JPH06308029A - ガス成分濃度の計測方法および計測装置 - Google Patents
ガス成分濃度の計測方法および計測装置Info
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- JPH06308029A JPH06308029A JP9964693A JP9964693A JPH06308029A JP H06308029 A JPH06308029 A JP H06308029A JP 9964693 A JP9964693 A JP 9964693A JP 9964693 A JP9964693 A JP 9964693A JP H06308029 A JPH06308029 A JP H06308029A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- measurement
- measuring
- laser
- light
- fluorescence
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B3/00—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
- F02B3/06—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
Landscapes
- Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】従来計測が困難であったバーナ等の機関におけ
る二次元ガス成分濃度を定量的に計測可能なガス成分濃
度の計測方法および計測装置を提供すること。 【構成】測定場Dに存在する測定分子の電子エネルギー
遷移に対応する波長の光を上記測定場Dに対して照射す
る光照射手段1 と、この光照射手段1 による光の照射開
始時刻t0を基準時刻として複数の順次異なる時間遅れを
もった計測期間を設定する計測期間設定手段7 と、この
計測期間設定手段7 により設定された計測期間において
前記光照射手段1 による光の照射により前記測定場Dに
誘起された蛍光の強度を順次計測する計測手段5 と、こ
の計測手段5 により順次計測した各蛍光の強度の比に基
づいて前記測定場Dに存在する測定分子の濃度を判定す
る手段8 とを備えている。
る二次元ガス成分濃度を定量的に計測可能なガス成分濃
度の計測方法および計測装置を提供すること。 【構成】測定場Dに存在する測定分子の電子エネルギー
遷移に対応する波長の光を上記測定場Dに対して照射す
る光照射手段1 と、この光照射手段1 による光の照射開
始時刻t0を基準時刻として複数の順次異なる時間遅れを
もった計測期間を設定する計測期間設定手段7 と、この
計測期間設定手段7 により設定された計測期間において
前記光照射手段1 による光の照射により前記測定場Dに
誘起された蛍光の強度を順次計測する計測手段5 と、こ
の計測手段5 により順次計測した各蛍光の強度の比に基
づいて前記測定場Dに存在する測定分子の濃度を判定す
る手段8 とを備えている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービン,ディー
ゼルエンジン,ボイラ,バーナ等の各種機関の低公害化
および高効率化をはかる上で有用な、レーザ誘起蛍光法
を用いたガス成分濃度の計測方法および計測装置に関す
る。
ゼルエンジン,ボイラ,バーナ等の各種機関の低公害化
および高効率化をはかる上で有用な、レーザ誘起蛍光法
を用いたガス成分濃度の計測方法および計測装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図4はレーザ誘起蛍光法の原理を説明す
るための図で、同レーザ誘起蛍光法におけるエネルギー
準位間の遷移過程を示す図である。レーザ誘起蛍光法で
は、入射光として測定分子の電子エネルギー差に対応す
る波長の光が選択される。たとえば、測定分子がNOで
あれば、225.83nmの波長の光が選択される。入
射光の吸収により測定分子は下位電子準位から上位電子
準位へと励起される。入射光の吸収過程Aに続き、測定
分子は放射過程Bや衝突過程Cを経て安定した規定準位
へ戻る。このとき観察される光が蛍光である。
るための図で、同レーザ誘起蛍光法におけるエネルギー
