JPH06279384A - ベンゾイルアクリルアミド誘導体 - Google Patents

ベンゾイルアクリルアミド誘導体

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JPH06279384A
JPH06279384A JP853094A JP853094A JPH06279384A JP H06279384 A JPH06279384 A JP H06279384A JP 853094 A JP853094 A JP 853094A JP 853094 A JP853094 A JP 853094A JP H06279384 A JPH06279384 A JP H06279384A
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JP
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hydrogen atom
compound
group
formula
atom
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Application number
JP853094A
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English (en)
Inventor
Hisao Takayanagi
久男 高柳
Yasunori Kitano
靖典 北野
Tamaki Yano
環 矢野
Hiroe Umeki
裕恵 梅木
Hiroto Hara
啓人 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(I) 【化1】 1 : 【化2】 (n:0〜3の整数,X:H,Cl,CH3 ,Y:H,
Cl、但し、X,Yのどちらか一方はH) R2 :H,OH,アルコキシ等 R3 :H,アルコキシ等 で表されるベンゾイルアクリルアミド誘導体または薬学
的に許容される塩成分とするチロシンキナーゼ阻害剤。 【効果】 本発明のベンゾイルアクリルアミド誘導体は
製造が容易であるうえに強力なチロシンキナーゼ阻害活
性ならびに癌細胞増殖抑制作用を有しており、副作用の
少ない制癌剤として利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なベンゾイルアク
リルアミド誘導体に関し、詳細にはチロシン特異的プロ
テインキナーゼ(以下チロシンキナーゼという)阻害活
性を有するベンゾイルアクリルアミド誘導体またはその
薬学的に許容しうる塩に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】癌の
化学療法においては、多くの物質が医薬として実用化さ
れているが、多くの場合薬効が不十分なだけではなく、
その阻害活性が癌細胞に限定されないため、強い毒性を
有し、結果として副作用が大きな問題となっており必ず
しも満足すべき状況ではない。
【0003】チロシン特異的プロテインキナーゼ(チロ
シンキナーゼ)は細胞の分化増殖や細胞情報伝達機構に
おいて中心的な機能を司ることがよく知られている。し
たがって細胞内チロシンキナーゼ活性の制御の破綻は、
細胞の分化増殖機構や細胞情報伝達機構の異常をもたら
し、多くの疾患の発症に直接的に関与するものと考えら
れている。特に、癌細胞の増殖においては、その無秩序
で過度の増殖にチロシンキナーゼが深く関わっているこ
とが知られており、疫学的に数多くの癌種においてチロ
シンキナーゼ活性の異常な亢進が見いだされている。こ
のような知見に基づいて、増殖因子受容体のチロシンキ
ナーゼ活性を特異的に阻害する薬剤が新しい作用機序を
持った副作用の少ない制癌剤となることがすでに提案さ
れている。そのようなものに例えば、微生物由来のアー
ブスタチン(Erbstatin)、ラベンダスチン
(Lavendustin)、ハービマイシンA(He
rbimycinA)、ゲニスタイン(Geniste
in)等、化学合成品では、ベンジリデンマロンニトリ
ル誘導体〔特開平2−138238号公報;ジャーナル
オブ メディシナル ケミストリー(Journal
of Medicinal Chemistry,3
2,2344 (1989);同,34,1896 (19
