JPH06285620A - ろう付け接合体及びその接合方法 - Google Patents

ろう付け接合体及びその接合方法

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JPH06285620A
JPH06285620A JP9505093A JP9505093A JPH06285620A JP H06285620 A JPH06285620 A JP H06285620A JP 9505093 A JP9505093 A JP 9505093A JP 9505093 A JP9505093 A JP 9505093A JP H06285620 A JPH06285620 A JP H06285620A
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JP
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brazing
joining
processed shape
brazing material
metal
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JP9505093A
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English (en)
Inventor
Futoshi Kuroda
太 黒田
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、接合面から加工形状へのろう材の
はみ出しを阻止することができるろう付け接合体及びそ
の接合方法を提供する。 【構成】 本発明は、穴部の内径、外形形状等の所定の
加工形状7を有する第1部材1の接合面5と第1部材1
に対応する加工形状を有する第2部材2の接合面との間
にろう材4を介在させると共に、加工形状7に対応する
加工形状を有する延性金属部材3を、第1部材1と第2
部材2との接合面5,6間に配置し、延性金属部材3か
ら加工形状外へろう材4がはみ出すのを阻止するもので
ある。従って、第1部材1と第2部材2との接合後にろ
う材4の除去加工が不要になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、第1部材と第2部材
とがろう材を用いて互いに接合されているろう付け接合
体及びその接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、第1部材と第2部材とを箔又は
ペーストのろう材を用いて互いに接合する場合に、第1
部材と第2部材と接合面間にろう材を配置し、ろう材の
液相点以上に加熱し、ろう材を液相にして接合してい
る。
【0003】また、実開昭60−121456号公報に
は、ろう付け構造が開示されている。該ろう付け構造
は、ろう付けされる一対の部材が水平方向へ伸びる面を
境にして上下に対向して配置され、上方の部材の下面に
切欠部が形成され、該切欠部に線ろう材が配置されてお
り、一対の部材の境に前記線ろう材が溶けて流れ込む隙
間を形成したものである。
【0004】また、実開昭62−21403号公報に
は、セラミックスと金属の接合構造が開示されている。
該セラミックスと金属の接合構造は、セラミックスと金
属の各接合面を突き合わせてろう付けするものであり、
セラミックス又は金属の接合面の外端部にろう材の厚さ
を決定する凸部を形成したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、部材同
志をろう付けするには、ろう材を液相になるまで加熱す
るため、両部材を接合した後に、接合部の外周或いは内
周付近に溶けたろう材が流れ出して該ろう材が付着して
しまうことがある。そのため、はみ出したろう材を除去
する加工が必要になるケースが多々発生する。また、管
状部材同志をろう付けする場合には、外周にはみ出した
ろう材は機械加工によって除去できるが、内径にはみ出
したろう材は形状によっては除去できないろう付け接合
体がある。更に、ろう材が流れ出すため、ろう材の塑性
が変化し、接合強度にばらつきが発生するという問題も
ある。
【0006】前掲実開昭62−21403号公報に開示
されたセラミックスと金属の接合構造は、凸部によって
ろう材のはみ出しを規制できるが、凸部は接合する金属
部材であって硬い材料であるので、接合時に変形は不可
能であり、接合される相手材との接合状態が隙間なく密
着できない恐れが発生するものである。
【0007】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、部材間で部材の加工形状からはみ
出させたくない加工形状に対して、該加工形状に対応す
る延性金属部材を配置し、ろう材を延性金属部材で加工
形状を囲うことによってろう材のはみ出しを阻止できる
ものであり、好ましくは延性金属部材はろう材とほぼ同
一厚さに形成して、両部材に荷重を負荷しても延性金属
