JPH0630773A - 微生物固定体およびその製造法 - Google Patents

微生物固定体およびその製造法

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JPH0630773A
JPH0630773A JP21346192A JP21346192A JPH0630773A JP H0630773 A JPH0630773 A JP H0630773A JP 21346192 A JP21346192 A JP 21346192A JP 21346192 A JP21346192 A JP 21346192A JP H0630773 A JPH0630773 A JP H0630773A
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JP
Japan
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sheet
intermittent
porous sheet
hydrophilic
microorganism
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JP21346192A
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English (en)
Inventor
Michio Arai
倫夫 新井
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KYOTO KARITASU KK
Original Assignee
KYOTO KARITASU KK
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  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バイオリアクター設計のために充分な機械的
強度があり、処理中の微生物の散逸防止が図られ、微生
物選択の自由度が高く、複数種の微生物の独立した使い
方も可能で、しかも量産可能な微生物固定体を提供する
こと、およびそのような微生物固定体を製造する方法を
提供することを目的とする。 【構成】 紙、織布などの多孔質シート(1) に、微生物
菌体含有組成物の断続付着部(2a)と、該断続付着部(2a)
を相互に隔離する紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物から
なる隔壁付着部(2b)とを設け、かつこれらの付着部(2)
を設けた多孔質シート(1) の少なくとも片面に親水性透
明シート層(3) を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一種のバイオリアクタ
ーである微生物固定体に関するものである。またそのよ
うな微生物固定体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、酒類、医薬品などの製
造、工場廃液の分解清浄化などの目的に微生物の反応が
利用されている。従来、これらの微生物は、酒類製造の
場合のように醗酵後に熱殺菌されるか、活性汚泥処理法
におけるように使用後に廃棄されていた。
【0003】最近、微生物を固定して反応工程に組み込
むことにより、微生物を繰り返し使用する効率的方法が
採用されるようになってきている。この場合、使用者の
必要に応じて、特定の微生物をそれぞれの使用目的に合
わせて反応系ごとに培養し、その微生物培養液のゲルを
作成するという固定化方法が採用される。
【0004】微生物の固定化のために従来採られている
方法としては、微生物を培養した微生物懸濁液にアルギ
ン酸ソーダやカラギーナンなどの成形助剤を添加してゲ
ル化成形する方法、光硬化性樹脂と微生物培養液とを混
合して光硬化する方法、多孔質物質(たとえばセルロー
スや陶器)に微生物を培養した液を吸着させる方法など
が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】微生物を培養した微生
物懸濁液にアルギン酸ソーダやカラギーナンなどの成形
