JPH06312136A - シート状吸油材 - Google Patents

シート状吸油材

Info

Publication number
JPH06312136A
JPH06312136A JP10213993A JP10213993A JPH06312136A JP H06312136 A JPH06312136 A JP H06312136A JP 10213993 A JP10213993 A JP 10213993A JP 10213993 A JP10213993 A JP 10213993A JP H06312136 A JPH06312136 A JP H06312136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
sheet
meth
acrylate
porous sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10213993A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3103242B2 (ja
Inventor
Nobuyuki Harada
信幸 原田
Susumu Inaoka
享 稲岡
Hisanobu Ohara
久宣 尾原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP05102139A priority Critical patent/JP3103242B2/ja
Publication of JPH06312136A publication Critical patent/JPH06312136A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3103242B2 publication Critical patent/JP3103242B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Water Treatment By Sorption (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 油性液体を速やかに吸収して膨張するコンパ
クトなシート状吸油材を提供する。 【構成】 架橋重合体の隔壁および連続した孔を有する
多孔質シート体からなり、密度が0.2〜1g/cc、
体積が少なくとも5cc、単位体積あたりのトルエン吸
収量が少なくとも5cc/ccであるシート状吸油材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な吸油材に関す
る。更に詳しくは、トルエン等の油性液体を速やかに吸
収して膨張し加圧下でも容易に液体を放出しない、新規
なシート状吸油材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水性液体を多量に含有する多孔質架橋重
合体からなる難燃性成形体として、90%までの内部水
相を含む油中水滴型エマルションの硬化物が知られてい
る(英国特許第1458203号公報、特開昭47−2
9479号公報、特開昭48−94785号公報)。
【0003】そしてこのような油中水滴型エマルション
の応用として、特開昭57−198713号公報には、
低密度多孔質重合体が開示されており、このものは油の
ような疎水性液体をその孔中に吸収することが知られて
いる。また、特開昭60−217204号公報および特
開昭60−217205号公報には、低密度修飾ポリス
チレン多孔質架橋重合体が開示されており、これらのも
のは、修飾度合いによって油や水を孔中に吸収すること
が知られている。更に特開昭62−250002号公報
では、エマルションの不連続相液滴の直径を特定範囲に
制御しながら乳化重合することにより、弾性を有する低
密度多孔質架橋重合体が得られることを開示している。
【0004】しかしながら、これら公知技術に開示され
た重合体は、石油等の油性液体を吸液しても重合体の細
孔に保持するだけで重合体自体が高倍率に吸液膨張でき
るものでなく、加圧下での保持力でも劣っていた。例え
ば、修飾ポリスチレンを主成分とする多孔質架橋重合体
からなる吸液材料は、細孔に液を取り込むだけであり単
位体積あたりの吸液量は4cc/cc未満の少量であっ
た。また、特開昭62−250002号公報のような、
弾性を有する多孔質架橋重合体は、孔径および気孔率が
大きく常態での形状がスポンジ様のものであり、仮に吸
液材料として使用したとしても、重合体自体が吸液膨張
するものでないため単位体積あたりの吸液量が小さく加
圧下での保持力も不十分で、吸液性能に劣ったものであ
った。
【0005】更に吸油材としてこれまでに知られている
吸収紙やポリプロピレン不織布は、それらの空隙に液体
を保持するだけであり、単位体積あたりの吸液量は1c
c/cc以下である。また最近になって市販されつつあ
るアルキル(メタ)アクリレート架橋体等の自己膨潤型
吸油性樹脂は、単位体積あたりの吸油量は改善されてい
るものの、粒子状あるいはブロック状であり、粒子状の
ものは取扱いの点で、ブロック状のものは吸油速度の点