準位間の遷移過程を示す図である。レーザ誘起蛍光法で
は、入射光として測定分子の電子エネルギー差に対応す
る波長の光が選択される。たとえば、測定分子がNOで
あれば、225.83nmの波長の光が選択される。入
射光の吸収により測定分子は下位電子準位から上位電子
準位へと励起される。入射光の吸収過程Aに続き、測定
分子は放射過程Bや衝突過程Cを経て安定した規定準位
へ戻る。このとき観察される光が蛍光である。
【0003】図5はレーザ誘起蛍光法を用いた従来のガ
ス成分濃度の計測装置の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、励起用パルスレーザ1により色素レ
ーザ2を発振動作させ、測定場Dにおける測定分子の電
子エネルギーに対応した波長のレーザ光を出射させる
と、出射したレーザ光はビームエキスパンダー3におい
てシート状のものに変換された後、測定場Dに入射す
る。入射したレーザ光により測定場Dにおいて励起され
た測定分子から生じる蛍光は、レンズ4で集光されてC
CD撮像素子などからなる信号光検出器5に入射する。
かくして信号光検出器5において検出された信号光に基
づいて蛍光強度が計測される。信号光検出器5は同期ラ
イン6を介して前記色素レーザ2から同期信号を与えら
れて、上記色素レーザ2の発振に同期して作動するもの
となっている。
ス成分濃度の計測装置の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、励起用パルスレーザ1により色素レ
ーザ2を発振動作させ、測定場Dにおける測定分子の電
子エネルギーに対応した波長のレーザ光を出射させる
と、出射したレーザ光はビームエキスパンダー3におい
てシート状のものに変換された後、測定場Dに入射す
る。入射したレーザ光により測定場Dにおいて励起され
た測定分子から生じる蛍光は、レンズ4で集光されてC
CD撮像素子などからなる信号光検出器5に入射する。
かくして信号光検出器5において検出された信号光に基
づいて蛍光強度が計測される。信号光検出器5は同期ラ
イン6を介して前記色素レーザ2から同期信号を与えら
れて、上記色素レーザ2の発振に同期して作動するもの
となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のレーザ
誘起蛍光法を用いた濃度計測手段には次のような問題が
あった。すなわち測定分子のガス成分濃度は、測定場D
に誘起した蛍光強度により決定される。しかしながらガ
ス成分濃度を正確に求めるためには、測定分子と他分子
との衝突による影響を取り除く必要がある。すなわち一
般に励起された分子と他分子とが衝突すると消光が起こ
る。この消光過程は、光を放射しない無放射過程である
ために、レーザ誘起蛍光法を用いて濃度計測を定量的に
行なうためには、上記衝突による消光過程を定量的に見
積る必要がある。上記衝突による消光過程は、測定場D
に存在する化学種濃度に依存する。このため測定場Dに
おける高濃度な化学種濃度を知ることが必要となる。し
かるに一般に燃焼場などの化学種濃度が変化する場で
は、測定場すべてに亘って高濃度な化学種濃度を知るこ
とは極めて困難である。したがってガス成分濃度を定量
的に計測することが困難であった。
誘起蛍光法を用いた濃度計測手段には次のような問題が
あった。すなわち測定分子のガス成分濃度は、測定場D
に誘起した蛍光強度により決定される。しかしながらガ
ス成分濃度を正確に求めるためには、測定分子と他分子
との衝突による影響を取り除く必要がある。すなわち一
般に励起された分子と他分子とが衝突すると消光が起こ
る。この消光過程は、光を放射しない無放射過程である
ために、レーザ誘起蛍光法を用いて濃度計測を定量的に
行なうためには、上記衝突による消光過程を定量的に見
積る必要がある。上記衝突による消光過程は、測定場D
に存在する化学種濃度に依存する。このため測定場Dに
おける高濃度な化学種濃度を知ることが必要となる。し
かるに一般に燃焼場などの化学種濃度が変化する場で
は、測定場すべてに亘って高濃度な化学種濃度を知るこ
とは極めて困難である。したがってガス成分濃度を定量
的に計測することが困難であった。
【0005】なお、分子どうしの衝突による影響を取り
除く方法として、所謂飽和蛍光法がある。しかるにこの
飽和蛍光法を実施するには、非常に高いエネルギーを有
