JPH06297410A - 木材処理方法及び装置 - Google Patents

木材処理方法及び装置

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JPH06297410A
JPH06297410A JP8708393A JP8708393A JPH06297410A JP H06297410 A JPH06297410 A JP H06297410A JP 8708393 A JP8708393 A JP 8708393A JP 8708393 A JP8708393 A JP 8708393A JP H06297410 A JPH06297410 A JP H06297410A
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JP
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wood
methylene chloride
tank
steam
chemical solution
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JP8708393A
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Yotarou Hashimoto
與太郎 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は木材の細胞を閉鎖しているピットの
部分を閉鎖する油脂分を溶解し、該ピットを開口するこ
とにより、油脂成分の抽出を容易にし、乾燥を高速化
し、木材の染色や防腐処理を容易にする技術である。 【構成】 メチレンクロライド溶液に水を附加して薬液
とし、100度以上に加熱してメチレンクロライドの蒸
気と水蒸気を発生させ、木材を封入した処理タンク内に
充填して木材に浸透させ、木材中の油分を溶融し木材細
胞膜のピットを開口する。また処理後の木材を乾燥し染
料又は防腐剤を浸透させ、該溶液蒸気と水蒸気を浸透さ
せる前に真空状態とした処理タンク内で木材を脱気す
る。その後冷却液化した薬液を薬液タンクに戻す際に
は、処理タンク内にコンプレッサより高圧空気を注入し
て押し出す。処理作業終了後にメチレンクロライド蒸気
は、回収する際に真空ポンプにより吸引し、コンデンサ
内を通過する際に液化して混合液タンク14に回収す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は木材の細胞を閉鎖してい
るピットの部分を閉鎖する油脂分を溶解し、該ピットを
開口することにより、油脂成分の抽出を容易にし、乾燥
を高速化し、木材の染色や防腐処理を容易にする技術で
ある。
【0002】
【従来の技術】同一出願人により、特願平4−8919
8号として、メチレンクロライド蒸気を木材Wに浸透さ
せる木材処理装置及び方法が出願されている。またこの
出願以前に木材を乾燥する場合には、木材の細胞膜を構
成されたピットを開口することが出来ない為に、細胞内
の水分や油脂分を乾燥により取り出すことが困難であ
り、乾燥に時間と費用が掛かっていたのである。また木
材の附加価値を向上させる為に、染色しようとしても、
該ピットが開口していないので染料が木材Wの内部まで
浸透しないという不具合があったのである。また、防腐
剤や合成樹脂を注入して、木材の強化を図る技術におい
ても、ピットが開口しない為に、これらの液の注入が出
来ないという不具合があったのである。
【0003】このようにピットを開口することが出来な
いので、針状のもので木材Wに傷を付けたり、ウォータ
ージェットにより傷つけたりして、乾燥や染色や薬液の
注入を促すインサイジングの技術や、或る種の酵素によ
るピット部分を腐食させる方法や、レーザー光線による
ピットの破壊技術や、蒸気によるピットの破壊等が試み
られていたのであるが、未だ十分にピットを開口するこ
とが出来なかったのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の不具合を、有機溶剤であるメチレンクロライドの蒸気
を木材に浸透させることにより解決するものである。即
ち、図8と図9において、木材Wのピットの部分の構成
が開示されている。図8と図9においては針葉樹のピッ
トの構成が開示されている。即ち、細胞壁の一部に壁孔
縁33・33によりドーム状が構成されており、該壁孔
