JPH06281440A - 多次元形状の形状パラメータの測定方法および測定装置 - Google Patents

多次元形状の形状パラメータの測定方法および測定装置

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JPH06281440A
JPH06281440A JP5066439A JP6643993A JPH06281440A JP H06281440 A JPH06281440 A JP H06281440A JP 5066439 A JP5066439 A JP 5066439A JP 6643993 A JP6643993 A JP 6643993A JP H06281440 A JPH06281440 A JP H06281440A
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JP
Japan
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shape
movement amount
theoretical
rotational movement
multidimensional
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Application number
JP5066439A
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English (en)
Inventor
Toyoharu Sasaki
豊春 佐々木
Hideaki Okamoto
英明 岡本
Fumio Ishikawa
文男 石川
Izumi Ito
泉 伊藤
Takeshi Kishinami
健史 岸浪
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 最小自乗法に比べ、最小領域法、最大内接
法、最小外接法による多次元形状の形状パラメータを安
定的に、しかも短時間に求めること。 【構成】 多次元形状の実測形状データに対応する理論
形状を与える第1段階、理論形状と形状データの間の誤
差が小さくなるように、理論形状の並進又は回転移動量
を算出する第2段階、第2段階の算出量をもって理論形
状を並進又は回転させる第3段階、並進移動量と予めし
た設定値又は回転移動量と予めした設定値を比較する第
4段階、第4段階において比較された結果により、再度
第2〜4段階を繰り返す第5段階、第5段階と同様に第
4段階において比較された結果により、その時の形状パ
ラメータ求める第6段階とからなる多次元形状の形状パ
ラメータ測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、形状測定データを基
に、多次元形状の形状パラメータを測定する方法および
測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、検査や測定の現場においては三次
元測定機に代表される座標測定機の普及が著しい。その
理由として、従来のノギスやマイクロメータなどの測定
器に比べて、座標測定機を用いれば、複雑で多種多様な
ワークに対して、高い精度でしかも誰でも簡単にその寸
法、形状を測定することができ、その上フレキシブルな
自動化をも実現することが可能だからである。座標測定
機においては、タッチトリガによる接触式のセンサもし
くは光などを媒体とした非接触式のセンサによりワーク
形状がサンプリングされ、空間的な座標データが形状デ
ータとして電子計算機に入力される。電子計算機におい
ては、その形状データを直線、円、円筒、平面、円錐、
球など、該当する多次元形状を表す方程式に代入し、最
小自乗法により、その形状パラメータ(例えば位置、姿
勢、寸法など)を算出するのが一般的である。 例え
ば、多次元形状として円筒を考えた場合、位置としては
中心軸上の座標、姿勢としては中心軸の方向ベクトル、
寸法としては半径が求められる。これらの評価結果を図
面などに記載された設計形状と比較すれば、その部品が
図面の指示通りに正しく製作されているかどうか判定す
るのは極めて容易である。昨今では電子計算機の高速
化、高機能化、低価格化に拍車がかかり、今後ますます
このような測定方法が主流となっていくのは間違いな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の如き従来技術に
おいて、最小自乗法が採用される理由として、アルゴリ
ズムが単純でプログラムが組み易い、計算時間が速い、
計算の安定性が高い、異常な測定点に対して鈍感である