助剤を添加してゲル化成形する方法は、微生物固定体の
機械的強度が小さい上、廃液等の処理中に微生物が溶出
しやすく、処理機器(バイオリアクター)の設計が制約
されるという問題点がある。
【0006】光硬化性樹脂と微生物培養液とを混合して
光硬化する方法は、微生物の培養繁殖に影響を与えるよ
うな光硬化性樹脂は使用できないこと、微生物懸濁液に
自由混合しうる水溶性の光硬化性樹脂には制限があるこ
と、光硬化後に良好な物性を確保するためには樹脂をか
なり多量に混合する必要があるため、全体としての微生
物の含有量が少なくなること、光硬化反応は発熱反応で
あるところ、硬化反応時の発熱が微生物に影響を与え、
微生物が死滅することがあること、液体樹脂が光硬化す
るときには硬化収縮があるため、樹脂の収縮により微生
物が圧殺消滅することがあることなどの問題点がある。
【0007】微生物をセルロースや陶器などの多孔質物
質に吸着させる方法は、使用中に微生物が拡散逸脱する
ことを免かれず、また多孔質物質に他の雑菌が繁殖した
りカビが発生したりするなど欠点が多い。
【0008】本発明は、このような背景下において、バ
イオリアクター設計のために充分な機械的強度があり、
処理中の微生物の散逸防止が図られ、微生物選択の自由
度が高く、複数種の微生物の独立した使い方も可能で、
しかも量産可能な微生物固定体を提供すること、および
そのような微生物固定体を製造する方法を提供すること
を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の微生物固定体
は、多孔質シート(1) に、微生物菌体含有組成物の断続
付着部(2a)と、該断続付着部(2a)を相互に隔離する紫外
線硬化型樹脂組成物の硬化物からなる隔壁付着部(2b)と
が設けられ、かつこれらの付着部(2) を設けた多孔質シ
ート(1) の少なくとも片面には親水性透明シート層(3)
が設けられた構成を有するものである。
【0010】また本発明の微生物固定体の製造法は、多
孔質シート(1) に、微生物菌体含有組成物の断続付着部
(2a)と、該断続付着部(2a)を相互に隔離する紫外線硬化
型樹脂組成物の隔壁付着部(2b)とを設け、さらにこれら
の付着部(2) を設けた多孔質シート(1) の少なくとも片
面に親水性透明シート層(3) を設けて紫外線照射するこ
とを特徴とするものである。
【0011】以下本発明を詳細に説明する。
【0012】多孔質シート(1) としては、紙、不織布、
織布、編布、連続気泡発泡体、焼成体などがあげられ、
材質はプラスチックス、セラミックス、金属、天然物な
どを用いることができる。これらの多孔質シートは、不
溶性ピリジニウム型樹脂など微生物を捕捉する能力のあ
る物質で処理したものであってもよい。
【0013】多孔質シート(1) には、微生物菌体含有組
成物の断続付着部(2a)と、該断続付着部(2a)を相互に隔
離する紫外線硬化型樹脂組成物の隔壁付着部(2b)とが設
けられる。
【0014】多孔質シート(1) に対する断続付着部(2a)
の設置は、スクリーン印刷法(捺染法)により行うこと
が望ましいが、ノズル吐出方式、インクジェット方式な
どを採用することもできる。スクリーン印刷法を採用し
た場合は、微生物菌体を多孔質シート(1) の中に充分に
圧入することができる。
【0015】微生物菌体含有組成物としては、使用目的
に対応する微生物菌体を含有する組成物が用いられる。
たとえば、プロテイン分解を目的とするときはプロテイ
ン資化性菌、メタノール分解を目的とするときはメタノ
ール資化性菌、アルコール生成を目的とするときはアル
コール生成酵母というように微生物を選定する。スクリ
ーン印刷時などに供するときの流動性をコントロールす
るため、あるいは多孔質シート(1) に付着させた後の過
度の拡散を抑制するため、多糖類、その他の糊剤を適宜
併用することができる。
【0016】断続付着部(2a)における断続パターンは、
水玉状、ドット状、楕円形状、三角形状、四角形状、五
角形以上の多角形状、ライン状、亜鈴状、星形、花弁状
など適当な形状とすることができる。
【0017】断続パターンの形成に際しては、パターン
を全て1種の微生物菌体含有組成物の付着部としてもよ
