JPH06295098A - トナーの製造方法及びその製造装置 - Google Patents

トナーの製造方法及びその製造装置

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JPH06295098A
JPH06295098A JP5105988A JP10598893A JPH06295098A JP H06295098 A JPH06295098 A JP H06295098A JP 5105988 A JP5105988 A JP 5105988A JP 10598893 A JP10598893 A JP 10598893A JP H06295098 A JPH06295098 A JP H06295098A
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聡 三ッ村
Hitoshi Kanda
仁志 神田
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一彦 小俣
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シャープな粒度分布のトナーを、高い粉砕効
率と高い分級収率で得ることにある。 【構成】 トナー用粉砕物を第1分級手段で粗粉と細粉
とに分級し、その分級された粗粉を衝突式気流粉砕手段
により微粉砕して微粉体を生成し第1分級手段に循環
し、細粉は第2分級手段にて分級し所定粒径範囲のトナ
ーを製造する方法において、上記粉砕手段は、粗粉を搬
送し加速する加速管1と、衝突部材4を具備する粉砕室
5を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結着樹脂を有する固体
粒子の粉砕及び分級を効率よく行なって所定の粒度を有
する静電荷像現像用トナーを得るための製造方法及びそ
のための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法,静電写真法,静電印刷法の
如き画像形成方法では静電荷像を現像するためにトナー
が使用される。近年、複写機やプリンター等の高画質
化、高精細化に伴ないこのトナーに要求される性能も一
段と厳しくなってきており、トナーの粒径は小さくな
り、トナーの粒度分布としては、粗粒子の無い、微粉の
少ないシャープなものが要求される様になってきてい
る。
【0003】静電荷像現像用トナーの一般的な製造方法
としては、被転写材に定着させるための結着樹脂、トナ
ーとしての色味を出させる各種着色剤、粒子に電荷を付
与させるための荷電制御剤、また特開昭54−4214
1号公報、特開昭55−18656号公報に示されるよ
うないわゆる一成分現像法においては、トナー自身に搬
送性等を付与するための各種磁性材料を用い、他に必要
に応じて離型剤,流動性付与剤を乾式混合し、しかる後
ロールミル,エクストルーダーなどの汎用混練装置にて
溶融混練し、冷却固化した後に、ジェット気流式粉砕
機、機械衝撃式粉砕機等の各種粉砕装置により粉砕化
し、各種風力分級機により分級を行うことにより、トナ
ーとして必要な粒径にそろえる。これに必要に応じて流
動化剤や滑剤等々を乾式混合しトナーとする。また二成
分現像方法に用いる場合は各種磁性キャリアとトナーと
を混ぜあわせた後、画像形成に供する。
【0004】上述の如く、微細粒子であるトナー粒子を
得るためには、従来、図15のフローチャートに示され
る方法または該方法を一部使用する方法が一般に採用さ
れている。
【0005】トナー粗砕物は、第1分級手段に連続的又
は逐次供給されて分級され、分級された規定粒度以上の
粗粒子群を主成分とする粗粉は粉砕手段に送って粉砕さ
れた後、再度第1分級手段に循環される。
【0006】他の規定粒径範囲内の粒子及び規定粒径以
下の粒子を主成分とするトナー微粉砕品は第2分級手段
に送られ、規定粒度を有する粒子群を主成分とする中粉
体と規定粒度以下の粒子群を主成分とする細粉体とに分
級される。
【0007】粉砕手段としては、各種粉砕装置が用いら
れるが、結着樹脂を主とするトナー粗粉砕物の粉砕に
は、図16に示す如きジェット気流を用いたジェット気
流式粉砕機、特に衝突式気流粉砕機が用いられている。
前述の如く、図16に示す粉砕機は、粉砕効率が低い、
処理能力が少ない、衝突面上での粉砕物の融着物の発
生、及び衝突部材の局部摩耗に依る交換頻度が多い等の
問題点がある。
【0008】例えば、図16に示す衝突式気流粉砕機で
は、高圧気体供給ノズル21を接続した加速管22の出
口23に対向して衝突部材24を設け、前記加速管22
に供給した高圧気体により、加速管22の中途に連通さ
れた粉体原料供給口40から加速管22内に粉体原料を
吸引し、粉体原料を高圧気体とともに噴射して衝突部材
24の衝突面に衝突させ、その衝撃によって粉砕してい
る。
【0009】しかしながら、図16の衝突式気流粉砕機
では、被粉砕物の供給口40が加速管22の中途に設け
られているため、加速管22内に吸引導入された被粉砕
物は、被粉砕物供給口40を通過直後に、高圧気体供給
ノズル21より噴出する高圧気流により加速管出口方向
に向って流路を変更しながら高圧気流中に分散され急加
速される。この状態において被粉砕物の比較的粗粒子
は、慣性力の影響から加速管内の低流部を流れ、また、
比較的微粒子は、加速管内の高流部を流れるので、高圧
気流中に十分に均一に分散されずに、被粉砕物濃度の高
い流れと低い流れに分離したまま、被粉砕物が対向する
衝突部材に部分的に集中して衝突することになり、粉砕
効率が低下しやすく、処理能力の低下を引き起こしやす
い。
【0010】衝突面29は、その近傍において、局部的
に被粉砕物及び粉砕物からなる粉塵濃度の高い部分が発
生しやすいため、被粉砕物が樹脂等の低融点物質を含有
する場合は、被粉砕物の融着,粗粒化,凝集等が発生し
易い。また、被粉砕物に摩耗性がある場合は、衝突部材
の衝突面や、加速管に局部的な粉体摩耗が起り易く、衝
突部材の交換頻度が多くなり、連続的に安定に生産する
という面では改良すべき点があった。
【0011】衝突部材の衝突面の先端部分が、頂角11
0〜175°を有する円錐形状のもの(特開平1−25
4266号公報)や、衝突面が衝突部材の中心軸の延長
線と直角に交わる平面上に突起を有した衝突板形状(実
開平1−148740号公報)が提案されている。これ
らの粉砕機では、衝突面近傍での局部的な粉塵濃度の上
昇をおさえることができるために、粉砕物の融着,粗粒
化,凝集等を多少やわらげることができ、粉砕効率も若
干向上するが、さらなる改良が望まれている。
【0012】例えば体積平均粒径が8μmであり、かつ
4μm以下の粒子の重量%が1%以下であるトナーを得
る場合は、粗粉域を除去するための分級機構を備えた衝
撃式粉砕機或いはジェット粉砕機の如き粉砕手段で所定
の平均粒径まで原料を粉砕して分級し、粗粉体を除去し
た後の粉砕物を別の分級機にかけ、微粉体を除去して所
望の中粉体を得ている。
【0013】ここでいう体積平均粒径は、コールターエ
レクトロニクス社(米国)製のコールターカウンターT
A−II型で100μmのアパーチャーを用いて測定し
たデータである。
【0014】このような従来の方法については、問題点
として、微粉体を除去する目的の第2分級手段にはある
規定粒度以上の粗粒子群を完全に除去した粒子群を送ら
なければならないため、粉砕手段の負荷が大きくなり、
処理量が少なくなる。またある規定粒度以上の粗粒子群
を完全に除去するためにはどうしても過粉砕になり、そ
の結果次工程の微粉体を除去するための第2分級手段に
おいての収率低下の如き現象を引き起こすという問題点
がある。
【0015】微粉体を除去する目的の第2の分級手段に
ついては、極微粒子で構成される凝集物が生じることが
あり、凝集物を微粉体として除去することは困難であ
る。その場合、凝集物は最終製品に混入し、その結果精