縁33・33の中央がピット30として開口されてい
る。しかし、該ピット30を開閉する弁体として、トー
ルス31が有り、該トールス31は網目状のセルロース
・ミクロフィブリルより構成されたマルゴ32という網
膜により吊り下げられている。そして、細胞内の水が減
少すると、該トールス31がピット30を閉鎖し、また
過剰となると該トールス31がピット30から離れて開
口するのである。該セルロース・ミクロフィブリルによ
り構成されたマルゴ32は、水分が通過可能でありトー
ルス31がピット30を閉鎖しない状態となれば、ピッ
トが開口出来るのである。本発明は、メチレンクロライ
ドの蒸気により、このセルロース・ミクロフィブリルの
部分の油脂を溶解し、トールス31がピット30を閉鎖
しないようにするのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の
手段を説明する。即ち、メチレンクロライド溶液に水を
附加して薬液とし、該薬液を100度以上に加熱し、メ
チレンクロライドの蒸気と水蒸気を発生させ、該メチレ
ンクロライドの蒸気と水蒸気を、木材を封入した処理タ
ンク内に充填して木材に浸透させ、木材中の油分を溶融
し木材細胞膜のピットを開口する方法である。
【0006】また、処理後の木材を乾燥する方法であ
る。
【0007】また、処理後の木材に染料又は防腐剤を浸
透させる方法である。
【0008】また、メチレンクロライド溶液に水を附加
して薬液とし、該薬液を100度以上に加熱し、メチレ
ンクロライドの蒸気と水蒸気を発生させ、該メチレンク
ロライドの蒸気と水蒸気を、木材を封入した処理タンク
内に充填して木材に浸透させ、木材中の油分を溶融し木
材細胞膜のピットを開口する装置において、メチレンク
ロライド蒸気と水蒸気を浸透させる前の段階において、
真空状態とした処理タンク内において、木材を脱気処理
するものである。
【0009】また、メチレンクロライド溶液に水を附加
して薬液とし、該薬液を100度以上に加熱し、メチレ
ンクロライドの蒸気と水蒸気を発生させ、該メチレンク
ロライドの蒸気と水蒸気を、木材を封入した処理タンク
内に充填して木材に浸透させ、木材中の油分を溶融し木
材細胞膜のピットを開口する装置において、処理作業終
了後に冷却液化したメチレンクロライドと水の薬液を、
薬液タンクに戻す際には、処理タンク内にコンプレッサ
より高圧空気を注入して、薬液タンクへ押し出すもので
ある。
【0010】また、メチレンクロライド溶液に水を附加
して薬液とし、該薬液を100度以上に加熱し、メチレ
ンクロライドの蒸気と水蒸気を発生させ、該メチレンク
ロライドの蒸気と水蒸気を、木材を封入した処理タンク
内に充填して木材に浸透させ、木材中の油分を溶融し木
材細胞膜のピットを開口する装置において、処理作業終
了後にメチレンクロライド蒸気を回収する際に、真空ポ
ンプにより吸引し、メチレンクロライド蒸気はコンデン
サ内を通過する際に液化して混合液タンク14に回収す
るものである。
【0011】また、メチレンクロライド溶液に水を附加
して薬液とし、該薬液を100度以上に加熱し、メチレ
ンクロライドの蒸気と水蒸気を発生させ、該メチレンク
ロライドの蒸気と水蒸気を、木材を封入した処理タンク
内に充填して木材に浸透させ、木材中の油分を溶融し木
材細胞膜のピットを開口する装置において、処理タンク
の蓋体22に木材載置台26を一体的に構成し、該木材
載置台26は処理タンクTの内部の手動レール25の上
を移動し、蓋体22は処理タンクTの外部の移動レール
の上を移動すべく構成したものである。
【0012】また、メチレンクロライド溶液に水を附加
して薬液とし、該薬液を100度以上に加熱し、メチレ
ンクロライドの蒸気と水蒸気を発生させ、該メチレンク
ロライドの蒸気と水蒸気を、木材を封入した処理タンク
内に充填して木材に浸透させ、木材中の油分を溶融し木
材細胞膜のピットを開口する処理の行程を、『木材脱
気』,『薬液送り込み』,『木材脱脂』,『薬液冷
却』,『薬液タンク戻し』,『メチレンクロライド蒸気
回収』,『コンデンサ内部メチレンクロライド回収』の
順としたものである。
【0013】
【作用】次に作用を説明する。本発明のメチレンクロラ
イドの蒸気と水蒸気は、木材Wのピットの部分まで浸透
し、マルゴ32の部分を構成するセルロース・ミクロフ
ィブリルを溶解し、トールス31がピット30を閉鎖不
可能な状態とするのである。該ピット30が開放状態と
