JPH06273510A - 車上測位装置 - Google Patents

車上測位装置

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JPH06273510A
JPH06273510A JP5728693A JP5728693A JPH06273510A JP H06273510 A JPH06273510 A JP H06273510A JP 5728693 A JP5728693 A JP 5728693A JP 5728693 A JP5728693 A JP 5728693A JP H06273510 A JPH06273510 A JP H06273510A
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川 誠 司 石
Yuichi Murakami
上 裕 一 村
Tomio Yasuda
田 富 夫 保
Toshimitsu Oka
俊 光 岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用できるGPS衛星が2つだけの場合で
も、自車位置の測定を可能にする。車速センサを不要に
する。測位精度を高める。 【構成】 高度センサで検出した高度情報と、圧電振動
ジャイロで検出した自車の回転角速度を入力する。回転
角速度を積分して方位を求める。2つのGPS衛星の情
報と、方位ψ及び高度δzの情報を航法方程式に代入し
て解を求める。カルマンフィルタを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車上測位装置に関し、
特にGPS(Grobal Positioning System)などの測位
衛星からの電波を利用して車輌上で自車輌の位置などを
測定する車上測位装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開昭61−137009号公
報及び特開昭61−167886号公報に開示されてい
るように、GPSを利用した自動車用測位装置の技術が
従来より提案されており、既に実用化されている技術も
ある。
【0003】GPS衛星は、正確な時刻,軌道の関数,
及び情報の精度を示すデ−タを電波に乗せて所定のタイ
ミングで地上に送信している。時刻と軌道の関数から衛
星の位置を知ることができ、衛星の時刻と受信点での時
刻との差、即ち電波の伝搬遅延時間に基づいて、衛星か
ら受信点までの距離を知ることができる。互いに異なる
位置に存在する3つの衛星のそれぞれについて、衛星の
位置と衛星から受信点までの距離がわかれば、3元連立
方程式を解くことにより、未知数である受信点の3次元
位置を求めることができる。但し、通常、受信点の時刻
には比較的大きな誤差が含まれるので、受信点の時計の
誤差を補償するために、同時に4つの衛星の情報が必要
になる。また、受信点の高度がほとんど変化しないもの
と仮定すれば、3つの衛星の情報から、受信点の地表上
の二次元位置(例えば、緯度と経度)を求めることがで
きる。
【0004】しかしながら、実際に存在するGPS衛星
の数は限られているし、自動車は、例えばトンネルの中
に入ったり、ビルによって電波が遮蔽される位置に移動
することも多いので、3つあるいは4つの衛星からの電
波を常時受信することは困難である。従って一般に、同
時に3つ以上の衛星からの電波が受信できなければ、位
置を測定することはできない。
【0005】そこで、特開昭61−137009号公報
の技術では、光ファイバジャイロを用いて自車の方位変
化を検出するとともに、車速センサを用いて自車の移動
距離を検出し、これらの検出情報を補助的に利用して1
衛星からの電波しか受信できない場合でも、自車の位置
検出を可能にしている。また、特開昭61−16788
6号公報の技術では、自動車に搭載した磁気方位計と距
離計を補助的に用いることにより、2衛星からの電波し
か受信できない場合でも、自車の位置検出を可能にして
いる。なお、特開昭61−137009号公報の技術で
は、基本的に自車位置の高度は一定とみなして、位置