など、数多くの利点があるためである。しかし、その理
由は計算処理の観点からの理由であり、ワークの機能評
価の観点などからは最小自乗法は最適な測定方法ではな
い。事実、JISにおいては最小自乗法ではなく、最小
領域法、最大内接法、最小外接法による測定方法が規定
されており(JIS B0021、B0022、B06
21−1984)、これはISOやANSIなどにおい
ても同様である。一般的に、同一の形状データであって
も最小自乗法、最小領域法、最大内接法、最小外接法に
より測定される形状パラメータは異なる。しかしなが
ら、従来、最小領域法、最大内接法、最小外接法による
適切な形状パラメータの測定方法や装置が充分に確立さ
れていなかったため、計算時間や安定性の面で問題があ
り、実用上は最小自乗法にしか頼らざるを得なかったの
が実情であった。本発明は、このような問題点を鑑みて
なされたもので、最小領域法、最大内接法、最小外接法
による多次元形状の形状パラメータを安定的に、しかも
短時間に求める測定方法および装置を得ることを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、近年主流とな
っている座標測定機を用いた測定、検査において、真に
その実効を期するには、実用的な最小領域法、最大内接
法、最小外接法による多次元形状の形状パラメータの測
定方法および装置を実現することが最重要課題であると
認識し、鋭意研究の結果、成すに至ったものである。即
ち、本発明は第1に、多次元形状を実測して得られた形
状データに対し、その数学的な理論形状の位置合わせを
行うことにより、前記多次元形状の形状パラメータを求
める測定方法において、前記形状データに対応する、前
記理論形状を与える第1段階と、前記理論形状と前記形
状データの間の誤差が小さくなるように、前記理論形状
の少なくとも並進移動量、もしくは回転移動量を算出す
る第2段階と、算出された、前記並進移動量、もしくは
回転移動量をもって、前記理論形状を並進、もしくは回
転せしめる第3段階と、前記並進移動量とあらかじめ設
定した並進移動量の設定値、もしくは前記回転移動量と
あらかじめ設定した回転移動量の設定値を比較判断する
第4段階と、前記第4段階において、比較判断された結
果により、再度前記第2、第3、第4段階を繰り返す第
5の段階と、前記第5段階と同様に、前記第4段階にお
いて比較判断された結果により、その時の形状パラメー
タ求める第6段階と、を有することを特徴とする多次元
形状の形状パラメータ測定方法を提供する。
【0005】また、本発明は第2に、多次元形状を実測
して得られた形状データに対し、その数学的な理論形状
の位置合わせを行うことにより、前記多次元形状の形状
パラメータを求める測定方法において、前記形状データ
に対応する、前記理論形状を与える第1段階と、前記理
論形状と前記形状データの間の誤差が小さくなるよう
に、前記理論形状の少なくとも並進移動量、もしくは回
転移動量を算出する第2段階と、前記並進移動量とあら
かじめ設定した並進移動量の設定値、もしくは前記回転
移動量とあらかじめ設定した回転移動量の設定値を比較
判断する第3段階と、前記第3段階において、比較判断
された結果により、前記並進移動量もしくは回転移動量
をもって、前記理論形状を並進、もしくは回転せしめ、
再度前記第2段階、第3段階を繰り返す第4段階と、前
記第4段階と同様に前記第3段階において、比較判断さ
れた結果により、その時の形状パラメータを求める第5
段階と、を有することを特徴とする多次元形状の形状パ
ラメータ測定方法を提供する。
【0006】また、本発明は第3に、多次元形状を実測
して得られた形状データに対し、その数学的な理論形状
の位置合わせを行うことにより、前記多次元形状の形状
パラメータを求める測定装置において、前記形状データ
を入力する入力手段(図9の23)と、前記理論形状を
指定する指定手段(図9の33)と、前記理論形状と前
記形状データの間の誤差が小さくなるように前記理論形
状の少なくとも並進移動量もしくは回転移動量を算出す
る演算手段1(図9の30)と、算出された、前記並進
移動量もしくは回転移動量をもって、前記理論形状を並
進、もしくは回転せしめる演算手段2(図9の31)
と、前記並進移動量とあらかじめ設定した並進移動量の
設定値、もしくは前記回転移動量とあらかじめ設定した
回転移動量の設定値を比較判断する判断手段(図9の3
2)と、前記判断手段において判断された結果に基づ
き、 前記演算手段1、演算手段2、判断手段を繰り返
すための制御手段(図9の29)と、同様に前記判断に
おいて判断された結果に基づき、前記多次元形状の形状
