JPH06311146A - ダイバーシチ方式 - Google Patents
ダイバーシチ方式Info
- Publication number
- JPH06311146A JPH06311146A JP5116645A JP11664593A JPH06311146A JP H06311146 A JPH06311146 A JP H06311146A JP 5116645 A JP5116645 A JP 5116645A JP 11664593 A JP11664593 A JP 11664593A JP H06311146 A JPH06311146 A JP H06311146A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- signal
- transmission means
- frequency
- wireless transmission
- fading
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Mobile Radio Communication Systems (AREA)
- Radio Transmission System (AREA)
- Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明はマルチパスフェージングによる符号
誤りの低減に対して有効で、かつ、その構成が簡易なダ
イバーシチ方式を実現することを目的とする。 【構成】 2つ以上の無線伝送手段から得られるRF信号
を周波数変換したIF信号の包絡線変動からベースバンド
ディジタル信号のクロック周波数に等しい周波数を有す
る信号成分を抽出し、その強度の大きい無線伝送手段を
選択して受信する。フラットフェージングによる熱雑音
誤りと周波数選択性フェージングによる符号間干渉誤り
の両者を低減するのに有効であり、また、無線伝送手段
の切り換えを検波前のIF信号によって制御しており、従
来方法に比べて簡易な構成で実現可能で、機器の小型・
軽量化に有効である。
誤りの低減に対して有効で、かつ、その構成が簡易なダ
イバーシチ方式を実現することを目的とする。 【構成】 2つ以上の無線伝送手段から得られるRF信号
を周波数変換したIF信号の包絡線変動からベースバンド
ディジタル信号のクロック周波数に等しい周波数を有す
る信号成分を抽出し、その強度の大きい無線伝送手段を
選択して受信する。フラットフェージングによる熱雑音
誤りと周波数選択性フェージングによる符号間干渉誤り
の両者を低減するのに有効であり、また、無線伝送手段
の切り換えを検波前のIF信号によって制御しており、従
来方法に比べて簡易な構成で実現可能で、機器の小型・
軽量化に有効である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マルチパスフェージン
グによって生じる符号誤りが問題となるディジタル無線
通信システムにおけるダイバーシチ方式に関する。
グによって生じる符号誤りが問題となるディジタル無線
通信システムにおけるダイバーシチ方式に関する。
【0002】
【従来の技術】陸上移動通信における基地局/ 移動局間
リンクのように周囲の建造物や地面等からの反射波・回
折波の影響を大きく受ける通信環境では、基地局や移動
局での受信時において該反射波・回折波で構成される複
数の到来波がそれぞれ異なった遅延時間を有している。
その結果複数到来波相互の位相関係が空間的にランダム
に変化することによって、空間的な定在波環境が生じ
る。移動局がこの環境の中を移動することによって時間
的に信号の強弱が現われる。これはマルチパスフェージ
ングと呼ばれる現象である。
リンクのように周囲の建造物や地面等からの反射波・回
折波の影響を大きく受ける通信環境では、基地局や移動
局での受信時において該反射波・回折波で構成される複
数の到来波がそれぞれ異なった遅延時間を有している。
その結果複数到来波相互の位相関係が空間的にランダム
に変化することによって、空間的な定在波環境が生じ
る。移動局がこの環境の中を移動することによって時間
的に信号の強弱が現われる。これはマルチパスフェージ
ングと呼ばれる現象である。
【0003】フェージングによって受信信号の強度が熱
雑音と同程度かそれ以下になると、熱雑音による符号誤
りが発生する。これを後述の周波数選択性フェージング
と区別してフラットフェージングと呼ぶ。ディジタル無
線通信システムの場合にはフラットフェージングの他に
