JPH06304545A

JPH06304545A - 不燃廃棄物の処理方法

Info

Publication number: JPH06304545A
Application number: JP5095972A
Authority: JP
Inventors: Tsuneo Azegami; 統雄畔上
Original assignee: PLANDO KENKYUSHO KK
Current assignee: PLANDO KENKYUSHO KK
Priority date: 1993-04-22
Filing date: 1993-04-22
Publication date: 1994-11-01

Abstract

(57)【要約】【目的】不燃廃棄物に付着している付着物の腐敗防止
を図り、悪臭を発生させないようにすると共に回収業
者，運転手，選別者の作業環境の改善を図るようにした
不燃廃棄物の処理方法を提供することにある。【構成】一般家庭，事業所などから廃棄される不燃廃
棄物を一定の箇所に一時的に置いてある状態でアルカリ
土類金属酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を添加
せしめることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】一般家庭、事業場などから廃棄さ
れる廃棄物のうちの不燃廃棄物に付着している付着物か
ら発生する悪臭を除去するようにした不燃廃棄物の処理
方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般家庭、例えばレストラン，食品の製
造，加工，流通，卸売，小売，食糧の生産（農業、畜産
など）などを行う事業所から廃棄される廃棄物は、大別
すると可燃廃棄物（可燃ごみ）と不燃廃棄物（不燃ご
み）とに分けられる。これらの可燃廃棄物と不燃廃棄物
は最近、分別収集されてごみ回収業者が個々に回収する
ようになっている。

【０００３】ごみ回収業者によって不燃廃棄物は運搬車
（ロードパッカー車）にて運び、一旦選別場に送られ
る。この選別場にて再利用できる資源を選別すると共に
不要の廃棄物は埋立地に埋立てるようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ごみ回収業
者によって回収され不燃廃棄物としての例えばびん、カ
ンあるいはプラスチック容器などには飲料水、酒、ジュ
ース、飲食物の残りが多少残っているため、これらが混
合しあって反応し、さらに長時間経過すると悪臭が発生
するという問題があった。

【０００５】さらに、これらの発生した悪臭により例え
ば回収業者、運転手、選別者の作業に悪影響をもたらす
と共に作業能率の低下を招く恐れがあった。

【０００６】この発明の目的は、上記問題点を改善する
ために、不燃廃棄物に付着している付着物の腐敗防止を
図り、悪臭を発生させないようにすると共に回収業者、
運転手、選別者の作業環境の改善を図ると共に、水分コ
ントロールによる選別性能の大幅な向上並びに機器のク
リーニングやメンテナンスの負荷軽減を図るようにした
不燃廃棄物の処理方法を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、一般家庭、事業所などから廃棄される
不燃廃棄物を一定の箇所に一時的に置いてある状態でア
ルカリ土類金属酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物
を添加せしめることを特徴とする不燃廃棄物の処理方法
である。

【０００８】また、この発明は、一般家庭、事業所など
から廃棄される不燃廃棄物を一定の箇所に一時的に置い
てある状態でアルカリ土類金属酸化物またはアルカリ土
類金属水酸化物と、粘土鉱物や微粉炭など吸着性を有す
る多孔性物質を添加せしめることを特徴とする不燃廃棄
物の処理方法である。

【０００９】前記不燃廃棄物の処理方法において、前記
一定の箇所が不燃物を選別する選別場、不燃物を埋立て
る埋立地、あるいは不燃物を運搬する運搬車であること
が望ましいものである。

【００１０】

【作用】この発明の不燃廃棄物の処理方法を採用するこ
とにより、一般家庭、事業所などから廃棄され不燃廃棄
物は回収業者によって回収され、運搬車によって例えば
選別場に持ち運ばれる。この選別場にて選別者が再利用
できる資源と廃棄する廃棄物とに選別され、回収された
資源は再利用すべく業者にて各処理場へ送られ、廃棄物
は破砕処理などして埋立地に埋立てられる。

【００１１】この際、運搬車、選別場あるいは埋立地で
は、不燃廃棄物に付着された付着物が腐敗しないように
事前にアルカリ土類金属酸化物またはアルカリ土類金属
水酸化物や、アルカリ土類金属酸化物またはアルカリ土
類金属水酸化物と粘土鉱物や微粉炭など吸着性を有する
多孔性物質を添加せしめることによって、腐敗が防止さ
れる。したがって、悪臭が発生せず各作業者の作業環境
の改善が図られると共に、水分コントロールによる選別
性能の大巾な向上並びに機器のクリーニングやメンテナ
ンスの負荷軽減が図られる。

【００１２】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

【００１３】一般家庭、例えばレストラン，食品の製
造，加工，流通，卸売，小売，食糧の生産などを行う事
業所などから廃棄される廃棄物は大別して可燃廃棄物
（可燃ごみ）と不燃廃棄物（不燃ごみ）に分けられ、こ
の可燃廃棄物と不燃廃棄物は分別収集されて回収業者に
よって運搬車（ロードトラッカー車）にて回収される。

【００１４】不燃廃棄物は一般に有害危険ごみと資源ご
みとにさらに分別される。すなわち、有害・危険ごみと
は、有害性または危険性があり。特別な扱いを要するも
のと定義し、例えば電池類、水銀使用器具、引火危険物
（ガスボンベ、スプレー管など）およびその他を指すも
のとする。

【００１５】資源ごみとは、選別、集積などを行うこと
によって資源として売却できるものと定義し、例えばビ
ン、カン、小型金属製品およびガラスくず（カレット）
を指すものとする。

【００１６】図１は本発明を実施した一実施例の分別ご
み処理装置における概要図で、特に有害・危険ごみ、資
源ごみの処理ラインが示されている。

【００１７】図１において、有害・危険ごみの処理ライ
ンとして、運搬車Ｋにて運ばれてきた有害・危険ごみを
収納するコンテナＣを搬送するためのローラコンベアＲ
Ｃ₁が図１において左側上部に設けられている。このロ
ーラコンベアＲＣ₁の右側には昇降装置１が立設されて
おり、その昇降装置１の右側にはローラコンベアＲＣ₂
が設けられていて、そのローラコンベアＲＣ₂の右端に
は転倒装置３が取付けられている。

【００１８】第１選別装置５としてのターンテーブル７
の脇には例えば蛍光灯を破砕するたの破砕機９およびガ
スボンベなどを押しつぶすたのロールプレス機１１が設
けられている。そのロールプレス機１１の脇には、ロー
ルプレス機１１で押しつぶした後、回収物としての鉄類
と非鉄に選別する磁選機１３が設けられている。しか
も、前記破砕機９や磁選機１３の脇には、蛍光灯、電池
類、鉄、非鉄などおよび液スラッジを収納する各コンテ
ナＣが例えば無人搬送車により持ち運ばれて置かれてあ
る。

【００１９】前記有害・危険ごみ以外の例えばガスコン
ロなどの処理ごみを搬送するための第１残渣コンベア１
５が前記ターンテーブル７の脇に設けられており、その
第１残渣コンベア１５から離隔した位置には第３残渣コ
ンベア１７が設けられており、その第３残渣コンベア１
７の右側には残渣バンカ１９が配設されている。

【００２０】上記構成により、例えばコンテナＣを備え
たトラックなどの搬送車Ｋで運ばれてきた有害・危険ご
みは複数のコンテナＣに収納される。複数のコンテナＣ
はローラコンベアＲＣ₁に載せられて、ローラコンベア
ＲＣ₁の回転により、ローラコンベアＲＣ₁の右側に搬
送されて昇降装置１に運ばれる。さらに、有害・危険ご
みを収納したコンテナＣは昇降装置１により上方へ運ば
れて、昇降装置１の上方部に設けられたローラコンベア
ＲＣ₂に載せられる。ローラコンベアＲＣ2 に乗せられ
たコンテナＣは例えば図１において右側へゆっくりとロ
ーラコンベアＲＣ₂の回転により移動する。コンテナＣ
は右側へ移動しながら、コンテナＣ内の有害・危険ごみ
は例えば作業者により、ローラコンベアＲＣ₂上に置か
れて右側に移動する。ローラコンベアＲＣ₂上の有害・
危険ごみは順次、ローラコンベアＲＣ2 の右端に設けた
転倒装置３により第１選別装置５におけるターンテーブ
ル７上に載せられて例えば時計方向廻りに回動する。タ
ーンテーブル７の周りには数人の作業者が配置され、作
業者により有害・危険ごみが数種類に選別される。

【００２１】例えば電池類は電池用コンテナＣに収納さ
れる。蛍光灯は前記はターンテーブル７の脇に設けられ
た破砕機９で破砕されて蛍光灯用コンテナＣに収納され
る。ガスボンベなどは前記ターンテーブル７の脇に設け
られたロールプレス機１１で押しつぶされ、液スラッジ
は液スラッジ用コンテナＣに、その他はさらにロールプ
レス機１１の脇に設けられた磁選機１３で鉄類と非鉄類
に選別されて鉄類用コンテナＣ、非鉄類用コンテナＣに
それぞれ収納される。

【００２２】有害・危険ごみ内にたまたま含まれていた
複雑ごみに相当する処理ごみは、第１残渣コンベア１５
に載せられ、さらに第３残渣コンベア１７に載せられ
て、第３残渣コンベア１７の脇に設けられた残渣バンカ
１９に一旦収納される。

【００２３】電池，蛍光燈，鉄分，非鉄などが収納され
たコンテナＣは無人搬送車により一時保管室に運ばれて
一時保管される。

【００２４】資源ごみの処理ラインとして、運搬車Ｋで
運ばれてきた資源ごみを収納するコンテナＣを搬送する
たローラコンベアＲＣ₃が図１において前記ローラコン
ベアＲＣ₁の下方部に設けられている。ローラコンベア
ＲＣ₃の左側にはリフタ２１が置かれている。ローラコ
ンベアＲＣ₃の右側には、カン類，ビンおよびカレット
を搬送するためのローラコンベアＲＣ₄，ＲＣ₅および
ＲＣ₆が設けられている。しかもローラコンベアＲ
Ｃ₄，ＲＣ₅およびＲＣ₆の右側下方部には、受入れホ
ッパ２５が設けられており、その受入れホッパ２５には
プッシャ２７が備えられている。

【００２５】その受入れホッパ２５の下方部には、受入
れコンベア２９が設けられ、右斜目上方へ延設されてい
る。受入れコンベア２９の右側には、手選別コンベア３
１が設けられており、手選別コンベア３１の左側寄りの
上方には、磁選機３３が取付けられている。

【００２６】手選別コンベア３１の脇には、第１鉄用コ
ンベア３５、第２鉄用コンベア３７および第３鉄用コン
ベア３９が図２において右側へ順に配設されている。前
記手選別コンベア３１の右側には第２残渣コンベア４１
が設けられており、前記残渣コンベア４３を介して残渣
パッカ４５に連結されている。

【００２７】上記構成により、資源ごみは、例えばコン
テナを備えたトラックなどの運搬車Ｋで運ばれてきて、
リフタ２１でローラコンベアＲＣ₃にコンテナＣ毎載せ
られる。ローラコンベアＲＣ₃に載せられたコンテナＣ
はさらにカン類，ビン，カレットに分けられてローラコ
ンベアＲＣ₃の脇に設けられたローラコンベアＲＣ₄，
ＲＣ₅，ＲＣ₆に載せられて右側へ移動し、各ローラコ
ンベアＲＣ₄，ＲＣ₅，ＲＣ₆の右端に設けられた転倒
装置２３で各ローラコンベアＲＣ₄，ＲＣ₅，ＲＣ₆の
下方部に設けられた受入れホッパ２５に収納される。受
入れホッパ２５に入れられた各カン類，ビン，カレット
などは受入れホッパ２５に備えられたプッシャ２７によ
り受入れコンベア２９上に載せられる。さらに受入れコ
ンベア２９の右方部に設けられた第２選別装置としての
手選別コンベア３１上に送られる。

【００２８】手選別コンベア３１の周りには、作業者が
配置されていて、作業者により選別される。まず、手選
別コンベア１の上方には磁選機３３が置かれていて、回
収物として鉄類とその他に選別される。鉄類は手選別コ
ンベア３１の脇に設けられた第１，第２および第３鉄分
用コンベア３５，３７，３９へと送られる。鉄類以外の
ものは、アルミ，カレットおよび非鉄に選別される。ア
ルミはアルミプレス機４７で押しつぶされてアルミ用コ
ンテナＣに収納される。非鉄は非鉄用コンテナＣに収納
される。カレットは例えば白，茶，青，混合などに選別
されて各コンテナに収納される。

【００２９】アルミ，非鉄および色別に分けられたカレ
ットを収納した各コンテナＣは無人搬送車により一時保
管室に一時保管される。また、それ以外のごみは手選別
コンベア３１の右脇に設けられた第２残渣コンベア４１
およびコンベア４３を介して残渣バンカ４５に入れられ
る。

【００３０】このようにして、有害危険ごみおよび資源
ごみから再利用できる資源は回収されると共に再利用で
きないごみは残渣パッカ１９，４５より運搬車などによ
り図示省略の埋立て地に運ばれて処分されるのである。

【００３１】ここで、運搬車Ｋ，第１選別装置５として
のターンテーブル７および手選別コンベア３１さらに埋
立地にある有害危険ごみあるいは資源ごみのうち、例え
ばびん，カンあるいはプラスチック容器には悪臭を発生
する有機質のごみ（生ごみ含む）が付着しているので、
この有機質のごみから悪臭が発生しないように、アルカ
リ土類金属酸化物としての例えばＣａＯを、有機質のご
みの重量１００に対して０．５〜５％好ましくは１〜２
％を添加することによって腐敗が防止される。すなわ
ち、ＣａＯの添加量が０．５％未満では腐敗防止の効果
がなく、また、５％を越えた場合でも５％添加と同様の
効果しか得られないのである。

【００３２】したがって、有機質のごみの種類、水分含
有率の程度などでも異なるが、０．５〜５％の範囲がよ
いのである。特に、生ごみの腐敗具合が進展していなけ
れば１〜２％のＣａＯを添加すればよいものである。有
機質のごみの腐敗具合が進展しているような場合には程
度によって３〜５％のＣａＯを添加すればよい。また、
有機質のごみに水分があまり含まれていない場合にはア
ルカリ土類金属水酸化物として例えばＣａ（ＯＨ）₂を
添加するのが望ましいものである。

【００３３】有機質のごみにＣａＯを添加して腐敗防止
される理由としては、有機質のごみにＣａＯを添加して
反応させると、生じたＣａ（ＯＨ）₂のアルカリ性によ
ってアンモニアなどのアルカリ性臭気成分が気化して除
去され、硫化水素などの酸性臭気生成は中和されるの
で、反応物の臭気は著しく減少されるのである。

【００３４】有機質のごみにＣａＯを添加すると共に、
さらに吸着性を有する多孔性物質として例えば粘土鉱物
である例えはベントナイトや微粉炭などを一定の割合、
例えばＣａＯに対して１０〜１００％で添加することに
よって、生ごみに残っている弱い臭気が吸着されるの
で、反応物の臭気は更に低下し、ほとんど臭わなくなる
のである。

【００３５】アルカリ土類金属酸化物として、ＣａＯを
例にとって説明したが、このＣａＯにＭｇＯを混入した
ものでもよく、またＭｇＯだけであっても、さらにアル
カリ土類金属水酸化物の（ＣａＯ）Ｈ）₂にして対応可
能である。

【００３６】吸着性を有する多孔性物として例えば粘土
鉱物であるベントナイトＢＮを例にとって説明したが、
同種の酸性白土、活性白土またはゼオライトであっても
構わない。しかも、これらにはいずれも含水珪酸アルミ
ニウムを主体とし、少量の鉄，マグネシウム，カルシウ
ム，ナトリウム，カリウムなどが含まれているのであ
る。また、セピオライトを使用してもよい。このセピオ
ライトは含水珪酸マグネシウムを主体とし、少量の鉄，
マグネシウム，カルシウム，ナトリウム，カリウムなど
が含まれているのである。

【００３７】このように、有機質のごみにＣａＯあるい
はＣａＯとベントナイトや微粉炭を添加することによっ
て、有機質のごみの腐敗防止が行なわれるから、有機質
のごみの後処理に対して作業者がいやがることなく、容
易にかつ簡単に取扱われると共に作業環境の改善を図る
ことができる。また、水分コントロールによる選別性能
の大巾な向上並びに機器のクリーニングやメンテナンス
の負荷軽減を図るという効果を有するものである。

【００３８】なお、この発明は、前述した実施例に限定
されることなく、適宜な変更を行なうことによって、そ
の他の態様で実施し得るものである。ごみ収集の収集中
継施設や焼却工場のピットにアルカリ土類金属酸化物や
アルカリ土類金属水酸化物を添加するようにしてもよ
い。

【００３９】

【発明の効果】以上のごとき実施例の市説明より理解さ
れるように、この発明によれば、特許請求の範囲に記載
されたとおりの構成であるから、運搬車，選別場，埋立
地にある有害危険ごみ，資源ごみのうち、例えばびん，
カンあるいはプラスチック容器には、有機質ごみなどの
付着物が付着しているので、この各箇所においてアルカ
リ土類金属酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物や，
アルカリ土類金属酸化物またはアルカリ土類金属水酸化
物と粘土鉱物，微粉炭など吸湿性を有する多孔性物質を
添加せしめることによって、有機質ごみが腐敗するのを
防止させることができる。したがって、有機質ごみから
悪臭が発生しないから、回収業者，運転手，選別者の作
業環境の改善を図ることができる。また水分のコントロ
ールによる選別性能の大巾な向上並びに機器のクリーニ
ングやメンテナンスサービスの負荷軽減を図ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明を実施する一実施例の有害危険ごみ，
資源ごみを処理するラインの一例図である。

【図２】図１における資源ごみを処理するラインに連結
するラインの一例図である。

【符号の説明】

５第１選別装置３１手選別コンベアＫ運搬車

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一般家庭、事業所などから廃棄される不
燃廃棄物を一定の箇所に一時的に置いてある状態でアル
カリ土類金属酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を
添加せしめることを特徴とする不燃廃棄物の処理方法。
【請求項２】一般家庭、事業所などから廃棄される不
燃廃棄物を一定の箇所に一時的に置いてある状態でアル
カリ土類金属酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物
と、粘土鉱物や微粉炭など吸着性を有する多孔性物質を
添加せしめることを特徴とする不燃廃棄物の処理方法。
【請求項３】前記一定の箇所が不燃物を選別する選別
場、不燃物を埋立てる埋立地、あるいは不燃物を運搬す
る運搬車であることを特徴とする請求項１，２記載の不
燃廃棄物の処理方法。