緻な粒度分布の製品を得ることが難しくなるとともに凝
集物はトナー中で解壊して極微粒子となって画像品質を
低下させる原因となる。
【0016】従来方式の下で精緻な粒度分布を有する所
望の製品を得ることができたとしても工程が繁雑にな
り、分級収率の低下を引きおこし、生産効率が悪く、コ
スト高のものになることが避けられない。この傾向は、
所定の粒度が小さくなればなる程、顕著になる。
【0017】特に体積平均粒径は8μm以下になると、
この傾向は、より顕著になる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の静電
荷像現像用トナーの製造方法における上述のごとき問題
点を解決した製造方法を提供することを目的とする。
【0019】本発明は、静電荷像現像用トナーを効率良
く製造するための製造装置を提供することを目的とす
る。
【0020】本発明は、精緻な粒度分布を有する静電荷
像現像用トナーを効率良く生成する製造方法及びそのた
めの装置を提供することを目的とする。
【0021】本発明は、結着樹脂、着色剤および添加剤
を含有する混合物を溶融混練し、溶融混練物を冷却後、
粉砕により生成した固体粒子群から精緻な所定の粒度分
布を有する粒子製品(トナーとして使用される)を効率
的に、収率良く製造する方法及びそのための装置を提供
することを目的とする。
【0022】本発明は、重量平均粒径3〜10μm(好
ましくは3〜9μm)の静電荷像現像用トナーを効率良
く製造するための方法及びそのための装置を提供するこ
とを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、結着
樹脂及び着色剤を少なくとも含有する混合物を溶融混練
し、混練物を冷却し、冷却物を粉砕手段によって粉砕し
て粉砕物を得てから、その粉砕物を第1分級手段で粗粉
と細粉とに分級し、分級された粗粉を衝突式気流粉砕手
段により微粉砕して微粉体を生成し、生成した微粉体を
第1分級手段に循環し、分級された細粉を第2分級手段
に導入して、分級して得られた所定粒径範囲の中粉体か
ら静電荷像現像用トナーを製造する方法において、前記
衝突式気流粉砕手段は、供給された粗粉を高圧気体によ
り搬送し加速するための加速管と、粗粉を微粉砕するた
めの粉砕室とを有し;該加速管は、被粉砕物を該加速管
内に供給するための被粉砕物供給口をその側壁部に有
し、該被粉砕物供給口のある側壁部位における該被粉砕
物供給口の開口率は、該被粉砕物供給口を有する部位の
加速管面積に対して5%以上であり;粉砕室内には、加
速管の出口の開口面に対向して設けた衝突面を有する衝
突部材が具備されており;粉砕室は、衝突部材で粉砕さ
れた粗粉の粉砕物を衝突によりさらに粉砕するための側
壁を有し、側壁と衝突部材の縁端部との最近接距離L1
は、衝突面に対向する粉砕室前壁と衝突部材の縁端部と
の最近接距離L2よりも短かいものであり、粉砕室内に
おいては、衝突部材の衝突面と側壁において粗粉の粉砕
及び粗粉の粉砕物のさらなる粉砕をおこなった後、第1
分級手段に循環し、第1分級手段で分級された細粉は第
2分級手段である少なくとも3つに分画されてなる多分
割分級域に導入し、粒子群をコアンダ効果により湾曲線
的に降下せしめ、第1分画域に所定粒径以上の粒子群を
主成分とする粗粉体を分割捕集し、第2分画域に所定粒
径範囲の粒子群を主成分とする中粉体を分割捕集し、第
3分画域に所定粒径以下の粒子群を主成分とする微粉体
を分割捕集し、分級された前記粗粉体を前記粉砕手段も
しくは前記第1分級手段に循環することを特徴とするト
ナーの製造方法に関する。
【0024】さらに、本発明は粉砕物を分級するための
第1分級手段、該第1分級手段で分級された粗粉を粉砕
するための粉砕手段、該粉砕手段によって粉砕された粉
体を第1分級手段に導入するための導入手段、該第1分
級手段で分級された細粉をコアンダ効果により少なくと
も粗粉体,中粉体,微粉体に分級するための第2分級手
段である多分割分級手段及び該多分割分級手段で分級さ
れた粗粉体を該粉砕手段または第1分級手段へ供給する
ための供給手段を有するトナーの製造装置において、前
記粉砕手段は、高圧気体により供給された粗粉を搬送し
加速するための加速管と、粗粉を微粉砕するための粉砕
室とを有し;該加速管は、被粉砕物を該加速管内に供給
するための被粉砕物供給口をその側壁部に有し、該被粉
砕物供給口のある側壁部位における該被粉砕物供給口の
開口率は、該被粉砕物供給口を有する部位の加速管面積
に対して5%以上であり;粉砕室内には、加速管の出口
の開口面に対向して設けた衝突面を有する衝突部材が具
備されており;粉砕室は、衝突部材で粉砕された粗粉の
粉砕物を衝突によりさらに粉砕するための側壁を有し、
側壁と衝突部材の縁端部との最近接距離L1は、衝突面
に対向する粉砕室前壁と衝突部材の縁端部との最近接距
離L2よりも短いことを特徴とするトナーの製造装置に
関する。
【0025】以下、本発明をさらに具体的に説明する。
【0026】図1は、本発明の製造方法の概要を示すフ
ローチャートの一例である。本発明において、所定量の
粉砕原料が第1分級手段に供給され、第1分級手段にお
いて粗粉と細粉に分級される。粗粉は、粉砕手段に導入
され、粉砕され、粉砕後に第1分級手段に導入される。
所定量の細粉は、第2分級手段に供給され、少なくとも
微粉体,中粉体及び粗粉体に分級される。所定量の粗粉
体は、粉砕手段または第1分級手段に導入される。分級
された中粉体はそのままトナーとして使用されるか、ま
たは、疎水性コロイダルシリカの如き添加剤と混合され
て後にトナーとして使用される。分級された微粉体は一
般に粉砕原料を生成するための溶融混練工程に供給され
て再利用されるか、または、廃棄される。
【0027】本発明の製造方法においては、分級及び粉
砕条件をコントロールすることにより、重量平均粒径が
3〜10μm(好ましくは3〜9μm)である粒径の小
さいトナーを効率良く生成することができる。図2に本
発明の装置システムの一例を示す。
【0028】この装置システムにおいて、トナー粉体原
料となる粉砕原料は、第1定量供給機102を介して第
1分級機109に導入され、分級された細粉は捕集サイ
クロン107を介して、第2定量供給機110に送りこ
まれ、次いで振動フィーダー103を介して細粉供給ノ
ズル116を介して多分割分級機101内に導入され
る。第1分級機109で分級された粗粉は捕集サイクロ
ン106を介して粉砕機108に送り込まれて粉砕され
た後、新たに投入される粉砕原料とともに再度第1分級
機109に導入される。
【0029】本発明に用いる粉砕手段として図4〜図9
に示す形式の衝突式気流粉砕機を示す。
【0030】図4において、被粉砕物供給管19より供
給された被粉砕物80は、加速管1の側壁部に形成され
た被粉砕物供給口10を有する部位の加速管面積に対し
て、被粉砕物供給口10の開口率が、5%以上(好まし
くは、20%以上)である被粉砕物供給口10から加速
管1内に供給される。
【0031】高圧気体噴出ノズル3の中心軸と、加速管
1の中心軸とは実質的に同軸上にあることが好ましい。
【0032】一方、高圧気体は、高圧気体供給口7より
導入され、高圧気体チャンバー2を経由して、好ましく
は、複数本の高圧気体導入管8を通り高圧気体噴出ノズ
ル3より加速管出口11方向に向って急激に膨張しなが
ら噴出する。この時、被粉砕物80は、被粉砕物80と
共存している気体に同伴されながら、被粉砕物供給口1
0より、加速管出口11方向に向って吸引され高圧気体
と均一に混合されながら急加速され、加速管出口11に
対向した衝突部材4の衝突面16に、粉塵濃度の偏りな
く均一な固気混合流の状態で衝突する。衝突時に発生す
る衝撃力は、十分分散した個々の粒子(被粉砕物80)
に与えられる為、非常に効率の良い粉砕が実施できる。
【0033】衝突部材4の衝突面16にて粉砕された粉