周波数選択性フェージングと言う特有の現象がディジタ
ル通信の符号誤り率特性に重大な影響を及ぼす。
雑音と同程度かそれ以下になると、熱雑音による符号誤
りが発生する。これを後述の周波数選択性フェージング
と区別してフラットフェージングと呼ぶ。ディジタル無
線通信システムの場合にはフラットフェージングの他に
周波数選択性フェージングと言う特有の現象がディジタ
ル通信の符号誤り率特性に重大な影響を及ぼす。
【0004】周波数選択性フェージングに起因する符号
誤りは、PSK 信号の場合、複数到来波の時間遅延量分布
の標準偏差である遅延スプレッドが、伝送するディジタ
ル信号のクロック周期の0.1 倍程度以上になった場合に
生じる。これはディジタル信号の各符号がそれぞれの隣
接符号と相互に干渉することによって生じる符号間干渉
誤りである。この現象が生じるとバースト誤りが頻発す
るので、通信回線の品質が極端に劣化し通信不能とな
る。
誤りは、PSK 信号の場合、複数到来波の時間遅延量分布
の標準偏差である遅延スプレッドが、伝送するディジタ
ル信号のクロック周期の0.1 倍程度以上になった場合に
生じる。これはディジタル信号の各符号がそれぞれの隣
接符号と相互に干渉することによって生じる符号間干渉
誤りである。この現象が生じるとバースト誤りが頻発す
るので、通信回線の品質が極端に劣化し通信不能とな
る。
【0005】フラットフェージングによる符号誤りは、
たとえば送信出力を増加させることによって受信信号強
度の低下を補うことが可能であるのに対して、周波数選
択性フェージングによる符号誤りは、送信出力をいくら
大きくしても減少することができないので、低減不可能
な符号誤りとも呼ばれる。良好な通信を実現するために
は、これらのフェージングによる通信品質の劣化をでき
るだけ低減することが望ましい。
たとえば送信出力を増加させることによって受信信号強
度の低下を補うことが可能であるのに対して、周波数選
択性フェージングによる符号誤りは、送信出力をいくら
大きくしても減少することができないので、低減不可能
な符号誤りとも呼ばれる。良好な通信を実現するために
は、これらのフェージングによる通信品質の劣化をでき
るだけ低減することが望ましい。
【0006】この対策の一つとして、ダイバーシチ方式
がある。ダイバーシチ方式は、それぞれの受信信号強度
の変動が無相関となる程度にアンテナ位置、周波数、ア
ンテナ指向性、偏波等が異なる複数の無線伝送手段を備
え、その中からフェージングの影響による通信品質の劣
化が最も少ない無線伝送手段の信号を選択することによ
ってフェージングの影響を低減する方式である。以下従
来のスペースダイバーシチ方式を図面に基づいて説明す
る。
がある。ダイバーシチ方式は、それぞれの受信信号強度
の変動が無相関となる程度にアンテナ位置、周波数、ア
ンテナ指向性、偏波等が異なる複数の無線伝送手段を備
え、その中からフェージングの影響による通信品質の劣
化が最も少ない無線伝送手段の信号を選択することによ
ってフェージングの影響を低減する方式である。以下従
来のスペースダイバーシチ方式を図面に基づいて説明す
る。
【0007】図4は変動が無相関となる信号を得るため
に2本のアンテナを用いた従来のスペースダイバーシチ
方式の構成の一例を示すブロック図である。変動が十分
に無相関となるだけの距離dを離して設置された2本の
アンテナ1,2の各出力を各々の強度検出器9により監
視し、判定器7によりその強度の大きい方のアンテナに
スイッチ8を切り換えて選択受信することによってフェ
ージングの影響を低減する。この構成はフラットフェー
ジングによる熱雑音誤りの低減に有効である。
に2本のアンテナを用いた従来のスペースダイバーシチ
方式の構成の一例を示すブロック図である。変動が十分
に無相関となるだけの距離dを離して設置された2本の
アンテナ1,2の各出力を各々の強度検出器9により監
視し、判定器7によりその強度の大きい方のアンテナに
スイッチ8を切り換えて選択受信することによってフェ
ージングの影響を低減する。この構成はフラットフェー
ジングによる熱雑音誤りの低減に有効である。
【0008】また、図5に示した別の従来のスペースダ
イバーシチ方式は、受信された各PSK 信号の尤度の小さ
い方のアンテナを選択することによってフェージングの
影響を低減する方式である。この方式は周波数選択性フ
ェージングに起因する符号間干渉誤りに対して有効であ
る。
イバーシチ方式は、受信された各PSK 信号の尤度の小さ
