JPH062977B2 - メルトブロー不織布の製造方法 - Google Patents

メルトブロー不織布の製造方法

Info

Publication number
JPH062977B2
JPH062977B2 JP1102995A JP10299589A JPH062977B2 JP H062977 B2 JPH062977 B2 JP H062977B2 JP 1102995 A JP1102995 A JP 1102995A JP 10299589 A JP10299589 A JP 10299589A JP H062977 B2 JPH062977 B2 JP H062977B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
die
slits
melt
heating gas
molten polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1102995A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02289162A (ja
Inventor
栄一 西浦
敏雄 西谷
勝敏 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP1102995A priority Critical patent/JPH062977B2/ja
Publication of JPH02289162A publication Critical patent/JPH02289162A/ja
Publication of JPH062977B2 publication Critical patent/JPH062977B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、メルトブロー法による不織布の製造方法に関
し、詳しくは、ポリマー玉を発生させるという問題を生
ずることなく、安定して高品質で高品位な極細繊維のメ
ルトブロー不織布を製造するに効果のあるメルトブロー
繊維不織布の製造方法に関するものである。
[従来技術] 近年、電池セパレータ、フィルター材、医療用マスク、
ワイパー等の多くの用途分野に用いられてきているメル
トブロー法による不織布を工業的に製造する方法は、主
に、溶融状態の熱可塑性樹脂を、ダイ先端部に列状に多
数設けられたオリフィス孔から吐出しつつその吐出され
た樹脂に対して高温の加熱空気を噴射し、該噴射流の牽
引力によって微細化された極細メルトブロー繊維を、ダ
イの下方に設けられたネットコンベア上などに不織布状
に捕集するというものである。
ところで、かかる製造方法においては、溶融樹脂と加熱
空気とが衝突する合流部において、しばしばポリマー玉
が発生し、これが不織布の目付むら、強度の低下等の品
質低下の一つの原因となることがわかっている。
このようなポリマー玉発生のない品質の優れた不織布を
得るためには、得られる不織布の全幅にわたってダイか
らネットコンベア上に噴射されるガス流を、極力乱れの
少ない状態にすることが効果的である。
このような点に留意したメルトブロー紡糸法の従来技術
としては、たとえば、特開昭48−48921号公報、
米国特許第3970417号明細書などに記載された発
明が知られている。
しかしながら、前者の特許公開公報に記載された発明に
おいては、紡糸用ダイの構成を、多数のオリフィスを有
するダイノーズ、加熱ガスの流路であるスリットを形成
するためのリッププレート等を基本構成としているもの
であるが、上述ポリマー玉の発生を防止するための手段
としは、ダイを可能な限り高精度に、すなわちオリフィ
スの孔径、ピッチ等を可能な限り精度良く仕上げ、かつ
高温ガスが噴出するスリットは、ダイ幅方向でできるだ
けその隙間が均一となるように熱歪等を可能な限り考慮
して加工しなければならなく、極めて高度な加工技術が
要求されるという問題があったものである。
一方、後者の米国特許明細書に記載された発明は、同明
細書の第1図や第2図に記載されているように、ダイノ
ーズの両側のスリットから噴出される高温ガスの噴出量
を、各々のスリット流路に介設されたバルブを調節する
ことにより、あるいは同明細書に第5図に記載されてい
る如く、左右のスリット間隔を押し引きボルトで等間隔
に調節することにより、加熱ガスの噴射量やスリット隙
間をできるだけダイの巾方向において均一にせんとした
