JPH0628480Y2 - 加圧式充填機の圧力制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、内容物をエア等によって加圧して容器内に充
填する加圧式充填機に係り、特にその圧力を制御する装
置に関するものである。

〔従来の技術〕

加圧式充填機は、マヨネーズ等の高粘度の流体を容器内
に充填する場合に用いられており、充填する際の時間当
り流量を一定にするために、加圧されて容器への充填部
迄供給される内容物の供給圧力を測定し、この圧力が予
め定められた値に維持されるようにエア等による加圧力
を調節している。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記充填機で高粘度の流体を充填する場合に、液の種類
によっては連続して流体が流れている状態と、流れが停
止している状態の粘度を比較すると、後者（停止状態）
のほうが粘度が大きくなる場合がある。そのため、充填
部迄供給されている内容物の圧力が一定の値に維持され
るように加圧力を調節していると、停止後の再スタート
時には流量が少なくなってしまう。その結果、充填量の
不足や、容器内にエアを巻き込んで容器側面にしまが発
生する等の問題があった。

本考案はこのような欠点を除くためになされたもので、
停止後の再スタート時にも連続充填時と同一の時間当り
流量を得ることができる加圧式充填機の圧力制御装置を
提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る加圧式充填機の圧力制御装置は、容器内に
充填される内容物を収容する加圧タンクと、この加圧タ
ンクの内容物を加圧して充填手段に供給する加圧手段
と、加圧タンクから供給された内容物を容器内に充填す
る充填手段と、充填手段を介して充填される内容物の供
給圧力を測定する測定手段と、この測定手段による測定
値が予め設定された一定の値に維持されるように上記加
圧手段の加圧力を調節する調節手段とを備えており、さ
らに、上記調節手段によって維持される設定圧力を変更
する設定圧力変更手段を設けたものである。

〔作用〕

本考案に係る加圧式充填機の圧力制御装置は、充填機が
一定時間停止した後の再スタート時に、設定圧力変更手
段によって上記設定圧力をより高い圧力に変更すること
により、再スタート時の充填能力不足が解消される。

〔実施例〕

以下、図示実施例により本考案を説明する。図は本考案
の一実施例に係る充填機の圧力制御装置の回路図であ
る。図において、(2)は加圧タンクであり、容器内に充
填されるマヨネーズ等の内容物(4)が、貯蔵タンク(6)か
らポンプ(8)によって送られて収容される。この加圧タ
ンク(2)内には、エア供給手段(10)から加圧エア(12)が
送られ、その内部に収容されている内容物(4)が配管(1
4)を介してフィラ(16)に供給される。

フィラ(16)に供給される内容物の供給圧力は、配管(14)
に設けられた圧力センサ(18)によって測定され指示調節
計(20)に送られる。指示調節計(20)には、予め設定され
た値が入力されており、上記圧力センサ(18)によって測
定される値が常にこの設定値に一致するように、エア供
給手段(10)から加圧タンク(2)に送られるエアの圧力を
調節する。

さらにこの指示調節計(20)には、外部設定器(22)が取り
付けられており、指示調節計(20)の設定値と、この外部
設定器(22)に入力しておいたより大きい設定値とを切り
替えることができるようになっている。

上記構成に係る充填機の作動について説明する。加圧タ
ンク(2)から内容物が連続的にフィラ(16)に供給されて
充填が行なわれている場合には、圧力センサ(18)によっ
て測定される値が指示調節計(20)に入力されている設定
値に常に一致するように、加圧タンク(2)へ送られるエ
アの圧力が調節される。

充填機が一定時間停止した後再スタートする場合には、
指示調節計(20)の設定値を、外部設定器(22)に入力した
おいた値、即ち指示調節計(20)の設定値よりも大きい値
に入れ替える。その後充填が開始され、所定時間経過し
た後、指示調節計(20)で設定した元の値に切り替えて充
填を続ける。このように、停止後の再スタート時には、
連続的に充填を続けている場合よりも大きい供給圧力で
充填を行うので、再スタート時の能力不足を解消するこ
とができ、また、エアの巻き込み、容器のしまの発生等
も防止することができる。

なお、上記実施例では、タイマによって再スタート後所
定時間経過したときに、元の指示調節計(20)の値に復帰
させたが、容器カウンタによって所定本数の充填後元の
設定値に復帰させるようにしても良い。また、外部設定
器(22)を使用せず、入力信号で多段的に設定を変え、停
止した時間により圧力上昇分を変化させ、より流量を安
定させることもできる。また、圧力センサ(18)を配管に
設けず、フィラ(16)内に設けるようにしても良い。さら
に、加圧タンク(2)がフィラ(16)に一体的に組み込まれ
ていても良い。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、停止後の再スタート
時の充填能力不足を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例に係る充填機の圧力制御装置の回
路図である。 (2)……加圧タンク、 (4)……内容物、 (10)……加圧手段、 (16)……充填手段（フィラ）、 (18)……測定手段（圧力センサ）、 (20)……調節手段（指示調節計）、 (22)……設定圧力変更手段（外部設定器）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器内に充填される内容物を収容する加圧
   タンクと、この加圧タンクの内容物を加圧して充填手段
   に供給する加圧手段と、加圧タンクから供給された内容
   物を容器内に充填する充填手段を、充填手段を介して充
   填される内容物の供給圧力を測定する測定手段と、この
   測定手段による測定値が予め設定された一定の値に維持
   されるように上記加圧手段の加圧力を調節する調節手段
   とを備えた充填機の圧力制御装置において、上記調節手
   段によって維持される設定圧力を変更する設定圧力変更
   手段を設け、充填機が一定時間停止した後の再スタート
   時に、設定圧力変更手段によって上記設定圧力をより高
   い圧力に変更することを特徴とする加圧式充填機の圧力
   制御装置。