JPH06295027A - 写真処理剤用包装体の製造方法 - Google Patents

写真処理剤用包装体の製造方法

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JPH06295027A
JPH06295027A JP8081993A JP8081993A JPH06295027A JP H06295027 A JPH06295027 A JP H06295027A JP 8081993 A JP8081993 A JP 8081993A JP 8081993 A JP8081993 A JP 8081993A JP H06295027 A JPH06295027 A JP H06295027A
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solid
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JP8081993A
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Yasuhiro Oka
靖博 岡
Osamu Shibazaki
理 柴崎
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒートシールによって内部の固形処理剤の処
理性を害うことなくシールされ、保存性に優れ量産に適
した包装体の製造方法であって、所定量ずつ固形処理剤
が処理槽に供給することができるようにする。 【構成】 室温20°〜25℃湿度25〜45%RHの条件下で、
所定量の固形処理剤Zが袋状の包装材H1内に密封さ
れ、複数連続して帯状をなしていて、密封部分を切断し
て固形処理剤を所定量ごと取出し落下し得るようにした
もので、包装材H1は透湿度は5g/m224hr以下の防湿材
で、密封は100°〜250℃のヒートシール温度でヒートシ
ール(H11)するよう管理される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料を処理する写真処理剤で特に固形写真処理剤を包装
した写真処理剤用包装体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真材料を処理する自動現
像機では、現像・定着・水洗等の工程によって写真感光
材料の処理がなされる。ここで現像には現像液,定着に
は定着液がそれぞれ使用される。これらの処理液は通常
30°〜40℃に温度調整され、写真感光材料はこれらの処
理液中に浸漬されて処理される。これらの処理液は処理
や経時によって劣化するので、補充方式やパッチ方式に
よって新鮮なものと交換あるいは補充して使用される。
【0003】従来これらの写真処理剤は濃縮された液状
で提供され、ユーザーはこれを希釈して用いることが多
かった。そしてこれらの処理液はプラスチックボトルを
容器とした包装形態が主流であった。
【0004】写真処理剤が液状であることは、運搬上か
らも問題があり、輸送中に濃縮液中に沈殿が生じ、再溶
解が困難である。
【0005】また使用済みのプラスチックボトルも廃棄
上問題があった。またこれ以外のタイプである濃縮粉末
タイプのものは溶解作業時の環境がユーザーにとっては
非常に悪かった。写真処理剤がキット化されたパーツ剤
の場合は瓶や袋などの容器に入れて提供されるが、ユー
ザーが処理槽に処理剤を投入する場合はいずれも各パー
ツ剤を間違わず調合し、予め溶解させて処理液に投入す
るもので、熟練と人手を要するものであった。
【0006】このようなところから、熟練や人手を要さ
ないで、しかも間違いの起こらない写真処理剤として固
形処理剤が検討されるようになった。即ち従来は処理剤
として分封またはパーツ剤として調合を必要とした処理
剤を、単一又は複数の所定量の固形処理剤として包装
し、必要時これを所定処理槽又は所定処理部に包装を解
いて供給することの検討がなされ、自動的に複数回に亘
って固形処理剤の供給を可能とする効率的な包装形態と
して、所定量の固形処理剤が袋状の包装体内に密封さ
れ、かつ密封された袋状の包装材が連続して帯状をなし
た形状をしていて、必要に応じて前記の密封部分を開封
して内包された固形処理剤を取出し、処理槽又は処理部
に落下・投入することが検討されるようになった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような固
形処理剤を用いた場合、従来の液状処理剤とは異なった
問題があることが判った。即ち包装体内の固形処理剤は
水分を吸収すると、固溶状態となり包装体内面に付着し
て所定量づつ供給されなくなるので、固形処理剤が吸湿
しないよう包装体内に密封されていることが必要であ
り、また固形処理剤は量産システムによって包装体内に
密封される関係から、ヒートシールにより密封されるこ
とが望ましいが、この際固形処理剤は酸化して正常な写
真処理がなされなくなることがあるので、固形処理剤の
酸化が防止されて安定して保存が可能のように密封され
ていることが求められる。
【0008】本発明は上記の課題が解決された量産に適
した固形処理剤の包装体であって、保存性に優れ、所定
量ずつ処理槽に供給可能とした写真処理剤用包装体の製
造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するもので、所定量の写真材料処理用の固形処理剤が袋
状の包装材内に密封され、所定量ごとに取出し得るよう
構成した写真処理剤用包装体について、該包装材は透湿
度5g/m224hr以下の防湿材を用いると共に、前記固形処
理剤の包装は室温20°〜25℃、相対湿度25〜45%の環境
下においてヒートシールによって行うことを特徴とする
写真処理剤用包装体の製造方法により達成される。
【0010】
【実施例】先ず、本発明の写真処理剤用包装体の実施例
について説明する。図1はこの包装体の形状を示したも
ので、図1(a)は正面図、図1(b)は断面図を示し
ている。図においてH1は熱可塑性樹脂を材料とする帯
状のシート材で、2枚のシート材H1,H1の間に一定
間隔をもって所定量の固形処理剤Zを配置して挾んだ状
態とし、固形処理剤Zの周縁部を熱溶着によるヒートシ
ールを行って袋状の中に収めた密封状態としたもので、
図1(a)で斜線をもって示した部分が2枚のシート材
H1,H1をシールしたヒートシール部H11である。図
示した固形処理剤Zは錠剤の形をとって4錠宛密封され
た状態を示しているが、これに限定されるものではなく
顆粒状であっても粉末状であってもよい。また熱可塑性
樹脂を材料とするシート材H1はヒートシールに適した
材料としてポリエチレン,ポリエチレンとセロハンをラ
ミネートしたポリセロ,防湿セロハン,紙や金属箔とポ
リエチレンをラミネートしたシートフィルム,アルミや
シリカ等を蒸着したシートフィルム,ポリプロピレン等
が好ましく用いられる。また図1(a)でH12は検出マ
ークで、毎分包毎に表示され、後に説明する固形処理剤
Zの自動供給用に用いられる。H13はミシン目で、連続
した包装体の切断を必要とするときの切断位置を示して
いる。該ミシン目H13で切断するときは各分包内の固形
処理剤Zへの影響はないようになっている。H14は切欠
けに相当するノッチであって、後に説明する包装体開封
時の切断位置を確実に保持する効果を有している。ヒー
トシールすることによって固形処理剤Zは所定量毎に4
方が密封され、密封された固形処理剤Zは帯状に連続し
た形態をとっている。これにより収納も整列させること
でコンパクトにできる。
【0011】図2は固形処理剤Zを2枚シート材H1,
H1の間に挟み込むようにしてその周囲をヒートシール
する自動ヒートシール装置300の概要を示している。2
本のヒートシール円筒300Aは矢示方向に回転してい
る。該ヒートシール円筒300Aは凹部301が等間隔で円周
上に設けられていて、該凹部301はヒートシールを行わ
ない固形処理剤Zを密封部に該当している。固形処理剤
Zを適当な時間間隔をもって落下させると、固形処理剤
Zは凹部301に該当する位置でシート材H1,H1に挟
持され、シート材H1,H1がヒートシール円筒300A
で圧接される加熱部302で凹部301を除いた部分に対して
は高周波等を用いた加熱手段によってヒートシール部H
11に対するヒートシールがシート材H1,H1間で行わ
れる。
【0012】図3は、図1に示した写真処理剤用包装体
Hから所定量の固形処理剤Zを処理槽内に供給する状況
の1例を示したものである。感光材料を処理する処理部
2は、該処理部2を形成する仕切壁の外側に一体的に設
けた固形処理剤(錠剤)を供給する固形処理剤投入部11
および恒温槽3を有する。これら処理部2と恒温槽3と
は連通窓が形成された仕切壁12により仕切られており、
処理液は流通できるようになっている。そして恒温槽3
の上方に設けた投入部11には固形処理剤を受容する囲い
10を設けたので、固形処理剤は固形のまま処理部2に移
動することがない。なお、囲い10は処理液の通過は可能
であるが、固形の処理剤は溶け終わるまで通過できない
網状またはフィルター状としてある。
【0013】筒状のフィルター14は、恒温槽3の下方に
交換可能に設けられ、処理液中の不溶物、例えば紙くず
等を除去する機能を果たす。このフィルター14の中は、
恒温槽3の下方壁を貫通して設けられた循環パイプ4を
介して循環ポンプ5(循環手段)の吸引側に連通してい
る。
【0014】処理量情報検出手段8は、自現機の入口に
設けられ、処理される感光材料の処理量を検出するため
に用いられる。この処理量情報検出手段8は、左右方向
に複数の検出部材を配してなり、感光材料の幅を検出す
るとともに、検出されている時間をカウントするための
要素として機能する。感光材料の搬送速度は機械的に予
め設定されているので、幅情報と時間情報とから感光材
料の処理面積が算出できる。なお、この処理量情報検出
手段8は、赤外線センサー、マイクロスイッチ、超音波
センサー等の感光材料の幅および搬送時間を検出できる
ものであればよい。また、9は前記処理量情報検出手段
8による信号を受けて処理剤の処理量供給を制御する制
御手段である。
【0015】前述した処理槽2の上部に設置される固体
写真処理剤投入装置(以下単に投入装置と称す)100の
構成を図4に示す。
【0016】前記投入装置100は本体150内部に機構部と
して図3に示したモータMの駆動によってそれぞれ時計
方向に回転される上下に一対の入口ローラR1と送り出
しローラ31とさらに該送り出しローラ31に圧接する圧着
ローラ31Aとを内蔵し、また本体150前面の開閉扉160の
内面に前記入口ローラR1に圧接する一対の圧着ローラ
R2を備えている。
【0017】前記の入口ローラR1と送り出しローラ31
との間には、同じく前記のモータMの駆動により歯車G
1ならびにG2を介して反時計方向に回転される上下に
一対のロータリカッタ102と規制部材103が配設され、さ
らに送り出しローラR3とロータリカッタ102の背面に
はそれぞれ一対のガイド部材104と105が設けられてい
る。
【0018】本体150はさらに前記の入口ローラR1と
各ガイド部材に面する部分に仕切された収納部150Aと1
50Bを設けていて、前記収納部150Aには固体写真処理
剤の錠剤Zを封入する長尺の包装体Hを収めた収納体15
が上部よりの挿入によって装着され、もう一方の収納部
150Bには開封して廃材となった包装材Hを収める回収
容器200が同じく上部からの挿入によって装着される。
【0019】前記の投入装置100は図5に示すように収
納体15と回収容器200をそれぞれ前記の収納部150Aと15
0Bに装着しさらに前記の開閉扉160を閉止した上で、収
納体15から引き出した包装体Hを手回しノブ101の回動
操作により前記の入口ローラR1と圧着ローラR2の間
に挟持してスタンバイの状態とされる。
【0020】以下前記投入装置100による錠剤Zの投下
作動を図6を加えて説明する。
【0021】モータMの駆動により前記の入口ローラR
1ならびに送り出しローラ31が回転を始めると入口ロー
ラR1と圧着ローラR2に挟持されている包装体Hが図
示の左方向へと搬送を開始される。
【0022】投入装置100には固形写真処理剤の種別を
識別する識別手段21が設置されていて、収納体15の一部
に表示された識別マーク23を検出することによってセッ
トされた錠剤13の確認と処理条件が解読される。
【0023】なお前記識別マーク23としては次に記する
ようなものが使用される。図7は固形処理剤収納体15の
外観図と固形処理剤識別マーク23A,23B,23Cを示し
た平面図である。
【0024】23Aは一般に用いられるバーコードに代表
されるJANコードの標準タイプを示している。(1)は
国別コードであり、(4)はチェックデジットであるので
(2),(3)の部分に固形処理剤の認識コード、例えば補
充剤コード,処理できる感材,処理温度,処理剤の補充
量,補水量等の条件を1キャラクター毎に決め、太バ
ー,細バー 白バー,黒バーで表わせるフォーマットの
構成を決める事ができる。フォーマットの構成ができた
ら、固形処理剤収納体15の一部分に自現機の識別手段の
設置場所と合致する位置に印刷するか、シールにバーコ
ード23Aを印刷後、貼り付けても良い。
【0025】23Bは、導電性のあるDXコードの標準タ
イプの市松模様を示している。(1)と(7)はアースであ
るので(2)〜(12)の部分に固形処理剤の認識コード、例
えばバーコードの実施例で述べた項目を電気接点位置で
フォーマットの構成を決める事ができる。DXコードの
場合(1)〜(12)は電気的導通部と絶縁部とに分かれてい
る。黒い部分(2),(4),(6),(9),(11)は絶縁部で
あり、白い部分(1),(3),(5),(7),(8),(10),
(12)は導通部である。この導通部と絶縁部の配列は自由
に変えられる。したがってDXコードの作成方法として
薄い金属板、例えば鉄板の小板に上記DXコードのフォ
ーマットを塗装して作成する。作成したDXコード板は
固形処理剤収納体15の一部に貼付ける事により完成され
る。別の作成方法としては、電気導通部には導電体、例
えば鉄粉を混合した塗料、絶縁部には導電性のない塗料
を塗布してもよい。
【0026】さらに23Cは磁気テープを使用した磁性体
の識別マークの例を示したものである。上記の磁気テー
プは磁気記録装置により識別内容を記録し、識別マーク
23Cとして作成される。
【0027】一方搬送を開始した包装体Hは検出手段25
により各分包毎に表示されている検出マークH12を検出
され、その信号が前記の制御手段9に送られて前述した
モータMの駆動が制御され、さらに残量表示手段27にも
使用される。
【0028】次いで包装体Hはロータリカッタ102によ
り上下の両側縁がカットされて開封されて中央部H1A
と側縁部H1Bに分割され、中央部H1Aはさらに入口
ローラR1と送り出しローラ31との周速差により中央部
H1Aが前記の規制部材103の内部で図示の如くふくら
みを強調されるので封入されている錠剤Zが自重により
容易に落下して前記本体150の投入口151を経て固形処理
剤投入部11に供給される。
【0029】錠剤Zの落下を終えた包装体Hの中央部H
1Aは、入口ローラR1あるいは送り出しローラ31がそ
れぞれの周面の欠除面を圧着ローラR2あるいは31Aに
対向した時点で挟持力を一時的に失って当初の平面状態
に戻り搬送を再開される。
【0030】従って包装体Hの中央部H1Aは送り出し
ローラ31を介して前記のガイド部材104を経て開口部201
から回収容器200に送り込まれ、一方包装体Hの上下の
側縁部HBはロータリカッタ102によって切り離された
直後前記のガイド部材105を経て開口部202から回収容器
200に送り込まれる。
【0031】このように固形処理剤の錠剤Zを封入した
帯状の包装体Hを収める収納体15を投入装置100に対し
直接装着することにより、収納体15に表示される識別マ
ーク23の検出による錠剤Zの確認と処理条件の解読が可
能となり、さらに包装体Hを開封後直ちに回収容器200
に送り込むことにより廃材によるジャムが防止されて円
滑で確実な搬送と開封作用を継続することが可能とな
る。
【0032】以上説明した写真処理剤用包装体Hによっ
てシールドされた固形処理剤Zはその製造条件や保管状
態によっては吸湿し、錠剤の場合には型くずれを起こ
し、また型くずれまで至らなくともシート材H1内面に
付着し、所定量の処理剤が落下・供給されないことがあ
るので、本発明者らは写真処理剤用包装体の製造条件と
処理材の吸湿の関係、及びシート材についてシート材H
1の透湿性と処理剤の吸湿度の関係について検討を行っ
た。その結果固体処理剤の包装は室温20°〜25℃、相対
湿度25〜45%RHの環境下、好ましくは相対湿度25〜40%
RHの環境下で行われる必要性が認められた。またシート
材H1についてもこの関係は環境条件(保管条件)によ
っても大きく左右されるが、普通の保管条件であれば透
湿度は5g/m224hr以下、好ましくは3g/m224hr以下であ
ることが必要で、この条件を満たしていれば固形処理剤
Zは吸湿による型くずれを起こすことがないことを確認
した。なおこの条件を満たしたシート材H1としては、
例えばアルミ箔をラミネートしたポリエチレンシートフ
ィルムやポリエチレン単層の場合は150μm以上の厚みを
もったシートフィルムがこれに該当する。
【0033】また前記の写真処理剤用包装体Hについ
て、固形処理剤Zは4方を密封された形で保管あるいは
配達されるが、密封手段としてはヒートシールが好まし
く用いられる。ヒートシールはシート材H1の溶着温度
より高い温度に加熱することによりなされるが、ヒート
シール温度が高いときは内部の固形処理剤が酸化して、
後の処理性が害われる。本発明者らは種々の固形処理剤
について処理性が害われないヒートシール温度を実験的
に求めた。その結果、加熱時間が0.5〜1secの間にある
ときヒートシール温度は100°〜250℃の間にあることが
必要条件であることを見出した。ヒートシール温度が25
0℃以上であると固形処理剤Zは酸化して処理性の劣化
が認められた。またヒートシール温度が100℃以下であ
ると前記の熱可塑性シートフィルムについて付着が不充
分で、ヒートシール部分での気密性能や防湿性能に不安
が残った。この100°〜250℃のヒートシール温度でヒー
トシールがなされる熱可塑性シート材としては軟化点が
60°〜150℃のシート材を選択することが必要であるこ
とが明らかとなった。
【0034】(実施例) (1)写真処理剤用包装体の製造に当っての環境条件を
検討するに先だって、各種の固体処理剤について、環境
条件下における吸湿特性について精密な重量測定を行う
ことにより、吸湿率及び吸湿速度について検討を行っ
た。その結果吸湿性の高い固体処理剤(I)については
製造条件によっては型くずれ等が生じ易いことが明らか
となった。テストに用いた固形処理剤は、写真処理剤中
最も吸湿性の高い特性をもった次のカラーペーパー用漂
白定着補充用錠剤である。
【0035】テスト用錠剤の製法:チオ硫酸アンモニウ
ム1640g、亜硫酸ナトリウム750g、臭化カリウム40g、p-
トルエンスルフィン酸50gを粉砕、混合し造粒する。水
の噴霧量は100mlとし、造粒後、60℃で120分間乾燥して
造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このようにして、
調製した造粒物にN-ラウロイルサルコシンナトリウム20
gを添加し、25℃で40%RH以下に調湿された部屋で混
合機を用いて3分間混合する。次に得られた混合物を菊
水製作所(株)製タフプレストコレクト1527HUを改造
した打錠機により1錠当たりの充填量を13.4gにして圧
縮打錠を行い、180個のカラーペーパー用漂白定着補充
用錠剤を作成した。
【0036】このようにして作成した錠剤を20個宛のグ
ループに分け、各グループを(a)23℃ 30%RH,
(b)23℃ 40%RH,(c)23℃ 45%RH,(d)23℃
50%RH,(e)23℃ 60%RHの条件下で72時間経過
後、それぞれを図9に示した平面性が保持されかつ充分
に清掃されたポリプロピレン(P.P)の面上に載置
し、更に24時間同条件に維持したのちゆるやかにその面
を傾けて錠剤が動きはじめる傾斜角度θを測定した。傾
斜角度θが大きいことは、錠剤ZとP.P面との間に吸
湿にもとづく吸湿性が生じたためとして、評価を行っ
た。
【0037】
【表1】
【0038】上記テストは(a)条件での傾斜角度θを
基準とし、その差が認められない(◎)、その差が僅か
に認められる(○)、その差が認められる(△)、明ら
かにその差が認められる(×)の4評価方式による評価
結果である。
【0039】以上のテスト結果から、固形処理剤の包装
は室温20〜25℃相対湿度45%RH以下、好ましくは40%RH
以下の環境条件下で行われることが必要であることが明
らかとなった。また相対湿度が25%RH以下であると錠剤
は乾燥のため処理中に錠剤相互の接触等により粉体の飛
散が認められ好ましくないことが明らかとなった。
【0040】(2)包装体用シールとして、次の3種類
で各種類毎にフィルム厚が異なるシートフィルムについ
て、予じめ透湿度の測定を行ったのち実用テストを行っ
た。
【0041】P.P(ポリプロピレン) PET/LDPE(ポリエチレンテレフタレートと低
密度ポリエチレンをラミネート) HDPE(高密度ポリエチレン) シリカ蒸着フィルム/LDPE テストに用いた固形処理剤は、先のカラーペーパー用漂
白定着補充用錠剤を用い上記の包装体用シートフィルム
でヒートシールによって所定量(錠剤1〜4個)内包さ
れた状態に4方をシールした。シール部分からは吸湿し
ないよう注意を拂った。
【0042】テストは環境温度30℃,環境湿度80%RH
の条件下で1週間放置し、その後開封して評価を行っ
た。評価は外観(吸湿に基づく色の変化)、袋おち(吸
湿によるシート材内面への付着)の両面から評価を行
い、綜合して全く影響が認められない,極めて良好
(◎)、殆んど影響が認められない,良好(○)、僅か
に吸湿が認められる,やや不良(△)、吸湿が認められ
る,不良(×)の4評価方式による評価を行った。
【0043】
【表2】
【0044】以上のテスト結果からシート材の透湿度は
5g/m224hr以下、好ましくは3g/m224hrである必要性が
認められた。
【0045】(3)包装体用シート材として、次のP.
P及びPET/LDPEの2種類のシートフィルムにつ
いて図2の自動ヒートシール装置300を用い、ヒートシ
ール条件についてのテストを行った。
【0046】テストに用いた固形処理剤は写真処理剤
中、最も加熱により酸化し特性の劣化が認められるカラ
ーペーパー用発色現像補充用錠剤を用いてテストを行っ
た。
【0047】テスト用錠剤の製法:現像主薬のCD−3
[4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-〔β-(メタンスルホン
アミド)エチル〕アニリン硫酸塩]1200gを市販のバンダ
ムミル中で平均粒径10μmになるまで粉砕する。この微
粉末を市販の撹拌造粒機中で室温にて約7分間、50mlの
水を添加することより造粒した後、造粒物を流動層乾燥
機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に
除去する。このようにして、調製した造粒物にポリエチ
レングリコール6000を150gを25℃で40%RH以下に調湿
された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合する。次
にN-ラウロイルアラニンナトリウム4gを添加し、3分
間混合した後、得られた混合物を菊水製作所(株)製タ
フプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により1
錠当たりの充填量を3.2gにして圧縮打錠を行い、400個
のカラーペーパー用発色現像補充用錠剤を作成した。
【0048】テストは上記の2枚の同質のシート材の中
央位置に所定量(錠剤1〜4個)の上記の処理剤を落下
させ、落下位置に対して4方をヒートシールによってシ
ールした。自動ヒートシール装置300では処理剤の落下
位置に対して約5mmはなれてヒートシールするように設
計してある。ヒートシール後、シール部分での透湿につ
いてのチェックを行い、その後処理剤を取出し、酸化の
程度を主薬残存率(%)によって測定した。またシート
材のヒートシール部分での付着力についてシール部分を
はがす作業中に状態チェックを行った。その両者を綜合
して良好(○)、不良(×)の2評価方式による評価を
行った。
【0049】
【表3】
【0050】上記テストからヒートシール温度は100°
〜250℃の間であることが必要条件であることを見出し
た。ヒートシール温度が250℃以上であると上記の固形
処理剤は酸化して処理性の劣化が認められた。またヒー
トシール温度が100℃以下であると前記の熱可塑性シー
トフィルムについて付着が不充分で、ヒートシール部で
の気密性能や防湿性能の不良が認められた。
【0051】なお本発明は上記の実施例で説明した2枚
のシート材間に錠剤を密封する実施例に限定するもので
はなく、筒状の中に錠剤を並んで入れたのち上下の口を
シールしたものを袋状部材で密封する際の写真処理剤用
包装体の製造も本発明は含まれる。
【0052】
【発明の効果】本発明の製造方法により作成された写真
処理剤用包装体は、内包された固形処理剤が吸湿される
ことなく保持され、またヒートシールによって内部の固
形処理剤の処理性を害うことなくシールされた保存性に
優れ量産に適した包装体であって、簡単な投入機構によ
って所定量ずつ固形処理剤が処理槽に供給することがで
きる写真処理剤用包装体が提供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す写真処理剤用包装体で
ある。
【図2】本発明の写真処理剤用包装体の自動ヒートシー
ル装置の概要図である。
【図3】処理槽の概要を示す構成図である。
【図4】固形処理剤の投入装置の構造を示す斜視図であ
る。
【図5】固形処理剤の投入装置の作動状態を示す斜視図
である。
【図6】固形処理剤の投入装置の要部を示す説明図であ
る。
【図7】固形処理剤収納体の説明図である。
【図8】写真処理剤の吸湿特性を示すグラフである。
【図9】錠剤の吸着性のテスト法の説明図である。
【符号の説明】
H 写真処理剤用包装体 H1 シート材(包装体) H11 ヒートシール部(シート材) H12 検出マーク(シート材) H13 ミシン目(シート材) H14 ノッチ(シート材) 1 処理槽 11 固形処理剤投入部 15 固形処理剤収納体 300 自動ヒートシール装置 300A ヒートシール円筒 302 加熱部 Z 固形処理剤(錠剤)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定量の写真材料処理用の固形処理剤が
    袋状の包装材内に密封され、所定量ごとに取出し得るよ
    う構成した写真処理材用包装体について、該包装材は透
    湿度5g/m224hr以下の防湿材を用いると共に、前記固形
    処理剤の包装は室温20°〜25℃、相対湿度25〜45%の環
    境下においてヒートシールによって行うことを特徴とす
    る写真処理剤用包装体の製造方法。
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