で問題が残されている。さらにこれらの吸油性樹脂を不
織布等の基材に担持したシート状吸油材も知られている
が、吸油性樹脂の基材からの脱落が起こったり、脱落し
ないように強固に接着した吸油材では吸油性能が不十分
となる問題があった。
【0006】従って、石油等の油性液体を速やかに吸収
して膨張すると共に取扱い易くコンパクトなシート状吸
油材の出現が嘱望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するものである。従って、本発明の目的は、取扱い
が容易でコンパクトで且つ石油等の油性液体を速やかに
吸収し膨張するシート状吸油材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決できるシート状吸油材を見出し本発明に到達し
た。即ち本発明は、架橋重合体の隔壁および連続した孔
を有する多孔質のシート体からなり、密度が0.2〜1
g/ccの範囲、体積が少なくとも5ccであり、単位
体積あたりのトルエン吸収量が少なくとも5cc/cc
であることを特徴とするシート状吸油材に関する。
【0009】
【作用】本発明のシート状吸油材は、架橋重合体の隔壁
で構成された連続した孔を有する多孔質のシート体から
なる。
【0010】本発明の吸油材として用いられる多孔質シ
ート体は、シート体が石油等の油性液体と接触した際に
液体がシート体内部へ浸透してゆく多数の孔を有してお
り、この孔は互いに架橋重合体からなる隔壁によって作
られているが、完全に隔離された構造でなく隣接する孔
間で液体が移動できるように連続しているものである。
孔が連続しないで独立した多孔質のシート体では、油性
液体を速やかに吸収することができず吸油量も不十分と
なる。
【0011】多孔質シート体の隔壁は架橋重合体で構成
されており、架橋されていない重合体では、吸油時にシ
ート体自体が溶解して流動化してしまったり、吸油直後
にシート体表面の多孔構造が失われて十分な吸油性能が
発現しなくなる。
【0012】このような多孔質シート体の壁を構成する
架橋重合体としては、後記する膨潤度の範囲を満足する
ものが好ましく、例えば分子中に1個の重合性不飽和基
を有する単量体および分子中に少なくとも2個の重合性
不飽和基を有する架橋性単量体を重合することにより得
られる。
【0013】架橋重合体を構成する分子中に1個の重合
性不飽和基を有する単量体としては、例えばメチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレ
ート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)ア
クリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、オクチルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフ
ェニル(メタ)アクリレート、ジノニルフェニル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、メンチル(メタ)アクリレート、ジブチルマレエー
ト、ジドデシルマレエート、ドデシルクロトネート、ジ
ドデシルイタコネート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル;(メ
タ)アクリルアミド、(ジ)イソプロピル(メタ)アク
リルアミド、(ジ)ブチル(メタ)アクリルアミド、
(ジ)ドデシル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ステア
リル(メタ)アクリルアミド、(ジ)ブチルフェニル
(メタ)アクリルアミド、(ジ)オクチルフェニル(メ
タ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド;1
−ヘキセン、1−オクテン、イソオクテン、1−ノネ
ン、1−デセン、1−ドデセンなどのα−オレフィン;
ビニルシクロヘキセンなどの脂環式ビニル化合物;ドデ
シルアリルエーテルなどのアリルエーテル;酢酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン
酸ビニルなどのビニルエステル;ブチルビニルエーテ
ル、ドデシルビニルエーテルなどのビニルエーテル;ス
チレン、t−ブチルスチレン、オクチルスチレンなどの
芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリル酸、(無水)マ
レイン酸、イタコン酸、(メタ)アクリロニトリルなど
を挙げることができ、これらの単量体を1種または2種
以上用いることができる。
【0014】これらの中でも、得られる架橋重合体の膨
潤度を後記する範囲内にすることが容易で且つ後記する
密度とトルエン吸収量を有する多孔質シート体を調製す
ることが容易となるため、炭素数10〜20のアルキル
基またはアリール基を有するアクリレートが好ましい。
従って、本発明における多孔質シート体の隔壁として好
ましい架橋重合体は、少なくとも50重量%の炭素数1
0〜20のアルキル基またはアリール基を有するアクリ