するレーザ光が必要となるほか、測定分子に分解が起こ
る等の問題があり、実用的でない。
除く方法として、所謂飽和蛍光法がある。しかるにこの
飽和蛍光法を実施するには、非常に高いエネルギーを有
するレーザ光が必要となるほか、測定分子に分解が起こ
る等の問題があり、実用的でない。
【0006】本発明の目的は、従来は計測が困難であっ
たガスタービン,ディーゼルエンジン,ボイラ,バーナ
等の各種機関における二次元ガス成分濃度を、定量的に
計測可能なレーザ誘起蛍光法を用いたガス成分濃度の計
測方法および計測装置を提供することにある。
たガスタービン,ディーゼルエンジン,ボイラ,バーナ
等の各種機関における二次元ガス成分濃度を、定量的に
計測可能なレーザ誘起蛍光法を用いたガス成分濃度の計
測方法および計測装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために本発明では次のような手段を講じた。 (1)本発明のレーザ誘起蛍光法を用いたガス成分濃度の
計測方法は、測定場に存在する測定分子の電子エネルギ
ー遷移に対応する波長の光を上記測定場に対して照射す
ると共に、この光の照射により上記測定場に誘起された
蛍光の強度を複数の異なる時間的ずれをもって順次計測
し、この順次計測した前記各蛍光の強度の比に基づい
て、前記測定場に存在する測定分子の濃度を判定するよ
うにした。
達成するために本発明では次のような手段を講じた。 (1)本発明のレーザ誘起蛍光法を用いたガス成分濃度の
計測方法は、測定場に存在する測定分子の電子エネルギ
ー遷移に対応する波長の光を上記測定場に対して照射す
ると共に、この光の照射により上記測定場に誘起された
蛍光の強度を複数の異なる時間的ずれをもって順次計測
し、この順次計測した前記各蛍光の強度の比に基づい
て、前記測定場に存在する測定分子の濃度を判定するよ
うにした。
【0008】(2)本発明のレーザ誘起蛍光法を用いたガ
ス成分濃度の計測装置は、測定場に存在する測定分子の
電子エネルギー遷移に対応する波長の光を上記測定場に
対して照射する光照射手段と、この光照射手段による光
の照射開始時刻を基準時刻として複数の順次異なる時間
遅れをもった計測期間を設定する計測期間設定手段と、
この計測期間設定手段により設定された計測期間におい
て前記光照射手段による光の照射により前記測定場に誘
起された蛍光の強度を順次計測する計測手段と、この計
測手段により順次計測した各蛍光強度の比に基づいて前
記測定場に存在する測定分子の濃度を判定する手段と、
を備えるようにした。
ス成分濃度の計測装置は、測定場に存在する測定分子の
電子エネルギー遷移に対応する波長の光を上記測定場に
対して照射する光照射手段と、この光照射手段による光
の照射開始時刻を基準時刻として複数の順次異なる時間
遅れをもった計測期間を設定する計測期間設定手段と、
この計測期間設定手段により設定された計測期間におい
て前記光照射手段による光の照射により前記測定場に誘
起された蛍光の強度を順次計測する計測手段と、この計
測手段により順次計測した各蛍光強度の比に基づいて前
記測定場に存在する測定分子の濃度を判定する手段と、
を備えるようにした。
【0009】
【作用】上記手段を講じた結果、次のような作用が生じ
る。 (1)本発明の計測方法によれば、レーザ光の照射開始時
刻から所定時刻づつ遅らせた複数のタイミングで蛍光強
度が検出されることにより、当該蛍光強度の減衰状況が
求められる。この蛍光強度の減衰状況から測定分子と他
分子との衝突による影響が直接的に検知されることにな
る。その結果、従来計測困難とされていたバーナやター
ビン等の各種機関における二次元ガス成分濃度が定量的
に計測され得るものとなる。 (2)本発明の計測装置によれば、上記二次元ガス成分濃
度の定量的な計測が、安定かつ適確に行なわれ、容易に
実施可能となる。
る。 (1)本発明の計測方法によれば、レーザ光の照射開始時
刻から所定時刻づつ遅らせた複数のタイミングで蛍光強
度が検出されることにより、当該蛍光強度の減衰状況が
求められる。この蛍光強度の減衰状況から測定分子と他
分子との衝突による影響が直接的に検知されることにな
る。その結果、従来計測困難とされていたバーナやター
ビン等の各種機関における二次元ガス成分濃度が定量的
に計測され得るものとなる。 (2)本発明の計測装置によれば、上記二次元ガス成分濃
度の定量的な計測が、安定かつ適確に行なわれ、容易に
実施可能となる。
【0010】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係るレーザ誘起蛍
光法を用いたガス成分濃度の計測装置の構成を示すブロ
ック図である。なお図5と同一機能部分には同一符号が
付されている。図1に示すように、励起用パルスレーザ
1により色素レーザ2を発振動作させると、色素レーザ
2から測定場Dにおける測定分子の電子エネルギーに対
応した波長のレーザ光が出射する。この出射したレーザ
光は、ビームエキスパンダー3においてシート状のもの
に変換された後、測定場Dに入射する。入射したレーザ
光によって測定場Dで励起された測定分子から生じる蛍
光は、レンズ4で集光されてCCD撮像素子などからな
る信号光検出器5に入射する。かくして信号光検出器5
において検出された信号光に基づいて蛍光強度が計測さ
れる。信号光検出器5は同期ライン6に介在させた計測
期間設定手段としてのタイミングパルス発生器7を介し
て、前記色素レーザ2からの同期信号に基づくタイミン
グパルスを与えられ、所定の計測期間において計測動作
を行なう。すなわち色素レーザ2による光の照射により
上記測定場Dに誘起された蛍光の強度を、複数の異なる
時間的ずれをもって順次計測する。8は判定手段であ
り、上記の如く順次計測した前記各蛍光強度の比に基づ
いて、前記測定場Dに存在する測定分子の濃度を判定す
るものとなっている。
光法を用いたガス成分濃度の計測装置の構成を示すブロ
ック図である。なお図5と同一機能部分には同一符号が
付されている。図1に示すように、励起用パルスレーザ
1により色素レーザ2を発振動作させると、色素レーザ
2から測定場Dにおける測定分子の電子エネルギーに対
応した波長のレーザ光が出射する。この出射したレーザ
光は、ビームエキスパンダー3においてシート状のもの
に変換された後、測定場Dに入射する。入射したレーザ
光によって測定場Dで励起された測定分子から生じる蛍
光は、レンズ4で集光されてCCD撮像素子などからな
る信号光検出器5に入射する。かくして信号光検出器5
において検出された信号光に基づいて蛍光強度が計測さ
れる。信号光検出器5は同期ライン6に介在させた計測
期間設定手段としてのタイミングパルス発生器7を介し
て、前記色素レーザ2からの同期信号に基づくタイミン
グパルスを与えられ、所定の計測期間において計測動作
を行なう。すなわち色素レーザ2による光の照射により
上記測定場Dに誘起された蛍光の強度を、複数の異なる
時間的ずれをもって順次計測する。8は判定手段であ
り、上記の如く順次計測した前記各蛍光強度の比に基づ
いて、前記測定場Dに存在する測定分子の濃度を判定す
るものとなっている。
【0011】図2は上記色素レーザ2から出射されるレ
ーザ光および測定場Dで誘起された蛍光と、計測期間設
定手段としてのタイミングパルス発生器7により設定さ
れた信号光検出器5における計測期間T1,T2,T3…との時
間的関係を示すタイミング図である。図2に示すよう
に、第1計測期間T1は、レーザ光の照射開始時刻t0と同
時刻に計測を開始する如く設定された期間である。第2
計測期間T2は、上記開始時刻t0より所定時間だけ遅れた
時刻t1から計測を開始する如く設定された期間である。
第3計測期間T3は、上記時刻t1からさらに所定時間だけ
遅れた時刻t2から計測を開始する如く設定された期間で
ある。このように計測開始時刻をずらされた各計測期間
T1,T2,T3…において、前記測定場Dで誘起された蛍光の
強度が順次計測されることになる。なお上記時間的なず
れ幅は、nS(ナノセコンド)オーダの微小時間幅であ
る。このように計測開始時刻をt0,t1,t2…と順次ずらし
て蛍光強度が計測される結果、蛍光強度の減衰状況が分
る。そしてこの蛍光強度の減衰状況から測定分子と他分
子との衝突による影響を見積ることが可能となる。次に
本実施例の作用を詳細に説明する。一般にレーザ誘起蛍
光法により得られる蛍光強度は、以下の(1) 式で表すよ
うに、時間の経過に伴って減衰する。
ーザ光および測定場Dで誘起された蛍光と、計測期間設
定手段としてのタイミングパルス発生器7により設定さ
れた信号光検出器5における計測期間T1,T2,T3…との時
間的関係を示すタイミング図である。図2に示すよう
に、第1計測期間T1は、レーザ光の照射開始時刻t0と同