(緯度及び経度)を計算しており、高度計を用いること
によって、更に高度も測定可能であることを示唆してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、利用できる衛星の数が不足する場合に、車速センサ
が出力する信号から自車の移動量を求めて、不足する情
報を補っている。しかしながら、車速センサは、車輪近
傍の特定の位置に取付けなければならず、取付性に難点
があるので使いづらい。
【0007】従って本発明は、利用できる衛星の数が2
個である場合に、車速センサを用いることなく、不足す
る情報を補って自車位置を測定可能にすること、及び位
置検出の誤差を抑制することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、複数の衛星からそれぞれ発射される時
刻及び軌道の情報を受信し、それらの情報に基づいて、
自車位置を測定する車上測位装置において:自車の回転
角速度に応じた信号を出力するジャイロ手段(14);
検出もしくは推定により求められる自車位置の高度の情
報を出力する、高度検出手段(15);及び同時に利用
可能な衛星の数が所定より不足する場合に、利用可能な
衛星からの情報,前記ジャイロ手段が出力する自車の回
転角速度,及び前記高度検出手段が出力する高度の情報
に基づいて自車位置を計算する情報処理手段(10
3);を設ける。
【0009】また本発明の好ましい態様では、更に次に
示す各手段を備える。
【0010】同時に利用可能な衛星の数が不足していな
い時に、衛星からの情報に基づいて求めた方位により、
自車の進行方向を示す基準方位(ψref )を決定し、利
用可能な衛星の数が所定より不足する時には、ジャイロ
手段が出力する自車の回転角速度(ω)と前記基準方位
に基づいて自車の進行方向を求める手段(104)。同
時に利用可能な衛星の数が不足していない時に、衛星か
らの情報に基づいて求めた方位により、自車の進行方向
を示す基準方位を決定し、該基準方位を衛星からの最新
の情報に基づいて逐次更新するとともに、自車の速度が
所定以下の時には、前記基準方位の更新を禁止する(S
141)手段(104)。
【0011】同時に利用可能な衛星の数が不足していな
い時に、衛星からの情報に基づいて求めた位置情報によ
って、高度検出手段の高度情報を補正する手段(10
5)。同時に利用可能な衛星の数が不足している時に
は、予め定めたカルマンフィルタの演算式を利用してそ
の解を求め(S91)、自車位置を計算する手段(10
3)。
【0012】同時に利用可能な衛星の数が不足していな
い時に、衛星からの情報に基づいて求めた方位により、
自車の進行方向を示す基準方位を決定し、該基準方位を
衛星からの最新の情報に基づいて逐次更新するととも
に、検出した方位変化が所定以上の時には、前記基準方
位の更新を禁止する(S145)手段(104)。
【0013】なお上記括弧内に示した記号は、後述する
実施例中の対応する要素の符号を参考までに示したもの
であるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な要
素のみに限定されるものではない。
【0014】
【作用】本発明では、同時に利用可能な衛星の数が所定
より不足する場合、利用可能な衛星からの情報,前記ジ
ャイロ手段が出力する自車の回転角速度,及び高度検出
手段が出力する高度情報に基づいて自車位置を計算す
る。
【0015】同時に利用できる衛星の数が2の場合、図
5に示す航法方程式(S52)を解くことによって、未
知数である自車の各軸方向移動量Δx,Δy及びΔz
と、時計誤差Δt(cは光速)を求めることができる。
1’,m1’,n1’及びl2’,m2’,n2’は、それ
ぞれ自車から1番目及び2番目の衛星を見た時の3次元
空間での方向(方向余弦)であり、各衛星から送られる
情報に基づいて求められる。Δl1及びΔl2は、それぞ
れ1番目及び2番目の衛星に対する疑似レンジの差、即
ち自車と各衛星との距離の変化量である。自車と各衛星
との距離は、自車の位置(予測位置)と各衛星の位置か
ら求められる。またGx=cos ψ,Gy=sin ψであ