いが、複数種の微生物菌体の混合物を用いてもよい。ま
た、たとえば水玉状のパターンの形成に際し、ある水玉
はAの微生物菌体を含有する組成物の付着部、別の水玉
はBの微生物菌体を含有する組成物とするようにしても
よい。
【0018】多孔質シート(1) に対する隔壁付着部(2b)
の設置は、スクリーン印刷法(捺染法)、ノズル吐出方
式、インクジェット方式などにより行うことができる
が、断続付着部(2a)を設置した多孔質シート(1) に対
し、全面印刷、コーティング、噴霧、含浸などの手段に
より行ってもよい。
【0019】隔壁付着部(2b)における隔壁パターンは、
直交格子状、斜行格子状、亀甲状、ライン状、平面から
円を打ち抜いた形状などとすることができる。
【0020】紫外線硬化型樹脂組成物としては、親水性
基を有するモノマー、オリゴマーまたはプレポリマーか
らなる親水性硬化性成分を必須成分として含有するもの
が好適に用いられる。
【0021】ここで親水性硬化性成分としては、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−
フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリロイルモルホリン、N−メチル(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセ
トン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アク
リルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
メチルアミノネオペンチル(メタ)アクリレートなどの
モノマーが用いられ、同様に、ポリエチレングリコール
単位に代表される親水性基を有するオリゴマーやプレポ
リマーも用いることができる。上記の中では、2−ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートとアルキル(メ
タ)アクリルアミドが特に重要である。これらと共に2
−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリ
レートを併用することもできる。
【0022】上記の親水性硬化性成分のみを架橋硬化さ
せると硬化物の柔軟性、強靭性などの性質が不足するこ
とがあるので、必要に応じ、上記の親水性硬化性成分と
相溶する他の単官能または多官能の硬化性モノマーや、
官能基を有しまたは有しないオリゴマーやポリマーなど
を配合することもできる。
【0023】他の単官能または多官能の硬化性モノマー
の例としては、各種のアルキル(メタ)アクリレート、
フェノキシアルキル(メタ)アクリレート、多価アルコ
ールのモノ、ジ、トリ、テトラまたはヘキサ(メタ)ア
クリレート、ジ、トリまたはテトラアルキレングリコー
ルのジ(メタ)アクリレート、アルコキシ−ジ、トリま
たはテトラアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリ
レートなど例示され、官能基を有しまたは有しないオリ
ゴマーやポリマーの例としては、ウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート、セルロースのアクリル誘導
体、N−メトキシ−6−ナイロンなどが例示される。
【0024】上記紫外線硬化型樹脂組成物には、ベンゾ
インエーテル系、アセトフェノン系、ケタール系、ベン
ゾフェノン系などの光重合開始剤を少量(たとえば 0.1
〜5重量%程度)添加しておくが、場合によっては光重
合開始剤を添加しなくても架橋硬化反応が進むことがあ
る。
【0025】微生物菌体含有組成物の断続付着部(2a)お
よび紫外線硬化型樹脂組成物の隔壁付着部(2b)の形成後
は、これら付着部(2) を設けた多孔質シート(1) の少な
くとも片面に親水性透明シート層(3) を設けて紫外線照
射する。なお上記の紫外線硬化型樹脂組成物の隔壁付着
部(2b)の形成を全面印刷、コーティング、噴霧、含浸な
どの手段により厚手となるように行ったときは、隔壁付
着部(2b)の形成と同時に親水性透明シート層(3) 形成用
の紫外線硬化型樹脂組成物が設けられることになる。
