JPH0629159B2 - 流動層燃焼灰を原料とする硬化体の製造方法 - Google Patents

流動層燃焼灰を原料とする硬化体の製造方法

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JPH0629159B2
JPH0629159B2 JP19939188A JP19939188A JPH0629159B2 JP H0629159 B2 JPH0629159 B2 JP H0629159B2 JP 19939188 A JP19939188 A JP 19939188A JP 19939188 A JP19939188 A JP 19939188A JP H0629159 B2 JPH0629159 B2 JP H0629159B2
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、燃料である石炭および脱硫剤である石灰石か
ら構成される流動層における流動層燃焼の際に発生する
石炭灰および使用済脱硫剤からなる混合粉体を原料とし
て、機械的強度が大きい成形硬化体を製造する方法に関
するものである。
また本発明の方法により得た成形硬化体を粉砕して粒状
にすれば、高い地盤支持力を発現する粒状の硬化体とす
ることができる。
〔従来の技術〕
近年我国においては、石油危機以来の国際的な石油供給
不安によって多大なる石油輸入量の確保が難しくなり、
エネルギー需給状態における石油依存度を小さくするた
めの石油代替エネルギーの開発が国家的な課題となり、
石炭エネルギーが1つの柱としてクローズアップされて
いる。
石炭を燃料とする際の燃焼方式は、従来、微粉炭燃焼方
式が中心であったが、最近、流動層燃焼方式が注目され
ている。この流動層燃焼方式は、通常、炉内脱硫方式が
採用され、燃料である石炭と炉内脱硫のための脱硫剤で
ある石灰石を投入しボイラ内にて流動層を構成させる方
式である。流動層燃焼方式は従来の微粉炭燃焼方式に較
べて、第1に火炉容積が小さくて済みボイラ容積が小さ
くなること、第2に燃料石炭の品種に関する制約が少な
いこと、第3に750〜850℃の低温燃焼が可能であ
り灰の凝結に関するトラブルがなくサーマルNOxの発
生が少ないこと、第4に伝熱水管表面での総括伝熱係数
が大きいことなどの長所を有している。一方、流動層燃
焼技術の実用化の課題として灰処理上の問題がある。流
動層燃焼の際に発生する灰は、いわゆる石炭灰と使用済
脱硫剤からなり、使用済脱硫剤は脱硫生成物であるII型
無水石こうと未反応の生石灰から構成されている。石炭
燃焼ガス中の硫黄酸化物の除去効率、すなわち脱硫率を
大きくするため、通常Ca/Sのモル比が3〜6となる
ように石灰石の投入量が設定されており、750〜85
0℃における硫黄酸化物との反応により石灰石が生石灰
およびII型無水石こうとなり、石炭灰とともに排出され
る。流動層燃焼灰の発生量は使用石炭の品種、脱硫率、
ボイラの運転条件などにより相当に異なるが、通常、石
炭灰、II型無水石こう、生石灰の発生量はそれぞれ使用
石炭量のほぼ15〜20重量%、1〜10重量%、1〜
10重量%である。
従来、我国における発生石炭灰の大部分は微粉炭燃焼に
よるものであり、そのうち約10〜20重量%はフライ
アッシュとしてセメント混和材、セメント原料などに再
利用され残りは埋立地に廃棄されていた。しかしなが
ら、セメント原料への再利用および埋立地への廃棄のい
ずれにおいても、将来の石炭灰の大量発生に充分対処し
得ることは期待できないのが現状である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このように微粉炭燃焼灰においても、石炭灰の処理方法
が大きな問題になりつつあり、流動層燃焼灰についても
石炭火力発電所などにおける流動層燃焼による本格的な
石炭利用の際にきわめて多量の流動層燃焼灰が発生する
ことを考慮すると、流動層燃焼灰として独自の処分方式
を確立することが流動層燃焼技術の実用化にとってきわ
めて重要な課題となっている。また流動層燃焼灰の大量
処分方式の確立には、資源としての有効再利用が必須で
ある。これはまず第1に国産資源の乏しい我国において
は、単なる廃棄ではない再利用が省資源・省エネルギに
直接結びつくこと、第2に環境破壊がきわめて少ないこ
とに基づくものである。
セメントなどの水和反応にて硬化する物質より成形硬化
体を製造する方法としては、プレス成形あるいは流し込
み成形の2方法が代表的である。しかしながらこれらの
方法は多くの型枠を必要とし、生産性ならびに経済性に
欠ける問題点がある。
そこで、本発明者らは、流動層燃焼灰を原料として機械
的強度の大きい成形硬化体を、型枠を使用せずに製造す
る方法について種々の検討を行い、その結果、石炭灰分
60〜85重量%、石灰分10〜25重量%、石こう分
5〜25重量%からなる流動層燃焼灰は、水との混練
後、短時間に硬化することを見出し、その特性を利用し
て、混練物のスランプを0.5〜10cmとし、ベルトコ
ンベアなどの搬送機に移し、水和反応の進行により、混
練物の貫入抵抗力が5〜20Kgの範囲で、混練物を所定
の大きさに切断し、さらに貫入抵抗力が30Kg以上にな
るまで常温にて養生した後、40〜100℃の常圧水蒸
気下で処理を行うことによって、高強度の成形硬化体の
製造が可能であることを見出しすでに特願S60−28
2440(特公平3−38227号公報)で出願してい
る。
しかし生石灰を多く含む場合は生石灰の水和反応により
混練物が高温となり成形体内に水蒸気による気泡又は気
泡群が生成又は反応が早すぎて十分な強度の成形硬化体
とならない場合がある。このため生石灰を消化するに必
要な水分を添加し混練に先立って消化反応をさせたのち
必要な水を加えて上記のような混練物としたのち養生す
る方法が安定に高強度な成形硬化体を製造する方法であ
ることを見いだした。
また流動層燃焼ボイラーから排出される燃焼灰の1/3
は流動床部の底部から直接排出されるか又はボイラーの
半分位の高さからオーバーフローされる粗粒灰であり、
その主成分は生石灰である。残り2/3は集塵機で捕集
される飛散灰即ちガスで同伴される灰であり粒径は小さ
く主として石炭灰からなる(第1表参照)。
このため生石灰を主成分とし粗粒であるため消化反応の
遅い流動層灰にその生石灰を消化するに必要な水を添加
し撹拌して消石灰とするとともに発熱を放熱及び水の蒸
発で除去し、それに飛散灰を添加すれば安定な硬化体を
製造しうることが見出された。
また成形硬化体の粉砕によって得られた粒状の硬化体は
粒度分布が広く、角ばっており、かつ表面硬度が比較的
小さいため、高い地盤支持力を発現することを見出し
た。
本発明は上記の諸点に鑑み、上記の知見に基づいてなさ
れたもので、流動層燃焼灰を土木・建築分野にて資源と
して大量に活用すべく、流動層燃焼灰を原料として機械
的強度の大きい成形硬化体および高い地盤支持力を発現
する粒状の硬化体を作製することを目的としてなされた
ものである。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
本発明の流動層燃焼灰を原料とする硬化体の製造方法
は、一つは、燃料としての石炭および脱硫剤としての石
灰石から構成される流動層における流動層燃焼の際に発
生する石炭灰および使用済脱硫剤に、石炭灰分60〜8
5重量%、石灰分10〜25重量%、石こう分5〜25
重量%の配合割合となるように、生石灰または/および
消石灰、ならびにII型無水石こう、半水石こうまたは/
および2水石こうからなる添加物を必要に応じて添加し
て混合粉体を調製し、この混合粉体に水を加え混練して
混練物を得た後硬化させて硬化体を製造する方法であっ
て、前記混練物のスランプを0.5〜10cmとし、水和
反応の進行によってこの混練物の貫入抵抗力が5〜20
Kgになったところで混練物を所定の大きさに切断し、さ
らに貫入抵抗力が30Kg以上になるまで常温にて養生し
た後、40〜100℃の常圧水蒸気で処理して成形硬化
体を得る方法において、前記混合粉体に水を加えるに当
り含まれる生石灰を消化するに必要な水を添加し十分消
化反応を行なわせた後さらに水を加え混練することを特
徴とするものである。即ち本発明では水は複数回に分け
て添加するのであり、ここでは混合粉体に水を加える際
にそこに含まれる生石灰の消化を行なわせるに十分な量
の水を添加して消化させた後さらに必要な量の水を加え
て混練させるのである。
本発明の流動層燃焼灰を原料とする硬化体の製造方法
は、また、前記の如く処理して成形硬化体を得る方法に
おいて、流動層より排出される粗粒灰はCaOを主成分
とするのでそれを消化する際に発熱する熱量を本混練に
先立って加湿混練することにより消化処理し放熱及び水
蒸気蒸発で除去し、次いで微粉からなる飛散灰と混合
し、次に必要に応じて前記添加物を添加することを特徴
とするものである。
即ち、この発明では一態様として水を粗粉を主とする灰
に加えて消化させその後、細粉を主とする灰に添加して
混練させるのである。流動層燃焼炉では、石炭を灰で燃
焼させる。かくして形成され、主として0.2mm以上の
粒径又は100g/cm2以下の比表面積を有する粗粒か
らなる灰がオーバーフロー灰又はボトム灰として排出さ
れる。このオーバーフロー灰は流動灰の高さを安定に保
持するためにボイラーの中央高さから排出される。前記
ボトム灰は流動層内に蓄積する大きな粒子による流動化
不良を防止するためにボイラーの底部から排出される。
このオーバーフロー灰とボトム灰は約1mmの平均粒径を
有する。
他方、形成された小さな粒径の灰は飛散してマルチクロ
ン灰又はバグフィルター灰として捕集される。マルチク
ロン又はバグフィルターは一種の集塵機である。前記マ
ルチクロン灰は100〜200μの平均粒径を有し、前
記バグフィルターは44μ以下の粒径を有する。これら
の灰はまた飛散灰とも呼ばれる。
流動層の底部から排出される灰は粗く、その消化反応は
ゆっくりとしか進行しない。一定量の水を加えて十分消
化させて発生する熱を放熱又は水蒸気生成にて飛散させ
た後飛散灰を加えて水と混練する。
尚常圧水蒸気処理後の成形硬化体を粉砕処理すれば、高
い地盤支持力を有する粒状の硬化体を得ることができ
る。
本発明の方法において、スランプとは、混練物の軟かさ
を表わす指数で、JIS A 1101(コンクリートのスランプ
試験方法)によって、スランプコーン(10φ×20φ
×30円錐台)に混練物を詰めた後、直ちにスランプ
コーンを鉛直に引き上げ、混練物の中央部においてさが
った値(cm)を言う。
また貫入抵抗力とは、直径50mmの円形の縁端面を持つ
鋼製円柱を2.5mm貫入するに必要な力を言う。
一般に流動層燃焼灰の代表的性状である成分組成は使用
する石炭の品種に大きく依存する。まず第1に石灰の産
出地によって燃焼残渣であるSiO、Al、C
aO、Fe、NaO、KOなどの成分の配合
割合が異なり、第2に石炭中の硫黄含有量によって脱硫
生成物であるII型無水石こうおよび未反応の脱硫剤であ
る生石灰の含有量が異なる。このため流動層燃焼灰を原
料として水蒸気処理による高強度の成形硬化体の作製の
際には、流動層燃焼灰の成分組成によって粒状硬化体の
適正製造条件は異なる。主な製造条件は、必要な際に添
加される生石灰などおよび/またはII型無水石こうなど
の量、水による混練物を適正なスランプとするための混
練条件、切断条件、水蒸気処理条件(温度、時間)など
である。しかし生石灰を消化する工程と混練する工程を
分けたことにより、又は生石灰を主成分とする流動層灰
を消化する工程と混練する工程を分けたことにより、こ
れらの条件は特願S60−282440に比べ安定とな
った。
原料粉体の配合割合と混練物の硬化特性および成形硬化
体の性状との関係は既略つぎの通りである。水蒸気処理
により生成する成形硬化体の主成分はエトリンガイト
(3CaO・Al・3CaSO・32H
O)、種々の形態のケイ酸カルシウム水和物(XCa
O・YSiO・ZHO)であるが、強度メンバーと
して最も寄与するものはエトリンガイトである。まず原
料混合粉体中のII型無水石こう含有量および/または生
石灰含有量が少ない際には、水和反応による硬化時間が
長くなるとともに、カルシウムモノサルフォアルミネー
ト水和物(3CaO・Al・CaSO・12H
O)が主成分となり成形硬化体の強度は小さいが、II
型無水石こう含有量および/または生石灰含有量が大き
くなるにしたがって水和反応による硬化時間がはやくな
るとともに、エトリンガイト量が多くなり成形硬化体の
強度も大きくなる。さらにII型無水石こうおよび/また
は生石灰含有量が多くなると、水和反応による硬化時間
が著しくはやくなるとともに、水蒸気処理時に反応にあ
ずからない遊離の石こうおよび/または消石灰が生じ成
形硬化体の強度は低下する。しかし生石灰を消化するに
必要な水分、又は生石灰を主成分とする流動灰を消化す
るに必要な水分を混練に先立って添加するため異常昇温
はなくなる。混練物が作業性の良好な水和硬化性を有
し、かつ水蒸気処理による成形硬化体の機械的強度が大
きくなる最適成分配合は、生石灰およびII型無水石こう
以外の石炭灰分60〜85重量%、生石灰分10〜25
重量%、II型無水石こう5〜25重量%である。生石灰
分および/またはII型無水石こう分が最適成分配合より
少ない際には、生石灰分および/またはII型無水石こう
の添加が必要である。添加の際には生石灰の代替として
消石灰を用いてもよく、またII型無水石こうの代りに半
水石こうまたは/および2水石こうを用いてもよい。な
お一般の水添混練法では、又は粗粒の流動層燃焼灰と微
粒の流動層燃焼灰を混合して処理する混練法では生石灰
の配合割合が30重量%を越えると、混練物がきわめて
短時間に硬化するため作業が困難となることがあったが
本混練に先立って生石灰を消化するに必要な水分を添加
し消化反応を行なわせることによりまた粗粒の流動層燃
焼灰を事前消化するに必要な水分を添加し、消化反応を
行なわせることにより異常昇温はなくなり、きわめて短
時間に硬化することによるトラブルは解決された。
つぎに適正なるスランプを得るための混練条件は、流動
層燃焼灰の主としてブレーン比表面積の大きさ、イグニ
ションロス(Ig.Loss)ならびに生石灰の含有量などによ
って異なるが、通常は50〜65重量%の水によって適
正なるスランプを得る。スランプが0.5cm未満である
と、硬化時間がはやすぎて作業に支障をきたすととも
に、成形硬化体に大きな巣が多数残存するため強度が低
下し、またスランプが10cmを越えると、硬化時間が長
くなって作業性が悪くなるとともに、硬化体強度が低下
する。したがって0.5〜10cmのスランプが適正であ
る。
また切断条件において、混練物の貫入抵抗力が5Kg未満
であると、切断後、短時間に切断面がくっつくととも
に、端面が丸くなり、作業性ならびに硬化体の品質の低
下を起こし、20Kgを越えると、切断のために大きな力
を必要とし、作業の効率化に支障をきたす。したがって
混練物の切断は貫入抵抗力が5〜20Kgの範囲で行うの
が適正である。
常温養生は、作業性の向上と、40〜100℃の水蒸気
処理下でのクラックの発生を抑制するために実施するも
ので、成形体の貫入抵抗力が30Kg未満であると、作業
性ならびに硬化体の品質に支障をきたす。
水蒸気処理条件は処理温度および処理時間が主な要因で
ある。一般に水蒸気処理時間が短いか、水蒸気処理温度
が低い際には、水和硬化体はカルシウムモノサルフォア
ルミネート水和物、2水石こう、エトリンガイトの混合
物からなり強度は小さく、水蒸気処理時間が長くなる
か、水蒸気処理温度が高くなるにしたがってエトリンガ
イトの生成量が多くなり強度も大きくなる。水蒸気処理
を長時間にわたり実施するか、水蒸気処理温度を高くし
すぎるとエトリンガイトは耐熱性に欠けるため、生成し
たエトリンガイトは無水石こうとカルシウムアルミネー
ト水和物に分解し、硬化体の強度は低下する。
適正なる水蒸気処理条件は流動層燃焼灰の水和反応性な
どにより異なるが、通常は50〜80℃の温度で、5〜
15時間、常圧水蒸気処理することにより高強度硬化体
が得られる。なお水蒸気処理温度が高くなるに伴い、水
蒸気処理時間は短くて高強度硬化体が得られる。このよ
うに流動層燃焼灰を原料とする成形硬化体の製造の際に
は、流動層燃焼灰の性状などに合わせて、添加水量、切
断タイミングならびに養生条件、水蒸気処理条件を適切
に選定することが必要である。
一方、高強度の成形硬化体は、ジョークラッシャ、イン
ペラブレーカなどの粗砕機で粉砕することにより、高い
地盤支持力を発現する粒状の硬化体となる。
本発明による成形硬化体は、護岸用のブロックなどとし
て、成形硬化体の粉砕による粒状硬化体は、路盤材、埋
め戻し材、地盤改良材などへの利用が好適である。
本発明による粒状硬化体を路盤材、埋め戻し材料ならび
に地盤改良材などの土木材料とする際の主たる特徴は次
の通りである。まず第1に、単位体積重量が従来の類似
材料である砕石、砂利よりも相当に小さく、なおかつ砕
石、砂利とほぼ同等の地盤支持力を呈することである。
すなわち、砕石、砂利の1/2〜2/3の重量でもって
同等の地盤支持力を発揮することである。第2に、道路
部ならびに埋め戻し部は通常、湿潤状態かもしくは湿度
の高い状態にあり、このような環境下では本発明による
粒状硬化体は経時的に地盤支持力が増加する特徴を有す
ることである。
〔実施例〕
つぎに実施例および比較例について説明する。実施例お
よび比較例における流動層燃焼灰の化学組成および物性
を第1表に、構成化合物割合を第2表に示す。ブレーン
比表面積測定は、島津製作所製の粉体比表面積測定器S
S−100形を使用し、空気透過法によった。
成形硬化体の強度測定は、40×40×160cmの試験
片を用いた。曲げ強度試験は、丸菱科学製作所のMKS
改良型万能強度試験機を使用し、圧縮強度試験はインス
トロン社製の万能強度試験機を使用した。
ここにCBRとはJIS A 1211による路床土支持力比(Cal
ifornia Bearing Ratio of Solids)を云う。
また修正CBRは、JIS A 1210(突固めによる土の締固
め試験方法)によって、上下方向に3層に分けて、各層
92回突固めたときの最大乾燥密度の95%の締固め度
に相当する4日水浸後のCBRをいい、このCBRはJI
S A 1211(路床土支持力比試験方法)により、直径5cm
の貫入棒の貫入抵抗より次式で与えられる。
比較例1 第1表に示す集じん機捕集灰85重量部、生石灰15重
量部の混合粉体に水を60重量部加え、混練を行った
が、混練中に硬化を開始し、以後の作業が困難であっ
た。
比較例2 第1表に示す集じん機捕集灰100重量部に水60重量
部を加え、1分間混練した後、貫入抵抗力が5Kgになっ
た際、40×40×160mmに切断し、貫入抵抗力が1
0Kgで70℃の常圧水蒸気下で10時間処理をした。得
られた成形硬化体はクラックが発生し、低強度であっ
た。
実施例1 第1表に示す集じん機捕集灰100重量部に水5重量部
を加え1分間混撹拌した後水55重量部加え、1分間混
練した後、貫入抵抗力が10Kgになった際(水を1回で
供給する場合貫入抵抗力が10Kgとなるまでの時間は3
0〜60分間であるが、生石灰を消化するための水、混
練するための水と2段に分けて供給することにより貫入
抵抗力が10Kgとなるまでの時間は約20分となった)
40×40×160mmに切断し、貫入抵抗力が30Kgま
で常温養生し(水を1回で供給する場合常温養生時間は
30〜60分であったが、生石灰を消化するための水、
混練するめたの水と2段に分けて供することにより常温
養生時間は20〜40分間短縮された)、70℃の常圧
水蒸気で10時間処理をした。得られた成形硬化体の特
性(湿潤時)は第3表のとおりであった。
実施例2 実施例1にて得られた成形硬化体をジョークラッシャで
粉砕し、20mm以上:0%、20〜10mm:21%、1
0〜5mm:14%、5〜1mm:33%、1〜0.1mm:
26%、0.1mm以下:6%の粒度を有する粒状の硬化
体を得た。この粒状の硬化体の最大乾燥密度は1.06
g/cm3で、修正CBRは140%であった。
実施例3 第1表に示すオーバーフロー灰33重量部に5重量部の
水に加え1分間混練した後集じん機捕集灰67重量部に
水55重量部を加え1分間混練した後、平板上に流し、
貫入抵抗力が10Kgになった際、40×40×160mm
に切断し、貫入抵抗力が30Kgまで常温養生し、70℃
の常圧水蒸気で10時間処理をした。得られた成形硬化
体の特性(湿潤時)は第4表のとおりであった。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によれば、石炭を燃料とす
る流動層燃焼の際の排出物である流動層燃焼灰を原料と
し、生石灰を消化するに必要な水分を添加したのちさら
に水と混練して後、又は流動層より排出するオーバーフ
ロー灰又はボトム灰中の生石灰を消化するに必要な水分
を添加した後更に集じん機捕集灰を加え水と混練した
後、ベルトコンベアなどの搬送機に移し、混練物の貫入
抵抗力が5〜20Kgの範囲で所定の大きさに切断し、さ
らに貫入抵抗力が30Kg以上になるまで常温にて養生し
た後、40〜100℃の常圧水蒸気下で処理をすること
によって、高強度の成形硬化体が型枠を使用せず、短時
間に、かつ簡素なプロセスにて製造することが可能で、
また成形硬化体を粉砕すれば、高い地盤支持力を発現す
る粒状硬化体を得ることができ土木・建築材料としての
適用が期待でき、本発明は流動層燃焼灰を土木・建築分
野における材料として有効利用に寄与する技術としてき
わめて有益である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料としての石炭および脱硫剤としての石
    灰石から構成される流動層における流動層燃焼の際に発
    生する石炭灰および使用済脱硫剤に石炭灰分60〜85
    重量%、石灰分10〜25重量%、石こう分5〜25重
    量%の配合割合となるように、生石灰または/および消
    石灰、ならびにII型無水石こう、半水石こうまたは/お
    よび2水石こうからなる添加物を必要に応じて添加して
    混合粉体を調製し、この混合粉体に水を加え混練して混
    練物を得た後硬化させて硬化体を製造する方法であっ
    て、前記混練物のスランプを0.5〜10cmとし、水和
    反応の進行によってこの混練物の貫入抵抗力が5〜20
    Kgになったところで混練物を所定の大きさに切断し、さ
    らに貫入抵抗力が30Kg以上になるまで常温にて養生し
    た後、40〜100℃の常圧水蒸気で処理して成形硬化
    体を得る方法において、前記混合粉体に水を加えるに当
    り、まず含まれる生石灰を消化するに必要な水を加えて
    十分消化させた後再び水を加えて混練することを特徴と
    する、流動層燃焼灰を原料とする硬化体の製造法。
  2. 【請求項2】燃料としての石炭および脱硫剤としての石
    灰石から構成される流動層における流動層燃焼の際に発
    生する石炭灰および使用済脱硫剤に石炭灰分60〜85
    重量%、石灰分10〜25重量%、石こう分5〜25重
    量%の配合割合となるように、生石灰または/および消
    石灰、ならびにII型無水石こう、半水石こうまたは/お
    よび2水石こうからなる添加物を必要に応じて添加して
    混合粉体を調製し、この混合粉体に水を加え混練して混
    練物を得た後硬化させて硬化体を製造する方法であっ
    て、前記混練物のスランプを0.5〜10cmとし、水和
    反応の進行によってこの混練物の貫入抵抗力が5〜20
    Kgになったところで混練物を所定の大きさに切断し、さ
    らに貫入抵抗力が30Kg以上になるまで常温にて養生し
    た後、40〜100℃の常圧水蒸気で処理して成形硬化
    体を得る方法において、流動層より排出される粗粒灰中
    の生石灰を消化するに必要な水分を添加し、撹拌混練し
    て十分に消化した後飛散灰と混合し、次に必要に応じて
    前記添加物を添加するようにしたことを特徴とする、流
    動層燃焼灰を原料とする硬化体の製造方法。
  3. 【請求項3】常圧水蒸気処理後の成形硬化体を粉砕処理
    する請求項1又は2に記載の流動層燃焼灰を原料とする
    硬化体の製造方法。
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