膜障害モデルにおいて、M−CSFが小腸粘
膜保護作用を有することを立証するものである。
【0030】M−CSFの上記小腸粘膜保護作用メカニ
ズムとしては、M−CSFによる小腸上皮細胞に対する
増殖作用が考えられる。即ち、小腸上皮細胞は、陰窩部
の未分化細胞に由来し、この陰窩細胞が増殖分裂した
後、管腔に向かって移動する間に機能細胞である小腸表
層細胞に分化する。その後、3〜4日で絨毛頂から脱落
していく。このため、小腸粘膜の維持は陰窩細胞の増殖
に大きく依存している。M−CSFによる小腸粘膜保護
作用が小腸陰窩細胞の増殖刺激作用によることを確認す
るために、ラットの小腸陰窩細胞由来の小腸上皮細胞株
であるIEC−6細胞を用いて、以下のインビトロ試験
を行なった。
【0031】(1)方法 IEC−6細胞は、ATCCより購入し、5%牛胎児血
清(FCS)、0.1U/mlインスリン、0.1mg
/mlストレプトマイシン及び100U/mlペニシリ
ンGを含むDMEM培地で継代培養し、本実験には20
〜25継代の細胞を使用した。
【0032】細胞増殖の実験は、24穴の培養プレート
に1穴当り4×104 個を低血清培地(上記培養培地の
FCSを0.1%にしたもの)で12時間培養した。ト
リプシン・EDTA溶液で細胞を剥離し、ヘモサイトメ
ーターで細胞数を数え、この細胞数を0日目の細胞数と
した。更に種々の濃度の前記M−CSF、上皮細胞増殖
因子(EGF:マウス、レセプターグレー;ベクトン・
ディキンソン社)、インスリン(牛膵臓由来;シグマ
社)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF:ヒト;オ
ンコジーン・サイエンス社)及びインターロイキン1β
(IL−1β;菊本ら,Biochem. Biophys. Res. Commu
n, 147,315-321 (1987))のそれぞれを加え、2日目と
5日目の細胞数を同様して測定した。更に、M−CSF
の中和抗体(特開平5−95794号公報記載のモノク
ローナル抗体ANOC573:1.2mg/ml)を種
々の濃度で添加して同一実験を繰り返した。
【0033】(2)結果 図9に0.1%FCSを含むDMEMで培養した細胞数
をコントロールとして、最も強い増殖作用を示すEGF
(0.1μg/ml)による増殖作用と、代表的な増殖
因子であるインスリン(0.1 IU/ml)によるそ
れと、M−CSF(1μg/ml)によるそれとを比較
した結果を示す。尚、各結果の値は平均値±SD(n=
9)で示される。
【0034】該図より、M−CSFは、EGFの作用の
約半分の効力があり、インスリンとほぼ同程度の増殖作
用を示すことが明らかである。
【0035】更に之等の増殖因子に加えて、M−CSF
によるマクロファージの活性化に伴って、マクロファー
ジにより放出されるbFGFとIL−1βの増殖作用に
ついても併せて検討した。即ち、上記と同様の方法で、
EGF、インスリン、M−CSF、bFGF及びIL−
1βを種々の濃度で添加し、5日目の細胞数を測定し
た。尚、bFGFに関しては、至適濃度(0.01μg
/ml)を用いて、bFGFの安定化作用を有するヘパ
リンを添加し、その増殖作用についても同様の細胞数の
測定を行なった。得られた結果(平均値±SD(n=
9))を図10に示す。
【0036】該図10より、M−CSFは、EGFの約
半分の増殖作用を示し、至適濃度は1μg/mlである
ことが判る。
【0037】また該図より、M−CSFは、インスリン
やbFGFと同等か或はそれ以上の増殖作用を有するこ
とが確認された。尚、IL−1βではこの増殖作用は認
められなかった。
【0038】更に、M−CSFの上記増殖作用を、中和
抗体を用いた阻害実験により確認した。即ち、上記と同
様の方法で、0.1μg/mlのM−CSFを添加した
細胞に、それぞれ最終濃度として10、50、100倍
希釈した抗体を添加し、5日目の細胞数を同様にして求
めた。ポジティブコントロールとして、1μg/mlE
GFを添加して得られた細胞数をも求めた。その結果
(平均値±SD(n=9))を図11に示す。
【0039】該図11より、M−CSFは中和抗体(5
0倍希釈以上の濃度)の共存下で、そのIEC−6細胞
の増殖作用が完全に阻害されることが明らかである。
【0040】以上の通り、インビボで認められるM−C
