JPH0627796B2 - 超伝導体の磁気的な臨界電流測定方法及び装置並びに転移温度測定方法及び装置 - Google Patents

超伝導体の磁気的な臨界電流測定方法及び装置並びに転移温度測定方法及び装置

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JPH0627796B2
JPH0627796B2 JP11163488A JP11163488A JPH0627796B2 JP H0627796 B2 JPH0627796 B2 JP H0627796B2 JP 11163488 A JP11163488 A JP 11163488A JP 11163488 A JP11163488 A JP 11163488A JP H0627796 B2 JPH0627796 B2 JP H0627796B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、超伝導体の特性たる臨界電流値を磁気的な方
法によって測定する方法及び装置並びに転移温度を測定
する方法及び装置に関する。
〔従来の技術〕
超伝導体の臨界電流値を磁気的に測定する従来の方法
は、以下に示す5つの方法に分類される。
第1の方法を実施する装置は、第8図で概略的に示さ
れ、超伝導体に一様な時間的に変動する磁場を与えるた
めのソレノイドと、そのソレノイド内に超伝導体の生じ
せしめる磁場のみを検出するための2つのコイルが用意
される。この2つのコイルは、もしも超伝導体が存在し
ない場合には、ソレノイドによって供給される磁場の変
動による誘導起電力が互いに打ち消し合って積分器に信
号が入らないように作られ、かつ配置される。
測定において超伝導体内に変動磁場によって誘導された
超伝導電流の生じせしめる磁場は超伝導体に近い方のコ
イルにおいて圧倒的に強く感じられ、この1組のコイル
は、積分器にこの磁場の時間微分に対応する誘導起電力
を出力する。積分器は、これを時間について積分するこ
とによって、超伝導体の磁化に対応する信号を出力す
る。このようにして、各時刻の磁化信号とそれらに対応
する変動磁場を1組にして測定し、磁化の履歴曲線を得
る。この履歴の大きさから臨界電流を算出する。
第2の方法は、試料を第1の方法と同様に第8図のよう
に構成された1組のコイル内に出し入れすることによ
り、試料の生じせしめている磁場をコイルに生じる誘導
起電力の時間積分として測定するものである。第1の方
法と同じく、磁化履歴曲線を得て、その履歴の大きさか
ら臨界電流を算出する。この場合、外部磁場は超伝導体
を磁化させるために変化させる必要はあるものの、磁化
の測定そのものには磁場の変動させる必要がないので、
ソレノイドで供給される場合のみならず、電磁石によっ
て供給される場合もある。これが第3の方法であり、こ
の場合、打ち消し用コイルは必ずしも必要としない。
第4の方法では、円筒状試料の内側に磁場の検出器を置
き、外部から試料の軸方向に時間的に変動する磁場を供
給する。そして、試料の内側を遮蔽するように生じる超
伝導電流のつくる磁場の最大値を測定し、算出する方法
である。変動磁場の変化量がある値を越えると超伝導電
流はの臨界値に達し、試料を横切ってその内側に変動磁
場が侵入を始め、上記の検出器に変動磁場が感じられる
ようになる。この状態において、試料の内側と外側の磁
場の値の差から臨界電流値を算出する。侵入が開始した
後、外部磁場の変化の向きが変わらないならば、その後
の試料の内側と外側の磁場の値の差は臨界電流値を与え
続ける。この方法には、外部から供給した磁場が消失し
た後、試料の内側に残留した磁場の値から試料内に流れ
る永久電流を算出し、臨界電流値とする方法も含まれ
る。
第5の方法では、二重連結体状の超伝導体に外部から時
間的に変化する磁場を作用させて、この二重連結体の内
