JPH06308551A - 配向非線形光学素子 - Google Patents

配向非線形光学素子

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JPH06308551A
JPH06308551A JP9600893A JP9600893A JPH06308551A JP H06308551 A JPH06308551 A JP H06308551A JP 9600893 A JP9600893 A JP 9600893A JP 9600893 A JP9600893 A JP 9600893A JP H06308551 A JPH06308551 A JP H06308551A
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JP
Japan
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nonlinear optical
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group
optical element
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JP9600893A
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English (en)
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Taro Sakakibara
太郎 榊原
Yutaka Takeya
竹谷  豊
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は優れた非線形光学特性を有する光学
素子を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、下記式(I)で表される非線形光
学特性を有するカルボン酸誘導体の双極子モーメントの
方向が、該誘導体を担持する担体の膜厚方向に配向され
ていることを特徴とする配向非線形光学素子である。 【化1】 [但し、nは、0、1または2を表す。―Ar1 ―は、
炭素数5〜14の芳香族基を表す。R1 ―は、R2 3
N―で表されるアミノ基、そのハロゲン化水素塩、R4
―O―で表されるエーテル基、R5 ―S―で表されるチ
オエーテル基、シアノ基、―COOR6 もしくは―OC
OR7 で表されるエステル基、―CONR 8 9 もしく
は―NR10COR11で表されるアミド基および―R12
表される炭化水素基(R2 〜R12は、同一または異なる
炭素数1〜8の1価の炭化水素基または水素原子を表
す。)から選ばれる官能基であり、−Bは、グリシジル
基である。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光情報伝送材料、光記
録技術分野における短波長変換、パラメトリック発振、
屈折率変化等を主とした配向された非線形光学素子およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機材料の非線形光学特性が既存の無機
化合物に比べて大きいことが、近年知られてきた。非線
形光学効果とは、例えばレーザ光のような強い光電場を
物質に印加した時、その物質の電気分極応答が印加電界
の大きさの一次に比例する関係から、レーザー光の電界
大きさの二次以上の高次の効果があらわれることを言
う。
【0003】二次の非線形光学には、入射光の波長を1
/2の波長に変換する第二高調波発生、1種類の波長の
光を2種類の光に変換させるパラメトリック発振、逆に
2種類の波長の光から1種類の波長の光を発現させる二
光波混合などがある。これらの諸特性から、大きな技術
発展が期待される光データ/光情報処理や、光通信に用
いられる光スイッチ、光メモリー、あるいは、光情報記
憶素子として使用される可能性が高い。特に近年、光記
録分野では、記録信号の読み取り、あるいは書き込みの
波長の短波長化が、高密度の記録を行う上で強く要望さ
れるようになってきた。操作性、簡便性の観点から、半
導体レーザが主として用いられてきているが、既存の半
導体材料の組み合わせでは、一般に630nmより短い
波長の発光を生起することは困難であるといわれてい
る。この観点から、ここに述べた二次の非線形光学特性
を利用して、第二高調波発生により、紫外領域に近い青
色発光の材料が詳しく検討され、ニオブ酸リチウム、K
TP、BBOに代表される無機材料での応用が積極的に
研究されている。しかしながら、このような状態での波
長変換の操作は、結晶の複屈折を利用した位相整合条件
を満足した時にのみ、活性が高くなるという現象であ
り、この条件を揃えるための、空間配置の決定など非常
に繁雑な操作が必要であり、かつ外部温度、湿度により
複屈折の挙動が変化することも多く、実用上問題が多
い。
【0004】近年、これらの無機材料に対して、2―メ
チル―4―ニトロアニリン(MNA)に代表される、大
きい性能を有する有機化合物は、単結晶の形態で、デバ
イス材料への開発が行われている。しかし有機結晶は、
機械的特性や耐熱性が低いことが難点となっている。一
般に第二高調波発生能は分子内での分極が大きく、かつ
その分極の寄与が大きくなる長い共役系ほど大きくなる
が、このように分極を増大させると固体化の際、結晶が
成長する段階で分子の配向がその分極を打ち消し合うよ
うに空間的に安定化し反転対称性の構造が優先的に形成
されるため光学素子として非線形光学効果が発現しない
ことが多い。かかる観点から、分子1ケの双極子モーメ
ントの活性が固体状の集合体でも残存するような工夫が
種々なされているが、高い電場を印加することで双極子
の方向を揃えることが可能となる場合があり、通常コロ
ナ放電処理として知られている。このコロナ放電処理が
可能となるためには、非線形光学材料が適当な媒体に溶
解、分子分散していることが必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた非線
