JPH0631853B2 - 放射性セシウム廃液の処理方法 - Google Patents

放射性セシウム廃液の処理方法

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JPH0631853B2
JPH0631853B2 JP4289984A JP4289984A JPH0631853B2 JP H0631853 B2 JPH0631853 B2 JP H0631853B2 JP 4289984 A JP4289984 A JP 4289984A JP 4289984 A JP4289984 A JP 4289984A JP H0631853 B2 JPH0631853 B2 JP H0631853B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、セシウムを金属元素主成分とする放射性廃水
溶液を固体化し、相対的に不溶性で熱的に安定な形態に
変換する方法に関する。特に本発明は放射性廃液中の放
射性同位元素であるセシウムを安定な固体のポリユーサ
イトの形態となすことによる放射性セシウム廃液の処理
方法に関する。
放射性セシウム、主に137Cs,は原子力発電プラントか
らの放射性廃液中の主な有害成分である。この137Cs と
いう成分は、半減期が長いだけでなく、放射性が大でか
つアルカリ金属であるため溶解性が大きいとうやつかい
な代物である。したがつて長期にわたつて隔離保存する
ことが必要である。生体系に害の無い方法で安全に保存
するには、廃液中の137Cs を固体状態に変換したほうが
容易である。しかも単なる固体状態ではなく、不溶性で
あり、反応性に乏しく、熱的に安定な化合物ないし鉱物
である必要がある。そのような鉱物として、本発明に係
わるポリユーサイトが、137Csをその骨格中に固定化し
うる物質として挙げられる。
ポリユーサイトは、セシウムのテクトケイ酸塩鉱物とし
て天然にも産出(例えば国内では福岡県福岡市長重に産
するように花コウ岩およびペグマタイト中のすきまにペ
タル石とともに産出)し、Cs16〔Al16Si32O96〕の組成
式で単位格子が表わされ、物理的性状がカタサ6.5、
密度2.9g/cm3である准長石鉱物でゼオライト的微
細孔を全く有しない高密度物質であり、熱的にも化学的
にも安定な性質を有する。ポリユーサイトはまた合成す
ることもできる。例えばR.M.BarrerらはJ.Chem Soc.Dal
ton(1972)2534に明らかにしているようにメタカオリナ
イトと水酸化セシウムの水溶液を80℃に保持すること
によつて、ポリユーサイトの生成を報告している。
本発明は、セシウムの性質に着目し、ポリユーサイト、
その他の鉱物の合成条件を鋭意研究し、放射性廃溶液の
処理方法に適用できること見い出したものである。
ポリユーサイトをはじめとするセシウム系アルミノシリ
ケート鉱物は、水、シリカ、アルミナ及びセシウム源な
いし更には他のアルカリ金属をはじめとするカチオン源
を含む溶液から次式に従つて脱水縮合し、無機系高分子
として合成される。
Al2O3・aSiO2・bH2O+2(1-x)Cs++2xM++2OH-→{Cs(1-x),M
x}2O・Al2O3・aSiO2・cH2O+(1+b-c)H2O ここでM+はナトリウムをはじめとするアルカリカチオン
ないし/および有機カチオンの単独ないし混合物をさ
す。
セシウム系アルミノシリケートとしてはポリユーサイト
以外にCs−Dと称されるエンデイゴナイト型ゼオライト
(Cs2O・Al2O3・2SiO2・2.4H2O)その高温(1060℃以上)
焼成物としてのCs−F(Cs2O・Al2O3・SiO2)カンクリナ
イト(0.4Cs2O・1.1Na2O・Al2O3・4SiO2・xH2O),その高温
(530℃以上)焼成物としてのカスミ石、ZSM−43と
称されるコリン化合物を用いて合成されるゼオライトな
どが知られている。(R.M.BarrerらJ.Chem Soc.A(1968)
2475,R.M.BarrerらJ.Cnem Soc.(1953)4029,R.M.Barre
rらJ.Chem Soc.(1952)1561,特開昭54−68800) これらの中で、Cs−D,ZSM−43などはゼオライトとし
て微孔性をもち主骨格がシリカとアルミナで疎に形成さ
れるため、Csの存在形態が不安定で、カチオン交換を受
け溶出する傾向があり本目的にはそぐわない。またCs−
Fは、その形成に必要以上の高温を用しないと形成せし
めえない点において問題がある。カンクリナイトはナト
リウムとの共存系ではあり、かなりの量のCsをその構造
中に含有しうるが、Csが不溶化されているような構造中