い方のアンテナを選択することによってフェージングの
影響を低減する方式である。この方式は周波数選択性フ
ェージングに起因する符号間干渉誤りに対して有効であ
る。
【0009】図6に示した更に別の従来のスペースダイ
バーシチ方式は、符号誤り率が小さい方のアンテナを選
択することによってフェージングの影響を低減する方式
である。この方式は最終的な通信品質の指標である符号
誤り率を判定の基準としているので、フラットフェージ
ング及び周波数選択性フェージングのどちらの影響によ
る符号誤りに対しても有効であり、符号誤り低減効果が
最も大きいダイバーシチ方式である。
バーシチ方式は、符号誤り率が小さい方のアンテナを選
択することによってフェージングの影響を低減する方式
である。この方式は最終的な通信品質の指標である符号
誤り率を判定の基準としているので、フラットフェージ
ング及び周波数選択性フェージングのどちらの影響によ
る符号誤りに対しても有効であり、符号誤り低減効果が
最も大きいダイバーシチ方式である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図4の従来のスペース
ダイバーシチ方式は構成が簡易であり、フラットフェー
ジングによる熱雑音誤りの低減に有効であるという効果
を有するが、周波数選択性フェージングに起因する符号
間干渉誤りに対しては常に有効であるとはいえないとい
う問題点があった。また、図6の従来のスペースダイバ
ーシチ方式は符号誤り率低減に対しては最適な構成であ
るが、一般に未知である符号誤り率の情報が必要で、こ
れを得るためには既知情報を情報符号の一部に挿入して
符号誤り率を測定することになり、情報伝送容量の低下
は免れないという問題点があった。また、図5の従来の
スペースダイバーシチ方式ではベースバンド信号を、さ
らに図6の従来のスペースダイバーシチ方式では最終的
な出力である符号誤り率をアンテナ選択の基準となる判
定信号として用いており、これを実現するためには受信
機の大部分が2系統必要となり受信機の大型化・複雑化
は免れないという問題があった。これはディジタルコー
ドレス電話システムのような簡易・安価であることを特
徴とするシステムにとっては大きな問題である。
ダイバーシチ方式は構成が簡易であり、フラットフェー
ジングによる熱雑音誤りの低減に有効であるという効果
を有するが、周波数選択性フェージングに起因する符号
間干渉誤りに対しては常に有効であるとはいえないとい
う問題点があった。また、図6の従来のスペースダイバ
ーシチ方式は符号誤り率低減に対しては最適な構成であ
るが、一般に未知である符号誤り率の情報が必要で、こ
れを得るためには既知情報を情報符号の一部に挿入して
符号誤り率を測定することになり、情報伝送容量の低下
は免れないという問題点があった。また、図5の従来の
スペースダイバーシチ方式ではベースバンド信号を、さ
らに図6の従来のスペースダイバーシチ方式では最終的
な出力である符号誤り率をアンテナ選択の基準となる判
定信号として用いており、これを実現するためには受信
機の大部分が2系統必要となり受信機の大型化・複雑化
は免れないという問題があった。これはディジタルコー
ドレス電話システムのような簡易・安価であることを特
徴とするシステムにとっては大きな問題である。
【0011】以上述べた通りマルチパスフェージングの
影響を低減するダイバーシチ方式では、従来のスペース
ダイバーシチ方式の構成を用いても、フラットフェージ
ングによる熱雑音誤りおよび周波数選択性フェージング
による符号間干渉誤りの両者に対して有効で、かつ、簡
易な構成で効果的に符号誤りを低減させることは不可能
であった。
影響を低減するダイバーシチ方式では、従来のスペース
ダイバーシチ方式の構成を用いても、フラットフェージ
ングによる熱雑音誤りおよび周波数選択性フェージング
による符号間干渉誤りの両者に対して有効で、かつ、簡
易な構成で効果的に符号誤りを低減させることは不可能
であった。
【0012】本発明は、これらの問題点を解決するため
になされたもので、複数の受信系統を必要としない簡易
な構成で、フラットフェージングによる熱雑音誤りにも
周波数選択性フェージングによる符号間干渉誤りにも有
効なダイバーシチ方式を提供することを目的とする。
になされたもので、複数の受信系統を必要としない簡易
な構成で、フラットフェージングによる熱雑音誤りにも
周波数選択性フェージングによる符号間干渉誤りにも有
効なダイバーシチ方式を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は前記問題点を解