ものである。
[発明が解決しようとする課題] しかしなが、上述したような従来技術においては、左右
のスリットから噴射される加熱ガス量およびスリット隙
間等を左右で均一に調節しようとすると、加熱空気の供
給手段やダイなどに非常に高精度の加工と高価な製造コ
ストが要求されるので到底現実的なものではなく、ま
た、押し引きボルトによるスリット隙間の調節は、ダイ
の幅方向において多数のボルトを調節しなければなら
ず、精度良く正確なスリット隙間を得るには作業者個々
人に長年の経験と熟練、勘、労力等が要求されるという
問題があった。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたもの
であって、本発明の目的は、上記高精度のダイを製作す
ることや、また、熟練者の経験や勘などに必ずしも頼ら
ずとも、ポリマー玉の発生を防止するに顕著な効果を奏
し得て、品質と品位の良い不織布を製造するに顕著な効
果を奏するメルトブロー不織布を製造する方法を提供せ
んとするものである。
[課題を解決するための手段] 上述した目的を達成する本発明のメルトブロー不織布の
製造方法は、溶融ポリマーを吐出するためのオリフィス
を有するダイノーズと加熱ガスを噴射するための対状の
スリットが該ダイノーズの左右に形成されている紡糸用
ダイを用い、該対状のスリットから加熱ガスを噴射させ
つつ前記オリフィスから溶融ポリマーを吐出し該溶融ポ
リマーを牽引細化してメルトブロー繊維として紡出せし
めるに際し、該ダイノーズの左右に形成されたスリット
幅(L、L)、セットバック(H、H)、およ
び前記スリットから噴出される加熱ガスの噴射圧力(P
、P)のうち、少なくとも一つを該ダイノーズの左
右で非対称に設定した状態で溶融ポリマーの牽引細化を
行なわしめ、さらに該メルトブロー繊維を不織布状に捕
集することを特徴とするメルトブロー不織布の製造方法
である。
また、もう一つの本発明のメルトブロー不織布の製造方
法として、溶融ポリマーを吐出するためのオリフィスを
有するダイノーズと加熱ガスを噴射するための対状のス
リットが該ダイノーズの左右に形成されている紡糸用ダ
イを用い、該対状のスリットから加熱ガスを噴射させつ
つ前記オリフィスから溶融ポリマーを吐出し該溶融ポリ
マーを牽引細化してメルトブロー繊維として紡出せしめ
るに際し、該ダイノーズの左右に形成されたスリットか
ら噴射される加熱ガスの噴射量を、該左右スリット間で
相違させて牽引細化を行なわしめ、さらに該メルトブロ
ー繊維を不織布状に捕集することを特徴とするメルトブ
ロー不織布の製造方法である。
[作用] 以下、図面等に基づいて、さらに詳しく本発明のメルト
ブロー不織布の製造方法について説明する。
本発明において、紡糸用ダイとは、代表的には、多数の
オリフイスがダイの長手方向に列状に穿設されたダイノ
ーズと、該ダイノーズの左右にスリットを介して設けら
れたリッププレートを備えたものを言うが、この紡糸用
ダイの尖端部については、かかるリッププレート方式の
他、空気の噴出部が上部ナイフ(内刃)と下部ナイフ
(外刃)とで包囲された、いわゆるエアーナイフ方式の
紡糸用ダイなどの他の方式のものであってもよいもので
ある。
本発明のメルトブロー不織布の製造方法は、後述の、ダ
イノーズの左右に形成されたスリット幅(L
)、セットバック(H、H)、およびスリット
から噴出される加熱ガスの噴射圧力(P、P)のう
ち、少なくとも一つを該ダイノーズの左右で非対称に設
定した状態で溶融ポリマーの牽引細化を行なわしめ、さ
らに該メルトブロー繊維を不織布状に捕集するものであ
り、あるいは、ダイノーズの左右に形成されたスリット
から噴射される加熱ガスの噴射量を該左右スリット間で
相違させて牽引細化を行なわしめて、さらに該メルトブ
ロー繊維を不織布状に捕集するものである。
第1図は、上述の本発明のメルトブロー不織布の製造方
法を実施するために用いることのできるリッププレート
方式の紡糸用ダイの構造の1例を示した概略断面図であ
り、第2図は、同じく本発明のメルトブロー不織布の製
造方法を実施するために用いることのできるエアーナイ
フ方式の紡糸用ダイの構造の1例を示した要部(吐出ブ
ロック部)概略断面図である。
第1図において、紡糸用ダイ1は、溶融ポリマーの分配
部であるスピンブロック2と、吐出ブロック3とから構
成され、該吐出ブロック3は、更にダイノーズ4と、該
ダイノーズ4の左右にそれぞれ一対ずつ図示しないボル
トで固定されたリッププレート5、リップ固定ブロック