る。自車の進行方向を示す方位角ψの変化は、ジャイロ
手段が出力する自車の回転角速度ωを積分することによ
り求められる。また高度の変化δzは、高度検出手段に
より求められる。ある時点での自車位置が既知であれ
ば、その位置に対する各軸方向移動量Δx,Δy及びΔ
zから現時点の自車位置を求めることができる。
【0016】同時に利用可能な衛星数が4以上であれ
ば、衛星からの情報のみに基づいて正確な方位を求める
ことができるので、その時に求めた方位で基準方位(ψ
ref )を校正すれば、利用可能な衛星の数が不足する時
に、ジャイロ手段が出力する自車の回転角速度ωの積分
値と前記基準方位に基づいて自車の進行方向を求めるこ
とができる。
【0017】但し、自車が低速走行している時には、衛
星からの情報に基づいて求めた方位の誤差が増大するの
で、自車の速度が所定以下の時には、基準方位の更新を
禁止することによって、基準方位の誤差の増大を抑える
ことができる。
【0018】同時に利用可能な衛星数が4以上であれ
ば、衛星からの情報のみに基づいて正確な高度を求める
ことができるので、その時に求めた高度で高度検出手段
の高度情報を補正することによって、検出高度誤差を減
少させうる。
【0019】ところで、同時に利用可能な衛星の数が3
未満の場合には、自車位置を計算する際のパラメ−タ
(推定値)に比較的大きな誤差が含まれる可能性があ
り、特に、時間の経過に伴なって誤差は増大する。そこ
で、後述する実施例においては、予め定めたカルマン
(Kalman)フィルタと呼ばれる最適フィルタの演
算式を利用してその解を求め(S91)自車位置を計算
することによって、発生する誤差の増大を抑制してい
る。
【0020】しかしながら、この種のフィルタを使用す
る場合、フィルタによる応答遅れが生じ、例えば自車が
カ−ブで連続的に進行方向を変える時には、実際の方位
に対して、フィルタの出力に現われる方位は遅れて追従
するように変化するので、この時に衛星の情報によって
求められる方位は正確でない。そこで、同時に利用可能
な衛星の数が不足していない時であっても、検出した方
位変化が所定以上の時には、基準方位の更新を禁止する
(S135,S145,S155)ことによって、発生
する方位誤差の増大を抑制しうる。
【0021】
【実施例】実施例の装置全体の構成を図1に示す。図1
を参照して説明する。この装置は、地上を走る自動車に
搭載されており、受信アンテナ10,GPS受信機1
1,GPS復調器12,表示装置13,圧電振動ジャイ
ロ14,高度センサ15及びGPS情報処理ユニット1
6を備えている。GPSの各衛星から送られる1.57
542GHzの電波が、受信アンテナ10を介してGP
S受信機11で受信され、電波に乗った情報、即ち衛星
の軌道を示す関数,時刻,及び情報の精度を示すコ−ド
がGPS復調器12で復調され、GPS情報処理ユニッ
ト16に入力される。GPS情報処理ユニット16は、
基本的には、GPS衛星から送られる情報に基づいて、
自車の位置を示す情報(緯度,経度,高度)を生成し、
その情報を表示装置13に出力する。受信アンテナ1
0,GPS受信機11,GPS復調器12及び表示装置
13の基本的な構成、ならびにGPS情報処理ユニット
16の基本的な動作は、既に市販されている公知の装置
の各構成要素と同様である。同時に4個のGPS衛星か
らの電波を受信できる場合には、その電波に乗った情報
のみを計算することによって、自車位置を正確に求める
ことができるが、使用できるGPS衛星の数が不足する
場合には、通常は自車位置を計算することができない。
GPS衛星の数が不足する場合にも自車位置の計算を可
能にするために、この実施例では、圧電振動ジャイロ1
4及び高度センサ15が特別に備わっており、それらが
検出した信号が、GPS情報処理ユニット16に入力さ
れる。圧電振動ジャイロ14は、車上に固定配置されて
おり、1つの軸(自動車の垂直軸)を中心とする回転角
速度ωに比例したレベルのアナログ信号を出力する。高
度センサ15は、気圧の変化、即ち高度変化に応じてレ
ベルが変化するアナログ信号を出力する。
【0022】GPS情報処理ユニット16は、コンピュ