部領域を遮蔽し、かつ変動磁場と供に発達する超伝導電
流を生じさせる。この方法を実施する装置を第9図に示
し、試料形状を第10図に示す。試料には、明らかに臨
界電流値を決定すると予測される他の部分より厚み、あ
るいは巾の小さな部分をつくり、その部分に沿って電気
絶縁処理された導線を第10図の様にそわし、これらを
明らかに臨界電流値を決定しないと予測される部分に電
圧端子として2ケ所で電気的に試料と接合する。この変
動磁場に誘導された超伝導電流がその臨界値より小さい
場合、外部変動磁場は超伝導体を横切ることができない
ので、その近傍に存在する導線をもまた横切ることがで
きない。それで、外部磁場が変動中であっても、導線内
に誘導起電力は発生しない。この超伝導電流が臨界値に
達すると、外部磁場は導線の沿っている臨界電流値に達
している部分を通って内側に侵入を開始する。すると、
導線には、これを横切る磁束線が存在するので、ローレ
ンツカによって誘導起電力が生じる。この電圧の発生を
検出することにより、その侵入開始時の外部磁場の値を
測り、臨界電流値をその値から算出する。この方法は外
部磁場として微少巾の交流磁場を採用すると、連続測定
が可能なので、電圧端子間電圧の分析から臨界温度の測
定法となる。また、強大なパルス磁場によって測定を行
なえば、磁場の減衰時の測定によって、大きなバイアス
磁場中の臨界電流を任意の温度で測定できる。第5の方
法は、1983年から1985年にかけて本発明の発明
者が発明し、公表した方法であり、現在でも他に使用例
がみあたらない。
〔発明が解決しようとする課題〕
第1、第2及び第3の方法の場合、磁化過程一周期の成
立によって測定が完結するため、指定された温度での臨
界電流値を測定するには、磁化過程一周期で通じて、そ
の指定された温度に保つ必要がある。一方、精密な測定
には、すぐれた動特性、低ドリフト性及び高感度性をも
つ積分器が必要とされるが、この積分器の性能と変動磁
場を供給するソレノイドあるいは電磁石の制御性によっ
て一周期の時間を短時間化するのに限界がある。また、
強磁場中の臨界電流の測定も、測定に要求される磁場が
静磁場に近いものになるので、高価な強磁場発生装置が
必要となる。
さらに、最も重要な点は、検出コイルと試料の位置関係
により、試料が多数の超伝導体粒の集合体である場合、
粒内で局所的に循環する超伝導電流による磁化と粒間結
合によって生じる試料全体にわたって流路をとる超伝導
電流による磁化の区別が原理的に困難である。
第4の方法は、誘導された超伝導電流が充分に長いソレ
ノイド電流と等価とみなせるようになるのが理想とされ
るのであって、充分に長くかつ均一な性質をもって円筒
試料を用意することが望まれる。
そうでない場合、誘導電流が検出器の位置につくる磁場
は、試料の形状及び試料に対する相対位置によって円筒
内部であって著しく異なるので、測定に大きな誤差を生
じる可能性がある。
試料が不均一であると予測される場合にこの方法を用い
ることは、不適当であると考えられる。
第5の方法では、試料に測定のための微細な処理を施す
必要があり、測定には熟練を要する。そして、電圧端子
という電気接合部を含んでいるので、試料の冷却時にお
いて、接触不良及び断線という故障を生じる可能性をも
っている。さらに、この処理には測定結果に先だつ予測
を超伝導体の特性について行なう必要があり、測定が完
結するまで、この処理が適当であったか判断できない。
〔発明の目的〕
上記の従来技術の問題点に対し、 本発明は、パルス磁場の利用可能としているので、短時
間の測定が可能であって、試料の温度制御の負担を軽減
でき、パルス強磁場を利用して、強磁場中の臨界電流と
安価な装置で測定できる方法及び装置を提供することを
目的とする。
本発明は、いわゆる輸送臨界電流を測定できる方法及び
装置を提供することを目的とする。
本発明は、試料の形状に対する要求が比較的少ない方法
及び装置を提供することを目的とする。
本発明は、検出器の位置についての精密性に対する要求
度が低く、空間的に拡がりをもつ対象空間をもつ検出器
を用意することにより、試料内の電流分布についても知
りうる方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明は、測定にあたり、試料を装置に取り付けるとき
熟練を要さない方法及び装置を提供することを目的とす
る。
本発明は、試料の特性に対する予測を含む処理を試料に
施さなくてよい方法及び装置を提供することを目的とす
る。
本発明は、電気接合を伴う取り付けを行なわないので、
冷却時における故障の可能性が小さい方法及び装置を提
供することを目的とする。
本発明は、不均一であることが予測される試料について
も測定でき、それのみならず、種々超伝導の物質の混在
する試料についても適用でき、それらの個々に対して分
析ができる方法及び装置を提供することを目的とする。
〔発明の概要〕
本発明は、第5の方法における電圧端子の取り付け、試
料に対する予測を必要とする加工等の操作を除くため、
外部磁場の侵入の検出を試料付近に取り付けた検出コイ
ルで行なうものである。第5の方法は試料近傍に置いた
1巻きの検出コイルを使用していると解釈できるが、本
発明は単に試料近傍に検出器を設置し、侵入を検出する
ものではなく、超伝導電流の生じせしめる磁場の変化を
観測するために、検出器として検出対象空間に拡がりを
もった形で検出コイルを設置している。外部変動磁場自
体による誘導起電力を打ち消すコイルを伴う点で、第
1、第2、第3の方法に似ているが、これらが臨界電流
算出の基を磁化履歴曲線によっている点において、明ら
かに原理的にこれらの方法と異なる。第4の方法もま
た、検出器と試料との位置関係において似てはいるが、
臨界電流算出の基を遮蔽磁場の値そのものにおいている
点で原理的に異なる。
本発明の特徴を以下に列挙する。
検出器を検出コイルの代りにSQUID、磁気抵抗
素子あるいはホール素子などの磁気検出素子と微分器の
組み合わせにより構成すること。
変動磁場を測定時に直接測定せず、まったく既知の
ものとして取り扱うこと。
変動磁場を運動する磁石によって供給すること 打ち消し用コイルを用いず、数値計算等によって用
いた場合と同様の効果を生じさせること。
変動磁場の測定を電流位降下を用いす、その電流の
発生した磁場の測定を磁気検出素子あるいはコイルで行
うこと。
検出用コイル対を複数のコイル対で行なうこと。
多方向の軸をもつ検出コイル対を用いること。
〔実施例〕
実施例について図面を参照して説明する。
第1図は、本発明の装置全体のブロック図を示す。第2
図は、本発明の装置の主要部の概略図を示す。
本発明の装置は、互いに直列に接続された互いに逆向き
に巻かれた1対のピックアップコイル3と、ピックアッ
プコイルの一方を包囲して設置されたリング状の超伝導
体試料6と、ピックアップコイル3と試料6とを包囲し
てピックアップコイル3とほぼ同軸に設置された外部コ
イル5と、外部コイル5を作動させる電源と、ピックア
ップコイル3に接続されたプリアンプと、外部コイル5
の作動電圧を検出する電圧検出器と、プリアンプと接続
されており、プリアンプにより測定される電圧がほぼ0
になった時点の電圧検出器の電圧の値から相関的に臨界
電流値を算出するコンピュータと、外部コイル5に接続
した電界コンデンサ52、チョークコイル51及び光学
トリガ1とから成っている。さらに本発明に装置は、第
2図で示すように、トップキャップ4、ねじ7、温度計
8(この温度計の測定値から超伝導体の試料の転移温度
も上記コンピュータにより確定される)、雲母板9、ベ
ース10、及びGM式極低温小型冷凍機の第2段11を
有する。
第3図は、60.7Kにおける信号のフォームを示すグ
ラフである。