6とで構成されている。なお、リッププレート5は、リ
ップ固定ブロック6にねじ込まれた押し引きボルト7
で、ダイノーズ4に対し進退自在にスライドすることが
できる。また、8はフィルターである。ダイノーズ4
は、横断面が二等辺三角形で、その先端部の長手方向
(図の上下方向)には溶融ポリマーの吐出孔であるオリ
フィス9が多数、列状に設けられている。ダイノーズ尖
端部近傍の10a、10bは、加熱ガスの流路であるス
リットであり、一対のリッププレート5がタイノーズの
両壁からそれぞれスリット幅L、Lの距離を隔てて
対置されている。上記多数のオリフィス9から吐出され
た溶融ポリマーは、左右の両スリット10a、10bか
ら噴射された加熱ガスとダイノーズ4の先端部近傍で衝
突した後、該加熱ガスとともにネットコンベア上に噴射
され不織布状に捕集され、メルトブロー不織布を形成す
るものである。
かかる紡糸用ダイ1は、ヒータで保温された連結管15
で図示しないエレクトルーダ接続されており、そしてダ
イ1の左右には、ダイに加熱ガスを供給するための熱風
発生器(図示せず)と供給管11とバルブ12とからな
る加熱空気供給系13、14がそれぞれ接続されてい
る。
第2図は、エアーナイフ方式の紡糸用ダイにおける吐出
ブロック部の構造概略を示したものであり、吐出ブロッ
ク3に、上部ナイフ(内刃)15と下部ナイフ(外刃)
16とから加熱ガスの流路であるスリット10a、10
bが形成されるものであり、18は外刃固定ブロックで
あり、下部ナイフ(外刃)16は、押し引きボルト17
で、ダイノーズ4に対し進退自在にスライドすることが
できる。
なお、ダイノーズの吐出部近傍においてその断面形状
は、第1図や第2図に示されているようにほぼ逆三角形
状であるものが一般的であるが、必ずしも同形状に限定
されるもではなく、またその逆三角形状の具体的形状
も、二等辺三角形、正三角形の他、不等辺三角形などで
あってもよいものである。また、紡糸用ダイに供給され
る加熱ガスとは、電熱ヒータ、蒸気ヒータ等の任意の加
熱手段で加熱された空気、蒸気等の気体を言い、通常は
加熱空気が用いられる。
ダイノーズの左右に形成されたスリットとは、第1図に
概要を示したリッププレート方式のものでは、ダイノー
ズの両壁面とリッププレート壁面とで形成される加熱ガ
スの流路、あるいは、第2図に概要を示したエアーナイ
フ方式のものでは、内刃と外刃とで形成される加熱ガス
の流路を言い、また、スリット幅L、Lとは、第1
図や第2図に示したようにそれぞれのスリットにおける
横断面方向の距離を言う。かかるスリット幅の調節は、
たとえばリッププレートの吐出口近傍にねじ込まれた押
し引きボルト、油圧または空圧によるアクチュエータ、
あるいは加熱膨脹ボルト等の手段を調節することにより
調節することができる。
また、セットバックH、Hとは、第1図や第2図に
示したように、リッププレート方式のものでは、左右の
リッププレートの下面よりダイーズ先端までのダイノー
ズの突出距離を言い、また、エアーナイフ方式のもので
は、外刃端よいダイノーズ先端までのダイノーズの突出
距離を言い、かかるセットバックH、Hの調整は、
たとえばスピンブロックとリップ固定ブロックあるいは
外刃固定ブロックとの間にスペーサを挿入して調節する
などの手段により行なうことができる。かかるセットバ
ックの調節で、左右で非対象にセットバックを調節せし
めて噴射ガスの牽引エネルギーを非対称に設定すること
ができるものである。
また、加熱ガスの噴射圧力とは、スリット上流に位置す
る空気溜り室における加熱ガスの圧力を言い、すなわ
ち、リッププレート方式では、ダイノーズ、リッププレ
ート、リップ固定ブロックとで形成された空気溜り室
(第1図の19)、あるいは、エアーナイフ方式では、
ダイノーズ、外刃、内刃、外刃固定ブロックとで形成さ
れた空気溜り室(第2図の19)における加熱ガスの圧
力を言い、このような圧力の調整方法としては、たとえ
ば、左右のスリットに連通する加熱ガスの供給管に介設
されたバルブを各々調節すること、あるいは加熱ガス供
給ブロワの回転数を制御することなど任意の手段で行な
うことができる。
本発明の方法にしたがいメルトブロー不織布を製造する
に際して、本発明者らの各種知見によれば、これら値に
ついてそれぞれの非対称状態の好ましい具体的な条件範
囲は、たとえば、スリット幅L、Lは、ダイノーズ
の尖端角にもよるが、いずれか狭い方のスリット幅をL
とした場合、LとLとの比(L/L)が1.