なると、細胞内の油脂成分も、メチレンクロライドの蒸
気に溶解して、ピット30から外部に溶融してくるので
ある。またピット30が開放されるので、後行程である
乾燥により、油脂や水分が容易に外部に抽出されるので
ある。またこれらが抽出された後の木材細胞へ、染料
や、防腐剤や、合成樹脂等が簡単に侵入するので、化学
的に補強された木材Wを構成することが出来る。
【0014】
【実施例】次に実施例を説明する。図1は本発明の木材
処理方法及び装置の基本構成図面、図2は木材処理方法
の行程と手順を、バルブ機構の開閉により示した図面、
図3は処理タンクTと蓋体22と木材載置台26の部分
の側面図、図4は処理タンクTに蓋体22を閉鎖した状
態の側面図、図5は蓋体22の正面図、図6は処理タン
クTの正面断面図、図7は木材載置台26の上に木材W
を載置した状態の正面図、図8は針葉樹のピット30を
示す斜視図、図9は同じく針葉樹のピット30の断面
図、図10は本発明の木材処理方法により処理後の木材
Wと、未処理の桐材の乾燥速度を比較した図面、図11
はナラ材の乾燥速度を比較した図面、図12は米杉の乾
燥速度を比較した図面、図13は地杉の乾燥速度を比較
した図面、図14は米松の乾燥速度を比較した図面、図
15は地檜の乾燥速度を比較した図面、図16はチーク
材の乾燥速度を比較した図面、図17はカバ材の乾燥速
度を比較した図面である。
【0015】図3・図4・図5・図6・図7において、
処理タンクTと蓋体22と木材載置台26の構成を説明
する。即ち処理タンクTは圧力容器を構成しており、本
発明の木材処理方法及び装置においては、木材脱気にお
いて50Torrとなり、メチレンクロライドの蒸気回
収時に200Torrとなるので、これに耐える程度の
圧力容器に構成されている。そして正面に蓋体22が設
けられており、該蓋体22が木材載置台26と一体的に
構成されている。該木材載置台26は処理タンクTの内
部に設けられた移動レール25の上で移動し、また蓋体
22は蓋体支持部23の下部の移動レール24の部分
で、両者が一体的に移動可能としている。
【0016】該蓋体22と一体的に引出し、挿入される
木材載置台26の上に、処理対象である木材Wを載置す
るのである。該木材載置台26の部分を処理タンクTの
内部に挿入した状態で、蓋体22と処理タンクTとを密
閉固定し、圧力を掛けるのである。該処理タンクTの内
部の底部に加温・冷却パイプ20が配置されており、加
温の場合にはボイラーBより、100数十度の水蒸気が
供給される。また冷却の場合には、冷却水タンク18の
冷却水が供給される。メチレンクロライドと水の混合液
である薬液は、そのまま処理タンクTの内部に注入され
ても良いし、また予備タンクの部分で混合蒸気の状態と
して、処理タンクTに供給しても良いのである。図1の
実施例においては、薬液の状態として処理タンクTの内
部に供給すべく構成している。
【0017】そして薬液の状態で、加温・冷却パイプ2
0を浸漬する程度まで、薬液を注入した状態で、ボイラ
ーBから100数十度の水蒸気を加温・冷却パイプ20
に供給し、沸点が40度であるメチレンクロライドは勿
論、水も蒸気となるのである。該水蒸気とメチレンクロ
ライドの蒸気とを同時に供給するのは、水蒸気により木
材Wの外周の組織を柔らかくして、ピットの開口を促進
し、次にメチレンクロライドの蒸気が細胞の内部に浸透
するのを促進するのである。
【0018】次に図1おいて、本発明の木材処理方法及
び装置の基本構成を説明する。設備としては、処理タン
クTと混合液タンク14が主体であり、該混合液タンク
14の内部に、メチレンクロライドと水と、その他の添
加物の附加された薬液が投入される。またボイラーBは
前述の如く、薬液を蒸気化するものであり、コンプレッ
サCは、処理終了後に処理タンクTの内部の薬液を混合
液タンク14に戻す際に圧力を掛けるものである。
【0019】また真空ポンプPは薬液を押し出した後
に、処理タンクTの内部と木材Wの細胞組織の内部に残
っているメチレンクロライド蒸気を吸引するものであ
る。そして該吸引したメチレンクロライド蒸気は、大気
に排出することが出来ないので、コンデンサ16におい
て冷却して液化し、コンデンサパイプ21の部分から再
度混合液タンク14に戻している。チラー15は該コン
デンサ16の内部の冷却水を冷却するものである。また
フィルター19が設けられており、処理タンクTからコ
ンプレッサCにより押し出される薬液内のゴミ等の不純