レ−トを含んでいる。より好ましい架橋重合体は少なく
とも70重量%の炭素数10〜20のアルキルアクリレ
−トを含んでおり、このようなアルキルアクリレートと
しては例えばラウリルアクリレ−ト、トリデシルアクリ
レ−ト、又はこれらの混合物等を挙げることができる。
【0015】本発明において架橋重合体を構成する架橋
性単量体としては、例えばエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルア
ミド、N,N’−プロピレンビスアクリルアミド、グリ
セリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタ
ンテトラ(メタ)アクリレート、多価アルコール(例え
ばグリセリン、トリメチロールプロパンあるいはテトラ
メチロールメタン)のアルキレンオキシド付加物と(メ
タ)アクリル酸とのエステル化によって得られる多官能
(メタ)アクリレートやジビニルベンゼンなどを挙げる
ことができ、これらの架橋性単量体を1種または2種以
上用いることができる。これらの中でも、本発明で使用
するのに適した架橋性単量体は、ジビニルベンゼンまた
は(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート
などのポリオールジ(メタ)アクリレートである。
【0016】また、本発明における多孔質シート体の隔
壁として好ましい架橋重合体は、架橋性単量体を全単量
体中の0.2〜5重量%、より好ましくは0.5〜2重
量%の範囲で使用して得られるものである。架橋性単量
体の使用量が0.2重量%未満では、架橋重合体に粘着
性が生じて連続した孔を有する多孔質シート体とするこ
とが困難となったり、吸油時にシート体自体が溶解しや
すくなり十分な吸油性能が発現しないことがある。また
5重量%を越えると、得られる多孔質シート体の単位体
積あたりの吸油量が不十分となることがある。
【0017】本発明における多孔質シート体は、その体
積が少なくとも5ccのシート状物である。体積が5c
cに満たない例えば粒状物や極薄フィルム状物の場合、
取扱い性や吸油能力の観点から好ましくない。本発明の
吸油材は、体積5cc以上と大きなシート状であるため
に取扱いが容易で、例えば吸油材として使用するまでロ
ール状で輸送あるいは保管することができる。また使用
時にロールから簡単にひき出して任意の大きさに裁断
し、使用目的に応じた大きさで使用することも可能であ
る。
【0018】また、多孔質シート体をそのまま吸油材と
して用いてもよいが、多孔質シート体を少なくとも一方
が液透過性のフィルムで挟持したり、多孔質シート体を
液透過性材料からなる容器に充填したりして、吸油物品
として使用することも可能である。さらに、輸送、保管
および取扱いの観点から、多孔質シート体の厚みは1c
m未満好ましくは0.1〜5mmであることが好まし
い。
【0019】本発明の驚くべき特徴は、多孔質架橋重合
体を厚さ方向に特定密度範囲にまで圧縮成形すること
で、油性液体を速やかに吸収して膨張する取扱い性の良
好な多孔質シート体よりなる吸油材が得られることであ
る。従って本発明では、多孔質シート体の密度が0.2
〜1g/cc好ましくは0.5〜0.98g/ccの範
囲となるように厚さ方向に圧縮成形する必要がある。成
形する方法としては、隔壁で作られた孔が連続した状態
を維持し且つ破壊されることがないように成形できるの
であれば特に制限なく、例えば相対する2本のロール間
を通過させる等して圧縮成形する方法を採用できる。
【0020】多孔質シート体の密度が0.2g/cc未
満では、単位体積あたりの吸油量が低下すると共に加圧
下での液体保持性も悪化して一旦吸収した油性液体を放
出しやすくなる。一方、1g/ccを越える場合には、
連続した孔を好適に維持することが困難となって吸油速
度が低下すると共に、浮上油処理のように液体に浮かべ
て使用する場合に不都合が生じる。
【0021】本発明のシート状吸油材として用いられる
多孔質シート体は、架橋重合体の隔壁および連続した孔
を有しているが、隔壁を構成する架橋重合体のケロシン
に対する膨潤度を2〜10の範囲にコントロールするこ
とが好ましい。このような膨潤度のコントロールによ
り、多孔質シート体の単位体積あたりのトルエン吸収量
を少なくとも5cc/ccとすることが容易となる。こ
こでの膨潤度とは、隔壁を構成する架橋重合体がケロシ
ンを吸収した時の重量の、架橋重合体の乾燥時の重量に
対する割合である。膨潤度が2未満では、得られる多孔
質シート体のトルエン吸収量が不足することがある。ま
た膨潤度が10を越える場合には、隔壁の強度が弱くな
って、連続した孔を有する多孔質シート体とすることが
困難となり、トルエン吸収量も不十分となることがあ
る。
【0022】本発明のシート状吸油材として用いられる
多孔質シート体は、単位体積あたりのトルエン吸収量が
少なくとも5cc/ccである。なお本発明における単
位体積あたりのトルエン吸収量とは、以下に規定した方
法で測定したものである。
【0023】(単位体積あたりのトルエン吸収量)あら
かじめシート状吸油材としての多孔質シート体の寸法を
測定し、トルエン吸収前の体積V1(cc)を求める。