1〜2.0の範囲内となるように調節するのがポリマー
玉を抑制する点で好ましく、そして、この場合のスリッ
ト幅L、Lの個々の具体的数値は、一般的にそれぞ
れ0.6〜1.4mm、0.66〜1.6mmの範囲内
とするのが好ましい。
また、たとえば、セットバックH、Hもダイノーズ
の尖端角にもよるが、いずれか短い方のセットバックを
とした場合、HとHとの比(H/H)が
1.1〜1.5となるように調節するのが好ましい。こ
の場合のセットバックH、Hの個々の具体的な値
は、それぞれ0.6〜1.8mm、0.7〜2.5mm
の範囲内とするのが好ましい。ただし、このような範囲
内でも、セットバックH、Hを大きな値とした場
合、雰囲気温度の影響で最適紡糸条件が変動することも
あるためため、さらに好ましくは、セットバックH
とも0.6〜1.7mmの範囲で、かつH/H
の比率を1.1〜1.5となるように調節するのがよ
い。
また、たとえば、加熱ガスの噴射圧力は、いずれか低い
方の噴射圧力をPとした場合、PとPとの比(P
/P)が1.2〜4.0の範囲内となるように調節
するのが好ましい。この場合の噴射圧力P、Pの個
々の具体的な値は、それぞれ0.1〜3.0kg/cm2G、
0.12〜6.0kg/cm2Gの範囲内とするのが好まし
い。
また、本発明では、特に上述の3種の値について左右で
特に相違させなくとも、ダイノーズの左右に形成された
スリットから噴射される加熱ガスの噴射量を、左右スリ
ット間で相違させて牽引細化を行なわしめるように構成
した方法を採用してもよいものである。
ここで、加熱ガスの噴射量とは、スリットから噴射され
る加熱ガスの噴射量を言い、噴射量の調節方法は、加熱
ガスの供給管に介設されたバルブをそれぞれ調節すれば
よく、その調節は、いずれも少ない方をNとした場
合、NとNとの比(N/N)が1.2以上、2
0以下の範囲内となるように調節することが好ましい。
すなわち、1.2未満の場合、ダイの組立て精度にもよ
るが効果が少なく、また、20を超えて制御すると、ガ
ス比率の多いN側が支配的になり、随伴空気の作用も
加わり、ガス比率の少ないN側のスリット近傍の吐出
ポリマにより汚れが生じる傾向が出てきて好ましくない
ものである。このような点から、特に、好ましくは1.
3以上10以下の範囲内となるように調節することが良
い。加熱ガスの使用噴射量は、吐出量、紡糸用ダイ幅な
どの要素やその他所望の不織布仕様に合わせて、適宜に
変更、設定すればよい。
本発明においては、上記スリット幅LとL、セット
バックHとH、スリットから噴射される加熱ガスの
噴射圧力PとP、さらには、左右スリットからそれ
ぞれ噴射される加熱ガスの噴射量のうち、少なくとも一
つの要件を前記ダイノーズの左右で非対称に設定した状
態で牽引細化すればよいのであって、これらの中から、
左右で非対称に設定させる要件として二つ以上の要件を
組合わせて紡糸をするようにして一層優れた効果を得る
ようにすることもできる。ここで、いずれのものを組合
せるかは、紡出すべき不織布を構成するメルトブロー繊
維の繊度、目付、不織布の通気性、不織布の表面品位等
を考慮して適宜に選択または組合せればよい。たとえ
ば、極細繊維の不織布を得たい場合には、噴射圧力と、
スリット幅とを組合せると、表面品位の点で好ましい結
果が得られ、通気性を高くしたい場合には、噴射圧力
と、セットバック条件とを適宜組合せて紡糸するとより
顕著なポリマ玉発生の抑制効果が得られる。
このようにダイの左右で、スリット幅、セットバック、
加熱ガスの噴射圧力等を非対象に設定した結果、ポリマ
ー玉の発生を抑制できる理由は、たとえば、従来の紡糸
方法のように左右のスリットから噴射される加熱空気
を、ダイノーズの左右で等しくした状態でオリフィスか
ら溶融ポリマーを紡出すると、合流部において噴射され
る溶融ポリマーに振動が生じ、この振動がポリマー玉の
成長を促してそのままスクリーン上に噴射されるからと
考えられるものである。
これに対し、本発明のようにスリット幅、セットバッ
ク、加熱ガス、噴射圧力、さらに噴射量のうち、少なく
とも一つをダイノーズの左右で非対象に設定すると、い
ずれか一方のスリットから噴射されたガス流が主噴流と
なり、他方のスリットから噴射されたガス流が主噴流に
従属する副噴流となって、主噴流を基本としつつ、多数
のオリフィスから吐出されたポリマーが副噴流ととも
に、主噴流に従属して噴射されるので上記のような振動
が発生しないのである。この場合、二つのスリットのう
ち、いずれのスリットから噴射されるガス流が主噴流を
形成するかについてであるが、スリット幅の場合は、大
きく設定した方がガス流が主噴流を形成し、セットバッ
クの場合は小さく設定した方のガス流が、また噴射圧力
の場合は当然に噴射圧力を高く設定した方のガス流が、
また噴射量の場合はより多く噴射する方のガス流が、主