(一般にソーダライト構造部分と考えられるが)には、
ほとんどはいり込んでいない。そのため容易に溶出する
ため本目的の物質とはなりえない。またその焼成物であ
るカスミ石はポリユーサイトとほゞ同等にCsが不溶化さ
れるが、その重量あたりのCs含有量は小さく貯蔵、保
管、隔離において効果的ではない。また、Cs−Dは水熱
条件下でシリカ源と反応してポリユーサイトに変換され
るが、本発明においてCs−Dを径ることは必ずしも必要
ではない。このようにしてCsを不溶化する形態としてポ
リユーサイトが本発明にふさわしい化合物であり、この
ものがアルミノシリケートゲルとセシウム含有溶液とか
ら容易に形成できることから本発明の端緒が切り拓かれ
た。
本発明者らは、ポリユーサイトの合成条件を研究した結
果、放射性廃液を含み、水、シリカ、アルミナ及びアル
カリ金属源を含む混合物にオニウム化合物を含ませるこ
とによつてポリユーサイト鉱物が少なくとも主成分とし
て生成するまでの条件を温和短時間にすることが可能で
あることを見い出し、本発明を完成するに至つた。オニ
ウム化合物は、ゼオライト合成において特殊なゼオライ
トを形成せしめるのに有効であることはよく知られてい
たが、ポリユーサイトの合成においてもかのような効果
を示すことは予想しがたく、また、有機物であるが故に
簡単に、焼成除去できるカチオン源であるという利点も
あり、本発明の特徴ともなつている。
オニウム化合物とは、酸素、イオウ、窒素などのような
孤立電子対をもつ元素を含む化合物において、これらの
孤立電子対にプロトンあるいは他の陽イオン形の試薬な
どが配位結合して生ずる化合物をさし、例えば、 R3N:+R′X→〔R3N+R′〕X- (ここでR3Nはアミン、R′Xはハロゲン化アルキル、
〔R3N+R′〕X-はアルキルアンモニウム化合物であ
る。)の式に従つて生じうる化合物である。窒素の他に
も種々の元素が陽イオン型になつて、種々のオニオン化
合物を生じるが、アンモニウム化合物以外には、ホスホ
ニウム化合物、オキソニウム化合物、オキソニウム化合
物などが代表的なものである。オニウム化合物は、ゼオ
ライト合成に有効な物質であることは広く知られてい
る。例えばZSM−5ゼオライトの合成には、テトラプロ
ピルアンモニウムブロマイドが、TMA−オフレタイトの
合成にはテトラメチルアンモニウムヒドロキサイドが有
効である。
本発明において有効なオニウム化合物として、テトラメ
チルアンモニウム塩を代表的なものとする窒素化合物が
最も入手しやすく、取り扱い易いものとして挙げられる
が、他のオニウム化合物も本発明の目的に沿えば、使用
を排除するものではない。また窒素系オニウム化合物と
してアルキルアンモニウム塩では、アルキル基の炭素鎖
長が短い方が本発明の目的に有効である。その代表的な
ものとしては、テトラメチルアンモニウム塩が挙げられ
る。この化合物は、オニウム化合物として系内に導入使
用されてもよいが、前記反応式に従つてトリメチルアミ
ンとメチル化合物から系内にて生成使用してもよい。ま
た、アンモニウム塩、例えば水酸化アンモニウム、塩化
アンモニウムなども本発明のオニウム化合物として挙げ
ることができる。
オニウム化合物は、ハロゲン化物、水酸化物など種々の
塩の形で使用しうる。しかも、本発明の目的であるポリ
ユーサイトの合成母液となりうるためには混合物のpH
を塩基性、好ましくはpH9以上に保持調整する必要が
あるので、そのpH調節剤を兼ねさせるために、塩基性
の形態、例えば水酸化物の状態でも使用される。
本発明の水、シリカ、アルミナ及びアルカリ金属源を含
む混合物(以下、原料混合物と略す)中の水は、放射性
廃溶液中の水にて兼ねるが、本発明の目的に合うように
予め水分を減容化などの操作により調節する必要があ
る。原料混合物中に含まれる水の量は、一般に系内に存
在するCsを主とするアルカリ性カチオン量に対して5
〜250当量が有効である。原料混合物中のシリカは、通
常ケイ酸ナトリウム、コロイド状シリカ分散体、ケイ
酸、第4級アンモニウムシリケートなどゼオライト合成
に用いられる公知のシリカ供給源物質を用いることがで
きる。原料混合中のシリカの量は、Cs+ないしCs+および
カチオンの合計量に対して、ポリユーサイトが形成され
るに必要十分な量である必要があり、その量はCs基準2
〜4モルの範囲から選ぶのが好ましい。原料混合物中の
アルミナは、アルミナ酸ナトリウム、硫酸アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウムなどゼオライ
ト合成に用いられる公知のアルミナ供給源物質を用いる
ことができる。原料混合物中のアルミナの量は、Cs+
いしCs+およびカチオンの合計量に対してポリユーサイ