物を濾過する。また冷却水タンク17は、薬液蒸気を液
化する為に使用した冷却水の受け皿である。
【0020】そして、各部に電磁バルブが配置されてい
る。該電磁バルブは、自動制御装置により、一定時間毎
に開閉すべく構成しており、処理の行程である『木材脱
気』,『薬液送り込み』,『木材脱脂』,『薬液冷
却』,『薬液タンク戻し』,『メチレンクロライド蒸気
回収』,『コンデンサ内部メチレンクロライド回収』の
順に、図2に示す如く、自動的に開閉操作される。同時
に、コンプレッサCとボイラーBと真空ポンプPとチラ
ー15が自動的に駆動停止される。この処理の1行程
は、24時間で終了すべく構成されており、該処理が終
了した後の木材Wを、乾燥装置にいれて乾燥すると、図
10から図17の如く、未処理材よりも相当に早い速度
で乾燥するのである。
【0021】次に図2において、木材処理方法及び装置
の各行程の電磁バルブの状態を示す。まず『木材脱気』
の行程においては、真空ポンプPが駆動される。そして
真空ポンプPとコンデンサ16を連結する回路の電磁バ
ルブ1が開く、またコンデンサ16と処理タンクTを連
通する電磁バルブ3も開く。その他の電磁バルブはすべ
て閉鎖されている。これにより、処理タンクTの内部
は、50Torr程度の真空となり、木材Wの細胞内の
空気が引き出される。
【0022】次に『薬液送り込み』の行程においては、
処理タンクTと混合液タンク14を連通する電磁バルブ
4が開き、他の電磁バルブは閉鎖される。これにより混
合液タンク14と処理タンクTとは略同じレベルに配置
されているので、混合液タンク14内と処理タンクT内
が同じレベルになるように、薬液が処理タンクT内に移
動する。
【0023】次に、『木材脱脂』の行程においては、ボ
イラーBと処理タンクTとの間の電磁バルブ7と、処理
タンクTからドレーンを連通する電磁バルブ9が開き、
他の電磁バルブは閉鎖される。これにより、ボイラーB
からの高熱蒸気が処理タンクT内の加温・冷却パイプ2
0に供給され、処理タンクT内の薬液は、メチレンクロ
ライドの蒸気と水蒸気となって、木材Wの細胞内に浸透
する。この『木材脱脂』の段階を約6時間行う。
【0024】次に『薬液冷却』の行程を説明する。この
場合には、冷却水タンク18と処理タンクTとを連通す
る電磁バルブ8と、処理タンクTと冷却水タンク17を
連通する電磁バルブ10が開放される。他の電磁バルブ
は閉鎖されている。これにより、冷却水が加温・冷却パ
イプ20内を通過し、処理タンクTの内部はメチレンク
ロライドの沸点である40度以下となるので、メチレン
クロライドも水蒸気も薬液に戻るのである。
【0025】次に『薬液タンク戻し』の行程を説明す
る。この場合には、処理タンクT内の空気を逃がす為に
電磁バルブ2が開き、処理タンクTの下部の電磁バルブ
5と、コンプレッサCと処理タンクTを連通する電磁バ
ルブ6が開き、コンプレッサCが駆動される。またフィ
ルター19と混合液タンク14の間の電磁バルブ12
と、混合液タンク14と大気を連通する電磁バルブ13
が開く。これにより処理タンクT内にある程度の圧力が
掛かるので、液化した薬液は混合液タンク14内に押し
戻される。
【0026】次に、『タンク内部メチレンクロライド蒸
気回収』の行程について説明する。この場合には、真空
ポンプPが駆動される。そして真空ポンプPとコンデン
サ16を連通する電磁バルブ1と、コンデンサ16と処
理タンクTを連通する電磁バルブ3が開く。他の電磁バ
ルブは閉鎖される。この状態で、真空ポンプPにより処
理タンクT内及び木材Wの細胞内に浸透したメチレンク
ロライドの蒸気を回収する。この際の真空度は、200
Torr程度まで下げる。
【0027】次に『コンデンサ内部メチレンクロライド
回収』の行程においては、大気と連通する電磁バルブ2
と、コンデンサパイプ21と混合液タンク14とを連通
する電磁バルブ11を開く。これにより、コンデンサ1
6のコンデンサパイプ21の内部に溜まったメチレンク
ロライドを混合液タンク14に回収することが出来る。
これらの1行程を24時間で終了するのである。
【0028】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。即ち、請求項1の如く構
成したので、木材Wの細胞に形成されたピット30の部
分を開口状態とすることが可能となり、図10から図1
7に示す如く各木材W毎に、乾燥速度を飛躍的に速くす
ることが出来るのである。