次いで多孔質シート体を十分な量のトルエンに浸漬す
る。多孔質シート体がトルエンを吸収し膨張する状態を
時間ごとにプロットし、多孔質シート体がもうこれ以上
トルエンを吸収し膨張しなくなるまで、すなわち飽和吸
収状態になるまで浸漬放置する。トルエンを吸収して膨
張した多孔質シート体の無荷重下での寸法を測定し、ト
ルエン吸収後の体積V2(cc)とする。トルエン吸収
後の体積V2を吸収前の体積V1で除した値が単位体積
あたりのトルエン吸収量(cc/cc)である。
【0024】本発明のシート状吸油材として用いられる
多孔質シート体の調製方法としては、前記した架橋重合
体を隔壁として連続した孔を有し且つ体積や密度と単位
体積あたりのトルエン吸収量を前記範囲になるよう調製
できるのであれば特に制限はない。例えば、本発明にお
ける多孔質シート体が容易に調製できる方法として、以
下に記載する乳化重合と加圧脱水工程を経由する方法が
挙げられる。
【0025】まず前記した単量体成分と油溶性界面活性
剤とを混合し、これを単量体成分重量の1〜20倍量相
当の多量の水と混合し、多量の水を不連続相とする油中
水滴型エマルションを形成させた後、重合開始剤の存在
下に加熱して単量体成分の重合を行う。
【0026】油中水滴型エマルションを形成するのに好
適な油溶性界面活性剤としては、約2〜6のHLBを有
するノニオン性界面活性剤が挙げられ、例えば商品名ス
パン80やスパン85で市販されているソルビタンモノ
オレエ−ト、ソルビタントリオレエ−ト、又はこれらの
混合物がある。界面活性剤の使用量は、単量体成分に対
し1〜35重量%の範囲が好ましい。
【0027】重合開始剤としては、従来より公知のラジ
カル発生剤を使用すればよく、例えばベンゾイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、クメンハイドロ
パーオキシド等の単量体可溶性有機過酸化物;2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスジ
メチルバレロニトリル等の単量体可溶性アゾ化合物;過
硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム
等の水溶性過硫酸塩;2,2’−アゾビス(N,N’−
ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2’−
アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩等の水溶性
アゾ化合物を挙げることができ、これらを単独あるいは
2種以上を併用できる。更にチオ硫酸ナトリウム、亜硫
酸ナトリウム等の還元剤と併用してレドックス重合触媒
としても使用できる。これら重合開始剤は単量体または
水と混合して用いられるが、その使用量は単量体成分に
対し0.1〜5重量%の範囲が好ましい。重合温度は5
0〜150℃の範囲が好ましい。
【0028】重合時の油中水滴型エマルションを安定化
せしめる目的で、水相中に水溶性塩を添加しておくこと
もできる。このような塩としては例えばカリウム、ナト
リウム、カルシウム、アルミニウム等の水溶性塩が挙げ
られ、特に多価金属塩が好ましい。
【0029】次に、重合により生成した含水重合体を厚
さ方向に加圧脱水したのち加圧力を解除して、密度が
0.2〜1g/ccの範囲とすることによって、目的と
する多孔質シート体が得られる。このようにして得られ
た多孔質シート体は、架橋重合体の隔壁により構成され
た連続した孔を有しており、孔の一部は空隙となり一部
は水で満たされている。このような孔の一部が水で満た
されている多孔質シート体を必要に応じて乾燥すること
により、密度を前記した範囲内に維持してもよい。特に
水と混和しない油性液体の吸油材として使用する場合に
は、乾燥した多孔質シート体を用いるのが好ましい。
【0030】本発明において、吸油速度を向上せしめる
目的で、水不溶性或は水膨潤性の有機もしくは無機の親
水性粒子を、重合の前に水相中に分散せしめておくこと
ができる。好適な親水性粒子としては、例えば商品名ア
エロジル200やサイロイド63で市販されている二酸
化珪素がある。
【0031】本発明における重要な点は、前記方法によ
り重合して得られた高含水架橋重合体が連続した孔を保
持しながら特定密度範囲にまで厚さ方向に圧縮成形さ
れ、特定体積を有するこのような多孔質シート体が驚く
べきことに極めて速やかにトルエン等の油性液体を吸収
して膨張できたことにある。
【0032】
【実施例】次に、本発明について実施例をあげて詳細に
説明するが、本発明はこれだけに限定されるものではな
い。なお、例中特にことわりのない限り、部は重量部を
表わすものとする。
【0033】
【実施例1】500mlの円筒形セパラブルフラスコ
に、水相として1重量%の塩化カルシウムおよび0.1
5重量%の過硫酸カリウムを溶解した純水330gを仕
込んだ。次いで、油相としてラウリルアクリレ−ト29
g、スチレン3g、ジビニルベンゼン(純度55%)1
gおよびソルビタンモノオレエート(商品名スパン8
0)6gからなる溶液を攪拌下にフラスコ中へ添加し、
