JPH06285779A - 多関節ロボット - Google Patents

多関節ロボット

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JPH06285779A
JPH06285779A JP7584893A JP7584893A JPH06285779A JP H06285779 A JPH06285779 A JP H06285779A JP 7584893 A JP7584893 A JP 7584893A JP 7584893 A JP7584893 A JP 7584893A JP H06285779 A JPH06285779 A JP H06285779A
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JP
Japan
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arm
shaft
rotating
predetermined
movement
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JP7584893A
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Inventor
Naoyuki Sato
直之 佐藤
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の構成のロボットに比べて高速動作を可
能にする。 【構成】 水平方向にスライド自在かつ水平方向に回動
自在に設けられた第1アーム13と、第1アーム13の
先端部に設けられ、第1アームの延長方向である第2軸
2まわりに回動する第2アーム14と、第2アーム14
の先端部に設けられ、常に鉛直下向きの姿勢を保持する
第3アーム15と、第3アーム15の所定部に設けられ
た部品把持部とを有し、部品把持位置P1と部品取り付
け位置P2までの水平方向および垂直方向の移動を第1
アーム13の回動動作、第1アーム13のスライド動作
および第2アーム14の回動動作の協調補間動作で行な
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は産業用ロボットに関
し、さらに詳細にいえば、関節を複数個有する多関節ロ
ボットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、組立作業の自動化に採用され
る産業用ロボットの一つとしてスカラ型ロボットがあ
る。図9は従来のスカラ型ロボットの一構成例を示す正
面図であり、このスカラ型ロボットは基台71に設けら
れた第1軸72によって水平方向に回動自在に保持され
たインナアーム73と、インナアーム73の先端部に設
けられ、第1軸72に対して平行な第2軸74によって
インナアーム73に対して回動自在に保持されるアウタ
アーム75と、アウタアーム75の先端部に設けられ第
2軸74に平行な方向(垂直方向)に往復駆動される垂
直移動アーム76と、垂直移動アーム76の先端部に設
けられ、部品の把持動作を行なう部品把持部77を有し
ている。また、基台71の第1軸72近傍には第1軸モ
ータ78と第1軸減速機79が設けられているととも
に、第2軸74近傍には第2軸モータ80と第2軸減速
機81が設けられている。また、アウタアーム75の先
端部には垂直移動用モータ82が設けられているととも
に、垂直移動アーム76の先端部には部品把持部77を
駆動する第3軸モータ83と第3軸減速機84がそれぞ
れ設けられている。なお、垂直移動アーム76はボール
ネジで構成され、垂直移動アーム76の垂直方向の駆動
は、ボールネジに螺合されたボールネジナットを垂直移
動用モータ82により駆動することにより行なわれる。
【0003】図10(A)は図9に示すスカラ型ロボッ
トをスケルトン表示した平面図、図10(B)は垂直移
動アーム76の上下運動を示した側面図、図10(C)
は垂直移動アーム76およびアウタアーム75の移動工
程を示す図である。以下、図9から図10を参照しつ
つ、スカラ型ロボットの動作について説明する。
【0004】まず、図10において部品供給装置の部品
把持位置P1において、垂直移動アーム76を下方に移
動させ(図10(C)の(イ))、部品を把持した後、
垂直移動アーム76を上方に移動させ(図10(C)の
(ロ))、インナアーム73とアウタアーム75を回動
させて部品取り付け位置P2まで水平移動させる(図1
