JPH06280058A - 電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置 - Google Patents

電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置

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Publication number
JPH06280058A
JPH06280058A JP5091851A JP9185193A JPH06280058A JP H06280058 A JPH06280058 A JP H06280058A JP 5091851 A JP5091851 A JP 5091851A JP 9185193 A JP9185193 A JP 9185193A JP H06280058 A JPH06280058 A JP H06280058A
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JP
Japan
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electron beam
ion
plasma
generation region
region
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Application number
JP5091851A
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English (en)
Inventor
Tamio Hara
民夫 原
Manabu Hamagaki
学 浜垣
Masakuni Tokai
正國 東海
Takeshi Yamada
猛 山田
Makoto Riyuuji
真 龍治
Yasushi Hiroshima
安 広島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置にお
けるイオン生成領域におけるプラズマ分布を大面積に亘
り均一になるように調整することが出来るようにする。 【構成】 イオン生成領域10に於けるプラズマ19'
を幅方向大面積に亘り、均一分布の状態にし、併せて、
長手方向に於ても可及的に均一な分布密度にするように
し、マルチポール磁石16' ,16''の構造や配列を適
正に出来、磁界を最適形成状態にし、背面マルチポール
20' を省略し得るようにし、逆磁場コイル17' を長
手方向移動自在にし、加えて、電子ビーム源を複数位置
にして電子ビームの入射を複数にするようにする。 【効果】 従来よりも効率良くイオン生成領域10に於
いて大面積均一,高密度プラズマを生成し、設計通りの
微細ドライエッチングをターゲット試料14のマスク材
と下地被エッチング材に対する選択比を高くした状態で
高精度に高速で行うようにすることが出来るようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】開示技術は、電子ビームを介して
生成されたイオンをシリコンウエハ等のターゲット試料
に照射してドライエッチング加工等を行う電子ビーム励
起イオンプラズマ発生装置の構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、産業社会の隆盛は高度に発
達した科学、就中、電子工学等に強力に支持されてお
り、したがって、かかる電子工学の更なる発展が強く求
められている。
【0003】而して、該電子工学においては、データ等
の精細でより高度な正確な情報処理が、しかも、超高速
でなされることがますます厳しく求められ、したがっ
て、かかるデータのより精細で、且つ、正確な超高速演
算処理を行うデバイスのハイテク化,ダウンサイジング
化がより強く求められ、したがって、IC,LSI等の
高度集積回路をなすシリコンウエハ等に対するより精密
なドライエッチング技術が求められ、これに対処する
に、例えば、特開昭61−290629号公報発明に示
されている如く、イオン照射技術が開発されて、所謂D
CE,RFE,ECR(電子サイクロトロン共鳴)、更
には電子ビーム等によりプラズマを発生させ、該プラズ
マの中からイオンのみを磁界,電界を介して引き出し、
シリコンウエハ等のターゲット試料に照射するシステム
が開発されて実用化されるようになってきている。
【0004】しかしながら、シリコンウエハ等の大口径
のターゲット試料に対するイオン照射による損傷につい
て大きなダメージを残さずに、良好なイオンビームによ
るドライエッチングを有効に行うには、低エネルギー領
域に於て、大きな断面積に亘り、均一な大電流密度のイ
オンビームを当該ターゲット試料に照射することが必要
で、かかる基本的に相反する条件のもとで照射が行われ
なければならないことが分ってきた。
【0005】しかしながら、旧式のイオン照射装置にあ
っては低エネルギーイオンでありながら、イオンビーム
の電流密度を大きくすると、大断面積に亘り均一にイオ
ンビームをターゲット試料に照射することが出来ないと
いう問題があった。
【0006】これに対処するに、例えば、特願平3−2
74960号公報発明に開示してある如く、大きなイオ
ンビーム電流密度が得られる高密度のプラズマを生成可
能な所謂電子ビーム励起プラズマ発生技術(EBEP)
が開発され、図14に示す様な電子ビーム励起イオンプ
ラズマ発生装置1が実用化される設計が可能になってき
ており、ECR(電子サイクロトロン共鳴)方式とは別
の利点を有して実用化可能な開発がなされてきている。
【0007】即ち、当該図14に示す在来態様の電子ビ
ーム励起イオンプラズマ装置1はプラズマ領域2に於
て、ポート3より電子ビーム形成用のアルゴンガス4等
を供給し、直流電源5により陰極電極6を、例えば、1
400℃等に赤熱状態に加熱し、熱電子を放射すること
によりプラズマを発生させ、該プラズマ中の電子を陽極
7、及び、陽極8で電子ビーム加速領域9にて加速させ
てイオン生成領域10内にてポート11から供給される
塩素ガス12をイオンプラズマ化させ、そのうちの励起
されたイオンをホルダ13に設けられたシリコンウエハ
等のターゲット試料14に照射させ、所定の微細加工を
ドライエッチングにより行うようにされていた。
【0008】しかしながら、低エネルギーイオンにおい
て大面積に亘り、均一な大電流密度のイオンビームをタ
ーゲット試料14に照射する等のメリットを有するかか
る電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置1にあって
は、次のような本質的な不具合を相伴するという問題点
が無視出来なくなってきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】即ち、図15に示す様
に、イオン生成領域10にあってはその外側に円筒型の
マルチポール16,逆磁場コイル17等を設け、プラズ
マ領域2に隣設する電子ビーム源から入射される電子ビ
ームによるイオンプラズマ19はシリコンウエハ等のタ
ーゲット試料14を電子ビーム入射方向に対し平行姿勢
状態に保持させることにより、該ターゲット試料14に
入射するイオンのエネルギーを低くし、該ターゲット試
料14のマスク材に対する下地材の選択比の高いエッチ
ングを可能にするようにされている。
【0010】しかしながら、かかる図14,図15に示
す電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置1にあって
は、イオン生成領域10に於けるプラズマ19の閉じ込
めを円筒型のマルチポール16により基本的に行うよう
にされていたために、シリコンウエハ等のターゲット試
料14の前面や裏側面に生成されるイオンの密度が稀薄
になり、必要とされる径方向や側方向のプラズマ密度の
均一性が悪くなるという欠点があった。
【0011】又、これに対処するに、マルチポール16
を矩形タイプのマルチポールにする態様を採用すると、
反応室10のイオン生成領域内に於ける磁場を無磁場化
することが難しく、結果的に入射した電子ビームが磁場
によるトラップの影響を受けざるを得ない不都合さがあ
り、そして、プラズマの電子温度の制御が出来ないこと
から、ターゲット試料14に入射するイオンエネルギー
のコントロールが出来ないというマイナス点があった。
【0012】そこで、磁気フイルタを設けるような態様
も設計され得るが、電子ビームが偏向し、密度が不均一
になる不具合がある。
【0013】而して、マルチポール16についてイオン
生成領域10に対し、各磁石の取り付け位置が固定的で
あるために、プラズマの密度分布の補正をすることが出
来ないという不利点があった。
【0014】又、逆磁場コイル17が設けられている
が、該逆磁場コイル17もまた、位置固定的に配設され
ていることから、電子ビーム源の電磁コイル18を変化
させても、逆磁場コイル17が位置固定的に配設されて
いるために、イオン生成領域10内に於ける充分に広い
無磁場領域を形成することが著しく困難であるという難
点もあった。
【0015】又、背面マルチポール20が設けられてい
ることによりプラズマの拡散に擾乱を与え、シリコンウ
エハに絶対に避けねばならない汚染(コンタミネーショ
ン)が生ずる虞もあった。
【0016】したがって、いずれにしても、かかる在来
態様の電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置1にあっ
ては、イオン生成領域10に於て大断面積に亘り電子温
度の低い幅方向均一なプラズマ密度分布のプラズマ19
を形成させることが出来ない問題があり、今後のシリコ
ンウエハ等のターゲット試料に対するドライエッチング
加工を行ううえで大きなネックとなってこれが解決され
ることが強く要望されていたものである。
【0017】
【発明の目的】この出願の発明の目的は上述従来技術に
基づく電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置における
イオン生成領域でのイオンプラズマのターゲット試料に
対する不均一密度分布の問題点を解決すべき技術的課題
とし、電子ビーム励起によるイオンプラズマ発生、及
び、ターゲット試料に対する照射を介してのドライエッ
チングのメリットをフルに生かしながらも、該ターゲッ
ト試料に対する設計通りの最適ドライエッチングをマス
ク材に対する下地材の良好な選択比を介して行うことが
出来るようにして電子産業における加工技術利用分野に
益する優れた電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置を
提供せんとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段・作用】上述目的に沿い先
述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成
は、前述課題を解決するために、プラズマ領域に於て熱
陰極を加熱し、熱電子を放射させると共に送給されたア
ルゴンガス等によってプラズマを発生させ、その際、該
熱陰極を幅方向複数配列等し、イオン生成領域に於ける
励起イオンビームを大強度にするように熱陰極から放射
される電子ビームを濃密にし、電子ビーム加速領域で該
電子ビームを所定に加速し、イオン生成領域に入射さ
せ、塩素ガス等をイオン化させ、イオンプラズマを発生
させ、イオンのみをホルダに支持されたシリコンウエハ
等のターゲット試料に照射させて所定の微細加工等をド
ライエッチングによって形成するに、上記熱陰極の幅方
向複数配列やイオン生成領域に対する電子ビーム源を複
数部位設け、又、イオン生成領域に併設するマルチポー
ルの極性を対面同極にし、或いは、対面異極することに
より電子ビームの幅方向広がりを容易にし、又、電子ビ
ームの磁界によるトラップを容易にし、電子温度の低い
プラズマを形成し、又、マルチポールの各磁石について
は所定に相互独立的に移動出来るようにし、プラズマの
密度分布の変化に伴いその全体形状を板状に変化させて