形光学特性を有する光学素子を提供することにある。特
に非線形光学材料を媒体に高濃度で溶解・分散せしめる
ことにより非線形光学特性を発揮せしめることを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、非線形光学材
料を、ポリマーを担体としたフイルム中などに溶解して
処理することにより、非線形光学材料分子の配向を制御
することを達成したものである。
【0007】即ち本発明は、下記式(I)で表される非
線形光学特性を有するカルボン酸誘導体の双極子モーメ
ントの方向が、該誘導体を担持する担体の膜厚方向に配
向されていることを特徴とする配向非線形光学素子であ
る。
【0008】
【化3】
【0009】但し、nは、0、1または2を表す。―A
1 ―は、フェニレン、ナフチレン基等の炭素数5〜1
4の芳香族基を表す。R1 ―は、R2 3 N―で表され
るアミノ基、そのハロゲン化水素塩、R4 ―O―で表さ
れるエーテル基、R5 ―S―で表されるチオエーテル
基、シアノ基、―COOR6 もしくは―OCOR7 で表
されるエステル基、―CONR8 9 もしくは―NR10
COR11で表されるアミド基および―R12で表される炭
化水素基(R2 〜R12は、同一または異なる炭素数1〜
8、好ましくは炭素数1〜3の1価の炭化水素基または
水素原子を表す。炭化水素基としては、メチル基、エチ
ル基等のアルキル基が挙げられる。)から選ばれる官能
基である。−Bは、グリシジル基である。
【0010】かかる材料の中間生成物であるカルボン酸
の合成については、例えば、特開平1―245230号
公報(平成1年9月29日公開)に示されるように、芳
香族アルデヒドと活性メチレン化合物との反応で得られ
るα―シアノアクリル酸化合物が該当する。カルボン酸
誘導体は、酸の水素結合のために結晶化する際に対称に
配置した構造となるために、一般的に結晶化されたもの
は二次の非線形光学特性は発現しない。従って、この酸
を以下に述べるポリマー担持体に溶解、分子分散させる
だけでは、二次の非線形光学特性を期待できない。
【0011】かかる式(I)で表される材料は、上記α
―シアノアクリル酸化合物を用いて、エポキシ化合物の
工業的な製造法であるエピクロロヒドリンの付加と脱塩
酸による閉環反応で容易に合成できる。
【0012】これらのカルボン酸誘導体は、一般に高分
子材料に溶解、または分散される。このカルボン酸を担
持する材料としては、そのガラス転移点が40℃以上2
00℃以下であることが好ましい。
【0013】かかる温度よりも低いと、一旦配向された
分子の配向安定性が悪く時間とともに乱雑な配向に戻
り、非線形光学現象の極端な減衰が生起する。一方、2
00℃以上では、非線形光学特性を発現するカルボン酸
誘導体の一部が、分解、化学変性の発生することがあ
り、好ましくない。
【0014】したがって担体として用いられるポリマー
は上記のような熱的物性を有すると共に、担体の機能と
して、カルボン酸誘導体を均一に溶解、分子レベルで分
散させておくことが必須であり、かかる目的のために
は、カルボン酸誘導体を溶解する溶媒に均一に溶解する
ことが望ましい。かかる担体材料としては、ポリメチル
メタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のポリメ
タクリレート類、ポリスチレン、ポリスチレン―マレイ
ン酸共重合物、ポリα―メチルスチレン等のポリスチレ
ン類、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、フェ
ノキシ樹脂等をあげることができる。
【0015】非線形光学特性を有するカルボン酸誘導体
の双極子モーメントの方向をポリマー担持体の膜厚方向
に配向する方法としては、直流電場を印加することが好
ましい。
【0016】すなわち、本発明は、下記式(I)で表さ
れる非線形光学特性を有するカルボン酸誘導体を担持す
る担体に、40℃以上200℃以下の温度で直流電界を
印加することを特徴とする配向非線形光学素子の製造方
法である。
【0017】
【化4】
【0018】[式中のR1 ―,―Ar1 ―,―Bは前述
のとおり。]この高電場の印加方法としては、ポリマー
担持体が有効に帯電すればよく、各種の方法が考えられ
るが、コロナ放電による方法を用いると容易に達成する
ことが可能となる。
【0019】コロナ放電とは、図1に示した通り平板状
電極15と針状電極12との間に、直流電源11により
高電圧、例えば1KV以上、好ましくは5〜15KVの
電圧を印加して、コロナ放電を発生させ、該ポリマー担
持体13を帯電させるものである。この時の現象として
は、空気中の分子がイオン化して、平板電極の方法にイ
オンが飛翔し、結果的にポリマー担持体にイオンが多数
蓄積され、上部電極とガラス担持体表面とが電位が等し
くなるまで放電が継続することになる。この間、担持体
表面13と平板電極15の間には、印加した電位差が生
じており、担持体中の非線形光学材料のカルボン酸誘導
体は電場と平行にその双極子モーメントが保持されるこ
とになる。即ち、ポリマー担持体膜厚方向に、配向が揃
う形になる。
【0020】このコロナ放電においては、一方の極は、
必ずしも針状である必要性がなく、線状でもここに示し
た目的に合致するもので、むしろポリマー担持体に均等
な電場の印加が効果的に発現するために、より望ましい
場合もある。分子の配向の確認は、上記コロナ放電した
ポリマー担持体を回転させながら、入射光の偏光の方向
を変化させて、二次の高調波を観測することでも確認で
きるし、あるいは、電子スペクトルの測定を偏光の方向
依存性を測定することでで確認できる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、カルボン酸のグリシジ
ルエステルを使用することにより担体への溶解性が向上
し、非線形特性に優れた光学素子が提供される。
【0022】
【実施例】以下に実施例をあげ、本発明を詳述する。
【0023】
【実施例1】カルボン酸誘導体として、4―ジメチルア
ミノフェニル―2―シアノペンタジエン酸グリシジルエ
ステルを、ポリメチルメタクリレート(相対重量比2.