−タシステムであり、CPU(マイクロプロセッサ)1
6a,RAM16b,ROM16c,I/Oポ−ト16
d,A/D変換器16e,タイマ16f及び割込制御回
路16gを備えている。圧電振動ジャイロ14及び高度
センサ15が出力する信号は、アナログ信号なので、A
/D変換器16eを介してCPU16aに入力される。
GPS復調器12が出力する情報は、デジタル信号なの
で、I/Oポ−ト16dを介してCPU16aに入力さ
れる。CPU16aが生成した位置情報(緯度,経度,
高度)は、I/Oポ−ト16dを介して表示装置13に
送信される。
【0023】GPS情報処理ユニット16の機能上の構
成(処理の内容)の概略を図2に示す。図2を参照して
説明する。GPS復調器12から出力される受信デ−タ
SB、即ち各衛星の軌道を示す関数,時刻,及び精度を
示すコ−ドが、GPSデ−タ生成演算101に入力され
る。GPSデ−タ生成演算101では、受信デ−タSB
からデ−タSCを生成する。デ−タSCは、GPS独立
測位演算102,及び複合測位演算103に入力され
る。同時に3又は4個以上のGPS衛星の情報を受信で
きる時には、GPS独立測位演算102の実行によっ
て、位置情報(緯度,経度,高度)SJが生成され、利
用できる衛星数が不足する場合には、複合測位演算10
3の実行によって、位置情報(緯度,経度,高度)SJ
が生成される。生成した位置情報は、出力デ−タとして
表示装置13に送信される。また、位置情報SJはGP
Sデ−タ生成演算101にフィ−ドバックされ、次回の
演算の際に利用される。
【0024】複合測位演算103では、GPSデ−タ生
成演算101から出力されるデ−タSCの他に、方位角
演算104の出力デ−タSI,及び高度演算105の出
力デ−タSDを使用して計算を実行する。方位角演算1
04では、圧電振動ジャイロ14によって得られる回転
角速度デ−タSHに基づいて、自車の進行方向を示す方
位角SIを求める。また、方位角演算104では、GP
S独立測位演算102の結果得られる方位デ−タSGを
利用して、方位角の修正を実行する。高度演算105で
は、高度センサ15によって得られる検出高度デ−タS
Fと、GPS独立測位演算102の結果得られる高度デ
−タSEから、必要な高度情報SDを生成する。
【0025】GPS情報処理ユニット16のCPU16
aの動作の概略を図3に示す。図3を参照してCPU1
6aの動作を説明する。電源がオンすると、まずステッ
プ21で初期化を実行する。即ち、出力ポ−トのクリ
ア,メモリのクリア,各種パラメ−タの初期化,割込み
動作のモ−ドセット,タイマのモ−ドセット等を実行す
る。ステップ21が終了すると、所定のタイミングにな
る毎に、ステップ22から23に進み、各種処理を実行
する。
【0026】ステップ23では、最新の受信デ−タSB
を入力する。次のステップ24では、受信デ−タSBに
基づいて、GPSデ−タ生成演算(図2の101に対
応)を実行する。次のステップ25では、その時の自車
高度を求め、次のステップ26では、その時の自車の進
行方向(方位)を求める。
【0027】そして、3以上の衛星からの信号を同時に
受信できる時には、ステップ28から29に進み、そう
でなければ、即ち利用できる衛星の数が2以下の場合に
はステップ28から32に進む。ステップ29ではGP
S独立測位演算(図2の102に対応)を実行する。そ
して次のステップ30では、高度(SD)を求める時に
(ステップ25の計算時に)使用される各種パラメ−タ
を、ステップ29の計算結果を利用して補正する。更に
次のステップ31では、方位角(SI)を求める時に
(ステップ26の計算時に)使用される各種パラメ−タ
を、ステップ29の計算結果を利用して補正する。利用
できる衛星の数が2以下の場合には、ステップ32で、
誤差レジスタE1に最大値をストアする。
【0028】ステップ33では、2つ以上の衛星からの
信号が受信できるか否かを調べ、受信できる場合にはス
テップ34に進んで複合測位演算(図2の103に対
応)を実行する。例えば自動車がトンネル内を走行する
場合のように、利用できる衛星が全く存在しない時に
は、ステップ35を実行し、誤差レジスタE2に最大値
をストアする。
【0029】次のステップ36では、ステップ29のG
PS独立測位演算を実行した時に検出された誤差をレジ
スタE1にストアし、次のステップ37では、ステップ
34の複合測位演算を実行した時に検出された誤差をレ
ジスタE2にストアする。そして、続くステップ38で
は、レジスタE1及びE2がともに最大値か否かを調
べ、その結果に応じてステップ39又は40に進む。ス
テップ39では、レジスタE1とE2の内容を比較し、
E1<E2であると、即ちGPS独立測位演算の誤差が
複合測位演算の誤差よりも小さい時には、ステップ41
に進み、GPS独立測位演算(29)によって計算され
た結果(位置情報)をSJとして出力する。ステップ3
9でE1<E2でない時には、複合測位演算(34)に
よって計算された結果(位置情報)をSJとして出力す
る。また出力デ−タSJは、次回の計算のためにフィ−
ドバックされる。
【0030】ステップ43では、ステップ26で求めら
れた方位角デ−タ(SI)を表示装置13に出力する。
また、利用できる衛星が全く存在しない時であっても、
有効な方位角デ−タが存在する時には、ステップ38か
ら40を通り、ステップ43に進むので、方位角デ−タ
が表示装置に出力される。
【0031】以上の動作が繰り返し実行される。この実
施例では、位置情報を計算する周期は1秒になってい
る。但し、圧電振動ジャイロの出力信号のサンプリング
及びそれに関連する計算,高度センサの出力信号のサン
プリング等の処理は、それぞれタイマ割込みによって比
較的短い周期で繰り返し実行される。例えば圧電振動ジ
ャイロの出力信号は、20msec 毎にサンプリングされ
る。
【0032】この実施例では、3個以上の衛星を利用で
きる時であっても、GPS独立測位演算(29)を実行
し、更に複合測位演算(34)を実行している。通常、
GPS独立測位演算によって正確な自車位置を求めるこ
とができるが、例えば3個の中の1つのGPS衛星が送
信する情報の精度が低いと、GPS独立測位演算の結果
に大きな誤差が発生する。そこで、2種類の演算の結果
に含まれる誤差を比較して誤差の小さい方を利用するこ
とにより、検出誤差の増大が抑制される。GPS衛星が
送信する情報の精度は、送信される情報に含まれる精度
コ−ドSVACCによって知ることができる。しかし、
3個以上の衛星を利用できる時には、複合測位演算の実
行を省略してもよい。
【0033】図3の複合測位演算(34)の内容を図4
に示す。図4を参照して説明する。まずステップS41
で測定値を入力し、次のステップS42で航法方程式を
決定する。即ち、図5に示すように、高度デ−タが有効
である時には、ステップS52に示す方程式を使用し、
高度デ−タが無効の時には、ステップS53に示す方程
式を使用する。
【0034】これらの方程式において、Δx’,Δy’
及びΔz’は自車の前回測位位置から現在までの各軸方
向移動距離(未知数)であり、Δtは装置の時計誤差
(未知数)、cは光速である。また、li’,mi’及び
i’は自車から見たi番目の衛星の方向を示す方向余
弦であり、各衛星の送信デ−タに基づいて求められる。
またδzは、自車の各z軸(高度)方向の移動量であ
る。Δli’は、自車の位置からi番目の衛星までの距
離の前回計算時から現在までの変化量であり、各衛星の
送信デ−タに基づいて求められる。また、Gx=cos(18
0−ψ)、Gy=sin(180−ψ)である。各パラメ−タを計
算する方法については、後で詳細に説明する。
【0035】この実施例では、航法方程式の未知数を求
める際の誤差を小さくするために、カルマンフィルタと
呼ばれる最適フィルタの演算を実行する。即ち、この実
施例では、ある時点のベクトルXiが、物理モデル行列
Ciによって次の時点のベクトルXi+1に変化するもの
と考える。ベクトルXiはΔx,Δy,Δz及びcΔt
で表わされる。図4のステップS43では、物理モデル
行列Ciを決定する。具体的には、図6に示す物理モデ
ル行列Ciが使用される。また次のステップS44で
は、各測定値の誤差を示す測定誤差推定行列を決定す