砕物は、更に粉砕室5の側壁14と二次衝突(または、
三次衝突)し、衝突部材4の後方に記載された粉砕物排
出口6より排出される。
【0034】また、衝突部材4の衝突面16が図4に示
す如く、錐体形状や、図14の(a)及び(b)に示す
如く、衝突面16が円錐状の突起を有する衝突面である
ことが、粉砕室5内における粉砕物の分散を均一におこ
ない、側壁14との二次衝突を効率良くおこなう上で好
ましい。さらに、粉砕物排出口6が衝突部材4よりも後
方にある場合、粉砕物の排出を円滑におこなうことがで
きる。
【0035】図5は、粉砕室の拡大図を示す。図5にお
いて、衝突部材4の縁端部15と側壁14との最近接距
離L1は、前壁17と衝突部材4の縁端部15との最近
接距離L2よりも短いことが、加速管出口11の近傍の
粉砕室内の粉体濃度を高くしないために重要である。さ
らに、最近接距離L1が最近接距離L2より短いので、側
壁14での粉砕物の二次衝突を効率良くおこなうことが
できる。また、衝突部材4は、加速管の長軸に対して9
0°よりも小さい傾きθ1(より好ましくは、55°〜
87.5°、さらに好ましくは60°〜85°の傾きθ
1)を有する斜面を衝突面として有することが、粉砕物
を均一に分散し、側壁14で二次衝突を効率良くおこな
うためには好ましい。
【0036】図16に示す如く、衝突面29が加速管2
2に対して、90度の平面状の衝突部材24を有する粉
砕機に比べ、傾斜した衝突面を有する粉砕機は、樹脂や
粘着性のある物質を粉砕する場合、被粉砕物の融着,凝
集,粗粒化が発生しにくく、高い粉塵濃度での粉砕が可
能になる。また摩耗性のある被粉砕物においては、加速
管内壁や衝突部材の衝突面に発生する摩耗が局部的に集
中することがなく長寿命化が図れ、安定的な運転が可能
になる。
【0037】また、加速管1の長軸方向の傾きは、好ま
しくは、鉛直方向に対して0〜45°の範囲内であれば
被粉砕物80が被粉砕物供給口10で閉塞することなく
処理可能である。
【0038】被粉砕物の流動性が良好でないものは、被
粉砕物供給管19の下方にコーン状部材を有する場合、
少量ではあるが、コーン状部材の下部に滞留する傾向が
あり、加速管1の傾きとしては、鉛直方向に対して0〜
20°(より好ましくは0〜5°)の範囲内であれば下
方コーン状部での被粉砕物の滞留もなく、被粉砕物をス
ムーズに加速管に供給し得る。
【0039】粉砕室の形状は、図8に示すごとく、図4
におけるC−C’断面において側壁14が実質的に円形
または楕円形を有していることが粉砕の均一性及び粉砕
物を円滑に排出する点で好ましい。さらに粉砕物排出出
口は、衝突部材の後方に設けることが粉砕物を円滑に排
出するために好ましい。
【0040】図6は、図4におけるA−A’断面図を示
す。図6からは、被粉砕物80が加速管1へ円滑に供給
されることが理解される。加速管中心軸の延長と直角に
交わる、加速管出口11の面または前壁と対向する衝突
部材4の衝突面16の最外周端部15との距離L2は、
衝突部材4の直径0.2倍から2.5倍の範囲が粉砕効
率的に好ましく、0.4倍から1.0倍の範囲内であれ
ばより良好である。距離L2が0.2倍未満では、衝突
面16近傍の粉塵濃度が異常に高くなる場合があり、ま
た、2.5倍を超える場合は、衝撃力が弱まり、その結
果、粉砕効率が低下する傾向がある。
【0041】衝突部材4の最外周端部15と側壁14と
の最短距離L1は、衝突部材4の直径の0.1倍から
2.0倍の範囲が好ましい。0.1倍未満では、高圧気
体の通過時の圧力損失が大きく、粉砕効率が低下しやす
く、粉砕物の流動状態がスムーズにいかない傾向があ
り、2.0倍を超える場合は、粉砕室側壁14での被粉
砕物の二次衝突の効果が減少し、粉砕効率が低下する傾
向がみられる。
【0042】より具体的には、加速管の長さは、50〜
500mmが好ましく、衝突部材4の直径は30〜30
0mmを有することが好ましい。さらに、衝突部材4の
衝突面16及び側壁14は、セラミックで形成されてい
ることが耐久性の点で好ましい。
【0043】図7(a)は、被粉砕物供給口10が円環
状の場合の図4におけるB−B’断面図を示す。この場
合、被粉砕物供給口の開口率は100%である。図7
(a)において、被粉砕物供給口10を通過する被粉砕
物供給口10の鉛直方向に対する垂直面内の被粉砕物の
分布状態は、加速管1の鉛直方向に対する傾きが大きい
程、分布に偏りがあるため、傾きが小さい程分布は、よ
り均一化される。加速管1の傾きとしては、0〜5°の
範囲内が最も良好であることが、加速管1を透明なアク
リル樹脂製の内部観察用加速管に変えることにより確認
できた。図7(b)は、被粉砕物供給口10が4本の管
から形成されている場合の図4におけるB−B’断面図
を示す。この場合、被粉砕物供給口の開口率は例えば2
0%である。
【0044】本発明においては、ラバール形状を有する
加速管1のスロート部9と加速管出口11との間に、鉛
直線方向に対する垂直面における加速管の全円周方向ま
たは2個以上(好ましくは4個以上)の被粉砕物供給口
が設けられていることが好ましい。
【0045】図8は、図4におけるC−C’断面図を示
すが、図8において、衝突部材支持体18と側壁14と
の間の粉砕室5を通って粉砕物は後方に排出される。
【0046】図9は、図4におけるDーD’断面図を示
す。図9においては、2本の高圧気体導入管8が設置さ
れているが、場合により、高圧気体導入管8は1本であ
っても3本以上であっても良い。
【0047】本発明に用いる第1分級手段として、気流
分級機を用いる。たとえば、日本ニューマチック工業社
製DS型分級機、ホソカワミクロン社製ミクロンセパレ
ーター等が挙げられる。好ましくは、図10に示す気流
分級機を用いることが細粉及び粗粉の分級精度を向上さ
せるために好ましい。
【0048】図11は、図10におけるF−F’断面図
を示す。
【0049】図10において、衝突式気流粉砕機の被粉
砕物供給管と気流分級機の粗粉排出口を有するホッパー
とを連通させ、かつ衝突式気流粉砕機の粉砕物排出口6
と気流分級機の粉体供給管24とを連通させた装置であ
る。
【0050】図10において、36は筒状の本体ケーシ
ングを示し、31は下部ケーシングを示し、その下部に
粗粉排出用のホッパー32が接続されている。本体ケー
シング36の内部は、分級室28が形成されており、こ
の分級室28の上部は本体ケーシング36の上部に取付
けた環状の案内室26と中央部が高くなる円錐状(傘
状)の上部カバー25によって閉鎖されている。
【0051】分級室28と案内室26の間の仕切壁に円
周方向に配列する複数の導入ルーバー27を設け、案内
室26に送り込まれた粉体材料とエアーを各導入ルーバ
ー27の間より分級室28に旋回させて流入させる。な
お、供給管24を経て案内室26の中を流動するエアー
と粉体材料は、各導入ルーバー27に均一に分配される
ことが精度よく分級するために好ましい。導入ルーバー
27へ到達するまでの流路は遠心力による濃縮が起こり
にくい形状にする必要があり、本実施例では供給管24
を分級室28の水平面に対して垂直な上方向から接続さ
せているが、これに限定されるものではない。
【0052】このようにして、導入ルーバー27を介し
て、エアーと粉体材料は分級室28へ供給され、導入ル
ーバー27を介して、分級室28へ供給する際に従来の
方式より著しい分散均一性の向上が得られる。また、導
入ルーバー27は可動であり、ルーバー間隙は調整でき
る。
【0053】本体ケーシング36の下部には円周方向に
配列する分級ルーバー37を設け、外部から分級室28
へ旋回流を起こす分級エアーを分級ルーバー37を介し
て取り入れている。
【0054】分級室28の底部に、中央部が高くなる円
錐状(傘状)の分級板29を設け、該分級板29の外周
囲に粗粉排出口38を形成する。また、分級板29の中
央部には微粉排出口81を有する微粉排出管30を接続
し、該微粉排出管30の下端部をL字形に屈曲し、この