決するために、PSK 変調ディジタル無線通信システムに
おいて、それぞれの送受信信号強度の変動が無相関とな
る程度にアンテナ位置、周波数、アンテナ指向性、偏波
等が異なる複数の無線伝送手段と、該無線伝送手段のRF
信号を周波数変換したIF信号の包絡線の変動を検出する
無線伝送手段と同数の包絡線変動検出器と、該包絡線変
動検出器の出力信号の中からベースバンドディジタル信
号のクロック周波数に等しい周波数を有する信号成分を
検出する該包絡線変動検出器と同数のクロック周波数成
分検出器と、該クロック周波数成分検出器の出力が最大
となる無線伝送手段を選択する1つの判定器と、該判定
器による判定に従って無線伝送手段の内の1つを選択す
るスイッチを備えたことに特徴がある。
決するために、PSK 変調ディジタル無線通信システムに
おいて、それぞれの送受信信号強度の変動が無相関とな
る程度にアンテナ位置、周波数、アンテナ指向性、偏波
等が異なる複数の無線伝送手段と、該無線伝送手段のRF
信号を周波数変換したIF信号の包絡線の変動を検出する
無線伝送手段と同数の包絡線変動検出器と、該包絡線変
動検出器の出力信号の中からベースバンドディジタル信
号のクロック周波数に等しい周波数を有する信号成分を
検出する該包絡線変動検出器と同数のクロック周波数成
分検出器と、該クロック周波数成分検出器の出力が最大
となる無線伝送手段を選択する1つの判定器と、該判定
器による判定に従って無線伝送手段の内の1つを選択す
るスイッチを備えたことに特徴がある。
【0014】
【作用】以上のような構成を有する本発明によれば、周
囲の建造物や地面等の影響で、アンテナ位置、周波数、
アンテナ指向性、偏波等が異なる複数の無線伝送手段で
受信する信号強度の変動が無相関になるような状況にお
いて、該無線伝送手段から得られるRF信号を周波数変換
したIF信号の包絡線変動の中からベースバンドディジタ
ル信号のクロック周波数に等しい周波数を有する信号成
分を抽出し、その強度の大きい無線伝送手段を選択して
受信することによって、従来の方式では実現不可能であ
った複数の受信系統を必要としない簡易な構成で、フラ
ットフェージングによる熱雑音誤り及び周波数選択性フ
ェージングによる符号間干渉誤りの両者に対して有効な
ダイバーシチ方式を実現する。
囲の建造物や地面等の影響で、アンテナ位置、周波数、
アンテナ指向性、偏波等が異なる複数の無線伝送手段で
受信する信号強度の変動が無相関になるような状況にお
いて、該無線伝送手段から得られるRF信号を周波数変換
したIF信号の包絡線変動の中からベースバンドディジタ
ル信号のクロック周波数に等しい周波数を有する信号成
分を抽出し、その強度の大きい無線伝送手段を選択して
受信することによって、従来の方式では実現不可能であ
った複数の受信系統を必要としない簡易な構成で、フラ
ットフェージングによる熱雑音誤り及び周波数選択性フ
ェージングによる符号間干渉誤りの両者に対して有効な
ダイバーシチ方式を実現する。
【0015】
【発明の原理】はじめに本発明の原理について説明す
る。ここでは2つのアンテナを無相関な信号強度変動が
得られる程度に離して設置したスペースダイバーシチ方
式でQPSK信号を受信する場合について説明する。
る。ここでは2つのアンテナを無相関な信号強度変動が
得られる程度に離して設置したスペースダイバーシチ方
式でQPSK信号を受信する場合について説明する。
【0016】周波数選択性フェージングに起因する符号
間干渉誤りは到来する散乱波それぞれの振幅・位相・遅
延等によって定まる特定の状態を中心に発生し、その状
態においてはQPSK信号の基本変動成分[ ビットパターン
11001100・・・] に対する受信包絡線変動スペクトル中
のクロック周波数成分が消滅する。したがって、包絡線
変動中の該クロック周波数成分の大小をダイバーシチブ
ランチの制御原理とすることで簡易な制御方法が実現可
能である。図2は伝送路のモデルとして2波モデルを用
い、先行波と遅延波の振幅比r と位相差φを変化させて
実験室内で測定した周波数選択性フェージングに起因す
る符号間干渉誤り率特性である。ここでは先行波に対す
る遅延波の遅延量τ0 とQPSK信号のシンボルレートTSの
比τ0 /TSを0.2 としている。最も誤りの発生しやすい
状態は点[r=0(dB),φ=π(1±τ0 /TS)]であり、こ
の点を中心に符号間干渉誤りが発生する。
間干渉誤りは到来する散乱波それぞれの振幅・位相・遅