【0029】また請求項2の如く、処理後の木材Wを乾
燥すると、乾燥速度が速くなるだけではなくて、従来
は、ピット30が閉鎖状態であることにより、熱風乾燥
しても、ある一定のバランス含水率以下には乾燥できな
かった木材を、ピット30の開放により、バランス含水
率の状態を破壊して、更に低含水率まで乾燥することが
出来るようになったのである。また、時間の経過と共
に、ヤニ成分が吹きでることにより、木材Wとして使用
不可能であった不良材木も、ヤニ成分まで溶融すること
により、製品木材とすることが可能となったのである。
【0030】請求項3の如く処理後の木材Wを染色する
と、従来は木材Wの表面のみしか染色出来なかったのに
対して、木材Wの内部まで均等に染色することが出来る
ようになったのである。また防腐剤や、合成樹脂の補強
剤等を注入することも簡単に出来るのである。
【0031】請求項4の如く、メチレンクロライド蒸気
と水蒸気を浸透させる前の段階において、真空状態とし
た処理タンク内において、木材を脱気処理するので、木
材Wの内部の空気を抜き取った状態で、メチレンクロラ
イドの蒸気を浸透させることが出来るので、より内部ま
で浸透させることができ、ピットの開口がスムースに出
来るのである。
【0032】請求項5の如く、処理作業終了後に冷却液
化したメチレンクロライドと水の薬液を、薬液タンクに
戻す際には、処理タンク内にコンプレッサより高圧空気
を注入して、薬液タンクへ押し出すので、該薬液を吸引
すると内部が負圧になり、メチレンクロライドの沸点が
さらに低くなり、メチレンクロライドの蒸気を吸引する
ので、戻しの時間が掛かるという不具合を解消すること
ができたのである。
【0033】請求項6の如く、処理作業終了後にメチレ
ンクロライド蒸気を回収する際に、真空ポンプにより吸
引し、メチレンクロライド蒸気はコンデンサ内を通過す
る際に液化して混合液タンク14に回収するので、該高
圧真空により、メチレンクロライドの内部に浸透したメ
チレンクロライドを徹底的に回収することが出来るの
で、メチレンクロライドの蒸気により大気汚染すること
が無くなったのである。
【0034】請求項7の如く、処理タンクの蓋体22に
木材載置台26を一体的に構成し、該木材載置台26は
処理タンクTの内部の手動レール25の上を移動し、蓋
体22は処理タンクTの外部の移動レールの上を移動す
べく構成したので、蓋体22の開閉と、木材Wの取出と
を一体作業として行うことが出来るので、作業能率を向
上することが出来たのである。
【0035】請求項8の如く、処理の行程を、『木材脱
気』,『薬液送り込み』,『木材脱脂』,『薬液冷
却』,『薬液タンク戻し』,『メチレンクロライド蒸気
回収』,『コンデンサ内部メチレンクロライド回収』の
順としたので、これらの処理行程を電磁バルブの開閉
と、真空ポンプPとコンプレッサCとボイラーBの駆動
停止により行うことが出来るので、24時間のシーケン
ス制御により、無人運転が可能となったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木材処理方法及び装置の基本構成図
面。
【図2】木材処理方法の行程と手順を、バルブ機構の開
閉により示した図面。
【図3】処理タンクTと蓋体22と木材載置台26の部
分の側面図。
【図4】処理タンクTに蓋体22を閉鎖した状態の側面
図。
【図5】蓋体22の正面図。
【図6】処理タンクTの正面断面図。
【図7】木材載置台26の上に木材Wを載置した状態の
正面図。
【図8】針葉樹のピット30を示す斜視図。
【図9】同じく針葉樹のピット30の断面図。
【図10】本発明の木材処理方法により処理後の木材W
と、未処理の桐材の乾燥速度を比較した図面。
【図11】ナラ材の乾燥速度を比較した図面。
【図12】米杉の乾燥速度を比較した図面。
【図13】地杉の乾燥速度を比較した図面。
【図14】米松の乾燥速度を比較した図面。
【図15】地檜の乾燥速度を比較した図面。
【図16】チーク材の乾燥速度を比較した図面。
【図17】カバ材の乾燥速度を比較した図面。
【符号の説明】
C コンプレッサ B ボイラー T 処理タンク P 真空ポンプ W 木材 14 混合液タンク 15 チラー 16 コンデンサ 18 冷却水タンク 21 コンデンサパイプ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチレンクロライド溶液に水を附加して
    薬液とし、該薬液を100度以上に加熱し、メチレンク