屈曲端部を下部ケーシング31の側壁より外部に位置さ
せる。さらに該微粉排出管30はサイクロンや集塵機の
ような微粉回収手段33を介して吸引ファン34に接続
しており、該吸引ファン34により分級室28に吸引力
を作用させ、該分級ルーバー37間より分級室28に流
入する吸引エアーによって分級に要する旋回流を起こし
ている。
【0055】本実施例で示す気流分級機は、上記の構造
から成り、供給管24より案内室26内に粉体材料をエ
アーとともに供給すると、この粉体材料を含むエアー
は、案内室26から各導入ルーバー27間を通過して分
級室28に旋回しながら均一の濃度で分散されながら流
入する。
【0056】分級室28内に旋回しながら流入した粉体
材料は細粉排出管30に接続した吸引ファン34によ
り、分級室下部の分級ルーバー27間より流入する吸引
エアー流にのって旋回を増し、各粒子に作用する遠心力
によって粗粉と細粉とに遠心分離され、分級室28内の
外周部を旋回する粗粉は粗粉排出口38より排出され、
下部のホッパー32より排出され被粉砕物供給管19に
供給される。また、分級板29の上部傾斜面に沿って中
央部へと移行する細粉は細粉排出管30により、細粉回
収手段33へ排出された後、第2分級手段に導入され
る。
【0057】分級室28に粉体材料とともに流入するエ
アーは、旋回流となって流入するため、分級室28内で
旋回する粒子の中心向きの速度は遠心力に比べ相対的に
小さくなり、分級室28において粒子径の小さな粒子の
分級が良好に行われ、粒子径の非常に小さな細粉を細粉
排出管30に効率良く排出させることができる。しか
も、粉体材料がほぼ均一な濃度で分級室に流入するため
精緻な分布の粉体として得ることができる。
【0058】粉砕用原料は適宜の導入手段35により、
供給管24へ導入され、また最終的に得られた粉砕物は
細粉排出管30よりサイクロンや、バグフィルター等の
微粉捕集器を経て系外に取り出される。
【0059】図10に示す気流分級機と衝突式気流粉砕
機とを組み合わせて使用することにより、微粉の粉砕機
への混入が良好に抑制または阻止されて、粉砕物の過粉
砕が防止され、また、分級された粗粉が粉砕機へ円滑に
供給され、さらに加速管へ均一に分散され、粉砕室で良
好に粉砕されるので粉砕物の収率及び単位重量当りのエ
ネルギー効率を高めることができる。
【0060】第2分級手段である前記多分割分級域を提
供する手段として、例えば図12(断面図)及び図13
(立体図)に示す方式の多分割分級機を具体例の1つと
して例示し得る。図12及び図13において、側壁は1
22,124で示される形状を有し、下部壁は125で
示される形状を有し、側壁123と下部壁125にはそ
れぞれナイフエッヂ型の分級エッヂ117,118を具
備し、この分級エッヂ117,118により、分級ゾー
ンは3分画されている。側壁122の下の部分に分級室
に開口する原料供給ノズル116を設け、該ノズルの底
部接線の延長方向に対して下方に折れ曲がって長楕円弧
を描いたコアンダブロック126を設ける。分級室上壁
127は、分級室下部方向にナイフエッヂ型の入気エッ
ヂ119を具備し、さらに分級室上部には分級室に開口
する入気管114,115を設けてある。入気管11
4,115にはダンパの如き第1気体導入調節手段12
0、第2気体導入調節手段121及び静圧計128,1
29を設けてある。分級エッヂ117,118及び入気
エッヂ119の位置は、細粉の種類により、又所望の粒
径により異なる。分級室底面にはそれぞれの分画域に対
応させて、室内に開口する排出口111,112,11
3を設けてある。排出口111,112,113には、
それぞれバルブ手段の如き開閉手段を設けてもよい。
【0061】細粉供給ノズル116は直角筒部と角錐筒
部とから成り、直角筒部の内径と角錐筒部の最も狭まっ
た箇所の内径の比を20:1乃至1:1に設定すると、
良好な導入速度が得られる。
【0062】以上のように構成してなる多分割分級域で
の分級操作は例えば次のようにして行なう。排出口11
1,112,113の少なくとも1つを介して分級域内
を減圧し、分級域内に開口する原料供給ノズル116中
を該減圧によって流動する気流によって流速50ないし
300m/秒の速度で細粉を細粉供給ノズル116を介
して分級域に供給する。
【0063】流速50m/秒未満の速度で細粉を分級域
に供給すると、細粉の凝集を充分にほぐすことができに
くく、分級収率、分級精度の低下を引き起こしやすい。
流速300m/秒を超える速度で細粉を分級域に供給す
ると、粒子同士の衝突により粒子が粉砕されやすく、微
粒子を生成しやすいために分級収率の低下を引き起こす
傾向がある。
【0064】供給された細粉は、コアンダ効果によりコ
アンダブロック126の作用と、その際流入する空気の
如き気体の作用とにより湾曲線130を描いて移動し、
それぞれの粒径の大小及び重量の大小に応じて、分級さ
れる。粒子の比重が同一であるとすると大きい粒子(粗
粉体)は気流の外側(すなわち分級エッヂ118の左側
の第1分画域)に分級され、中粉体(規定内の粒径の粒
子)は分級エッヂ118と117の間の第2分画域に分
級され、微粉体(規定粒径以下の粒子)は分級エッヂ1
17の右側の第3分画域に分級される。分級された粗粉
体は排出口111より排出され、中粉体は排出口112
より排出され、微粉体は排出口113よりそれぞれ排出
される。
【0065】分級域への細粉の導入については、サイク
ロンの吸引力を利用して吸引導入する方法;細粉供給ノ
ズルにインジェクションの如き、エアー搬送手段を設
け、サイクロンからの吸引力とインジェクションからの
圧縮空気の力により導入する方法;あるいは加圧式導入
等がある。吸引導入あるいはインジェクションの如きエ
アー搬送手段を用いた導入方法の方が装置システムのシ
ール性が加圧導入よりも要求されないので好ましい。細
粉供給ノズル部にインジェクション147を取り付けた
場合の装置の例を図3に示す。第2分級機である多分割
分級機としては、日鉄鉱業社製エルボージェットの如き
コアンダブロックを有し、コアンダ効果を利用した分級
手段が挙げられる。
【0066】多分割分級機101の分級域を構成する大
きさは通常[10〜50cm]×[10〜50cm]な
ので、細粉は0.1〜0.01秒以下の瞬時に3種以上
の粒子群に分級し得る。多分割分級機101が3分画さ
れている場合、多分割分級機101により、細粉は粗粉
体(規定粒径以上の粒子)、中粉体(規定内の粒子径の
粒子)、微粉体(規定粒径以下の粒子)に分割される。
その後、粗粉体は排出導管111を通って、捕集サイク
ロン106を介して、粉砕機108に戻される。
【0067】粗粉体は、第1分級機109あるいは第1
定量供給機102に戻してよい。第1分級機109の負
荷を減らし、粉砕機108により確実に粉砕を行うため
には、粗粉体を粉砕機108に直接戻す方がより好まし
い。
【0068】中粉体は、排出導管112を介して系外に
排出され捕集サイクロン105で捕集されトナー製品1
51となるべく回収される。微粉体は、排出導管113
を介して系外に排出され捕集サイクロン104で捕集さ
れ、ついで規定外粒径の微小粉141として回収され
る。捕集サイクロン104,105,106は細粉をノ
ズル116を介して分級域に吸引導入するための吸引減
圧手段としての働きもしている。
【0069】なお、本発明において、図1のフローチャ
ートに示す粉砕工程はこれに限定されるものではなく、
例えば、粉砕手段が1つに対して第1分級手段が2つあ
るいは、粉砕手段、第1分級手段が各々2つ以上であっ
ても良い。どういう組合わせで粉砕工程を構成するかは
所望の粒径、トナー粒子の構成材料等により適宜設定す
ればよい。この場合、粉砕工程に戻される粗粉体をどの
場所に戻すかは適宜、設定すればよい。第2分級手段と
しての多分割分級機は、図12及び図13に示す形状に
限定されるものではなく粉砕原料の粒子径、所望の中粉