時刻に計測を開始する如く設定された期間である。第2
計測期間T2は、上記開始時刻t0より所定時間だけ遅れた
時刻t1から計測を開始する如く設定された期間である。
第3計測期間T3は、上記時刻t1からさらに所定時間だけ
遅れた時刻t2から計測を開始する如く設定された期間で
ある。このように計測開始時刻をずらされた各計測期間
T1,T2,T3…において、前記測定場Dで誘起された蛍光の
強度が順次計測されることになる。なお上記時間的なず
れ幅は、nS(ナノセコンド)オーダの微小時間幅であ
る。このように計測開始時刻をt0,t1,t2…と順次ずらし
て蛍光強度が計測される結果、蛍光強度の減衰状況が分
る。そしてこの蛍光強度の減衰状況から測定分子と他分
子との衝突による影響を見積ることが可能となる。次に
本実施例の作用を詳細に説明する。一般にレーザ誘起蛍
光法により得られる蛍光強度は、以下の(1) 式で表すよ
うに、時間の経過に伴って減衰する。
【0012】
【数1】
【0013】ただし上式中、P(t) は時刻t の蛍光強
度、t は時間、Qは他分子との衝突による消光速度、A
は測定分子のアインシュタインA係数である。したがっ
て図3の(a)に示すように、計測開始時刻t0,t1,t2…
での蛍光強度はレーザ光強度をI(t) とすると次に示す
(2) 式で与えられる。
度、t は時間、Qは他分子との衝突による消光速度、A
は測定分子のアインシュタインA係数である。したがっ
て図3の(a)に示すように、計測開始時刻t0,t1,t2…
での蛍光強度はレーザ光強度をI(t) とすると次に示す
(2) 式で与えられる。
【0014】
【数2】
【0015】したがって各計測開始時刻での蛍光強度と
理論計算とを照合する事により、衝突の影響度を見積る
ことが可能となる。図3の(b)は計測開始時刻に対す
る消光速度毎の蛍光強度の減衰のもようを示す図で、Q
a 〜Qd は衝突による消光速度例を示している。図3の
(b)に示す関係は予め計算により求めることができ
る。すなわち時間をずらして2点M,N間で蛍光強度を
測定し、減衰曲線を得ることによってQの値が定まる。
Qの値が定まると、例えばNOの濃度nは n=α1 I=α2 /Q ただしIはt0での蛍光強度、α1 およびα2 は比例定数
である。
理論計算とを照合する事により、衝突の影響度を見積る
ことが可能となる。図3の(b)は計測開始時刻に対す
る消光速度毎の蛍光強度の減衰のもようを示す図で、Q
a 〜Qd は衝突による消光速度例を示している。図3の
(b)に示す関係は予め計算により求めることができ
る。すなわち時間をずらして2点M,N間で蛍光強度を
測定し、減衰曲線を得ることによってQの値が定まる。
Qの値が定まると、例えばNOの濃度nは n=α1 I=α2 /Q ただしIはt0での蛍光強度、α1 およびα2 は比例定数
である。
【0016】一般にQは測定場Dに存在する化学種濃度
(N2 ,O2 ,H2 O…)の関数であり、 Q=β N2 X N2 +β H2 O Χ H2 O +β O2 X O2 +… ただしβ N2 は N2 における衝突係数、X N2 は N2 の
濃度である。
(N2 ,O2 ,H2 O…)の関数であり、 Q=β N2 X N2 +β H2 O Χ H2 O +β O2 X O2 +… ただしβ N2 は N2 における衝突係数、X N2 は N2 の
濃度である。
【0017】一般にβの値は化学種により大きく異な
り、例えば β N2 =106 ,β H2 O =108 のようになる。NO濃度を求めるためにはQの値を求め
る必要があるが、本実施例においては、Qの値を化学種
濃度( N2 , H2 O , O2 …)から求めずに蛍光強度の
減衰状況から求めることが可能となる。因みにNO濃度
が同一でも、その測定場に存在する他の化学種の濃度比
が異なるために、Qが異なる例を示すと下記の通りであ
る。
り、例えば β N2 =106 ,β H2 O =108 のようになる。NO濃度を求めるためにはQの値を求め
る必要があるが、本実施例においては、Qの値を化学種
濃度( N2 , H2 O , O2 …)から求めずに蛍光強度の
減衰状況から求めることが可能となる。因みにNO濃度
が同一でも、その測定場に存在する他の化学種の濃度比
が異なるために、Qが異なる例を示すと下記の通りであ
る。
【0018】測定場D1[NO=500ppm ] H2 O …10% N2 …70% CO2 …20%Q=Q1 測定場D2[NO=500ppm ] H2 O …15% N2 …60% CO2 …25%Q=Q2 したがって図3の(b)に示すような曲線を予め計算に
よって求めておけば、目的とする化学種の濃度が求めら
れる。なお本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能
であるのは勿論である。
よって求めておけば、目的とする化学種の濃度が求めら
れる。なお本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能
であるのは勿論である。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、次のような作用効果が
期待できる。 (1)本発明の計測方法によれば、レーザ光の照射開始時
刻から所定時刻づつ遅らせた複数のタイミングで蛍光強
度が検出されることにより、当該蛍光強度の減衰状況が
求められる。この蛍光強度の減衰状況から測定分子と他
分子との衝突による影響が直接的に検知されることにな
る。その結果、従来計測困難とされていたバーナやター
ビン等の各種機関における二次元ガス成分濃度が定量的
に計測され得るものとなる。 (2)本発明の計測装置によれば、上記二次元ガス成分濃
度の定量的な計測が、安定かつ適確に行なわれ、容易に
実施可能となる。
期待できる。 (1)本発明の計測方法によれば、レーザ光の照射開始時
刻から所定時刻づつ遅らせた複数のタイミングで蛍光強
度が検出されることにより、当該蛍光強度の減衰状況が
求められる。この蛍光強度の減衰状況から測定分子と他
分子との衝突による影響が直接的に検知されることにな
る。その結果、従来計測困難とされていたバーナやター
ビン等の各種機関における二次元ガス成分濃度が定量的
に計測され得るものとなる。 (2)本発明の計測装置によれば、上記二次元ガス成分濃
度の定量的な計測が、安定かつ適確に行なわれ、容易に
実施可能となる。
【図1】本発明の一実施例に係るレーザ誘起蛍光法を用
いたガス成分濃度の計測装置の構成を示すブロック図。
いたガス成分濃度の計測装置の構成を示すブロック図。
【図2】同実施例に係る色素レーザから出射されるレー
ザ光および測定場で誘起された蛍光と、計測期間設定手
段としてのタイミングパルス発生器により設定された信
号光検出器における計測期間との時間的関係を示すタイ
ミング図。
ザ光および測定場で誘起された蛍光と、計測期間設定手
段としてのタイミングパルス発生器により設定された信
号光検出器における計測期間との時間的関係を示すタイ
ミング図。
【図3】(a)(b)は同実施例に係る作用説明図で、
計測時刻に対する蛍光強度の減衰の関係を示す特性図。
計測時刻に対する蛍光強度の減衰の関係を示す特性図。
【図4】一般のレーザ誘起蛍光法の原理を説明するため
の図で、同法におけるエネルギー準位間の遷移過程を示
す図。
の図で、同法におけるエネルギー準位間の遷移過程を示
す図。
【図5】従来例に係るレーザ誘起蛍光法を用いたガス成
分濃度の計測装置の構成を示すブロック図。
分濃度の計測装置の構成を示すブロック図。
1…励起用パルスレーザ 2…色素
レーザ 3…ビームエキスパンダー 4…レン
ズ 5…信号光検出器 6…同期
ライン 7…タイミングパルス発生器 8…判定
手段 D…測定場
レーザ 3…ビームエキスパンダー 4…レン
ズ 5…信号光検出器 6…同期
ライン 7…タイミングパルス発生器 8…判定
手段 D…測定場
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】したがって各計測開始時刻での蛍光強度と
理論計算とを照合する事により、衝突の影響度を見積る
ことが可能となる。図3の(b)は計測開始時刻に対す
る消光速度毎の蛍光強度の減衰のもようを示す図で、Q
a 〜Qd は衝突による消光速度例を示している。図3の
(b)に示す関係は予め計算により求めることができ
る。すなわち時間をずらして2点M,N間で蛍光強度を
測定し、減衰曲線を得ることによってQの値が定まる。
Qの値が定まると、例えばNOの濃度nは n=α1 I(Q+A) ただしIはt0での蛍光強度、α1 は比例定数である。
理論計算とを照合する事により、衝突の影響度を見積る
ことが可能となる。図3の(b)は計測開始時刻に対す
