JPH06313186A - 固体潤滑剤およびしゅう動装置 - Google Patents

固体潤滑剤およびしゅう動装置

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JPH06313186A
JPH06313186A JP12461593A JP12461593A JPH06313186A JP H06313186 A JPH06313186 A JP H06313186A JP 12461593 A JP12461593 A JP 12461593A JP 12461593 A JP12461593 A JP 12461593A JP H06313186 A JPH06313186 A JP H06313186A
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Kosaku Yamakita
耕策 山北
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YAMAKITA SANGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高温下(例えば、200〜350℃)、金属を
腐食させる環境下で高荷重負荷で使用する軸受などに低
摩擦の潤滑を長時間付与しうる複合材料の固体潤滑剤お
よびそれを利用したしゅう動装置を提供する。 【構成】複合材料の固体潤滑剤は、潤滑性物質、充填材
および防食性の無機酸アルカリ金属塩の有効量の防食剤
をバインダーで固めて、少なくとも動摩擦係数0.5以
下でシャルビ−衝撃強度1.0kgf・cm/cm2 以
上の物性を有する複合材料にしたものである。しゅう動
装置は、その複合材料の固体潤滑剤をしゅう動部に埋め
込んだものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温下で高荷重が負荷
される軸受などのしゅう動部の潤滑に用いると、優れた
潤滑性を長時間持続し、かつ、腐食環境下で長時間使用
する場合にも軸受を腐食から保護する複合材料の固体潤
滑剤に関する。
【0002】また、別の本発明は、本発明による固体潤
滑剤を用いることにより、腐食環境下で、高温下で高荷
重が負荷された条件で長時間持続して使用可能なしゅ動
装置に関する。
【0003】
【従来の技術】油膜などの厚い流体膜による完全潤滑、
非常に薄い油膜などによる境界潤滑あるいは自己潤滑性
の固体材料による固体潤滑が、軸受の潤滑に一般に用い
られる。
【0004】境界潤滑は、軸受に負荷される荷重によっ
て油膜が非常に薄くなって潤滑用流体膜の形成が困難な
状態で行われる潤滑である。固体潤滑は、潤滑用流体膜
の形成が本来的に困難な場合に潤滑性固体材料を用いて
行われる潤滑である。その潤滑性固体材料は一般的に固
体潤滑剤と称されている。
【0005】固体潤滑剤は、潤滑用流体膜の形成が本来
的に困難な用途での軸受、例えば、起動停止による負荷
が頻繁にかかる軸受、あるいは低すべり速度あるいは高
荷重軸受などに使用されている。
【0006】また、微粉末浮遊の環境下で使用の軸受に
は、潤滑油では微粉末が混入して潤滑性が低下するとい
うことで、固体潤滑剤が一般的に使用されている。さら
に、高温あるいは長時間使用の軸受にも、潤滑油が酸化
して使用時間が短くなるということで固体潤滑剤が一般
的に使用されている。
【0007】なお、グリースについても、その事情は潤
滑油の場合と同様である。
【0008】固体潤滑剤には、潤滑性固体材料単独から
なるものと、潤滑性複合材料からなるものとがあり、次
のような方法で使用されている。
【0009】すなわち、軸受自体を固体潤滑剤で形成す
る、軸受のしゅう動面に固体潤滑剤の皮膜を形成する、
あるいは軸受しゅう動部の空間に固体潤滑剤を埋め込む
などの方法である。
【0010】なお、潤滑性固体材料単独からなる潤滑剤
は、一般的に「固体潤滑剤」と称されているが、複合材
料の固体潤滑剤もしばしば「固体潤滑剤」と称されてい
る。すなわち、「固体潤滑剤」の用語は、狭義には潤滑
性固体材料単独からなる潤滑剤の意味で使用され、広義
には複合材料の潤滑剤の意味で使用されている。
【0011】したがって、単に「固体潤滑剤」という場
合、狭義あるいは広義の意味、あるいはその両方の意味
のいずれに解するのかが不明瞭となる。
【0012】そこで、本明細書では、「固体潤滑剤」の
用語を、用語本来の語義、すなわち固体状の潤滑剤、の
意味で使用し、特に断わらないかぎり、潤滑性固体材料
単独の固体潤滑剤および複合材料の固体潤滑剤の両方を
包含した意味で使用している。
【0013】そのために、本明細書では、潤滑性固体材
料単独からなる潤滑剤については「単独の固体潤滑剤」
の用語を、複合材料の固体潤滑剤については「複合材料
の固体潤滑剤」の用語をそれぞれ使用している。
【0014】ただし、「複合材料の固体潤滑剤」につい
ては、以下、便宜上、「複合材料」と略称することがあ
る。
【0015】また、「潤滑剤」の用語を、液状の潤滑剤
(例えば、潤滑油およびグリ−ス)あるいは固体潤滑剤
をとわず、一般的に潤滑に使用する剤の意味で使用して
いる。 単独の固体潤滑剤には、黒鉛、二硫化モリリブ
デンあるいは二硫化タングステンなどの潤滑性鉱物、軟
質金属などの潤滑性金属、またはポリテトラフルオロエ
チレンあるいはポリイミド樹脂などの潤滑性合成樹脂を
用いるのが一般的である。 そのような潤滑性鉱物は、
潤滑性、機械的強度および耐摩耗性をある程度有してい
るので、使用限界温度以下では、通常の荷重付加の条件
で使用することが可能である。
【0016】軟質金属などの潤滑性金属またはポリテト
ラフルオロエチレンなどの潤滑性合成樹脂潤も、機械的
強度が若干劣り、使用限界温度が低くなるが、通常の荷
重付加の条件では使用できる。なお、黒鉛は約400℃
程度の温度で酸化により炭酸ガスが発生し、二硫化モリ
ブデンは約350℃程度の温度で酸化により三酸化モリ
ブデンが生じるので、実質的な使用温度領域はそれらの
使用限界温度よりも相当に低い温度領域にある。
【0017】一方、軸受は過酷な条件で使用される場合
がある。その場合には、それに対応して、潤滑剤が高荷
重付加、高機械的強度(例えば、大きな耐衝撃性)、低
摩擦係数およびそれの長時間の維持、耐熱性、耐摩耗性
あるいは防食性(潤滑する材料を腐食から保護する性
能)などの特性を有することが不可欠となる。
【0018】例えば、高荷重付加の軸受に使用の潤滑剤
の場合、あるいは高荷重付加および衝撃力付加の条件で
腐食性の環境下で用いる軸受に使用の潤滑剤の場合など
である。
【0019】このような場合、潤滑油あるいはグリ−ス
では、その性能からして使用に供するのが困難である。
また、単独の固体潤滑剤でも、高温下(例えば、300
℃以上)で高荷重と衝撃力に耐え、低摩擦の潤滑を軸受
に与えるのが困難である。過酷な条件がさらに付加した
条件て使用される軸受ではより困難となる。
【0020】そこで、単独の固体潤滑剤用の材料を用い
て複合化し、所望の性能を有する複合材料にすることが
提案されている。
【0021】複合化は、材料の燒結あるいはバインダ−
(主として、合成樹脂)による一体化によるのが代表的
である。
【0022】燒結による複合材料には、代表的なものと
して、下記(1)〜(3)の提案がある。
【0023】ただし、燒結による複合材料では、所定の
形状の複合材料を形成して、それを軸受にはめ込むなど
の方法をとらざるを得ないので、特別に構造の軸受を使
用するという制約があり、一般的な軸受に使用するのが
困難なものである。 (1)二硫化モリブデンおよび二硫化タングステンから
なる潤滑性鉱物と、モリブデン、ニオブ、タンタルある
いはタングステンの酸化物とをホットプレス燒結して複
合材料にし、超高真空雰囲気中において低温から高温に
至る条件下で使用するに際しての耐摩耗性を向上させ、
ホットプレス燒結時の黒鉛ダイスの消耗をも低減させる
提案がある(特公昭63−62470号公報参照)。 (2)黒鉛25〜65重量部、硫化亜鉛15〜45重量
部、硫化アンチモン5〜20重量部およびアルカリ土類
金属リン酸塩など5〜20重量部を燒結により複合材料
にし、それによって低摩耗性および狭い摩擦係数を複合
材料に付与する提案がある(特開昭61−258896
公報参照)。 (3)黒鉛粉末と柔質金属とから燒結により複合材料に
し、その中に過マンガン酸カリウムなどの熱分解性化合
物を含有させ、潤滑時の発生熱により過マンガン酸カリ
ウムなどの分解で生じた酸素および水を黒鉛に結合させ
た複合材料にし、それによって複合材料の摩擦係数を低
下させる提案がある(特開昭62−225596号公報
参照)。
【0024】ただし、この提案の複合材料は、潤滑に際
して、酸素および水がしゅう動面に存在するので、その
使用分野において著しく制約を受ける。また、バインダ
−により固める複合材料には、代表的なものとして、下
記(イ)および(ロ)の提案がある。 (イ)黒鉛あるいは二硫化モリブデンの粉末と、金属の
ジチオリン酸塩と有機モリブデン化合物との界面活性剤
とをポリエチレンなどの重合体のバインダーで固めて複
合材料にし、それによって耐摩耗性と低摩擦性とを複合
材料に付与する提案がある(特開昭64−31893号
公報参照)。
【0025】ただし、この提案の複合材料は、金属のジ
チオリン酸塩が約180℃で分解するので、実質的に
は、約150℃以上の温度では使用できないものであ
る。 (ロ)フエノ−ル・フォルムアルデヒドオリゴマ−15
〜25重量%、ヘキサメチレンアミン0.5重量%、強
化添加剤1〜5重量%、シクロヘキシルアミンの合成脂
肪酸塩0.5〜3重量%、黒鉛繊維またはガラス繊維か
らなる強化添加剤および黒鉛を20〜40重量%のフラ
ン系単量体の重合体のバインダーで固めて複合材料に
し、それによって潤滑性を向上させて高速回転での潤滑
に使用できるようにし、しかも軸受に防食性に付与でき
るようにした提案がある(特開平4−239598号公
報参照)。
【0026】ただし、この提案の複合材料は、潤滑油用
の一般的防食剤として周知のシクロヘキシルアミンの合
成脂肪酸塩を含有させたものである。
【0027】しかも、この提案は、シクロヘキシルアミ
ン合成脂肪酸塩の長鎖パラフィン炭化水素の部分で潤滑
性を複合材料に付与し、高速回転でのベアリングの寿命
を長くし、シクロヘキシルアミン自体によってベアリン
グの腐食を抑制しているので(特開平4−239598
号公報第2頁第1欄第44行〜第2欄第2行、第2欄第
33行〜第48行参照)、シクロヘキシルアミン合成脂
肪酸塩の揮発温度約150℃程度でそれらの機能が消滅
する。
【0028】したがって、この提案の複合材料は、その
揮発温度を越える温度(例えば、200〜300℃程
度)の使用では、シクロヘキシルアミンの合成脂肪酸塩
が揮発または分解して潤滑性と防食性が消滅し、高温で
腐食環境下での潤滑には使用できないものである。
【0029】なお、黒鉛あるいは二硫化モリブデンなど
を用いないで、金属微粒子と合成樹脂とを一体化した複
合材料も提案されている。
【0030】しかし、それらは、固体潤滑剤用として公
知の熱硬化樹脂のマトリックス中に合金あるいは金属酸
化物などの金属微粒子を分散させ、それによって一般的
に合成樹脂−金属粉系複合体で得られる硬度などの機械
的強度の向上を図ったものにすぎない(特開平5−32
989号公報、特開平5−32797号公報など参
照)。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】したがって、従来の提
案にもかかわらず、高温下(例えば、250〜350
℃)で、高腐食環境下および高荷重下での潤滑に長時間
使用でき、かつ、一般的に使用する軸受でも、それに容
易に埋め込んで使用できる複合材料の固体潤滑剤が存在
しないという問題点があった。
【0032】そのために、そのような条件で使用する軸
受の潤滑には、フルオロシリコン系グリースあるいはフ
ッ素化ポリエーテル系グリースなどのフッ素系グリース
が、比較的高温に耐え、軸受を腐食から保護するという
ことで使用されていた。
【0033】しかし、フッ素系グリースは、250℃以
上の温度で、短時間の使用により揮発してしまうので、
新しいフッ素系グリースを常時軸受に注入しなければな
らないという問題点(すなわち、メインテナンスを常時
必要とするという問題点)があった。
【0034】
【課題を解決するための手段】そこで、第一の本発明
は、高温下(例えば、200〜350℃)および金属を
腐食させる環境下で、低荷重から高荷重に至る負荷がか
かる状態で使用する軸受などのしゅう動装置に低摩擦の
潤滑を長時間にわたって持続させて付与し、かつ、摩耗
性に優れて、しゅう動装置を腐食から保護することがで
きる工業的に有益な複合材料の固体潤滑剤を提供するこ
とを目的とする。
【0035】また、第一の本発明は、一般的な軸受など
のしゅう動部にも埋め込むことができる複合材料の固体
潤滑剤を提供することをも目的とする。
【0036】特に、第一の本発明は、高温で操業する炉
に直接あるいは間接に使用する装置の軸受に埋め込ん
で、メインテナンスフリ−で(メインテナンなしで)低
摩擦の潤滑を軸受に長期間にわたって付与する複合材料
の固体潤滑剤を提供することをも目的とする。
【0037】なお、高温で操業する炉というのは、例え
ば、溶解炉、燒結炉あるいは焼成炉などである。また、
炉に直接に使用する装置の軸受というのは、例えば、炉
の開閉扉の軸受などであり、炉に間接に使用する装置の
軸受というのは、炉への原料の供給あるいは炉からの製
品の搬出に使用の台車に使用の軸受などである。
【0038】さらに、第一の本発明は、従来、潤滑油あ
るいはグリースしか使用できないとされていたリニヤ−
ガイドのような直動案内あるいはボ−ルネジのようなし
ゅう動装置にも潤滑油あるいはグリースに代えて使用で
き、かつ、それらのしゅう動装置に精密な潤滑を付与で
きる複合材料の固体潤滑剤を提供することをも目的とす
る。
【0039】さらに、第一の本発明は、金属が著しく腐
食し易い環境(代表的には、水中)で高荷重負荷の条件
で使用される装置の軸受などのしゅう動装置に長時間に
わって低摩擦の潤滑を付与する複合材料の固体潤滑剤を
提供することをも目的とする。 そのような装置として
は、例えば、土木工事で使用される装置(例えば、排泥
用の装置)がある。
【0040】第二の本発明は、高温下(例えば、200
〜350℃)、金属を腐食させる環境下で、高荷重負荷
の状態で長時間使用することができるしゅ動装置を提供
することを目的とする。
【0041】特に、第二の本発明は、高温で使用する炉
に直接あるいは間接に使用する装置に使用して、メイン
テナンスフリ−で(メインテナンなしで)低摩擦の潤滑
を長期間にわたって付与する軸受を提供することをも目
的とする。
【0042】なお、高温で使用する炉、およびそれに直
接あるいは間接に使用する装置の軸受の意義については
前述してある。
【0043】また、第二の本発明は、金属を腐食させる
環境下で長時間使用しても腐食することがないしゅう動
装置を提供することを目的とする。さらに、第二の本発
明は、従来、潤滑油などの液状潤滑剤のみが使用されて
いたしゅう動装置、あるいは初期充填のグリ−スが使用
されていたしゅう動装置に代えて使用できる固体潤滑剤
を埋め込んだしゅう動装置を提供することを目的とす
る。
【0044】そのようなしゅう動装置には、リニヤ−ガ
イドのような直動案内軸受あるいはボ−ルネジのような
軸受がある。 〈第一の本発明〉第一の本発明による固体潤滑剤は、下
記(A)〜(D)にそれぞれ定義する、潤滑性物質、充
填材、防食剤およびバインダーからなり、かつ、潤滑性
物質が100重量部である場合にバインダー1〜150
重量部の比率で有してなる組成物を固めて、少なくとも
動摩擦係数0.5以下でシャルビ−衝撃強度1.0kg
f・cm/cm2 以上の物性を有する複合材料にしたも
のであることを特徴とする。(A)潤滑性物質 潤滑性物質は、層状結晶構造を有する潤滑性鉱物、潤滑
性セラミックス、粒状潤滑性合成樹脂、メラミンシアヌ
レ−トまたは/および有機モリブデニウムジチオカルバ
メ−トよりなる潤滑性有機化合物からなる群より選ばれ
た単一あるいは複数のものからなる。ただし、複数のも
のからなる場合、同一種のものが複数でもよく、異種の
ものが複数でもよい。(B)充填材 充填材は、150℃の温度で熱変形しない、無機質、有
機質あるいは金属質の充填材の単一あるいは複数のもの
からなる。ただし、複数のものからなる場合、同一種の
ものが複数でもよく、異種のものが複数でもよい。(C)防食剤 防食剤は、防食性の無機酸アルカリ金属塩の有効量から
なる。(D)バインダー バインダーは、常温〜350℃の温度で固体有機高分子
となるものである。 〈第二の本発明〉また、第二の本発明によるしゅう動装
置は、下記(a)〜(d)にそれぞれ定義する、潤滑性
物質、充填材、防食剤およびバインダーからなり、か
つ、潤滑性物質が100重量部である場合にバインダー
1〜150重量部の比率で有してなる組成物を固めて、
少なくとも動摩擦係数0.5以下でシャルビ−衝撃強度
1.0kgf・cm/cm2以上の物性を有する複合材
料にしたものからなる固体潤滑剤を部材が相手方部材と
回転可能な部品を介して接触するしゅ動部に埋め込んで
なるものであることを特徴とする。(a)潤滑性物質 潤滑性物質は、層状結晶構造を有する潤滑性鉱物、潤滑
性セラミックス、粒状潤滑性合成樹脂、メラミンシアヌ
レ−トまたは/および有機モリブデニウムジチオカルバ
メ−トよりなる潤滑性有機化合物からなる群より選ばれ
た単一あるいは複数のものからなる。ただし、複数のも
のからなる場合、同一種のものが複数でもよく、異種の
ものが複数でもよい。(b)充填材 充填材は、150℃の温度で熱変形しない、無機質、有
機質あるいは金属質の充填材の単一あるいは複数のもの
からなる。ただし、複数のものからなる場合、同一種の
ものが複数でもよく、異種のも(c)防食剤 防食剤は、防食性の無機酸アルカリ金属塩の有効量から
なる。(d)バインダー バインダーは、常温〜350℃の温度で固体有機高分子
となるものである。 〔発明の具体的説明〕以下、第一の本発明および第二の
本発明を具体的に説明する。 〈第一の本発明による固体潤滑剤〉第一の本発明は、前
述の構成の複合材料からなるものである。
【0045】第一の本発明は、三成分系以上からなる複
