JPH06308273A - 原子炉格納容器のスプレイ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】苛酷事故のために冷却水の供給が小流量の場合
でも、冷却効率の良い微小な液滴の得られる原子炉格納
容器のスプレイ装置を提供することにある。 【構成】第１実施例のスプレイ装置は、原子炉格納容器
１内に設置された環状で複数に分割したスプレイヘッダ
12ａ〜12ｄと、このスプレイヘッダ12ａ〜12ｄへの各給
水配管に止め弁13ａ〜13ｄを設けたことを特徴とする。
第２実施例は、半環状のスプレイヘッダ16ａ，16ｂ内に
端栓部17から伸びるバネ18とこれに結合して摺動可能な
邪魔板19を設けたことを特徴とする。第３実施例は、ス
プレイヘッダ21に多数配設したノズル22の一部に設定値
以上の圧力が加わった時に離脱するノズルキャップ23を
散布口11に装着したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、原子炉格納容器内の冷
却装置に係り、特に冷却材喪失事故時における苛酷事故
を想定した場合で、原子炉格納容器内に冷却水をスプレ
イして内部雰囲気の冷却を行い、原子炉格納容器の健全
性を維持する原子炉格納容器のスプレイ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】沸騰水型原子炉においては、図10の縦断
面図および図11の横断面図に示すように原子炉格納容器
１に設置する原子炉格納容器のスプレイ装置は、原子炉
冷却材喪失事故に際して原子炉格納容器１内のドライウ
ェル２に放出された蒸気と水のエネルギーにより原子炉
格納容器１内の圧力は上昇することから、短期的な圧力
上昇は、ベント管３を通してサプレッションチェンバ４
内のプール水５中に導くことにより蒸気をプール水５で
冷却し、凝縮することによって抑制している。

【０００３】また長期的な圧力上昇は、残留熱除去系に
設置した残留熱除去系ポンプ６により大量の冷却水を原
子炉格納容器１内にスプレイすることにより、原子炉格
納容器１内の雰囲気の冷却を行うことにより抑制してい
る。

【０００４】この場合の雰囲気の冷却を効率よくするた
めには、プール水５を微小な（直径１mm程度）液滴とし
てスプレイできるように、原子炉格納容器１の内周で原
子炉７をとりまく環状のスプレイヘッダ８の内側に配設
した多数のノズル９における散布口の口径を選定してい
る。

【０００５】従って、残留熱除去系ポンプ６による流量
が確保されている場合には、格納容器１内の雰囲気を有
効に冷却することができ、蒸気と共に放出されたヨウ素
の除去も行われる。

【０００６】近年、安全性向上の観点から苛酷事故（設
計を超えた事故）を想定した対策を図る方向であり、こ
の苛酷事故の場合には、例えば原子炉冷却材喪失事故に
際し、原子炉格納容器１内を冷却する残留熱除去系ポン
プ６等の安全系が使用できない場合も想定する必要があ
る。従って、この場合には他の注水系統である、例えば
常用注水系のポンプを代替ポンプ10として使用し、原子
炉格納容器１の冷却を図ることになる。

【０００７】なお、前記スプレイヘッダ８およびノズル
９は、図12のスプレイヘッダの平面図と図13のノズルの
一部切欠き平面図に示すように、環状のスプレイヘッダ
８の内周に多数のノズル９が配置されていて、このノズ
ル９には夫々複数（ここでは３個）の散布口11が設けた
構造としている。

【０００８】またスプレイ水と雰囲気ガスとの熱伝達が
十分に良好に行われるために、ノズル９は細かな霧状の
スプレイ水を作るように設計されていて、環状のスプレ
イヘッダ８に残留熱除去系ポンプ６で送られてくる冷却
水が、ノズル９の先端の散布口11から噴出される時に霧
状の細かな液滴に変化するように、散布口11の開口面積
やノズル９の個数が決められている。

【０００９】従って、原子炉格納容器スプレイ系は冷却
水を送る残留熱除去系ポンプ６とスプレイヘッダ８、お
よびノズル９が１組になり、スプレイヘッダ８は通常２
組が２段に設置されて、その冷却性能が十分に発揮でき
るように設計されている。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】苛酷事故時において
は、常用注水系のポンプを代替ポンプ10として使用し、
原子炉格納容器１内の雰囲気の冷却を行う。しかしなが
ら、この場合に常用注水系による代替ポンプ10の容量は
前記残留熱除去系ポンプ６に比べて小さいため、残留熱
除去系ポンプ６用のスプレイヘッダ８を用いてスプレイ
を行うと、各ノズル９における水圧が不足する。

【００１１】このために、各ノズル９の散布口11から噴
出されるスプレイは、微小な液滴とはならず、このため
にスプレイによる冷却効率が低下するために、原子炉格
納容器１内の圧力上昇抑制が十分に行われない可能性が
あった。

【００１２】本発明の目的とするところは、苛酷事故の
ために冷却水の供給が小容量の場合でも、冷却効率の良
い微小な液滴の得られる原子炉格納容器のスプレイ装置
を提供することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１記載の原子炉格納容器のスプレイ装置は、
原子炉格納容器内に設置されて多数のノズルを備えたス
プレイヘッダにより冷却水をスプレイすることにより原
子炉格納容器内の冷却を行うスプレイ装置において、前
記スプレイヘッダを複数に分割して設けると共に各スプ
レイヘッダへの各給水配管に止め弁を設けたことを特徴
とする。

【００１４】また請求項２に記載のものは、原子炉格納
容器内に設置されて多数のノズルを備えたスプレイヘッ
ダにより冷却水をスプレイすることにより原子炉格納容
器内の冷却を行うスプレイ装置において、環状のスプレ
イヘッダを複数に分割すると共に各スプレイヘッダ内に
端栓部から伸びるバネとこれに結合して摺動可能な邪魔
板を設けたことを特徴とする。

【００１５】さらに請求項３に記載のものは、原子炉格
納容器内に設置されて多数のノズルを備えたスプレイヘ
ッダにより冷却水をスプレイすることにより原子炉格納
容器内の冷却を行うスプレイ装置において、前記多数の
ノズルの一部に設定値以上の圧力が加わった時に離脱す
るノズルキャップを散布口に装着したことを特徴とす
る。

【００１６】

【作用】請求項１記載の発明は、残留熱除去系ポンプが
使用可能な場合には、全スプレイヘッダを使用して、従
来と同等の冷却性能が得られる。また残留熱除去系ポン
プが使用できない場合の苛酷事故時には、代替ポンプの
容量に見合った数のスプレイヘッダを残して、他のスプ
レイヘッダの止め弁を閉じる。

【００１７】これにより、１ノズル当たりのスプレイ流
量は残留熱除去系ポンプを使用した場合と同様となり、
冷却水は十分に微小な液滴となってノズルの散布口から
スプレイ状に噴出される。

【００１８】請求項２記載の発明では、大容量の残留熱
除去系ポンプが正常に作動した場合には、その高い水圧
によりバネが縮み、スプレイヘッダの全ノズルから微小
な液滴が噴出して通常のスプレイ機能を果たす。

【００１９】また残留熱除去系ポンプが使用できず、小
容量の代替ポンプによる苛酷事故の場合は、スプレイヘ
ッダ内の水圧に見合って自動的にバネが縮み、邪魔板が
後退するために、邪魔板に塞がれない部分のノズルか
ら、スプレイ状で微小な液滴を噴出する。

【００２０】請求項３記載の発明においては、残留熱除
去系ポンプが故障し、小容量の代替ポンプしか使用でき
ない苛酷事故に際しては、代替ポンプの注水流量は少な
く、水圧が低いが、スプレイヘッダに配設されたノズル
でノズルキャップのないノズルは少数であることから、
これに加わる水圧は通常圧となるため、このノズルから
のスプレイは、微小な液滴として噴出される。

【００２１】なお、代替ポンプによる注水流量は、残留
熱除去系ポンプに比べて少ないため、ノズルキャップの
ないノズルからスプレイされると、スプレイヘッダ内の
圧力はあまり上昇しないので、ノズルキャップが離脱す
ることはない。

【００２２】一方、残留熱除去系ポンプが正常に作動し
た場合には、代替ポンプに比べて大流量の冷却水がスプ
レイヘッダ内に流れ込むため、当初はノズルキャップの
ないノズルからスプレイされるが、このノズルの数は少
ないため、スプレイヘッダ内に圧力は上昇して設定値以
上となり、ノズルキャップが自動的に離脱して散布口が
開放される。これにより、スプレイヘッダの全ノズルか
ら、微小な液滴が大量にスプレイされる。

【００２３】以上のように本発明では、大流量は勿論の
こと小流量でも原子炉格納容器内の雰囲気の除熱が適確
に行われ、減温、減圧とヨウ素除去が行われて健全性が
維持できる。

【００２４】

【実施例】本発明の一実施例について図面を参照して説
明する。なお、上記した従来技術と同じ構成部分につい
ては、同一符号を付して詳細な説明を省略する。第１実
施例は、図１の平面図に示すように、原子炉格納容器１
の内周で原子炉７を囲んで環状のスプレイヘッダを４等
分に分割し、各スプレイヘッダ12ａ〜12ｄは、夫々が止
め弁13ａ〜13ｄを介して残留熱除去系の残留熱除去系ポ
ンプ６および常用注水系の代替ポンプ10と連結した構成
となっている。

【００２５】なお、図１ではスプレイヘッダ12ａ〜12ｄ
が１段で、４等配に分割して示されているが、このスプ
レイヘッダ12ａ〜12ｄは、一般に２組を２段に設置し
て、夫々を別系統の残留熱除去系ポンプ６および代替ポ
ンプ10と結合されて構成している。

【００２６】なお、スプレイヘッダ分割数や夫々の長さ
については、上記に限定されずに代替ポンプ10から供給
される冷却水の流量および水圧等の能力に見合う分割数
と長さで、互いが非等配としてもよい。

【００２７】次に、上記構成による作用について説明す
る。冷却材喪失事故時で、残留熱除去系が正常に作動す
る場合には、止め弁13ａ〜13ｄを全て開いておき、残留
熱除去系ポンプ６から大量の冷却水を全スプレイヘッダ
12ａ〜12ｄに供給する。これにより全ノズル９に十分な
水圧が加わり、各ノズル９から噴出されるスプレイは、
微小な液滴となり、これにより高い冷却効果が得られ
る。

【００２８】また万一、上記冷却材喪失事故において、
前記残留熱除去系の残留熱除去系ポンプ６が故障すると
いう苛酷事故を想定すると、原子炉格納容器１内を冷却
するスプレイヘッダ12ａ〜12ｄへの冷却水は、他の健全
な注水系統から代替ポンプ10により供給するようにす
る。

【００２９】この時は、この代替ポンプ10の能力に応じ
て前記スプレイヘッダ12ａ〜12ｄのノズル９に通常の水
圧が加わり、噴出されるスプレイが微小な液滴となるよ
うにスプレイヘッダ12ａ〜12ｄを適宜に選択して、該当
する止め弁13ａ〜13ｄを閉止をする。

【００３０】例えば、正常な代替ポンプ10の能力が、故
障した残留熱除去系ポンプ６の３／４であれば、止め弁
13ａを閉じ、３つのスプレイヘッダ12ｂ〜12ｄにより原
子炉格納容器１内に冷却水をスプレイして冷却を行う。
これにより、スプレイヘッダ12ｂ〜12ｄのノズル９から
は、微小液滴によるスプレイが行われて高い冷却効率が
維持される。

【００３１】この結果から、図４の比較特性図に示すよ
うに、代替ポンプ10による原子炉格納容器１内の圧力推
移が、従来は点線14のように上昇するのに対し、本第１
実施例では実線15で示すように徐々に低下して、原子炉
格納容器１の健全性が安全に維持できる。

【００３２】第２実施例においては、図２の一部切欠き
平面図に示すようにスプレイヘッダ16ａ，16ｂは環状を
２分割して、夫々を半環状に形成する。さらに、各スプ
レイヘッダ16ａ，16ｂの内部には両端栓部17から伸びる
バネ18と、この先端に取付けられた邪魔板19および、こ
の邪魔板19をガイドする案内棒20が設けられていて、邪
魔板19はバネ18により通常は案内棒20に沿って延伸し、
水圧が加わると縮小するように構成されている。

【００３３】次に上記構成による作用について述べる。
正常に残留熱除去系ポンプ６が作動した場合には、図５
の作動説明図に示すように残留熱除去系ポンプ６による
冷却水の十分な水圧により、邪魔板19が深く押されてバ
ネ18が圧縮されることにより、冷却水が十分な水圧で各
スプレイヘッダ16ａ，16ｂの全ノズル９まで到達するこ
とから、この全ノズル９より微小な液滴となってスプレ
イされる。

【００３４】一方、残留熱除去系ポンプ６が故障して小
容量の代替ポンプ10により注水を行われる場合には、前
記残留熱除去系ポンプ６の場合に比べて流量が少ないこ
とから、図６の作動説明図に示すように邪魔板19の後退
量とバネ18の縮みは小さく、従って、冷却水が到達して
注水に使用されるノズル９の個数は減少する。

【００３５】このため、各ノズル９に加わる水圧は、前
記残留熱除去系ポンプ６の時とほぼ同様となり、ノズル
９の散布口11から噴出する液滴は微小なスプレイ状にな
り、良好な除熱効果が得られる。

【００３６】このように第２実施例による場合には、注
水系の容量の大小にかかわらず、水圧によってノズル９
の散布口11から出る液滴を自動的に微小なスプレイとす
ることができるので、十分な除熱および除染が達成され
るために原子炉格納容器の安全余裕を向上させることが
できる。

【００３７】なお、スプレイヘッダ16ａ，16ｂは、図７
の縦断面図に示すように２段に設置してあり、しかも左
右に２分割されているが、２系統ある注水系の一方は左
上のスプレイヘッダ16ａと右下のスプレイヘッダ16ｂ
に、また他方は左下のスプレイヘッダ16ａと右上のスプ
レイヘッダ16ｂに冷却水を供給するように接続してい
る。これにより若しも、一方の注水系が不具合となって
も原子炉格納容器１の全周に対して平均したスプレイを
して冷却することができる。

【００３８】またスプレイヘッダ16ａ，16ｂが１段の場
合には、この２つのスプレイヘッダ16ａ，16ｂを一括し
て２系統の注水系から冷却水を供給することにより、２
系統の注水系の内の１系統が不具合の場合、または１系
統を代替ポンプ10とした場合にも、スプレイヘッダ16
ａ，16ｂにおける水圧に見合った数のノズル９から微細
な液滴によるスプレイで原子炉格納容器１内を冷却する
ことができる。

【００３９】第３実施例は図３の一部切欠き平面図、お
よび図８の平面図に示すように、環状のスプレイヘッダ
21の内周には多数のノズルが配設されていて、この内の
ノズル９は図13に示す従来構成のノズル９であるが、ノ
ズル22については図３に示すように、３個設けられた散
布口11の夫々の先端に、この散布口11を閉塞するノズル
キャップ23が装着されている。

【００４０】このノズルキャップ23は、通常は散布口11
を塞いで装着されているが、スプレイヘッダ21中の冷却
水の圧力が高まり、所定の圧力を超えると自動的に散布
口11より離脱して散布口11を開放する。従って、ノズル
キャップ23が離脱した時には、冷却水は十分な水圧によ
り微小の液滴となってスプレイされる。

【００４１】なお、このノズルキャップ23を取付けたノ
ズル22と、ノズルキャップ23のないノズル９との配置は
図８に示す一例では、３：１の割合で交互に順序良く並
べて構成している。

【００４２】上記構成による作用について説明する。原
子炉冷却材喪失事故に際して残留熱除去系ポンプ６が通
常に作動した場合には、大きなポンプ容量があるため、
スプレイヘッダ21内の圧力は高くなり、ノズル22におけ
るノズルキャップ23は散布口11から離脱し、スプレイヘ
ッダ21に設けられた全てのノズル９，22の散布口11から
大量の冷却水が微小の液滴となって原子炉格納容器１内
へスプレイされる。

【００４３】万一、原子炉冷却材喪失事故に際して残留
熱除去系ポンプ６が故障し、代替ポンプ10を使用して冷
却を行う苛酷事故の場合には、代替ポンプ10としては、
例えば消火用のポンプや、プラント外部から運搬してき
たポンプ等が使用され、この場合のポンプの容量は、前
記残留熱除去系ポンプ６より小さい。

【００４４】この容量の小さい代替ポンプ10を使用して
原子炉格納容器１内の冷却をする場合には、スプレイヘ
ッダ21内の水圧が低いことから大部分のノズルキャップ
23が装着されたノズル22は、その散布口11が閉塞されて
いる。

【００４５】しかし、ノズルキャップ23のないノズル９
は散布口11は開放されているが、数が少ないため小流量
でもノズル９には十分な水圧が加わるので、散布口11か
らは微小な液滴のスプレイとなり、原子炉格納容器１内
の冷却が良好に行える。

【００４６】なお、その後に残留熱除去系ポンプ６が正
常に作動された時には、スプレイヘッダ21内の水圧が上
昇することから、ノズル22におけるノズルキャップ23は
全て自動的に離脱して散布口11は開放されるので、全ノ
ズル９，22から微小な液滴のスプレイが原子炉格納容器
１内に噴出され、内部の冷却が良好に行える。

【００４７】図９の一部切欠き平面図は第３実施例にお
ける他の実施例を示す。スプレイヘッダ21に多数配設し
た全てのノズル24は、夫々に設けられた複数の散布口11
のうち、（図９の例では３個）１個のスプレイ散布口11
にはノズルキャップ23を取付けず、残りの２個スプレイ
散布口11には、ノズルキャップ23を装着した構成として
いる。

【００４８】本他の実施例においても、上記図８に示し
た第３実施例と同様に冷却水が少流量の場合にも、原子
炉格納容器１内へ微小な液滴によるスプレイが実施で
き、効率の良好な冷却を行うことができる。

【００４９】以上のようにスプレイヘッダ21にノズルキ
ャップ23を取付けないノズル９と、ノズルキャップ23を
装着したノズル22を組み合わせて配設することにより、
容量の異なる代替ポンプ10を用いてスプレイヘッダ21に
冷却水を送った場合に、使用するスプレイノズルは自動
的に定められて、スプレイ液滴は霧状の細かな水滴とな
り、原子炉格納容器１内へ散布される。

【００５０】従って、代替ポンプ10によるスプレイで
も、本来の残留熱除去系ポンプ６によるスプレイでもス
プレイ水は熱伝達の観点から最も好ましい霧状の水滴に
なる。その結果、原子炉格納容器１の除熱が良好に行わ
れ、原子炉格納容器１の健全性を維持することができ
る。

【００５１】なお、上記第３実施例における実施態様項
としては、次のものがある。「原子炉格納容器内に設置
されて多数のノズルを備えたスプレイヘッダにより冷却
水をスプレイすることにより原子炉格納容器内の冷却を
行うスプレイ装置において、前記ノズルの先端に設けた
複数の散布口の一部に所定圧力が加わった時に離脱する
ノズルキャップを装着したことを特徴とする原子炉格納
容器のスプレイ装置」。

【００５２】

【発明の効果】以上本発明によれば、原子炉格納容器内
の注水冷却に際して、小容量ポンプによる注水の場合で
も、微小な液滴によるスプレイが行われるため、万一の
苛酷事故時においても、代替注水系ポンプによる原子炉
格納容器内の冷却効率が向上できる。従って、原子炉格
納容器の内部における圧力上昇の抑制と除染をして、健
全性を維持する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る第１実施例のスプレイ装置の平面
図。

【図２】本発明に係る第２実施例でスプレイヘッダの一
部切欠き平面図。

【図３】本発明に係る第３実施例でノズルの一部切欠き
平面図。

【図４】本発明に係る原子炉格納容器の圧力の比較特性
図。

【図５】本発明に係る第２実施例で小流量時の作動説明
図。

【図６】本発明に係る第２実施例で小流量時の作動説明
図。

【図７】本発明に係る第２実施例で原子炉格納容器の縦
断面図。

【図８】本発明に係る第３実施例でノズルの配列を示す
スプレイヘッダの平面図。

【図９】本発明に係る第３実施例の他の実施例でノズル
の一部切欠き平面図。

【図１０】従来の原子炉格納容器の縦断面図。

【図１１】従来のスプレイ装置の平面図。

【図１２】従来のスプレイヘッダの平面図。

【図１３】従来のノズルの一部切欠き平面図。

【符号の説明】

１…原子炉格納容器、２…ドライウェル、３…ベント
管、４…サプレッションチェンバ、５…プール水、６…
残留熱除去系ポンプ、７…原子炉、８，12ａ〜12ｄ，16
ａ，16ｂ，21…スプレイヘッダ、９，22，24…ノズル、
10…代替ポンプ、11…散布口、13ａ〜13ｄ…止め弁、14
…従来の場合の圧力、15…本発明の場合の圧力、17…端
栓部、18…バネ、19…邪魔板、20…案内棒、23…ノズル
キャップ。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原子炉格納容器内に設置されて多数のノ
   ズルを備えたスプレイヘッダにより冷却水をスプレイす
   ることにより原子炉格納容器内の冷却を行うスプレイ装
   置において、前記スプレイヘッダを複数に分割して設け
   ると共に各スプレイヘッダへの各給水配管に止め弁を設
   けたことを特徴とする原子炉格納容器のスプレイ装置。
2. 【請求項２】 原子炉格納容器内に設置されて多数のノ
   ズルを備えたスプレイヘッダにより冷却水をスプレイす
   ることにより原子炉格納容器内の冷却を行うスプレイ装
   置において、環状のスプレイヘッダを複数に分割すると
   共に各スプレイヘッダ内に端栓部から伸びるバネとこれ
   に結合して摺動可能な邪魔板を設けたことを特徴とする
   原子炉格納容器のスプレイ装置。
3. 【請求項３】 原子炉格納容器内に設置されて多数のノ
   ズルを備えたスプレイヘッダにより冷却水をスプレイす
   ることにより原子炉格納容器内の冷却を行うスプレイ装
   置において、前記多数のノズルの一部に設定値以上の圧
   力が加わった時に離脱するノズルキャップを散布口に装
   着したことを特徴とする原子炉格納容器のスプレイ装
   置。