る。この行列の内容は、図7に示されている。更に次の
ステップS45では、物理モデルの誤差を示す行列を決
定する。この行列の内容は図8に示されている。
【0036】ステップS46では、複合測位演算(3
4)の計算回数を示すカウンタiの内容が0か否か、即
ち初回の計算か否かを識別する。i=0なら、次のステ
ップS47で、初期値をレジスタにセットする。即ち、
GPS独立測位演算(29)によって求められた最新の
演算結果(計算により求めたΔx,Δy,Δz,cΔt
と、それらの各々に含まれる予想誤差)を所定のレジス
タにストアする。また、ステップS46でiが1以上な
ら、次のステップS48で、前回の複合測位演算(3
4)で求められた演算結果(計算により求めたΔx,Δ
y,Δz,cΔtと、それらの各々に含まれる予想誤
差)を所定のレジスタにストアする。
【0037】そして次のステップS49で、測定値をカ
ルマンフィルタの計算式に代入し、計算式の解(最適推
定値とその誤差)を求める。具体的には、図9に示すス
テップS91の計算式に、航法方程式の各行列,物理モ
デル行列,測定誤差推定行列,及び物理モデル誤差行列
を代入しそれの計算を実施することによって、解が得ら
れる。
【0038】航法方程式の各行列に代入するパラメ−タ
は、図20に示す処理を実行することによって求められ
る。まずステップS201では、i番目の衛星の位置を
示す各軸方向の座標Sxi,Syi及びSzi(地心系
座標:地球の中心を基準とする座標系)を入力する。こ
の値は、衛星が送信する軌道の関数と時刻とから求め
る。次のステップS202では、前回計算時の自車位置
を示す座標Ux0,Uy0及びUz0(地心系座標)を
入力する。この値は、前回の計算の結果から求められ
る。次のステップS203では、i番目の衛星の位置か
ら自車位置までの距離riを計算により求める。更に続
くステップS204,S205及びS206では、自車
からi番目の衛星を見た方向を示す方向余弦li,mi
びniを求める。
【0039】li=(Ux0−Sxi)/ri mi=(Uy0−Syi)/ri ni=(Uz0−Szi)/ri また、航法方程式(図5参照)では地表系座標の方向余
弦を使用するので、次のステップS207で座標変換を
実施し、地心系の方向余弦li,mi及びniから地表系
の方向余弦li’,mi’及びni’を生成する。この座
標変換の処理は、図21に示されている。
【0040】次のステップS208では、ジャイロの出
力によって求められる方位角ψから、Gx及びGyを求
める。また次のステップS209では、自車の位置とi
番目の衛星の位置との距離ri(疑似レンジと呼ぶ)の
前回計算時から現在までの変化を計算し、その結果をΔ
iとする。また、高度センサ15の出力によって求め
られる前回計算時から現在までの高度の変化(δz)を
計算する。
【0041】図3のステップ26で実行される、自車方
位角演算処理の内容を図10に示し、図3のステップ3
1で実行される、方位角係数補正処理の内容を図11に
示す。まず図10を参照して自車方位角演算処理を説明
する。
【0042】まずステップ101では、サンプリングさ
れた角速度ωの積分を実行する。実際には、20msec
毎に発生するタイマ割込みに同期して、角速度信号のA
/D変換出力ADGをサンプリングし、係数ADc及び
ADαを用いて計算した結果を積分し、角度変化θG
求める。
【0043】基準方位ψref が有効である時には、ステ
ップS102からS103に進み、その時の方位角ψを
算出する。即ち、ψref +αθG+θo'の計算結果を方
位角ψとする。また次のステップS104では、現在の
方位角ψを新しい基準方位ψref とする。
【0044】方位角ψの予想誤差が上限である場合、つ
まり正しい方位角が計算できていない時には、ステップ
S105からS106に進み、方位角の予想誤差を示す
レジスタに最大値をストアし、基準方位無効フラグをセ
ットし、補正回数カウンタをクリアする。
【0045】次に、図11を参照して方位角係数補正処
理を説明する。この実施例では、4種類の補正モ−ドを
有しており、その時のモ−ドレジスタMDの内容に応じ