SFの小腸粘膜保護効果は、インビトロの試験で、該M
−CSFが小腸陰窩細胞に直接作用してその増殖を促す
ことによるものであることが実証され、EGFを添加し
た増殖をポジティブコントロールとして用いた場合、常
に約半分の力価を有することも確認された。之等のこと
より、M−CSFが上皮系細胞の増殖を促進し、これが
種々の原因による消化管粘膜の障害に対する保護に有効
であることが明らかとなった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、新規な消化管粘膜障害
の予防及び治療剤が提供され、各種の組織障害因子に起
因する消化管粘膜障害を効果的に処置することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】対照輸液群におけるHE染色後の組織切片の顕
微鏡写真(×40倍)(生物の形態を示す図面に代わる
写真)である。
【図2】M−CSF輸液群(100μg/kg)におけ
るHE染色後の組織切片の顕微鏡写真(×40倍)(生
物の形態を示す図面に代わる写真)である。
【図3】M−CSF輸液群(250μg/kg)におけ
るHE染色後の組織切片の顕微鏡写真(×40倍)(生
物の形態を示す図面に代わる写真)である。
【図4】対照輸液群におけるHE染色後の組織切片の顕
微鏡写真(×100倍)(生物の形態を示す図面に代わ
る写真)である。
【図5】M−CSF輸液群(100μg/kg)におけ
るHE染色後の組織切片の顕微鏡写真(×100倍)
(生物の形態を示す図面に代わる写真)である。
【図6】M−CSF輸液群(250μg/kg)におけ
るHE染色後の組織切片の顕微鏡写真(×100倍)
(生物の形態を示す図面に代わる写真)である。
【図7】対照輸液群におけるPCNA染色後の組織切片
の顕微鏡写真(×400倍)(生物の形態を示す図面に
代わる写真)である。
【図8】M−CSF輸液群(250μg/kg)におけ
るPCNA染色後の組織切片の顕微鏡写真(×400
倍)(生物の形態を示す図面に代わる写真)である。
【図9】後記試験例2に示す上皮細胞増殖因子(EG
F)、M−CSF及びインスリンのそれぞれのIEC−
6細胞に対する増殖効果を調べたグラフである。
【図10】後記試験例2に示すEGF、塩基性線維芽細
胞成長因子(bFGF)、M−CSF、インスリン、ヘ
パリン及びIL−1βのそれぞれのIEC−6細胞増殖
効果を調べたグラフである。
【図11】後記試験例2に示すEGFのIEC−6細胞
増殖効果をコントロールとして、M−CSFの同効果が
その中和抗体により阻害されることを示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向井 淨 徳島県板野郡松茂町広島字丸須1−9 (72)発明者 高橋 真行 徳島県鳴門市大津町木津野字仲ノ越79−7

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬理有効量のM−CSFを薬学的に許容
    される無毒性担体と共に含有することを特徴とする消化
    管粘膜障害の予防及び治療剤。
  2. 【請求項2】 M−CSFが1位Gluから5位Glu
    のいずれかにN末端を有し且つ145位Gluから21
    4位ProのいずれかをC末端とするアミノ酸一次配列
    を有するものである請求項1に記載の消化管粘膜障害の
    予防及び治療剤。
  3. 【請求項3】 M−CSFが3位Valから153位T
    hrのアミノ酸一次配列を有するものである請求項1に
    記載の消化管粘膜障害の予防及び治療剤。
  4. 【請求項4】 M−CSFが4位Serから153位T
    hrのアミノ酸一次配列を有するものである請求項1に
    記載の消化管粘膜障害の予防及び治療剤。
  5. 【請求項5】 消化管粘膜保護剤及び消化管機能改善剤
    である請求項1に記載の消化管粘膜障害の予防及び治療
    剤。
  6. 【請求項6】 薬理有効量が0.001〜50mg蛋白
    量/kg/日の投与量である請求項1に記載の消化管粘
    膜障害の予防及び治療剤。
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