0(C)の(ハ))。そして、部品取り付け位置P2ま
で移動したら垂直移動アーム76を下方に移動させ(図
10(C)の(ニ))、部品を取り付けた後、垂直移動
アーム76を上方に移動させ(図10(C)の
(ホ))、インナアーム73とアウタアーム75を回動
させて部品把持位置P1まで水平移動させる(図10
(C)の(ヘ))。以下、この動作を繰り返して行なう
ことにより、位置P1において部品を把持し、位置P2
において部品を取り付ける作業を連続して行なうことが
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような移動工程を
有するスカラ型ロボットは、部品把持位置P1近傍と部
品取り付け位置P2近傍においては、垂直移動アーム7
6の垂直移動とインナアーム73およびアウタアーム7
5による水平移動はそれぞれ独立して行なわないと、近
傍にある他の部材と部品把持部77とが干渉を起こす恐
れがある。しかし、干渉が起こらないように、図10
(C)に示す各移動工程においてそれぞれ独立して加減
速すると、部品取り出しから取り付けまでの1サイクル
時間は垂直移動、回動移動にそれぞれ要する加減速時間
の和になってしまい、作業時間が大幅に長くなってしま
う問題がある。
【0006】この問題に対して、各アームの加減速パタ
ーンを部分的にオーバーラップさせて1サイクル時間を
短縮する方法があり、図11はそのような加減速パター
ンを横軸に時間、縦軸に速度を取って示した図である。
なお、図11において(イ)〜(ヘ)はそれぞれ図10
(C)の各アームの移動工程に対応するアームの加減速
パターンを示し、符号88は垂直移動アーム76の加減
速パターン、符号89はインナアーム73およびアウタ
アーム75の加減速パターンをそれぞれ示している。図
11に示す加減速パターンにおいては、干渉が起こりに
くい区間である、工程(ロ)から工程(ハ)に移動する
際と、工程(ホ)から工程(ヘ)に移動する際に部分的
にオーバーラップさせて1サイクル時間を短縮してい
る。
【0007】しかし、この方法においてもオーバーラッ
プさせることのできる程度がスカラ型ロボットが設置さ
れている周囲の状況によって変動し、短縮効果にも限界
がある。また、各アームの移動を高速化して全体の作業
時間を短縮することも考えられるが、図10(C)に示
すような移動工程であると、水平方向に2回、垂直方向
に4回も加減速を行なわなければならないので、各アー
ムの移動速度を向上させることによる短縮効果には限界
があるとともに、各アームの移動時間短くし、最高速を
上げるにはアームの軽量化とモータパワーの向上という
相反する問題を解決しなければならず、スカラ型ロボッ
トの高速化は難しくなっている。
【0008】さらに、従来のスカラ型ロボットにおいて
は水平面内の移動の際、インナアーム73とアウタアー
ム75が同一方向に回動するため、アウタアーム75の
回動の影響をインナアーム73が受けることになり、ア
ウタアーム75の回動トルクの反力に打ち勝ってさらに
インナアーム73が回動するために第1軸モータ78に
大容量のものが必要になり、結果としてロボットの高速
化が一層、難しくなっている。
【0009】また、図9に示すスカラ型ロボットにおい
てはインナアーム73の先端部に第2軸モータ80およ
び第2軸減速機81が設けられるとともに、アウタアー
ム75の先端部に垂直移動用モータ82、第3軸モータ
83および第3軸減速機84が設けられているために、
第1軸モータ78の負荷が大きくなり、ロボットを高速
化することが難しい問題がある。
【0010】この問題に対して第2軸モータ80、第2
軸減速機81を第1軸72の近傍に配置し、第2軸モー
タ80の減速後の動力を動力伝達用タイミングベルトを
経て第2軸74に伝達するように構成したスカラ型ロボ
ットが提案されている(特開昭58−165978号公
報参照)。しかし、この構成を採用すると、動力伝達用
タイミングベルトを必要とするため、位置決め精度、動
力伝達剛性に問題がある。また、第2軸モータ80だけ
を第1軸72の近傍に配置するとともに、第2軸減速機
81を第2軸74上に残し、第2軸モータ80の動力を
動力伝達用タイミングベルトを経て第2軸74に伝達す
るように構成したスカラ型ロボットも提案されている。
この構成を採用すると、第1軸モータ78の負荷は第2
軸モータ80のイナーシャが減少した分だけ小さくなる
が、逆に第2軸74の負荷イナーシャが増加し、結果的
に第2軸モータ80の負荷が増大する問題が生じる。
【0011】このように従来のスカラ型ロボットの場
合、インナアーム73とアウタアーム75の駆動用モー
タおよび減速機の配置構成を工夫しても、位置決め精度
および動力伝達剛性の問題、第2軸モータ80の負荷は
増大するなどの問題が生じ、高速移動を行なうロボット
の提供は極めて難しい状況にある。
【0012】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、簡単な構成で、従来の構成のスカラ型ロ
ボットに比べて高速動作を可能にする多関節ロボットを
提供することを目的としている。この発明の他の目的は
アーム駆動モータの容量を小さくできる多関節ロボット
の構成を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1の多関節ロボットは、少なくとも水平方向に
移動自在に保持された所定腕と、所定腕の所定位置に設
けられるとともに、所定腕の延長方向に対して直交する
面内において回動自在に保持された第1回動腕と、第1
回動腕の所定位置に回動自在に取り付けられるととも
に、第1回動腕の回動にかかわらず、その姿勢を垂直方
向に保持する第2回動腕とを備えてあり、目標地点への
第2回動腕の水平方向の移動および垂直方向の移動を所
定腕の水平移動動作と第1回動腕の回動動作の協調動作
で行なうようにしている。
【0014】請求項2の多関節ロボットは、請求項1に
記載の多関節ロボットであって、前記所定腕が、基台に
保持されるとともに水平方向に回動自在かつ水平方向に
スライド自在な回動スライド腕で構成されている。請求
項3の多関節ロボットは、請求項1に記載の多関節ロボ
ットであって、前記所定腕が、基台に保持された水平方
向に回動自在な第1支持腕と、第1支持腕の所定位置に
水平方向に回動自在に保持された第2支持腕とで構成さ
ている。
【0015】請求項4の多関節ロボットは、請求項2に
記載の多関節ロボットであって、回動スライド腕がスプ
ライン係合部とボールネジ係合部を有する複合軸を備
え、ボールネジ係合部と係合する係合部を駆動すること
により回動スライド腕のスライド移動を行ない、スプラ
イン係合部と係合する係合部を駆動することにより第1
回動腕の回動動作を行なうようになっている。
【0016】請求項5の多関節ロボットは、請求項4に
記載の多関節ロボットであって、スプライン係合部と係
合する係合部の駆動用モータおよびボールネジ係合部に
係合する係合部の駆動用モータを回動スライド腕の回動
軸近傍に設けている。請求項6の多関節ロボットは、請
求項2または請求項3に記載の多関節ロボットであっ
て、所定腕の加速、減速時において、目標地点への第2
回動腕の移動のための第1回動腕の回動と協調して、所
定腕の回動トルクを低減する向きに所定腕が回動され
る。
【0017】
【作用】請求項1の多関節ロボットであれば、目標地点
への第2回動腕の水平方向の移動および垂直方向の移動
を所定腕の水平移動動作と第1回動腕の回動動作の協調
動作で行なうので、従来のスカラ型ロボットのように部
分的に加減速を時間的に重複させて垂直方向の移動、水
平方向の移動を行なう構成に比べて、全範囲において加
減速を重複させて行なうことができるので、目標地点間
への移動に要する時間を著しく減らすことができる。し
たがって、腕の高速化を行なうことなく、高速動作可能
な多関節ロボットを提供できる。
【0018】請求項2の多関節ロボットであれば、前記
所定腕が、基台に保持されるとともに水平方向に回動自
在かつ水平方向にスライド自在な回動スライド腕となっ
ているので、水平面内2次元の移動が簡単にかつ早く行
なえるので、高速動作可能な多関節ロボットを提供でき
るとともに、目標地点に移動するための第2回動腕の動
きが簡単になり、多関節ロボットの制御が簡単になる利
点がある。
【0019】請求項3の多関節ロボットにおいても、前
記所定腕が水平面内2次元の移動を達成でき、高速動作
可能な多関節ロボットを提供できる。請求項4の多関節
ロボットは、回動スライド腕がスプライン係合部とボー
ルネジ係合部を有する複合軸を備え、ボールネジ係合部
と係合する係合部を駆動することにより回動スライド腕
のスライド移動を行ない、スプライン係合部と係合する
係合部を駆動することにより第1回動腕の回動動作を行
なうのであるから、従来のスカラ型ロボットに比べて動
力伝達系全体のイナーシャを小さくすることができると
ともに、回動スライド腕を回動させるモータにかかる負
荷を小さくすることができ、結果的にアームの高速移動
が可能になる。
【0020】請求項5の多関節ロボットであれば、重量
の大きい、スプライン係合部と係合する係合部の駆動用
モータおよびボールネジ係合部に係合する係合部の駆動
用モータを回動スライド腕の回動軸近傍に設けることに
より、回動スライド腕を回動させるモータの負荷を小さ
くでき、結果的にアームの高速移動が可能になる。請求
項6の多関節ロボットであれば、所定腕の加速、減速時
において、目標地点への第2回動腕の移動のための第1
回動腕の回動と協調して、所定腕の回動トルクを低減す
る向きに所定腕が回動されるのであるから、所定腕を回
動するモータの容量が小さくてすみ、ひいてはアームの
高速移動が可能になる。
【0021】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に
説明する。図1はこの発明の第1実施例の多関節ロボッ
トの一部断面正面図、図2は多関節ロボットの手先部の
動きを示す図、図3は多関節ロボットのスケルトン表示
図である。
【0022】この多関節ロボットは、基台11に設けら
れた第1軸1まわりに回動自在に保持される回動台12
と、回動台12の上部に設けられ、第1軸1と直交する
方向(S軸5と称する)にスライド自在に設けられた第
1アーム13と、第1アームの先端部に設けられ、第1
アームの延長方向である第2軸2まわりに回動する第2
アーム14と、第2アーム14の先端部に設けられ、第
2軸2と平行な第3軸3まわりに回動する第3アーム1
5と、第3アーム15の所定部に設けられ、第3アーム
15の延長方向である第4軸4が回転することにより駆
動される部品把持部16とを有している。
【0023】また、回転台12の上部先端部にはスプラ
インとボールネジを一体化した一体型シャフト20が回
転台12に保持されたスプラインナット21とボールネ
ジナット22と螺合して設けられ、スプラインナット2
1を回転させる第2軸モータ23、ボールネジ22を回
転させるS軸モータ24によって、それぞれ第1アーム
13の回転台12に対するスライド動作、第2アーム1
4の第2軸2まわりの回動動作を行なうようになってい
る。つまり、ボールネジナット22の回転によって一体
型シャフト20は前後にスライドし、回転台12の上部
に設けられたガイドレール27沿って第1アーム13が
図中S軸方向に駆動されるのである。また、一体型シャ
フト20の先端部は第2アーム14の基部と固着されて
いるので、第2アーム14は一体型シャフト20の回動
にしたがって回動する。
【0024】なお、第2軸モータ23の回転力はスプラ
インナット21と第2軸モータ23、を繋ぐタイミング
ベルト25によって伝達されるように構成されていると
ともに、S軸モータ24の回転力はボールネジナット2
2とS軸モータ24を繋ぐタイミングベルト26によっ
て伝達されるように構成されている。また、一体型シャ
フト20に係合されたタイミングプーリ28、第3アー
ム15の基部に取り付けられたタイミングプーリ29間
をタイミングベルト30によって連動させることによ
り、図2に示すように第2アーム14の回動にかかわら
ず、第3アーム15を常に鉛直下向き方向に保つように
構成されている。
【0025】また、この多関節ロボットにおいては基台
11に第1軸モータ32と第1軸モータ32の減速機3
3が固定して設けられ、回転台12には前記したように
第2軸モータ23とS軸モータ24とが設けられてい
る。また、部品把持部16の駆動用の第4軸モータ34
および第4軸減速機35は第3アーム15内に設けられ
ている。
【0026】図4(A)は本実施例の多関節ロボットを
スケルトン表示した平面図、図4(B)は第2アーム1
4と第3アーム15の運動の一例を示した側面図、図4
(C)は1サイクルにおけるアームの移動工程を示す図
である。なお、図4(B)において符号41は部品把持
部16の取り付け面軌跡を示している。以下、図1から
図4を参照しつつ、本実施例の多関節ロボットの動作に
ついて説明する。
【0027】この多関節ロボットは、部品把持位置P1
と部品取り付け位置P2までの水平方向および垂直方向
の移動を第1軸1、S軸5、第2軸2の協調補間動作で
行なうことを特徴としている。すなわち、部品把持位置
P1、部品取り付け位置P2での垂直方向の移動中にそ
れぞれ部品把持位置P1、部品取り付け位置P2に向け
ての水平方向の移動も同時に行なうのである。また、S
軸5も部品把持位置P1、部品取り付け位置P2での垂
直方向の移動中に、第2軸2延長方向に第1アーム13
の回動に伴う量を補正するように駆動され、第2軸2方
向において第3アーム15を鉛直に移動させるようにし
ている。
【0028】ここで、部品把持位置P1において部品を
把持した状態(第3アーム15が一番下方にある状態)
から目標点である部品取り付け位置P2へ移動する際
に、第1アーム13の第1軸1まわりの回動動作と連動
して、第2アーム14は部品把持部16の位置が目標点
に近づく方向に第2軸2まわりに回動する(図4(B)
では時計回りの向き)。同様に、部品取り付け位置P2
から部品把持位置P1まで移動する際も、第1アーム1
3の第1軸1まわりの回動動作と連動して、第2アーム
14は部品把持部16の位置が目標点に近づく方向に第
2軸2まわりに回動する(図4(B)では反時計回りの
向き)。さらに、第3アーム15は第2軸2および第3
軸3により常に鉛直下方向に向くように姿勢が保持され
ており、軌跡41に示すように部品把持部16は目標点
において飛び込むように移動するのであるから、部品把
持位置P1近傍および部品取り付け位置P2近傍におい
て、他の部材と干渉を起こすことなく移動することがで
きる。
【0029】図5はこの実施例の各軸の加減速パターン
を示す図であり、横軸に時間、縦軸に速度を取ってい
る。図5において符号42はS軸5の加減速パターン、
符号43は第2軸2の加減速パターン、符号44は第1
軸1、第4軸4のうち遅い方の軸の加減速パターンであ
る。このような加減速パターンを採用した場合、1サイ
クル時間はもっとも遅い軸の移動時間で決定されるの
で、従来のスカラ型ロボット、円筒座標ロボットのよう
に鉛直方向軸の動作が終了するまで他軸が静止している
必要がなく、全軸が同時に目標点に向かって移動でき、
高速移動が可能になる。さらに、図5のような加減速パ
ターンを採用した場合、1サイクル中において時間的に
連続して行なう加速減速の回数は実質的に2回ですむこ
とになるので、従来のスカラ型ロボットの構成で採用し
ていた、水平方向に2回、鉛直方向に4回の加速減速を
行なう場合に比べて、アームの移動時間に占める加速減
速に要する時間を著しく短縮することができる。
【0030】また、従来のスカラ型ロボットにおいては
図9(A)に示したように水平面内の移動の際、インナ
アーム73とアウタアーム75が同一方向に回動するた
め、アウタアーム75の回動の影響をインナアーム73
が受けることになり、アウタアーム75の回動トルクの
反力に打ち勝ってさらにインナアーム73自体が回動す
るためにインナアーム駆動用モータに大容量のものが必
要になる。これに対し、本実施例の多関節ロボットにお
いては2点間の移動の際、手先部である第3アーム15
の回動、第2アーム14の回動、第1アーム13の回動
がそれぞれ相手から受ける反力を打ち消す方向に働くた
め、第1アーム13を回動させるための第1軸モータ3
2の容量が小さくて済むことになる。
【0031】図6は部品を把持する最下位置から垂直上
方向に移動する際の各アームの状態を示す図である。図
6において第2アーム14が時計回りに回動すると、第
3アーム15は垂直下向きを維持するため第3軸3を中
心にして反時計方向に回動するので、第2アーム14の
受ける回動トルクは減少する方向になる。また、第1ア
ーム13は矢印Xで示すように、水平方向に回動するこ
とにより部品取り付け位置P2に向かって移動するが、
その時、第2アーム14は時計回りに回動するため第1
アーム13が受ける回動トルクは減少する方向となる。
このように回動トルクが一番大きくなる加速時、減速時
において、アームの回動トルクが減少する方向に各アー
ムが回動するので、結果的に第1軸モータ32の負荷を
減らすことができ、ひいては高速移動を達成することが
できる。
【0032】さらに、図1に示す多関節ロボットではス
プラインとボールネジが一体化された一体型シャフト2
0によってS軸5の直線運動および第2軸2の回動動作
を同時に行なうように構成しているので、重量の大きい
S軸モータ24および第2軸モータ23をそれぞれ第1
軸1の近傍に設けることが可能となり、従来のスカラ型
ロボットの構成に比べて、動力伝達系のイナーシャを小
さくすることができるとともに、第1軸モータ32の負
荷がをさくすることができる。したがって、一層ロボッ
トの高速移動が効率良く達成できることになる。
【0033】
【実施例2】図7は本発明の多関節ロボットの他の実施
例を示す斜視図、図8はそのスケルトン表示図である。
この多関節ロボットは基台51に垂直方向に設けられた
第1軸52まわりに回動する第1水平回動アーム53
と、第1水平回動アーム53の先端部に設けられ、第1
軸52と平行な第2軸54まわりに回動する第2水平回
動アーム55と、第2水平回動アーム55の先端部に設
けられ、第2水平回動アーム55の延長方向に平行な第
3軸56まわりに回動する第3回動アーム57と、第3
回動アーム57の先端部に設けられ、第3軸56と平行
な第4軸58まわりに回動する第4回動アーム59と、
第4回動アーム59の先端部に設けられ、第4回動アー
ム59の延長方向に平行な第5軸60まわりに回転され
ることにより、部品を把持する部品把持部61とを有し
ている。なお、図示していないが、第3軸56と第4回
動アームとは、第3軸56に取り付けられたタイミング
プーリ、第4回動アーム59の基部に取り付けられたタ
イミングプーリ、および両プーリ間にかけられたタイミ
ングベルトによって連動されており、第3回動アーム5
7の垂直方向の回動にかかわらず、部品把持部61を常
に鉛直下向き方向に保つように構成されている。
【0034】つまり、この実施例の多関節ロボットは、
スカラ型ロボットに採用される水平面内2次元の動きを
するインナアーム(第1水平回動アーム53)およびア
ウタアーム(第2水平回動アーム55)の構成に、アウ
タアームの延長方向と直交する面内において回動自在に
取り付けられた第3回動アーム57と、第3回動アーム
57に取り付けられ、第3回動アーム57の回動にかか
わらず、常に鉛直下向きの姿勢を維持する第4アーム5
9を備えた構成となっている。したがって、図1に示す
多関節ロボットにおける、第1軸1とS軸5の駆動によ
る水平面内2次元方向の位置移動は、第1水平回動アー
ム53と第2水平回動アーム55の水平方向の回動によ
り実現できるのであるから、この実施例の多関節ロボッ
トの構成においても、第3回動アーム57の鉛直方向
(第1軸52方向)の移動の際に第1水平回動アーム5
3、第2水平回動アーム55が同時に移動を開始でき
て、しかも目標点に近づける動きを行なうように動作を
設定すれば、前記第1実施例と同様の効果が得られる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、目標
地点への第2回動腕の水平方向の移動および垂直方向の
移動を所定腕の水平移動動作と第1回動腕の回動動作の
協調動作で行なうので、目標地点間への移動に要する時
間を著しく減らすことができ、従来の構成のロボットに
比べて高速動作を可能にすることができるという特有の
効果を奏する。
【0036】請求項2の発明は、前記所定腕が、基台に
保持されるとともに水平方向に回動自在かつ水平方向に
スライド自在な回動スライド腕となっているので、水平
面内2次元の移動が簡単にかつ早く行なえ、高速動作が
可能になるとともに、目標地点に移動するための第2回
動腕の動きが簡単になり、多関節ロボットの制御が簡単
になるという特有の効果を奏する。
【0037】請求項3の発明も前記所定腕が水平面内2
次元の移動を達成でき、高速動作可能な多関節ロボット
を提供できるという特有の効果を奏する。請求項4の発
明は、従来のスカラ型ロボットに比べて動力伝達系全体
のイナーシャを小さくすることができるとともに、回動
スライド腕を回動させるモータにかかる負荷を小さくす
ることができ、結果的にアームの高速移動が可能になる
という特有の効果を奏する。
【0038】請求項5の発明は、重量の大きいスプライ
ン係合部と係合する係合部の駆動用モータおよびボール
ネジ係合部に係合する係合部の駆動用モータを回動スラ
イド腕の回動軸近傍に設けることにより、回動スライド
腕を回動させるモータの負荷を小さくでき、結果的にア
ームの高速移動が可能になるという特有の効果を奏す
る。
【0039】請求項6の発明は、所定腕の加速、減速時
において、目標地点への第2回動腕の移動のための第1
回動腕の回動と協調して、所定腕の回動トルクを低減す
る向きに所定腕が回動されるのであるから、所定腕を回
動するモータの容量が小さくてすみ、ひいてはアームの
高速移動が可能になるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の多関節ロボットの一部
断面正面図である。
【図2】この発明の第1実施例の多関節ロボットの手先
部の動きを示す図である。
【図3】この発明の第1実施例の多関節ロボットのスケ
ルトン表示図である。
【図4】(A)はスカラ型ロボットをスケルトン表示し
た平面図、(B)は第2アームと第3アームの運動を示
した側面図、(C)は1サイクルにおけるアームの移動
を示す図である。
【図5】この発明の第1実施例の各軸の加減速パターン
の一例を示す図であり、横軸に時間、縦軸に速度を取っ
て示した図である。
【図6】この発明の第1実施例の各アームの動きを説明
するための図である。
【図7】本発明の多関節ロボットの他の実施例を示す斜
視図である。
【図8】本発明の多関節ロボットの他の実施例のスケル
トン表示図である。
【図9】従来のスカラ型ロボットの一構成例を示す正面
図である。
【図10】(A)は従来のスカラ型ロボットをスケルト
ン表示した平面図、(B)は垂直移動アームの上下運動
を示した側面図、(C)は垂直移動アームおよびアウタ
アームの移動順序を示す図である。
【図11】スカラ型ロボットの各アームの加減速パター
ンを横軸に時間、縦軸に速度を取って示した図である。
【符号の説明】 11 基台 13 第1アーム 14 第2アーム 15 第3アーム 20 一体型シャフト 21 スプラインナット 22 ボールネジナット 23 第2軸モータ 24 S軸モータ 51 基台 53 第1水平回動アーム 55 第2水平回動アー
ム 57 第3回動アーム 59 第4回動アーム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも水平方向に移動自在に保持さ
    れた所定腕(13)(53)(55)と、所定腕(1
    3)(53)(55)の所定位置に設けられるととも
    に、所定腕(13)(53)(55)の延長方向に対し
    て直交する面内において回動自在に保持された第1回動
    腕(14)(57)と、第1回動腕(14)(57)の
    所定位置に回動自在に取り付けられるとともに、第1回
    動腕(14)(57)の回動にかかわらず、その姿勢を
    垂直方向に保持する第2回動腕(15)(59)とを備
    えてあり、目標地点への第2回動腕(15)(59)の
    水平方向の移動および垂直方向の移動を所定腕(13)
    (53)(55)の水平移動動作と第1回動腕(14)
    (57)の回動動作の協調動作で行なうことを特徴とす
    る多関節ロボット。
  2. 【請求項2】 前記所定腕(13)が、基台(11)に
    保持されるとともに水平方向に回動自在かつ水平方向に
    スライド自在な回動スライド腕(13)である請求項1
    に記載の多関節ロボット。
  3. 【請求項3】 前記所定腕(53)(55)が、基台
    (51)に保持された水平方向に回動自在な第1支持腕
    (53)と、第1支持腕(53)の所定位置に水平方向
    に回動自在に保持された第2支持腕(55)とで構成さ
    れる請求項1に記載の多関節ロボット。
  4. 【請求項4】 回動スライド腕(13)がスプライン係
    合部とボールネジ係合部を有する複合軸(20)を備
    え、ボールネジ係合部と係合する係合部(22)を駆動
    することにより回動スライド腕(13)のスライド移動
    を行ない、スプライン係合部と係合する係合部(21)
    を駆動することにより第1回動腕(14)の回動動作を
    行なう請求項2に記載の多関節ロボット。
  5. 【請求項5】 スプライン係合部と係合する係合部(2
    1)の駆動用モータ(23)およびボールネジ係合部に
    係合する係合部(22)の駆動用モータ(24)を回動
    スライド腕(13)の回動軸(1)近傍に設けた請求項
    4に記載の多関節ロボット。
  6. 【請求項6】 所定腕(13)(53)(55)の加
    速、減速時において、目標地点への第2回動腕(15)
    (59)の移動のための第1回動腕(14)(57)の
    回動と協調して、所定腕(13)(53)(55)の回
    動トルクを低減する向きに所定腕(13)(53)(5
    5)が回動される請求項2または請求項3に記載の多関
    節ロボット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010208702A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Denso Wave Inc 搬送装置
WO2020143955A1 (de) * 2019-01-09 2020-07-16 Kuka Deutschland Gmbh Patientenpositioniervorrichtung und medizinischer arbeitsplatz
JPWO2021075031A1 (ja) * 2019-10-17 2021-04-22

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