る消光速度毎の蛍光強度の減衰のもようを示す図で、Q
a 〜Qd は衝突による消光速度例を示している。図3の
(b)に示す関係は予め計算により求めることができ
る。すなわち時間をずらして2点M,N間で蛍光強度を
測定し、減衰曲線を得ることによってQの値が定まる。
Qの値が定まると、例えばNOの濃度nは n=α1 I(Q+A) ただしIはt0での蛍光強度、α1 は比例定数である。
Claims (2)
- 【請求項1】測定場に存在する測定分子の電子エネルギ
ー遷移に対応する波長の光を上記測定場に対して照射す
ると共に、この光の照射により上記測定場に誘起された
蛍光の強度を複数の異なる時間的ずれをもって順次計測
し、この順次計測した前記各蛍光の強度の比に基づい
て、前記測定場に存在する測定分子の濃度を判定するこ
とを特徴とするレーザ誘起蛍光法を用いたガス成分濃度
の計測方法。 - 【請求項2】測定場に存在する測定分子の電子エネルギ
ー遷移に対応する波長の光を上記測定場に対して照射す
る光照射手段と、この光照射手段による光の照射開始時
刻を基準時刻として複数の順次異なる時間遅れをもった
計測期間を設定する計測期間設定手段と、この計測期間
設定手段により設定された計測期間において前記光照射
手段による光の照射により前記測定場に誘起された蛍光
の強度を順次計測する計測手段と、この計測手段により
順次計測した各蛍光強度の比に基づいて前記測定場に存
在する測定分子の濃度を判定する手段と、を具備したこ
とを特徴とするレーザ誘起蛍光法を用いたガス成分濃度
の計測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9964693A JPH06308029A (ja) | 1993-04-26 | 1993-04-26 | ガス成分濃度の計測方法および計測装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9964693A JPH06308029A (ja) | 1993-04-26 | 1993-04-26 | ガス成分濃度の計測方法および計測装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06308029A true JPH06308029A (ja) | 1994-11-04 |
Family
ID=14252824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9964693A Pending JPH06308029A (ja) | 1993-04-26 | 1993-04-26 | ガス成分濃度の計測方法および計測装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06308029A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102706850A (zh) * | 2012-06-25 | 2012-10-03 | 哈尔滨工业大学 | 基于激光诱导等离子体光谱的定标方法和装置及测量可燃气体与氧化剂当量比的方法和装置 |
CN117129459A (zh) * | 2023-10-26 | 2023-11-28 | 天津创盾智能科技有限公司 | 一种激光诱导荧光检测气溶胶的方法及系统 |
-
1993
- 1993-04-26 JP JP9964693A patent/JPH06308029A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102706850A (zh) * | 2012-06-25 | 2012-10-03 | 哈尔滨工业大学 | 基于激光诱导等离子体光谱的定标方法和装置及测量可燃气体与氧化剂当量比的方法和装置 |
CN117129459A (zh) * | 2023-10-26 | 2023-11-28 | 天津创盾智能科技有限公司 | 一种激光诱导荧光检测气溶胶的方法及系统 |
CN117129459B (zh) * | 2023-10-26 | 2023-12-26 | 天津创盾智能科技有限公司 | 一种激光诱导荧光检测气溶胶的方法及系统 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20001205 |