部材からろう材がはみ出さないように構成したろう付け
接合体及びその接合方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、予め定められた加工形状を有する第1部材
と該第1部材に対応する加工形状を有する第2部材との
接合面間にろう材を介在させて接合した接合体におい
て、前記加工形状に対応する加工形状を有し且つ前記加
工形状外へ前記ろう材がはみ出すのを阻止する延性金属
部材が前記第1部材と前記第2部材との前記接合面間に
配置されていることを特徴とするろう付け接合体に関す
る。
【0009】また、このろう付け接合体において、前記
第1部材は燃料噴射ノズルを構成する金属製ノズル本体
であり、前記第2部材は前記ノズル本体に接合されるセ
ラミック製ノズルチップであり、前記延性金属部材は前
記ノズル本体と前記ノズルチップとに形成された燃料通
路の内径に対応する加工形状を有するリング形状であ
る。
【0010】又は、このろう付け接合体において、前記
第1部材は金属製シリンダブロックであり、前記第2部
材は前記シリンダブロックの孔に嵌合されるセラミック
製シリンダライナであり、前記延性金属部材は前記シリ
ンダブロックと前記シリンダライナとに形成したシリン
ダに対応する加工形状を有するリング形状である。
【0011】或いは、この接合体において、前記第1部
材はタペットを構成する金属製タペット本体であり、前
記第2部材は前記タペット本体の端面に接合されるセラ
ミック製プレートであり、前記延性金属部材は前記タペ
ット本体と前記プレートの外形形状に対応する加工形状
を有するリング形状である。
【0012】或いは、この発明は、予め定められた加工
形状を有する第1部材と該第1部材に対応する加工形状
を有する第2部材との接合面間にろう材を介在させて前
記第1部材と前記第2部材とを加熱接合する接合方法に
おいて、前記加工形状に対応する加工形状を有する延性
金属部材を前記第1部材と前記第2部材との前記各加工
形状に整合させて配置すると共に、前記各接合面間にろ
う材を配置して加熱接合することを特徴とするろう付け
接合方法に関する。
【0013】また、このろう付け接合方法において、前
記第1部材と前記第2部材間での前記延性金属部材の厚
さは前記ろう材とほぼ同一厚さに形成され、前記第1部
材と前記第2部材とを接合するための荷重が前記延性金
属部材で受けて前記ろう材に負荷されないものである。
【0014】
【作用】この発明によるろう付け接合体及びその接合方
法は、上記のように構成されており、次のように作用す
る。即ち、この発明は、第1部材と第2部材との加工形
状に対応する加工形状を有する延性金属部材が前記加工
形状外へろう材がはみ出すのを規制するように前記第1
部材と前記第2部材との各接合面間に配置されて接合さ
れているので、前記ろう材が接合時に液状化しても前記
延性金属部材によって加工形状が囲まれており、ろう材
の流れ出して加工形状外へはみ出すことがない。また、
ろう材の厚さと同一の厚さを有する前記延性金属部材を
接合面間に配置すれば、前記ろう材に荷重が加わること
がなく、前記ろう材が液状化しても押し出されることが
なく、前記ろう材のはみ出しは防止される。従って、接
合後の接合体に対して、ろう材の除去可能は必要なく、
しかも接合層の組成の変成が発生せず、接合強度を低下
することなく、接合体の品質がばらつきなく安定した部
品を提供できる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明によるろう
付け接合体及びその接合方法の実施例を説明する。図1
はこの発明によるろう付け接合方法の一実施例を示す分
解斜視図である。
【0016】この発明によるろう付け接合方法で接合し
た接合体は、穴部の内径、外形形状等の予め決められた
(所定の)加工形状7を有する第1部材1の接合面5
と、第1部材1に対応する加工形状を有する第2部材2
の接合面6との間にろう材4を介在させると共に、各加
工形状に対応する加工形状を有する延性金属部材3を、
加工形状外へろう材4がはみ出すのを規制するように第
1部材1と第2部材1との接合面5と6と間に配置して
いるものである。延性金属部材3の材料としては、C
u,Ni,Al,Fe等の金属である。
【0017】この発明によるろう付け接合方法は、穴部
の内径、外形形状等の所定の加工形状7を有する第1部
材1の接合面5と第1部材1に対応する加工形状(この
場合は平面形状)を有する第2部材2の接合面6との間
にろう材4を介在させると共に、第1部材1の加工形状
7に対応する加工形状を有する延性金属部材3を第1部
材1と第2部材2との加工形状7に整合させて配置する
と共に、延性金属部材3でろう材4を囲んだ状態に配置
し、その状態で第1部材1と第2部材2とに荷重を加え
て延性金属部材3を密着させ、ろう材4及び各部材1,
2,3を高周波コイル等で加熱し、ろう材4を流動化さ
せて第1部材1と第2部材2とに対して反応させて接合
するものである。この接合に当たって、第1部材1と第
2部材2との間に配置した延性金属部材3の厚さは、ろ
う材4とほぼ同一厚さに形成しておくと共に、延性金属
部材3とろう材4とが重なり合わない状態に設定する。
【0018】このろう付け接合方法において、加工形状
について、第1部材1に形成された加工形状7は直径φ
αの円形である。従って、延性金属部材3の加工形状
は、外径φαに形成し、ろう材4の接合面積を考慮する
と共にろう材4を囲む状態にするため、内径をφβにし
たリングに形成されている。従って、ろう材4は外径φ
β以下の円板の形状に形成する。しかも、延性金属部材
3とろう材4との厚さを同一に形成する。
【0019】第1部材1、第2部材2、延性金属部材3
及びろう材4を、上記のようなサイズ、形状等の加工形
状に形成すると共に、上記位置関係に設定した状態で、
第1部材1と第2部材2とに対して荷重を加え、高周波
コイル等で加熱してろう材4を延性金属部材3内で液相
にして第1部材1と第2部材2とを接合する。延性金属
部材3とろう材4との厚さを同一であるので、延性金属
部材3には荷重が負荷され、延性金属部材3は第1部材
1と第2部材2とに密着する。しかしながら、ろう材4
は加熱時に液相になり、ろう材4には荷重がほとんどか
からないので、ろう材4がリング状延性金属部材3から
流れ出てたり、押し出されたりすることがなく、延性金
属部材3の外側にはみ出すことがない。なお、このろう
付け接合方法で接合された接合体は、延性金属部材3は
第1部材1と第2部材2とに接合されていない状態であ
るので、延性金属部材3の分だけ接合強度は低下する
が、そのことを留意しておく必要がある。
【0020】次に、図2を参照して、この発明によるろ
う付け接合体及びその接合方法について説明する。この
実施例では、第1部材としての外径φ10で且つ長さ2
0mmのSi3 4 セラミックスから成る円筒体11
と、第2部材2としての中央に内径φ3.5で且つ深さ
5mmの凹部17の加工形状が形成され且つ外径φ10
で且つ長さ20mmの炭素鋼S50Cから成る円筒体1
2とを接合するものである。この場合に、延性金属部材
としては、円筒体12の凹部17にろう材14が入り込
まないように、凹部17を覆うように形成された外径φ
5で且つ厚さ0.04mmの銅Cuから成る円板状延性
金属部材13を用いる。従って、ろう材としては、内径
φ5、外径φ10及び厚さ0.04mmのAg−Cu−
Ti系のろう材14を用いる。この場合に、ろう材14
と円板状延性金属部材13とが重ならないように、ろう
材14と円板状延性金属部材13とを、円筒体11と円
筒体12との接合面15,16の間に配置する。これら
を位置設定した後、円筒体11、円筒体12及び両者間
の円板状延性金属部材13に約1kgの荷重を加えて高
周波コイル等で加熱し、ろう材14を延性金属部材13
外で液相にして円筒体11と円筒体12とを接合する。
【0021】円筒体11と円筒体12との接合後、接合
断面を観察したところ、円筒体12の凹部17には、ろ
う材14は流れ込んでいなく、且つ、円筒体11,12
と円板状延性金属部材13との間にもろう材14は侵入
していなかった。また、接合体については、円筒体1
1,12の外周には、ろう材14ははみ出していたが、
延性金属部材13を用いない接合体のものに比較して少
ない状態であった。
【0022】次に、図3,図4及び図5を参照して、こ
の発明によるろう付け接合体及びその接合方法の更に別
の実施例を説明する。図3は燃料噴射ノズルの構成部品
を示す分解図、図4はこの発明によるろう付け接合方法
を燃料噴射ノズルに適用した実施例を示す分解斜視図、
及び図5はこの発明によるろう付け接合体を燃料噴射ノ
ズルに適用した実施例を示す断面図である。
【0023】このろう付け接合体及びその接合方法は、
金属から作製した金属製ノズル本体21(第1部材)
と、セラミックスから作製したセラミック製ノズルチッ
プ22(第2部材)とを接合面25,26で接合する燃
料噴射ノズルに適用したものである。ノズルチップ22
には、単孔又は多噴口の噴口28が形成されており、燃
料通路の内径を有する加工形状27が形成されている。
ノズル本体21には、ノズルチップ22の加工形状27
に整合する加工形状27が形成されている。この燃料噴
射ノズルでは、その外周面へのろう材24のはみ出しは
ほとんど支障ないが、燃料通路となる内径の加工形状2
7へのろう材24のはみ出しは燃料の流れを阻害するの
で許されないものである。そこで、ノズル本体21とノ
ズルチップ22との加工形状27に、ろう材24がはみ
出さないように、リング状延性金属部材23を接合面2
5,26との間に介在させる。図5には、ノズル本体2
1、ノズルチップ22、リング状延性金属部材23及び
ろう材24の設置状態が示されている。このろう付け接
合方法は、上記の場合と同様に加熱接合するものである
ので、その説明は省略する。
【0024】更に、図6を参照して、この発明によるろ
う付け接合体及びその接合方法の他の実施例を説明す
る。図6はこの発明によるろう付け接合体をシリンダラ
イナとシリンダブロックとの接合に適用した実施例を示
す断面図である。
【0025】このろう付け接合体及びその接合方法は、
金属から作製した金属製シリンダブロック31(第1部
材)と、セラミックスから作製したセラミック製シリン
ダライナ32(第2部材)とを接合面35,36で接合
したエンジンに適用したものである。シリンダライナ3
2は、フリクションが小さく且つ耐摩耗性に富んだセラ
ミックスで作製されている。シリンダブロック31とシ
リンダライナ32とに形成される加工形状のシリンダ3
7は、精度が要求されるものである。そこで、シリンダ
ブロック31とシリンダライナ32とに形成されるシリ
ンダ37に対応する加工形状を有するリング状延性金属
部材33を接合面35,36間に介在させ、リング状延
性金属部材33の外周側にろう材34を配置し、両者を
加熱接合する。
【0026】この場合、リング状延性金属部材33を用
いないで、シリンダブロック31にシリンダライナ32
をろう材34で接合した場合には、ろう材34がシリン
ダ37より内側にはみ出してしまう。そこで、ろう材3
4のはみ出しを除去する加工をおこなうと、シリンダラ
イナ32は、耐摩耗性に富んだセラミックスで作製され
ているので、加工精度を要求されると極めて困難な加工
になる。これに対して、この発明によるろう付け接合方
法によって、シリンダブロック31とシリンダライナ3
2とを接合すれば、リング状延性金属部材33の機能に
よってろう材34はシリンダ37側へははみ出すことが
ないので、極めて良好な接合体を得ることができる。
【0027】また、図7及び図8を参照して、この発明
によるろう付け接合体及びその接合方法の更に他の実施
例を説明する。図7はこの発明によるろう付け接合体を
タペットに適用した実施例を示す断面図、及び図8はこ
の発明によるろう付け接合方法をタペットに適用した実
施例を示す分解斜視図である。
【0028】エンジンに使用されるタペットはカムと接
する摺動部品であるが、摺動部の摩耗が問題になり、耐
摩耗性を要求される。そこで、タペットには、タペット
本体41(第1部材)において摺動部となる部分にはセ
ラミックスから作製されたプレート42(第2部材)が
接合されている。このタペット本体41とプレート42
との接合には、ろう材44が用いられている。そこで、
このろう付け接合方法は、タペット本体41とプレート
42との接合で外周側にろう材44がはみ出すのを阻止
するため、タペット本体41とプレート42との外形の
加工形状47に対応する加工形状を有する延性金属部材
43をリング状に形成し、ろう材44を延性金属部材4
3内に収容できる円板状に形成する。ろう材44は、リ
ング状延性金属部材43の内側に配置されるので、タペ
ット本体41とプレート42との接合面45,46の間
のリング状延性金属部材43と円板状ろう材44を介在
させ、タペット本体41とプレート42とに荷重を加え
て加熱接合する。従って、ろう材44は、タペット本体
41とプレート42との外周面の加工形状47に、はは
み出すことがない。
【0029】しかしながら、従来のように、延性金属部
材43を用いないで、タペット本体41とプレート42
と単にろう材44が用いて接合した場合には、ろう材4
4がタペット本体41とプレート42との外周にはみ出
してしまい、ろう材44のはみ出しを除去しなければな
らない。ろう材44の除去加工は、ろう材44のみを除
去するのは困難であるため、タペット本体41とプレー
ト42との外周面全体を研削加工することになる。この
研削加工は、ダイヤモンド砥石によって行われるが、加
工コストが高くなり、製造コストをアップすることにな
る。
【0030】
【発明の効果】この発明によるろう付け接合体及びその
接合方法は、上記のように構成されており、次のような
効果を有する。即ち、このろう材による接合体は、穴部
の内径、外形形状等の予め決められた加工形状を有する
第1部材と第2部材との加工形状に対応する加工形状を
有する延性金属部材が、加工形状外へろう材がはみ出す
のを規制するように各接合面間に配置されているので、
第1部材と第2部材とを加熱接合する際に、ろう材が液
状になっても加工形状外へはみ出すことがなく、接合体
からろう材を除去加工する必要がなく、加工コストを低
減できる。
【0031】また、この接合方法は、第1部材と第2部
材とを接合した接合体に対して、後加工のできないよう
な箇所で且つろう材のはみ出しが加工精度上問題になる
ような部品に最適なものである。また、接合時に、ろう
材が溶融した状態で、延性金属部材が介在しているので
ろう材には荷重が加わることがない。接合時における荷
重は延性金属部材が受け持ち、ある程度変形するが、接
合層の厚さが延性金属部材の厚さとほぼ同一になる。
【0032】これに対して、従来の接合方法では、ろう
材が流れ出した分、接合層の厚さが薄くなったり、ま
た、偏荷重がかかっていると、接合層厚さが不均一にな
ったりしたが、この発明による接合方法は、接合層厚さ
をコントロールすることができ、接合体の寸法、接合精
度等を品質管理でき、また、接合体が傾斜等の変形状態
で接合されることがない。
【0033】従来の接合方法では、ろう材の流れ出しに
よって、ろう材の組成が変成し、接合部分の品質が悪化
し、接合強度が低下することがあった。これに対して、
この接合方法では、ろう材の流れ出しがないので、ろう
材の組成が変化せず、接合層が安定しており、接合強度
が低下することなく、しかも接合体の品質にばらつきが
小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるろう付け接合方法の一実施例を
示す分解斜視図である。
【図2】この発明によるろう付け接合方法の別の実施例
を示す分解斜視図である。
【図3】燃料噴射ノズルの構成部品を示す分解図であ
る。
【図4】この発明によるろう付け接合方法を燃料噴射ノ
ズルに適用した実施例を示す分解斜視図である。
【図5】この発明によるろう付け接合体を燃料噴射ノズ
ルに適用した実施例を示す断面図である。
【図6】この発明によるろう付け接合体をシリンダライ
ナとシリンダブロックとの接合に適用した実施例を示す
断面図である。
【図7】この発明によるろう付け接合体をタペットに適
用した実施例を示す断面図である。
【図8】この発明によるろう付け接合方法をタペットに
適用した実施例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1,11 第1部材 2,12 第2部材 3,13,23,33,43 延性金属部材 4,14,24,34,44 ろう材 5,15,25,35,45 接合面 6,16,26,36,46 接合面 7,47 加工形状 17 凹部(加工形状) 21 ノズル本体(第1部材) 22 ノズルチップ(第2部材) 27 燃料通路(加工形状) 31 シリンダブロック(第1部材) 32 シリンダライナ(第2部材) 37 シリンダ(加工形状) 41 タペット本体(第1部材) 42 プレート(第2部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02F 1/08 B 8503−3G F02M 61/18 360 D 7604−3G

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定められた加工形状を有する第1部
    材と該第1部材に対応する加工形状を有する第2部材と
    の接合面間にろう材を介在させて接合した接合体におい
    て、前記加工形状に対応する加工形状を有し且つ前記加
    工形状外へ前記ろう材がはみ出すのを阻止する延性金属
    部材が前記第1部材と前記第2部材との前記接合面間に
    配置されていることを特徴とするろう付け接合体。
  2. 【請求項2】 前記第1部材は燃料噴射ノズルを構成す
    る金属製ノズル本体であり、前記第2部材は前記ノズル
    本体に接合されるセラミック製ノズルチップであり、前
    記延性金属部材は前記ノズル本体と前記ノズルチップと
    に形成された燃料通路の内径に対応する加工形状を有す
    るリング形状であること特徴とする請求項1に記載のろ
    う付け接合体。
  3. 【請求項3】 前記第1部材は金属製シリンダブロック
    であり、前記第2部材は前記シリンダブロックの孔に嵌
    合されるセラミック製シリンダライナであり、前記延性
    金属部材は前記シリンダブロックと前記シリンダライナ
    とに形成したシリンダに対応する加工形状を有するリン
    グ形状であること特徴とする請求項1に記載のろう付け
    接合体。
  4. 【請求項4】 前記第1部材はタペットを構成する金属
    製タペット本体であり、前記第2部材は前記タペット本
    体の端面に接合されるセラミック製プレートであり、前
    記延性金属部材は前記タペット本体と前記プレートの外
    形形状に対応する加工形状を有するリング形状であるこ
    と特徴とする請求項1に記載のろう付け接合体。
  5. 【請求項5】 予め定められた加工形状を有する第1部
    材と該第1部材に対応する加工形状を有する第2部材と
    の接合面間にろう材を介在させて前記第1部材と前記第
    2部材とを加熱接合する接合方法において、前記加工形
    状に対応する加工形状を有する延性金属部材を前記第1
    部材と前記第2部材との前記各加工形状に整合させて配
    置すると共に、前記各接合面間にろう材を配置して加熱
    接合することを特徴とするろう付け接合方法。
  6. 【請求項6】 前記第1部材と前記第2部材間での前記
    延性金属部材の厚さは前記ろう材とほぼ同一厚さに形成
    され、前記第1部材と前記第2部材とを接合するための
    荷重が前記延性金属部材で受けて前記ろう材に負荷され
    ないこと特徴とする請求項5に記載のろう付け接合方
    法。
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