体の粒子径、粉体の真比重等により最適な形状のものを
採用すればよい。
【0070】第1分級手段に導入する粉砕原料は、2m
m以下、好ましくは1mm以下にすることが良い。粉砕
原料を中粉砕工程に導入し、10〜100μm程度に粉
砕したものを本発明における原料としてもよい。
【0071】従来の微粒子群だけを除去する目的の分級
機を第2分級手段に用いた粉砕−分級方法では、粉砕終
了時の粉体の粒度において、ある規定粒度以上の粗粒子
群が完全に除去されていることが要求されている。その
ため、粉砕工程において、必要以上の粉砕能力が要求さ
れ、その結果過粉砕を引き起こし粉砕効率の低下を招い
ていた。
【0072】この現象は、粉体の粒径が小さくなるほど
顕著になり、特に重量平均粒径が3〜10μmの中粉体
を得る場合に効率の低下が著しい。
【0073】本発明の方法は多分割分級手段により粗粉
粒子群と微粉粒子群とを同時に除去する。そのため、粉
砕終了時の粉体の粒度において、ある規定粒度以上の粗
粒子群がある割合で含まれていたとしても、次工程の多
分割分級手段で良好に除去されるので粉砕工程での制約
が少なくなり粉砕機の能力を最大限に上げることがで
き、粉砕効率が良好になり過粉砕を引き起こす傾向が少
ない。
【0074】そのため、微粉体を除去することも非常に
効率よく行なうことができ、分級収率を良好に向上させ
ることができる。
【0075】また、従来の中粉体と微粉体とを分級する
目的の分級方式では、分級時の滞留時間が長いため現像
画像のカブリの原因となる微粒子の凝集物を生じ易い。
凝集物が生じた場合、該凝集物を中粉体から除去するこ
とが一般に困難であるが、本発明の方法によると凝集物
が粉砕物に混入したとしても、コアンダ効果および/又
は高速移動に伴う衝撃により凝集物が解壊されて微粉体
として除去されるとともに、解壊を免れた凝集物があっ
たとしても粗粉域へ同時に除去できるため、凝集物を効
率良く取り除くことが可能である。
【0076】以上詳述した本発明の製造方法及び製造装
置は、静電荷像を現像するために使用されるトナー粒子
の生成に好ましく使用することができる。
【0077】静電荷像現像用トナーを作製するには、着
色剤または磁性粉及びビニル系、非ビニル系の熱可塑製
樹脂、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤等をヘ
ンシエルミキサーまたはボールミルの如き混合機により
充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルー
ダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹
脂類を互いに相溶せしめた中に顔料または染料を分散ま
たは溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナ
ーを得ることができる。
【0078】かかる粉砕工程及び分級工程で、本発明の
製造方法及び装置が使用できる。
【0079】次に、トナーの構成材料について説明す
る。
【0080】トナーに使用される結着樹脂としては、オ
イル塗布する装置を有する加熱加圧定着装置または加熱
加圧ローラ定着装置を使用する場合には、下記トナー用
結着樹脂の使用が可能である。
【0081】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置
換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合
体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビ
ニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹
脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エ
ポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テ
ルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使
用できる。
【0082】オイルを殆ど塗布しないかまたは全く塗布
しない加熱加圧定着方式または加熱加圧ローラ定着方式
においては、トナー像支持体部材上のトナー像の一部が
ローラに転移するいわゆるオフセット現象、及びトナー
像支持部材に対するトナーの密着性が重要な問題であ
る。より少ない熱エネルギーで定着するトナーは、通常
保存中もしくは現像器中でブロッキングもしくはケーキ
ングし易い性質があるので、同時にこれらの問題も考慮
しなけらばならない。これらの現象には、トナー中の結
着樹脂の物性が最も大きく関与しているが、本発明者ら
の研究によればトナー中の磁性体の含有量を減らすと、
定着時にトナー像支持体に対するトナーの密着性は良く
なるが、オフセットが起こり易くなり、またブロッキン
グもしくはケーキングも生じ易くなる。それゆえ、本発
明においてはオイルを殆ど塗布しない加熱加圧ローラ定
着方式を用いる時には、結着樹脂の選択がより重要であ
る。好ましい結着物質としては、架橋されたスチレン系
共重合体もしくは架橋されたポリエステルがある。
【0083】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような
二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;
例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸ジメチル等のような二重結合を有する
ジカルボン酸及びその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸
ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル類;
例えばエレン、プロピレン、ブチレン等のようなエチレ
ン系オレフィン類:例えばビニルメチルケトン、ビニル
ヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;例えばビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテル等のようなビニルエーテル類;等のビニ
ル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
【0084】ここで架橋剤としては主として2個以上の
重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような
芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二
重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニ
リン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニ
ルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル
基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用いら
れる。
【0085】また、加圧定着方式または軽加熱加圧定着
方式を用いる場合には、圧力定着トナー用結着樹脂の使
用が可能であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチレン、ポリウレタンエラストマー、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、アイオノマー樹脂、スチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、線状飽和ポ
リエステル、パラフィン等がある。
【0086】また、トナーには荷電制御剤をトナー粒子
に配合(内添)して用いることが好ましい。荷電制御剤
によって、現像システムに応じた最適の荷電量コントロ
ールが可能となり、特に本発明では粒度分布と荷電との
バランスをさらに安定したものとすることが可能であ
り、荷電制御剤を用いることで先に述べたところの粒径
範囲毎による高画質化の為の機能分離及び相互補完性を
より明確にすることができる。正荷電制御剤としては、
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成物;トリブチ
ルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフト
スルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウム、テトラフ
ルオロボレート等の四級アンモニウム塩;を単独である
いは2種類以上組み合わせて用いることができる。これ
らの中でも、ニグロシン系化合物、四級アンモニウム塩
の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
【0087】また、一般式
【0088】
【化】
【0089】で表されるモノマーの単重合体:または前
述したようなスチレン、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル等の重合性モノマーとの共重合体を正荷電
性制御剤として用いることができ、この場合これらの荷
電制御剤は、結着樹脂(の全部または一部)としての作
用をも有する。
【0090】負荷電性制御剤としては、例えば有機金属
錯体、キレート化合物が有効で、その例としてはアルミ
ニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセ
トナート、3,5−ジターシャリーブチルサリチル酸ク
ロムまたは亜鉛等があり、アセチルアセトン金属錯体、
サリチル酸系金属錯体または塩が好ましく、特にサリチ
ル酸系金属錯体またはサリチル酸系金属塩が好ましい。
【0091】上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作
用を有しないもの)は、微粒子状として用いることが好
ましい。この場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、
具体的には、4μm以下(更には3μm以下)が好まし
い。
【0092】トナーに内添する際、このような荷電制御
剤は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜20重量
部(更には0.2〜10重量部)を用いることが好まし
い。
【0093】トナーが磁性トナーの場合は、磁性トナー
中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、γー酸
化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;
鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの
金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウ
ム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、
カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、
タングステン、バナジウムのような金属との合金及びそ
の混合物等が挙げられる。
【0094】これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜1
μm、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが望ま
しく、磁性トナー中に含有させる量としては樹脂成分1
00重量部に対し60〜110重量部、好ましくは樹脂
成分100重量部に対し65〜100重量部である。
【0095】トナーに使用される着色剤としては従来よ
り知られている染料及び/または顔料が使用可能であ
る。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブル
ー、ピーコックブルー、パーマネントレッド、レーキレ
ッド、ローダミンレーキ、ハンザイエロー、パーマネン
トイエロー、ベンジジンイエロー等を使用することがで
きる。その含有量として、結着樹脂100重量部に対し
て0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜20重量
部、さらにトナー像を定着したOHPフィルムの透過性
を良くする為には12重量部以下が好ましく、さらに好
ましくは0.5〜9重量部が良い。
【0096】
【実施例】以下に実施例を基にして詳細に説明する。
【0097】実施例1 スチレン−アクリル酸ブチル−ジビニルベンゼン共重合体 100重量部 (重合比77:22:1,Mw=2.2×105) マグネタイト 80重量部 低分子量ポリエチレン 5重量部 ニグロシン染料 3重量部 上記の処方の材料をヘンシェルミキサー(FM−75
型,三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度
150℃に設定した2軸混練機(PCM−45型,池貝
鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却
し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー製
造用の粗砕物を得た。
【0098】得られたトナー粉砕原料を図3に示す装置
システムで粉砕及び分級を行った。衝突式気流粉砕機は
図4に示す構成の装置を用い、鉛直線を基準とした加速
管の長軸方向の傾き(以下、加速管傾きとする)が約0
°(即ち、実質的に鉛直に設置)であり、衝突部材は、
衝突面が頂角160°の円錐形状で外径(直径)100
mmのものを使用し、加速管中心軸と直角に交わる加速
管出口面に対向する衝突部材の衝突面の最外周端部との
最短距離L2は50mmであり、内径150mmの円筒
状粉砕室を用いた。したがって、最短距離L1は25m
mである。
【0099】また、被粉砕物供給口は、供給口を有する
部位の加速管面積に対して開口率を20%に設定した。
【0100】第1分級機は、図10に示す構成の分級機
を用いた。テーブル式の第1定量供給機35にて粉砕原
料を35.0Kg/hrの割合でインジェクションフィ
ーダーにて、供給管6を介して気流分級機に供給し、分
級された粗粉は粗粉排出ホッパー32を介して、該衝突
式気流粉砕機の被粉砕物供給管6より供給され、圧力
6.0Kg/cm2,6.0m3/minの圧縮空気を用
いて、粉砕された後、原料導入部にて供給されているト
ナー粉砕原料と混合されながら再び該気流分級機に循環
され、閉回路粉砕を行い、分級された細粉は排気ファン
からの吸引エアーに同伴されながらサイクロン33にて
捕集され、第2定量供給機110に導入した。このとき
の細粉の重量平均径は、9.1μmであり、16.0μ
m以上が実質上含まれていないシャープな粒度分布を有
していた。
【0101】尚、トナーの粒度分布は種々の方法によっ
て測定できるが、本実施例においてはコールターカウン
ターを用いて行った。
【0102】すなわち、測定装置としてはコールターカ
ウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数
分布,体積分布を出力するインターフェイス(日科機
製)及びCX−1パーソナルコンピュータ(キヤノン