【0026】親水性透明シート層(3) としては、紫外線
を透過すると共に使用目的に応じた液体(通常は水)に
親和性を有するものが用いられる。たとえば、紫外線硬
化型樹脂組成物から得られる親水性光成形シート、ビニ
ルアルコール系樹脂シート、親水性ウレタン系樹脂シー
ト、親水性ポリアミド系樹脂シート、セルロース誘導体
シート、親水性アクリル系樹脂シートなどである。
【0027】付着部(2) を設けた多孔質シート(1) の片
面に親水性透明シート層(3) を設けた場合は、反対面に
も親水性シート(4) を設けてから紫外線照射することが
望ましい。この場合の親水性シート(4) としては、上述
の親水性透明シート層(3) と同様のものが用いられる
(ただし必ずしも透明でなくてもよい)。なお、付着部
(2) を設けた多孔質シート(1) の片面にのみ親水性透明
シート層(3) を設けた場合でも、たとえばこれを積層ま
たは巻回して用いれば、微生物菌体含有組成物の断続付
着部(2a)の上下が親水性透明シート層(3) で封鎖される
ことになる。
【0028】親水性透明シート層(3) や親水性シート
(4) の厚さに特に限定はないが、通常は0.05〜5mm程
度、殊に 0.1〜2mm程度の範囲に設定することが多い。
【0029】以上の工程を経ることにより、多孔質シー
ト(1) に、微生物菌体含有組成物の断続付着部(2a)と、
該断続付着部(2a)を相互に隔離する紫外線硬化型樹脂組
成物の硬化物からなる隔壁付着部(2b)とが設けられ、か
つこれらの付着部(2) を設けた多孔質シート(1) の少な
くとも片面に親水性透明シート層(3) が設けられた微生
物固定体が得られる。
【0030】この微生物固定体を適当な大きさに切断
し、必要に応じて変形、巻回、積層(スペーサーを介在
させることもある)してエレメントとなし、このエレメ
ントを用いて一種のバイオリアクターである処理機器を
構成する。この処理機器のエレメントに不純物(プロテ
イン、有機溶剤、窒素酸化物など)を含む水やガスを接
触させれば(ガスの場合は水を向流に通じるなどの工夫
を講ずる)、その不純物が微生物またはその産生物によ
り処理され、清浄な処理水やガスが得られる。
【0031】
【作用】本発明の微生物固定体にあっては、微生物菌体
含有組成物の断続付着部(2a)の周縁は紫外線硬化型樹脂
組成物の硬化物からなる隔壁付着部(2b)で囲まれてお
り、使用状態においては断続付着部(2a)の上下も親水性
透明シート層(3) (またはこれと親水性シート(4) )で
封鎖されている。そのため、使用中における微生物の散
逸ないし溶出が有効に防止できる。
【0032】この微生物固定体を用いたエレメントに廃
液など不純物を含む水を接触させると、被処理水は親水
性透明シート層(3) 、親水性シート(4) 、隔壁付着部(2
b)を経て内部に浸透し、断続付着部(2a)において微生物
処理され、清浄化される。もし1回の処理で不充分であ
るときは、処理水を繰り返し処理に供することにより、
処理水中の不純物濃度を許容限度以下にまで低減するこ
とができる。
【0033】被処理水には、複数種の不純物を含み、単
一の微生物菌体では全ての不純物を処理できないことが
ある。このような場合には、複数種の微生物菌体の混合
物を用いて断続付着部(2a)を形成すればよいが、微生物
同士の相互作用により一方の微生物のみが繁殖して他方
を死滅に追い込むことがあるので、所期の処理が充分に
は達成できないことがある。そこでこのような場合に
は、断続付着部(2a)として、Aの微生物菌体、Bの微生
物菌体、Cの微生物菌体、・・・をそれぞれ単独で含有
する微生物菌体組成物の付着部を混在して設ければよ
い。そのようにすると、微生物菌体同士の混じり合いを
生じない状態で、複数種の不純物を含む被処理水を一挙
に清浄化することができる。
【0034】多孔質シート(1) に微生物菌体含有組成物
の断続付着部(2a)を設けることは、微生物菌体の圧殺が
防止され、微生物菌体の繁殖が確保できる点でも有効で
ある。
【0035】なお親水性透明シート層(3) や親水性シー
ト(4) として、隔壁付着部(2b)形成のために用いた場合
と同様の紫外線硬化型樹脂組成物を用いて得た光成形シ