延等によって定まる特定の状態を中心に発生し、その状
態においてはQPSK信号の基本変動成分[ ビットパターン
11001100・・・] に対する受信包絡線変動スペクトル中
のクロック周波数成分が消滅する。したがって、包絡線
変動中の該クロック周波数成分の大小をダイバーシチブ
ランチの制御原理とすることで簡易な制御方法が実現可
能である。図2は伝送路のモデルとして2波モデルを用
い、先行波と遅延波の振幅比r と位相差φを変化させて
実験室内で測定した周波数選択性フェージングに起因す
る符号間干渉誤り率特性である。ここでは先行波に対す
る遅延波の遅延量τ0 とQPSK信号のシンボルレートTSの
比τ0 /TSを0.2 としている。最も誤りの発生しやすい
状態は点[r=0(dB),φ=π(1±τ0 /TS)]であり、こ
の点を中心に符号間干渉誤りが発生する。
【0017】図3は図2と同じ環境を計算機シミュレー
ションによって実現し求めたQPSK信号包絡線変動中のク
ロック周波数成分強度を等高線図で示す。なお、等高線
の値は2波の電力和を一定として最大値で規格化してい
る。図2とはよく対応しており、周波数選択性フェージ
ングに起因する符号間干渉誤りの指標として包絡線変動
中のクロック周波数成分強度を用いることが適当である
ことがわかる。以上は周波数選択性フェージングに起因
する符号間干渉誤りについてのみ述べたが、フラットフ
ェージング環境下では、受信信号強度と包絡線変動中の
クロック周波数成分は比例しており、クロック周波数成
分の強度によりダイバーシチブランチの選択を行なうこ
とによって、フラットフェージング環境下における熱雑
音誤りに対しても最適なアンテナの選択が行なわれる。
ションによって実現し求めたQPSK信号包絡線変動中のク
ロック周波数成分強度を等高線図で示す。なお、等高線
の値は2波の電力和を一定として最大値で規格化してい
る。図2とはよく対応しており、周波数選択性フェージ
ングに起因する符号間干渉誤りの指標として包絡線変動
中のクロック周波数成分強度を用いることが適当である
ことがわかる。以上は周波数選択性フェージングに起因
する符号間干渉誤りについてのみ述べたが、フラットフ
ェージング環境下では、受信信号強度と包絡線変動中の
クロック周波数成分は比例しており、クロック周波数成
分の強度によりダイバーシチブランチの選択を行なうこ
とによって、フラットフェージング環境下における熱雑
音誤りに対しても最適なアンテナの選択が行なわれる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図1は本発明の一実施例の構成を示すブ
ロック図である。ここでも2つのアンテナを用いたスペ
ースダイバーシチ方式でQPSK信号を受信する場合につい
て説明する。アンテナ出力のRF信号は局部発振器によっ
て発生された局部発振信号と混合されることによってRF
信号より低い周波数のIF信号に変換される。本実施例で
は本発明のダイバーシチ方式の制御をIF信号の段階で行
なっているが、周波数変換前のRF信号の段階で行なって
もダイバーシチの効果は同じである。しかし、包絡線検
出、クロック周波数成分検出、判定、切り換え等の一連
の動作は周波数変換/ 中間周波数増幅された後のIF信号
で行なった方が帯域外雑音が除去されるので熱雑音に対
して有利である。このIF信号の包絡線の変動を抽出し、
その中からクロック周波数成分のみを検出する。この包
絡線変動検出器及びクロック周波数成分検出器は既存の
技術を用いて簡易に実現可能である。そして検出された
クロック周波数成分強度の大きい方のアンテナを選択し
て受信を行なう。これによってフラットフェージングに
よる熱雑音誤りにも周波数選択性フェージングに起因す
る符号間干渉誤りに対しても有効に機能するダイバーシ
チ方式が構成できる。
して説明する。図1は本発明の一実施例の構成を示すブ
ロック図である。ここでも2つのアンテナを用いたスペ
ースダイバーシチ方式でQPSK信号を受信する場合につい
て説明する。アンテナ出力のRF信号は局部発振器によっ
て発生された局部発振信号と混合されることによってRF
信号より低い周波数のIF信号に変換される。本実施例で
は本発明のダイバーシチ方式の制御をIF信号の段階で行
なっているが、周波数変換前のRF信号の段階で行なって
もダイバーシチの効果は同じである。しかし、包絡線検
出、クロック周波数成分検出、判定、切り換え等の一連
の動作は周波数変換/ 中間周波数増幅された後のIF信号
で行なった方が帯域外雑音が除去されるので熱雑音に対