重合系がヨ−グルト状になるまで攪拌を続けた。重合系
がヨ−グルト状になった時点で攪拌を停止し、フラスコ
内温度を65〜75℃に保って10時間重合を行い、含
水架橋重合体を得た。該重合体を水洗したのち含水状態
で厚さ10mmの大きさにスライスし更に穴あきプレー
トの間で厚さ方向に圧縮脱水し、ケロシンに対する隔壁
の膨潤度が4.0であり、密度0.9g/cc、体積
6.6cc(厚さ2mm、面積33平方センチメート
ル)の多孔質シート体からなる本発明のシート状吸油材
(1)を得た。この吸油材(1)をトルエン中に投入し
吸液量を測定したところ、30秒で100cc以上もの
トルエンを吸収して膨張した。吸油材(1)の単位体積
あたりのトルエン吸収量は17cc/ccであった。
【0034】
【実施例2】500mlの円筒形セパラブルフラスコ
に、水相として1重量%の塩化カルシウムおよび0.1
5重量%の過硫酸カリウムを溶解した純水330gを仕
込んだ。次いで、油相としてラウリルアクリレ−ト29
g、スチレン3g、ジビニルベンゼン(純度55%)1
g、ソルビタンモノオレエート(商品名スパン80)
4.5gおよびソルビタントリオレエート(商品名スパ
ン85)1.5gからなる溶液を攪拌下にフラスコ中へ
添加し、重合系がヨ−グルト状になるまで攪拌を続け
た。重合系がヨ−グルト状になった時点で攪拌を停止
し、フラスコ内温度を65〜75℃に保って5時間重合
を行い、含水架橋重合体を得た。該重合体をスライスし
水洗したのち穴あきプレートの間で圧縮脱水して、ケロ
シンに対する隔壁の膨潤度が4.2であり、密度0.8
5g/cc、体積6.1cc(厚さ1.85mm、面積
33平方センチメートル)の多孔質シート体からなる本
発明のシート状吸油材(2)を得た。この吸油材(2)
の単位体積あたりのトルエン吸収量は18.9cc/c
cであった。
【0035】
【実施例3】500mlの円筒形セパラブルフラスコ
に、水相として1重量%の塩化カルシウム、0.15重
量%の過硫酸カリウムおよび二酸化珪素微粒子(商品名
アエロジル200)1gを溶解および分散した純水33
0gを仕込んだ。次いで、油相としてラウリルアクリレ
−ト29g、スチレン3g、ジビニルベンゼン(純度5
5%)1g、ソルビタンモノオレエート(商品名スパン
80)4.5gおよびソルビタントリオレエート(商品
名スパン85)1.5gからなる溶液を攪拌下にフラス
コ中へ添加し、重合系がヨ−グルト状になるまで攪拌を
続けた。重合系がヨ−グルト状になった時点で攪拌を停
止し、フラスコ内温度を65〜75℃に保って20時間
重合を行い、含水架橋重合体を得た。該重合体をスライ
スし水洗したのち穴あきプレートの間で圧縮脱水し、更
に60℃で2時間乾燥して、ケロシンに対する隔壁の膨
潤度が4.4であり、密度0.92g/cc、体積7c
c(厚さ2.12mm、面積33平方センチメートル)
の多孔質シート体からなる本発明のシート状吸油材
(3)を得た。この吸油材(3)の単位体積あたりのト
ルエン吸収量は21.6cc/ccであった。
【0036】
【実施例4】500mlの円筒形セパラブルフラスコ
に、水相として1重量%の塩化カルシウム、0.15重
量%の過硫酸カリウムおよび二酸化珪素微粒子(商品名
サイロイド63)3gを溶解および分散した純水330
gを仕込んだ。次いで、油相としてラウリルアクリレ−
ト29g、スチレン3g、ジビニルベンゼン(純度55
%)1g、ソルビタンモノオレエート(商品名スパン8
0)4.5gおよびソルビタントリオレエート(商品名
スパン85)1.5gからなる溶液を攪拌下にフラスコ
中へ添加し、重合系がヨ−グルト状になるまで攪拌を続
けた。重合系がヨ−グルト状になった時点で攪拌を停止
し、このものを高さ20mm、長さ500mm、幅10
0mmのポリプロピレン製箱型容器に流し込み、温度を
65〜75℃に保って20時間重合を行い、含水架橋重
合体を得た。該重合体を穴あきプレートの間で厚さ方向
に圧縮脱水し、ケロシンに対する隔壁の膨潤度が4.6
であり、密度0.93g/cc、体積64cc(厚さ2
mm、長さ40cm、幅8cm)の多孔質シート体から
なる本発明のシート状吸油材(4)を得た。この吸油材
(4)の単位体積あたりのトルエン吸収量は21.3c
c/ccであった。
【0037】
【実施例5】500mlの円筒形セパラブルフラスコ
に、水相として1重量%の塩化カルシウムおよび0.1
5重量%の過硫酸カリウムを溶解した純水330gを仕
込んだ。次いで、油相としてラウリルアクリレ−ト29
g、スチレン3g、ジビニルベンゼン(純度55%)
0.6g、ソルビタンモノオレエート(商品名スパン8
0)4.5gおよびソルビタントリオレエート(商品名
スパン85)1.5gからなる溶液を攪拌下にフラスコ
中へ添加し、重合系がヨ−グルト状になるまで攪拌を続
けた。重合系がヨ−グルト状になった時点で攪拌を停止
し、フラスコ内温度を65〜75℃に保って5時間重合
を行い、含水架橋重合体を得た。該重合体をスライスし
水洗した後穴あきプレートの間で圧縮脱水して、ケロシ
ンに対する隔壁の膨潤度が5.6であり、密度0.95
g/cc、体積6.6cc(厚さ2mm、面積33平方
センチメートル)の多孔質シート体からなる本発明のシ
ート状吸油材(5)を得た。この吸油材(5)の単位体
積あたりのトルエン吸収量は10.4cc/ccであっ
た。
【0038】
【実施例6】500mlの円筒形セパラブルフラスコ
に、水相として1重量%の塩化カルシウムおよび0.1
5重量%の過硫酸カリウムを溶解した純水330gを仕
込んだ。次いで、油相としてラウリルアクリレ−ト29
g、メチルメタクリレート3g、1,6−ヘキサンジオ
ールジメタクリレート1gおよびソルビタンモノオレエ
ート(商品名スパン80)6gからなる溶液を攪拌下に
フラスコ中へ添加し、重合系がヨ−グルト状になるまで
攪拌を続けた。重合系がヨ−グルト状になった時点で攪
拌を停止し、フラスコ内温度を65〜75℃に保って3
時間重合を行い、含水架橋重合体を得た。該重合体をス
ライスし水洗したのち穴あきプレートの間で圧縮脱水し
て、ケロシンに対する隔壁の膨潤度が5.6であり、密
度0.79g/cc、体積6.6cc(厚さ2mm、面
積33平方センチメートル)の多孔質シート体からなる
本発明のシート状吸油材(6)を得た。この吸油材
(6)の単位体積あたりのトルエン吸収量は14.5c
c/ccであった。
【0039】
【比較例1】500mlの円筒形セパラブルフラスコ
に、水相として1重量%の塩化カルシウムおよび0.1
5重量%の過硫酸カリウムを溶解した純水330gを仕
込んだ。次いで、油相としてスチレン32g、ジビニル
ベンゼン(純度55%)1gおよびソルビタンモノオレ
エート(商品名スパン80)6gからなる溶液を攪拌下
にフラスコ中へ添加し、重合系がヨ−グルト状になるま
で攪拌を続けた。重合系がヨ−グルト状になった時点で
攪拌を停止し、フラスコ内温度を65〜75℃に保って
10時間重合を行い、含水架橋重合体を得た。この含水
架橋重合体を実施例1と同様に圧縮脱水しようとした
が、圧縮脱水できないものであった。そこで、該重合体
を水洗したのち厚さ10mmの大きさにスライスし60
℃で20時間減圧乾燥し、ケロシンに対する隔壁の膨潤
度が1.6であり、密度0.11g/cc、体積33c
c(厚さ10mm、面積33平方センチメートル)のタ
ブレット状多孔質ブロック体からなる比較吸油材(1)
を得た。この比較吸油材(1)の単位体積あたりのトル
エン吸収量は4.2cc/ccであった。
【0040】
【比較例2】500mlの円筒形セパラブルフラスコ
に、水相として1重量%の塩化カルシウムおよび0.1
5重量%の過硫酸カリウムを溶解した純水330gを仕
込んだ。次いで、油相として2−エチルヘキシルアクリ
レ−ト29g、スチレン3g、ジビニルベンゼン(純度
55%)3gおよびソルビタンモノオレエート(商品名
スパン80)6gからなる溶液を攪拌下にフラスコ中へ
添加し、重合系がヨ−グルト状になるまで攪拌を続け
た。重合系がヨ−グルト状になった時点で攪拌を停止
し、フラスコ内温度を65〜75℃に保って10時間重
合を行い、含水架橋重合体を得た。該重合体を水洗した
のち厚さ10mmの大きさにスライスし60℃で乾燥し
て、ケロシンに対する隔壁の膨潤度が2.6であり、密
度0.13g/cc、体積が33cc(厚さ10mm、
面積33平方センチメートル)のタブレット状多孔質ブ
ロック体からなる比較吸油材(2)を得た。この比較吸
油材(2)の単位体積あたりのトルエン吸収量は3.5
cc/ccであった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、取扱いが容易で、速や
かに油性液体を吸収できるコンパクトな吸油材が得られ
る。従って、本発明のシート状吸油材は、家庭用廃油処
理、オイルフェンス、工業用廃油処理、水中溶存油分除
去等の吸油剤として使用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋重合体の隔壁および連続した孔を有
    する多孔質のシート体からなり、密度が0.2〜1g/
    ccの範囲、体積が少なくとも5ccであり、単位体積
    あたりのトルエン吸収量が少なくとも5cc/ccであ
    ることを特徴とするシート状吸油材。
JP05102139A 1993-04-28 1993-04-28 シート状吸油材 Expired - Fee Related JP3103242B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05102139A JP3103242B2 (ja) 1993-04-28 1993-04-28 シート状吸油材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05102139A JP3103242B2 (ja) 1993-04-28 1993-04-28 シート状吸油材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06312136A true JPH06312136A (ja) 1994-11-08
JP3103242B2 JP3103242B2 (ja) 2000-10-30

Family