製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1
%NaCl水溶液を調製する。測定法としては前記電解
水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性
剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1
〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試
料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散
処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型に
より、アパチャーとして100μmアパチャーを用い
て、個数を基準として2〜40μmの粒子の粒度分布を
測定して、それから重量平均粒径,個数平均粒径等の値
を求めた。
【0103】この得られた細粉を第2定量供給機110
を介して、振動フィーダ103及びノズル116を介し
て45.0Kg/hrの割合でコアンダ効果を利用して
粗粉体,中粉体及び微粉体の3種に分級するために図1
2,13に示す多分割分級装置101に導入した。多分
割分級装置としてエルボージェットEJ−15−III
型機(日鉄鉱業社製)を使用した。
【0104】導入に際しては、排出口111,112,
113に連通している捕集サイクロン104,105,
106の吸引減圧による系内の減圧から派生する吸引力
と原料供給ノズル116に取り付けたインジェクション
からの圧縮空気を利用した。導入された細粉は、0.0
1秒以下の瞬時に分級され、分級された粗粉体は捕集サ
イクロン106で捕集した後、衝突式気流粉砕機108
に再度導入した。
【0105】分級された中粉体は重量平均粒径が8.2
μm(粒径4.0μm以下の粒子を0.9重量%含有
し、粒径12.7μm以上の粒子を1.0重量%含有す
る)のシャープな分布を有しており、トナー用として優
れた性能を有する。このとき投入された粉砕原料の全量
に対する最終的に得られた中粉体との比率(すなわち、
分級収率)は88%であった。なお、得られた中粉体を
電子顕微鏡で見たところ、極微細粒子が凝集した4μm
以上の凝集物は実質的に見出されなかった。
【0106】この分級品にアミノシリコンオイル処理コ
ロイダルシリカ0.7重量%を外添混合し、トナーサン
プルとした。このトナーを用いてキヤノン社製NP複写
機にて複写テストをおこなった。23℃,65%RHの
通常環境にて10万枚の連続画出し耐久テストを行った
結果、初期100枚目の画像濃度は1.40(マスベス
反射濃度計による)、耐久中の画像濃度は1.40±
0.05の範囲に入っており、トナーの補給装置が衝い
た際のトナー補給による濃度低下も0.05以内であ
り、画像にはほとんど影響を及ぼさなかった。耐久を通
じて、クリーニング不良,ドラム融着,フィルミング等
は発生しなかった。
【0107】実施例2 実施例1と同様のトナー粉砕原料を用いて同様の装置シ
ステムで粉砕及び分級を行った。衝突式気流粉砕機は、
図4に示す構成のものを用い、加速管傾きを10°とし
た以外は、実施例1と同様の装置を用いた。また第1分
級機、多分割分級装置は実施例1と同様の装置を用い
た。粉砕原料を33.0Kg/hrの割合で供給し、重
量平均径9.0μmの細粉を得、この細粉を45.0K
g/hrの割合で多分割分級装置に導入し、重量平均径
8.3μm(粒径4.0μm以下の粒子を0.8重量%
含有し、粒径12.7μm以上の粒子を1.1重量%含
有する)のシャープな分布を有する中粉体を分級収率8
6%で得た。
【0108】これを実施例1と同様に外添混合したトナ
ーを用いて複写テストを行った結果、耐久を通じて濃度
低下、クリーニング不良、ドラム融着、フィルミング等
の問題は発生しなかった。
【0109】実施例3 実施例1と同様のトナー粉砕原料を用いて同様の装置シ
ステムで粉砕及び分級を行った。衝突式気流粉砕機は、
図4に示す構成のものを用い、加速管傾きを2°とし、
被粉砕物供給口は、供給口を有する部位の加速管面積に
対して開口率25%とした以外は、実施例1と同様の装
置を用いた。また、第1分級機、多分割分級装置は、実
施例1と同様の装置を用いた。粉砕原料を39Kg/h
rの割合で供給し、重量平均径9.1μmの細粉を得、
この細粉を46.0Kg/hrの割合で多分割分級装置
に導入し、重量平均径8.3μm(粒径4.0μm以下
の粒子を0.8重量%含有し、粒径12.7μm以上の
粒子を1.1重量%含有する)のシャープな分布を有す
る中粉体を分級収率87%で得た。
【0110】これを実施例1と同様に外添混合したトナ
ーを用いて複写テストを行った結果、耐久を通じて濃度
低下、クリーニング不良、ドラム融着、フィルミング等
の問題は発生しなかった。
【0111】実施例4 実施例1と同様のトナー粉砕原料を用いて同様の装置シ
ステムで粉砕及び分級を行った。衝突式気流粉砕機は、
図4に示す構成のものを用い、加速管傾きを20°と
し、被粉砕物供給口は、供給口を有する部位の加速管面
積に対して開口率25%とした以外は、実施例1と同様
の装置を用いた。また、第1分級機、多分割分級装置は
実施例1と同様の装置を用いた。粉砕原料を30Kg/
hrの割合で供給し重量平均径9.0μmの細粉を得、
この細粉を45.0Kg/hrの割合で多分割分級装置
に導入し、重量平均径8.3μm(粒径4.0μm以下
の粒子を0.9重量%含有し、粒径12.7μm以上の
粒子を1.0重量%含有する)のシャープな分布を有す
る中粉体を分級収率88%で得た。
【0112】これを実施例1と同様に外添混合したトナ
ーを用いて複写テストを行った結果、耐久を通じて濃度
低下、クリーニング不良、ドラム融着、フィルミング等
の問題は発生しなかった。
【0113】比較例1 実施例1と同様のトナー粉砕原料を用いて図15のフロ
ーチャートに従って粉砕及び分級を行った。衝突式気流
粉砕機として図16に示した圧力6.0Kg/cm2
6.0m3/minの圧縮空気を使用したものを用い、
第1分級手段及び第2分級手段としてディスパージョン
セパレーターDS5UR(日本ニューマチック工業社
製)を使用した。粉砕原料を15.0Kg/hrの割合
で供給し、重量平均径7.9μmの細粉を得、この細粉
を15.0Kg/hrの割合で第2分級手段であるDS
5URに導入し、重量平均径8.4μm(粒径4.0μ
m以下の粒子を2.0重量%含有し、粒径12.7μm
以上の粒子を3.2重量%含有する)のややブロードな
粒度分布を有する中粉体を分級率67%で得た。
【0114】比較例2 実施例1と同様のトナー粉砕原料を用いて比較例1と同
様な方式で粉砕及び分級を行った。衝突式気流粉砕機と
しては、図16に示した粉砕機を使用し、衝突部材は衝
突面に於ける頂角160°の円錐形状を使用し、比較例
1と同様の装置条件で試作した。粉砕原料は20.0K
g/hrの割合で第2分級手段であるDS5URに導入
し、重量平均径8.4μm(粒径4.0μm以下の粒子
を2.0重量%含有し、粒径12.7μm以上の粒子を
3.2重量%含有する)のブロードな粒度分布を有する
中粉体を分級収率68%で得た。
【0115】
【発明の効果】本発明は、従来のトナーの製造方法であ
る粉砕−分級方法に比べ、シャープな粒度分布のトナー
が高い粉砕効率及び高い分級収率で得られ、しかもトナ
ーの融着,凝集,粗粒子化の発生を防止し、トナー成分
による装置的摩耗を防ぎ、連続して安定した生産が行え
る利点がある。
【0116】また、本発明のトナー製造方法及び装置シ
ステムを用いることにより、従来法に比べ、画像濃度が
安定して高く、耐久性が良く、カブリ、クリーニング不
良等の画像欠陥のない優れた所定の粒度を有する静電荷
像現像用トナーが、低コストで得られる。さらに、小さ
な粒子径(特に3〜10μm)の静電荷像現像用トナー
を効果的に得ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を説明するためのフローチャ
ートである。
【図2】本発明の製造方法を実施するための装置システ
ムの具体例を示す概略図である。
【図3】本発明の製造方法を実施するための装置システ
ムの具体例を示す概略図である。
【図4】本発明の衝突式気流粉砕手段を実施するための
具体例を示す粉砕装置の概略断面図である。
【図5】図4における粉砕室の拡大図である。
【図6】図4におけるA−A’断面図である。
【図7】図4におけるB−B’断面図である。
【図8】図4におけるC−C’断面図である。
【図9】図4におけるD−D’断面図である。
【図10】本発明の製造方法及び装置に用いる第1分級
手段の好ましい実施例の概略断面図である。
【図11】図10のF−F’断面図である。
【図12】本発明の多分割分級手段を実施するための具
体例である分級装置の断面図である。
【図13】本発明の多分割分級手段を実施するための具
体例である分級装置の立体図である。
【図14】中央部に突起を有する円錐衝突部材の平面図
である。
【図15】従来の製造方法を説明するためのフローチャ
ート図である。
【図16】従来の衝突式気流粉砕機の概略的断面図であ
る。
【符号の説明】
1 加速管 2 高圧気体チャンバー 3 高圧気体噴出ノズル 4 衝突部材 5 粉砕室 6 粉砕物排出口 7 高圧気体供給口 8 高圧気体導入管 9 スロート部 10 被粉砕物供給口 11 加速管出口 12 二次気体導入口 14 側壁 15 縁端部 16 衝突面 17 前壁 18 衝突部材支持体 19 被粉砕物供給管 24 粉体供給管 25 上部カバー 26 案内室 27 導入ルーバー 28 分級室 29 分級板 30 細粉排出管 31 下部ケーシング 32 粗粉排出用のホッパー 35 粉砕用原料導入手段 36 本体ケーシング 37 分級ルーバー 38 粗粉排出口 80 被粉砕物 81 微粉排出口

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有す
    る混合物を溶融混練し、その混練物を冷却し、その冷却
    物を粉砕手段によって粉砕して粉砕物を得てその粉砕物
    を第1分級手段で粗粉と細粉とに分級し、その分級され
    た粗粉を衝突式気流粉砕手段により微粉砕して微粉体を
    生成し、その微粉体を第1分級手段に循環し、分級され
    た細粉を第2分級手段に導入し、なおかつ分級して得ら
    れた所定粒径範囲の中粉体から静電荷像現像用トナーを
    製造する方法において、 前記衝突式気流粉砕手段は、供給された粗粉を高圧気体
    により搬送し加速するための加速管と、粗粉を微粉砕す
    るための粉砕室とを有し;該加速管は、被粉砕物を該加
    速管内に供給するための被粉砕物供給口をその側壁部に
    有し、該被粉砕物供給口のある側壁部位における該被粉
    砕物供給口の開口率は、該被粉砕物供給口を有する部位
    の加速管面積に対して5%以上であり;粉砕室内には、
    加速管の出口の開口面に対向して設けた衝突面を有する
    衝突部材が具備されており;粉砕室は、衝突部材で粉砕
    された粗粉の粉砕物を衝突によりさらに粉砕するための
    側壁を有し、該側壁と衝突部材の縁端部との最近接距離
    1は、衝突面に対向する粉砕室前壁と衝突部材の縁端
    部との最近接距離L2よりも短いものであり、 粉砕室内においては、衝突部材の衝突面と側壁において
    粗粉の粉砕及び粗粉の粉砕物のさらなる粉砕をおこなっ
    た後、第1分級手段に循環し、第1分級手段で分級され
    た細粉は、第2分級手段である少なくとも3つに分画さ
    れてなる多分割分級域に導入し、粒子群をコアンダ効果
    により湾曲線的に降下せしめ、第1分画域に所定粒径以
    上の粒子群を主成分とする粗粉体を分割捕集し、第2分
    画域に所定粒径範囲の粒子群を主成分とする中粉体を分
    割捕集し、第3分画域に所定粒径以下の粒子群を主成分
    とする微粉体を分割捕集し、分級された前記粗粉体を前
    記粉砕手段もしくは前記第1分級手段に循環する、 ことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 加速管は、鉛直線を基準にして、該加速
    管の長軸方向の傾きが0〜45°となるように設置され
    ている請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 加速管は、鉛直線を基準にして、該加速
    管の長軸方向の傾きが0〜20°となるように設置され
    ている請求項1に記載のトナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 加速管は、鉛直線を基準にして、該加速
    管の長軸方向の傾きが0〜5°となるように設置されて
    いる請求項1に記載のトナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 微粉砕物を分級するための第1分級手
    段、該第1分級手段で分級された粗粉を粉砕するための
    粉砕手段、該粉砕手段によって粉砕された粉体を第1分
    級手段に導入するための導入手段、該第1分級手段で分
    級された細粉をコアンダ効果により少なくとも粗粉体、
    中粉体及び細粉体に分級するための第2分級手段である
    多分割分級手段及び該多分割分級手段で分級された粗粉
    体を該粉砕手段または第1分級手段へ供給するための供
    給手段を有するトナーの製造装置において、 前記粉砕手段は、供給された粗粉を高圧気体により搬送
    し加速するための加速管と、粗粉を微粉砕するための粉
    砕室とを有し;該加速管は、被粉砕物を該加速管内に供
    給するための被粉砕物供給口をその側壁部に有し、該被
    粉砕物供給口のある側壁部位における該被粉砕物供給口
    の開口率は、該被粉砕物供給口を有する部位の加速管面
    積に対して5%以上であり;粉砕室内には、加速管の出
    口の開口面に対向して設けた衝突面を有する衝突部材が
    具備されており;粉砕室は、衝突部材で粉砕された粗粉
    の粉砕物を衝突によりさらに粉砕するための側壁を有
    し、該側壁と衝突部材の縁端部との最近接距離L1は、
    衝突面に対向する粉砕室前壁と衝突部材の縁端部との最
    近接距離L2よりも短いことを特徴とするトナーの製造
    装置。
  6. 【請求項6】 加速管は、鉛直線を基準にして、該加速
    管の長軸方向の傾きが0〜45°となるように設置され
    ている請求項5に記載のトナーの製造装置。
  7. 【請求項7】 加速管は、鉛直線を基準にして、該加速
    管の長軸方向の傾きが0〜20°となるように設置され
    ている請求項5に記載のトナーの製造装置。
  8. 【請求項8】 加速管は、鉛直線を基準にして、該加速
    管の長軸方向の傾きが0〜5°となるように設置されて
    いる請求項5に記載のトナーの製造装置。
  9. 【請求項9】 分級された粗粉は、粗粉排出ホッパーに
    貯留され、次いで、微粉砕手段に供給される請求項5に
    記載のトナーの製造装置。
  10. 【請求項10】 衝突部材の衝突面よりも後方に、粉砕
    された被粉砕物を排出するための粉砕物排出口が設けら
    れている請求項5に記載のトナーの製造装置。
  11. 【請求項11】 衝突式気流粉砕手段で粉砕された粉砕
    粉を気流分級手段へ循環するための連通手段を有する請
    求項5に記載のトナーの製造装置。
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