合材料での潤滑性と耐熱性と機械的強度との相互関係を
探索する検討において、本発明者により見いだされた新
しい事象を基礎としてなされたものである。
【0046】すなわち、本発明者による検討により、合
成樹脂バインダ−による複合化によっても、低摩擦の潤
滑性を有して200℃を越える高温にも耐える複合材料
にすことが可能であることが見いだされた。
【0047】そして、第一の本発明の配合成分(前記
(A)〜(D)で定義する成分)を合成樹脂バインダ−
により少なくとも動摩擦係数0.5以下でシャルビ−衝
撃強度1.0kgf・cm/cm2W以上の物性を有する
複合材料に複合化すると、摩耗量も小さくなって優れた
潤滑性を有し、曲げ強度もある程度強くなって機械的強
度も備え、限界PV値もある領域になることが見いださ
れて本発明が得られた。
【0048】以下に、第一の本発明の複合材料に用いる
材料を具体的に説明する。潤滑性物質 「潤滑性物質」は、本発明の複合材料に潤滑性を主体的
に付与する物質である。それには、層状結晶構造を有す
る潤滑性鉱物、潤滑性セラミックス、粒状潤滑性合成樹
脂、メラミンシアヌレ−トまたは/および有機モリブデ
ニウムジチオカルバメ−トよりなる潤滑性有機化合物か
らなる群より選ばれた単一あるいは複数のものが用いら
れる。
【0049】ただし、複数のものからなる場合、同一種
のものが複数でもよく、異種のものが複数でもよい。し
たがって、潤滑性物質には、例えば、二種以上の潤滑性
鉱物の使用、あるいは二種以上の潤滑性鉱物と他の潤滑
性物質の一種あるいは二種以上との組み合わせの使用も
可能である。
【0050】ここで、「潤滑性物質」は、その物質自体
で固体潤滑材になりうる程度の潤滑性、いわゆる自己潤
滑性、を有していることが望ましい。
【0051】「潤滑性物質」には、単独の固体潤滑材に
なる材料として公知のものを使用できる。潤滑性鉱物の
代表的なものを例示すると、黒鉛、フッ化黒鉛、二硫化
モリブデン、二硫化タングステン、ボロンナイトライ
ド、セリサイトあるいは雲母などがある。
【0052】このうち、複合材料の耐熱性を大きくする
には、黒鉛単独の使用あるいは黒鉛と二硫化モリブデン
の併用が適している。その併用の場合には、黒鉛60〜
97重量%と二硫化モリブデン3〜40重量%(重量%
は、黒鉛と二硫化モリブデンとの合計重量基準)するの
が好ましい。
【0053】黒鉛が、60重量%未満であると複合材料
の耐熱性が不足する傾向があり、97重量%を越えると
複合材料の耐荷重性が不足する傾向があるからである。
【0054】潤滑性セラミックスの代表的なものを例示
すると、金属酸化物、ホウ化物、炭化物あるいはチッ化
物(例えば、チッ化ホウ素)のセラミックスなどがあ
る。
【0055】潤滑性合成樹脂の代表的なものを例示する
と、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミ
ド樹脂、四フッ化エチレン樹脂および六フッ化プロピレ
ン樹脂などがある。潤滑性有機化合物は、メラミンシア
ヌレ−トまたは有機モリブデニウムジチオカルバメ−ト
の単独使用または両方の併用である。
【0056】それらの単独使用または併用によっても本
発明の物性を有する複合材料を形成できること、および
それらと他の潤滑性物質との組み合わせによっても本発
明の物性を有する複合材料に形成できることが見いださ
れている。
【0057】そして、潤滑性物質を二種以上使用する場
合における、異種潤滑性物質の組み合わせあるいは異種
潤滑性物質の量的比率は、複合材料を少なくとも動摩擦
係数0.5以下でシャルビ−衝撃強度1.0kgf・c
m/cm2以上の物性の複合材料にできれば原則として
任意である。
【0058】ただし、好ましい量的比率が、いくつか本
発明で見いだされている。
【0059】例えば、潤滑性鉱物と潤滑性セラミックス
の併用では、潤滑性鉱物100重量部に対して潤滑性セ
ラミックスを10重量部以上用いるのが好ましい。
【0060】潤滑性セラミックスが10重量部未満であ
ると、潤滑性セラミックスの種類によっては複合材料の
耐熱性と耐荷重性(荷重に耐える能力)が低下する場合
があるからである。
【0061】また、潤滑性鉱物と潤滑性合成樹脂の併用
では、潤滑性鉱物100重量部に対して潤滑性合成樹脂
5〜20重量部程度用いるのが好ましい。
【0062】潤滑性合成樹脂が5重量部未満では、潤滑
性合成樹脂の種類によっては、複合材料の耐摩耗性が低
下し、潤滑性合成樹脂が20重量部を越えると複合材料
の耐衝撃性が低下する場合があるからである。
【0063】さらに、潤滑性鉱物と潤滑性セラミックス
と潤滑性合成樹脂の併用では、潤滑性鉱物60〜85重
量%(三者の合計重量基準)、潤滑性セラミックス10
〜30重量%および潤滑性合成樹脂5〜10重量%程度
にするのが好ましい。
【0064】潤滑性鉱物が60重量%未満であると、潤
滑性鉱物の種類によっては、複合材料の衝撃強度が低下
する場合があり、潤滑性鉱物が85重量%を越えると複
合材料の耐熱性が低下する場合があるからである。
【0065】また、潤滑性セラミックスが10重量%未
満であると複合材料の熱安定性が低下する場合があり、
30重量%を越えてまで潤滑性鉱物を潤滑性セラミック
スに置き換える技術的必要性が乏しいからである。
【0066】さらに、潤滑性合成樹脂が5重量%未満で
あると、潤滑性合成樹脂の種類によっては、複合材料の
摩擦係数が増大する場合があり、潤滑性合成樹脂が10
重量%を越えると複合材料の衝撃強度が低下する場合が
あるからである。
【0067】なお、これらの比率は、代表的な例示であ
って、潤滑性鉱物、充填剤、バインダ−の種類によって
は別の比率を用いることが可能である。
【0068】なお、潤滑性物質に白色のものを使用する
と、それ以外の材料には白色のものが多いので複合材料
を白色にすることができる。
【0069】白色の固体潤滑剤にするには、例えば、雲
母、チッ化ホウ素あるいはフッ化黒鉛などの白色潤滑性
物質の単独あるいは組み合わせと、ポリテトラフルオロ
エチレン樹脂の微粉末などの白色潤滑性合成樹脂とを併
用すればよい。白色の固体潤滑剤を埋め込んだ軸受を塗
装装置(例えば、自動車の塗装装置)に用いると、仮に
摩擦によって固体潤滑剤の微粉が塗料に混ざっても、塗
装自体が不良なるという事態を防止することができ、白
色の固体潤滑剤の汚れから工場全体の汚染状態を判別で
きることが本発明で見いだされている。
【0070】すなわち、黒色の固体潤滑剤であれば、そ
の微粉が塗料に混ざることによって、塗装装置の工程を
停止するために生ずる大きな損害の発生を防止できる。
【0071】潤滑性物質は原則として粉末が用いる。粉
末を用いることにより複合材料の物性を目的の範囲のも
の(本発明で定義する範囲のもの)にするのが容易であ
ることが本発明で見いだされている。
【0072】粉末粒径、粒径分布などは、複合材料の物
性との関係で選択すればよい。例えば、平均粒径が、
0.1〜100ミクロン、特に1〜30ミクロンであれ
ば、本発明による複合材料を得るのに容易であることが
本発明で見いだされている。充填材 充填材は、150℃の温度で熱変形しない、無機質、有
機質あるいは金属質の充填材の単一あるいは複数のもの
からなる。ただし、複数のものからなる場合、同一種の
ものが複数でもよく、異種のものが複数でもよい。な
お、150℃で熱変形しないということは、150℃で
熱により軟化するなどして、その形態が変化しないこと
である。
【0073】充填材は、合成原料のみならず天然原料か
ら製造されたものでもよい。
【0074】充填材の代表的なものを例示すると、無機
質のものとしてはセラミックスあるいはウイスカ−(無
機質ウイスカ−)があり、有機質のものとしては合成樹
脂あるいはウイスカ−(有機質ウイスカ−)があり、金
属質のものとしては金属酸化物がある。それらは、単一
あるいは複数のいずれであってもよい。
【0075】なお、複数の場合、同一種のものが複数で
あってもよく、異種のものが複数であってもよい。
【0076】セラミックスには、合成原料を燒結した燒
結物(いわゆる、ファインセラミックスと称されるも
の)のみならず、ガラスのような天然原料をするセラミ
ックスも使用できる。
【0077】すなわち、本明細書では、充填材の「セラ
ミックス」は、広義の意味(ファインセラミックスと従
来からあるセラミックスを含んだ意味)で用いている。
【0078】なお、セラミックスは、潤滑性物質として
も使用しているが、潤滑性物質に用いるセラミックス
は、それ自体が有する潤滑性によって単独で固体潤滑剤
になりうるものである。これに反して、充填材として使
用する「セラミックス」は、それ自体では固体潤滑剤に
なりえず、複合材料の機械的物性の改善に関与するもの
である。
【0079】充填材は、原則として任意の形態のものを
使用できるが、繊維状のもの、すなわち、セラミックス
繊維、繊維状のウイスカ−、合成樹脂繊維あるいは金属
酸化物繊維、を使用することにより本発明の目的とする
物性を有する複合材料にするのが容易である。
【0080】セラミックス繊維、合成樹脂繊維あるいは
金属酸化物繊維は、本発明の目的の物性の複合材料を得
やすいという面からは、その平均繊維長が0.1〜1.
