JPH0630358Y2 - スイッチ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は例えば安全装置のドアスイッチに用いられる
スイッチ装置に関する。

「従来の技術」 従来、安全装置のドアにマイクロスイッチが取付けら
れ、ドアを閉じた時、マイクロスイッチの操作子が駆動
されてドアが閉じていることが確認されていた。

このようなスイッチではドアを開けた状態でも、マイク
ロスイッチの操作子を押して駆動することにより、ドア
を閉じた状態として誤検出されてしまう欠点があった。

「課題を解決するための手段」 この考案によれば磁気ヨークに複数の磁極が取付けら
れ、これら磁極上にそれぞれ磁気スイッチが配され、こ
れら磁気スイッチは互いに直列に接続されてスイッチ回
路を形成し、上記各磁極と対向した位置にこれと反対の
極性に着磁された可動磁石が設けられ、これら複数組の
相対する磁極の極性がすべて互いに反対極性になったと
きに上記各スイッチがオンするように構成されている。

「作用」 磁気ヨークの複数の磁極とそれぞれ対向する複数の磁極
が反対の極性に着磁された予め決められた可動磁石が磁
気ヨーク上に配されたときのみ、各磁気スイッチに磁束
が通り、各スイッチはオンとなるので、直列接続された
スイッチ回路が導通する。しかし、所定の極性に着磁さ
れた複数の磁極を有しない可動磁石が磁気ヨーク上に配
された場合はすべてのスイッチに磁束が通る状態にはな
らないため、少なくとも１つのスイッチはオフのままと
なる。よって、直列接続されたスイッチ回路は導通しな
い。

「実施例」 第１図，第２図に示すように磁気ヨーク１１が設けられ
る。磁気ヨーク１１はこの例では浅い方形箱状とされた
場合であり、磁気ヨーク１１上に複数の磁極１２ａ〜１
２ｄが取付けられる。この例では方形箱状磁気ヨーク１
１内の底板にその４辺に沿ってそれぞれ磁極１２ａ〜１
２ｄが取付けられる。これら磁極１２ａ〜１２ｄ上にそ
れぞれリードスイッチ１３ａ〜１３ｄが配されて磁気ヨ
ーク１１に取付けられる。これらリードスイッチ１３ａ
〜１３ｄは第３図に示すように互いに直列に接続されて
いる。

可動磁石１４が設けられる。可動磁石１４は磁極１２ａ
〜１２ｄと対応する位置に磁極１５ａ〜１５ｄが形成さ
れるように着磁されている。この例では可動磁石１４は
箱状磁気ヨーク１１に対する蓋を構成し、この蓋を閉じ
ると磁極１５ａ〜１５ｄは磁極１２ａ〜１２ｄとそれぞ
れリードスイッチ１３ａ〜１３ｄを介して対向する。し
かも磁極１５ａ〜１５ｄは対応する磁極１２ａ〜１２ｄ
と互いに反対のものとされ、つまり一方がＮ極の場合、
他方はＳ極とされている。なお図においては磁気ヨーク
１１の中央部に補助ヨーク１６が取付けられ、可動磁石
１４を磁気ヨーク１１に蓋すると補助ヨーク１６が可動
磁石１４と接触するようにされている。

可動磁石１４が磁気ヨーク１１から離された状態では各
リードスイッチ１３ａ〜１３ｄに磁束が通らないため、
これらリードスイッチ１３ａ〜１３ｄはオフである。

可動磁石１４により磁気ヨーク１１が蓋され、しかも磁
極１５ａ〜１５ｄが対応する磁極１２ａ〜１２ｄと対向
させられると、これら磁極間に挟まれたリードスイッチ
１３ａ〜１３ｄにそれぞれ磁束が通り、これらリードス
イッチ１３ａ〜１３ｄはすべてオンとなり、リードスイ
ッチ１３ａ〜１３ｄの直列接続の両端間がオンとなる。
即ち、磁気ヨーク１１と可動磁石１４の相対する４組の
２つの磁極１２ａ−１５ａ、１２ｂ−１５ｂ、１２ｃ−
１５ｃ及び１２ｄ−１５ｄの極性がすべて互いに反対極
性になったときにのみ、それぞれのスイッチ１３ａ〜１
３ｄに磁束が通るから、これらスイッチはすべてオンと
なる。本実施例の場合には磁気ヨーク１１に４つの磁極
１２ａ〜１２ｄがあるから、これら磁極の極性の組み合
わせは全部で１６通りある。ただし、磁気ヨーク１１の
４つの磁極１２ａ〜１２ｄの極性がすべてＮ又はＳであ
る場合には、Ｓ又はＮに一様に着磁された一般の可動磁
石を近接させることによって各リードスイッチ１３ａ〜
１３ｄがすべてオンとなってしまうので、鍵の機能とし
て不適当である。それ故、この２通りの組み合わせは除
外することが望ましい。