噴流を形成する。
なお、本発明で、加熱ガスの噴射圧力、噴射量、スリッ
ト量等を非対称に設定すると、ガス加熱装置から供給さ
れるガス温度が同じ場合、放熱により左右で温度差が生
じることがあるため、左右でガス加熱装置を別にするこ
とが望ましい。
このように、本発明は、ダイノーズの左右から噴射して
衝突するガス流を、わざと非対称に設定することによっ
て、ガス流に主噴流と副噴流とを形成せしめ、それより
溶融ポリマーの噴射流は、該主噴流が中心となって安定
し、この結果、合流部におけるポリマー玉の発生が抑制
されるのである。
また、組立て精度が多少悪くても、またダイノーズに小
さな傷があっても、ポリマー玉の発生が抑制され得るよ
うになるものである。
[実施例および比較例] 以下、本発明のメルトブロー不織布の製造方法につい
て、実施例に基づいて具体的に説明する。
実施例1〜2、比較例1〜3 第1図に概略を示した構造の紡糸用ダイ1を用いて、本
実施例および比較例では、スリット10aのスリット幅
を一定にし、スリット10bのスリット幅Lを、
ダイボルト7を調節することによって順次変化させ、得
られた不織布の表面状態を光源を透過させ、倍率20倍
の顕微鏡で測定することによりポリマー玉の発生状況を
調べた。
紡出条件は、先端角θが30°でその尖端部に直径0.
3mmのオリフィス9が1.1mmピッチで一列に多数個並
んでいるダイノーズ4と、ガス噴射角αが40°、スリ
ット幅Lが0.8mmであるリッププレートとが組込まれ
たダイに対し、ポリプロピレン樹脂を300℃に溶融
し、これを0.25g/分の吐出速度でオリフイス9か
ら吐出し、一方、左右のスリット10a、10bからは
同温度に加熱された空気を、圧力0.35kg/cm2Gで噴
射しつつ、リッププレート5の下方300mmの距離に設
けたネットコンベア上に噴射させて、不織布を製造し
た。
この結果を示したのが第1表であり、該第1表に示す如
く、左のスリット幅Lに対し、右のスリット幅L
0.1〜0.2mm広くして非対称にした実施例1〜2の
方が、同一スリット幅とした比較例1〜3よりもポリマ
ー玉の発生が少ないことがわかる。
実施例3〜4、比較例4〜6 次に、実施例1〜2で説明した吐出ブロックを、第2図
に示す構造のエアーナイフ式の紡糸用ダイに交換して、
左右のセットバックH、Hを押し引きボルト17を
調節することにより変化させ、これに対するポリマー玉
の発生状況を上記実施例1〜2と同様の測定方法で調べ
た。
なお、紡出条件は、上記ダイ形式を代えて、スリット幅
、Lを左右とも同じ0.8mmに設定した他は上記
実施例1〜2と同一である。
その結果を示したのが第2表であり、表に示す如く、左
のセットバックHに対し、右のセットバックH
0.15〜0.3mm長くして非対称にした実施例3〜4
の方が同一セットバックの比較例4〜6よりも、ポリマ
ー玉の発生状況が改善されていることがわかる。
実施例5〜6、比較例7 次に、実施例1〜2で用いた紡糸装置において、セット
バックH、Hを左右とも1.5mm、スリット幅
、Lも左右とも0.8mmとし、他の紡出条件およ
び測定条件は、上記実施例1〜2と同様にして、スリッ
ト10a、10bに供給される加熱空気の圧力P、P
を左右のバルブ12を調節することにより、非対称に
してポリマー玉の発生状況を調べたのが第3表である。
この表から、左右の供給圧力P、Pを均等にした比
較例7の場合に比べ、それぞれ0.10〜0.30kg/c
m2G低く設定した実施例5〜6の方がポリマー玉の発生
は少ないことがわかる。
実施例7〜10、比較例8 上述した実施例1〜2に示した紡糸装置において、一方
のセカンドバックの平均値が1.4mmでその最大値と最
小値との差RがR=0.9mm、他方が1.3mmでR=
0.7mm、スリット幅の平均値が一方を0.7mmでR=
0.4、他方が0.7mmでR=0.5mmとして紡糸用ダ
イを組立てた。
この装置で、熱溶融ポリマをメルトブロー紡糸するが、
このときに、両スリットから均等に5Nm3/分の加熱エ
アーを噴射せしめた場合(比率1:比較例8)、N
3.5Nm3/分、Nを6.5Nm3/分とした場合(比
率1.86:実施例7)、Nを2.5Nm3/分、N
を7.5Nm3/分とした場合(比率3:実施例8)、N
を1.0Nm3/分、Nを9.0Nm3/分とした場合
(比率9:実施例9)、Nを0.5Nm3/分、N
9.5Nm3/分とした場合(比率19:実施例10)に
ついて、それぞれ紡糸した結果は、第4表に記載した通
りである。
かかる第4表に記載した結果より、実施例7〜10のよ
うに適度な噴射ガスの比率を設定することにより、ポリ
マ玉の少ない不織布シートを得ることかできることがわ
かる。
[発明の効果] 以上の説明したように本発明は、紡糸用ダイの加工精度
を高めることによりスリット幅をダイノーズの左右で均