ートを用いれば、何らの対策を講じなくてもすぐれた防
カビ性が得られるので、長期間の使用によってもカビが
発生するおそれがないこという利点もある。
【0036】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」、「%」とあるのは重量基準で表わした
ものである。
【0037】実施例1 図1は本発明の微生物固定体の製造工程の一例を示した
説明図であり、(イ)は平面視で表示した場合、(ロ)
は正面視で表示した場合をそれぞれ示してある。
【0038】プロテアーゼ活性を有するバチルス・サブ
チルスの細菌懸濁液を2%アルギン酸ナトリウム水溶液
に加えて混合し、微生物菌体組成物を調製した。
【0039】2−ヒドロキシエチルメタクリレート40
部、ウレタンアクリレートオリゴマー60部、光重合開
始剤1部を加温状態で均一混合して紫外線硬化型樹脂組
成物を調製し、タンク内に収容して脱泡した。これをポ
リエステルフィルム上に流延すると共に、流延層の上か
らもう1枚のポリエステルフィルムを重ね、紫外線照射
を行った。これにより、親水性透明シート層(3) および
親水性シート(4) としての厚さ40μm の光成形シート
が得られた。
【0040】この光成形シートからなる親水性シート
(4) 上に、多孔質シート(1) の一例としての80番手の
綿糸平織り織布(滅菌品)を重ねてから、その多孔質シ
ート(1) 上に捺染スクリーンを用いて上記の微生物菌体
組成物を印捺した。印捺した微生物菌体組成物は多孔質
シート(1) 内部に浸透すると共に若干拡散し、直径10
mmの水玉パターンが10mm間隔で並んだ断続付着部(2a)
が形成された。
【0041】ついで、上記光成形シート製造に用いた組
成と同じ処方の紫外線硬化型樹脂組成物を用い、捺染ス
クリーンを用いて格子状のパターンに印捺を行って隔壁
付着部(2b)を形成させた。この際には、格子間に上記の
水玉パターンが入るようにした。
【0042】この上から上記と同じ光成形シートからな
る親水性透明シート層(3) を重ね、軽く圧着した状態で
上下両面から高圧水銀灯により紫外線照射し、上記の隔
壁付着部(2b)を硬化させた。
【0043】これにより、光成形シートからなる親水性
透明シート層(3) および親水性シート(4) の間に多孔質
シート(1) としての織布が積層され、かつその織布には
水玉状の微生物菌体組成物が浸透付着した断続付着部(2
a)が形成され、その水玉状の断続付着部(2a)を個々に隔
離する紫外線硬化型樹脂が浸透硬化した隔壁付着部(2b)
が形成されているシート状の微生物固定体が得られた。
【0044】このシート状の微生物固定体を生理的食塩
水に24時間浸漬して養生した後、巾10cm、長さ30
cmの大きさに切断し、厚さ1mmのハニカム織りのポリエ
ステル織布を重ねてから巻き物状に巻回し、直径3cmの
ガラス管の中に挿入した。
【0045】このガラス管に被処理液としての稀薄なゼ
ラチン水溶液を通過させ、通過液を再び通過させる操作
を繰り返した。このような処理を行った通過液を分析し
たところ、ゼラチンが分解していることが遊離アミノ酸
の分析で確認できた。
【0046】実施例2 図2は本発明の微生物固定体の製造工程の他の一例を示
した説明図であり、平面視で表示してある。
【0047】サッカロミセス セルビッシエの培養液お
よびペデイオコッカス ソーヤの培養液をそれぞれ別々
に2%アルギン酸ナトリウム水溶液に加えて、2種の糊
状の懸濁物を作製した。
【0048】2−ヒドロキシエチルメタクリレート35
部、N,N−ジメチルアクリルアミド35部、N−メト
キシ−6−ナイロン10部および光重合開始剤1部を加
温状態で均一混合して紫外線硬化型樹脂組成物を調製
し、タンク内に収容して脱泡した。これをポリエステル
フィルム上に流延すると共に、流延層の上からもう1枚
のポリエステルフィルムを重ね、紫外線照射を行った。
これにより、親水性透明シート層(3) としての厚さ60
μm の光成形シートが得られた。
【0049】この光成形シートからなる親水性透明シー
ト層(3) 上に多孔質シート(1) の一例としての滅菌した
紙を重ねてから、その多孔質シート(1) 上に捺染用スク
リーンを用いてサッカロミセス セルビッシエ培養液の