第4図は、臨界電流の分析のためのCRTトレースを示
すグラフである。
第5図は、臨界電流対温度の関係を示すグラフである。
第6図は、本発明の装置の構成の相互関係を示すブロッ
ク図である。
第7図は、本発明の装置の測定部を示すブロック図であ
る。
本発明の方法は、互いに逆向きに巻かれた1対のピック
アップコイルを直列に接続し、その一方のピックアップ
コイルを包囲してリング状の超伝導体試料を設置し、前
記1対のピックアップコイル及び前記試料を包囲して前
記1対のピックアップコイルとほぼ同時に外部コイルを
設置し、前記外部コイルによりパルス的に変化する磁場
を生じさせ、前記試料のリングの内部領域を遮蔽しかつ
前記変化する磁場とともに発達する超伝導電流を前記試
料に生じさせ、前記超伝導試料の臨界電流値に達したと
きの前記ピックアップコイルの電圧のほぼ0になった時
点の前記外部コイルにより生じた磁場の大きさから相関
的に超伝導体試料の臨界電圧値を測定する方法から成
る。
また、本発明の装置は、互いに直列に接続された互いに
逆向きに巻かれた1対のピックアップコイルと、 前記1対のピックアップコイルの一方を包囲して設置さ
れたリング状の超伝導体試料と、 前記1対のピックアップコイル及び前記試料を包囲して
前記1対のピックアップコイルとほぼ同軸に設置された
外部コイルと、 前記外部コイルがパルス的に変化する磁場を発生するた
めの電流を供給する電源と、 前記1対のピックアップコイルに接続された第1電圧検
出器と、 前記外部コイルの作動電圧を検出する第2電圧検出器
と、 前記第1電圧検出器により測定される電圧がほぼ0にな
った時点の第2電圧検出器の電圧の値から相関的に臨界
電流値を算出するコンピュータと、 から成る超伝導体の臨界電流測定装置。
また、本発明の転移温度測定方法は、 互いに逆向きに巻かれた1対のピックアップコイルを直
列に接続し、その一方のピックアップコイルを包囲して
リング状の超伝導体試料を設置し、前記1対のピックア
ップコイル及び前記試料を包囲して前記1対のピックア
ップコイルとほぼ同時に外部コイルを設置し、前記外部
コイルによりパルス的に変化する磁場を生じさせ、前記
試料のリングの内部領域を遮蔽しかつ前記変化する磁場
とともに発達する超伝導電流を前記試料に生じさせ、前
記試料の温度を時間的に変化させて、前記超伝導体試料
の臨界電流値に達したときの前記ピックアップコイルの
電圧が定常的にほぼ0になった時点の前記試料の温度か
ら超伝導体試料の転移温度を測定する方法から成る。
また、本発明の転移温度測定装置は、 互いに直列に接続された互いに逆向きに巻かれた1対の
ピックアップコイルと、 前記1対のピックアップコイルの一方を包囲して設置さ
れたリング状の超伝導体試料と、 前記1対のピックアップコイル及び前記試料を包囲して
前記1対のピックアップコイルとほぼ同軸に設置された
外部コイルと、 前記外部コイルがパルス的に変化する磁場を発生させる
ための電流を供給する電源と、 前記1対のピックアップコイルに接続された電圧検出器
と、 前記試料の温度を変化させる変温器と、 前記試料の温度を測定する温度計と、 前記電圧検出器により検出された電圧が定常的にほぼ0
になった時点の、前記温度計により測定された温度から
転移温度を確定するコンピュータと、 から成る超伝導体試料の転移温度を測定する装置から成
る。
GM式極低温小型冷凍機の第2段上に試料を含む装置の
測定頭部を取付け、熱固体伝導及び放射(図2参照)に
よってのみその試料が頭部と熱的に干渉する場合に、熱
固体伝導によって冷却することが便利である。
この場合、試料は上述のように冷却され、値は30Kか
らのその臨界温度までの範囲で得られる。次に第2段上
の温度は、更正されたSiダイオード(その動作電流は
10μA)によって試料の温度として検出される。この
冷却法は、10Kから室温までの範囲のあらゆる温度で
輸送臨界電流を測定するために用いることができるから
が明らかである。輸送臨界電流の値は、試料温度の処理
を増加するとき得られる。この処理でGM式極低温小型
冷凍機は停止し、最低の温度がこれらの測定で達成され
た後、温度はゆっくり(約1K/分)増加する。
輸送電流は、ソレノイドを流れるパルス電流によって励
起される磁界からのサンプルの内部領域を遮蔽するリン
グ電流として誘導される。ソレノイドは40.4mmの
長さで17.3mmの直径であり、その軸に平行で樹脂
中に浸漬され、その軸に平行なスリットを有する真鍮か
ら成る円筒の周囲の銅線(絶縁層を含む228μm直
径)によって巻かれている。この磁界は、リングの軸に
平行である。ノイズを回避するため、これらの励起電流
は、小さいフォトサイリスターによってトリガされ、直
列のソレノイドに接続した抵抗(0.5Ω)での電圧と
してモニターされるサイリスタースイッチを用いてコン
デンサー(その容量は1200μF出あり、最大作動電
圧は400ボルトである)の放電電流として供給され
る。フラックスジャンプを誘導しないため、磁界の上昇
速度は、低抵抗インダクタ(約1Ω及び300mH)に
よって遅くされる。この信号は、通常のトリガされるオ
シロスコープ又はパーソナルコンピュータによって制御
された2現象デジタルストレージオシロスコープにIE
EE−488バスを介して直接入力される。
1対の小さいコイルが、銅線(絶縁体を含む72μm直
径)が1層としてコイル毎に16回巻かれ、HBグルー
レードで分類されるセラミック絶縁管(3.1mm外
径)の周囲でクローズド・パッキングされる場合、遮蔽
電流の飽和を検出するために使用される。それは、ヘッ
ドの適切な位置で取付けられて、パルス磁界の変化のた
め信号を消去することが可能な場合に、遮蔽電流の成長
のみをピックアップするため、ヘッドの適切な位置に取
付けられる。コイルからのこの信号は、非常に小さく、
フロントエンド増幅器としてハイブリッド信号調整器を
用いる手製直流増幅器によって上記オシロスコープを入
力するために増幅される。その最大利得及びそのS/N
比は、それぞれ103dB及び約150dBである。次
に、その利得は、直流と30KHzとの間で平坦であ
り、方形波に対するその遅延時間は、約10μSであ
る。試料は、Al製のポスト上に取付けられ、スリット
を有するAlの厚いディスクの上に建てられ、ワニスに
よってポストのうちの1本の上に固定される。従って、
試料は、熱応力を有さずに冷却されて、以下のような連
続的熱処理を受けうる。
粉状YBa2Cu37が、出発物質、Y23粉末(純度
99.9%、300メッシュ)、BaCO3粉末(純度
99.9%、300メッシュ)及びCuO(純度99.
9%、300メッシュ)から生成される。これらの物質
は、乾燥環境中で磁器製の乳鉢上に化学量論的比率で粉
砕及び混合された後、大気中のアルミナボート上で燃焼
される。この加熱処理は、乾燥処理(2時間で約150
℃)、温度の増加処理(1時間毎に200℃)、反応処
理(16時間で920℃)及び温度の減少処理(1時間
毎に30℃)から成る。この処理は、粉砕処理、磨砕処
理及び混合処理とともに3回行なわれる。生成物は粉末
についてCu−K2X線回折によってその結晶構造を分
析され、その構造は斜方晶系(a=3.83Å、B=
3.90Å及びc=11.67Å)であり、第2相の部
分は非常に小さいことが確認されている。上述のように
生成した粉末は、鋼鉄製ダイスでプレスされ、手動プレ
スによって約1.3GPaの圧力下でディスク(13m
m直径)に形成される。このディスクは、2時間920
℃で大気中で仮焼結された後、鋼鉄製ドリル(4.0m
mφ)によって非常に注意深く穿孔される。上述のよう
に、試料は、リング上に形成され、その外径、内径、厚
さ及び狭い部分の断面が最終焼結状態でそれぞれ12.
2mm、約4mm、0.85mm及び約0.017cm
2である。形成処理後、リングは、920℃で3回(そ
れぞれ16時間、16時間及び32時間)焼結され、臨
界電流の値は、各焼結状態に対応して測定される。これ
らの焼結処理はまた、粉末の生成処理で説明した4つの
処理から成る。最初の焼結で、反応収縮のため、リング
のクラックが、光学顕微鏡でしばしば観察される。次
に、測定は、その密度が約5.7g/cm3でその体積
充填率が約90%のクラックのない試料について行なわ
れる。
さらに、リングの各焼結状態に等価の熱処理を受けたY
Ba2Cu37の3つのセラミック片が、走査型電子顕
微鏡によって40kevで観察される。
第3図で、通常のトリガーされる2現象オシロスコープ
によって観察される代表的信号のグラフが示される。し
かし、臨界電流の値は前記2現象ストレージオシロスコ
ープによるデータに基づいて数値を求められ、温度に対
する臨界電流の依存性は第5図で示される。
観察される信号は、誘導されるリング電流の形状が試料
の外部形状と一致する場合に予想される信号より小さ
い。更に、未飽和部分の信号の程度は、異なる熱処理の
ための変化する。
従って、リング電流は断面のわずかな部分で流れること
が立証される。
臨界電流値は、減少過程での信号が滑らかに変化し、リ
ング電流の飽和をはっきり観察できないため、パルス磁
場の増加過程での信号に基づいて算出される。この現象
は在来の超伝導体においては観測されていない。パルス
磁場の増加過程での信号から臨界電流値の算出原理は一
般に次のとおりである。
注目する観測に先立って試料がパルス磁場を経験してい
る場合、リングの内部領域に磁場がトラップされてお
り、試料内にその臨界電流の値Icに既にリング電流が
流れている。この内部領域内にトラップされている磁場
の、試料中心での強さを飽和遮蔽磁場Hsとする。この
状態から、パルス磁場を印加すると、試料内の電流は向
きを反転して内部領域をこのパルス磁場から遮蔽する磁
場を発生する。このときの遮蔽電流はパルス磁場の増加
過程では磁場とともに発達し、この電流による磁場が時
間的に変化するのでピックアップコイル電圧が発生す
る。そして、増加過程中にピックアップ電圧が0となっ
た場合、この遮蔽電流は飽和したことになる。
以上により、この遮蔽電流が飽和する時点のパルス磁場
のHeはHsと次の関係をもつ。
He=2Hs この遮蔽電流の飽和値は、試料の臨界電流値であり、流
路形状は円電流とみなせるので次式が成り立つ。
ここで、Rは試料の半径である。
試料内に臨界電流Icの大きさの電流が流れている状態
では試料の最も狭い部分では断面全域に臨界電流密度J
cで流れているから、 Ic=JcDW ここで、Dは試料の厚さ、Wは試料の狭い部分の幅であ
る。
かくして、前記の式より次式が得らる。
第4図で現われる特異性は、2つの超伝導物質がリング
内に含まれ、それらがリングの異なる部分で分布される
場合に説明されうる。
ピックアップコイルからの信号の変化が示され、焼結時
間の増加に従って、各ピークの発達が観察され、第1ピ
ークは第2ピークに比較して拡大される。低い温度領域
でのみ観察される第2ピークの成分は、第1ピークの成
分とは異なる温度依存性を示す。
本発明の方法において、温度に対する臨界電流の依存性
が得られ、これらの電流は粒子の間のわずかな部分の結
合によって与えられていることが確認される。さらに意
外な現象が観察される。
〔発明の効果〕
本発明は、パルス磁場の利用を可能としているので、短
時間の測定が可能であって、試料の温度制御の負担を軽
減できる。パルス強磁場を利用して、強磁場中の臨界電
流と安価な装置で測定できる。
本発明は、いわゆる輸送臨界電流を測定できる。
本発明は、試料の形状に対する要求が比較的少ない。
本発明は、検出器の位置について精密性に対する要求度
が低く、空間的に拡がりをもつ対象空間をもつ検出器を
用意することにより、試料内の電流分布についても知り
うる。
本発明は、測定にあたり、試料を装置に取り受けるとき
熟練を要さない。
本発明は、試料の特性に対する予測を含む処理を試料に
施さなくてもよい。
本発明は、電気接合を伴う取り付けを行なわないので、
冷却時における故障の可能性が小さい。
本発明は、不均一であることが予測される試料について
も測定でき、それのみならず、種々超伝導の物質の混在
する試料についても適用でき、それらの個々に対して分
析ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明と装置全体のブロック図を示す。 第2図は、本発明の装置の主要部の概略図を示す。 第3図は、代表的な通常のトリガーされる2現象オシロ
スコープにより観測される第1電圧検出器出力および第
2電圧検出器出力波形写真からトレースされた図であ
る。 第4図は、2現象デジタルオシロスコープで観測された
臨界電流の分析のためのCRTトレースを示すグラフで
ある。 第5図は、臨界電流対温度の関係を示すグラフである。 第6図は、本発明の装置の構成の相互関係を示すブロッ
ク図である。 第7図は、本発明の装置の測定部を示すブロック図であ
る。 第8図は、従来技術の装置の概略図を示す。 第9図は、他の従来技術の装置の概略図を示す。 第10図は、第9図で示す従来技術の装置で使用される
試料形状を示す図である。 〔主要符号〕 3……ピックアップコイル 4……トップキャップ 5……外部コイル 6……試料 7……ねじ 8……温度計 9……雲母板 10……ベース 11……低温クーラーの第2段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−37975(JP,A) 特開 昭55−37978(JP,A) 「実験物理学講座15低温」pp.396− 404共立出版1974年7月20日発行 「応用 物理」第50巻第5号(1981)pp.511 (43)−512(44)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに逆向きに巻かれた1対のピックアッ
    プコイルを直列に接続し、その一方のピックアップコイ
    ルを包囲してリング状の超伝導体試料を設置し、前記1
    対のピックアップコイル及び前記試料を包囲して前記1
    対のピックアップコイルとほぼ同時に外部コイルを設置
    し、前記外部コイルによりパルス的に変化する磁場を生
    じさせ、前記試料のリングの内部領域を遮蔽しかつ前記
    変化する磁場とともに発達する超伝導電流を前記試料に
    生じさせ、前記超伝導体試料の臨界電流値に達したとき
    の前記ピックアップコイルの電圧がほぼ0になった時点
    の前記外部コイルにより生じた磁場の大きさから相関的
    に超伝導体試料の臨界電圧値を測定する方法。
  2. 【請求項2】互いに直列に接続された互いに逆向きに巻
    かれた1対のピックアップコイルと、 前記1対のピックアップコイルの一方を包囲して設置さ
    れたリング状の超伝導体試料と、 前記1対のピックアップコイル及び前記試料を包囲して
    前記1対のピックアップコイルとほぼ同軸に設置された
    外部コイルと、 前記外部コイルがパルス的に変化する磁場を発生するた
    めの電流を供給する電源と、 前記1対のピックアップコイルに接続された第1電圧検
    出器と、 前記外部コイルの作動電流を検出する第2電圧検出器
    と、 前記第1電圧検出器により測定される電圧がほぼ0にな
    った時点の第2電圧検出器の電圧の値から相関的に臨界
    電流値を算出するコンピュータと、 から成る超伝導体の臨界電流測定装置。
  3. 【請求項3】互いに逆向きに巻かれた1対のピックアッ
    プコイルを直列に接続し、その一方のピックアップコイ
    ルを包囲してリング状の超伝導体試料を設置し、前記1
    対のピックアップコイル及び前記試料を包囲して前記1
    対のピックアップコイルとほぼ同時に外部コイルを設置
    し、前記外部コイルによりパルス的に変化する磁場を生
    じさせ、前記試料のリングの内部領域を遮蔽しかつ前記
    変化する磁場とともに発達する超伝導電流を前記試料に
    生じさせ、前記試料の温度を時間的に変化させて、前記
    ピックアップコイルの電圧が定常的にほぼ0になった時
    点の前記試料の温度から超伝導体試料の転移温度を測定
    する方法。
  4. 【請求項4】直列に接続された互いに逆向きに巻かれた
    1対のピックアップコイルと、 前記1対のピックアップコイルの一方を包囲して設置さ
    れたリング状の超伝導体試料と、 前記1対のピックアップコイル及び前記試料を包囲して
    前記1対のピックアップコイルとほぼ同軸に設置された
    外部コイルと、 前記外部コイルがパルス的に変化する磁場を発生するた
    めの電流を供給する電源と、 前記1対のピックアップコイルに接続された電圧検出器
    と、 前記試料の温度を変化させる変温器と、 前記試料の温度を測定する温度計と、 前記電圧検出器により検出された電圧が定常的にほぼ0
    になった時点の、前記温度計により測定された温度から
    転移温度を確定するコンピュータと から成る超伝導体試料の転移温度を測定する装置。
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