91)〕、α−シアノケイ皮酸アミド誘導体(特開昭6
3−222153号公報)、3,5−ジイソプロピル−
4−ヒドロキシスチレン誘導体(特開昭62−3952
2号公報)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
スチレン誘導体(特開昭62−39523号公報)、ア
ーブスタチン類縁化合物(特開昭62−277347号
公報)等がある。
【0004】従来のチロシンキナーゼ阻害物質はいずれ
もその阻害活性が充分でなく、制癌剤として使用するに
は未だ満足するものではない。本発明の目的は、容易に
入手でき、特異的に増殖因子受容体のチロシンキナーゼ
阻害物質として高い活性があり、従って従来の制癌剤の
有する副作用のない新しい制癌剤として有用な化合物を
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を進めた結果、特定構造のベンゾ
イルアクリルアミド誘導体が、他に例を見ないほど強力
なチロシンキナーゼ阻害活性ならびに癌細胞増殖抑制作
用を有することを見い出し本発明に到達した。即ち、本
発明の要旨は、下記一般式(I)
【0006】
【化7】
【0007】〔上記一般式(I)中、R1
【0008】
【化8】
【0009】(nは0〜3の整数を表し、Xは水素原
子、塩素原子またはメチル基を表し、Yは水素原子また
は塩素原子を表す。但し、XとYのどちらか一方は水素
原子を表す。)を表し、R2 は水素原子または−OR4
(R4 は水素原子またはC1 〜C 3 のアルキル基を表
す。)を表し、R3 は−OR5 (R5 は水素原子または
ハロゲン原子もしくはフェニル基で置換されていてもよ
いC1 〜C3 のアルキル基を表す。)を表す。〕で表さ
れるベンゾイルアクリルアミド誘導体または薬学的に許
容されるその塩に存する。以下、本発明につき詳細に説
明する。本発明の化合物は、下記一般式(I)
【0010】
【化9】
【0011】{上記一般式(I)中、R1
【0012】
【化10】
【0013】(nは0〜3の整数を表し、Xは水素原
子、塩素原子またはメチル基を表し、Yは水素原子また
は塩素原子を表す。但し、XとYのどちらか一方は水素
原子を表す。)を表し、R2 は水素原子または−OR4
〔R4 は水素原子またはC1 〜C 3 のアルキル基(メチ
ル基、プロピル基等)〕を表し、R3 は−OR5 (R5
は水素原子またはハロゲン原子(フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子等)もしくはフェニル基で置
換されていてもよいC1 〜C3 のアルキル基(メチル
基、プロピル基等)を表す。〕を表す。}で表されるベ
ンゾイルアクリルアミド誘導体または薬学的に許容され
るその塩である本発明の化合物のうち好ましい化合物と
して、(1)R1
【0014】
【化11】
【0015】(XおよびYは前記定義に同じ。)
【0016】
【化12】
【0017】(Yは前記定義に同じ。)または(2)
【0018】
【化13】
【0019】を表し、R2 およびR3 がメトキシ基を表
す化合物およびR1
【0020】
【化14】
【0021】(Yは前記定義に同じ。)を表し、R2
水素原子または−OR4 (R4 は水素原子またはメチル
基を表す。)を表し、R3 が−OR5 (R5 は水素原
子、メチル基、ジフルオロメチル基またはベンジル基を
表す化合物が挙げられる。また(2)のうち、特に好ま
しい化合物として、R1 のYが水素原子を表す化合物ま
たはR1 のYが塩素原子でR2 およびR3 がヒドロキシ
ル基を表す化合物が挙げられる。
【0022】また前記一般式(I)で表されるベンゾイ
ルアクリルアミド誘導体が形成し得る塩としては、例え
ば炭酸塩、重炭酸塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無
機酸塩、あるいは蟻酸塩、プロピオン酸塩、しゅう酸
塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、酒石酸
塩、安息香酸塩、フタル酸塩、メタンスルホン酸塩、4
−トルエンスルホン酸塩等の有機酸の塩等が挙げられ
る。以下、表−1に本発明化合物の好ましい具体例を示
す。
【0023】
【化15】
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】上記一般式(I)で表される化合物は、例
えば次のようなルートで製造できる。
【0028】
【化16】
【0029】(R1 〜R3 は上記一般式(I)中で定義
した通りである。) 例えば、上記一般式(II)で表されるアセトフェノン誘
導体とグリオキシ酸を無溶媒、あるいはベンゼン、トル
エン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル系溶媒など適当な溶媒中、酢酸、プロ
ピオン酸等の有機酸(有機酸は溶媒を兼ねることもでき
る)、硫酸、リン酸等の無機酸等の触媒の存在下、ある
いは無触媒で、−50℃から200℃、好ましくは20
℃〜150℃の温度で5分間から48時間、好ましくは
30分間から5時間反応させ、一般式(III)で表される
ベンゾイルアクリル酸を製造できる。また、化合物(II
I)は、たとえば一般式(IV)で表されるベンゼンまたは
ベンゼン誘導体と無水マレイン酸とを塩化アルミニウ
ム、塩化スズ(II)等の触媒の存在下反応させることに
より(いわゆるフリーデル・クラフト反応の条件下)製
造することもできる。
【0030】化合物(III)に下記一般式(V) R1 NH2 (V) (R1 は上記一般式(I)中で定義した通りである。)
で表されるアミン類をテトラヒドロフラン、ベンゼン、
ジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒中または無溶媒
で、縮合剤の存在下または非存在下で縮合させることに
より一般式(I)で表される本発明の化合物を製造でき
る。縮合剤としては上述の酸および塩基が挙げられるほ
か、オキシ塩化リン、塩化チオニル等の無機縮合剤、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾ
ール等の有機縮合剤等が挙げられる。
【0031】また、例えば化合物(III)に、塩化チオニ
ル、五塩化リン等を反応させ酸ハライドとした後、ある
いは上記化合物(III)にトリエチルアミン、ピリジン等
の有機塩基存在下、ギ酸エチル、ギ酸イソブチル等を作
用させ活性混合酸無水物とした後、トリエチルアミン、
ピリジン等の有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基の存在下、化合
物(V)を反応させる方法によっても上記一般式(I)
で表される化合物を製造できる。
【0032】また、上記一般式(I)で表される化合物
の内、R2 、R3 で表される基が−OHである化合物
は、対応するR2 、R3 が、ハロゲン原子またはフェニ
ル基で置換されていても良いC1 〜C3 のアルコキシ基
である化合物(I)から、塩化メチレン、アセトニトリ
ル等適当な溶媒中、三塩化ホウ素、ヨウ化トリメチルシ
ラン、無水塩化アルミニウム・ピリジン錯体等を作用さ
せる脱アルキル化の条件によっても製造できる。
【0033】本発明の上記一般式(I)で表される化合
物、あるいはその塩は、後述に示すごとくチロシンキナ
ーゼ阻害剤として有用であり、その作用に基づき制癌
剤、免疫抑制剤、血小板凝集阻害剤、動脈硬化治療薬、
抗炎症剤等の用途が期待できる。本発明によるチロシン
キナーゼ阻害剤、制癌剤の製剤としては、経口、経腸ま
たは非経口的投与による製剤のいずれをも選ぶことがで
きる。具体的製剤としては、錠剤、カプセル剤、細粒
剤、シロップ剤、坐薬、軟膏剤、注射剤等を挙げること
ができる。
【0034】本発明によるチロシンキナーゼ阻害剤、制
癌剤の担体としては、経口、経腸、その他非経口的に投
与するために適した有機または無機の、固体または液体
の、通常は不活性な薬学的担体材料が用いられる。具体
的には、例えば結晶性セルロース、ゼラチン、乳糖、澱
粉、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物性および
動物性脂肪および油、ガム、ポリアルキレングリコール
がある。製剤中の担体に対する本発明のチロシンキナー
ゼ阻害剤、制癌剤の割合は0.2wt%〜100wt%
の割合で変化させることができる。
【0035】また、本発明によるチロシンキナーゼ阻害
剤、制癌剤は、これと別の混和できるチロシンキナーゼ
阻害剤、制癌剤、その他医薬を含んでいてもよい。この
場合、本発明によるチロシンキナーゼ阻害剤、制癌剤が
その製剤中の主成分でなくてもよい。本発明によるチロ
シンキナーゼ阻害剤、制癌剤は一般に所望の作用が副作
用を伴うことなく達成される投与量で投与される。その
具体的な値は医師の判断で決定されるべきであるが、一
般に成人一日当たり10mg〜10g、好ましくは20
mg〜5gである。本発明の化合物は有効成分として成
人一日当たり1mg〜5g、更に好ましくは3mg〜1
g含有されて投与されてもよい。
【0036】
【実施例】以下、本発明につき合成例および実施例を挙
げて詳細に説明するが、その要旨を超えない限り以下に
限定されるものではない。 合成例1
【0037】
【化17】
【0038】窒素雰囲気下、3,4−ジメトキシアセト
フェノン(10.00g,56mmol)とグリオキシ
ル酸−水和物(5.11g,56mmol)の酢酸11
ml溶液を20時間加熱還流した。反応混合物を冷却
し、析出した固体をろ別し、酢酸で洗浄した後、加熱乾
燥して、上記カルボン酸7.75g(収率59%)を得
た。
【0039】m.p.175〜177℃ NMR(DMSO 250MHz)δppm;3.86
(s,3H),3.89(s,3H),6.68(d,
1H,J=15.4Hz),7.11(d,1H,J=
8.5Hz),7.51(d,1H),7.77(d
d,1H,J1 =2.0Hz,J2 =7.8Hz),
7.94(d,1H,J=15.5Hz). 実施例1
【0040】
【化18】
【0041】合成例1で得た上記カルボン酸(3.00
g,12.7mmol)とアニリン(1.16ml,1
2.7mmol)とトリエチルアミン(2.34ml,
15.3mmol)のテトラヒドロフラン溶液30ml
に、窒素雰囲気下、氷水浴でオキシ塩化リン(1.43
ml,15.3mmol)を滴下した後、反応液を室温
で一晩撹拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで2回抽
出し、有機層を飽和、炭酸水素ナトリウム、1N塩酸、
飽和食塩水で洗浄し、乾燥(無水MgSO4 )、ろ過し
た。減圧濃縮後、得られた残渣をヘキサン/酢酸エチル
で再結晶して上記カルボン酸アミド体1.85g(収率
47%)を得た。
【0042】m.p. 186〜187℃ NMR(DMSO 250MHz)δppm;3.86
(s,3H),3.89(s,3H),7.11−7.
15(m,2H),7.17(d,1H,J=15.0
Hz),7.37(t,2H),7.55(s,1
H),7.61(d,2H,J=12Hz),7.81
(d,1H,J=8.3Hz),7.97(d,1H,
J=15.3Hz),10.60(bs,1H). 実施例1と同様にして下記実施例2〜9の化合物を合成
した。 実施例2
【0043】
【化19】
【0044】収率64%,m.p.174〜175℃ NMR(DMSO−d6 ,250MHz)δppm;
3.87(s,3H),3.97(s,3H),6.9
3(d,1H,J=8.5Hz),7.26(d,1
H,J=4.4Hz),7.21−7.30(m,1
H),7.43(d,1H,J=15.0Hz),7.
54(d,1H,J=2.0Hz),7.75(d,1
H,J=11.5Hz),7.81(s,1H),7.
84(d,1H,8.5Hz),8.16(d,1H,
J=14.9Hz),9.21(bs,1H). 実施例3
【0045】
【化20】
【0046】収率43%,m.p.148〜149℃ NMR(DMSO−d6 ,250MHz)δppm;
3.86(s,3H),3.88(s,3H),7.1
4(d,1H,J=8.5Hz),7.20−7.90
(m,1H),7.38(d,1H,J=14.9H
z),7.36−7.42(m,1H),7.54−
7.57(m,2H),7.78−7.95(m,2
H),7.98(d,1H,J=15Hz),10.2
1(bs,1H). 実施例4
【0047】
【化21】
【0048】収率49%,m.p.148〜151℃ NMR(DMSO−d6 ,250MHz)δppm;
3.34(s,3H),3.86(s,3H),3.8
8(s,3H),6.93(d,1H,J=8.3H
z),7.12−7.18(m,1H),7.15
(d,1H,J=14.5Hz),7.20,7.28
(m,1H),7.50−7.53(m,3H),7.
80(d,1H,J=8.3Hz),7.95(d,1
H,J=15.0Hz),10.5(bs,s). 実施例5
【0049】
【化22】
【0050】収率44%,m.p.146〜149℃ NMR(DMSO,250MHz)δppm;3.85
(s,3H),3.87(s,3H),4.43(d,
2H,J=9.4Hz),7.05(d,1H,J=1
5.2Hz),7.12(d,1H,J=8.5H
z),7.30−7.35(m,5H),7.51
(d,1H,J=1.7Hz),7.77(d,1H,
J=8.4Hz),7.87(d,1H,J=15.0
Hz),9.10(t,1H). 実施例6
【0051】
【化23】
【0052】収率51%,m.p.215〜218℃ NMR(DMSO,250MHz)δppm;3.87
(s,3H),6.94(d,1H,J=8.5H
z),7.10−7.14(m,1H),7.20
(d,1H,J=15Hz),7.33−7.40
(m,2H),7.75(d,1H,J=1.8H
z),7.66−7.74(m,3H),7.94
(d,1H,J=15Hz),10.29(s,1
H),10.58(bs,1H). 実施例7
【0053】
【化24】
【0054】収率11%,m.p.160〜162℃ NMR(CDCl3 ,250MHz)δppm;3.9
0(s,3H),6.99(d,2H,J=7.1H
z),7.09−7.20(m,1H),7.23
(d,1H,J=14.7Hz),7.34−7.41
(m,2H),7.67(d,2H,J=7.8H
z),8.06−8.65(m,2H),8.12
(d,1H,J=15.3Hz). 実施例8
【0055】
【化25】
【0056】収率21%,m.p.157〜158℃ NMR(CDCl3 ,250MHz)δppm;3.9
0(s,3H),6.67(t,1H,J=74.2H
z),7.10−7.26(m,2H),7.29
(d,1H,J=14.8Hz),7.33−7.40
(m,2H),7.62−7.69(m,4H),8.
08(d,1H,J=14.9Hz),8.33(b
s,1H). 実施例9
【0057】
【化26】
【0058】収率12%,m.p.140℃(分解) NMR(CDCl3 ,250MHz)δppm;3.9
0(s,3H),5.25(s,2H),6.95
(d,1H,J=8.4Hz),7.16(m,1
H),7.26−7.43(m,8H),7.60
(d,1H,J=1.8Hz),7.68(d,1H,
J=8.2Hz),8.11(d,1H,J=14.8
Hz),8.36(bs,1H). 実施例10
【0059】
【化27】
【0060】実施例1で得た上記カルボン酸アミド体
(380mg,1.22mmol)のジクロロメタン1
0ml溶液に窒素雰囲気下、−70℃で三臭化ホウ素の
1ml溶液5.60mlを滴下した後徐々に室温に戻
し、その温度で一晩撹拌した後、反応液に氷冷下、水を
加え、1時間撹拌した。析出した固体をろ別し、乾燥し
て上記カテコール体150mg(収率43%)を得た。
【0061】m.p.230℃(分解) NMR(DMSO,250MHz)δppm;6.87
(d,1H,J=8.3Hz),7.09−7.16
(m,1H),7.13(d,1H,J=15.5H
z),7.32−7.34(m,2H),7.44
(s,1H),7.50(d,1H,J=8.3H
z),7.70(d,2H,J=7.8Hz),7.8
5(d,1H,J=15.0Hz),9.60(bs,
1H),10.18(bs,1H),10.56(b
s,1H). 実施例11
【0062】
【化28】
【0063】実施例10と同様にして上記カテコール体
を収率32%で得た。 m.p.250℃(分解) NMR(DMSO,250MHz)δppm;6.89
(d,1H,J=8.3Hz),7.11(d,1H,
J=15.0Hz),7.18(d,1H,J=9.8
Hz),7.36−7.57(m,4H),7.87
(d,1H,J=15.3Hz),7.93(s,1
H),9.55(bs,1H),10.15(bs,1
H),10.74(bs,1H). 合成例2
【0064】
【化29】
【0065】合成例1で得た上記カルボン酸(1.5
g,6.36mmol)の二硫化炭素10mlの懸濁液
に五塩化リン(1.6g,7.63mmol)を加え、
15分間加熱還流した。反応液を冷却後、濃縮して得ら
れた残渣のジクロロメタン5ml溶液を、氷冷下、濃ア
ンモニア水5mlに加えた。析出した固体をろ別し、1
N NaOH、水の順で洗浄した後、乾燥し、上記カル
ボン酸アミド体900mg(収率60%)を得た。
【0066】m.p.188−190℃ NMR(DMSO,250MHz)δppm;3.85
(s,3H),3.88(s,3H),6.95(d,
1H,J=15.3Hz),7.12(d,1H,J=
9.3Hz),7.51(s,1H),7.54(s,
1H),7.76(d,1H,J=8.7Hz),7.
82(d,1H,J=15.5Hz),7.85(s,
1H). 実施例12
【0067】
【化30】
【0068】合成例2で得られた上記カルボン酸アミド
体(250mg,1.06mmol)のピリジン1ml
溶液に塩化ベンゾイル(0.14ml,1.17mmo
l)を氷浴上滴下した。氷浴をはずして5時間撹拌した
後、水、酢酸エチルを加えた。分液後、有機層を1N塩
酸、飽和重曹水の順で洗浄し、乾燥(無水硫酸マグネシ
ウム)後、溶媒を留去した。得られた残渣をSiO2
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン/酢酸エチ
ル:2/1)にて精製し、上記ベンゾイルアミド体15
0mg(収率44%)を得た。
【0069】mp 170−173℃ NMR(CDCl3 ,250MHz);9.94(d,
1H,J=8.4Hz),7.53−7.64(m,4
H),7.70(dd,1H,J1 =1.9Hz,J2
=8.42Hz),7.91(d,2H,J=8.1H
z),8.90(bs,1H). 実施例13
【0070】
【化31】
【0071】合成例1で得た上記カルボン酸(500m
g,2.12mmol)とトリエチルアミン(0.44
ml,3.18mmol)のテトラヒドロフラン溶液2
0mlに、窒素雰囲気下、氷水浴でクロロギ酸イソブチ
ル(0.33ml,2.54mmol)を滴下した後、
反応液を氷水浴上で30分撹拌した。氷水浴で3−クロ
ロ−ベンジルアミン(0.29ml,2.33mmo
l)を滴下後、徐々に室温まで昇温し、2時間撹拌し
た。反応終了後、反応液に水を加え、酢酸エチルで2回
抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、1N
塩酸、飽和食塩水で洗浄し、乾燥(無水Na2
4 )、ろ過した。得られた残渣をヘキサン/酢酸エチ
ルで再結晶して上記カルボン酸アミド体700mg(収
率92%)を得た。
【0072】m.p.150−152℃ 無色針状結晶 NMR(CDCl3 ,250MHz)δppm;3.9
3(s,3H),3.97(s,3H),4.57
(d,2H,J=6.0Hz),6.54(brt,1
H,J=6.0Hz),6.92(d,1H,J=8.
5Hz),7.04(d,1H,J=14.9Hz),
7.18−7.31(m,4H),7.55(d,1
H,J=2.0Hz),7.69(dd,1H,J=
8.5,2.0Hz),8.05(d,1H,J=1
4.9Hz). IR(KBr,cm-1) 3314,3081,293
4,1640,1595,1562,1516,142
0,1323,1296,1267,1225,116
1,1024,966,806 実施例13と同様にして下記実施例14の化合物を合成
した。 実施例14
【0073】
【化32】
【0074】収率88%,m.p.148−150℃
無色針状結晶 NMR(CDCl3 ,250MHz)δppm;290
(t,2H,J=6.9Hz),3.68(q,2H,
J=6.9Hz),3.93(s,3H),3.97
(s,3H),6.02(brt,1H,J=6.9H
z),6.89(d,1H,J=14.9Hz),6.
92(d,1H,J=8.4Hz),7.19−7.3
7(m,5H),7.57(d,1H,J=2.1H
z),7.71(dd,1H,J=8.4,2.1H
z),7.99(d,1H,J=14.9Hz). IR(KBr,cm-1) 3308,2938,163
8,1595,1557,1514,1418,133
1,1292,1263,1159,1024,97
0,758,700,625
【0075】
【試験例】本発明の化合物のチロシンキナーゼ阻害活
性、および癌細胞増殖阻害作用について評価するため、
部分的に精製されたヒトEGF(上皮性細胞増殖因子)
受容体チロシンキナーゼ活性測定系およびヒト癌細胞を
用いた細胞培養系において試験を行なった。
【0076】(チロシンキナーゼ活性阻害作用) (測定方法)チロシンキナーゼ活性阻害作用は、ヒト扁
平上皮癌由来のA431細胞株より部分的に精製された
EGF受容体を用い、Linda J.PikeらのP
roceedings of the Nationa
l Academy ofSciences of t
he U.S.A.79,1443(1982)記載の
チロシンキナーゼ活性測定方法を改良して行った。
【0077】詳しい方法は以下の通りである。A431
細胞は牛胎児血清(FCS)10%を含むダルベッコ変
法イーグル培地中(DMEM)で37℃、5%炭酸ガス
下で培養、細胞を10mM N−2−ハイドロキシエチ
ルピペラジノ−N′−2−エタンスルホン酸(Hepe
s)緩衝液(pH7.4)、0.25Mサッカロース、
0.1mM EDTAを含む溶液中でホモジネート後3
000gで5分間遠心分離、更にその上清を10000
×gで30分間遠心分離を行いA431細胞膜画分を
得、これを酵素源である部分精製EGF受容体として測
定に供した。
【0078】上記のA431細胞膜画分(10〜15μ
g)、15mM Hepes緩衝液(pH7.7)、2
mM MnCl2 、10μM ZnSO4 、50μMN
3VO4 、及びジメチルスルホキシド(DMSO)に
溶解した被検物質(終濃度1% DMSO)の反応混液
に、100ng EGFを加えた後、75μg合成基質
RR−SRCペプチド(Arg−Arg−Leu−Il
e−Glu−Asp−Ala−Glu−Tyr−Ala
−Ala−Arg−Gly:配列表の配列番号1)、1
0μMガンマー32P−アデノシン三リン酸(55.5K
Bq)を加えて反応を開始した。
【0079】この時の容量は60μlである。反応は氷
中にて30分間行い、10mg/ml牛血清アルブミン
を6μlと20%トリクロロ酢酸を25μl加えて反応
を停止し、そのまま氷中に30分間放置した。次に50
00×gで2分間遠心した後、上清を40μlサンプリ
ングしてP81ホスホセルロースペーパーに吸着させ
た。
【0080】これを30%酢酸水に15分間浸して固
定、15%酢酸水に15分間浸して洗浄し(洗浄は4回
繰り返し行った。)、液体シンチレションカウンターで
P81ホスホセルロースペーパーに付着した。32Pのカ
ウントを測定し、この値をAとした。同時に被検物質を
添加しない反応、被検物質及びEGF共に添加しない反
応のカウントも測定し、各々B,Cとした。チロシンキ
ナーゼ阻害率は、下記の式により求められる。
【0081】
【数1】阻害率(%)=(B−A/B−C)×100
【0082】被検物質の添加濃度を変化させて得られた
阻害率よりIC50値(50%阻害濃度)を算出した。 (癌細胞増殖阻害作用) (測定方法)ヒト鼻咽腔癌であるKB細胞は、その細胞
表面上にEGF受容体を過剰に保有している。このKB
細胞を用いて、培養癌細胞の増殖に対する被検物質の効
果の検討を以下の方法で行った。
【0083】96well dish上にKB細胞を
2.5×103 cell/welに播種し、10%FC
S,50U/mlペニシリン及び50μg/mlストレ
プトマイシン含有DMEM:F12(1:1)培地中
で、37℃、5%炭酸ガス条件下で1日培養後、DMS
Oに溶解した被検物質を培地中に添加し(DMSO終濃
度<0.1%)、上記条件下で3日間培養した。なお被
検物質は24時間おきに培地と共に交換した。
【0084】生細胞数のカウントは、Michael
C.AlleyらのCancerReserch 4
8,589(1988)記載の測定法を参考に、MTT
試薬を用い550nmと650nmの2波長の比色定量
より求め、その値をaとした。同時に被検物質を加えな
い時の生細胞数のカウントも測定し、その値をbとし
た。細胞増殖阻害率は、下記の式により求められる。
【0085】
【数2】阻害率(%)=(b−a)/b×100
【0086】被検物質の添加濃度を変化させて得られた
阻害率よりIC50値(50%阻害濃度)を算出した。以
上の結果を表−2に示す。尚、表中の化合物番号は表−
1の化合物番号に対応したものである。
【0087】
【表4】
【0088】
【発明の効果】本発明のベンゾイルアクリルアミド誘導
体は製造が容易であるうえに強力なチロシンキナーゼ阻
害活性ならびに癌細胞増殖抑制作用を有しており、本発
明化合物を用いたチロシンキナーゼ阻害剤は、副作用の
少ない制癌剤として有用である。
【0089】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トロポジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:Arg Arg Leu Ile Glu As
p Ala GluTyr Ala Ala Arg
Gly
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅木 裕恵 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 原 啓人 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 〔上記一般式(I)中、R1 は 【化2】 (nは0〜3の整数を表し、Xは水素原子、塩素原子ま
    たはメチル基を表し、Yは水素原子または塩素原子を表
    す。但し、XとYのどちらか一方は水素原子を表す。)
    を表し、R2 は水素原子または−OR4 (R4 は水素原
    子またはC1 〜C 3 のアルキル基を表す。)を表し、R
    3 は−OR5 (R5 は水素原子またはハロゲン原子もし
    くはフェニル基で置換されていてもよいC1 〜C3 のア
    ルキル基を表す。)を表す。〕で表されるベンゾイルア
    クリルアミド誘導体または薬学的に許容されるその塩。
  2. 【請求項2】 R1 が 【化3】 (XおよびYは前記定義に同じ。) 【化4】 (Yは前記定義に同じ。)または 【化5】 を表し、R2 およびR3 がメトキシ基を表すことを特徴
    とする請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R1 が 【化6】 (Yは前記定義に同じ。)を表し、R2 が水素原子また
    は−OR4 (R4 は水素原子またはメチル基を表す。)
    を表し、R3 が−OR5 (R5 は水素原子、メチル基、
    ジフルオロメチル基またはベンジル基を表すことを特徴
    とする請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R1 のYが水素原子であることを特徴と
    する請求項3記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R1 のYが塩素原子でR2 およびR3
    ヒドロキシル基であることを特徴とする請求項3記載の
    化合物。
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