JPH0628913Y2 - 負荷時タップ切換装置の保護装置 - Google Patents

負荷時タップ切換装置の保護装置

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JPH0628913Y2
JPH0628913Y2 JP9514988U JP9514988U JPH0628913Y2 JP H0628913 Y2 JPH0628913 Y2 JP H0628913Y2 JP 9514988 U JP9514988 U JP 9514988U JP 9514988 U JP9514988 U JP 9514988U JP H0628913 Y2 JPH0628913 Y2 JP H0628913Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、負荷時タップ切換装置の保護装置に関するも
のである。
[従来技術] 負荷時タップ切換装置として、抵抗式のタップ切換装置
が広く用いられている。この種の負荷時タップ切換装置
は、タップ巻線の奇数タップ及び偶数タップをそれぞれ
選択する奇数側及び偶数側のタップ選択器と、限流抵抗
器と、奇数側及び偶数側タップ選択器間を限流抵抗器を
介して橋絡する過程を経て奇数側タップ選択器及び偶数
側タップ選択器を通電回路に切換接続する切換開閉器
と、タップ選択器及び切換開閉器を操作する電動操作機
構とを備え、切換開閉器によりタップ選択器間を限流抵
抗器で橋絡して制限されたタップ間短絡電流を流しつつ
タップの切換を行うようになっている。
この種のタップ切換装置では切換開閉器が動作している
ときに限流抵抗器に負荷電流及びタップ間橋絡電流が流
れるので、切換開閉器の動作は極く短時間で終了させな
ければならない。
もし何らかの原因で切換開閉器の動作が迅速に行われな
い場合には、そのまま運転を続けると限流抵抗器が過熱
し、甚だしい場合には焼損するに至る。
そこで負荷時タップ切換装置においては、切換開閉器の
動作の滞り(タップ渋滞)を検知して異常検知信号を発
生させ、この異常検知信号により警報又は運転の停止時
の保護動作を行わせる保護装置を設けている。
従来の負荷時タップ切換装置に採用されている保護装置
においては、切換開閉器を駆動する駆動電動機の作動時
間をもとにして異常を検知している。この場合駆動電動
機による標準的なタップ切換時間(数秒)に若干の余裕
を加えた時間を設定時間として設定し、駆動電動機の作
動時間がこの設定時間を超えたときに異常検知信号を発
生させるようにしている。
また奇数側タップ選択器と偶数側タップ選択器とに共に
電流が流れる時間を検出して、この時間が設定値(数秒
程度)以上になったことが検出されたときに異常検知信
号を発生させる保護装置も知られている。
[考案が解決しようとする課題] 駆動電動機の作動時間をもとにして異常を検知するよう
にした場合には、駆動電動機の作動時間が設定時間より
も長くならないと異常を検知することができないため、
切換開閉器のタップ間橋絡時間が異常に長くなった場合
や、切換開閉器が動作不能になった場合でも、その異常
が駆動電動機の作動時間の異常として現れない限り異常
検知を行うことができないという問題があった。
また奇数側タップ選択器と偶数側タップ選択器とに共に
電流が流れる時間のみに基いて異常を検知するようにし
た場合には、切換開閉器のタップ間橋絡時間が長くなる
異常を検知することはできるが、切換開閉器が動作不能
の状態になったことは検知できなかった。
更に何らかの原因で負荷時タップ切換装置を操作する電
動操作機構の出力軸の駆動力が負荷時タップ切換装置本
体に伝達されなくなった場合(例えば負荷時タップ切換
装置本体と電動操作機構との間の駆動系に設けられてい
る安全ピンが切損した場合)には、上記いずれの手段に
よっても、異常を検知することができなかった。
本考案の目的は切換開閉器のタップ間橋絡時間が異常に
長くなった場合、切換開閉器が動作しなかった場合及び
電動操作機構の出力軸の駆動力が負荷時タップ切換装置
本体に伝達されなくなった場合のいずれの場合にも異常
を検知して保護動作を行うことができるようにした負荷
時タップ切換装置の保護装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本考案は、タップ巻線の奇数側タップ及び偶数側タップ
をそれぞれ選択する奇数側及び偶数側タップ選択器と、
前記奇数側及び偶数側タップ選択器間を限流抵抗器を介
して橋絡する過程を経て前記奇数側タップ選択器及び偶
数側タップ選択器を通電回路に切換接続する切換開閉器
と、前記タップ選択器及び切換開閉器を操作する電動操
作機構とを備えて奇数側タップ及び偶数側タップを交互
に選択してタップを切換える負荷時タップ切換装置の保
護装置を改良したものである。
本考案においては、前記の目的を達成するため、 奇数側タップ選択器の通電路を通して流れる電流を検出
する第1の変流器と、 前記第1の変流器の出力を光信号に変換する第1の電気
信号/光信号変換器と、 前記第1の電気信号/光信号変換器に第1の光ファイバ
ケーブルを介して接続され、該第1の光ファイバケーブ
ルを通して光信号を受信したときに閉路する常開接点と
該第1の光ファイバケーブルを通して光信号を受信した
ときに開路する常閉接点とからなる第1の通電検出接点
群を有する第1の通電検出器を設ける。
また偶数側タップ選択器の通電路を通して流れる電流を
検出する第2の変流器と、 前記第2の変流器の出力を光信号に変換する第2の電気
信号/光信号変換器と、 前記第2の電気信号/光信号変換器に第2の光ファイバ
ケーブルを介して接続され、該第2の光ファイバケーブ
ルを通して光信号を受信したときに閉路する常開接点と
該第2の光ファイバケーブルを通して光信号を受信した
ときに開路する常閉接点とからなる第2の通電検出接点
群を有する第2の通電検出器を設ける。
更に、前記電動操作機構の出力軸を駆動源として負荷時
タップ切換装置の1タップ切換間に1回転する主軸を有
し、切換開閉器の正常な動作時間及び該正常な動作時間
の前後に設定された所定の時間帯のみ開路する第1のカ
ム接点と、該第1のカム接点が開路する時間帯のみ閉路
する第2のカム接点とを備えたパイロットスイッチ駆動
機構を設ける。
そして上記の接点類を組込んで、第1のカム接点が開路
する時間帯外において第1の通電検出接点群中の常開接
点と第2の通電検出接点群中の常開接点とが共に閉路し
たときに負荷時タップ切換装置の異常を示す異常検出信
号を出力する第1の異常検出回路と、第2のカム接点が
閉路する時間帯において第1の通電接点群中の常閉接点
と第2の通電検出接点群中の常閉接点とが共に開路する
状態が生じないときに負荷時タップ切換装置の異常を示
す異常検出信号を出力する第2の異常検出回路を構成す
る。
上記第1の異常検出回路、又は第2の異常検出回路から
異常検出信号が出力されたときに負荷時タップ切換装置
に異常があると判定して、警報の発生や通電の停止時の
所定の保護動作を行わせる。
[作用] 上記の装置において、タップ間の橋絡状態が長く続いた
ときには、第1及び第2の変流器が共に電流を検出する
ので、タップ間橋絡状態が続いている間第1及び第2の
通電検出接点群中の常開接点が共に閉じる。このタップ
間橋絡時間が第1のカム接点の開路時間以上になると、
第1のカム接点が開路する時間帯外において第1の通電
検出接点群中の常開接点と第2の通電検出接点群中の常
開接点とが同時に閉路する状態が生じるため、第1の異
常検出回路が負荷時タップ切換装置の異常を示す異常検
出信号を出力する。
また切換開閉器が動作しない状態になったときにも異常
検出信号を発生させることができる。例えば奇数タップ
から偶数タップへ切換える際に切換開閉器が動作しなか
ったとする。本来であれば奇数タップから偶数タップへ
の切換が完了する時刻までに第1の通電検出接点群中の
常閉接点と第2の通電検出接点群中の常閉接点とが共に
開く時間帯が存在するはずであるが、奇数タップから偶
数タップへ切換える際に切換開閉器が動作しなかった場
合には、この時間帯が存在しないことになる。そのため
第2のカム接点が閉路する時間帯内に第1の通電検出接
点群中の常閉接点と第2の通電検出接点群中の常閉接点
とが共に開く時間帯が存在しないことになり、第2の異
常検出回路が異常検出信号を出力する。
電動操作機構の出力軸の駆動力が負荷時タップ切換装置
本体に伝達されない場合にも、切換開閉器が動作しない
ため、上記と同様に第2の異常検出回路が異常検出信号
を出力する。
このように本考案によれば、切換開閉器のタップ間橋絡
時間が異常に長くなった場合(タップ渋滞を生じた場
合)、切換開閉器が動作しなかった場合及び電動操作機
構の出力軸の駆動力が負荷時タップ切換装置本体に伝達
されなくなった場合のいずれの場合にも異常を検知して
保護動作を行わせることができる。
[実施例] 以下添附図面を参照して、本考案の実施例を説明する。
第1図は本考案の実施例の全体的回路構成を示したもの
で、同図においてTwは奇数タップT1,T3,…と偶
数タップT2,T4,…とを有するタップ巻線、So及
びSeはそれぞれ奇数タップ及び偶数タップを選択する
奇数側タップ選択器及び偶数側タップ選択器である。こ
れらのタップ選択器So及びSeは図示しない出力軸に
より駆動されてそれぞれ所定のタップを選択する。
タップ選択器So及びSeにはそれぞれ奇数側タップ選
択器リード線Lo及び偶数側タップ選択器リード線Le
が接続され、タップ選択器So及びSeはこれらのリー
ド線を通して切換開閉器1に接続されている。
勿論これらタップ選択器及びタップ選択器リード線は3
相分設けられている。
切換開閉器1はロータリ形のもので、この切換開閉器は
絶縁筒2を備え、該絶縁筒の内周には通電用固定接触子
C1、抵抗用固定接触子C2,C3及び通電用固定接触
子C4が取付けられている。第1図には1相分の固定接
触子のみを示してあるが、実際には3相の固定接触子C
1ないしC4が絶縁筒2の周方向に120度の角度間隔
で配設されている。
絶縁筒2の中心部には、該絶縁筒内を軸線方向に伸びる
駆動軸3が配置され、該駆動軸3にはほぼ正三角形状を
呈する連結板4がその中心部で結合されている。連結板
4の3つの角部にはそれぞれ導電材からなる扇形の可動
板6(図には1相分のみ示してある。)の要(かなめ)
部が軸5により支持され、各相の可動板6の外周部に固
定接触子C1ないしC4に対応する可動接触子M1ない
しM4が取付けられている。
すなわち、各相の可動板6の外周部には通電用固定接触
子C1、抵抗用固定接触子C2,C3及び通電用固定接
触子C4にそれぞれ対応する通電用可動接触子M1、抵
抗用可動接触子M2,M3及び通電用可動接触子M4が
固定されている。通電用固定接触子C1及びC4はそれ
ぞれ奇数側タップ選択器リード線Lo及び偶数側タップ
選択器リード線Leのタップ選択器と反対側の端部に限
流抵抗器を介さずに接続されている。抵抗用固定接触子
C2及びC3はそれぞれ奇数側タップ選択器リード線L
o及び偶数側タップ選択器リード線Leのタップ選択器
と反対側の部分に限流抵抗器R1及びR2を介して接続
されている。また可動板6はそれぞれ図示しないリード
線を介して通電回路の中性点に接続されている。
3相の奇数側タップ選択器リード線Lo及び偶数側タッ
プ選択器リード線Leの内の1相のリード線Lo及びL
eにはそれぞれ第1の変流器CT1及び第2の変流器C
T2が装着され、これらの変流器によりそれぞれリード
線Lo及びLeの通電電流が検出されるようになってい
る。
駆動軸3は電動操作機構から伝達される出力軸の回転に
より巻き上げられる駆動バネにより、トグル機構を介し
て時計方向及び反時計方向に交互に所定の角度だけ回転
するように一気に回転駆動される。この駆動軸の回転に
より連結板4が時計方向及び反時計方向に回動し、該連
結板4の時計方向及び反時計方向への回動に伴って各相
の可動板6が反時計方向及び時計方向にそれぞれ回動す
る。各相の可動板の回動により、各相の可動板の外周に
取付けられた可動接触子M1ないしM4が端から順次対
応する相の固定接触子C1ないしC4に接触していく。
第1図においては負荷時タップ切換装置のタップ位置は
T3であるが、T3の前のタップ位置はT2であったこ
とを示している。もし現在のタップ位置T3の前のタッ
プ位置がT4であったならば偶数側タップ選択器Seは
タップ巻線TwのタップT4に接続されている。
今第1図の状態からタップをT3からT4へとタップ番
号増加側に切換える場合を考える。この場合出力軸が回
転を始めるとまず偶数側タップ選択器SeがT2からT
4に切換わる。しかる後駆動軸3が時計方向に回転して
切換開閉器1が動作し、負荷時タップ切換装置のタップ
位置がT4になる。また反対にタップをT3からT2へ
とタップ番号減少側に切換える場合には、出力軸が回転
を始めたときに偶数側タップ選択器Seはそのまま動か
ず、切換開閉器1のみが動作してタップをT2に切換え
る。
切換開閉器の動作時における固定接触子及び可動接触子
間のオンオフ状態を第1表に示してある。第1表におい
てTo及びTeはそれぞれタップ位置が奇数タップ(T
1,T3,…)及び偶数タップ(T2,T4,…)にあ
ることを示している。Toe-1ないしToe-5はタップがTo
からTeに切換えられる際のステップを示し、Toe-1な
いしToe-5はタップがTeからToに切換わる際のステ
ップを示している。ここでステップToe及びTeoにそれぞ
れ付されている番号はそれぞれの過程における時系列上
の順番を表している。
また第1表において、○印は接触子間が電気的に接続さ
れた状態であるが電流は流れないことを意味し、◎印は
接触子間が電気的に接続された状態にあって電流が流れ
ることを意味する。また×印は接触子間が開放状態にあ
ることを意味する。第1表においてToe-2からToe-4の間
(Teo-2からTeo-4の間)がタップ間循環電流が流れるタ
ップ間橋絡時間である。
1タップの切換所要時間は数秒(電動操作時)である
が、切換開閉器1が動作する時間(前述の駆動軸3が回
転する時間)はそのうちの数十ミリ秒程度である。更に
切換開閉器1の動作中に生じるタップ間橋絡時間は十数
ミリ秒程度である。
尚切換開閉器1の動作はタップ切換開始後からの出力軸
の回転により蓄勢されたエネルギーがトグル機構により
一気に放出されることにより行われる。そのため切換開
閉器1が一旦動作を開始すれば、その後出力軸の回転を
故意に止めても切換開閉器の動作は前述と同様に短時間
で終了する。
変流器CT1の出力電流は第1の電流/電圧変換器7A1
に入力され、第1の電流/電圧変換器7A1の出力は第1
の電圧/光変換器7A2に入力されている。第1の電流/
電圧変換器7A1及び電圧/光変換器7A2により、第1の電
気信号/光信号変換器8Aが構成されている。第1の電
圧/光変換器7A2の出力端は第1の光ファイバケーブル
F1を介して第1の通電検出器9Aの入力端に接続され
ている。
第1の通電検出器9Aは光信号を電気信号に変換する機
能と増幅機能とを有していて、光ファイバケーブルF1
から光信号の入力があるときにその出力端に備えた第1
の通電検出接点群内の常開接点9Aaを閉じ常閉接点9Abを
開くようになっている。
変流器CT1は信号源であると同時に、電流/電圧変換
器7A1及び電圧/光変換器7A2の電源ともなっている。図
示してないが、第1の通電検出器9Aの電源は別途外部
から供給されるようになっている。
第2の変流器CT2の2次側は第2の電流/電圧変換器
7B1に入力され、電流/電圧変換器7B1の出力は第2の電
圧/光変換器7B2に入力されている。第2の電流/電圧
変換器7B1及び電圧/光変換器7B2により第2の電気信号
/光信号変換器8Bが構成されている。電圧/光変換器
7B2の出力端は第2の光ファイバケーブルF2を介して
第2の通電検出器9Bの入力端に接続されている。
第2の通電検出器9Bは、前記第1の通電検出器と同様
に光信号を電気信号に変換する機能と増幅機能とを有し
ていて、光ファイバケーブルF2から光信号の入力があ
るときにその出力端に備えた第2の通電検出接点群中の
常開接点9Baを閉じ、常閉接点9Bbを開くようになってい
る。
変流器CT2は信号源であると同時に、電流/電圧変換
器7B1及び電圧/光変換器7B2の電源となっている。第2
の通電検出器9Bの電源は別途外部から供給されてい
る。
上記の信号伝送経路において、電圧/光変換器7A2,7B2
の出力側以降の経路はデジタル信号の経路となってい
る。尚光ファイバケーブルF1,F2は信号を伝送する
役割を果すと同時に、それぞれより下流の信号伝送経路
を負荷時タップ切換器側の電位から絶縁する役割をも果
している。
第1図に鎖線で示した枠10はその内部の機器が負荷時
タップ切換装置の本体側に設けられていることを示し、
枠11は電動操作機構を示している。
タップ選択器So,Se及び切換開閉器1の駆動は電動
操作機構11から出ている図示しない出力軸により行わ
れる。この出力軸の回転駆動は駆動電動機(図示せず)
による(電動操作)のが普通であるが、操作ハンドルに
より手動操作することもできるようになっている。
本考案においては負荷時タップ切換装置のタップ渋滞等
の異常を検出するためにパイロットスイッチ駆動機構を
併用する。このパイロットスイッチ駆動機構は1タップ
切換で1回転する図示しない制御軸により駆動される。
パイロットスイッチ駆動機構を駆動する制御軸は駆動電
動機の出力軸から減速歯車の組合せを介して回転される
もので、従来から駆動電動機の制御機構操作用等に用い
られているものである。
第2図にパイロットスイッチ駆動機構Pの概要を示す。
また第3図は第2図の要部を下側から見た状態を概略的
に示した下面図、第4図は第2図のIV−IV線概略断面図
である。
パイロットスイッチ駆動機構Pは電動操作機構11内に
あって制御軸(図示せず)により駆動される。P1は歯
車を有する主軸であって、P1aは歯部を示している。歯
部P1a部は図示しない出力軸に設けられた歯車に噛み合
された減速歯車に噛み合されていて、1タップ切換で主
軸P1が1回転するようになっている。
P1bは主軸P1の軸部で、その下部に横ピンP2が打込
まれ、横ピンP2は主軸P1の回転に完全に追随して水
平面上を回動する。
P3は駆動ベースで、このベースは円筒部P3aと、該円
筒部P3aの下端に一体に設けられた円盤部P3bと、円筒部
P3aと円盤部P3bとを貫通した素通し孔P3cと、円盤部P3b
の上端部外周に設けられた鍔部P3dと、円盤部P3bの下端
部外周に周設された溝部P3eとを有し、素通し孔P3cに主
軸P1の軸部P1bが回転自在に嵌合されている。
駆動ベースP3の円盤部P3bの下面には第1の縦ピンP4a
及び第2の縦ピンP4bが打込まれており、横ピンP2が
第1の縦ピンP4aまたは第2縦ピンP4bに当接することに
より駆動ベースP3が回転駆動されるようになってい
る。
駆動ベースP3の円筒部P3aの外周にはカムP5がきつ
く嵌合されている。カムP5は周長が長く、外径方向へ
大きく突き出した円弧状の第1のカム突起部P5aと、周
長が短く外径方向への突き出しが小さい円弧状の第2の
カム突起部P5bとを有し、第2のカム突起部P5bの両端は
傾斜面を介してカム突起部P5aに連続している。
駆動ベースP3の円筒部P3aは取付け金具P7に設けら
れた孔に回転自在に嵌合され、円盤部P3bが該取付け金
具P7に当接されている。取付け金具P7にはカムP5
の側方に位置させてマイクロスイッチP6が取付けら
れ、このマイクロスイッチの駆動部に取付けられたロー
ラP6aがカムP5のカム突起部に当接されている。
取付け金具P7はマイクロスイッチP6の固定と、駆動
ベースP3の位置決めとを図るために設けられたもの
で、電動操作機構11に対して固定されている。
駆動ベースの円盤部P3bの外周にリングP9が嵌合さ
れ、該リングP9の外周に設けられた切込部P9aに取付
け金具P7に固定されたストッパP8が嵌合されてい
る。このストッパP8と切込部P9aとの嵌合により、リ
ングP9の回り止めが図られている。駆動ベースの円盤
部の外周にはまたウェーブワッシャを主体とするリング
状のバネ構造体P10が嵌合され、このバネ構造体P10は円
盤部P3bの外周に設けられた溝部P3eに嵌着されたスナッ
プリングP11により押えられている。バネ構造体P10の付
勢力により常時リングP9が付勢されて円盤部P3bの鍔
部部P3dに押付けられている。バネ構造体P11の付勢力に
より駆動ベースP3とリングP9との間に所定の摩擦力
が生じるようになっており、主軸P1が回転しても、横
ピンP2が第1の縦ピンP4aまたは第2の縦ピンP4bを押
さないかぎり駆動ベースP3が静止状態を保持するよう
になっている。カムP5と取付け金具P7との間及びカ
ムP5と主軸P1の歯車部との間には座金状のスペーサ
P12が挿入されている。
上記のパイロットスイッチ駆動機構においては、ローラ
P6aがカムP5の第1のカム突起部P5aに当接していると
きに図面上左方に押され、第2のカム突起部P5bに当接
しているときにマイクロスイッチ内に設けられたバネの
付勢力により右方に移動させられる。第2図はマイクロ
スイッチのローラP6aが第2のカム突起部P5bに接してい
る状態を示している。マイクロスイッチP6にはローラ
P6aの横方向の変位に応じて開閉する第1のカム接点Pc1
と第2のカム接点Pc2(第1図参照)とが設けられてい
る。カムP5の第1のカム突起部P5aがローラP6aに接し
ているときには第1のカム接点Pc1が閉路状態にあり、
第2のカム接点P2cは開路状態にある。またカムP5の
第2のカム突起部P5aがローラP6aに接しているときには
第1のカム接点Pc1が開路状態にあり、第2のカム接点P
2cは閉路状態にある。したがって第2図のカム位置にお
いては第1のカム接点Pc1が開路状態にあり、第2のカ
ム接点P2cが閉路状態にある。
第1のカム接点Pc1が開路状態にある期間の中間部に相
当する位置付近で切換開閉器の動作が行われるのを標準
とし、正常な範囲における切換開閉器の動作開始点の許
容範囲の変動と切換開閉器の動作時間の許容範囲の変動
とを見込んで、カムP5の第1のカム突起部P5aと第2
のカム突起部P5bの周長の割振りを決める。
実施例では、電動操作において第1のカム接点Pc1の開
路時間(これは又第2のカム接点Pc2の閉路時間でもあ
る)を約0.5秒とするようにパイロットスイッチ駆動機
構を設定した。
また次の2つの条件が共に成立することを負荷時タップ
切換装置の動作が正常であるための必要条件とした。
(a)第1のカム接点Pc1の閉路期間内にタップ間橋絡電流
が存在しないこと。
(b)第2のカム接点Pc2の閉路期間内にタップ間橋絡電流
が存在すること。
次にパイロットスイッチ駆動機構の空転機構について説
明する。この空転機構が必要になるのは次の理由によ
る。切換開閉器の動作はタップ切換過程の中間点で行わ
れるのではなく切換対象タップ基準点の真近になって起
る。
一例としてタップをT3からT4へ切換える場合と、タ
ップをT4からT3へ切換える場合とを考える。1タッ
プの切換に要する時間を6秒とする。この場合タップ切
換を開始して約5秒後に切換開閉器が発動してタップが
切換わる。タップT3とT4との間を時間軸の長さtl
で表したときタップT3の点を基点としてT3→T4の
切換のときは(5/6)tlの点で切換開閉器が発動し、T
4→T3の切換のときは(1/6)tlの点で切換開閉器が
発動することになる。
本実施例では、切換開閉器が動作して必然的にタップ間
橋絡電流が流れるが、この橋絡電流が流れる時間が正常
であるときには、パイロットスイッチ駆動機構Pにより
タップ間橋絡による信号をカットするようにしている。
したがって切換開閉器の正常動作域がタップ間切換時間
の中央点でないかぎりパイロットスイッチ駆動機構Pに
は空転機構を必要とする。第2図ないし第4図において
矢先を塗りつぶした矢印はタップ番号増加側にタップが
切換えられる場合の主軸P1の回転方向を示している。
各部品の位置はタップ間橋絡時における位置を示してい
る。
今タップをT3からT4へ切換える場合を考え、第3図
及び第4図がタップ切換が行われる瞬間の状態を示して
いるものとする。この状態では未だタップT4の基準点
に達していないから、出力軸は更に回転を続ける。第3
図においては主軸の軸部P1bが反時計方向の回転を続
け、横ピンP2は第1の縦ピンP4aを押し続ける。
タップT4の基準点に達したときには第3図において横
ピンP2、第1の縦ピンP4a及び第2の縦ピンP4bがそれ
ぞれP2′,P4a′及びP4b′の位置に来る。このとき第
4図においては、第2のカム突起部P5bの中央部がX1
の線上に来ている。またこのときマイクロスイッチのロ
ーラP6aが第1のカム突起部P5aに接するようになってい
るから第1のカム接点Pc1が閉じ、第2のカム接点Pc2が
開く。
次にタップ切換が反対方向(T4→T3)に行われる場
合を考える。この場合は主軸P1が第2図ないし第4図
において矢先を塗りつぶした矢印と反対方向に回る。第
3図において、タップT4の基準位置では第1の縦ピン
がP4a′の位置にあり,第2の縦ピンがP4b′の位置にあ
るが、横ピンはP2′の位置から時計方向に回るので、
横ピンが角θだけ回転してP2″の位置に来るまで横ピ
ンは空転状態にある。横ピンが角θ回転するまでカムP
5は回転しないから、第2のカム突起部P5bはその中心
部がX1の線上に位置したままである。しかし横ピンが
P4b′の位置にある第2の縦ピンを押し始めるとカムP
5は回転を始め、カムの位置が第4図に示す位置付近に
達したときに切換開閉器が切換わる(T4→T3)。こ
のとき第1のカム接点Pc1は開き、第2のカム接点Pc2は
閉じる。カムP5は更に回転をつづけ、第2のカム突起
部P5bの中心部がX2の線上に来たときに出力軸がタッ
プT3の基準位置となる。このとき第1のカム接点Pc1
は閉じ、第2のカム接点Pc2は開く。直線X0とX1と
がなす角度をαとすれば、X0とX2とのなす角度も同
じくαである。
先の例ではタップがT3からT4に切換った後、逆方向
にT4からT3に切換るとしたが、今度はT3からT4
に切換った後同方向にT4からT5に切換る場合につい
てパイロットスイッチ駆動機構Pの動作を述べる。
この場合はタップT4の基準位置で横ピンがP2′の位
置にあって第1の縦ピン(P4a′の位置にある)と接し
ている状態から、更に第3図において横ピンが反時計回
りに360°回転する。この方向の回転では横ピンが第1
の縦ピンを押しつづけるためカムP5も360°回転す
る。第4図において主軸は時計回りに1回転してタップ
切換T3→T4におけるT4の基準位置と同じ位置で静
止し、T5の基準位置となる。主軸P1とカムP5の動
作を総括的に述べると次の通りである。
1タップの切換に対し主軸P1は360°回転(第4図に
おいてタップ番号増加側に切換える時は時計回り、タッ
プ番号減少減少側に切換える時は反時計回り)する。カ
ムP5はタップ切換が、その前のタップ切換方向と同じ
側であるときには、主軸P1と同方向に回転し、この場
合の回転角度は360°である。
しかしタップ切換がその前のタップ切換方向と反対側で
あるときには、カムP5の回転方向は主軸P1と同じで
あるが、回転角度は空転機構の働きにより2α(第4
図)となる。
以上パイロットスイッチ駆動機構Pについて詳細に説明
したが、電気回路的にはこのパイロットスイッチ駆動機
構を第1図に示すように第1のカム接点Pc1及び第2の
カム接点Pc2のみで代表できる。このため、以下の説明
においてはパイロットスイッチ駆動機構Pに関しては第
1のカム接点Pc1及び第2のカム接点Pc2の開閉のみにつ
いて述べる。
以下第1図にしたがって第1の異常検出回路17及び第
2の異常検出回路18の構成を説明する。
第1の異常検出回路17においては常開接点9Aa、常開
接点9Ba及び第1のカム接点Pc1が直列に接続されてい
る。これらの直列回路が導通状態になったときに、これ
らに直列に接続されたリレー12と第1のタイマ13
(リレー12と第1のタイマは並列接続されている。)
とが励磁されるようになっている。
上記の導通回路ができると外部接続接点12aが閉じ
る。導通時間が第1のタイマ13の設定時限tm1以上に
なると第1のタイマが動作し、この第1のタイマの動作
と同時に該第1のタイマの自己保持用接点13a1、及び13
a2が閉じ、リレー14を励磁する。これにより該リレー
14の外部接続接点14aが閉じる。第1のタイマ13
が励磁されると自己保持接点13a1及び13a2によりリレー
12,14及びタイマ13が自己保持され、外部接続接
点12a,14aは閉路状態を保持する。
また第2の異常検出回路18においては、常閉接点9ab
と常閉接点9Bbとが並列接続され、これと第2のカム接
点Pc2とが直列接続されている。この並列・直列回路が
導通状態になると、これらと直列接続された第2のタイ
マ15が励磁され、この第2のタイマの励磁時間が設定
時限Tm2以上になると、第2のタイマ15が作動してそ
の自己保持接点15a1及び15a2が閉じるため、第2のタイ
マ15がリレー16の励磁を継続する。これにより外部
接続接点16aが閉路状態を保持する。
上記した外部接続用接点12a,14a,及び16aは
負荷時タップ切換装置に異常が発生したことを外部に伝
達するための接点である。尚第1図において19は制御
電源につながるラインを示している。
一般にタップ間橋絡時間は十数ミリ秒の短時間であるか
ら、リレー及びタイマ類としてそのような短時間の通電
・遮断に対して、正しく応答する性能のものを使用すべ
きことはいうまでもない。
次に本考案の負荷時電圧切換装置の保護動作を第5図な
いし第10図のシーケンス図を参照して詳細に説明す
る。第1図は負荷時タップ切換装置がタップT3を選択
している状態を示している。このとき負荷電流は奇数側
タップ選択器リード線Loを通して流れるので第1の変
流器CT1の2次側に電流が流れる。この2次電流は第
1の電流/電圧変換器7A1により電圧信号に変換され、
該電圧信号が第1の電圧/光変換器7A2に入力される。
第1の電圧/光変換器7A2に電圧信号が入力されると、
該変換器7A2は光信号を発生し、この光信号は光ファイ
バケーブルF1を通して第1の通電検出器9Aに与えら
れる。第1の通電検出器9Aに光信号が与えられると第
1の通電検出接点群中の常開接点9Aaが閉じ、常閉接点9
Abが開く。このとき第2の変流器CT2側には電流が流
れないので、第2の通電検出接点群中の常開接点9Baが
開き、常閉接点9Bbは閉じている。
次にタップをT3からT4に切換えるものとする。タッ
プ切換時における本考案の保護回路の接点動作シーケン
ス例を第5図及び第6図に示してある。
第5図のシーケンス図Abuはタップをタップ番号増加側
に切換えていった場合の第1のカム接点Pc1の開閉状態
の時間的変化を示し、Abdはタップをタップ番号減少側
に切換えていった場合の第1のカム接点Pc1の開閉状態
の時間的変化を示す。縦軸の「0」点は接点開路の状態
を表し、「1」点は接点閉路の状態を表している。
第5図のシーケンス図B1u及びB2uはそれぞれ、タップを
タップ番号増加側に切換えていった場合の常開接点9Aa
の開閉状態の時間的変化及び常開接点9Baの開閉状態の
時間的変化を示したものである。この場合も縦軸の
「0」は接点の開路を表し、「1」は接点の閉路を表し
ている。
また第5図のシーケンス図B1d及びB2dはそれぞれ、タッ
プをタップ番号減少側にT5→T4のように切換えてい
った場合の常開接点9Aa及び常開接点9Baの開閉状態の時
間的変化を示したものである。縦軸の「0」は接点の開
路を表し、「1」は接点の閉路を表している。
尚第5図ないし第10図のシーケンス図B1u,B2u,B1d,及
びB2dにおいて実線は負荷電流がある場合を示し、破線
は負荷電流がない(励磁電流は無視している。)場合を
示している。,及びはそれぞれタップ位置がT
3,T4及びT5にあることを示している。また横方向
の矢先を塗り潰した矢印はタップの切換方向を示してい
る。
t0は常開接点9Aa及び常開接点9Baが共に閉じている時
間を示している。この時間t0はタップ間橋絡時間に等
しく、通常十数ミリ秒以下である。
tm1はタイマ13の接点時限で、この時限tm1は第1のカ
ム接点Pc1の開路時間taに対して余裕をもって設定さ
れる。本実施例ではtm1=2taに設定されている。
一方負荷時タップ切換装置の本体側では、タップ選択器
SeがタップT4に接続され、続い駆動軸3が駆動され
ることにより可動板6が回動させられて切換動作が行わ
れる。この切換動作の過程で可動接触子M2及びM3が
それぞれ固定接触子C2及びC3に接触してタップT3
−T4間を限流抵抗器R1及びR2を通して橋絡する状
態が短時間生じ、次いで可動接触子M4が固定接触子C
4に接触する状態になる。可動接触子M2及びM3がそ
れぞれ固定接触子C2及びC3に接触したとき、第1の
変流器CT1及び第2の変流器CT2の双方が電流を検
出するため、第1及び第2の通電検出接点群において、
常開接点9Aa及び9Baが閉路し、常閉接点9Ab及び9Bbが開
路する状態になる。
可動接触子M4が固定接触子C4に接触する状態になる
と、第1の変流器CT1が電流を検出しなくなるため、
第1の通電検出接点群の常開接点9Aa及び常閉接点の9Ab
がそれぞれ開路及び閉路し、第2の通電検出接点群の常
開接点9Ba及び常閉接点9Bbはそれぞれ閉路及び開路の状
態を維持する。
第5図においては第1のカム接点Pc1が開いている時間
ta内にタップ間橋絡時間t0が入っている。すなわち
時間の長さにおいてもt0<taであり、時間の流れに
おいてもt0はtaの範囲内にある。この場合リレー1
2及び第1のタイマ13は共に励磁されず、したがって
リレー14も励磁されない。そのため外部接続接点12
a及び14aは共に開いたままである。
次に第2のカム接点Pc2の系統を考える。第6図にタッ
プ番号増加側(T3→T4)にタップを切換える場合の
シーケンスを示す。第6図においても第5図に準じた表
記法をとっていて、Aauはタップ切換をタップ番号増加
側に行った場合の第2のカム接点Pc2の開閉状態を表し
ている。縦軸の「0」点は第2のカム接点Pc2の開路状
態を表し、「1」点は第2のカム接点Pc2の閉路状態を
表す。
第6図にはタップ切換をタップ番号減少側に行った場合
は示してないが、この場合は次のように考えればよい。
即ちタップ基準点を示す縦線に対し対称の図形を想定
し、矢印を左向きに向ける。そして第6図のAau,B1u,及
びB2uのそれぞれに対して想定した対称図をそれぞれAa
d,B1d,及びB2dと置換える。ここでAadは前述のAauの説
明における「タップ番号増加側」を「タップ番号減少
側」と置換えたものである。B1d及びB2dについては既に
説明した通りである。
第6図においてtbは第2のカム接点Pc2が閉じている
時間であり、これは前述の第1のカム接点Pc1が開いて
いる時間taと同じ時間帯である。第2のタイマ15の
設定時限tm2はtbより若干小さ目に設定しておく。
時間帯tbの始点で第2のカム接点Pc2が閉じると同時
に第2のタイマ15が励磁される。この第2のタイマ1
5の設定時限が終了する前にタップ間橋絡時間t0が来
る。タップ間橋絡時間t0では常閉接点9Ab,9Bbが共に
開いているから、第2のタイマ15への課電は時間t0
の間中断し、第2のタイマ15は復帰する。時間t0が
終了すると同時に第2のタイマ15は再励磁されるが、
時間帯tbの終点で第2のカム接点Pc2が開くと同時に
再励磁は終了し、第2のタイマ15は復帰する。
第6図において第2のタイマへの最初の励磁時間がt1
であり、再励磁時間はt2である。t1+t0+t2=
tbであり、tm2<tbであるからt1<tm2,t2<tm
2であり、第2のタイマ15は時限動作を完了しない。
したがってリレー16は励磁されず、外部接続接点16
aは開いたままである。
以上説明したように、タップ間橋絡時間t0が時間帯t
b内にあるときには、外部接続接点12a,14a及び
16aは共に開いたままであり、タップ切換装置が異常
であるとの信号を出さない。
次に負荷時タップ切換装置に異常が発生した場合につい
て述べる。
異常例1 タップをT3からT4に切換える際にタップ間橋絡時間
が異常に長くなったとする。この場合の接点動作のシー
ケンスの例を第7図に示す。第7図において、t0′は
タップ間橋絡時間を示しており、t′はリレー12及び
タイマ13の励磁時間(共に等しい。)を示している。
第7図においては、タップ間橋絡時間t0′が第5図に
おける正常時のタップ橋絡時間t0に比べてきわめて長
くなっている。そのためt0′の時間帯はtaの時間帯
の範囲からはみだしている。第7図においては、時間帯
taの終了時点で未だt0′が継続しているため、この
時間帯taの終了時点以後におけるt0′の存在時間
(すなわちt′の時間)の間リレー12及びタイマ13
が励磁される。これにより外部接続接点12aが閉じて
異常検知信号を出力する。時間t′が経過するとリレー
12及びタイマ13が消勢され、外部接続接点12aが
開路する。
第7図の例ではt′<tm1であるので、タイマ13の時
限動作は完了しない。したがってリレー14は励磁され
ず、外部接続接点14aは閉路しない。
異常事例2 タップ間橋絡時間が前述の場合より更に長くなり、限流
抵抗の過熱損傷等のおそれがあって、異常事例1より危
険度が大きい事態に至った場合を考える。第8図にその
状態を示す。第7図におけるt0′及びt′に対応する
時間を第8図ではそれぞれt0″及びt″で表してい
る。この場合にはtm1<t″となるのでタイマ13が作
動し、これよりリレー14が作動して外部接続接点14
aが閉じる。勿論異常事例1で説明したように外部接続
接点12aも閉じる。
尚リレー12及びタイマ13の励磁時間t″が終了した
時点で常開接点9Ba→常開接点9Aaを通してのリレー12
及びタイマ13への課電はなくなるが、タイマ13の作
動時に接点13a1、及び接点13a1が自己保持しているた
め、リレー12、タイマ13及びリレー14への課電は
t″終了後も継続し、外部接続接点12a及び14aは
上記自己保持を解かないかぎり閉路し続ける。
第8図のt″の破線部は上記自己保持により外部接続接
点12a及び14aの閉路が継続することを示す。
異常事例3 タップをT3からT4に切換える際に切換開閉器が奇数
タップ位置T3にとどまってしまった場合を考える。こ
の場合の接点動作シーケンスの例を第9図に示す。
第9図においては第2のタイマ15の励磁時間をt1′
で表している。この例では第2のカム接点Pc2の閉路時
間tbにおいて、第2のカム接点Pc2と常閉接点9Bbとを
通して継続してタイマ15が励磁される。タイマ15の
設定時間tm2は第2のカム接点の閉路時間tbより若干
短めでtm2<tbとなっているのでタイマ15の時限動
作が完了し、自己保持接点15a1及び15a2が閉じる。これ
によりリレー16が励磁され、外部接続接点16aが閉
路する。
第2のカム接点Pc2を通してのタイマ15への課電は第
2のカム接点の閉路時間tbの終了と共に消失するが上
記の自己保持によりタイマ15及びリレー16への課電
は継続する。したがってタイマ15及びリレー16の励
磁は時間t′の終了後も継続し、外部接続接点16aは
上記自己保持を解かないかぎり閉路し続ける。第9図の
t′の破線部は上記自己保持により外部接続接点16a
の閉路が継続することを示す。
異常事例4 電動操作機構の駆動力が負荷時タップ切換装置本体へ伝
達されなくなった場合を想定する。負荷時タップ切換装
置では負荷トルクが異常に増加した場合に過大な駆動ト
ルクにより機器が損傷しないようにするため、電動操作
機構の出力軸とタップ切換装置との連結部に安全ピンを
設けて、負荷トルクが異常に増加した場合に該安全ピン
(図示せず。)を切断して、電動操作機構側の出力軸を
空転させるようになっているものが多い。
ここでは、タップをT3からT4に切換える際に安全ピ
ンが切断されて電動操作機構の出力の伝達が行われなく
なった場合を想定する。まず安全ピンの切断が切換開閉
器の発動前に生じた場合について述べる。この場合安全
ピンの切断後電動操作機構の出力軸は空転するのでB1u,
B2uは変化しないにもかかわらず、Asuは第6図の通り変
化する。従って接点動作シーケンスは第9図と同様にな
り、異常事例3において述べた場合と同様の過程で異常
検知を行うことができる。
次に安全ピンの切断が切換開閉器の発動後に生じた場合
には、タップT4へは正常な切換えが可能であり、接点
動作シーケンスも正常である。しかしその後のタップ切
換時においては、切換開閉器の発動前の安全ピン切断の
状態になっているから、前述したように異常検知を行う
ことができる。
その他の異常事例 電動操作機構のタップ位置と負荷時タップ切換装置本体
側のタップ位置との間でずれが生じた場合を想定する。
この場合は第5図のシーケンス図においてB1u,B2u,B1d,
B2dをAbu,Abdに対して横軸方向にずらした状態となり、
異常検知が可能である。
タップ間橋絡時間t0が、第1のカム接点Pc1の開路時
間taの範囲外にずれた場合に異常を検知できる。第1
0図においては正常であればt0はtaのほぼ中央部に
くるべきところ、t0が遅れてtaの範囲外(taの右
方)にずれた場合を示している。第10図におけるシー
ケンスではタップT4の基準点においても未だ切換開閉
器は発動点に達せず、出力軸を更にタップ番号増加側
(T5側)に回転させて、ようやく切換開閉器が発動し
てT4に切換る状態にある。第10図においては時間t
0の間第1のカム接点Pc1も閉じているので、時間t0
の間リレー12及びタイマ13が励磁される。これによ
り外部接続接点12aが閉じ、異常検知信号が出力され
る。
尚時間t0が経過するとリレー12及びタイマ13が消
勢され、外部接続接点12aは開路する。第10図にお
いてはタップ切換位置がずれただけで切換開閉器の動作
自体は正常であるが、もしタップ渋滞も伴ってタップ間
橋絡時間t0がタイマ13の設定値tm1以上になるよう
な事態が起れば異常事例2で述べたと同様な過程とな
る。この場合は外部接続接点12a,14aが共に閉路
し、この状態が継続する。
更に他の異常事例として、駆動電動機や伝達機構の異常
により出力軸の回転速度の低下等をまねき、タップ切換
時間が異常に長くなった場合を考える。ここではタップ
をT3からT4に切換える際に出力軸の回転速度が異常
に低下したとする。
例えば駆動電動機から出力軸側への回転力伝達がベルト
駆動方式である場合に、ベルトに著しいスリップを生じ
て出力軸の回転速度が正常時の1/3になった場合を想定
する。この場合T3→T4の切換え所要時間(から
までの時間)は第6図の3倍になる。第6図におけるt
1,t2及びtbに対応する今回の回転速度低下時の場
合をそれぞれt1s,t2s及びtbsで表す。前述の想定により
tbs=3tbとなる。今の場合は切換開閉器自体の機能は正
常であるから、タップ間橋絡時間は第6図のt0のまま
である。従って厳密にはt1sはt1s≒3t1であるが、タ
ップ間橋絡終了点からまでの時間t2sは、t2s≒3t2
+2t0である。しかしタイマ15の想定時間tm2は変
らない(tbより若干小さ目の値)からtm2<t1sまたは
tm2<t2sとなり、タイマ15が動作して異常が検知され
る。
変形例(簡略回路) 第1図の回路においては、異常ではあるが限流抵抗器の
過熱焼損等の危険性はさしあたりない異常を外部接続接
点12aのみの閉路により検出し、限流抵抗器の加熱,
焼損等の重大事故をまねく危険性のある異常を外部接続
接点14aの閉路により検出している。
ところが外部接続接点14aが閉路するときには、それ
以前に必ず外部接続接点12aが閉路しているので、双
方を含めて一つの外部接続接点で動作させることにより
回路の簡略化を図ってもよい。
この簡略回路においては、第1のタイマ13を用いず、
リレー12には自己保持用接点12a1及び12a2を設けて、
これらの自己保持用接点12a1及び12a2をそれぞれ第1図
の自己保持用接点13a1及び13a2に相当する個所に接続す
る。またこの簡略回路では第1図における外部接続接点
12aは用いない。
このように構成すると、異常事態の重大さの程度を区分
して検出することはできないが、異常事態の検出範囲事
態は第1図の場合と同様である。
[考案の効果] 以上のように本考案によれば、タップ間橋絡時間が長く
なった場合の検知を行うことができる上に、切換開閉器
の不動作時、電動操作機構側の駆動力の伝達不能時にも
その異常を検知することができる。また一般に用いられ
る駆動電動機の制御機構操作用の回転軸を利用して保護
回路の接点機構の一部を形成するので実施が容易であ
り、これらの部分が電動操作機構内の気中部分にあるこ
とにより、運転中でも容易に近付いて点検チェックを行
うことができる利点もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例の全体的な構成を示す回路図、
第2図はパイロットスイッチ駆動機構を示す断面図、第
3図は第2図の要部の下面図、第4図は第2図のIV−IV
線断面図、第5図及び第6図は第1図の実施例における
保護回路の接点動作シーケンスを示すシーケンス図、第
7図はタップ間橋絡時間が異常に長くなった場合の本考
案に係わる保護回路の接点動作のシーケンスを示すシー
ケンス図、第8図はタップ間橋絡時間が第7図の場合よ
り更に長くなった場合の接点動作のシーケンスを示すシ
ーケンス図、第9図は本考案の実施例において切換開閉
器が動作しない場合の保護回路の接点動作シーケンスを
示すシーケンス図、第10図はタップずれが生じて切換
開閉器の動作がずれた場合の接点動作シーケンスを示す
シーケンス図である。 1……切換開閉器、8A……第1の電気信号/光信号変
換器、8B……第2の電気信号/光信号変換器、9A…
…第1の通電検出器、9Aa……第1の通電検出接点群の
常開接点、9Ab……第1の通電接点群の常閉接点、9B
……第2の通電検出器、9Ba……第2の通電検出接点群
の常開接点、9Bb……第2の通電接点群の常閉接点、1
2,14,16……リレー、13……第1のタイマ、1
5……第2のタイマ、17……第1の異常検出回路、1
8……第2の異常検出回路、Tw……タップ巻線、T1
〜T5……タップ、So……奇数側タップ選択器、Se
……偶数側タップ選択器、R1,R2……限流抵抗器、
P……パイロットスイッチ駆動機構、Pc1……第1のカ
ム接点、Pc2……第2のカム接点。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】タップ巻線の奇数側タップ及び偶数側タッ
    プをそれぞれ選択する奇数側及び偶数側タップ選択器
    と、前記奇数側及び偶数側タップ選択器間を限流抵抗器
    を介して橋絡する過程を経て前記奇数側タップ選択器及
    び偶数側タップ選択器を通電回路に切換接続する切換開
    閉器と、前記タップ選択器及び切換開閉器を操作する電
    動操作機構とを備えて奇数側タップ及び偶数側タップを
    交互に選択してタップを切換える負荷時タップ切換装置
    の保護装置において、 奇数側タップ選択器の通電路を通して流れる電流を検出
    する第1の変流器と、 前記第1の変流器の出力を光信号に変換する第1の電気
    信号/光信号変換器と、 前記第1の電気信号/光信号変換器に第1の光ファイバ
    ケーブルを介して接続され、該第1の光ファイバケーブ
    ルを通して光信号を受信したときに閉路する常開接点と
    該第1の光ファイバケーブルを通して光信号を受信した
    ときに開路する常閉接点とからなる第1の通電検出接点
    群を有する第1の通電検出器と、 偶数側タップ選択器の通電路を通して流れる電流を検出
    する第2の変流器と、 前記第2の変流器の出力を光信号に変換する第2の電気
    信号/光信号変換器と、 前記第2の電気信号/光信号変換器に第2の光ファイバ
    ケーブルを介して接続され、該第2の光ファイバケーブ
    ルを通して光信号を受信したときに閉路する常開接点と
    該第2の光ファイバケーブルを通して光信号を受信した
    ときに開路する常閉接点とからなる第2の通電検出接点
    群を有する第2の通電検出器と、 前記電動操作機構の出力軸を駆動源として負荷時タップ
    切換装置の1タップ切換間に1回転する主軸を有し、前
    記切換開閉器の正常な動作時間及び該正常な動作時間の
    前後に設定された所定の時間帯のみ開路する第1のカム
    接点と、前記の第1のカム接点が開路する時間帯のみ閉
    路する第2のカム接点とを備えたパイロットスイッチ駆
    動機構と、 前記第1のカム接点が開路する時間帯外に前記第1の通
    電検出接点群中の常開接点と前記第2の通電検出接点群
    中の常開接点とが共に閉路したときに負荷時タップ切換
    装置の異常を示す異常検出信号を出力する第1の異常検
    出回路と、 前記第2のカム接点が閉路する時間帯に前記第1の通電
    接点群中の常閉接点と前記第2の通電検出接点群中の常
    閉接点とが共に開路する状態が生じないときに負荷時タ
    ップ切換装置の異常を示す異常検出信号を出力する第2
    の異常検出回路とを具備したことを特徴とする負荷時タ
    ップ切換装置の保護装置。
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