このように、本実施例では、４組の相対する磁極の極性
の組み合わせがすべてＳ−Ｎとなったときに、各リード
スイッチ１３ａ〜１３ｄがオンとなり、直列接続のスイ
ッチ回路が導通するように構成したから、 他の可動磁石で磁気ヨーク１１が蓋されても、一般に
は、磁極１２ａ〜１２ｄのことごとくに反対の磁極が対
向する状態にはならず、リードスイッチ１３ａ〜１３ｄ
のうちの少なくともいずれか１つがオフのままであり、
リードスイッチ１３ａ〜１３ｄの直列接続のスイッチ回
路がオンになることはない。勿論、単なる鉄板その他の
板体で磁気ヨーク１１を蓋してもリードスイッチ１３ａ
〜１３ｄがオンになることはない。

「考案の効果」 この考案のスイッチ装置を例えば安全装置のドアに付け
れば、つまりドアに磁気ヨーク及び可動磁石の一方を取
付け、他方を固定部に取付け、ドアを閉じた時に磁気ヨ
ークに可動磁石が対接される構成とすると、複数組の相
対する２つの磁極の極性がすべて互いに反対極性となら
ないと、直列接続のスイッチ回路が導通しない。従っ
て、従来のようにＳ又はＮに一様に着磁された一般の可
動磁石を近接させただけでは磁気スイッチの少なくとも
１つはオフのままとなるため、直列接続のスイッチ回路
は導通せず、ドア開放信号が発生されないのでドアを開
くことができない。よって、極めて安全性及び信頼性の
高いスイッチ装置を提供できる。また、ドアが開いてい
るにもかかわらずドアが閉じていると誤検出される恐れ
も全くない。

なお、本考案のスイッチ装置は労働安全上重要な役割を
果たす。例えば生産工場においては自動機械が多数稼働
しているが、保守要員の安全のため、これら機械はカバ
ーで囲まれており、保守点検のためのドアが各所に設け
られる。このドアは自由に開閉できるが、内部に保安ス
イッチ装置が組み込まれており、ドアを開けると自動機
械は停止し、保守作業後ドアを閉じると再び機械は動く
ようになっていて保守要員の安全が守られている。

この種のスイッチ装置としては単一マグネットと磁気ス
イッチよりなるものがかなりある。保守作業は、難しい
作業の場合には、ドアを開けたまま顔や手をカバーの内
部に入れ、機械を動かさないと十分な作業が行えない場
合がある。この対策として別のマグネット片を磁気スイ
ッチに近接させてこのスイッチをオンにしてドアを閉じ
ている信号を発生させ、実際にはドアを開けたまま熟練
者が保守作業を行うとか、もう１人の監視員を付けて機
械の緊急停止が可能な状態で保守作業を行っている。し
かし、このような保守作業を未熟練者が行うと労働災害
を起こす恐れがあるので、上長の許可なしでは、即ち無
断ではこのような保守作業が行えないようにする必要が
ある。

上述した本考案のスイッチ装置をこのような保安スイッ
チ装置として使用すれば、複数組の相対する２つの磁極
の極性がすべて互いに反対極性になる所定の極性に着磁
された可動磁石を合鍵として磁気ヨークに近接させない
限り、すべての磁気スイッチがオンにならないから、直
列接続のスイッチ回路は導通せず、ドア閉鎖信号が発生
されない。従って、上長に無断で未熟練者が勝手にドア
を開けて単にＳ又はＮに一様に着磁されたマグネット片
によりドア閉鎖信号を発生させて機械を動かし、危険な
保守作業を行おうとしても、このようなマグネット片で
はドア閉鎖信号が発生されないので機械は動かない。そ
れ故、未熟練者の労働災害を未然に防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示し、磁気ヨークと可動磁
石とを離した状態の平面図、第２図は第１図の磁気ヨー
クと可動磁石とを対向させた状態の断面図、第３図はリ
ードスイッチの直列接続を示す図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭58−107240（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭57−10774（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気ヨークと、 その磁気ヨークに取り付けられた複数の磁極であって、
   少なくとも１つの磁極が他の磁極と反対の極性に着磁さ
   れている複数の磁極と、 その各磁極上に配され、直列に接続されてスイッチ回路
   を形成する複数の磁気スイッチと、 上記各磁極と対応した位置にこれと反対極性の磁極が着
   磁された可動磁石とを具備し、 上記磁気ヨークと上記可動磁石の相対する複数組の２つ
   の磁極の極性がすべて互いに反対極性となったときに上
   記各磁気スイッチがすべてオンとなって上記直列接続の
   スイッチ回路が導通するようにしたことを特徴とするス
   イッチ装置。