糊をドット状に印捺し、さらにそのドット表面に塩化カ
ルシウム水溶液を噴霧して糊の表面を硬化させた。つい
で別のスクリーンを用いてペデイオコッカス ソーヤ培
養液の糊をドット状に印捺した後、塩化カルシウム水溶
液を噴霧して糊の表面を硬化させた。これにより、それ
ぞれのドットがシート上に混在するように構成された2
種の酵母ドットからなる断続付着部(2a)が形成された。
【0050】ついで、上記光成形シート製造に用いた組
成と同じ処方の紫外線硬化型樹脂組成物を用い、捺染ス
クリーンを用いて格子状のパターンに印捺を行って隔壁
付着部(2b)を形成させた。この際、格子間に上記のドッ
トが個々に入るようにした。
【0051】この上から上記と同じ光成形シートからな
る親水性透明シート層(3) を重ね、軽く圧着した状態で
上下両面から高圧水銀灯により紫外線照射し、上記の隔
壁付着部(2b)を硬化させた。
【0052】これにより、光成形シートからなる2枚の
親水性透明シート層(3), (3)間に多孔質シート(1) とし
ての紙が積層され、かつその紙にはドット状の2種の酵
母がそれぞれ浸透付着した断続付着部(2a)が形成される
と共に、そのドット状の断続付着部(2a)を個々に隔離す
る紫外線硬化型樹脂が浸透硬化した隔壁付着部(2b)が形
成されているシート状の微生物固定体が得られた。
【0053】このシート状の微生物固定体を生理的食塩
水に24時間浸漬して養生した後、ハニカム織りのポリ
エステル織布を重ねてから15cm×15cmの大きさに切
断し、これを多数枚重ねて角筒状の箱体に挿入した。
【0054】この箱体内に3%ブドウ糖水溶液を通過さ
せ、通過液を再び通過させる操作を繰り返した後、通過
液を分析したところ、エタノールと乳酸の存在が確認さ
れた。
【0055】
【発明の効果】本発明の微生物固定体は、次に列挙する
ようなすぐれた効果を奏する。 (a) バイオリアクター設計のために必要な充分の機械的
強度がある。 (b) 処理中の微生物の散逸防止ないし溶出防止が図られ
る。 (c) 微生物選択の自由度が高く、また複数種の微生物を
混合することなく独立して用いる使い方が可能となる。 (d) 微生物菌体の圧殺が防止され、微生物菌体の繁殖が
確保できる。 (e) 工業的な量産が可能である。 (f) 親水性透明シート層(3) や親水性シート(4) として
親水性光成形シートを用いれば、特別の対策を講じなく
ても雑菌繁殖防止が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微生物固定体の製造工程の一例を示し
た説明図である。
【図2】本発明の微生物固定体の製造工程の他の一例を
示した説明図である。
【符号の説明】
(1) …多孔質シート、(2) …付着部、(2a)…断続付着
部、(2b)…隔壁付着部、(3) …親水性透明シート層、
(4) …親水性シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質シート(1) に、微生物菌体含有組成
    物の断続付着部(2a)と、該断続付着部(2a)を相互に隔離
    する紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物からなる隔壁付着
    部(2b)とが設けられ、かつこれらの付着部(2) を設けた
    多孔質シート(1) の少なくとも片面には親水性透明シー
    ト層(3) が設けられた構成を有する微生物固定体。
  2. 【請求項2】多孔質シート(1) に、微生物菌体含有組成
    物の断続付着部(2a)と、該断続付着部(2a)を相互に隔離
    する紫外線硬化型樹脂組成物の隔壁付着部(2b)とを設
    け、さらにこれらの付着部(2) を設けた多孔質シート
    (1) の少なくとも片面に親水性透明シート層(3) を設け
    て紫外線照射することを特徴とする微生物固定体の製造
    法。
  3. 【請求項3】多孔質シート(1) に対する断続付着部(2a)
    の設置をスクリーン印刷法により行うことを特徴とする
    請求項2記載の製造法。
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