等にし、噴射圧力を両スリットとも均等にして紡出する
従来の紡糸方法と異なり、ダイノーズの左右に形成され
たスリット幅(L、L)、セットバック(H、H
)、加熱ガスの噴射圧力(P、P)、噴射量のう
ち、少なくとも一つを前記ダイノーズの左右で非対称に
設定した状態で牽引細化される紡糸方法としたので、両
スリットから噴射される加熱ガスのうちの一方の噴射流
が主噴流を形成し、他方のスリットから噴射される噴射
流が副噴流となって振動が発生せず、合流部におけるポ
リマー玉の発生を効果的に抑制することができる。
したがって、本発明によれば、品質のよい不織布を、特
別に高精度に加工されたダイや、作業者に高度な熟練、
経験等を要求されることなく、安定して生産することが
きるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のメルトブロー不織布の製造方法を実
施するために用いることのできるリッププレート方式の
紡糸用ダイの構造の1例を示した概略断面図であり、第
2図は、同じく本発明のメルトブロー不織布の製造方法
を実施するために用いることのできるエアーナイフ方式
の紡糸用ダイの構造の1例を示した要部(吐出ブロック
部)概略断面図である。 1:紡糸用ダイ 3:吐出ブロック 4:ダイノーズ 5:リッププレート 9:オリフィス 10a、10b:スリット 19:空気溜り室 L、L:スリット幅 H、H:セットバック P、P:噴射圧力

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融ポリマーを吐出するためのオリフィス
    を有するダイノーズと加熱ガスを噴射するための対状の
    スリットが該ダイノーズの左右に形成されている紡糸用
    ダイを用い、該対状のスリットから加熱ガスを噴射させ
    つつ前記オリフィスから溶融ポリマーを吐出し該溶融ポ
    リマーを牽引細化してメルトブロー繊維として紡出せし
    めるに際し、該ダイノーズの左右に形成されたスリット
    幅(L、L)、セットバック(H、H)、およ
    び前記スリットから噴出される加熱ガスの噴射圧力(P
    、P)のうち、少なくとも一つを該ダイノーズの左
    右で非対称に設定した状態で溶融ポリマーの牽引細化を
    行なわしめ、さらに該メルトブロー繊維を不織布状に捕
    集することを特徴とするメルトブロー不織布の製造方
    法。
  2. 【請求項2】溶融ポリマーを吐出するためのオリフィス
    を有するダイノーズと加熱ガスを噴射するための対状の
    スリットが該ダイノーズの左右に形成されている紡糸用
    ダイを用い、該対状のスリットから加熱ガスを噴射させ
    つつ前記オリフィスから溶融ポリマーを吐出し該溶融ポ
    リマーを牽引細化してメルトブロー繊維として紡出せし
    めるに際し、該ダイノーズの左右に形成されたスリット
    から噴射される加熱ガスの噴射量を、該左右スリット間
    で相違させて牽引細化を行なわしめ、さらに該メルトブ
    ロー繊維を不織布状に捕集することを特徴とするメルト
    ブロー不織布の製造方法。
  3. 【請求項3】ダイノーズの左右に形成された前記スリッ
    トから噴射される加熱ガスの噴射量を、左右スリット間
    で、噴射量比率で1.2以上20以下の範囲内で相違せ
    しめることを特徴とする特許請求の範囲第(2)項記載の
    メルトブロー不織布の製造方法。
  4. 【請求項4】ダイノーズの形状が、吐出部近傍において
    その断面がほぼ逆三角形状であってその尖端部に溶融ポ
    リマーを吐出するための多数のオリフィスを有するもの
    であることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項、第(2)
    項または第(3)項記載のメルトブロー不織布の製造方
    法。
JP1102995A 1989-04-20 1989-04-20 メルトブロー不織布の製造方法 Expired - Fee Related JPH062977B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1102995A JPH062977B2 (ja) 1989-04-20 1989-04-20 メルトブロー不織布の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1102995A JPH062977B2 (ja) 1989-04-20 1989-04-20 メルトブロー不織布の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02289162A JPH02289162A (ja) 1990-11-29