大面積に亘り、電子温度の低い幅方向均一密度のプラズ
マ分布を形成させ、又、マルチポールに併設した逆磁場
コイルをしてコイル電流に併せてイオン生成領域の長手
方向に移動することにより、該イオン生成領域に於ける
無磁場領域を最大にし得るようにし、ターゲット試料の
シリコンウエハの前面や裏側に不必要なプラズマを生成
させず、ターゲット試料のマスク材に対する下地材の選
択比の高いエッチングによる微細加工を設計通りに所望
に出来るようにした技術的手段を講じたものである。
【0019】
【実施例】次に、この出願の発明の実施例を図1〜図1
3に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0020】尚、図14,図15と同一態様部分は同一
符号を用いて説明するものとする。
【0021】図示実施例は図14,図15に示される在
来態様の電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置1に於
けるイオン生成領域10に適用した態様であり、図示の
都合上、シリコンウエハのターゲット試料14、及び、
これを支持するホルダ13は省略(援用して)されてい
る。
【0022】そして、イオン生成領域10に電子ビーム
を入射する電子ビーム加速領域9の電子ビーム源が臨ま
されている態様で示され、図1,図2に示す実施例はこ
の出願の発明の本来の目的を現出するイオンプラズマ1
9' の立体形状が図1の平面視、及び、図2の側面視に
於て、ブック型、乃至、弁当箱型の板状に形成されるよ
うにされているものであり、先部分から長手方向Y、及
び、幅方向Xに大断面で均一密度分布電子温度の低いプ
ラズマ分布領域が形成され先部分に於てシリコンウエハ
のターゲット試料14がホルダ13に支持されて所定の
微細加工のドライエッチングが形成されるに充分な厚さ
方向Zの所定サイズの厚みが形成されるようにされ、イ
オン生成領域10の外側に於てはマルチポール磁石16
' ,16' …が設けられ、更にその外側には逆磁場コイ
ル17' が併設されている。
【0023】尚、電子ビーム源9の電極21' の外側に
は電磁コイル18' が設けられて電子ビーム22' をイ
オン生成領域10に於て上述末広がりの大断面積の幅方
向Xで均一密度の電子温度の低いプラズマ分布が形成さ
れるような機構が配設され、、該機構については図3〜
図14に示す実施例がこの出願の発明においては採用さ
れるものである。
【0024】まず、図3に示す実施例において、一対の
熱陰極6' ,6' を幅方向Xに於て加速電極7' ,7'
のゲート孔に対し線対称的に配列し、各々加熱電源5'
,5' に接続し、そのフイラメントから発生する熱電
子eを放射させてアルゴンガス4をプラズマ化させ電子
ビーム22' をイオン生成領域10に於て幅方向に拡散
し易いように充分な放射強度をもたせるようにする。
【0025】これにより幅方向Xのプラズマ密度の均一
分布性が向上することになる。
【0026】又、これに準ずる実施例として図4に示す
態様においては熱陰極6''を幅方向Xに沿うように設け
て加熱電源5''にそのコイルを接続し、放射される電子
ビーム22' の幅方向Xに於ける強度分布が均一になる
ようにされ、上述図3に示す実施例の熱陰極6' ,6'
を幅方向Xに均一に配列した場合の態様と同様の作用効
果が得られ、当該両実施例においては電子ビーム源9に
於ける電子ビームの幅方向Xの強度分布が可及的に均一
になり、イオン生成領域10に入射される電子ビームの
マルチポール16' ,16' …によるトラップがされ易
く、結果的にイオンプラズマの幅方向Xの密度分布が均
一になり、電子温度が低くイオンエネルギーのコントロ
ールがし易く、設計通りのドライエッチングが高精度に
出来ることにつながる。
【0027】次に、図5に示す実施例はイオン生成領域
10に入射する電子ビーム源9,9を同一側に2つ併設
させて並列に電子ビーム22' ,22' をイオン生成領
域10に入射させるようにし、したがって、該イオン生
成領域10に於けるプラズマ19''の幅方向Xの密度分
布の均一性が図れる態様である。
【0028】又、当該実施例においては長手方向Yのプ
ラズマの分布の均一性も得られ、当該実施例においては
背面マルチポール20' は省略され、その結果、汚染
(コンタミネーション)による問題が避けられる。
【0029】そして、図6に示す実施例は基本的に上述
実施例同様に電子ビーム源9を2つイオン生成領域10
' に対して設ける実施例であるが、該電子ビーム源9,
9を180°相反する位置に対向させて設けて電子ビー
ム22''を入射させるようにした態様であり、当該実施
例において逆磁場コイル17' ,17' の極性を負にす
ることにより無磁場領域をより広くすることが出来、電
子ビームのコントロールがし易くなるようにした態様で
ある。
【0030】当該態様において、幅方向X、及び、長手
方向Y双方のプラズマ密度の均一性がより向上し、ター
ゲット試料14のマスク材に対する下地材の選択比が高
くなる。
【0031】而して、上述両実施例の延長としての図7
に示す実施例に於てはイオン生成領域10''に対し電子
ビーム源9,9,9を3つに平面的に三等分位置に設
け、3方向から電子ビームを放射させるようにした態様
であり、幅方向、及び、長手方向に於けるプラズマ密度
の均一性がより向上し、背面マルチポールの省略による
汚染(コンタミネーション)の問題をクリアーする度合
が高くなる態様である。
【0032】次に、図8に示す実施例はイオン生成領域
10に於ける大断面積に亘る電子温度の低い幅方向均一
密度のプラズマ分布を可能にする機能としてイオン生成
領域10の両側(例えば、上下面)に配列するマルチポ
ールの磁石16' ,16' …の相対向する極性をして背
面同極にし、当該図8に図示する様に、磁界23を水平
状に配向し、入射された電子ビームが幅方向Xに拡散し
易いようにし、その結果、イオンプラズマが幅方向密度
に於て均一にさせることが出来る。
【0033】又、図9に示す実施例においては相対向し
て配列したマルチポール16' ,16' …をして対面異
極にし、入射される電子ビームの幅方向Xに於ける整合
性を現出して電子温度の低いイオンプラズマを生成する
ことが出来る態様である。
【0034】そして、図10に示す実施例はイオンプラ
ズマ生成領域10に於ける上下左右の相対向して配列さ
れるマルチポール16'',16'',16''' ,16'''
…が長手方向Yに直交する態様、即ち、幅方向Xに沿う
ように配列し、結果的に長手方向Yの均一なイオンプラ
ズマの生成が現出可能にされる態様である。
【0035】しかも、当該図10に示す実施例において
相対向するマルチポール磁石16''' ,16''' の極性
について上述実施例の対面同極態様や対面異極態様が設
計変更的に採用され得るものである。
【0036】而して、図11に示す実施例においては図
8,図9に示す実施例のマルチポール磁石16' の配列
態様をイオンプラズマ生成領域10に於て断面凹レンズ
状に配列した態様であり、それに当該態様において、各
マルチポール磁石16' の間隙位置を適宜のサーボモー
タ,ギヤ,リンク機構等により位置調節自在にすること
が採用可能であり、かかる位置調整機構により図12に
示す様に、マルチポール磁石16' の断面配列姿勢を台
形等にし、電子ビームをトラップする磁界形成領域をタ
ーゲット試料14に対するドライエッチング加工に最適
であるように選択的に調整することが出来る。
【0037】これは幅方向Xの電子ビームの拡散が不充
分である場合、マルチポール磁場の断面配列形状が最適
であるように設計、及び、管理制御を行う場合に好適で
ある。
【0038】次に、図13に於ける実施例にあっては、
マルチポール磁石16' ,16' …の外側に配置した逆
磁場コイル17''において適宜のウオームギヤ機構やサ
ーボモータを用いることにより、長手方向Yに移動自在
にしその移動位置の調整を加速電極21に併設した電磁
コイル18' に通電する電流値に対し同期的に作用させ
てイオン生成領域10に於ける無磁場領域が最大になる
ように全ての磁場にトラップされる作用を受けないよう
にして電子温度の低い幅方向均一密度のプラズマ分布を
幅方向に得ることが出来るようにした態様である。
【0039】
【発明の効果】以上、この出願の発明によれば、基本的
に低イオンエネルギー領域に於て大断面積に亘り、均一
な大電流密度のイオンビームをシリコンウエハのターゲ
ット試料に照射する等のメリットを有している電子ビー
ム励起イオンプラズマ発生装置であって、該ターゲット
試料のマスク材に対する下地材の選択比の高いドライエ
ッチングによる微細加工を行え得るものでありながら、
プラズマのイオン生成領域に対する閉じ込めが不充分で
あるために、イオンプラズマの密度分布が幅方向、及
び、長手方向に均一でなく、稀薄であることから選択比
の高い良好なドライエッチングが出来なかった問題点が
解決され、幅方向プラズマ密度の均一な分布が得られる
という優れた効果が奏される。
【0040】又、イオンプラズマの密度分布の補正が比
較的容易に行われ、したがって、大断面積に亘り、均一
なプラズマ生成が所望に行われ、結果的にターゲット試
料に対する設計通りの微細なドライエッチングが行われ
るという効果がある。
【0041】又、これまでイオン生成領域に於ける無磁
場化が難しかったのがし易くなり、入射する電子ビーム
のコントロールがし易く、したがって、シリコンウエハ
等へ照射されるイオンエネルギーの制御がし易くなると
いう効果がある。
【0042】而して、無磁場コイルの位置移動が自在で
あるようにされたことにより、電子ビーム源のコイル磁
場の変化に対応して無磁場領域を容易に形成させること
が出来、上述同様に、イオンビームの幅方向密度分布の
均一性がより得易くなるという効果がある。
【0043】又、長手方向のイオンプラズマ密度が向上
することから、背面マルチポールが不要となり、ターゲ
ット試料による汚染(コンタミネーション)の問題が発
生しないという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体実施例の模式平面図である。
【図2】同、模式側面図である。
【図3】具体的1実施例の電極配列態様の模式部分断面
平面図である。
【図4】同、他の実施例の模式平面図である。
【図5】図1相当の他の実施例の模式平面図である。
【図6】同、他の実施例の模式平面図である。
【図7】同、別の実施例の模式平面図である。
【図8】マルチポール配列の1実施例の模式斜視図であ
る。
【図9】同、他の実施例の模式斜視図である。
【図10】同、別の実施例の模式斜視図である。
【図11】マルチポールの設計変更例の模式斜視図であ
る。
【図12】同、別の実施例の模式斜視図である。
【図13】逆磁場コイルの移動実施例の模式平面図であ
る。
【図14】従来技術に基づく電子ビーム励起イオンプラ
ズマ発生装置の構造模式平面図である。
【図15】同、イオンプラズマ生成領域におけるプラズ
マ分布模式平面図である。
【符号の説明】
2 プラズマ領域 10 イオン生成領域 14 ターゲット試料 16,16' マルチポールの磁石 1 電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置(照射
装置) 19 プラズマ分布領域 6' 熱陰極 21'' 電子ビーム源 17' 逆磁場コイル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 電子ビーム励起イオンプラズマ発
生装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】開示技術は、電子ビームを介して
生成されたイオンをシリコンウエハ等のターゲット試料
に照射してドライエッチング加工等を行う電子ビーム励
起イオンプラズマ発生装置の構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、産業社会の隆盛は高度に発
達した科学、就中、電子工学等に強力に支持されてお
り、したがって、かかる電子工学の更なる発展が強く求
められている。
【0003】而して、該電子工学においては、データ等
の精細でより高度な正確な情報処理が、しかも、超高速
でなされることがますます厳しく求められ、したがっ
て、かかるデータのより精細で、且つ、正確な超高速演
算処理を行うデバイスのハイテク化,ダウンサイジング
化がより強く求められ、したがって、IC,LSI等の
高度集積回路をなすシリコンウエハ等に対するより精密
なドライエッチング技術が求められ、これに対処する
に、例えば、特開昭61−290629号公報発明に示
されている如く、イオン照射技術が開発されて、所謂D
C放電プラズマ,RF放電プラズマ,ECR(電子サイ
クロトロン共鳴)放電プラズマ、更には電子ビーム等に
よりプラズマを発生させ、該プラズマの中からイオンを
磁界,電界を介して引き出し、シリコンウエハ等のター
ゲット試料に照射するシステムが開発されて実用化され
るようになってきている。
【0004】しかしながら、シリコンウエハ等の大口径
のターゲット試料に対するイオン照射による損傷につい
て大きなダメージを残さずに、良好なイオンによるドラ
イエッチングを有効に行うには、低エネルギー領域に於
て、大きな面積に亘り、均一な大電流密度のイオンを当
該ターゲット試料に照射することが必要で、かかる基本
的に相反する条件のもとで照射が行われなければならな
いことが分ってきた。
【0005】しかしながら、旧式のイオン照射装置にあ
っては低エネルギーイオンでありながら、イオンの電流
密度を大きくすると、大面積に亘り均一にイオンをター
ゲット試料に照射することが出来ないという問題があっ
た。
【0006】これに対処するに、例えば、特願平3−2
74960号公報発明に開示してある如く、大きなイオ
ン電流密度が得られる高密度のプラズマを生成可能な所
謂電子ビーム励起プラズマ発生技術(EBEP)が開発
され、図16に示す様な電子ビーム励起イオンプラズマ
発生装置1が実用化される設計が可能になってきてお
り、ECR(電子サイクロトロン共鳴)方式とは別の利
点を有して実用化可能な開発がなされてきている。
【0007】即ち、当該図16に示す在来態様の電子ビ
ーム励起イオンプラズマ装置1は電子ビーム源9' とイ
オン生成領域10から成り、まず、プラズマ領域2に於
て、ポート3よりプラズマ形成用のアルゴンガス4等を
供給し、直流電源5により陰極電極6を、例えば、14
00℃等に赤熱状態に加熱し、熱電子を放射し、直流電
源5' により陽極7との間でプラズマを発生させ、該プ
ラズマ中の電子を陽極7及び陽極8間に印加する直流電
源5''により電子ビーム加速領域9にて加速させて、イ
オン生成領域10内にてポート11から供給される塩素
ガス12をイオンプラズマ化させ、そのうちの励起され
たイオンをホルダ13に設けられたシリコンウエハ等の
ターゲット試料14に照射させ、所定の微細加工をドラ
イエッチングにより行うようにされていた。
【0008】しかしながら、低エネルギーにおいて大面
積に亘り、均一な大電流密度のイオンをターゲット試料
14に照射する等のメリットを有するかかる電子ビーム
励起イオンプラズマ発生装置1にあっては、次のような
本質的な不具合を相伴するという問題点が無視出来なく
なってきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】即ち、図17に示す様
に、イオン生成領域10にあってはその外側に円筒型の
マルチポール磁石16,逆磁場コイル17等を設け、プ
ラズマ領域2に隣設する電子ビーム加速領域9から入射
される電子ビームにより生成されるイオンプラズマ19
はシリコンウエハ等のターゲット試料14を電子ビーム
入射方向に対し平行姿勢状態に保持させることにより、
該ターゲット試料14に入射するイオンのエネルギーを
低くし、該ターゲット試料14のマスク材に対する下地
被エッチング材の選択比の高いエッチングを可能にする
ようにされている。
【0010】尚、図18は図17のA−A断面図を示す
ものである。
【0011】しかしながら、かかる図16,図17に示
す在来態様の電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置1
にあっては、イオン生成領域10に於けるイオンプラズ
マ19の閉じ込めを円筒型のマルチポール16により基
本的に行うようにされていたために、シリコンウエハ等
のターゲット試料14の前面に於けるプラズマ密度の面
内均一性が悪くなるという欠点があった。
【0012】又、プロセスに関与しないプラズマの体積
が大きく、高密度プラズマの生成には大電流の電子ビー
ムの入射を必要とし、電子ビーム源の大型化,高コスト
化の原因となる欠点があった。
【0013】而して、マルチポール16についてイオン
生成領域10に対し、各磁石の取り付け位置が固定的で
あるために、プラズマの密度分布の補正をすることが出
来ないという不利点があった。
【0014】又、逆磁場コイル17が設けられている
が、該逆磁場コイル17もまた、位置固定的に配設され
ていることから、電子ビーム源の電磁コイル18を変化
させても、逆磁場コイル17が位置固定的に配設されて
いるために、イオン生成領域10内に於ける充分に広い
無磁場領域を形成することが著しく困難であるという難
点もあった。
【0015】したがって、いずれにしても、かかる在来
態様の電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置1にあっ
ては、イオン生成領域10に於て大面積に亘り均一なプ
ラズマ密度分布のイオンプラズマ19を形成させること
が出来ない問題があり、今後のシリコンウエハ等のター
ゲット試料に対するドライエッチング加工を行ううえで
大きなネックとなってこれが解決されることが強く要望
されていたものである。
【0016】
【発明の目的】この出願の発明の目的は上述従来技術に
基づく電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置における
イオン生成領域でのイオンプラズマのターゲット試料に
対する不均一密度分布の問題点を解決すべき技術的課題
とし、電子ビーム励起によるイオンプラズマ発生、及
び、ターゲット試料に対する照射を介してのドライエッ
チングのメリットをフルに生かしながらも、該ターゲッ
ト試料に対する設計通りの最適ドライエッチングをマス
ク材に対する下地材の良好な選択比を介して、且つ、高
速に行うことが出来るようにして電子産業における加工
技術利用分野に益する優れた電子ビーム励起イオンプラ
ズマ発生装置を提供せんとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段・作用】上述目的に沿い先
述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成
は、前述課題を解決するために、プラズマ領域に於て熱
陰極を加熱し、熱電子を放射させると共に送給されたア
ルゴンガス等によってプラズマを発生させ、その際、該
熱陰極を幅方向複数配列等し、イオン生成領域に於ける
励起イオン密度を高密度にするように熱陰極から放射さ
れる電子を濃密にし、電子ビーム加速領域で該電子を所
定に加速し、イオン生成領域に入射させ、塩素ガス等を
イオン化させ、イオンプラズマを発生させ、イオンをホ
ルダに支持されたシリコンウエハ等のターゲット試料に
照射させて所定の微細加工等をドライエッチングによっ
て形成するに、上記熱陰極の幅方向複数配列やイオン生
成領域に対する電子ビーム源を複数部位設け、又、イオ
ン生成領域の厚み方向に垂直な面に併設するマルチポー
ルの極性を対面同極にし、電子ビームの幅方向広がりを
容易にし、又、対面異極にすることにより高速電子ビー
ムを磁界によりトラップし、電子温度の低いイオンプラ
ズマを形成し、又、マルチポールの各磁石については所
定に相互独立的に移動出来るようにし、プラズマの密度
分布の変化に伴いその全体形状を板状に変化させて大面
積に亘り、幅方向均一密度のプラズマ分布を形成させ、
又、イオン生成領域に併設した逆磁場コイルをして電子
ビーム源のコイル電流に併せてイオン生成領域の長手方
向に移動することにより、該イオン生成領域に於ける無
磁場領域を最大にし得るようにし、ターゲット試料のシ
リコンウエハの前面や裏側に不必要なプラズマを生成さ
せず、ターゲット試料のマスク材に対する下地材の選択
比の高い高速エッチングによる微細加工を設計通りに所
望に出来るようにした技術的手段を講じたものである。
【0018】
【実施例】次に、この出願の発明の実施例を図1〜図1
5に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0019】尚、図16,図17と同一態様部分は同一
符号を用いて説明するものとする。
【0020】図1,図2,図5〜図13に示す実施例は
図16,図17に示される在来態様の電子ビーム励起イ
オンプラズマ発生装置1に於けるイオン生成領域10に
適用した態様であり、図3,図5に示す実施例はプラズ
マ領域2に適用した態様であり、図示の都合上、シリコ
ンウエハのターゲット試料14、及び、これを支持する
ホルダ13は省略(援用して)されている。
【0021】そして、イオン生成領域10に電子ビーム
を入射する電子ビーム加速領域9の加速陽極8が臨まれ
ている態様で示され、図1,図2に示す実施例はこの出
願の発明の本来の目的を現出するイオンプラズマ19'
の立体形状が図1の平面視、及び、図2の側面視に於
て、ブック型、乃至、弁当箱型の板状に形成されるよう
にされているものであり、長手方向Y、及び、幅方向X
に大面積で均一密度のプラズマ分布領域が形成され、先
端部分に於てシリコンウエハのターゲット試料14がホ
ルダ13に支持されて所定の微細加工のドライエッチン
グが形成されるに充分な厚さ方向Zの所定サイズの厚み
が形成されるようにされ、イオン生成領域10の外側に
於てはマルチポール磁石16' ,16''、背面マルチポ
ール磁石20' が設けられている。
【0022】尚、電子ビーム源9' の加速陽極8の外側
には電磁コイル18' が設けられており、更にイオン生
成領域10の外側には逆磁場コイル17' が設けられて
おり、電子ビーム22' をイオン生成領域10に於て上
述末広がりにして大面積の均一密度のプラズマ分布が形
成されるような機構が配設され、、該機構については図
3〜図14に示す実施例がこの出願の発明においては採
用されるものである。
【0023】まず、図3に示す実施例において、一対の
熱陰極6' ,6' を幅方向Xに於て陽極7のゲート孔に
対し線対称的に配列し、各々加熱電源5' ,5' に接続
し、そのフィラメントから発生する熱電子を放射させて
アルゴンガス4をプラズマ化させ電子ビーム22' をイ
オン生成領域10に於て幅方向Xに均一な放射強度をも
たせるようにする。
【0024】そして、図4は電子ビーム22' のB−B
断面における強度の分布を模式的に示したものである。
【0025】これによりイオン生成領域10における幅
方向Xのプラズマ密度の均一分布性が向上することにな
る。
【0026】又、これに準ずる実施例として図5に示す
態様においては熱陰極6''を幅方向Xに沿うように設け
て加熱電源5''にそのコイルを接続し、放射される電子
ビーム22' の幅方向Xに於ける強度分布が均一になる
ようにされ、上述図3に示す実施例の熱陰極6' ,6'
を幅方向Xに複数個配列した場合の態様と同様の作用効
果が得られ、当該両実施例においては電子ビーム源9'
に於ける電子ビームの幅方向Xの強度分布が可及的に均
一になり、イオン生成領域10に入射される電子ビーム
のマルチポール磁石16''によるトラップがされ易く、
結果的にイオンプラズマの幅方向Xの密度分布が均一に
なり、設計通りのドライエッチングが高精度に出来るこ
とにつながる。
【0027】次に、図6に示す実施例はイオン生成領域
10に入射する電子ビーム源9' ,9' を同一側に2つ
併設させて並列に電子ビーム22' ,22' をイオン生
成領域10に入射させるようにし、したがって、該イオ
ン生成領域10に於けるイオンプラズマ19''の幅方向
Xの密度分布の均一性が図れる態様である。
【0028】又、当該実施例においては長手方向Yのプ
ラズマの分布の均一性も得られ、当該実施例においては
背面マルチポール20' は省略することが出来る。
【0029】そして、図7に示す実施例は基本的に上述
実施例同様に電子ビーム源9' を2つイオン生成領域1
0' に対して設ける実施例であるが、該電子ビーム源9
' ,9' を180°相反する位置に対向させて設けて電
子ビーム22''を入射させるようにした態様であり、当
該実施例において逆磁場コイル17' ,17''の極性を
逆方向にすることにより無磁場領域をより広くすること
が出来、大面積均一プラズマを生成し易くするようにし
た態様である。
【0030】当該態様において、幅方向X、及び、長手
方向Y双方のプラズマ密度の均一性がより向上し、ター
ゲット試料14のエッチング速度の面内均一性が高くな
る。
【0031】而して、上述両実施例の延長としての図8
に示す実施例に於てはイオン生成領域10''に対し電子
ビーム源9' ,9' ,9' を3つに平面的に三等分位置
に設け、3方向から電子ビームを放射させるようにした
態様であり、幅方向、及び、長手方向に於けるプラズマ
密度の均一性がより向上し、中央に設置するターゲット
試料14のエッチング速度の均一性が更に高くなるよう
にした態様である。
【0032】次に、図9に示す実施例はイオン生成領域
10に於ける幅方向均一密度のプラズマ分布を可能にす
る機能としてイオン生成領域10の両側(例えば、上下
面)に配列するマルチポールの磁石16' ,16' …の
相対向する極性をして対面同極にし、当該図9に図示す
る様に、磁力線23を水平状に配向し、入射された電子
ビームが幅方向Xに拡散し易いようにし、その結果、イ
オンプラズマ19が幅方向密度に於て均一にさせること
が出来る。
【0033】又、図10に示す実施例においては相対向
して配列したマルチポールの磁石16' ,16' …をし
て対面異極にし、入射される電子ビームに対し磁気フィ
ルター効果を現出して高速電子を追い返し低速電子とイ
オンのみを通過させ電子温度の低いイオンプラズマ19
を生成することが出来る態様である。
【0034】そして、図11,12に示す実施例はイオ
ンプラズマ生成領域10に於ける上下左右の相対向して
配列されるマルチポール16' ,16''…が長手方向Y
に直交する態様、即ち、幅方向X、又は、厚み方向Zに
沿うように配列したものであり、当該図12に示す様
に、磁力線23を長手方向(Y方向)に配向し、電子ビ
ームのトラップを少くし、結果的に長手方向Yの密度が
均一なイオンプラズマの生成が現出可能にされる態様で
ある。
【0035】しかも、当該図12に示す実施例において
相対向するマルチポール磁石16',16''の極性につ
いて上述実施例の対面同極態様や対面異極態様が設計変
更的に採用され得るものである。
【0036】而して、図13に示す実施例においては図
8,図9に示す実施例のマルチポール磁石16' の配列
態様をイオンプラズマ生成領域10に於て断面凹レンズ
状に配列した態様であり、それに当該態様において、各
マルチポール磁石16' の間隙位置を適宜のサーボモー
タ,ギヤ,リンク機構等により位置調節自在にすること
が採用可能であり、かかる位置調整機構により図14に
示す様に、マルチポール磁石16' の断面配列姿勢を台
形等にし、電子ビームをトラップする磁界形成領域をタ
ーゲット試料14に対するドライエッチング加工に最適
であるように選択的に調整することが出来る。
【0037】これは幅方向Xの電子ビームの拡散が不充
分である場合、マルチポール磁場の断面配列形状が最適
であるように設計、及び、管理制御を行う場合に好適で
ある。
【0038】次に、図15に於ける実施例にあっては、
マルチポール磁石16' ,16''…の外側に配置した逆
磁場コイル17''において適宜のウオームギヤ機構やサ
ーボモータを用いることにより、長手方向Yに移動自在
にしその移動位置の調整を加速電極21に併設した電磁
コイル18' に通電する電流値に対し同期的に作用させ
てイオン生成領域10に於ける無磁場領域が最大になる
ようにして均一密度のイオンプラズマ分布を幅方向、及
び、長手方向に得ることが出来るようにした態様であ
る。
【0039】
【発明の効果】以上、この出願の発明によれば、基本的
に低イオンエネルギー領域に於て大面積に亘り、均一な
大電流密度のイオンをシリコンウエハ等のターゲット試
料に照射する等のメリットを有している電子ビーム励起
イオンプラズマ発生装置であって、該ターゲット試料の
マスク材に対する下地被エッチング材の選択比の高いド
ライエッチングによる微細加工を行い得るものでありな
がら、プラズマのイオン生成領域に対する閉じ込めが不
充分であるために、イオンプラズマの密度分布が幅方
向、及び、長手方向に均一でなく、そのため、エッチン
グ速度の均一性が高く、選択比の高い良好なドライエッ
チングが出来なかった問題点が解決され、大面積に亘り
プラズマ密度の均一な分布が得られるという優れた効果
が奏される。
【0040】又、プロセスに関与しない無駄な体積のプ
ラズマ生成が減ることにより、従来より少い投入電子ビ
ーム量で高密度のプラズマ生成が可能になる。
【0041】更に、イオンプラズマの密度分布の補正が
比較的容易に行われ、したがって、大面積に亘り、均一
な高密度プラズマ生成が所望に行われ、結果的にターゲ
ット試料に対する設計通りの微細なドライエッチングが
高速で行われるという効果がある。
【0042】又、これまでイオン生成領域に於ける無磁
場化が難しかったのがし易くなり、入射する電子ビーム
のコントロールがし易く、したがって、シリコンウエハ
等へ照射されるイオンエネルギーの制御がし易くなると
いう効果がある。
【0043】而して、逆磁場コイルの位置移動が自在で
あるようにされたことにより、電子ビーム源のコイル磁
場の変化に対応して無磁場領域を容易に形成させること
が出来、上述同様に、イオンの幅方向、及び、長手方向
密度分布の均一性がより得易くなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】1実施例の模式平面図である。
【図2】同、模式側面図である。
【図3】具体的1実施例の電極配列態様の模式部分断面
平面図である。
【図4】図3のB−B断面における電子ビームの強度分
布の模式図である。
【図5】同、他の実施例の模式平面図である。
【図6】図1相当の他の実施例の模式平面図である。
【図7】同、他の実施例の模式平面図である。
【図8】同、別の実施例の模式平面図である。
【図9】マルチポール配列の1実施例の模式斜視図であ
る。
【図10】同、他の実施例の模式斜視図である。
【図11】同、別の実施例の模式斜視図である。
【図12】図11におけるY−Z面における磁力線を模
式的に示した図である。
【図13】マルチポールの設計変更例の模式斜視図であ
る。
【図14】同、別の実施例の模式斜視図である。
【図15】逆磁場コイルの移動実施例の模式断面図であ
る。
【図16】従来技術に基づく電子ビーム励起イオンプラ
ズマ発生装置の構造模式平面図である。
【図17】同、従来技術に基づく電子ビーム励起イオン
プラズマ発生装置の他の構造模式図である。
【図18】図17におけるA−A断面の構造模式図であ
る。
【符号の説明】 2 プラズマ領域 10 イオン生成領域 14 ターゲット試料 16' ,16'' マルチポールの磁石 1 電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置(照射
装置) 19 プラズマ分布領域 6' 熱陰極 9' 電子ビーム源 17' 逆磁場コイル
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図18】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 37/32 9172−5E H01L 21/302 Z 9277−4M H05H 1/24 9014−2G (72)発明者 浜垣 学 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 (72)発明者 東海 正國 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 山田 猛 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 龍治 真 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 広島 安 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ領域にイオン生成領域が後設され
    該イオン生成領域にターゲット試料に対するホルダが内
    設されると共にマルチポールの磁石が外設されている電
    子ビーム励起イオンプラズマ発生装置において、該イオ
    ン生成領域にて大面積に亘り電子温度の低い幅方向均一
    プラズマ分布を形成する機構を配設したことを特徴とす
    る電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置。
  2. 【請求項2】上記機構がプラズマ領域に設置された熱陰
    極を幅方向にて放射熱電子密度を大にする配置機構にさ
    れていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置。
  3. 【請求項3】上記機構がイオン生成領域に対する複数部
    位に設けられた電子ビーム源からの電子ビーム放射機構
    にされていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の電子ビーム励起イオンプラズマ発生装置。
  4. 【請求項4】上記機構がマルチポールの磁石の平面方向
    の極性を対面同極にされた機構にされていることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の電子ビーム励起イオ
    ンプラズマ発生装置。
  5. 【請求項5】上記機構がマルチポールの磁石の平面方向
    の極性を対面異極にされた機構にされていることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の電子ビーム励起イオ
    ンプラズマ発生装置。
  6. 【請求項6】上記機構がマルチポールの磁石の長手方向
    をイオン生成領域の長手方向に直交する方向にされた機
    構にされていることを特徴とする特許請求の範囲第3〜
    5項いずれか記載の電子ビーム励起イオンプラズマ発生
    装置。
  7. 【請求項7】上記機構がマルチポールの各磁石がその各
    位置を移動自在にされていることを特徴とする特許請求
    の範囲第4〜6項いずれか記載の電子ビーム励起イオン
    プラズマ発生装置。
  8. 【請求項8】上記機構がマルチポールの外側に設けた逆
    磁場コイルについてイオン生成領域の長手方向に沿って
    移動自在にされていることを特徴とする特許請求の範囲
    第4〜6項いずれか記載の電子ビーム励起イオンプラズ
    マ発生装置。
  9. 【請求項9】上記逆磁場コイルの移動がコイル電流に同
    期的にされるようにされていることを特徴とする特許請
    求の範囲第8項記載の電子ビーム励起イオンプラズマ発
    生装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012524376A (ja) * 2009-04-16 2012-10-11 ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド 幅広リボンビームの生成および制御のための複合型icpおよびecrプラズマ源

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