して有利である。このIF信号の包絡線の変動を抽出し、
その中からクロック周波数成分のみを検出する。この包
絡線変動検出器及びクロック周波数成分検出器は既存の
技術を用いて簡易に実現可能である。そして検出された
クロック周波数成分強度の大きい方のアンテナを選択し
て受信を行なう。これによってフラットフェージングに
よる熱雑音誤りにも周波数選択性フェージングに起因す
る符号間干渉誤りに対しても有効に機能するダイバーシ
チ方式が構成できる。
【0019】本実施例では、アンテナを2本用いたスペ
ースダイバーシチ方式を用いて信号強度変動が無相関と
なる2つの信号を得たが、その他に周波数、アンテナ指
向性、偏波を用いても同様の効果を得ることが可能であ
る。また、3つ以上のダイバーシチブランチがある場合
にもその中でクロック周波数成分の強度が最大となるも
のを選択することで同様に動作する。さらにここではQP
SK信号を例としてその動作を説明したが、BPSK、8-PSK
等の他のPSK 信号を用いても同様の動作が可能である。
ースダイバーシチ方式を用いて信号強度変動が無相関と
なる2つの信号を得たが、その他に周波数、アンテナ指
向性、偏波を用いても同様の効果を得ることが可能であ
る。また、3つ以上のダイバーシチブランチがある場合
にもその中でクロック周波数成分の強度が最大となるも
のを選択することで同様に動作する。さらにここではQP
SK信号を例としてその動作を説明したが、BPSK、8-PSK
等の他のPSK 信号を用いても同様の動作が可能である。
【0020】なお、ディジタルコードレス電話システム
のようにTDMA/TDD[ 時分割多元接続/ 時分割双方向通
信] 方式を採用している通信システムにおいては、送信
時においてもその寸前の受信スロットにおいて選択され
たダイバーシチブランチを選択して送信することによっ
て、受信側にダイバーシチ構成の無い場合でもダイバー
シチ効果が得られる送信ダイバーシチが可能である。こ
れによって基地局のみにダイバーシチ構成を集中するこ
とが可能で、移動局の小型化に特に有効である。また、
送受信が異なった周波数で行なわれるFDD[周波数分割双
方向通信] 方式では、基地局送信/ 移動局受信・基地局
受信/ 移動局送信のどちらでもダイバーシチ効果を得る
ためには、基地局・移動局の双方にダイバーシチ構成を
とることが必要となる。
のようにTDMA/TDD[ 時分割多元接続/ 時分割双方向通
信] 方式を採用している通信システムにおいては、送信
時においてもその寸前の受信スロットにおいて選択され
たダイバーシチブランチを選択して送信することによっ
て、受信側にダイバーシチ構成の無い場合でもダイバー
シチ効果が得られる送信ダイバーシチが可能である。こ
れによって基地局のみにダイバーシチ構成を集中するこ
とが可能で、移動局の小型化に特に有効である。また、
送受信が異なった周波数で行なわれるFDD[周波数分割双
方向通信] 方式では、基地局送信/ 移動局受信・基地局
受信/ 移動局送信のどちらでもダイバーシチ効果を得る
ためには、基地局・移動局の双方にダイバーシチ構成を
とることが必要となる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フラットフェージングによる熱雑音誤りと周波数選択性
フェージングによる符号間干渉誤りの両者を低減するの
に有効であり、また、無線伝送手段の切り換えを検波前
のIF信号によって制御しており、従来のようにベースバ
ンド信号や符号誤り率等のような最終的な受信信号を用
いる方法とは異なり複数の受信系統が不要で機器の小型
・軽量化に非常に有効である。
フラットフェージングによる熱雑音誤りと周波数選択性
フェージングによる符号間干渉誤りの両者を低減するの
に有効であり、また、無線伝送手段の切り換えを検波前
のIF信号によって制御しており、従来のようにベースバ
ンド信号や符号誤り率等のような最終的な受信信号を用
いる方法とは異なり複数の受信系統が不要で機器の小型
・軽量化に非常に有効である。
【0022】従って、本発明はディジタル陸上移動通信
システムやディジタルコードレス電話システムあるいは
その他のディジタル無線通信システム例えば構内無線通
信システムや無線LAN システムに適用可能であり、その
効果が極めて大である。
システムやディジタルコードレス電話システムあるいは
その他のディジタル無線通信システム例えば構内無線通
信システムや無線LAN システムに適用可能であり、その
効果が極めて大である。
【図1】本発明の一実施例によるダイバーシチ方式の構
成を示すブロック図である。
成を示すブロック図である。
【図2】伝送路のモデルとして2波モデルを用い、先行
波と遅延波の振幅r と位相差fを変化させて実験室内で
測定した周波数選択性フェージングに起因する符号間干
渉誤り率特性の等高線図である。
波と遅延波の振幅r と位相差fを変化させて実験室内で
測定した周波数選択性フェージングに起因する符号間干
渉誤り率特性の等高線図である。
【図3】図2と同じ環境を計算機シミュレーションによ
って実現し求めたQPSK信号包絡線変動中のクロック周波
数成分強度を示す等高線図である。
って実現し求めたQPSK信号包絡線変動中のクロック周波
数成分強度を示す等高線図である。
【図4】従来の、受信信号強度の大きいダイバーシチブ
ランチを選択するスペースダイバーシチ方式の構成を示
すブロック図である。
ランチを選択するスペースダイバーシチ方式の構成を示
すブロック図である。
【図5】従来の、受信されたPSK 信号の小さいダイバー
シチブランチを選択するスペースダイバーシチ方式の構
成を示すブロック図である。
シチブランチを選択するスペースダイバーシチ方式の構
成を示すブロック図である。
【図6】従来の、受信信号の符号誤り率の尤度が小さい
ダイバーシチブランチを選択するスペースダイバーシチ
方式の構成を示すブロック図である。
ダイバーシチブランチを選択するスペースダイバーシチ
方式の構成を示すブロック図である。
1 アンテナ 2 RF部 3 IF部 4 復調器 5 包絡線変動検出器 6 クロック周波数成分検出器 7 判定器 8 スイッチ 9 受信信号強度検出器 10 PSK 信号の尤度検出器 11 符号誤り率検出器
Claims (1)
- 【請求項1】 PSK ディジタル変調を用いたディジタル
陸上移動通信システムやディジタルコードレス電話シス
テム等であって、かつ、マルチパスフェージングがシス
テム性能を大きく劣化させるディジタル無線通信システ
ムにおいて、 受信信号強度の変動が無相関となる程度にアンテナ位
置、周波数、アンテナ指向性、偏波等が異なる複数の無
線伝送手段と、 該無線伝送手段のRF信号を周波数変換したIF信号の包絡
線の変動を検出する無線伝送手段と同数の包絡線変動検
出器と、 該包絡線変動検出器の出力信号の中からベースバンドデ
ィジタル信号のクロック周波数に等しい周波数を有する
信号成分を検出する前記包絡線変動検出器と同数のクロ
ック周波数成分検出器と、 該クロック周波数成分検出器の出力が最大となる無線伝
送手段を選択する1つの判定器と、 該判定器による判定に従って前記無線伝送手段の内の1
つを選択するスイッチを備え、 クロック周波数成分の強度に従って前記無線伝送手段の
内の1つを選択することによってマルチパスフェージン
グの影響を低減せしめることを特徴とするダイバーシチ
方式。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5116645A JPH06311146A (ja) | 1993-04-21 | 1993-04-21 | ダイバーシチ方式 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5116645A JPH06311146A (ja) | 1993-04-21 | 1993-04-21 | ダイバーシチ方式 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06311146A true JPH06311146A (ja) | 1994-11-04 |
Family
ID=14692352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5116645A Withdrawn JPH06311146A (ja) | 1993-04-21 | 1993-04-21 | ダイバーシチ方式 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06311146A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0832635A (ja) * | 1994-07-15 | 1996-02-02 | Nec Corp | デジタル変調信号受信機 |
-
1993
- 1993-04-21 JP JP5116645A patent/JPH06311146A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0832635A (ja) * | 1994-07-15 | 1996-02-02 | Nec Corp | デジタル変調信号受信機 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11503570B2 (en) | Multi-antenna communication in a wireless network | |
AU739043B2 (en) | Selective diversity combining | |
EP0903018B1 (en) | Method of and apparatus for interference rejection combining and downlink beamforming in a cellular radiocommunications system | |
US7702298B2 (en) | Method and apparatus to provide multiple-mode spatial processing in a radio receiver | |
US5924020A (en) | Antenna assembly and associated method for radio communication device | |
US7885619B2 (en) | Diversity transmission using a single power amplifier | |
US8509724B2 (en) | Switched beam antenna with digitally controlled weighted radio frequency combining | |
EP1223688A2 (en) | Receive antenna diversity communications device | |
US6845244B2 (en) | Directivity control type communication apparatus and adaptive array antenna apparatus | |
US20110019775A1 (en) | Method and systems for receiving plural informations flows in a mimo system | |
US7274951B2 (en) | Multi-beam antenna transmitter/receiver and transmitting/receiving method and transmission beam selection method | |
US6275482B1 (en) | Combined angular, spatial, and temporal diversity for mobile radio system | |
KR100435795B1 (ko) | 무선 기지국 장치 및 무선 통신 방법 | |
US6956841B1 (en) | Receiver and method of receiving a desired signal | |
JPH10313472A (ja) | 無線基地局装置および無線端末装置 | |
JPH06311146A (ja) | ダイバーシチ方式 | |
Ling et al. | Low-complexity antenna diversity receivers for mobile wireless applications | |
Janssen et al. | BER performance of millimetre wave indoor communication systems using multiple antenna signals | |
KR20030090173A (ko) | 시간 지연 특성을 갖는 공간-시간 송신 다이버시티 장치 | |
JPH02189042A (ja) | ダイバシティ受信システム | |
JPH03255734A (ja) | ダイバーシチ受信方法 | |
Sandhu et al. | Adaptive antenna system for PACS |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000704 |