    ロライドの蒸気と水蒸気を発生させ、該メチレンクロラ
    イドの蒸気と水蒸気を、木材を封入した処理タンク内に
    充填して木材に浸透させ、木材中の油分を溶融し木材細
    胞膜のピットを開口することを特徴とする木材処理方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1により処理後の木材を乾燥する
    ことを特徴とする木材処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1により処理後の木材に染料又は
    防腐剤を浸透させることを特徴とする木材処理方法。
  4. 【請求項4】 メチレンクロライド溶液に水を附加して
    薬液とし、該薬液を100度以上に加熱し、メチレンク
    ロライドの蒸気と水蒸気を発生させ、該メチレンクロラ
    イドの蒸気と水蒸気を、木材を封入した処理タンク内に
    充填して木材に浸透させ、木材中の油分を溶融し木材細
    胞膜のピットを開口する装置において、メチレンクロラ
    イド蒸気と水蒸気を浸透させる前の段階において、真空
    状態とした処理タンク内において、木材を脱気処理する
    ことを特徴とする木材処理装置。
  5. 【請求項5】 メチレンクロライド溶液に水を附加して
    薬液とし、該薬液を100度以上に加熱し、メチレンク
    ロライドの蒸気と水蒸気を発生させ、該メチレンクロラ
    イドの蒸気と水蒸気を、木材を封入した処理タンク内に
    充填して木材に浸透させ、木材中の油分を溶融し木材細
    胞膜のピットを開口する装置において、処理作業終了後
    に冷却液化したメチレンクロライドと水の薬液を、薬液
    タンクに戻す際には、処理タンク内にコンプレッサより
    高圧空気を注入して、薬液タンクへ押し出すことを特徴
    とする木材処理装置。
  6. 【請求項6】 メチレンクロライド溶液に水を附加して
    薬液とし、該薬液を100度以上に加熱し、メチレンク
    ロライドの蒸気と水蒸気を発生させ、該メチレンクロラ
    イドの蒸気と水蒸気を、木材を封入した処理タンク内に
    充填して木材に浸透させ、木材中の油分を溶融し木材細
    胞膜のピットを開口する装置において、処理作業終了後
    にメチレンクロライド蒸気を回収する際に、真空ポンプ
    により吸引し、メチレンクロライド蒸気はコンデンサ内
    を通過する際に液化して混合液タンク14に回収するこ
    とを特徴とする木材処理装置。
  7. 【請求項7】 メチレンクロライド溶液に水を附加して
    薬液とし、該薬液を100度以上に加熱し、メチレンク
    ロライドの蒸気と水蒸気を発生させ、該メチレンクロラ
    イドの蒸気と水蒸気を、木材を封入した処理タンク内に
    充填して木材に浸透させ、木材中の油分を溶融し木材細
    胞膜のピットを開口する装置において、処理タンクの蓋
    体22に木材載置台26を一体的に構成し、該木材載置
    台26は処理タンクTの内部の手動レール25の上を移
    動し、蓋体22は処理タンクTの外部の移動レールの上
    を移動すべく構成したことを特徴とする木材処理装置。
  8. 【請求項8】 メチレンクロライド溶液に水を附加して
    薬液とし、該薬液を100度以上に加熱し、メチレンク
    ロライドの蒸気と水蒸気を発生させ、該メチレンクロラ
    イドの蒸気と水蒸気を、木材を封入した処理タンク内に
    充填して木材に浸透させ、木材中の油分を溶融し木材細
    胞膜のピットを開口する処理の行程を、『木材脱気』,
    『薬液送り込み』,『木材脱脂』,『薬液冷却』,『薬
    液タンク戻し』,『メチレンクロライド蒸気回収』,
    『コンデンサ内部メチレンクロライド回収』の順とした
    ことを特徴とする木材処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100411746B1 (ko) * 2000-12-13 2003-12-18 주식회사 한국닛소 식물성 테르펜정유 추출장치
KR101157912B1 (ko) * 2009-04-02 2012-06-22 임경수 회전식 무늬목판재 염색장치

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