JPH06286411A - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
重荷重用空気入りラジアルタイヤInfo
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- JPH06286411A JPH06286411A JP5073716A JP7371693A JPH06286411A JP H06286411 A JPH06286411 A JP H06286411A JP 5073716 A JP5073716 A JP 5073716A JP 7371693 A JP7371693 A JP 7371693A JP H06286411 A JPH06286411 A JP H06286411A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 軽量でかつ再使用が可能なビード部耐久性に
優れる重荷重用空気入りラジアルタイヤを提案すること
である。 【構成】 １プライのラジアルカーカスを有する重荷重
用空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ラジアルカー
カスの補強コードが、１デニール（Ｄ）あたり３０ｇｆ
以上の引張強さを有するポリパラフェニレンベンゾビス
チアゾール（ＰＢＴ）又はポリパラフェニレンベンゾビ
スオキサゾール（ＰＢＯ）繊維コードからなる。
優れる重荷重用空気入りラジアルタイヤを提案すること
である。 【構成】 １プライのラジアルカーカスを有する重荷重
用空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ラジアルカー
カスの補強コードが、１デニール（Ｄ）あたり３０ｇｆ
以上の引張強さを有するポリパラフェニレンベンゾビス
チアゾール（ＰＢＴ）又はポリパラフェニレンベンゾビ
スオキサゾール（ＰＢＯ）繊維コードからなる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、小型から大型にいた
るトラック及びバスなどの重荷重使用に供する、軽量で
かつトレッドゴム摩耗後における再使用を可能とする優
れたカーカス耐久性、なかでもビード部耐久性を有する
重荷重用空気入りラジアルタイヤに関する。
るトラック及びバスなどの重荷重使用に供する、軽量で
かつトレッドゴム摩耗後における再使用を可能とする優
れたカーカス耐久性、なかでもビード部耐久性を有する
重荷重用空気入りラジアルタイヤに関する。
【０００２】この軽量化と耐久性との両立についての背
景は次のとおりである。すなわち近年の環境保護運動の
一層の高まりの中で、特に重荷重用空気入りラジアルタ
イヤに対し、一層軽量とすることでさらに低転がり抵抗
性のタイヤとし、その結果車両の燃費節減に寄与するこ
と、並びにトレッドゴム摩耗後における再使用を可能と
する十分な耐久性を備えることで資源の再活用に貢献す
ることが、以前にもまして強く求められるようになって
きた。
景は次のとおりである。すなわち近年の環境保護運動の
一層の高まりの中で、特に重荷重用空気入りラジアルタ
イヤに対し、一層軽量とすることでさらに低転がり抵抗
性のタイヤとし、その結果車両の燃費節減に寄与するこ
と、並びにトレッドゴム摩耗後における再使用を可能と
する十分な耐久性を備えることで資源の再活用に貢献す
ることが、以前にもまして強く求められるようになって
きた。
【０００３】
【従来の技術】一般に重荷重用空気入りラジアルタイヤ
はその主な構成部材に対する補強コード種の適用区分に
より、カーカスプライ及びベルト層共にスチールフィラ
メントコードを用いる、いわゆるオールスチールタイヤ
と、カーカスプライにナイロン又はポリエステルの有機
繊維コードを適用し、ベルト層にはスチールフィラメン
トコードを使用する、いわゆるコンビネーションタイヤ
（以下コンビタイヤと略す）とが知られている。
はその主な構成部材に対する補強コード種の適用区分に
より、カーカスプライ及びベルト層共にスチールフィラ
メントコードを用いる、いわゆるオールスチールタイヤ
と、カーカスプライにナイロン又はポリエステルの有機
繊維コードを適用し、ベルト層にはスチールフィラメン
トコードを使用する、いわゆるコンビネーションタイヤ
（以下コンビタイヤと略す）とが知られている。
【０００４】オールスチールタイヤに関しては、確かに
コードの引張強さ及び耐久性が共に優れているので、ト
レッドゴムが使用限界に達するまで摩耗しても通常は耐
久性に十分余裕があり、リトレッド（トレッドゴムの貼
替え）により再使用を可能とするというコスト上の利点
に加え資源の再活用にも貢献するタイヤと言える。
コードの引張強さ及び耐久性が共に優れているので、ト
レッドゴムが使用限界に達するまで摩耗しても通常は耐
久性に十分余裕があり、リトレッド（トレッドゴムの貼
替え）により再使用を可能とするというコスト上の利点
に加え資源の再活用にも貢献するタイヤと言える。
【０００５】しかしその反面、タイヤ重量が重くなるこ
とは避けられず、この点では燃費節減の不利は免れよう
もない。加えて路面状況の悪い使途の下で深いカットを
もしも受けたとき、そのカット傷から侵入する水分によ
りスチールフィラメントコードが錆に侵され、その結果
コード切れやセパレーションによる早期故障が発生し、
再使用が不可能となるうれいなしとはいえない。
とは避けられず、この点では燃費節減の不利は免れよう
もない。加えて路面状況の悪い使途の下で深いカットを
もしも受けたとき、そのカット傷から侵入する水分によ
りスチールフィラメントコードが錆に侵され、その結果
コード切れやセパレーションによる早期故障が発生し、
再使用が不可能となるうれいなしとはいえない。
【０００６】これらのオールスチールタイヤの不利な点
のうち特に軽量、低燃費については、一層軽量なコンビ
タイヤの方が環境保護運動の要請に有利に応え得るタイ
ヤと言える。ところが有機繊維コードの引張強さはスチ
ールフィラメントコードのそれに比し格段に低いため、
その分カーカスプライ数の相当な増加が余儀なくされ、
それによる直材費と加工費の増大は止むを得ないとして
も、走行によるコード疲労に対しカーカスが１プライの
オールスチールタイヤに比し大きな不利を伴うのは避け
ようもなく、したがってコンビタイヤのリトレッドによ
る再使用は不向きとされていた。
のうち特に軽量、低燃費については、一層軽量なコンビ
タイヤの方が環境保護運動の要請に有利に応え得るタイ
ヤと言える。ところが有機繊維コードの引張強さはスチ
ールフィラメントコードのそれに比し格段に低いため、
その分カーカスプライ数の相当な増加が余儀なくされ、
それによる直材費と加工費の増大は止むを得ないとして
も、走行によるコード疲労に対しカーカスが１プライの
オールスチールタイヤに比し大きな不利を伴うのは避け
ようもなく、したがってコンビタイヤのリトレッドによ
る再使用は不向きとされていた。
【０００７】そこでこのコンビタイヤの再使用を可能と
するため、ナイロン及びポリエステルの引張強さに対し
２倍以上の引張強さを有するアラミド繊維コードをカー
カスプライに適用することによりプライ数を１枚とする
試みが特開昭５８−８９４０５号及び特開昭６３−５７
３０５号各公報に開示されている。
するため、ナイロン及びポリエステルの引張強さに対し
２倍以上の引張強さを有するアラミド繊維コードをカー
カスプライに適用することによりプライ数を１枚とする
試みが特開昭５８−８９４０５号及び特開昭６３−５７
３０５号各公報に開示されている。
【０００８】これらはビード部のカーカスプライ折返し
端部の応力集中による引き抜けをいかに抑制するかにつ
いて腐心したものであり、その要点はカーカスプライ折
返し端をリムのフランジ高さより低く位置させるととも
に、この端部を１枚のスチールワイヤーチェーフアと２
枚のナイロンコードチェーフアとで保護したものであ
る。
端部の応力集中による引き抜けをいかに抑制するかにつ
いて腐心したものであり、その要点はカーカスプライ折
返し端をリムのフランジ高さより低く位置させるととも
に、この端部を１枚のスチールワイヤーチェーフアと２
枚のナイロンコードチェーフアとで保護したものであ
る。
【０００９】これにより重荷重用空気入りラジアルタイ
ヤの一層の軽量化及び低燃費化が一応図られたが、その
耐久性に関し、特にビード部耐久性については一層の改
良が強く求められていた。
ヤの一層の軽量化及び低燃費化が一応図られたが、その
耐久性に関し、特にビード部耐久性については一層の改
良が強く求められていた。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】発明者はこのような背
景の下、コンビタイヤのさらなるビード部耐久性改良に
関して検討を加えその結果、アラミド繊維コードに比し
はるかに高い引張強さを有する有機繊維コードをカーカ
スプライに用いることにより、コード径をより小さくし
てカーカスプライの巻上げ端部（折返し端部）の応力集
中を低減し、ビード部耐久レベルを一層改良し、併せて
社会の要請に十分応え得る軽量な重荷重用空気入りラジ
アルタイヤを提案することがこの発明の目的である。
景の下、コンビタイヤのさらなるビード部耐久性改良に
関して検討を加えその結果、アラミド繊維コードに比し
はるかに高い引張強さを有する有機繊維コードをカーカ
スプライに用いることにより、コード径をより小さくし
てカーカスプライの巻上げ端部（折返し端部）の応力集
中を低減し、ビード部耐久レベルを一層改良し、併せて
社会の要請に十分応え得る軽量な重荷重用空気入りラジ
アルタイヤを提案することがこの発明の目的である。
【００１１】
【課題を解決するための手段】この発明のその一は、１
プライのラジアルカーカスを有する重荷重用空気入りラ
ジアルタイヤにおいて、上記ラジアルカーカスの補強コ
ードが、１デニール（Ｄ）あたり３０ｇｆ以上の引張強
さを有するポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール
（ＰＢＴ）又はポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ール（ＰＢＯ）繊維コードからなることを特徴とする重
荷重用空気入りラジアルタイヤである。
プライのラジアルカーカスを有する重荷重用空気入りラ
ジアルタイヤにおいて、上記ラジアルカーカスの補強コ
ードが、１デニール（Ｄ）あたり３０ｇｆ以上の引張強
さを有するポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール
（ＰＢＴ）又はポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ール（ＰＢＯ）繊維コードからなることを特徴とする重
荷重用空気入りラジアルタイヤである。
【００１２】この発明のその一を実施するにあたり、上
記繊維コードの総デニール数が８０００Ｄ以下であるこ
とが望ましい。
記繊維コードの総デニール数が８０００Ｄ以下であるこ
とが望ましい。
【００１３】さらにこの発明のその二は、１プライのラ
ジアルカーカスを有し、その両端部をそれぞれ一対のビ
ードコアの回りに巻上げたその巻上げ端を掩う複数のコ
ード保護層よりなるビードチェーファを備える重荷重用
空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ラジアルカーカ
スの補強コードが、１デニール（Ｄ）あたり３０ｇｆ以
上の引張強さを有するポリパラフェニレンベンゾビスチ
アゾール（ＰＢＴ）又はポリパラフェニレンベンゾビス
オキサゾール（ＰＢＯ）繊維コードからなり、かつビー
ドチェ−フアが３枚のコード層よりなることを特徴とす
る重荷重用空気入りラジアルタイヤである。
ジアルカーカスを有し、その両端部をそれぞれ一対のビ
ードコアの回りに巻上げたその巻上げ端を掩う複数のコ
ード保護層よりなるビードチェーファを備える重荷重用
空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ラジアルカーカ
スの補強コードが、１デニール（Ｄ）あたり３０ｇｆ以
上の引張強さを有するポリパラフェニレンベンゾビスチ
アゾール（ＰＢＴ）又はポリパラフェニレンベンゾビス
オキサゾール（ＰＢＯ）繊維コードからなり、かつビー
ドチェ−フアが３枚のコード層よりなることを特徴とす
る重荷重用空気入りラジアルタイヤである。
【００１４】この発明のその二を実施するに際し、上記
ビードチェーファの少なくとも２枚は有機繊維コード層
であり、残余についてはスチールフィラメントコード層
であることが望ましい。
ビードチェーファの少なくとも２枚は有機繊維コード層
であり、残余についてはスチールフィラメントコード層
であることが望ましい。
【００１５】以下、この発明を図１に基づいて一層具体
的に説明する。図１はこの発明の重荷重用空気入りラジ
アルタイヤの回転軸心を含む平面による断面の左半を示
し、１はビード部、２はサイドウォール部、３はトレッ
ド部であり、４はビードコア、５はカーカス、６はビー
ドチェーファを示す。なお７はベルト、８はこのタイヤ
の適合１５°テーパリム（チューブレスリム）、８ａは
そのフランジ、Ｅはタイヤ赤道面である。
的に説明する。図１はこの発明の重荷重用空気入りラジ
アルタイヤの回転軸心を含む平面による断面の左半を示
し、１はビード部、２はサイドウォール部、３はトレッ
ド部であり、４はビードコア、５はカーカス、６はビー
ドチェーファを示す。なお７はベルト、８はこのタイヤ
の適合１５°テーパリム（チューブレスリム）、８ａは
そのフランジ、Ｅはタイヤ赤道面である。
【００１６】図１において、カーカス５は補強コードの
ラジアル配列になる１プライからなり、一対のビードコ
ア４（片側のみ示す）相互間にわたって一対のビード部
１及びサイドウォール部２とトレッド部３とを補強す
る。
ラジアル配列になる１プライからなり、一対のビードコ
ア４（片側のみ示す）相互間にわたって一対のビード部
１及びサイドウォール部２とトレッド部３とを補強す
る。
【００１７】ここでカーカス５の補強コードは、１デニ
ール（Ｄ）あたり３０ｇｆ以上の高度な引張強さを有す
るＰＢＴ繊維コード又はＰＢＯ繊維コードであり、これ
らのうち後者のコードとするのが望ましい。なお引張強
さはＪＩＳ Ｌ１０１７（１９８３）に準拠するものと
し、引張条件は定速伸長形の試験機を用い、つかみ間隔
２５ｃｍ、引張速度３０±２ｃｍ／ｍｉｎによる。
ール（Ｄ）あたり３０ｇｆ以上の高度な引張強さを有す
るＰＢＴ繊維コード又はＰＢＯ繊維コードであり、これ
らのうち後者のコードとするのが望ましい。なお引張強
さはＪＩＳ Ｌ１０１７（１９８３）に準拠するものと
し、引張条件は定速伸長形の試験機を用い、つかみ間隔
２５ｃｍ、引張速度３０±２ｃｍ／ｍｉｎによる。
【００１８】また上記コードの総デニール数が８０００
Ｄ以下とするのが望ましく、これを６０００Ｄ以下とす
ればさらに望ましく、５０００Ｄ以下であれば殊更望ま
しい。なお総デニール数の値が小なるほどコード径をよ
り小さくでき、コード径は１．１ｍｍ以下が好ましく、
さらに好ましくは１．０ｍｍ以下であり、０．９０ｍｍ
以下とすれば殊更好ましい。
Ｄ以下とするのが望ましく、これを６０００Ｄ以下とす
ればさらに望ましく、５０００Ｄ以下であれば殊更望ま
しい。なお総デニール数の値が小なるほどコード径をよ
り小さくでき、コード径は１．１ｍｍ以下が好ましく、
さらに好ましくは１．０ｍｍ以下であり、０．９０ｍｍ
以下とすれば殊更好ましい。
【００１９】さらにカーカス５はビードコア４の回りを
巻上げた端部５ａをビード部１内に止め、その端部５ａ
を複数のコード保護層、すなわちビードチェーファ６に
て掩うものであり、そのビードチェーファ６は図示する
ような３枚のコード層６−１、６−２及び６−３よりな
る。
巻上げた端部５ａをビード部１内に止め、その端部５ａ
を複数のコード保護層、すなわちビードチェーファ６に
て掩うものであり、そのビードチェーファ６は図示する
ような３枚のコード層６−１、６−２及び６−３よりな
る。
【００２０】ここでビードチェーファ６は、少なくとも
その２枚を有機繊維コード層とし、残余についてはスチ
ールフィラメントコード層とするのが望ましい。
その２枚を有機繊維コード層とし、残余についてはスチ
ールフィラメントコード層とするのが望ましい。
【００２１】また上記ＰＢＴ又はＰＢＯ繊維コードのよ
り係数Ｎｔを０．２８＜Ｎｔ＜０．６０とするのが好ま
しい。なおＮｔは下記により定義するものである。 Ｎｔ＝Ｎ×（０．１３９Ｔｄ／２ρ）1/2 ×１０-3 ここでＮはコード１０ｃｍあたりのより回数、Ｔｄはコ
ードの総デニール数、ρは上記ＰＢＴ及びＰＢＯの密度
（ｇ／ｃｍ3 ）である。なおＴｄ≦８０００Ｄとする。
り係数Ｎｔを０．２８＜Ｎｔ＜０．６０とするのが好ま
しい。なおＮｔは下記により定義するものである。 Ｎｔ＝Ｎ×（０．１３９Ｔｄ／２ρ）1/2 ×１０-3 ここでＮはコード１０ｃｍあたりのより回数、Ｔｄはコ
ードの総デニール数、ρは上記ＰＢＴ及びＰＢＯの密度
（ｇ／ｃｍ3 ）である。なおＴｄ≦８０００Ｄとする。
【００２２】上記の高度な引張強さを有するＰＢＴ又は
ＰＢＯ繊維を製造する手段として、ＰＢＴ又はＰＢＯを
ポリリン酸又はメタンスルホン酸液に溶解し、その溶液
を紡出し空気層を経由して水系凝固液中に通す、いわゆ
るゲル紡糸の製造方法をとることができる。その後洗
浄、乾燥、張力下での熱処理を施し目標とする引張強さ
及び弾性率を得る。
ＰＢＯ繊維を製造する手段として、ＰＢＴ又はＰＢＯを
ポリリン酸又はメタンスルホン酸液に溶解し、その溶液
を紡出し空気層を経由して水系凝固液中に通す、いわゆ
るゲル紡糸の製造方法をとることができる。その後洗
浄、乾燥、張力下での熱処理を施し目標とする引張強さ
及び弾性率を得る。
【００２３】なおベルト７はトレッド部３の強化にあず
かり、少なくとも２枚のスチールフィラメントコード又
は有機繊維コードからなるコード交差層とするのが好ま
しい。
かり、少なくとも２枚のスチールフィラメントコード又
は有機繊維コードからなるコード交差層とするのが好ま
しい。
【００２４】
【作用】まずカーカス５の補強コードを３０ｇｆ／Ｄ以
上の引張強さを有するＰＢＴ又はＰＢＯ繊維コードとす
ることにより、従来の重荷重用空気入りラジアルタイヤ
におけるアラミド繊維コードを用いたコンビタイヤと同
様に、カーカス５を１プライとしてオールスチールタイ
ヤと同等のカーカス強度を有するものとすることができ
る。これにより、カーカスを２プライ以上で構成するこ
とによる内側カーカスプライに対する圧縮入力に基づく
コード疲労のうれいがなく、カーカス５の耐久性を格段
に向上させることが可能となる。
上の引張強さを有するＰＢＴ又はＰＢＯ繊維コードとす
ることにより、従来の重荷重用空気入りラジアルタイヤ
におけるアラミド繊維コードを用いたコンビタイヤと同
様に、カーカス５を１プライとしてオールスチールタイ
ヤと同等のカーカス強度を有するものとすることができ
る。これにより、カーカスを２プライ以上で構成するこ
とによる内側カーカスプライに対する圧縮入力に基づく
コード疲労のうれいがなく、カーカス５の耐久性を格段
に向上させることが可能となる。
【００２５】加えてカーカス５における３０ｇｆ／Ｄ以
上の引張強さを有するコードは、その直径をアラミド繊
維コードのそれに比しより一層細径としても内圧に対す
る十分な耐圧力を確保可能であるから、カーカス５の巻
上げ端５ａにおける応力集中の度合は、従来のアラミド
繊維コードをもちいたコンビタイヤに比し大幅に緩和さ
れ、この巻上げ端のセパレーションなどの耐久レベルを
一層向上させる効果を奏する。なおおコード径を１．１
ｍｍ以下とすればこの効果を一層増すことに寄与する。
上の引張強さを有するコードは、その直径をアラミド繊
維コードのそれに比しより一層細径としても内圧に対す
る十分な耐圧力を確保可能であるから、カーカス５の巻
上げ端５ａにおける応力集中の度合は、従来のアラミド
繊維コードをもちいたコンビタイヤに比し大幅に緩和さ
れ、この巻上げ端のセパレーションなどの耐久レベルを
一層向上させる効果を奏する。なおおコード径を１．１
ｍｍ以下とすればこの効果を一層増すことに寄与する。
【００２６】上記したところの効果を発揮させるにはＰ
ＢＴ又はＰＢＯ繊維コードの引張強さを３０ｇｆ／Ｄ以
上とすることが必要であり、またこのコードの総デニー
ルが８０００Ｄ以下とすればなおさらトレッドゴム摩耗
後における再利用を十分可能とし、併せて一層の軽量化
を同時に達成可能とする顕著な効果を発揮する。
ＢＴ又はＰＢＯ繊維コードの引張強さを３０ｇｆ／Ｄ以
上とすることが必要であり、またこのコードの総デニー
ルが８０００Ｄ以下とすればなおさらトレッドゴム摩耗
後における再利用を十分可能とし、併せて一層の軽量化
を同時に達成可能とする顕著な効果を発揮する。
【００２７】特に重荷重使用に供する場合は、３枚のコ
ード層６−１、６−２、６−３よりなるビードチェーフ
ァ６をビード部１に適用することで、必要とする軽量化
の下でビード部耐久性が十分確保されて再使用を確実な
ものとし、またこのビードチェーファ６を少なくとも２
枚は有機繊維コード層とし残余についてはスチールフィ
ラメントコード層とすることで、必要とするビード部耐
久性を確保した上で有利に軽量化を実現することに寄与
する。
ード層６−１、６−２、６−３よりなるビードチェーフ
ァ６をビード部１に適用することで、必要とする軽量化
の下でビード部耐久性が十分確保されて再使用を確実な
ものとし、またこのビードチェーファ６を少なくとも２
枚は有機繊維コード層とし残余についてはスチールフィ
ラメントコード層とすることで、必要とするビード部耐
久性を確保した上で有利に軽量化を実現することに寄与
する。
【００２８】またＰＢＴ又はＰＢＯ繊維コードのより係
数Ｎｔを０．２８＜Ｎｔ＜０．６０の範囲内に収めるこ
とにより、コード自身の耐疲労性を十分に確保した上で
上記コードの引張強さ及びコード径を有効に達成でき
る。なおＮｔが０．２８以下の場合は重荷重用空気入り
ラジアルタイヤのカーカス部材として再利用に十分に耐
え得る耐疲労性を維持することが困難となり、これが
０．６０以上ではコードとしての引張強さの利用率が低
下し、十分な軽量化の下でオールスチールタイヤ同等の
カーカス強度を保持することが困難となる。
数Ｎｔを０．２８＜Ｎｔ＜０．６０の範囲内に収めるこ
とにより、コード自身の耐疲労性を十分に確保した上で
上記コードの引張強さ及びコード径を有効に達成でき
る。なおＮｔが０．２８以下の場合は重荷重用空気入り
ラジアルタイヤのカーカス部材として再利用に十分に耐
え得る耐疲労性を維持することが困難となり、これが
０．６０以上ではコードとしての引張強さの利用率が低
下し、十分な軽量化の下でオールスチールタイヤ同等の
カーカス強度を保持することが困難となる。
【００２９】
【実施例】図１に従うサイズが２９５／７５Ｒ１５の重
荷重用空気入りラジアルタイヤであり、カーカス５を１
プライとしてその補強コードをＰＢＯ繊維コードとし、
そのコードにつき、デニール数を１５００Ｄ／３、コー
ド径を０．９０ｍｍ、より数を３２×３２（より係数
０．４５３）、引張強さを１４５ｋｇｆ／本とした。な
お図１に示す、巻上げ端５ａの高さＨｐを２４ｍｍとし
た。
荷重用空気入りラジアルタイヤであり、カーカス５を１
プライとしてその補強コードをＰＢＯ繊維コードとし、
そのコードにつき、デニール数を１５００Ｄ／３、コー
ド径を０．９０ｍｍ、より数を３２×３２（より係数
０．４５３）、引張強さを１４５ｋｇｆ／本とした。な
お図１に示す、巻上げ端５ａの高さＨｐを２４ｍｍとし
た。
【００３０】上記カーカス５を共通とし、実施例１はビ
ードチェーファ６に３枚のナイロンコード層を適用し、
実施例２にはビードチェーファ６のうち６−１にはスチ
ールフィラメントコード層を用い６−２、６−３はナイ
ロンコード層とした。なおベルト７は４枚のスチールフ
ィラメントコードの交差コード層とした。
ードチェーファ６に３枚のナイロンコード層を適用し、
実施例２にはビードチェーファ６のうち６−１にはスチ
ールフィラメントコード層を用い６−２、６−３はナイ
ロンコード層とした。なおベルト７は４枚のスチールフ
ィラメントコードの交差コード層とした。
【００３１】各実施例の効果を検証するため比較例１〜
３のタイヤを準備した。これらのタイヤは、カーカスプ
ライのコードをアラミド繊維コードとし、そのコードを
３０００Ｄ／３、コード径１．１ｍｍ、引張強さ１５５
ｋｇｆ／本とした比較例１、カーカスプライのコードを
スチールフィラメントコードとし、そのコード径が０．
９２ｍｍ、引張強さ１４５ｋｇｆ／本とした比較例２で
あり、これらはカーカスプライ以外を全て実施例１に合
せ、比較例１のビードチェーファ６に実施例２のそれを
適用した比較例３である。なお各実施例及び比較例１〜
３のカーカスコードの打込数はプライ強度を同一とする
ように設定した。
３のタイヤを準備した。これらのタイヤは、カーカスプ
ライのコードをアラミド繊維コードとし、そのコードを
３０００Ｄ／３、コード径１．１ｍｍ、引張強さ１５５
ｋｇｆ／本とした比較例１、カーカスプライのコードを
スチールフィラメントコードとし、そのコード径が０．
９２ｍｍ、引張強さ１４５ｋｇｆ／本とした比較例２で
あり、これらはカーカスプライ以外を全て実施例１に合
せ、比較例１のビードチェーファ６に実施例２のそれを
適用した比較例３である。なお各実施例及び比較例１〜
３のカーカスコードの打込数はプライ強度を同一とする
ように設定した。
【００３２】評価は各実施例及び比較例１〜３を供試タ
イヤとしてドラム試験機によるビード部耐久テストによ
り行い、その試験条件を内圧７ｋｇｆ／ｃｍ2、荷重５
０００ｋｇｆとし、ビード部に亀裂が発生するまでの走
行距離によった。テスト結果は実施例１の走行距離を１
００とする指数にてあらわしたところ、実施例２は１３
０、比較例１が７５、比較例２では６５、比較例３は１
００であった。
イヤとしてドラム試験機によるビード部耐久テストによ
り行い、その試験条件を内圧７ｋｇｆ／ｃｍ2、荷重５
０００ｋｇｆとし、ビード部に亀裂が発生するまでの走
行距離によった。テスト結果は実施例１の走行距離を１
００とする指数にてあらわしたところ、実施例２は１３
０、比較例１が７５、比較例２では６５、比較例３は１
００であった。
【００３３】これから明らかなように、ＰＢＯ繊維コー
ドを適用した実施例１が十分なビード部耐久性を示した
のに対し、コード径が大きいアラミド繊維コードを用い
た比較例１と、コード径が実施例１とほぼ同じであるが
固いスチールフィラメントコードを用いた比較例２との
ビード部耐久性が著しく低い耐久性を示した。
ドを適用した実施例１が十分なビード部耐久性を示した
のに対し、コード径が大きいアラミド繊維コードを用い
た比較例１と、コード径が実施例１とほぼ同じであるが
固いスチールフィラメントコードを用いた比較例２との
ビード部耐久性が著しく低い耐久性を示した。
【００３４】また比較例３のようにカーカス５の巻上げ
端５ａ高弾性率のスチールフィラメントコード層で保護
し、さらに２枚のナイロンコード層で補強したタイヤの
ビード部耐久性はアップするものの、これと同じビード
チェーフアとした実施例２の耐久性には遥かに及ばな
い。
端５ａ高弾性率のスチールフィラメントコード層で保護
し、さらに２枚のナイロンコード層で補強したタイヤの
ビード部耐久性はアップするものの、これと同じビード
チェーフアとした実施例２の耐久性には遥かに及ばな
い。
【００３５】さらに軽量化につき上記試験に先立ち実施
例１、比較例１及び比較例３の各タイヤを秤量したとこ
ろ、実施例１のタイヤは比較例１より０．３ｋｇ軽く、
比較例３に対しては１．２ｋｇの軽量化を達成してい
た。
例１、比較例１及び比較例３の各タイヤを秤量したとこ
ろ、実施例１のタイヤは比較例１より０．３ｋｇ軽く、
比較例３に対しては１．２ｋｇの軽量化を達成してい
た。
【００３６】
【発明の効果】この発明によれば、現今の社会的要請に
十分沿え得る軽量にしてかつトレッドゴム摩耗後におけ
る再使用を十分可能とするビード部耐久性を主とするカ
ーカス耐久性に優れる重荷重用空気入りラジアルタイヤ
を提供することができる。
十分沿え得る軽量にしてかつトレッドゴム摩耗後におけ
る再使用を十分可能とするビード部耐久性を主とするカ
ーカス耐久性に優れる重荷重用空気入りラジアルタイヤ
を提供することができる。
【図１】この発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤの
左半断面を示す。
左半断面を示す。
１ ビード部 ４ ビードコア ５ カーカス ６ ビードチェーフア
Claims (4)
- 【請求項１】 １プライのラジアルカーカスを有する重
荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、 上記ラジアルカーカスの補強コードが、１デニール
（Ｄ）あたり３０ｇｆ以上の引張強さを有するポリパラ
フェニレンベンゾビスチアゾール（ＰＢＴ）又はポリパ
ラフェニレンベンゾビスオキサゾール（ＰＢＯ）繊維コ
ードからなることを特徴とする重荷重用空気入りラジア
ルタイヤ。 - 【請求項２】 上記繊維コードの総デニール数が８００
０Ｄ以下であることを特徴とする請求項１に記載の重荷
重用空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項３】 １プライのラジアルカーカスを有し、そ
の両端部をそれぞれ一対のビードコアの回りに巻上げた
その巻上げ端を掩う複数のコード保護層よりなるビード
チェーファを備える重荷重用空気入りラジアルタイヤに
おいて、 上記ラジアルカーカスの補強コードが、１デニール
（Ｄ）あたり３０ｇｆ以上の引張強さを有するポリパラ
フェニレンベンゾビスチアゾール（ＰＢＴ）又はポリパ
ラフェニレンベンゾビスオキサゾール（ＰＢＯ）繊維コ
ードからなり、かつビードチェ−フアが３枚のコード層
よりなることを特徴とする重荷重用空気入りラジアルタ
イヤ。 - 【請求項４】 上記ビードチェーファの少なくとも２枚
は有機繊維コード層であり、残余についてはスチールフ
ィラメントコード層である請求項３に記載の重荷重用空
気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5073716A JPH06286411A (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5073716A JPH06286411A (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06286411A true JPH06286411A (ja) | 1994-10-11 |
Family
ID=13526229
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5073716A Pending JPH06286411A (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06286411A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109878274A (zh) * | 2019-04-04 | 2019-06-14 | 山东华盛橡胶有限公司 | 一种全钢子午线轮胎 |
-
1993
- 1993-03-31 JP JP5073716A patent/JPH06286411A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109878274A (zh) * | 2019-04-04 | 2019-06-14 | 山东华盛橡胶有限公司 | 一种全钢子午线轮胎 |
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