JPH062977B2 true JPH062977B2 (ja) 1994-01-12

Family

ID=14342272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1102995A Expired - Fee Related JPH062977B2 (ja) 1989-04-20 1989-04-20 メルトブロー不織布の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH062977B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05279948A (ja) * 1992-03-30 1993-10-26 Kuraray Co Ltd 異形断面メルトブローン繊維不織布の製造方法
CN110453295A (zh) * 2019-09-19 2019-11-15 嘉兴学院 一种熔喷纺丝喷头结构
CN112176429A (zh) * 2020-10-14 2021-01-05 安徽伯辉智能装备有限公司 一种熔喷布的熔喷结构
CN115537945A (zh) * 2022-10-08 2022-12-30 南通大学 一种可细化聚合物纤维的熔喷纺丝模头

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02289162A (ja) 1990-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5260003A (en) Method and device for manufacturing ultrafine fibres from thermoplastic polymers
CA2644977C (en) Spinning device for producing fine threads by splitting
AU746714B2 (en) Cold air meltblown apparatus and process
US3379811A (en) Apparatus and process for production of filaments
US5476616A (en) Apparatus and process for uniformly melt-blowing a fiberforming thermoplastic polymer in a spinnerette assembly of multiple rows of spinning orifices
JP3134959B2 (ja) 複合メルトブロー紡糸口金装置
KR102649060B1 (ko) 필라멘트의 압출 및 스펀본디드 패브릭의 제조를 위한 장치
EP0552285B1 (en) Method for treating meltblown filaments
DE112005003176B4 (de) Vorrichtung zum Bilden von Schmelzblasmaterial
JPH07102408A (ja) メルトブロー紡糸口金装置
US20060061006A1 (en) Device for producing filaments from thermoplastic synthetic
EP0553419A1 (en) Meltblown die head
CN111334875A (zh) 一种熔喷织机喷丝喷头用气流导流板
KR102366240B1 (ko) 극세 섬유 생성 방법 및 생성 장치
JPH062977B2 (ja) メルトブロー不織布の製造方法
JPH05186240A (ja) 熱軟化性物質流出用ノズルおよび該ノズルを持つ繊維化装置
JPH0319907A (ja) メルトブロー用ダイ
JP4058227B2 (ja) メルトブロー装置用ダイ
JP2870138B2 (ja) メルトブロー紡糸方法およびメルトブロー紡糸装置
JP3223390B2 (ja) メルトブロー装置
JP3758063B2 (ja) メルトブロー用紡糸口金及び不織布の製造方法
EP0279286B1 (de) Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung feinster mineralfasern, insbesondere Glasfasern
CN212426255U (zh) 一种具有辅助吹喷功能的熔喷纺丝喷头结构
CN212316389U (zh) 一种易于维护的熔喷模具
JPH0465565A (ja) メルトブロー紡糸方法およびメルトブロー紡糸装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees