JPH0631413Y2 - 高温熱間膨張収縮測定装置用押し棒 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は炭素材料、セラミックス等の高温熱間膨張収縮
測定装置において、材料の膨張等を検出して、測定器へ
伝える押し棒に関する。

〔従来の技術〕

最近、炭素材料、セラミックス等の材料も機能の向上、
複合化によって、用途の多様化が行われ、その物性評価
も、これまでの測定方法による特性値ばかりでなく、高
温での特性値も必要になって来ている。

本考案は、３，０００℃までの高温で高精度な測定が必
要な高温熱間膨張収縮測定装置の押し棒に関するもので
ある。

この高温熱間膨張収縮測定装置について説明する。

第３図は、高温熱間膨張収縮測定装置を垂直平面で切断
した断面略図である。測定試料（サンプル）１は、ホル
ダー２の中に収納され、このホルダーは、加熱炉６内へ
装入後セットボルト８で固定される。サンプル１は加熱
炉６で加熱され、サンプルの温度は温度計７で測定され
る。サンプル１の膨張収縮は押し棒３に伝えられ、検出
器（センサー）４によって計量され、レコーダー５に記
録される。

本考案はこの押し棒に関する。従来、３，０００℃まで
の測定において使用できる材料として黒鉛材を窒素雰囲
気中にて使用している。

この押し棒の黒鉛材の膨張等は、既に膨張収縮の判って
いる標準サンプルを用いて、サンプル、押し棒を含めて
の装置定数として測定値を補正している。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の押し棒の材料である黒鉛は、電気伝導、熱伝導共
に良好なため、検出器と直接接触すると検出器に電気と
熱が伝わってしまう。

特に炭素材料を発熱体とする黒鉛化炉の場合、加熱する
ために大電流を流すため万一、漏電によって、検出器に
電流が流れると検出器を破損させることになる。

また、ある程度の長さの押し棒を使用して、途中雰囲気
により若干冷却はされるが、サンプルを３，０００℃ま
で加熱すると、検出器までに冷却することは非常に難し
く、耐熱性の高い検出器を使用しなければならないとい
う問題もある。

本考案の目的はサンプルや押し棒に漏電するようなこと
があっても、検出器を破損するようなことなく、押し棒
が高温となっても、検出器として通常の検出器を使用し
得る押し棒を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は押し棒の検出器側に石英又はセラミックス等の
高温耐熱性で且つ電気的、熱的絶縁性を有する材料で作
成したキャップを付けた黒鉛棒よりなる高温熱間膨張収
縮測定装置用押し棒である。キャップとしては、高温接
着剤等の不要な、キャップの凹部に黒鉛棒を嵌め込む形
式が好ましい。又逆に黒鉛棒の先端に孔を設けて、キャ
ップを嵌めこんでもよい。また工作は面倒になるが、黒
鉛棒とキャップにネジを切り、ネジ込み型としてもよ
い。外れることなく、膨張等が正しく伝えられれば取付
方法は限定されるものではない。

〔実施例〕

第１図は実施例の押し棒を示し、本体３は黒鉛棒であ
り、その検出器側の先端にキャップ９を嵌め込む。

キャップの材質としては、高温耐熱性を有し、且つ、電
気的、熱的に絶縁性を有する材料であれば何んでもよい
が、石英又はセラミックスが好ましい。

第２図はサンプル１、サンプルホルダー２、押し棒３、
キャップ９、検出器４の部分を拡大して示した測定装置
の断面図である。

〔考案の効果〕

本考案によれば、押し棒の先端に高温耐熱性で、且つ電
気的、熱的絶縁性の材料で作成したキャップを付けたの
で、万一サンプルや押し棒に漏電しても、検出器を破損
するおそれがなく、又押し棒の黒鉛棒が、高温となって
も、キャップで熱的に絶縁されるので、検出器に特に耐
熱性の高い検出器を使用する必要がないなど測定装置の
小型化と安全性の向上に寄与する実用上の効果の大きい
考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の押し棒の平面図である。 第２図は本考案のキャップを有する押し棒の部分を拡大
した断面立面図である。 第３図は従来の高温熱間膨張収縮測定装置の断面立面図
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】押し棒の検出器側に石英又はセラミックス
   等の高温耐熱性で且つ電気的、熱的絶縁性を有する材料
   で作成したキャップを付けた黒鉛棒よりなる高温熱間膨
   張収縮測定装置用押し棒。