ID=14319439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05102139A Expired - Fee Related JP3103242B2 (ja) 1993-04-28 1993-04-28 シート状吸油材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3103242B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001060513A1 (fr) * 2000-02-16 2001-08-23 Sekisui Chemical Co., Ltd. Adsorbants de substances hydrophobes
JP2009057462A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Riso Kagaku Corp インクジェット用油中水(w/o)型エマルションインキ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001060513A1 (fr) * 2000-02-16 2001-08-23 Sekisui Chemical Co., Ltd. Adsorbants de substances hydrophobes
JP2009057462A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Riso Kagaku Corp インクジェット用油中水(w/o)型エマルションインキ

Also Published As

Publication number Publication date
JP3103242B2 (ja) 2000-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5200433A (en) Process for preparing low density porous crosslinked polymeric materials
US6218440B1 (en) Hydrophilic polymeric material and method of preparation
RU2111218C1 (ru) Способ получения пористого сшитого полимерного материала
US6365642B1 (en) Rapid preparation of foam materials from high internal phase emulsions
US6040494A (en) Foam material its manufacturing method and use and an absorbent disposable article comprising such a foam material
AP834A (en) Process to prepare foam from high internal phase emulsions.
JP2002537460A (ja) Hipeからhipeフォームへの連続硬化方法
CN111902117B (zh) 吸收性物品
Mathieu et al. Macro-and near-mesoporous monoliths by medium internal phase emulsion polymerization: A systematic study
US6797735B2 (en) Process for producing porous polymer
JP3103242B2 (ja) シート状吸油材
JP2010149024A (ja) マイクロカプセルの製造方法、マイクロカプセル、光学シート及び表皮材
JPH1036411A (ja) 多孔質架橋ポリマー材料の製造方法
EP1237939B1 (en) Method for production of porous cross-linked polymer material
EP1240206B1 (en) Method for production of porous cross-linked polymer material
JPH1045929A (ja) 多孔質架橋ポリマー材料の製造方法
JP3386131B2 (ja) 吸液材およびその製造方法
WO2001038404A1 (en) Method for production of porous cross-linked polymer material
JP3699225B2 (ja) 多孔質吸水性架橋重合体およびその製法
JPH0366323B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070825

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080825

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090825

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees