JPH06288549A - ガスタービン燃焼器の修理方法 - Google Patents

ガスタービン燃焼器の修理方法

Info

Publication number
JPH06288549A
JPH06288549A JP5076686A JP7668693A JPH06288549A JP H06288549 A JPH06288549 A JP H06288549A JP 5076686 A JP5076686 A JP 5076686A JP 7668693 A JP7668693 A JP 7668693A JP H06288549 A JPH06288549 A JP H06288549A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transition piece
wear
combustor
heat treatment
hardness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5076686A
Other languages
English (en)
Inventor
Daizo Saito
大蔵 斎藤
Hiroaki Yoshioka
洋明 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP5076686A priority Critical patent/JPH06288549A/ja
Publication of JPH06288549A publication Critical patent/JPH06288549A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、トランジションピースの耐
摩耗コーティングの残留応力を向上させ、燃焼器ライナ
およびトランジションピースのかん合部の摩耗を抑制す
ることができるガスタービン燃焼器の修理方法を得るこ
とである。 【構成】 本発明のガスタービン燃焼器の修理方法は、
ガスタービン燃焼器の燃焼器ライナの亀裂を補修し、ガ
スタービン燃焼器のトランジションピースに対して溶体
化熱処理した後に亀裂の補修および変形の修正を行い、
その亀裂の補修および変形の修正後に再度トランジショ
ンピースに対し溶体化熱処理し、その溶体化熱処理をし
たトランジションピースに対しショットピーニングを施
すようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温の燃焼ガスにさら
されるガスタービン燃焼器の修理方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ガスタービン発電プラントはガスタービ
ンと同軸に設けられた圧縮機の駆動によって圧縮された
圧縮空気を燃焼器に案内して燃焼器ライナで燃料と共に
燃焼する。燃焼による高温の燃焼ガスはトランジション
ピースおよび静翼を経て動翼に案内され、この動翼を回
転駆動させてガスタービンの仕事をさせるようになって
いる。
【0003】この種のガスタービンにおいてはタービン
入口温度を上昇させるとガスタービンの熱効率が上昇す
ることが知られており、この熱効率向上のためタービン
入口温度の上昇が図られている。従来のガスタービンの
高温部品である燃焼器ライナ、トランジションピース、
静翼、動翼には耐熱性超合金が用いられている。そのな
かで燃焼器ライナとトランジションピースとのかん合部
は燃焼振動により著しく摩耗する。そのためかん合部は
高硬度のコーティングが施されている。しかし、実機使
用によりかん合部の摩耗損傷が生じる他に亀裂の発生お
よびクリープによる変形などの損傷も生じている。
【0004】このような亀裂および変形などが生じたト
ランジションピースは新品と交換することが考えられる
が、非常に高価な部品であるため通常、亀裂は溶接肉盛
により補修し、変形は機械的に修正し、修理を行ってい
る。また、修理を行うにあたり、高温での実機運転によ
り延性の低下などの材質劣化を考慮している。溶接肉盛
および変形修正を行う前に、溶接性の改善、延性の向上
のため溶体化熱処理を行う。続いて、溶接肉盛後および
変形修正後、溶接部または変形修正部の残留応力の除
去、均質化のため再び溶体化熱処理を行う。従って1回
の修理で2回の溶体化熱処理を行い、修理終了後実機運
転に供している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ここで問題
となるが溶体化熱処理によるトランジションピースのか
ん合部に施されている耐摩耗コーティングの硬さの低下
である。硬さが低下しているにもかかわらず、従来の修
理はこの耐摩耗コーティングが著しく摩耗していないこ
と、また再コーティングは高コストであることから行っ
ていない。硬さが低下した状態で実機運転に供している
ため摩耗損傷が著しく生じている。
【0006】従来、ガスタービンの燃焼器の損傷は燃焼
器ライナが混合空気孔の溶接部に生じる亀裂などで、ト
ランジションピースが亀裂およびクリープによる変形な
どである。加えてそれぞれの部品のかん合部では摩耗損
傷が問題となっていた。燃焼器ライナとトランジション
ピースを示す。1は燃焼器ライナ、2はトランジション
ピースである。この摩耗を抑制するため両部品のかん合
部に耐摩耗コーティングを施した。しかし、トランジシ
ョンピースは修理のため必然的に行う溶体化熱処理によ
り耐摩耗コーティングの硬さが低下する。
【0007】図11に耐摩耗コーティングを施した燃焼器
ライナとトランジションピースの修理による耐摩耗コー
ティングの硬さの変化を示す。まず燃焼器ライナの耐摩
耗コーティングは実機運転によりわずかに低下する。こ
こで亀裂の補修を行うが、耐摩耗コーティングの補修は
摩耗量が少ないため通常行わず、再度運転に供する。従
って修理後すなわち実機再運転前の硬さは実機運転後と
同等である。その後、実機運転により硬さはさらに低下
するが低下量は少ない。次に、トランジションピースの
耐摩耗コーティングの硬さは燃焼器ライナと同様に実機
運転により低下する。ここで実機運転により発生した亀
裂の補修および変形修正を行うが、このような補修およ
び修正の前後に通常、溶体化熱処理を行う。そのため硬
さは著しく低下し、燃焼器ライナの耐摩耗コーティング
と比較しても異なる。その後、実機運転により硬さはほ
とんど変化しないがわずかに低下する。
【0008】図12に耐摩耗コーティングを施した燃焼器
ライナとトランジションピースの実機運転による耐摩耗
コーティングの変化を模式的に示す。5は燃焼器ライナ
の実機運転前、6はトランジションピースの実機運転前
のコーティングを示す。燃焼器ライナとトランジション
ピースの耐摩耗コーティングは同種類で厚さも同等であ
る。7は燃焼器ライナの実機運転後、8はトランジショ
ンピースの実機運転後のコーティングを示す。摩耗した
部分13を黒く示す。燃焼器ライナおよびトランジション
ピースとも実機運転により摩耗が生じているが摩耗量は
わずかであり、両部品の差はほとんどない。9は燃焼器
ライナの修理後、すなわち実機再運転前のコーティン
グ、10はトランジションピースの修理後、すなわち実機
再運転前のコーティングを示す。燃焼器ライナおよびト
ランジションピースの耐摩耗コーティングの摩耗量が少
ないため再コーティングは行わない。そのため9および
10の厚さは7および8と同等である。11は燃焼器ライナ
の実機再運転後、12はトランジションピースの実機再運
転後のコーティングを示す。実機再運転により生じた摩
耗を斜線で示す。燃焼器ライナの摩耗量は少ないが、ト
ランジションピースははるかに多い。
【0009】以上に述べた燃焼器ライナおよびトランジ
ションピースの耐摩耗コーティングの硬さおよび摩耗量
をまとめると、両部品の耐摩耗コーティングの硬さが接
近している実機運転後では両部品の耐摩耗コーティング
の摩耗量が少なく、硬さが大きく異なっている実機再運
転後では硬さの低い方のトランジションピースの摩耗量
が多い。従って両部品の耐摩耗コーティングが施されて
いるかん合部の実機運転による摩耗量は両部品の耐摩耗
コーティングの硬さが接近していると少なく、大きく異
なると多くなり、硬さの差に依存していることがわか
る。耐摩耗コーティングを施しているにもかかわらず実
機再運転後のトランジションピースのかん合部が著しく
摩耗する原因はトランジションピースのかん合部の耐摩
耗コーティングの硬さが燃焼器ライナの耐摩耗コーティ
ングの硬さより低いためである。これはトランジション
ピースの修理に必要不可欠な溶体化熱処理によって生じ
ている。
【0010】このように、従来のものでは、トランジシ
ョンピースのかん合部に施されている耐摩耗コーティン
グは本部品の修理のため必然的に行う溶体化熱処理によ
り硬さが低下する。そのため硬さが低下した状態で再度
実機運転に供しているため摩耗損傷が著しく生じてい
る。
【0011】本発明はトランジションピースの耐摩耗コ
ーティングの残留応力を向上させ、燃焼器ライナおよび
トランジションピースのかん合部の摩耗を抑制すること
ができるガスタービン燃焼器の修理方法を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のガスタービン燃
焼器の修理方法は、ガスタービン燃焼器の燃焼器ライナ
の亀裂を補修し、ガスタービン燃焼器のトランジション
ピースに対しては溶体化熱処理した後に亀裂の補修およ
び変形の修正を行い、その亀裂の補修および変形の修正
後に再度トランジションピースに対し溶体化熱処理し、
その溶体化熱処理をしたトランジションピースに対しシ
ョットピーニングを施すようにしたことを特徴とする。
【0013】また、ガスタービン燃焼器の燃焼器ライナ
の亀裂を補修し、その亀裂の補修後に燃焼器ライナに対
し溶体化熱処理し、ガスタービン燃焼器のトランジショ
ンピースに対しては溶体化熱処理した後に亀裂の補修お
よび変形の修正を行い、その亀裂の補修および変形の修
正後に再度トランジションピースに対し溶体化熱処理す
るようにしたことを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明では、溶体化熱処理をした燃焼器のトラ
ンジションピースに対しショットピーニングを施すよう
にしているので、トランジションピースの耐摩耗コーテ
ィングの残留応力を向上させることができ、燃焼器ライ
ナとトランジションピースとの硬さの差が少なくなる。
したがって、燃焼器ライナとトランジションピースとの
かん合部の摩耗を少なくすることができる。
【0015】一方、ショットピーニングに替えて、燃焼
器ライナに対して溶体化熱処理するものでは、燃焼器ト
ランジションと同様に燃焼器ライナにも溶体化熱処理す
るので、燃焼器ライナとトランジションピースとの硬さ
の差が少なくなり、燃焼器ライナとトランジションピー
スとのかん合部の摩耗を少なくすることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
実施例の説明に先立ち溶体化熱処理および耐摩耗コーテ
ィングの残留応力についての検証結果を説明する。ま
ず、耐摩耗コーティングの溶体化熱処理による影響を述
べる。一般に耐摩耗コーティングは溶射により施してい
る。耐摩耗コーティングとなる溶射材料はアークにより
溶融し、溶融粒子が対象物に付着する。
【0017】ここで、耐摩耗コーティングはCoを45〜
46重量%、Crを25〜30重量%、Wを15〜20重量%、F
eを0〜5重量%、Cを 2.5〜2.6 重量%含有し、残部
が不可避的不純物からなり、溶体化熱処理を行うと硬さ
が低下することがわかった。これは溶融粒子が付着した
とき急速に冷却されるため残留応力が高く、溶体化熱処
理により残留応力が低下し、これに伴い硬さも低下する
ためである。また、溶射後および溶体化熱処理のコーテ
ィング層の組織を観察すると析出物の大きさ、析出密度
およびコーティング層の厚さに差はないこともわかっ
た。従って本コーティング層の溶体化熱処理後の硬さ低
下は組織変化によらず、残留応力の低下に大きく関係し
ている。
【0018】硬さが低下した耐摩耗コーティングの摩耗
を抑制するための手段を検討した結果、耐摩耗コーティ
ングの残留応力を上昇させ高硬度にすることが有効であ
ると考えられる。残留応力を上昇させる方法としてショ
ットピーニングを行った。図7にショットピーニングの
アルメンゲージによるアークハイトと残留応力の相関を
示す。ショットピーニングを行うことにより残留応力は
上昇し、ピーニング効果が高くなるに従いさらに残留応
力は上昇した。図8に残留応力と応力測定を行ったもの
の硬さとの相関を示す。ショットピーニングにより上昇
した残留応力と硬さに線形関係が認められた。図9に硬
さと摩耗試験による摩耗量の相関を示す。硬さが上昇す
るに従い摩耗量は少なかった。従って、溶体化熱処理を
行い硬さが低下した耐摩耗コーティングにショットピー
ニングを施すことで耐摩耗性が向上することがわかっ
た。
【0019】以上の検証結果に基づく、本発明による燃
焼器の修理方法の一実施例を図1に示す。燃焼器の修理
は、まず燃焼器ライナの亀裂補修を行い(イ)、トラン
ジションピースに対し溶接性の改善および延性の改善の
ために、溶体化熱処理を行う(ロ)。この溶体化熱処理
の後にトランジションピースの亀裂補修および変形修正
を行い(ハ)、溶接部や変形修正部の残留応力の除去や
均質化のために再度溶体化熱処理を行う(ニ)。そし
て、そのトランジションピースにショットピーニングを
施す(ホ)。
【0020】すなわち、燃焼器ライナおよびトランジシ
ョンピースの修理後、かん合部の摩耗を抑制するためト
ランジションピースの耐摩耗コーティングにショットピ
ーニングを行う。
【0021】図2にトランジションピースの耐摩耗コー
ティングのショットピーニングによる硬さの変化を燃焼
器ライナの耐摩耗コーティングの硬さとともに示す。燃
焼器ライナおよびトランジションピースのそれぞれのか
ん合部の耐摩耗コーティングに高硬質なCo−Cr−W
−Fe−C系合金を溶射により施行している。溶射後の
燃焼器ライナおよびトランジションピースのコーティン
グ層の硬さはほぼ同等であった。その後、実機運転に供
し、運転後の硬さを計測したところ溶射後と比較しわず
かに低下していた。続いて燃焼器ライナは亀裂の補修、
トランジションピースは亀裂の補修および変形修正を行
った。燃焼器ライナはコーティング層の補修を行わない
ため、コーティング層の硬さは実機運転後と同等である
と考えられる。それに対し、トランジションピースは亀
裂の補修および変形修正の前後に溶体化熱処理を行った
ため、硬さが著しく低下した。ここでトランジションピ
ースのコーティング層に残留応力の上昇を図るためショ
ットピーニングを行った。残留応力の上昇により硬さは
燃焼器ライナのコーティング層の硬さに近づくところま
で上昇した。修理後、実機再運転に供し、運転後と同様
に燃焼器ライナおよびトランジションピースのコーティ
ング層の硬さを計測した。両部品のコーティング層とも
実機再運転により低下していたが、わずかであった。
【0022】図3に燃焼器ライナおよびトランジション
ピースの硬さ計測したときに観察したコーティング層の
断面を模式的に示す。16および17はそれぞれ燃焼器ライ
ナ、トランジションピースの実機運転前すなわち溶射後
のコーティング層であるが厚さは両部品ともほぼ同等で
あった。18および19は実機運転後のコーティング層を示
すが、両部品とも黒く示した範囲のコーティング層が摩
耗により消失していた。両部品の摩耗量に差はなく、ほ
ぼ同等であった。20および21は修理後のコーティング層
であるが、両部品ともコーティング層の補修は行ってい
ないため厚さはほとんど変化していなかった。ただ、20
に示すトランジションピースのコーティング層はショッ
トピーニングにより表面に凹凸が生じていた。22および
23は実機再運転後のコーティング層を示す。実機再運転
により生じた摩耗を斜線で示す。両部品ともわずかに摩
耗しているに滞っていた。以上、述べたように実機運転
後の修理の際、必要不可欠な溶体化熱処理によって硬さ
が低下したトランジションピースの耐摩耗コーティング
の摩耗を抑制する手段としてコーティング層にショット
ピーニングすることが有効であることが判明した。
【0023】次に図4を参照して他の一実施例を説明す
る。この実施例は燃焼器の修理の際に燃焼器ライナの硬
さをトランジションピースと同程度に低くするために燃
焼器ライナに溶体化熱処理を行うようにしたものであ
る。
【0024】まず、燃焼器ライナの亀裂補修を行い
(イ)、燃焼器ライナに対し溶体化熱処理を行う
(ロ)。一方、トランジションピースに対しては、溶接
性の改善および延性の改善のために溶体化熱処理を行い
(ハ)、その後に亀裂補修や変形補修を行う(ニ)。そ
して、その溶接部や変形修正部の残留応力の除去や均質
化のために再度溶体化熱処理を行う(ホ)。
【0025】図5に燃焼器ライナの耐摩耗コーティング
部のみにトランジションピースの修理時に行う溶体化熱
処理を行ったときの硬さの変化をトランジションピース
の硬さとともに示す。実機運転前すなわち溶射後の燃焼
器ライナおよびトランジションピースのコーティング層
の硬さはほぼ同等であった。その後、実機運転に供し、
運転後の硬さを計測したところ溶射後と比較しわずかに
低下していた。続いて燃焼器ライナは亀裂の補修、トラ
ンジションピースは亀裂の補修および変形修正を行っ
た。トランジションピースは亀裂の補修および変形修正
の前後に溶体化熱処理を行ったためコーティング層の硬
さが著しく低下した。また、燃焼器ライナの亀裂の補修
後、コーティング部のみにトランジションピースと同様
な溶体化熱処理を行った。熱処理は外周焼入法の加熱工
程である高周波誘導電流加熱によって行った。熱処理を
行った部分のコーティング層の硬さを計測したところ実
機運転後と比較して低下しており、トランジションピー
スのコーティング層の溶体化熱処理の硬さに近づいた。
修理後、実機再運転に供し、運転後、同様に燃焼器ライ
ナおよびトランジションピースのコーティング層の硬さ
を計測した。両部品のコーティング層とも実機再運転に
より低下していたが、低下量はわずかであった。
【0026】図6に燃焼器ライナおよびトランジション
ピースの硬さを計測したときに観察したコーティング層
の断面を模式的に示す。26および27はそれぞれ燃焼器ラ
イナ、トランジションピースの実機運転前すなわち溶射
後のコーティング層であるが、厚さは両部品ともほぼ同
等であった。28および29は実機運転後のコーティング層
であるが、両部品とも黒く示した範囲のコーティング層
が摩耗により消失していた。両部品の摩耗量に差はなく
ほぼ同等であった。30は燃焼器ライナの耐摩耗コーティ
ング部のみに高周波誘導電流加熱を行ったコーティング
層であるが、28の実機運転後のコーティング層の厚さと
ほぼ同等であり、組織も同等であった。31はトランジシ
ョンピースの修理後のコーティング層であるが、コーテ
ィング層の補修は行っていないため厚さは28に示したコ
ーティング層と同等である。32および33は実機再運転後
のコーティング層を示す。実機再運転により生じた摩耗
を斜線で示す。燃焼器ライナおよびトランジションピー
スとも摩耗していたが、摩耗量はわずかであった。
【0027】以上、述べた他の実施例のように実機運転
後の修理の際、必要不可欠な溶体化熱処理によって硬さ
が低下したトランジションピースの耐摩耗コーティング
の摩耗を抑制する手段として燃焼器ライナの耐摩耗コー
ティング部のみに溶体化熱処理を行うことが有効である
ことも判明した。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、実
機使用後のトランジションピースの耐摩耗コーティング
にショットピーニングを行うことにより実機再使用後の
摩耗を抑制できる。さらに再コーティングせずに実機再
運転に供することが可能であり、修理コストが低く、部
品の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すフローチャート
【図2】本発明の一実施例における耐摩耗コーティング
の硬さの変化を示す特性図
【図3】本発明の一実施例における耐摩耗コーティング
の層の変化を示す説明図
【図4】本発明の他の実施例を示すフローチャート
【図5】本発明の他の実施例における耐摩耗コーティン
グの硬さの変化を示す特性図
【図6】本発明の他の実施例における耐摩耗コーティン
グの層の変化を示す説明図
【図7】本発明の検証結果におけるアークハイトと残留
応力との相関図
【図8】本発明の検証結果における残留応力と硬さとの
相関図
【図9】本発明の検証結果における硬さと摩耗損との相
関図
【図10】燃焼器の説明図
【図11】従来例における耐摩耗コーティングの硬さの
変化を示す特性図
【図12】従来例における耐摩耗コーティング層の変化
を示す説明図
【符号の説明】
1…燃焼器ライナ、2…トランジションピース、13…摩
耗部分

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温の燃焼ガスにさらされるガスタービ
    ン燃焼器の修理方法において、前記ガスタービン燃焼器
    の燃焼器ライナの亀裂を補修し、前記ガスタービン燃焼
    器のトランジションピースに対しては溶体化熱処理した
    後に亀裂の補修および変形の修正を行い、その亀裂の補
    修および変形の修正後に再度前記トランジションピース
    に対し溶体化熱処理し、その溶体化熱処理をした前記ト
    ランジションピースに対しショットピーニングを施すよ
    うにしたことを特徴とするガスタービン燃焼器の修理方
    法。
  2. 【請求項2】 高温の燃焼ガスにさらされるガスタービ
    ン燃焼器の修理方法において、前記ガスタービン燃焼器
    の燃焼器ライナの亀裂を補修し、その亀裂の補修後に前
    記燃焼器ライナに対し溶体化熱処理し、前記ガスタービ
    ン燃焼器のトランジションピースに対しては溶体化熱処
    理した後に亀裂の補修および変形の修正を行い、その亀
    裂の補修および変形の修正後に再度前記トランジション
    ピースに対し溶体化熱処理するようにしたことを特徴と
    するガスタービン燃焼器の修理方法。
JP5076686A 1993-04-02 1993-04-02 ガスタービン燃焼器の修理方法 Pending JPH06288549A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5076686A JPH06288549A (ja) 1993-04-02 1993-04-02 ガスタービン燃焼器の修理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5076686A JPH06288549A (ja) 1993-04-02 1993-04-02 ガスタービン燃焼器の修理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06288549A true JPH06288549A (ja) 1994-10-11

Family

ID=13612341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5076686A Pending JPH06288549A (ja) 1993-04-02 1993-04-02 ガスタービン燃焼器の修理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06288549A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009079495A (ja) * 2007-09-25 2009-04-16 Toshiba Corp ガスタービン部品の変形修正方法
WO2009101912A1 (ja) * 2008-02-14 2009-08-20 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. タービン動翼の補修方法
DE10116452B4 (de) * 2000-09-14 2011-09-29 Hitachi, Ltd. Gasturbine und Reparaturverfahren für diese

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10116452B4 (de) * 2000-09-14 2011-09-29 Hitachi, Ltd. Gasturbine und Reparaturverfahren für diese
JP2009079495A (ja) * 2007-09-25 2009-04-16 Toshiba Corp ガスタービン部品の変形修正方法
WO2009101912A1 (ja) * 2008-02-14 2009-08-20 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. タービン動翼の補修方法
JP2009191716A (ja) * 2008-02-14 2009-08-27 Mitsubishi Heavy Ind Ltd タービン動翼の補修方法
US8720056B2 (en) 2008-02-14 2014-05-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Turbine rotor blade repair method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1602442B9 (en) Methods for repairing gas turbine engine components
US5351395A (en) Process for producing turbine bucket with water droplet erosion protection
US5762727A (en) Weld repair process and article repaired thereby
US6503349B2 (en) Repair of single crystal nickel based superalloy article
JP4898720B2 (ja) タービン動翼の補修方法
US8240042B2 (en) Methods of maintaining turbine discs to avert critical bucket attachment dovetail cracks
EP1605068A2 (en) Homogeneous welding via pre-heating for high strength superalloy joining and material deposition
JP2011136344A (ja) ガスタービン部材の補修方法及びガスタービン部材
US20100059572A1 (en) Weld repair process and article repaired thereby
US20120084980A1 (en) Extending Useful Life of a Cobalt-Based Gas Turbine Component
CN102009279B (zh) 降低航空发动机铸造不锈钢部件补焊时裂纹敏感的方法
US20080267775A1 (en) Nozzle segments and method of repairing the same
US6996906B2 (en) Method of repairing a turbine blade and blade repaired thereby
JPH06288549A (ja) ガスタービン燃焼器の修理方法
JP6642780B1 (ja) 析出強化型鋳造合品の溶接補修方法
JP2010201491A (ja) 耐熱鋼品の溶接補修方法及び溶接補修部を有する耐熱鋼品
CN117066740A (zh) 一种火力发电厂大型阀门司太立合金密封面的储能冷焊修复方法
KR20210151111A (ko) 터빈 케이싱 구성요소 및 그의 보수 방법
JP3181157B2 (ja) ガスタービン動翼の補修法
Miglietti et al. Repair process technology development and experience of frame 7FA+ E, stage 1 turbine buckets
JP3887513B2 (ja) ガスタービン燃焼器ライナの回復熱処理方法および再生燃焼器ライナ
EP1561827A1 (en) Method of welding a ferritic steel comprising a post weld heat treatment and cold working on the weld
RU2241123C1 (ru) Способ упрочения поверхности верхней части пера турбинной лопатки
Bossmann et al. Probabilistic Lifetime Prediction of Thermal Barrier Coating Systems Depending on Manufacturing Scatter
Rahman Development of repair mechanism of FSX-414 based 1st stage nozzle of gas turbine

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees