JPH06305754A - 中空ガラス球の製造方法 - Google Patents

中空ガラス球の製造方法

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JPH06305754A
JPH06305754A JP11642293A JP11642293A JPH06305754A JP H06305754 A JPH06305754 A JP H06305754A JP 11642293 A JP11642293 A JP 11642293A JP 11642293 A JP11642293 A JP 11642293A JP H06305754 A JPH06305754 A JP H06305754A
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JP
Japan
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glass
glass powder
hollow glass
producing hollow
coating material
Prior art date
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Pending
Application number
JP11642293A
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English (en)
Inventor
Shinji Kawachi
伸治 川地
Yoshifumi Sato
能史 佐藤
Yasuhiro Nishimura
康宏 西村
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Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルカリ成分の含有量が2重量%未満のガラ
ス粉末を使用しても、中空ガラス球を製造することが可
能な中空ガラス球の製造方法を提供する。 【構成】 まずガラス粉末より粘性が高い酸化物組成と
なり得る被膜材料を、ガラス粉末の表面にコーティング
する。次いでこれを乾燥、加熱してガラス粉末表面に被
膜を形成する。さらにこのガラス粉末を、1500〜1
700℃に加熱することによって、中空ガラス球を製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は中空ガラス球の製造方法
に関し、特にアルカリ含有量の少ない中空ガラス球の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】中空ガラス球は軽量で、しかも耐圧強度
が高いという特徴を有しており、従来より各種合成樹脂
の充填材等として使用されている。また軽量であるため
に、ガラス固有の誘電率を大きく低下させることが可能
であり、近年、これらの特徴を生かして中空ガラス球を
プリント配線基板の低誘電率化材として使用することが
提案されている。この用途に用いられる中空ガラス球に
は、低誘電率を達成するために軽量であることの他に、
樹脂との接着性が損なわれたり、また基板の電気絶縁抵
抗性が悪化しないように、アルカリイオンの溶出量が極
めて少ないことが要求され、このためアルカリ成分の含
有量の少ない中空ガラス球の開発が急がれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような中空ガ
ラス球を製造する方法としては、イオウ化合物等の発泡
成分を含有するガラス粉末を1500〜1700℃程度
の高温で加熱することによって、ガラス中からSO2
スやO2 ガスを発生させ、ガラス粉末を内部から膨張さ
せて中空化する方法が一般的である。
【0004】しかしながらこのような方法によって中空
ガラス球を製造するためには、ガラスが少なくとも2重
量%のアルカリ成分を含有している必要がある。即ち、
ガラス粉末中のアルカリ成分が少ないと、加熱によって
発生したガスがガラス粉末表面から発散してしまい、中
空ガラス球を得ることができないためである。このよう
な事情から、従来の方法ではアルカリ成分の含有量が2
重量%未満の中空ガラス球を製造することが困難であっ
た。
【0005】本発明の目的は、アルカリ成分の含有量が
2重量%未満のガラス粉末を使用しても、中空ガラス球
を製造することが可能な中空ガラス球の製造方法を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は種々の研究
を行った結果、ガラス中のアルカリ成分が中空化の際の
加熱により揮発することで、ガラス粉末表面に高温粘性
の高いガラス層が生成し、このガラス層が発生したガス
をガラス粉末内部に封じ込める働きをしているという事
実を見いだし、本発明を提案するに至った。
【0007】即ち、本発明の中空ガラス球の製造方法
は、発泡成分を含有するガラス粉末を、1500〜17
00℃に加熱することによって、ガラス中からガスを発
生させ、ガラス粉末を内部から膨張させて中空ガラス球
を製造する中空ガラス球の製造方法において、ガラス粉
末より粘性が高い酸化物組成となり得る被膜材料を、予
めガラス粉末の表面にコーティングしておくことを特徴
とする。
【0008】
【作用】本発明の中空ガラス球の製造方法において、使
用するガラス粉末は、発泡成分を含み、1500〜17
00℃に加熱することによってガラス中からガスを発生