5mm程度、好ましくは0.1〜0.8mm程度、のも
のである。
【0081】ウイスカ−は、その平均繊維長が20〜5
00ミクロン程度のものが好ましい。
【0082】その程度の平均繊維長のものを平均粒径1
〜30ミクロンの粒状の潤滑性物質と組合わせると、本
発明の複合材料を得るのが容易であることも本発明者に
より見いだされている。
【0083】特に、平均繊維長さが、0.1〜3.0m
m、好ましくは 0.1〜0.8mm、の充填材であれ
ば、種々の機械的強度が優れた本発明の複合材料がやす
いことも本発明者により見いだされている。セラミック
スを例示すると下記のものがある。
【0084】炭素、アルミナ、シリカ・アルミナ、チタ
ン酸カリ、ホウ酸アルミ、炭化ケイ素、チッ化ケイ素、
炭化ホウ素、ジルコニア、ジルコニア・シリカ・アルミ
ナ、ガラスなどで、これらの多くは繊維状の用いるのが
本発明の効果を享受するのに適している。
【0085】炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル
系炭素繊維(ポリアクリロニトリルを原料とする炭素繊
維)あるいはピッチ系炭素繊維(ピッチを原料とする炭
素繊維)の使用が代表的である。ウイスカ−を例示する
と下記のものがある。アルミナ・酸化ホウ素(9Al2
3・2B23)、炭化ケイ素(SiC)、チッ化ケイ
素(Si34)、アルミナ(Al23)、チタン酸カ
リウム(K2Ti613)、硫酸カルシウム(CaS
4)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ホウ素マグ
ネシウム(MgBO)、クロソタイルおよびワラストナ
イトなど。なお、ウイスカ−は、短繊維状のものが代表
的である。合成樹脂を例示すると下記のものがある。ジ
アリルフタレ−ト樹脂、フエノ−ル樹脂、フラン樹脂の
焼成物、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂およびテトラ
フルオロエチレン樹脂など。
【0086】なお、充填剤量は、2〜50重量%(複合
材料の重量基準)であるのが好ましく、特に好ましくは
2.5〜20重量%、である。
【0087】充填剤量が2重量%未満であると、複合材
料のシャルビ−衝撃強度1.0kgf・cm/cm2
上にできても、それ以外の機械的物性を大きくする、す
なわち、シャルビ−衝撃強度と他の機械的物性をバラン
スさせるのに困難を伴うようになるからである。また、
充填剤量が50重量%を越えると、複合材料の動摩擦係
数を0.5以下、特にそれ以下のより低い動摩擦係数、
にするのに困難を伴うようになるからである。防食剤 防食剤には、防食性を有する無機酸アルカリ金属塩の有
効量を用いる。
【0088】本発明の複合材料であれば、無機酸アルカ
リ金属塩を均一に分散して含有させることができるこ
と、および複合材料がわずかずつ摩耗していく過程で無
機酸アルカリ金属塩が金属面に接して金属面に防食性膜
を作り易いことが本発明において見い出されている。
【0089】具体的には、無機酸アルカリ金属塩とし
て、無機酸ナトリウム塩、無機酸カリウム塩、無機酸カ
ルシウム塩、無機酸マグネシウム塩あるいは無機酸バリ
ウム塩の一種あるいは二種以上を用いることができる。
【0090】これらの無機酸アルカリ金属塩のうちで
は、経済的に安価である点および取扱が容易である点な
どから、無機酸ナトリウム塩の使用が適している。
【0091】無機酸ナトリウム塩としては、例えば、亜
硝酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム、メタホウ酸ナ
トリウム、モリブデン酸ナトリウムあるいはタングステ
ン酸ナトリウムの一種または二種以上の使用が適してい
る。
【0092】これらの無機酸ナトリウム塩のうちでは、
代表的には、亜硝酸ナトリウムを単独しても、本発明に
よる効果である、腐食環境下で高温で使用するしゅ動装
置などの腐食を防止が達成できる。防食剤は、本発明の
固体潤滑剤を用いるしゅう動装置の使用条件によって防
食に有効な量を使用すればよい。一般的には、0.01
〜10重量%(複合材料の合計重量基準)である。0.
01重量%未満では、防食効果の発生に時間遅れが生じ
て、防食効果が十分でない場合がある。また、10重量
%を越える量では、防食効果が大きく変化せず、10重
量%以下の量で、工業的には十分な防食効果が得られ
る。
【0093】防食剤は、潤滑性物質と充填材と共にバイ
ンダーで固める際には粉末状のものを用いる。したがっ
て、複合材料は、無機酸アルカリ金属塩の微粒子が混在
する状態のものとなっている。そのために、しゅう動装
置のしゅう動部の金属が本発明の固体潤滑剤に接触し
て、固体潤滑剤がミクロ的に剥れるなどして潤滑が行わ
れると、無機酸アルカリ金属塩の微粒子が次々に接触し
て金属の接触面に防食性皮膜を作り、それによって金属
が腐食から保護されることになる。バインダー 本発明による複合材料は、潤滑性物質が100重量部で
ある場合にバインダー1〜150重量部の比率で組成物
中に存在するバインダーにより潤滑性物質などからなる
組成物を固めたものである。
【0094】そして、バインダーには、常温〜350℃
の温度で反応して、固化が完結した状態で固体有機高分
子となるものを使用する。
【0095】潤滑性物質量に対するバインダーの量的比
率は、バインダー量を量的比率で調整することにより、
本発明の複合材料が得やすいことが見いだされたからで
ある。
【0096】バインダー量が1重量部でもよいのは、他
の材料に強固に結合する性質を有するバインダーを選択
すれば、その量でも可能な場合があるからである。
【0097】また、バインダー量が150重量部までも
可能なのは、硬化後のバインダーが潤滑性を有するもの
であれば、潤滑性物質量を相対的に少なくしても、本発
明の複合材料にできる場合があるからである。
【0098】バインダーは、反応後において固体有機高
分子(固化が完結したもの)となるものであれば、反応
前においては、単量体、プレポリマーあるいは未架橋の
高分子のいずれでもよい。
【0099】反応は、一般に加熱下で固化が進行するも
のを使用する。ただし、硬化剤などの使用により、常温
あるいはその近傍の温度で固化が進行するものを用いい
ることも可能である。
【0100】ただし、加熱により溶融の過程を得て硬化
して固化が完結する熱硬化型の合成樹脂の使用が望まし
い。バインダーの行う反応においては特に制約がなく、
付加重合、架橋あいはその両方が生じるものでもよい
が、架橋反応で硬化が進行する熱硬化型の合成樹脂が代
表的である。
【0101】なお、350℃の温度以下で固化が進行す
るものを使用するのは、軸受に本発明の材料の粉末を充
填してそれを越える温度で進行させると、軸受自体の材
料に劣化が生じる場合があるからである。
【0102】バインダーとしては、一般的に、粉末状あ
るいはそれより径の大きい粒子状のものを用いるのが便
宜である。
【0103】バインダーを例示的に挙げると、下記のも
のがある。
【0104】ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノ−
ル樹脂、メラミン樹脂、レゾルシン樹脂、ウレタン樹脂
あるいはポリエステル樹脂など。
【0105】特に適したバインダーは、フェノ−ル樹脂
の分子にメチロ−ル基を結合させた樹脂で、熱溶融し、
その熱溶融時の熱により分子に結合したメチロ−ル基が
反応して三次元架橋硬化するフェノ−ル樹脂とヘキサメ
チレンテトラミンなどにより熱硬化(メチレン架橋)す
るフェノ−ル樹脂である。
【0106】その前者の熱溶融時の熱でメチロ−ル基の
反応により三次元架橋硬化するフェノ−ル樹脂は、樹脂
が熱溶融するという点ではノボラック樹脂の性格を有す
るが、三次元架橋硬化に際して付加反応が生じることが
あってもよいものである。そのようなフェノ−ル樹脂と
しては、市販のもの(例えば、鐘紡社製、商品名:ベル
パ−ル)を用いることができる。
【0107】また、後者のヘキサメチレンテトラミンな
どにより熱硬化するフェノ−ル樹脂も、市販のもの(例
えば、三井東圧化学社製、商品名:ミレックスXL−2
25)を用いることができる。
【0108】バインダーの種類および量は、填材の種類
あるいは量との関係も考慮して決めればよい。例えば、
充填材に機械的強度があまり大きくないものを用いる場
合は、固化した後の機械的強度が大きいバインダーを使
用するとよい。
【0109】また、充填材の量が少ない場合は、バイン
ダーの量を多くすることで、バインダーの機械的強度を
利用することができる。
【0110】また、複合材料の耐熱性を大きくするに
は、ポリイミド樹脂を使用するのが適している。その他の配合物 本発明による複合材料においては、本発明の目的に合目
的である場合、他の配合物が含まれていてもよい。
【0111】そのような配合物として、例えば、耐熱性
付与剤がある。
【0112】なお、耐熱性付与剤というのは、添加によ
り複合材料の耐熱性を大きく高くすることができる材で
ある。
【0113】耐熱性付与剤としては、例えば、金属の酸
化物あるい硫化物がる。金属の酸化物としては、例え
ば、酸化鉛(Pbo) 、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫
(SnO)、酸化クロム(CrO)、酸化カドミニウム
(CdO)、酸化銅(Cu2O)などがる。また、金属
の硫化物としては、例えば、硫化亜鉛あるいは硫化カル
シウムがある。これらは、単独使用しても、あるいは併
用してもよい。複合材料の製造 本発明による複合材料は、基本的には、それを構成する
各材料が混ざった粉末(特に乾燥粉末)を製造する粉末
製造工程と、そこで得られた粉末を軸受内に充填して、
その状態で粉末を硬化(代表的には、加熱硬化)させて
軸受内に固体潤滑剤を埋め込んだ状態に形成する成形化
工程とからなっている。ただし、成形化工程は、硬化を
二段階に分けて行うと、所望の複合材料にするのに便宜
である。また、粉末製造工程は、溶媒の共存化で攪拌混
合してから溶媒を揮発させて粉末にする方法(いわゆ
る、湿式法)が適している。溶媒は、水あるいは水とそ
れより揮発性の大きい溶媒との組み合わせが適してい
る。
【0114】また、成形物化工程は、ホットプレスなど
を用いる加圧加熱によるのが適している。その際の圧力
は、例えば、約50〜150kg/cm2で、温度が、
例えば、約100〜250℃である。
【0115】ただし、圧力および温度は、軸受の大小あ
るいは軸受の構造などによって適宜変えてもよい。複合材料 第一の本発明のよる固体潤滑剤は、バインダーによりそ
れを含む組成物を固めて、少なくとも動摩擦係数0.5
以下でシャルビ−衝撃強度1.0kgf・cm/cm2
以上の物性を有する複合材料にしたものである。
【0116】そこで、「少なくとも」としたのは、動摩
擦係数0.5以下でシャルビ−衝撃強度1.0kgf・
cm/cm2以上の物性を有する複合材料にすれば、他
の物性においても、第一の本発明の目的を達成しうるこ
とが見いだされているからである。
【0117】他の物性としては、曲げ強さ、硬さ、限界
PV値および摩耗量などがある。なお、動摩擦係数が
0.5以下であって、シャルビ−衝撃強度が1.0kg
f・cm/cm2以上の物性であれば、第一の本発明の
よる効果が得られるが、工業的実施が容易という点から
は、シャルビ−衝撃強度は6.5あるいはその近傍の値
まで、動摩擦係数は0.15あるいはその近傍の値まで
にするのがよい。 〈第二の本発明によるしゅう動装置〉第二の本発明は、
第一の本発明による複合材料をしゅう動部に埋め込んだ
しゅう動装置である。
【0118】そのしゅう動装置は、部材が相手方部材と
回転自在な部品を介して接触するしゅう動部を有する装
置である。
【0119】具体的には、玉あるいはコロのような回転
自在な部品を介してしゅう動を行わせるしゅう動部を有
する装置である。
【0120】しゅう動装置は、それ自体がしゅ動部のみ
からなるものでもよく、あるいは一部にしゅ動部を有す
るものであってもよい。
【0121】しゅう動装置の代表的なものには、玉軸受
その他がある。玉軸受の場合、内輪が一方の部材に相当
し、外輪が他方の部材に相当して、玉(一般に転動体と
いわれている)が回転自在な部品に相当する。
【0122】玉軸受はいずれの種類のものでもよい。た
だし、特に、高温で操業する炉に直接あるいは間接に使
用する装置の玉軸受に第一の本発明の複合材料を埋め込
むと、 その玉軸受を高温下(例えば、200〜350
℃)および金属を腐食させる環境下で、低荷重から高荷
重、特に高荷重、の負荷がかかる状態で長期にわたって
メインテナスなしに使用できる。なお、高温で操業する
炉とというのは、例えば、溶解炉、燒結炉あるいは焼成
炉などである。また、炉に直接に使用する装置の軸受と
いうのは、例えば、炉の開閉扉の軸受などであり、炉に
間接に使用する装置の軸受というのは、炉への原料の供
給あるいは炉からの製品の搬出に使用の台車に使用の軸
受などである。玉軸受以外のしゅう動装置としては、直
動案内軸受あるいはボ−ルネジが代表的である。
【0123】なお、直動案内軸受としては、リニアガイ
ド、リニアボ−ルベアリングなどが代表的である。
【0124】さらに、第二の本発明のしゅう動装置は、
高荷重の潤滑に使用でき、防食性を有して、水中でも使
用できるので、土木工事で使用される装置(例えば、排
泥用の装置)に使用して工業的に有益である。
【0125】第二の本発明では、回転自在な部品を回転
可能にして、かつ、部材および該相手方部材のいずれか
一方あるいは両方を運動可能にするようにして複合材料
がしゅう動部に形成されている。
【0126】そのような形成方法には、回転自在な部品
を動かしながら複合材料を形成する粉末をしゅう動部に
埋め込み、加圧過熱して複合材料をしゅう動部内に形成
する方法がある。
【0127】あるいは潤滑性被覆膜を形成しておいてた
しゅう動部内に複合材料を形成する粉末を充填し、加圧
過熱して複合材料をしゅう動部内に形成するなどの方法
がある。
【0128】しゅう動部内に充填する粉末の量は、軸受
の種類に応じて選択しうるが、例えば、しゅう動部内の
空間容積の約35〜95容量%程度であればよい。
【0129】なお、粉末を充填する際に、例えば、液に
混ぜて充填するなどすると、複雑な空間形状のしゅう動
部内にも容易に充填できる。そして、第二の本発明の効
果を最も効率よく享受できるのは、潤滑性被覆膜を形成
したしゅう動部内に複合材料を形成して得られたしゅう
動装置である。
【0130】その場合、硬化した固体潤滑剤が潤滑性皮
膜に接して直接に金属面に接することないので、しゅう
動部内の玉が回転自在の状態を保持できる。また、潤滑
性皮膜が破損しても、本発明の固体潤滑剤は防食性を有
しているのでしゅう動部が腐食することがない。
【0131】潤滑性皮膜としては、例えば、フッ素樹脂
皮膜あるいはワックス皮膜がある。そのフッ素樹脂に
は、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン・六フッ
化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン・ペルフル
オロアルキルビニルエ−テル共重合樹脂、四フッ化エチ
レン・エチレン共重合樹脂、四フッ化エチレン・六フッ
化プロピレン・ペルフルオロアルキルビニルエ−テル共
重合樹脂、四フッ化エチレン・ペルフルオロジオキソ−
ル(ジオキソ−ルは、例えば2,2−ジメチル−1,3
ジオキソ−ル)共重合樹脂、2−ペルフルオロメチルオ
キソラン重合樹脂あるいは四フッ化エチレンとスルホン
酸基を有するペルフルオロオキシアルキレン単量体との
共重合樹脂などを用いることができる。
【0132】フッ素樹脂皮膜は、それらのフッ素樹脂
(単独でも複数でもよい)をフッ素系溶媒に溶解した溶
液にしゅう動装置を漬ける、あるいはその溶液をしゅう
動装置に塗布するなどの方法により形成する。
【0133】なお、フッ素樹脂溶解溶液の調製の際に
は、加温(例えば、100〜250℃)すると調製が容
易になる。フッ素樹脂溶解溶液がしゅう動装置に付着す
ると、比較的短時間(例えば、30分〜1時間)でフッ
素樹脂皮膜がしゅう動装置に形成できる。ワックスに
は、高融点パラフィンワックス、モンタン酸ワックス、
カルナバワックス、モンタン酸エステルワックス、高融
点ポリエチレンワックスあるいはエチレンビスステアロ
アヤイドワックスなどを用いることができる。
【0134】ただし、潤滑性皮膜には、特に、皮膜の潤
滑性と複合材料に対する離型性(複合材料に付着しない
という性能)が優れているのでフッ素樹脂皮膜が適して
いる。
【0135】フッ素樹脂皮膜を形成後に本発明の固体潤
滑剤を形成した軸受が、特に優れた性能を有することが
本発明で見い出されている。
【0136】
【実施例】
{実施例1}下記材料を下記成形法により成形して複合
材料の固体潤滑剤を埋め込んだ軸受を得た。 〈材料〉潤滑性物質 黒鉛 …35.0重量% (日本黒鉛工業社製、商品名:CSSP、平均粒径1.0μm の鱗状黒鉛を使用した 。) 二硫化モリブデン…13.0重量% (日本モリブデン社製、商品名:ニチモリパウダ−B、平均粒径2.0μmの ものを使用した 。)充填材 ガラス繊維 …15.0重量% (日本電気硝子社製、商品名:Eファイバチョプドストランド、平均繊維経6μ m、平均繊維長さ1.5mmのものを使用した)防食剤 亜硝酸ナトリウム …1.5重量% (宇部興産社製のものを使用した。) リン酸三ナトリウム …0.5重量% (米山化学社製のものを使用した。)バインダー フェノ−ル樹脂粉末 …35.0重量% (鐘紡社製、商品名:ベルパ−ルS−870を使用した。) 合計100重量% 〈成形法〉成形法は、上記比率の材料から乾燥粉末を製
造する工程(以下、乾燥粉末製造工程ということがあ
る)と、その乾燥粉末から軸受の空間内に成形物を形成
する工程(以下、成形化工程ということがある)と、そ
の成形物をポストキュア−して複合材料の固体潤滑剤を
埋め込んだ軸受にする工程(以下、ポストキュア−化工
程ということがある)からなる。
【0137】そして、それらの各工程の時系列外に行わ
れる工程として、軸受にフッ素樹脂皮膜を形成する工程
(以下、軸受のフッ素樹脂皮膜形成工程ということがあ
る)がある。乾燥粉末製造工程 上記比率の材料100重量部と、メチレンクロライド1
00重量部とアセトン50重量部とからなる溶媒とを攪
拌機(小平製作所製、ACM−5L型)に加え、30分
間攪拌後に混合物を取り出した。その取り出した混合物
を2本ロ−ル機(小平製作所製、プラスチック用3−F
C−2電熱加熱型)で、120℃、30分混練して上記
材料中の無機物も微粒子として含まれた乾燥粉末を得
た。
【0138】乾燥粉末は、密度2.27g/cm3(2
3℃)(JISK7112による)であった。軸受のフッ素樹脂皮膜形成工程 そして、その乾燥粉末から形成する固体潤滑剤を埋め込
む軸受には、あらかじめ、フッ素樹脂の皮膜を形成して
おいた。
【0139】そのフッ素樹脂の皮膜は、フッ素樹脂混合
物(米国デュポン社製、商品名:テフロンAF、大阪ガ
ス社製、商品名:フッ化ピッチ)を溶解したフッ化炭化
水素溶液(溶媒:住友スリ−エム社製、商品名:フロリ
−ナ−トPF−5080)を軸受に塗布して乾燥処理す
ることにより形成した。
【0140】軸受には、単列深みぞ玉軸受(型番630
6、ラジアルすきまC−4、日本精工社製)と単列深み
ぞ玉軸受(型番6204、ラジアルすきまC−4、日本
精工社製)の2種類を使用した。成形化工程 得られた乾燥粉末から、各軸受の空間容量の80%に相
当する量を取り分けた。
【0141】型番6306の軸受には32グラムを、型
番6204の軸受には10グラムを取り分けた。
【0142】取り分けた各量の乾燥粉末をあらかじめフ
ッ素樹脂混合物の皮膜形成処理をしておいた各軸受の空
間にそれぞれ充填して、圧縮成形機(東邦マシナリ−社
製、自動加熱成形機TBD−50型)により金型温度1
80℃、硬化時間20分、成形圧力100kg/cm2
で成形して、各軸受空間内に成形物を生成した。ポストキュア−工程 その後、各軸受を加熱炉内に180℃で8時間静置後、
さらに230で4時間ポストキュア−(後硬化処理)を
行って、硬化生成物(すなわち、複合材料の固体潤滑
剤)を埋め込んだ軸受を得た。 {実施例2}下記材料を成形して複合材料の固体潤滑剤
を埋め込んだ軸受を得た。 〈材料〉 潤滑性物質 黒鉛 …35.0重量% (日本黒鉛工業社製、商品名:CSSP、平均粒径1.0μmの鱗状黒鉛を使 用した 。) 二硫化モリブデン …12.0重量% (日本モリブデン社製、商品名:ニチモリパウダ−B、平均粒径2.0μmの ものを使用した 。)充填材 ジルコニヤ・シリカ・アルミナ繊維 …15.0重量% (東芝モノフラックス社製、商品名:ZFC400−SF、平均繊維径2〜4μ m、平均繊維長さ300〜500μmのものを使用した)防食剤 亜硝酸ナトリウム …2.5重量% (宇部興産社製のものを使用した。) リン酸三ナトリウム …0.5重量% (米山化学社製のものを使用した。) フェノ−ル樹脂粉末 …35.0重量%(鐘紡社製、商品名:ベルパ−ルS−870を使用した。) 合計100重量% 〈成形法〉燥粉末製造工程で得られた上記比率材料の乾
燥粉末の密度は、2.25g/cm3(23℃)(JI
SK7112による)であった。
【0143】成形物化工程は実施例1と同様であるが、
型番6306の軸受に充填する乾燥粉末は32グラムに
して、型番6204の軸受に充填する乾燥粉末は10グ
ラムにした。
【0144】それら以外は、実施例1と同様にした。 {実施例3}下記材料を成形して複合材料の固体潤滑剤
を埋め込んだ軸受を得た。 〈材料〉 潤滑性物質 黒鉛 …24.0重量% (日本黒鉛工業社製、商品名:ACP−1000、平均粒径6.0μmの鱗状黒 鉛を使用した 。) 粒状アモルファスカ−ボン …24.0重量% (鐘紡社製、商品名:ベルパ−ルC−2000S、等方性粒状ガラス状カ−ボン で平均粒径10μmのものを使用した 。)充填材 炭素繊維 …15.0重量% (東邦レ−ヨン社製、商品名:テルメックスBM−10、平均繊維径8〜13μ m、平均繊維長さ0.2〜0.5mmのものを使用した。)防食剤 亜硝酸ナトリウム …1.5重量% (宇部興産社製のものを使用した。) リン酸三ナトリウム …0.5重量% (米山化学社製のものを使用した。)バインダー フェノ−ル樹脂粉末 …35.0重量%(鐘紡社製、商品名:ベルパ−ルS−870を使用した。 合計100重量% 〈成形法〉乾燥粉末製造工程では、実施例1のメチレン
クロライド100重量部とアセトン50重量部からなる
溶媒に代えて、水100重量部とアセトン50重量部か
らなる溶媒を使用した。
【0145】乾燥粉末製造工程で得られた上記比率材料
の乾燥粉末の密度は、1.62g/cm3(23℃)
(JISK7112による)であった。
【0146】成形物化工程では、型番6306の軸受に
充填する乾燥粉末は23グラムにして、型番6204の
軸受に充填する乾燥粉末は7.2グラムにした。
【0147】それら以外は、実施例1と同様とした。 {実施例4}下記材料を成形して複合材料の固体潤滑剤
を埋め込んだ軸受を得た。 〈材料〉潤滑性物質 黒鉛 …50.0重量% (日本黒鉛工業社製、商品名:CSSP、平均粒径1.0μmの鱗状黒鉛を使用 した 。)充填材 ガラス繊維 …10.0重量% (日本電気硝子社製、商品名:E−ファイバチップドストランドECS015B 191DE、平均繊維経6μm、平均繊維長さ1.5mmのものを使用した。) アラミド繊維 …3.0重量% (米国デュポン社製、商品名:ケブラ−29、ドライパルプのものをレディ−ゲ ミキサ−(松阪貿易社製)で解分散したものを使用した。)防食剤 亜硝酸ナトリウム …1.5重量% (宇部興産社製のものを使用した。) リン酸三ナトリウム …0.5重量% (米山化学社製のものを使用した。)バインダー フェノ−ル樹脂粉末 …35.0重量%(鐘紡社製、商品名:ベルパ−ルS−870を使用した。) 合計100重量% 〈成形法〉乾燥粉末製造工程では、実施例1のメチレン
クロライド100重量部とアセトン50重量部からなる
溶媒に代えて、実施例3と同様の溶媒を使用した。
【0148】乾燥粉末製造工程で得られた上記比率材料
の乾燥粉末の密度は、1.90g/cm3(23℃)
(JISK7112による)であった。
【0149】成形物化工程では、型番6306の軸受に
充填する乾燥粉末は27グラムにして、型番6204の
軸受に充填する乾燥粉末は8.5グラムにした。
【0150】それら以外は、実施例1と同様とした。 {実施例5}下記材料を成形して複合材料の固体潤滑剤
を埋め込んだ軸受を得た。成形方法は、実施例1と同様
であるが、攪拌機による混合物の調製の際に加える溶媒
は、メチレンクロライド100重量部とアセトン50重
量部からなる溶媒に代えて、実施例3と同様の溶媒を使
用した。 〈材料〉潤滑性物質 合成雲母 …32.0重量% (コ−プケミカル社製、商品名:MK−100、平均粒経1〜5.0μmの非膨 潤性雲母を使用した。合成雲母は白色であった。) チッ化ホウ素 …10.0重量% (三井東圧化学社製、商品名:MBN−010、平均粒経0.9μmのものを使 用した。) フッ化黒鉛 …5.0重量% (セトラル硝子社製、商品名:セフララル−ブ−1、平均粒経3.0μmのもの を使用した。)充填材 ジルコニヤ・シリカ・アルミナ繊維 …15.0重量% (東芝モノフラックス社製、商品名:ZFC400−SF、平均繊維径2〜4μ m、平均繊維長さ300〜500μmのものを使用した。)防食剤 亜硝酸ナトリウム …2.0重量% (宇部興産社製のものを使用した。) リン酸三ナトリウム …1.0重量% (米山化学社製のものを使用した。)バインダー フェノ−ル樹脂粉末コンパウンド …35.0重量%(三井東圧化学社製、商品名:ミレックスXL−225MBSを使用した。) 合計100重量% 材料に用いた、ジルコニヤ・シリカ・アルミナ繊維、チ
ッ化ホウ素、フッ化黒鉛、合成雲母、亜硝酸ナトリウ
ム、リン酸三ナトリウム、リン酸三ナトリウムおよびフ
ェノ−ル樹脂粉末コンパウンドは、いずれも白色であっ
た。 〈成形法〉乾燥粉末製造工程では、実施例1のメチレン
クロライド100重量部とアセトン50重量部からなる
溶媒に代えて、実施例3と同様の溶媒を使用した。
【0151】乾燥粉末製造工程で得られた上記比率材料
の乾燥粉末の密度は、2.08g/cm3(23℃)
(JISK7112による)で、かつ白色であった。
【0152】成形化工程では、型番6306の軸受に充
填する乾燥粉末は30グラムにして、型番6204の軸
受に充填する乾燥粉末は9.3グラムにした。
【0153】それら以外は、実施例1と同様とした。 {実施例6}下記材料を成形して下記成形方法により複
合材料の固体潤滑剤を埋め込んだ軸受を得た。 〈材料〉潤滑性物質 黒鉛 …47.0重量% (日本黒鉛工業社製、商品名:CSSP、平均粒径1.0μmの鱗状黒鉛を使用 した 。)充填材 ジルコニヤ・シリカ・アルミナ繊維 …15.0重量% (東芝モノフラックス社製、商品名:ZFC400−SF、平均繊維径2〜4μ m、平均繊維長さ300〜500μmのものを使用した)防食剤 亜硝酸ナトリウム …2.0重量% (宇部興産社製のものを使用した。) リン酸三ナトリウム …1.0重量% (米山化学社製のものを使用した。)バインダー ポリイミド樹脂 …35.0重量%(カネボウエネエスシ−社製、商品名:サ−ミッドIP−600を使用した。) 合計100重量% 〈成形方法〉乾燥粉末製造工程 上記比率の材料100重量部と水100重量部とアセト
ン50重量部とを攪拌機(実施例1と同様)に加え、3
0分間攪拌後に混合物を取り出した。その取り出した混
合物を2本ロ−ル機(実施例1と同様)で、120℃、
30分混練して上記材料中の無機物も微粒子として含ま
れた密度1.98g/cm3(23℃)(JISK71
12による)の乾燥粉末を得た。軸受のフッ素樹脂皮膜形成工程 そして、固体潤滑剤を形成する軸受には、実施例1と同
様にしてあらかじめ、フッ素樹脂の皮膜を形成しておい
た。軸受には実施例1と同様のものを用いた。 成形化工程 型番6306の軸受に充填する乾燥粉末は28グラム
(軸受の空間容量の95%に相当)にして、型番620
4の軸受に充填する乾燥粉末は8.8グラムにした。
【0154】乾燥粉末を充填した各軸受は、圧縮成形機
(実施例1と同様)により金型温度220℃で硬化時間
(1mm厚さに対し2分の割合)40分、成形圧力17
6kg/cm2で成形して成形物を得た。ポストキュア−工程 その後、各軸受を加熱炉内にて250℃で5時間静置し
てポストキュア−(後硬化処理)した後、毎分8℃の速
度で冷却し、93℃で取り出して、硬化生成物(すなわ
ち、複合材料の固体潤滑剤)を埋め込んだ軸受を得た。
上記実施例1〜6で得られた固体潤滑剤の物性を下記表
1に示す。
【0155】
【表1】 なお、表1において、摩耗量の試験には試料相手材にS
−45Cを用い、JISK7218(A法)に基づく摺
動特性の測定にはオリエンテックス社製EMF−III
−F型機を使用した。その摩耗量の試験は、試験速度
0.5m/秒、試験荷重5kgf、滑り距離3kmで行
った。曲げ強さおよび衝撃強さ(シャルピ−)の試験
は、JISK6911に準じて行った。硬さの試験はA
STMD785(Mスケ−ル)に準じて行った。限界P
V値、摩耗量および動摩擦係数の試験はオリエンテック
ス社製EMF−III−F型機を使用してJISK72
18(A法)に準じて行った。
【0156】また、上記実施例1〜6で得られた、固体
潤滑剤を埋め込んだ軸受の寿命試験の結果を下記表2に
示す。
【0157】
【表2】 なお、表2において、型番6306の軸受の寿命試験は
ASTMD−1741に準じて行った。試験機には神鋼
造機社製のものを使用した。寿命時間の測定は、軸受の
外輪温度125℃、ラジアル荷重11.3kg、スラス
ト荷重18.1kgの条件で3500rpmで20時間
運転して4時間停止する運転を繰り返し、起動トルクが
大きくなって(すなわち、再始動不能になって)自動停
止するまでの時間を測定した。また、型番6204の軸
受の寿命試験は、試験機には神鋼造機社製のGT−11
型機を使用して行った。寿命時間の測定は、軸受の槽内
温度280℃、ラジアル荷重1,361kg、スラスト
荷重2,268kgの条件で350rpmで運転して、
起動トルクが大きくなって(すなわち、再始動不能にな
って)自動停止するまでの時間を測定した。軸受の防食
試験はASTMD−1743(1%NaCl溶液使用)
に準じて行った。
【0158】軸受の防食試験の数字は、ベリングの個数
を表している。ASTMD−1743試験法によれば、
3個のベリングを試験に供して、所定時間経過後(48
hr経過後)に錆びが発生した(ピンホ−ル程度の錆び
の存在も発生と認める)ベリングの個数を試験結果とし
て表示することを決めている。なお、錆びの発生は、ピ
ンホ−ル程度の錆びの存在も発生と認めると定められて
おり、錆びが発生したベリングの個数が1個の場合は、
合格と認めている。
【0159】また、比較例として、型番6306の軸受
に鉱油系リチウムグリ−ス(昭和シェル石油社製、商品
名:アルバニグリ−ス)6グラムを封入して、神鋼造機
社製の試験機によりASTMD−1741に準じて寿命
試験を行ったところ、700時間であった。
【0160】比較例として、フッ素系グリ−ス(米国デ
ュポン社製、商品名:クライトックス280AD)1
0.5グラムを封入した型番6204の軸受での神鋼造
機社製のGT−11型試験機を使用した寿命試験は、5
00時間であった。
【0161】
【発明の効果】第一の本発明によれば、下記(1)〜
(7)のような効果が得られる。 (1)200〜350℃のような高温下の金属を腐食さ
せる環境下において、低荷重から高荷重に至る負荷、特
に高荷重負荷、がかかる軸受などのしゅう動装置の潤滑
に使用しても、長時間安定して精密な潤滑をしゅう動装
置に与えることができる。 (2)固体潤滑剤が優れた機械的強度と低摩擦係との性
質を併有するので、大きな機械的強度が要求されるしゅ
う動装置の潤滑においても安定した精密な潤滑を与える
ことができる。 (3)固体潤滑剤は、そのような(1)および(2)の
ような特性を有して、しかも、一般的な軸受などのしゅ
う動装置にも埋め込むことができるので、従来、フッ素
系グリ−スのような耐熱性グリ−スしか使用できなかっ
た軸受などのしゅう動装置に用いることができる。 (4)高温で操業する炉に直接あるいは間接に使用する
装置の軸受に固体潤滑剤を埋め込むことにより、メイン
テナンスフリ−で(メインテナンなしで)低摩擦の潤滑
をそのような軸受に長期間にわたって付与することがで
きる。
【0162】例えば、溶解炉、燒結炉あるいは焼成炉な
ど炉の開閉扉などの軸受、あるいは炉への原料の供給あ
るいは炉からの製品の搬出に使用の台車などに使用の軸
受を低摩擦の潤滑でメインテナンスフリ−で(メインテ
ナンなしで)長期間にわたって使用することができる。 (5)溶解炉あるいは燒結炉に広く関連する装置の軸受
などのしゅう動装置の潤滑に耐熱性グリ−スを使用する
ことに伴って生じていた様々な問題点、例えば、しばし
ば必要となっていたメインテナンスなど、が解消され、
かつ、使用限界が広がって、長時間にわたってメインテ
ナンスなしにしゅう動装置を使用することが可能とな
る。 (6)従来、グリ−スしか使用できないとされていたし
ゅう動装置あるいは初期充填でしか使用できないとされ
ていたしゅう動装置にも固体潤滑剤を用いることができ
るようになる。 (7)金属が著しく腐食し易い環境で高荷重負荷の条件
で使用される装置の軸受などのしゅう動装置に長時間に
わって低摩擦の潤滑を付与することが可能となる。
【0163】第二の本発明によれば、下記(イ)〜
(ハ)のような効果が得られる。 (イ)250〜350℃のような高温下で金属を腐食さ
せる環境下において、高荷重負荷の状態でも長時間使用
することができ、しかも精密な潤滑を長時間にわたって
維持することができる軸受などのしゅう動装置を得るこ
とができる。 (ロ)固体潤滑剤を埋め込んだ、リニヤ−ガイドのよう
な直動案内軸受あるいはボ−ルネジのような軸受を得る
ことができる。 (ハ)土木工事などに用いるしゅう動装置のように、金
属が著しく腐食し易い環境で高荷重負荷の条件で使用さ
れる場合にも、長時間にわって低摩擦の潤滑を行うこと
ができるしゅう動装置を得るこができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 107:54 105:70 125:00) C10N 10:02 10:06 10:12 20:00 A 8217−4H Z 8217−4H 20:06 Z 8217−4H 30:06 30:08 30:12 40:02 50:08 70:00

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)〜(D)にそれぞれ定義する、
    潤滑性物質、充填材、防食剤およびバインダーからな
    り、かつ、潤滑性物質が100重量部である場合にバイ
    ンダー1〜150重量部の比率で有してなる組成物を固
    めて、少なくとも動摩擦係数0.5以下でシャルビ−衝
    撃強度1.0kgf・cm/cm2以上の物性を有する
    複合材料にしたものからなる固体潤滑剤。(A)潤滑性物質 潤滑性物質は、層状結晶構造を有する潤滑性鉱物、潤滑
    性セラミックス、粒状潤滑性合成樹脂、メラミンシアヌ
    レ−トまたは/および有機モリブデニウムジチオカルバ
    メ−トよりなる潤滑性有機化合物からなる群より選ばれ
    た単一あるいは複数のものからなる。ただし、複数のも
    のからなる場合、同一種のものが複数でもよく、異種の
    ものが複数でもよい。(B)充填材 充填材は、150℃の温度で熱変形しない、無機質、有
    機質あるいは金属質の充填材の単一あるいは複数のもの
    からなる。ただし、複数のものからなる場合、同一種の
    ものが複数でもよく、異種のものが複数でもよい。(C)防食剤 防食剤は、防食性の無機酸アルカリ金属塩の有効量から
    なる。(D)バインダー バインダーは、常温〜350℃の温度で固体有機高分子
    となるものである。
  2. 【請求項2】下記(a)〜(d)にそれぞれ定義する、
    潤滑性物質、充填材、防食剤およびバインダーからな
    り、かつ、潤滑性物質が100重量部である場合にバイ
    ンダー1〜150重量部の比率で有してなる組成物を固
    めて、少なくとも動摩擦係数0.5以下でシャルビ−衝
    撃強度1.0kgf・cm/cm2以上の物性を有する
    複合材料にしたものからなる固体潤滑剤を部材が相手方
    部材と回転自在な部品を介して接触するしゅ動部に埋め
    込んでなることを特徴とするしゅう動装置。(a)潤滑性物質 潤滑性物質は、層状結晶構造を有する潤滑性鉱物、潤滑
    性セラミックス、粒状潤滑性合成樹脂、メラミンシアヌ
    レ−トまたは/および有機モリブデニウムジチオカルバ
    メ−トよりなる潤滑性有機化合物からなる群より選ばれ
    た単一あるいは複数のものからなる。ただし、複数のも
    のからなる場合、同一種のものが複数でもよく、異種の
    ものが複数でもよい。(b)充填材 充填材は、150℃の温度で熱変形しない、無機質、有
    機質あるいは金属質の充填材の単一あるいは複数のもの
    からなる。ただし、複数のものからなる場合、同一種の
    ものが複数でもよく、異種のものが複数でもよい。(c)防食剤 防食剤は、防食性の無機酸アルカリ金属塩の有効量から
    なる。(d)バインダー バインダーは、常温〜350℃の温度で固体有機高分子
    となるものである。
  3. 【請求項3】上記潤滑性物質および充填材に白色のもの
    を使用して、白色の複合材料の固体潤滑剤にしたことを
    特徴とする、請求項1に記載の固体潤滑剤あるいは請求
    項2に記載のしゅう動装置。
  4. 【請求項4】上記充填材が、2.0〜50重量%(複合
    材料の重量基準)の比率で複合材料に含まれていること
    を特徴とする、請求項1に記載の固体潤滑剤あるいは請
    求項2に記載のしゅう動装置。
  5. 【請求項5】上記防食剤が、0.01〜10重量%(複
    合材料の重量基準)の比率で複合材料に含まれているこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の固体潤滑剤あるいは
    請求項2に記載のしゅう動装置。
  6. 【請求項6】上記潤滑性物質が、黒鉛、フッ化黒鉛、二
    硫化モリブデン、二硫化タングステンあるいは雲母の一
    種あるいは二種以上からなることを特徴とする、請求項
    1に記載の固体潤滑剤あるいは請求項2に記載のしゅう
    動装置。
  7. 【請求項7】上記潤滑性物質が、黒鉛60〜97重量%
    と二硫化モリブデンあるいは二硫化タングステン3〜4
    0重量%(重量%は、黒鉛と二硫化モリブデンあるいは
    二硫化タングステンとの合計重量基準)からなるもので
    あることを特徴とする、請求項1に記載の固体潤滑剤あ
    るいは請求項2に記載のしゅう動装置。
  8. 【請求項8】上記充填材が、150℃の温度で熱変形し
    ない、セラミックス繊維、ガラス繊維、ウイスカ−、炭
    素繊維あるいは合成樹脂繊維の一種あるいは二種以上か
    らなることを特徴とする、請求項1に記載の固体潤滑剤
    あるいは請求項2に記載のしゅう動装置。
  9. 【請求項9】上記セラミックス繊維が、ジルコニア・シ
    リカ・アルミナ繊維であることを特徴とする、請求項9
    に記載の固体潤滑剤あるいはしゅう動装置。
  10. 【請求項10】上記バインダーが、熱硬化性樹脂である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の固体潤滑剤あるい
    は請求項2に記載のしゅう動装置。
  11. 【請求項11】上記バインダーが、熱溶融し、熱溶融時
    の熱により分子に結合したメチロ−ル基が反応して三次
    元架橋硬化するフェノ−ル樹脂または/およびヘキサメ
    チレンテトラミンにより熱硬化するフェノ−ル樹脂であ
    ることを特徴とする、請求項1に記載の固体潤滑剤ある
    いは請求項2に記載のしゅう動装置。
  12. 【請求項12】上記防食剤が、防食性を有する、無機酸
    ナトリウム塩、無機酸カリウム塩、無機酸カルシウム
    塩、無機酸マグネシウム塩あるいは無機酸バリウム塩の
    一種あるいは二種以上からなるなるものでることを特徴
    とする、請求項1に記載の固体潤滑剤あるいは請求項2
    に記載のしゅう動装置。
  13. 【請求項13】上記防食性を有する無機酸ナトリウム塩
    が、亜硝酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム、メタホ
    ウ酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウムあるいはタン
    グステン酸ナトリウムの一種または二種以上からなるも
    のであることを特徴とする、請求項12に記載の固体潤
    滑剤あるいはしゅう動装置。
  14. 【請求項14】上記しゅう動装置は、潤滑性被覆膜が形
    成されたしゅう動部の空間に固体潤滑剤が形成されてい
    ることを特徴とする、請求項2に記載のしゅう動装置。
  15. 【請求項15】上記潤滑性被覆膜が、フッ素樹脂被覆膜
    またはワックスあるいはワックス誘導体の被覆膜である
    ことを特徴とする、請求項14に記載のしゅう動装置。
  16. 【請求項16】上記しゅう動装置が、玉軸受、直動案内
    軸受あるいはボ−ルネジであることを特徴とする、請求
    項2に記載のしゅう動装置。
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