トが形成されるに必要十分な量である必要があり、その
量は、Cs基準1〜2モルの範囲から選ぶのが好ましい。
また、ゼオライト合成に有効であるようにシリカおよび
アルミナ源をシリカおよびアルミナを主成分とする粘土
鉱物によつて供給することも可能である。原料混合物中
のシリカおよびアルミナとなりうる粘土鉱物としては、
カオリナイトをはじめとするカオリン系鉱物、ベントナ
イト、パイロフイライトなどが例示できる。
原料混合物中に含まれるアルカリ金属源は、放射性廃溶
液からのCsは当然のことながら他の例えばNaなどを含
めることができる。また、Srなどのアルカリ土類金属
をも含みうる。いずれにしても該混合物のpHは7以上
特に9以上の塩基性領域に存在する必要があり、OH-/S
iO2比は1以下、好適には0.5以下になるように調節
する。OH-/SiO2比を求める場合、例えばCsOHとして、
水酸化テトラアンモニウム(オニウム化合物がこの形で
ある場合)として、ケイ酸ナトリウム(NaOH+SiO2)と
して、またはアルミン酸ナトリウム(NaOH+Al2O3)とし
て加えたOH-のモル数を合計して水酸化物を計算し、そ
の合計値から加えた数のモル数を減ずることによつて計
算される。この場合、酸は単純にHCl,HNO3,H2SO4等と
して加えられていることもあり、また硫酸アルミニウム
(Al2O3+H2SO4)、塩化アルミニウム(Al2O3+HCl)、硝
酸アルミニウム(Al2O3+HNO3)等として加えられている
こともある。
原料混合物中に加えられるオニウム化合物の量は、原料
混合物がポリユーサイトに転換されるに有効な量である
必要があるが、一般には、Csに対して0.05〜1モルが
効果的である。
原料混合物は、ポリユーサイト鉱物が生成するまで約50
℃〜200℃に約3時間〜約300日間得られる。さらに
好ましい温度範囲は80℃から180℃でありこの温度
範囲での保持時間は約6時間から約15日であるが、放
射性廃液を加圧容器中で処理することは、安全上問題が
生じやすいので本発明は、常圧すなわち100℃以下で
行なわれることが特に好ましく、その中で処理時間が最
も短いケースは100℃近辺であることは言うまでもな
く、この場合の時間は原料混合物組成などによつて左右
されるが、通常約1日〜1週間でポリユーサイトが生成
する。
原料混合物の温度保持は、ポリユーサイトが十分生成す
るまで行なわれる。ポリユーサイトを主成分とする固体
生成物は、濾過、沈降分離などの方法により水溶液分と
分離される。このようにして原料混合物中に含まれたC
sは大部分ポリユーサイト中に固定化されてしまう。
本発明は下記の実施例によつてさらに具体的に説明す
る。
なお、実さいの放射性セシウム廃液は危険であり、また
入手困難であるので、このような廃液の代りに水酸化セ
シウムの水溶液を用いた。この点で、以下の例は真の実
施例とは云えないものであるが、本発明の効果を十分理
解できるであろう。
実施例1 水酸化セシウムの1%溶液を濃縮することにより、28.7
%とした水溶液420.8gにシリカゾル(スノーテツクス
30,日産化学社製)300gと塩化アルミニウム水溶
液(AlCl3:93.4g、H2O:100g)を添加し、さらに水
酸化テトラメチルアンモニウムの10%水溶液102g
を加え十分に撹拌した。
この混合物をオートクレーブ中に密封し、100℃に3日
間保持することによりポリユーサイトの生成がX線回折
において確認された。
さらに3日間保持することにより、ポリユーサイトの良
好な結晶を得た。
比較例1 水酸化テトラメチルアンモニウムを除いた以外は、実施
例1と同様の方法で合成を行なつたが、6日間放置後も
生成物は非晶質であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セシウムを金属元素主成分とする放射性廃
    液を水、シリカ、アルミナ及びアルカリ金属源を含む混
    合物となし、ポリューサイト鉱物が少なくとも主成分と
    して生成するまで反応させることによる放射性セシウム
    廃液の処理方法において、前記混合物がさらにオニウム
    化合物を含むことを特徴とする放射性セシウム廃液の処
    理方法。
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CN104528746B (zh) * 2014-12-04 2016-07-06 西南科技大学 一种微晶铯榴石的制备方法
CN104477934A (zh) * 2014-12-05 2015-04-01 同济大学 一种低温合成铯沸石的方法

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