5:100)とともに、メチルイソブチルケトンに溶解
させ、これを1分間3000回転のスピンコーターで製
膜し、厚さ1μmの薄膜をパイレックス基板上に作製し
た。この試料を、図1に示すような平板電極の上に置
き、片側の線状電極の下8mmのところに静置して95
℃に加熱しながら、10KVの電界を印加した。この状
態での電界印加時間は、25分間でコロナ放電を行っ
た。冷却後、得られた試料をNd:YAGレーザーの
1.06μmの波長の基本光を入射したところ、緑色に
発光する光が観測され、明らかに非線形光学材料の双極
子が膜厚方向に配向していることが認められた。メーカ
ーフリンジ法により求めた水晶を基準試料とした非線形
光学性能は6pm/Vであった。
【0024】
【実施例2〜4】実施例1と同様の実験を行い、いずれ
も第二高調波の発生が観測され、配向が確認された。
【0025】
【比較例1〜3】電界印加の方法を変える以外は実施例
1と同様の実験を行った。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】コロナ放電の概略を示す。
【符号の説明】
11 高電圧電源 12 ワイアー 13 担持体 14 基板 15 平板電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)で表される非線形光学特性
    を有するカルボン酸誘導体の双極子モーメントの方向
    が、該誘導体を担持する担体の膜厚方向に配向されてい
    ることを特徴とする配向非線形光学素子。 【化1】 [但し、nは、0、1または2を表す。―Ar1 ―は、
    炭素数5〜14の芳香族基を表す。R1 ―は、R2 3
    N―で表されるアミノ基、そのハロゲン化水素塩、R4
    ―O―で表されるエーテル基、R5 ―S―で表されるチ
    オエーテル基、シアノ基、―COOR6 もしくは―OC
    OR7 で表されるエステル基、―CONR 8 9 もしく
    は―NR10COR11で表されるアミド基および―R12
    表される炭化水素基(R2 〜R12は、同一または異なる
    炭素数1〜8の1価の炭化水素基または水素原子を表
    す。)から選ばれる官能基であり、−Bは、グリシジル
    基である。]
  2. 【請求項2】 該非線形光学特性を有するカルボン酸誘
    導体を担持する担体が、40℃以上200℃以下のガラ
    ス転移点を有する溶媒可溶性高分子材料であることを特
    徴とする請求項1記載の非線形光学素子。
  3. 【請求項3】下記式(I)で表される非線形光学特性を
    有するカルボン酸誘導体を担持する担体に、40℃以上
    200℃以下の温度で直流電界を印加することを特徴と
    する配向非線形光学素子の製造方法。 【化2】 [但し、nは、0、1または2を表す。―Ar1 ―は、
    炭素数5〜14の芳香族基を表す。R1 ―は、R2 3
    N―で表されるアミノ基、そのハロゲン化水素塩、R4
    ―O―で表されるエーテル基、R5 ―S―で表されるチ
    オエーテル基、シアノ基、―COOR6 もしくは―OC
    OR7 で表されるエステル基、―CONR 8 9 もしく
    は―NR10COR11で表されるアミド基および―R12
    表される炭化水素基(R2 〜R12は、同一または異なる
    炭素数1〜8の1価の炭化水素基または水素原子を表
    す。)から選ばれる官能基であり、−Bは、グリシジル
    基である。]
  4. 【請求項4】 平面状電極と針状または線状電極との間
    に該担体を置き、両電極間にコロナ放電を生じさせ、針
    状または線状電極に面した担体に帯電させることを特徴
    とする請求項4記載の配向非線形光学素子の製造方法。
JP9600893A 1993-04-22 1993-04-22 配向非線形光学素子 Pending JPH06308551A (ja)

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