パラメータを出力する出力手段(図9の33)と、から
構成されることを特徴とする測定装置を提供する。
【0007】
【作用】本発明では、本来非線形連立方程式となるべき
形状パラメータの算出理論を、線形近似と繰り返し演算
の手法を適用し、新たな方法論として体系化することに
よって、最小自乗法のみならず従来では不可能であった
最小領域・最大内接・最小外接等といった方法による形
状パラメータ測定を、安定的にかつ短時間で求めること
ができるようになったものである。更に、本発明では形
状パラメータの誤差評価の方向は、常に対象形状の面法
線ベクトル方向で行われるために、非常に正確な評価が
可能になる。また、計算の過程上必要となる理論形状デ
ータについては、例えばCADシステム等により設計さ
れた図面データもしくは形状データから抽出して利用す
ることも可能であるし、あるいは操作者が直接形状種別
・位置・姿勢・寸法等のデータを入力しても良いし、ま
たは形状種別のみでも計算可能である。
【0008】
【実施例】以下に本発明に係る多次元基本形状の評価方
法および装置の一実施例を図面を参照にしながら詳細に
説明する。図1から図3に本発明で対象となる理論形状
の例を示す。対象となる理論形状の例としては、図1に
多次元空間上の任意の平面上で定義される形状を、図2
には多次元空間上で定義される単一形状を、図3にはこ
れら二つの形状の組み合わせから成る形状の例を表示し
てある。図中にもあるように、平面状で定義されるもの
としては直線・円・楕円・長方形等があり、空間上で定
義されるものには平面・円筒・円錐・球・直方体等があ
る。また、特殊な例としては数学的に単一形状として表
現または取扱い可能な自由曲線や自由曲面等も単一形状
と見なすことができる。本発明で言う理論形状とは、数
学的または幾何学的に表現または取扱い可能な単一形状
と、それらの形状の組み合わせで定義される形状であ
る。尚、図には代表的なものだけを載せている。図4に
は本発明に於いて、ワーク(被測定物)の形状測定デー
タを基に、ワーク形状を構成する形状パラメータを求め
るための基礎理論の一例を示す。この形状パラメータを
求めるための理論には、並進量だけを求める理論や、回
転量だけを求める理論、または並進量と回転量を同時に
求める理論等、幾つかの理論が存在する。ここでは並進
量および回転量を同時に求める理論を説明する。N個の
測定点により構成された形状測定データのi番目の測定
点の位置ベクトルをMi 、それに対応する位置合わせ前
の理論形状上の理論点の位置ベクトルをMthi 、その位
置における理論形状の単位法線ベクトルをni 、位置合
わせ後の理論形状上の理論点の位置ベクトルをMopt と
する。また、Mthi からMopt へのベクトルをDMthi
する。ここで位置合わせに係る量(並進量と回転量等)
が微小であり、位置合わせ前の理論点Mthi 上における
単位法線ベクトルni と位置合わせ後の理論点Mopt上
における単位法線ベクトルの方向が変化しないと仮定す
る。この仮定のもとでは、位置合わせ後の基本理論形状
と前記測定点との間の誤差量ei は次式で表現される。
【0009】
【数1】
【0010】ここで、式中の記号「・」は2ベクトルの
内積を表す。また、数1のDMthiは位置合わせに係る量
が微小であるという仮定より、理論形状の任意の基準位
置(ベクトル)をAとすると、次式で表すことができ
る。
【0011】
【数2】
【0012】ここで、VMAは理論点Mthi から任意の基
準位置Aへのベクトルである。またDA はAの並進量
を、RはA回りの回転量を表すベクトルである。 式中
の記号「×」は2つのベクトルの外積を表す。またDA
とRの二つのベクトルは、合わせてスクリューベクトル
と呼ばれる。三次元空間上において、これら二つのベク
トルは次式のように表現することもできる。
【0013】
【数3】
【0014】ここで、dx,dy,dz は並進移動ベクト
ルの3次元空間における座標成分であり、u,v,wは
同じく回転ベクトルの各座標成分である。数2を数1に
代入して次の数4を得る。ここで、VAMは前記ベクトル
MAを反転したベクトルである。
【0015】
【数4】
【0016】この数4は言い替えれば、測定点と基本理
論形状との間の位置合わせ後の誤差量を表している。総
ての測定点に対してこの数4を適用することによって、
AとRを未知変数(三次元空間上での要素数は合計6
個になる、以下では三次元空間を前提して話を進める)
としたN本の連立一次方程式が得られる。従って、この
理論式によれば最低6個以上の測定点があれば、未知変
数DA とRの各要素を決定することができる。測定点の
数が6点の場合には、この連立一次方程式を直接解く事
によって一意的にDA とRが決定される。しかし、測定
点の数が6点より多い場合には、この連立一次方程式を
解く際にさまざまな評価関数を適用することで、その評
価関数に従ったさまざまな解が得られる ここでは測定点と理論形状との位置合わせという目的か
ら、評価関数としては数4のei を最小にすることを考
える。最小化にはさまざまな方法があるが、ここではJ
ISやANSI等の規格で規定されている最小自乗法・
最小領域法・最大内接法・最小外接法の4つの方法を例
に取って説明する。また、この4つの方法を表す評価関
数の例を、円の場合を例に取って以下に記述する。
【0017】(1)最小自乗法の場合
【0018】
【数5】
【0019】(2)最小領域法の場合
【0020】
【数6】
【0021】(3)最大内接法の場合
【0022】
【数7】
【0023】(4)最小外接法の場合
【0024】
【数8】
【0025】ここで、rは円の半径を表す。またmin
( )とmax( )はカッコ内の変数をそれぞれ最小
・最大にする事を意味する。以上が、測定点と理論形状
との位置合わせを行うための基礎理論である。しかし、
現実の形状測定およびその評価を考えた場合、前記理論
の前提条件である「位置合わせに係る量(並進量と回転
量)が微小であり」という仮定は、一般には成り立たな
い。従って、本発明においては前記理論を適用するため
に、新たに以下の方法発明した。
【0026】図5には本発明による位置合わせ方法の概
略を示す。本発明による形状パラメータの測定方法は、
前述の理論を位置合わせのための一理論として用いる。
一般に理論形状と測定データとが直ちに一致する事はま
ず無い。そこで第一の段階として、予め解っている形状
種別と測定データとから、何等かの方法で初期の理論形
状を求めるか、もしくはCAD等から理論形状データを
入力する。この理論形状は適度に測定データに近い形状
であれば良く、前記理論の仮定を満足していなくとも良
い。次に第二の段階として、前記理論に従って理論形状
データと測定データとから並進量・回転量等を求める。
第三段階として求めた並進量・回転量等に従って理論形
状を移動・回転する。当然ここでは、前記仮定が満足さ
れていないために正しい解には成らない。 しかし、こ
こで得られた解は移動・回転前の理論形状の状態より
は、より正しい解に近い場合が多い。そこで、第四段階
として得られた並進量・回転量等が、予め設定しておい
た数値に比べてどうであるかを比較判定する。もし、設
定値よりも算出された値が小さければ正しい解が得られ
た事になるが、そうでなければ第五の段階として第二・
第三・第四の段階を繰り返し行う事によって、理論形状
を徐々に正しい解に近づけてゆくことが可能となる。こ
のようにする事で、前記理論では必須であった仮定およ
び理論形状が無い場合でも所定の形状評価が行えるよう
になる。また、前記理論においては未知変数の数は常に
6個であるが、この数はその形状が存在する座標系を適
当な位置へ移動および回転することによって、6個以下
にすることができる。例えば直線の場合であれば、予め
直線の方向がおおよそX軸(Y軸等でも構わない)に平
行になるように座標変換できれば、数3の未知変数は最
小自乗法を求める場合には2個,最小領域法で求める場
合には3個と減らすことができる。これは事前に座標変
換を施しても良いし、連立一次方程式の係数行列を作製
する際に考慮に入れて数3を変形しても同じ効果が得ら
れる。また円筒の場合であれば未知変数自体は6個であ
るが、円筒の位置の移動を円筒軸の方向以外に限定する
ような条件式を付加することで、必要となる測定点の数
を減少させることも可能となるように、条件式をつけ加
えることによって必要となる測定点の数を減少させるこ
とができる。また、本発明に於ける第二・第三・第四段
階を実行する順番には幾つかの場合が考えられる。図6
にはその一例を示す。図6(a)は請求項1に述べた手
順を示し、第二・第三・第四の段階を順に実行する場合
である。図6(b)は請求項2に述べた手順を示す。こ
れは(a)の手順を変形したものであり、第四段階を第
三手段の前に行うものである。 図6(c)は更に
(b)を変形したものであり、繰り返し演算終了後の最
終段階においても第三段階を実行するものである。この
ように各段階の実行手順が違っていても、各段階の持つ
機能が同様であれば、結果として同じ効果が得られるこ
とから、それらは全て本発明の範囲に入ると考えられ
る。図7のおよび図8は図6(a)の場合を、電子計算
機により形状の評価を実施するフローチャートの一例と
して示したものである。まず、形状種別、理論形状(初
期値としてのパラメータ)、形状データおよび評価方法
が入力されるとする(図7の1)。ここで言う評価方法
とは、前述の最小自乗法・最小領域法・最大内接法・最
小領域法のいずれかとする。始めに、形状種別に従う理
論形状パラメータ(初期値)があるかないかを判定し
(図7の2)、無ければ操作者が理論形状パラメータを
入力するかどうかを判定する(図7の3)。図7の4に
おいては、CADシステム等で設計時に作製された図面
データもしくは形状データが存在するならば、ディスプ
レイ等の表示装置にその形状を表示しながら、必要とな
るデータを入力する。または、操作者がキーボード等、
本装置に付属する入力装置から直接入力することもでき
る。ただし、本発明による方法については形状種別が分
かれば理論形状パラメータ(初期値)は必ずしも入力さ
れる必要はない。
【0027】次に、理論形状パラメータが無い場合に
は、一端入力された形状種別と測定点データから初期の
形状パラメータを算出する。この初期形状パラメータを
求める方法も幾つか存在する。例えば、従来用いられて
きた形状を表す方程式の係数を解く方法による最小自乗
法によって、初期の形状パラメータを算出する方法(図
7の5)。もしくは、形状データを算出可能な最小の測
定点データを用いて、理論形状パラメータを簡易的に作
製方法等である。この例としては、直線ならば2点の座
標値から直線の形状パラメータを算出可能で有り、円で
あれば3点の座標値から円の形状パラメータを算出する
ことができる。ここの段階では初期の理論形状パラメー
タを求めることが目的であるため、正確なデータでなく
とも良い。現実には後者の方法の方が演算時間から見る
と効率が良い。計算に必要なデータの入力が完了する
と、繰り返し数をカウントする変数kを初期化し(図7
の6)、前述の理論による位置合わせ作業を開始する。
繰り返し演算の中では、まず始めに入力された各測定点
毎に数4の方程式の係数とei の値を計算し、これらに
よる係数行列を作製する(図7の7)。この作業は連立
一次方程式を作製することと同じ意味を持つ。尚、この
係数行列を作る際には、目的とする評価方法によっては
数4を変形しなければならない場合もある。変形の仕方
はさまざまにあるが、以下にはそれぞれの評価方法にお
ける変形の一例を示す。
【0028】(1)最小自乗法 数4のままで可 (2)最小領域法
【0029】
【数9】
【0030】(3)最大内接法
【0031】
【数10】
【0032】(4)最小外接法
【0033】
【数11】
【0034】ここで、hは理論形状と測定座標値との偏
差量を表す。数9は対象形状が偏差hの中央に位置して
いることを表現したものである。また、数10と数11
はそのぞれの点に於ける誤差量がそれぞれei ≧0,e
i ≦0であることを表したものである。次に、この係数
行列(連立一次方程式)を入力された評価種別に従って
解く(図7の8)。下記の(1)から(4)には円の場
合を例に取ってその解法の例を記述する。
【0035】(1)最小自乗法 ・・・ 行列解法 (2)最小領域法 ・・・ 線形計画法 ( 目的関数
は min(h) ) (3)最大内接法 ・・・ 線形計画法 ( 目的関数
は max(r) ) (4)最小外接法 ・・・ 線形計画法 ( 目的関数
は min(r) ) ここで、rは円の半径を表す。尚、行列解法および線形
計画法に関しては、現在では一般的な知識として知られ
ているので詳しい説明は省略する。次に、これら解法に
よって解が正常に得られたかどうかを判定する(図8の
9)。解が存在しない場合にはエラー情報を表示装置に
表示して処理を中断する(図8の11)。解が求められ
たならばDA とRに従って、理論形状パラメータを移動
および回転させる(図8の10)。その後、このDA
Rの各要素の大きさを調べ(図8の12)、DA とRの
全ての要素の値が予め設定された値よりも小さく成った
場合には、本手法による形状評価が収束したと判断して
繰り返し計算を終了し(図8の14)、得られた位置・
姿勢・寸法(位置・姿勢が決定されると同時に寸法も決
定される)を出力する。逆に、1つでも設定された値よ
り大きい要素があれば、まだ収束していないと判断し
て、繰り返し数のkを1だけ加算する(図8の13)。
この時、kの値を判定(図8の15)して規定繰り返し
数を越えた場合には、収束しないのエラー情報を表示装
置に表示して処理を中断する(図8の16)。規定回数
以下であれは再び図7の7へ戻り、解が収束するまで以
上の演算を繰り返し続行する。図9は本発明に於ける形
状パラメータの測定装置の好ましい実施例をブロック図
で示したものである。CAD(17)はワーク(被測定
物)を設計するための装置であり、設計者によって図面
データもしくは形状データが入力される。第1記憶手段
(18)は、CAD(17)により作製されたワークの
図面データもしくは形状データを記憶する。(座標)測
定機(19)はワークの実形状要素を測定する装置であ
る。第2記憶手段(20)は測定機(19)により得ら
れた実形状の測定データを実形状要素毎に測定点の座標
値データ群として記憶する。表示手段(21)はディス
プレイ・プリンター・専用の表示装置・通信装置等の外
部出力装置から構成され、本装置(35)から出力され
る文字や図等の各種データを表示または出力する装置で
ある。入力手段(22)はキーボード・マウス・通信装
置等、本装置に対して操作者または外部からのデータを
入力する手段である。CADデータ入力手段(23)
は、第1記憶手段(18)のデータを入力し、第三記憶
手段(24)に格納する。形状測定データ入力手段(2
6)は第2記憶手段(20)に記憶された測定データを
入力し、第5記憶手段(28)に格納する。理論形状指
定手段(25)は第3記憶手段(24)内に対象となる
ワークのデータが記憶されているならば、表示手段(2
1)にその図形もしくは情報を表示しながら、入力手段
(22)を用いて操作者が対話的に必要な理論形状デー
タを抽出するか、もしくは直接に必要となるデータを入
力する。第4記憶手段(27)は理論形状指定手段(2
5)において指定されたデータを記憶する。繰り返し制
御手段(29)は第4記憶手段(27)と第5記憶手段
(28)内のデータを読み込み、前記のフローチャート
に従って形状の位置合わせ作業の繰り返しの制御および
各種の設定作業を行うものである。演算手段(30)は
理論形状と測定点データとの並進・回転量を算出する。
移動手段(31)は算出された並進・回転量をに従っ
て、理論形状を移動・回転する(図中では移動手段と表
示している)。判定手段(32)は設定されている並進
・回転量と算出された値の比較判定を行う。出力手段
(33)は最終的に求められた理論形状から形状パラメ
ータを出力する。計算結果は第6記憶手段(34)に一
端記憶された後に、第3記憶手段(24)や第4記憶手
段(27)に記憶されたデータと共に表示手段(21)に表
示される。尚、演算途中のエラーメッセージや経過情報
等は適時表示手段(21)に表示される。
【0036】以上説明したCADデータ入力手段(2
3)、第3記憶手段(24)、理論形状指定手段(2
5)、形状測定データ入力手段(26)、4記憶手段
(27)、第5記憶手段(28)、繰り返し制御手段
(29)、演算手段(30)、移動手段(31)、判定
手段(32)、出力手段(33)、第6記憶手段(3
4)は形状測定装置(35)を構成する。尚、この測定
装置(35)は電子計算機によって構成することが望ま
しい。
【0037】
【発明の効果】本発明では、以下に記載されるような効
果が得られる。本発明によれば、従来最小自乗法でしか
行えなかった形状測定を、 JISやANSI等の規格
で規定されている、最小領域・最大内接・最小外接とい
った方法での形状パラメータの測定が可能になる。最小
自乗・最小領域・最大内接・最小外接等の方法による形
状測定を同一の装置内で行うことができる。本発明によ
る方法では形状種別が解っていれば、理論形状データが
入力されなくても目的とする形状パラメータを求めるこ
とが可能である。また、CAD等からの理論形状が存在
する場合には、そのデータも使用できる。本発明による
方法ではどのような形状および評価方法に対しても、誤
差判定の方向はその形状への面法線方向で行われる。従
って、従来の形状測定方法よりも正しい誤差を算出する
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、二次元平面で定義される形状の例を示した
図である。
【図2】は、三次元空間で定義される形状の例を示した
図である。
【図3】は、二次元平面および三次元空間で定義される
組み合わせ形状の例を示した図である。
【図4】は、位置合わせのための基礎理論を表した図で
ある。
【図5】は、本発明での形状パラメータ測定の原理を表
した図である。
【図6】は、本発明における各段階の実行順の変形例を
示した図である。
【図7】は、本発明での位置合わせの作業の流れを示し
たフローチャートの一例である。
【図8】は、図7の続きである。
【図9】は、本発明による形状評価装置の一例を表した
図である。 以上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 泉 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 岸浪 健史 北海道札幌市南区藻岩下2丁目3番20号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多次元形状を実測して得られた形状データ
    に対し、その数学的な理論形状の位置合わせを行うこと
    により、前記多次元形状の形状パラメータを求める測定
    方法において、 前記形状データに対応する、前記理論形状を与える第1
    段階と、 前記理論形状と前記形状データの間の誤差が小さくなる
    ように、前記理論形状の少なくとも並進移動量、もしく
    は回転移動量を算出する第2段階と、 算出された、前記並進移動量、もしくは回転移動量をも
    って、前記理論形状を並進、もしくは回転せしめる第3
    段階と、 前記並進移動量とあらかじめ設定した並進移動量の設定
    値、もしくは前記回転移動量とあらかじめ設定した回転
    移動量の設定値を比較判断する第4段階と、 前記第4段階において、比較判断された結果により、再
    度前記第2、第3、第4段階を繰り返す第5の段階と、 前記第5段階と同様に、前記第4段階において比較判断
    された結果により、その時の形状パラメータ求める第6
    段階と、 を有することを特徴とする多次元形状の形状パラメータ
    測定方法。
  2. 【請求項2】多次元形状を実測して得られた形状データ
    に対し、その数学的な理論形状の位置合わせを行うこと
    により、前記多次元形状の形状パラメータを求める測定
    方法において、 前記形状データに対応する、前記理論形状を与える第1
    段階と、 前記理論形状と前記形状データの間の誤差が小さくなる
    ように、前記理論形状の少なくとも並進移動量、もしく
    は回転移動量を算出する第2段階と、 前記並進移動量とあらかじめ設定した並進移動量の設定
    値、もしくは前記回転移動量とあらかじめ設定した回転
    移動量の設定値を比較判断する第3段階と、 前記第3段階において、比較判断された結果により、前
    記並進移動量もしくは回転移動量をもって、前記理論形
    状を並進、もしくは回転せしめ、再度前記第2段階、第
    3段階を繰り返す第4段階と、 前記第4段階と同様に前記第3段階において、比較判断
    された結果により、その時の形状パラメータを求める第
    5段階と、 を有することを特徴とする多次元形状の形状パラメータ
    測定方法。
  3. 【請求項3】多次元形状を実測して得られた形状データ
    に対し、その数学的な理論形状の位置合わせを行うこと
    により、前記多次元形状の形状パラメータを求める測定
    装置において、 前記形状データを入力する入力手段と、 前記理論形状を指定する指定手段と、 前記理論形状と前記形状データの間の誤差が小さくなる
    ように、前記理論形状の少なくとも並進移動量もしくは
    回転移動量を算出する演算手段1と、 算出された、前記並進移動量もしくは回転移動量をもっ
    て、前記理論形状を並進、もしくは回転せしめる演算手
    段2と、 前記並進移動量とあらかじめ設定した並進移動量の設定
    値、もしくは前記回転移動量とあらかじめ設定した回転
    移動量の設定値を比較判断する判断手段と、 前記判断手段において判断された結果に基づき、 前記
    演算手段1、演算手段2、判断手段を繰り返すための制
    御手段と、 同様に前記判断において判断された結果に基づき、前記
    多次元形状の形状パラメータを出力する出力手段と、 から構成されることを特徴とする測定装置。
JP5066439A 1993-03-25 1993-03-25 多次元形状の形状パラメータの測定方法および測定装置 Pending JPH06281440A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009539113A (ja) * 2006-06-01 2009-11-12 クオリティー ヴィジョン インターナショナル インコーポレイテッド 測定の不確実性を考慮した多次元測定データの公差域への適合
JP2012083151A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Toyota Motor Corp 溶接ビードの検査装置、検査方法、及び、検査用プログラム
JP2015045997A (ja) * 2013-08-28 2015-03-12 株式会社Ihi 画像解析装置及びプログラム

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