するものであれば、どのような組成を有するものでも適
用することができる。発泡成分としては、SO2 ガスを
発生させるイオウ化合物が好ましく、これ以外にもO2
ガスを発生させるAs23 やSb23 が含まれてい
ても良い。
【0009】特にアルカリ溶出量の少ない中空ガラス球
を製造する場合、ガラス粉末として、アルカリ成分の含
有量が少ないもの、具体的には2重量%未満のものを使
用する。このようなガラス粉末の好適な組成範囲は、重
量百分率で、SiO2 40〜60%、Al23 5〜1
5%、B23 3〜20%、CaO 10〜30%、B
aO 0〜15%、MgO 0〜10%、ZnO 0〜
10%、SrO 0〜10%、Na2 O+K2 O+Li
2 O 0〜2%(ただし2%を含ます)、As23
Sb23 0〜1.5%、V25 0〜10%、SO3
0.05〜1.5%からなるものである。
【0010】なおガラス粉末は、粒径が38μm以下の
ものを使用することが望ましい。
【0011】本発明において使用する被膜材料は、ガラ
ス粉末より粘性の高い酸化物組成となり得るものであ
り、特にSO2 やO2 等のガスが発生し始める1000
℃以上の高温域で、ガラス粉末より高粘性を示す酸化物
組成となるものである。
【0012】被膜材料としては、金属アルコキシドを含
む溶液や、或はさらに可溶性無機塩を含む溶液が好適で
あり、金属アルコキシドや可溶性無機塩を適宜選択する
ことにより、高温粘性がガラス粉末より高い酸化物被膜
を形成することができる。金属アルコキシドとしては、
Si(OC254 、B(OC493 、Ca(O
252 等が使用でき、また可溶性無機物としては
Al(NO33 ・9H2 O等が使用できる。なお、こ
れらの溶液は、水、アルコール類等の水酸基を有するも
のを溶媒として使用し、またpH調整剤或は触媒とし
て、濃塩酸、硝酸、アンモニア等を添加しておくことが
望ましい。
【0013】次に本発明の中空ガラス球の製造方法を説
明する。
【0014】まず、発泡成分を含むガラス粉末を用意す
る。ガラス粉末は、アルカリ成分の含有量が少なく、中
空化し難いものであっても差し支えない。
【0015】次に、このガラス粉末の表面に被膜材料を
コーティングする。なお被膜材料として、金属アルコキ
シドや可溶性無機塩を含む溶液を使用する場合、ガラス
粉末にコーティングした後、熱処理して、ガラス粉末よ
り粘性が高い酸化物組成を有する被膜を形成しておいて
もよい。
【0016】さらに、このガラス粉末を1500〜17
00℃に加熱して、ガラス粉末を再溶融する。加熱する
方法としては、火炎中を通過させる方法が一般的であ
る。このようにしてガラス粉末を熱処理すると、ガラス
内部からSO2 ガスやO2 ガスが発生する。一方、ガラ
ス粉末表面には、ガラス粉末より粘性の高い被膜が形成
されるため、ガラス粉末表面からのガスの発散が防止さ
れる。その結果、ガラス粉末が内部から膨張し、中空ガ
ラス球が得られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の中空ガラス球の製造方法を実
施例及び比較例に基づいて説明する。
【0018】(実施例1)まず、重量百分率でSiO2
42.9%、Al23 10.4%、B23 8.5
%、CaO 22.0%、BaO 9.5%、Sb2
3 1.0%、V25 5.0%、SO3 0.7%の組成
になるようにガラス原料を調合し、これを1350℃で
2時間溶融してガラス化した後、成形した。次いでこの
ガラス成形体を粉砕し、分級して38μm以下のガラス
粉末を得た。得られたガラス粉末の比重をピクノメータ
ーで測定したところ、2.84g/cm3 であった。ま
た高温粘度計によって、このガラス粉末の粘性が100
ポイズとなる温度を測定したところ、1215℃であっ
た。
【0019】またSi(OC254 を278g、B
(OC493 を33g、Al(NO33 ・9H2
Oを74g、Ca(OC252 を12g、水を23
9g、イソプロピルアルコールを480g、濃塩酸を5
gの割合で混合して被膜材料を用意した。
【0020】次にガラス粉末と被覆材料とを重量比で
1:1の割合で混練してスラリー状にし、ディスパーコ
ート(日清エンジニアリング株式会社製)にて100℃
で1秒間加熱して乾燥させ、さらに電気炉にて500℃
で30分間加熱することによって、ガラス粉末の表面
に、重量百分率でSiO2 80%、Al23 10%、
23 5%、CaO 5%の酸化物組成を有するガラ
ス状の被膜を形成した。この被膜について、粘性が10
0ポイズとなる温度を測定したところ、1600℃以上
であった。
【0021】その後、ガラス粉末を1600℃を最高温
度とする火炎中で100ミリ秒間加熱したところ、粒径
が45μm以下の球状ガラス粉末が得られた。
【0022】得られた球状ガラス粉末の見掛け比重をピ
クノメーターで測定したところ、1.05g/cm3
あった。また光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、中空ガラス球であることが確認された。
【0023】(実施例2)実施例1と同様にして、38
μm以下のガラス粉末を作製した。
【0024】またSi(OC254 を300g、水
を258g、イソプロピルアルコールを519gの割合
で混合して被膜材料を用意した。
【0025】次にガラス粉末と被覆材料とを重量比で
1:1の割合で混練してスラリー状にし、実施例1と同
様にして、ガラス粉末の表面にSiO2 からなる被膜を
形成した。この被膜について、粘性が100ポイズとな
る温度を測定したところ、1600℃以上であった。
【0026】その後、ガラス粉末を1600℃を最高温
度とする火炎中で100ミリ秒間加熱したところ、粒径
が45μm以下の球状ガラス粉末が得られた。
【0027】さらにこのガラス粉末の見掛け比重を測定
したところ、1.56g/cm3 であった。また光学顕
微鏡及び走査型電子顕微鏡にて観察したところ、中空ガ
ラス球であることが確認された。
【0028】(実施例3)実施例1と同様にして、38
μm以下のガラス粉末を作製した。
【0029】またSi(OC254 を244g、B
(OC493 を289g、Al(NO33 ・9H
2 Oを63g、Ca(OC252 を39g、水を2
10g、イソプロピルアルコールを422g、濃塩酸を
5gの割合で混合して被膜材料を用意した。
【0030】次にガラス粉末と被覆材料とを重量比で
1:1の割合で混練してスラリー状にし、実施例1と同
様にして、ガラス粉末の表面に重量百分率でSiO2
0.3%、Al23 8.6%、B23 4.2%、C
aO 16.9%の組成を有する被膜を形成した。この
被膜について、粘性が10ポイズとなる温度を測定した
ところ、1600℃以上であった。
【0031】その後、ガラス粉末を1600℃を最高温
度とする火炎中で100ミリ秒間加熱したところ、粒径
が45μm以下の球状ガラス粉末が得られた。
【0032】さらにこのガラス粉末の見掛け比重を測定
したところ、0.95g/cm3 であった。また光学顕
微鏡及び走査型電子顕微鏡で観察したところ、中空ガラ
ス球であることが確認された。
【0033】(比較例)実施例1と同様にしてガラス粉
末を用意した。次いでこのガラス粉末を、表面に被膜材
料をコーティングせずに1600℃を最高温度とする火
炎中で100ミリ秒間加熱したところ、粒径38μm以
下の球状ガラス粉末が得られた。
【0034】さらにその見掛け比重を測定したところ、
2.54g/cm3 であった。また光学顕微鏡及び走査
型電子顕微鏡にて観察したところ、殆ど中空化していな
いことがわかった。
【0035】なお、本実施例では何れも被膜材料の乾
燥、加熱工程を設けているが、これらの工程は必ずしも
必要ではなく、被膜材料の種類によってはこれらの工程
を省略しても差し支えないことは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方法によれ
ば、アルカリ成分の含有量が少ないガラス粉末を用いて
も、中空ガラス球を製造することができる。このためプ
リント配線基板の強化用として好適な、アルカリイオン
の溶出量が極めて少ない中空ガラス球を製造することが
可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡成分を含有するガラス粉末を、15
    00〜1700℃に加熱することによって、ガラス中か
    らガスを発生させ、ガラス粉末を内部から膨張させて中
    空ガラス球を製造する中空ガラス球の製造方法におい
    て、ガラス粉末より粘性が高い酸化物組成となり得る被
    膜材料を、予めガラス粉末の表面にコーティングしてお
    くことを特徴とする中空ガラス球の製造方法。
  2. 【請求項2】 被膜材料として、金属アルコキシドを含
    む溶液を使用することを特徴とする請求項1の中空ガラ
    ス球の製造方法。
  3. 【請求項3】 被膜材料として、金属アルコキシド及び
    可溶性無機塩を含む溶液を使用することを特徴とする請
    求項1の中空ガラス球の製造方法。
  4. 【請求項4】 ガラス粉末として、イオウ化合物を発泡
    成分として含むガラスからなるものを使用することを特
    徴とする請求項1の中空ガラス球の製造方法。
  5. 【請求項5】 ガラス粉末として、アルカリ成分の含有
    量が2.0重量%未満のガラスからなるものを使用する
    ことを特徴とする請求項1の中空ガラス球の製造方法。
  6. 【請求項6】 ガラス粉末として、重量百分率で、Si
    2 40〜60%、Al235〜15%、B23
    〜20%、CaO 10〜30%、BaO0〜15%、
    MgO 0〜10%、ZnO 0〜10%、SrO 0
    〜10%、Na2 O+K2 O+Li2 O 0〜2%(た
    だし2%は含まない)、As23+Sb23 0〜
    1.5%、V25 0〜10%、SO3 0.05〜1.
    5%の組成を有するガラスからなるものを使用すること
    を特徴とする請求項1の中空ガラス球の製造方法。
JP11642293A 1993-04-19 1993-04-19 中空ガラス球の製造方法 Pending JPH06305754A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008531453A (ja) * 2005-02-24 2008-08-14 ジェイムズ ハーディー インターナショナル ファイナンス ベスローテン フェンノートシャップ 耐アルカリ性ガラス組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008531453A (ja) * 2005-02-24 2008-08-14 ジェイムズ ハーディー インターナショナル ファイナンス ベスローテン フェンノートシャップ 耐アルカリ性ガラス組成物

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