JPH06314918A - モノポールアンテナ給電構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成であり、電界分布の解析も簡単と
なり、延いては設計が容易でかつ特性のばらつきも少な
いモノポールアンテナ給電構造を提供する。 【構成】 モノポールアンテナ１の下端側が挿入されて
いる樹脂製アンテナ受具１０は外側面を外側金属層１０
ａで覆われ、同軸給電線５の内部導体は、樹脂製アンテ
ナ受具１０の上面から、使用中心周波数に対応する波長
の４分の１の奇数倍の長さの位置に形成された導体板６
および樹脂製アンテナ受具１０の絶縁スルホール内に設
けられている接続線１２を介しモノポールアンテナ１と
接続している。この接続点より下部はオープンスタブ、
上部はλ／４変成器として機能し、樹脂製アンテナ受具
１０は固定具としてだけでなくマッチング手段としても
機能するので、給電点近傍の構造が簡単となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願発明は移動通信端末機等のモ
ノポールアンテナ給電構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３の（ａ）、（ｂ）に従来のモノポー
ルアンテナ給電構造を示す。すなわち、モノポールアン
テナ１は、プラスチック製の筐体７に固定されている金
属製のアンテナ受具２の縦方向に形成されている貫通孔
に、上下へ摺動可能に挿入されている。またモノポール
アンテナ１の下端部には、このモノポールアンテナ１を
上方へ摺動していた場合にアンテナ受具２から抜けるの
を防ぐストッパーが形成されている。そしてアースプレ
ーンとして機能する導体板６は、例えばプリント基板の
一方の面に形成された金属厚膜からなり、この導体板６
にはマッチング回路基板４が取付けられている。このマ
ッチング回路基板４上のマッチング回路は、接続バネ３
およびこの接続バネ３が圧接している上記アンテナ受具
２を介してモノポールアンテナ１に接続し、更に、他端
で図示しない高周波回路に接続している同軸給電線５の
内部導体に接続している。なお、同軸給電線５の外部導
体はアースプレーンとして機能する導体板６に接続して
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
モノポールアンテナ給電構造では、給電点近傍にマッチ
ング回路、接続バネ３および金属製のアンテナ受具２が
集合しており、この近辺の電界分布は複雑になり、その
解析が容易でなく、そのため設計に際し多くの時間を要
することとなり、更に接続バネ３、アンテナ受具２等の
位置関係の少しのずれによる特性のばらつきも大きいと
いう問題があった。本願発明は上述の如き事情に鑑みて
なされたものであり、簡単な構成であり、電界分布の解
析も簡単となり、延いては設計が容易でかつ特性のばら
つきも少ないモノポールアンテナ給電構造の提供を目的
とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明では、少
なくとも、モノポールアンテナが挿入される中空樹脂体
と、上記中空樹脂体に挿入されたモノポールアンテナと
接触し、かつ上記中空樹脂体に固定されている接続導体
片と、この接続導体片と接触しない状態で上記中空樹脂
体が固定されるアースプレーン用導体板と、一方の線路
が上記接続導体片に接続し、他方の線路が上記アースプ
レーン用導体板の上記接続導体片近傍部に接続されてい
る給電線とを備えるという手段を講じた。請求項２の発
明では、少なくとも、モノポールアンテナが挿入される
貫通孔が形成され、かつ上記アンテナが突出する上端部
からの長さが使用中心周波数に対応する波長の４分の１
の奇数倍となっている位置に、側面から上記貫通孔への
連通孔が形成されている樹脂製のアンテナ受具部と、上
記アンテナ受具部の外側面を覆う外導体層部と、上記外
導体層部が接触する状態で、上記アンテナ受具部が固定
されるアースプレーン用導体板と、上記アンテナ受具部
の上記連通孔と上記アースプレーン用導体板の上記連通
孔近傍部を利用して設けられた給電点部とを備えるとい
う手段を講じた。

【０００５】

【実施例】先ず、請求項１の発明に係る実施例を説明す
る。図１は、この実施例の構成を示すものである。すな
わち、この実施例では、モノポールアンテナ１の下端側
は樹脂製アンテナ受具１０の円形中空部に挿入されてお
り、この樹脂製アンテナ受具１０は、導体板６に固定さ
れている。なお、この導体板６は、具体的には、プリン
ト基板の一方の面に形成された銅箔となっている。そし
て、モノポールアンテナ１の下端部の側面に先端部が接
触している接続金属片９は、導体板６に接触しない状態
で樹脂製アンテナ受具１０の下端面に固定されている。
また、図示しないマッチング回路に一端が接続されてい
る同軸給電線５の他端側では、内部導体（心線）が接続
金属片９に接続し、他方、外部導体は、接続金属片９の
近傍すなわち樹脂製アンテナ受具１０の下端部の近傍で
導体板６に接続している。なお、モノポールアンテナ１
は樹脂製アンテナ受具１０の円形中空部を上下に摺動可
能で、モノポールアンテナ１を使用しないときはこのモ
ノポールアンテナ１は下方に摺動されて筐体７内に納め
られるようになっており、更にモノポールアンテナ１を
上方に摺動し、このモノポールアンテナ１を筐体７外に
立てる際にモノポールアンテナ１が樹脂製アンテナ受具
１０から抜けてしまわないようにモノポールアンテナ１
の下端部にはストッパーが設けられている。

【０００６】上記の如き構成の下では、例えば図示しな
い高周波回路部からの高周波信号は、前記マッチング回
路（図示されていない）を経て同軸給電線５により伝送
され、同軸給電線５の外導体に接続されている導体板６
はアースプレーンとして機能し、同軸給電線５の内導体
から接続金属片９を介してモノポールアンテナ１に与え
られる上記高周波信号は、モノポールアンテナ１より対
応する電波として、空間に放出されることになる。この
場合、モノポールアンテナ１の下端部、接続金属片９お
よびこの接続金属片９と同軸給電線５の内導体の接続部
等からなる給電点近傍構造が極めて簡単になっているか
ら（従来例と異なり、樹脂製アンテナ受具１０が導体で
ないことから、電気的に見た構造においてはこの樹脂製
アンテナ受具１０が無視され極めて簡単となる）、電界
の分布状態も簡単かつ一様なものとなり、その解析も容
易となり、延いては、設計が容易となる。更に上記構造
上の簡単化より、各構造物の位置関係のばらつきも少な
く、各製品間の特性のばらつきも少なくなる。

【０００７】次に請求項２の発明に係る実施例について
説明する。図２は、この実施例の構成を示すものであ
る。すなわち、この実施例では、モノポールアンテナの
下端側は樹脂製アンテナ受具１０の貫通孔に挿入されて
おり、この棒状体をした（すなわち縦長の）樹脂製アン
テナ受具１０の外側面は全て外側金属層１０ａにより覆
われており、そしてこの樹脂製アンテナ受具１０は、側
面で導体板６に固定されており、導体板６はプラスチッ
ク製の筐体７内に収納されている（すなわち、モノポー
ルアンテナ１は筐体７の上面の孔より突出していること
になる）。なお、導体板６は、樹脂製アンテナ受具１０
と接触している側の面が導体になっていれば、一方の面
すなわち上記面に銅等の金属層を形成した例えばプリン
ト基板等であってもよい。また接続線１２は導体板６お
よび樹脂製アンテナ受具１０の絶縁されたスルホール
（図示せず）を通ってモノポールアンテナ１と同軸給電
線５の内部導体を電気的に接続し、同軸給電線５の外部
導体は導体板６に接続している。そして、接続線１２と
モノポールアンテナ１の接続点は、樹脂製アンテナ受具
１０の上端面からの長さが使用中心周波数に対応する波
長の４分の１の奇数倍の位置に設けられており給電点と
なっている。

【０００８】なお、モノポールアンテナ１は樹脂製アン
テナ受具１０の貫通孔中を上下に摺動可能になってお
り、不使用時には下方に下げられ筐体７内に収納され
る。そしてモノポールアンテナ１の下端部にはモノポー
ルアンテナ１を筐体７外に立てる際、このモノポールア
ンテナ１が樹脂製アンテナ受具１０から抜けてしまわな
いように図示しないストッパーが設けられている。

【０００９】以上のように構成された本実施例では、モ
ノポールアンテナ１の下端側で樹脂製アンテナ受具１０
に挿入されている部分と、樹脂製アンテナ受具１０の側
面の外側金属層１０ａにより、ある値の特性インピーダ
ンスを持つ同軸構造が形成されており、また導体板６は
アースプレインとして機能している。然して、この同軸
構造となっている樹脂製アンテナ受具１０の接続線１２
より下の部分は、その長さを調整することによりモノポ
ールアンテナ１における給電点インピーダンスのリアク
タンス成分を打消すオープンスタブとして動作せしめる
ことができ、また上記樹脂製アンテナ受具１０の接続線
１２より上の部分は前記の長さになっていることによ
り、給電点インピーダンスの抵抗成分と同軸給電線５の
特性インピーダンスとの整合の為のλ／４変成器（Ｑマ
ッチ）として動作することになる。

【００１０】このため、例えば受信状態を考えた場合、
樹脂製アンテナ受具１０に固定されたモノポールアンテ
ナ１で励振された高周波電流は、従来例におけるマッチ
ング回路基板４の如き独立のインピーダンス整合手段が
なくても、樹脂製アンテナ受具１０においてインピーダ
ンスマッチングが行なわれて（すなわち樹脂製アンテナ
受具１０は固定具とインピーダンス整合手段として機能
する）、同軸給電線５に導かれることになる。このため
給電点近傍の構造が極めて簡単となり、電界分布も簡単
化し、設計が容易となる。

【００１１】なお、本実施例では樹脂製アンテナ受具１
０の全外側面に外側金属層１０ａが設けられ、これが導
体板６に固定されているとしたが、上記の如く樹脂製ア
ンテナ受具１０が同軸構造になっていれば、上記効果は
期待できるのであるから、導体板６と樹脂製アンテナ受
具１０の接触部には外側金属層１０ａで覆う必要はな
く、その部分の導体板６で代用できる。

【００１２】また、本実施例では、同軸給電線５を導体
板６に対して樹脂製アンテナ受具１０と反対側に配設
し、導体板６と樹脂製アンテナ受具１０に絶縁スルホー
ルを形成しこれを通る接続線１２で同軸給電線５の内側
導体とモノポールアンテナ１とを接続したが、同軸給電
線５を導体板６の樹脂製アンテナ受具１０側の面に配設
し、絶縁スルホールは、樹脂製アンテナ受具１０にだけ
形成し、これを通して上記同軸給電線５の内側導体とモ
ノポールアンテナ１とを接続するようにしてもよいこと
は勿論である。さらに、本実施例では、モノポールアン
テナ１が摺動可能となっているが、固定したものにも同
様に実施することができる。

【００１３】

【発明の効果】本願発明によれば、以上詳述してきたよ
うに、簡単な構成であり、電界分布の解析も簡単とな
り、延いては設計が容易でかつ特性のばらつきも少ない
モノポールアンテナ給電構造の提供を可能とする。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１記載の発明の一実施例の構成を示す図
である。

【図２】請求項２記載の発明の一実施例の構成を示す図
である。

【図３】従来例を示す図である。

【符号の説明】

１ モノポールアンテナ ２ アンテナ受具 ３ 接続バネ ４ マッチング回路基板 ５ 同軸給電線 ６ 導体板 ７ 筐体 ９ 接続金属片 １０ 樹脂製アンテナ受具 １０ａ 外側金属層 １２ 接続線

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 モノポールアンテナが挿入される中空樹
   脂体と、 上記中空樹脂体に挿入されたモノポールアンテナと接触
   し、かつ上記中空樹脂体に固定されている接続導体片
   と、 この接続導体片と接触しない状態で上記中空樹脂体が固
   定されるアースプレーン用導体板と、 一方の線路が上記接続導体片に接続し、他方の線路が上
   記アースプレーン用導体板の上記接続導体片近傍部に接
   続されている給電線とを備えることを特徴とするモノポ
   ールアンテナ給電構造。
2. 【請求項２】 モノポールアンテナが挿入される貫通孔
   が形成され、かつ上記アンテナが突出する上端部からの
   長さが使用中心周波数に対応する波長の４分の１の奇数
   倍となっている位置に、側面から上記貫通孔への連通孔
   が形成されている樹脂製のアンテナ受具部と、 上記アンテナ受具部の外側面を覆う外導体層部と、 上記外導体層部が接触する状態で、上記アンテナ受具部
   が固定されるアースプレーン用導体板と、 上記アンテナ受具部の上記連通孔と上記アースプレーン
   用導体板の上記連通孔近傍部を利用して設けられた給電
   点部とを備えることを特徴とするモノポールアンテナ給
   電構造。