て、ψ0モ−ド処理,ψ1モ−ド処理,ψ2モ−ド処
理,又はψ3モ−ド処理が実行される。また「数値補
正」の指示がある時には、ステップS119からS11
Aに進む。ステップS11Aでは、GPS独立測位演算
の結果得られた方位角デ−タψGPSを利用して、ジャイ
ロの出力に基づいて計算された方位角デ−タψgを補正
する。但し、方位角デ−タψGPSにはt秒の時間遅れが
あるので、比較する方位角デ−タψgにはt秒前のもの
を使用する。即ち、同一時点における2種類の方位角デ
−タの差分ψGPS(-t)−ψg(-t)を方位誤差Δψgとみ
なし、方位誤差Δψgを現在の方位角デ−タψgに加算
してそれを補正する。過去の方位角デ−タψgが参照で
きるように、この実施例では、0.1秒毎に方位角デ−
タψgの算出を実行するとともに、過去数秒間のそれら
の方位角デ−タψgをメモリに保持している。次のステ
ップS11Bでは、基準方位ψref に補正後の現在の方
位角デ−タψgをストアし、続くステップS11Cで
は、基準方位有効フラグをセットする。
【0046】図11のψ0モ−ド処理の内容を図12に
示し、ψ1モ−ド処理の内容を図13に示し、ψ2モ−
ド処理の内容を図14に示し、ψ3モ−ド処理の内容を
図15及び図16に示す。まず図12を参照してψ0モ
−ド処理を説明する。最初のステップS121では、図
示しない遅延処理により、GPS独立測位演算の結果得
られた最新の方位角デ−タψGPSの時間遅れに相当する
t秒前の方位角デ−タψg(-t)が存在しているか否かを
調べる。方位角デ−タψg(-t)が存在する時には、次に
ステップS122に進み、車速vを予め定めたしきい値
V1min と比較し、v>V1min なら次にステップS1
23に進む。即ち、GPS独立測位演算によって得られ
る解の方位誤差は、arctan(0.72/(v+0.72))で表わ
され、車速vが低い時には大きくなるので、誤差が小さ
い時、つまり車速vがV1min より大きい時に、方位角
デ−タψGPSが有効であるとみなす。
【0047】ステップS123では、最新の方位角デ−
タψGPSをレジスタψ0にストアし、次のステップS1
24では、モ−ドレジスタMDに1をセットし、次のス
テップS125では、時間レジスタTψをクリアし、次
のステップS126では、カウンタcountψ0をクリアす
る。モ−ドレジスタMDに1がセットされると、次回は
ψ1モ−ドに移行する。
【0048】図13を参照してψ1モ−ド処理を説明す
る。最初のステップS131では、カウンタcountψ1
をインクリメント(+1)する。次のステップS132
では、GPS独立測位演算の結果得られた最新の方位角
デ−タψGPSの時間遅れに相当するt秒前の方位角デ−
タψg(-t)が存在しているか否かを調べる。方位角デ−
タψg(-t)が存在する時には、次にステップS133に
進み、車速vを予め定めたしきい値V1min と比較し、
v>V1min なら次にステップS134に進む。ステッ
プS134では、Tψとカウンタcountψ1を比較し、
両者が一致する時には次にステップS135に進む。
【0049】ステップS135では、自車の方位が安定
しているか否かを調べる。即ち、ψ0モ−ドで検出した
ψ0と最新の方位角デ−タψGPSとの差分をそれらが検
出された時間間隔T(0)で割って求めた方位角の変化
率を、上限値ΔψGPSmax と比較し、変化率<上限値で
あると次のステップS137に進む。ステップS137
では、更にカウンタcountψ1が所定値Cψ10OKにな
ったか否かを調べる。なおd_GPS_0はψ0の時間遅れ、
d_GPS_1は最新のψGPSの時間遅れである。自車の方位
が安定すると、ステップS138に進む。
【0050】ステップS138では、数値補正フラグ
(数値補正指示)をセットし、スタンドアロ−ンタイマ
(方位デ−タが補正を受けなかった時間を計数する)T
Aをクリアする。次のステップS139では、最新の方
位角デ−タψGPSをレジスタψ1にストアし、次のステ
ップS13Aでは最新の方位角デ−タψGPSと時間的に
一致する過去のジャイロの方位角デ−タをメモリから読
み出し、レジスタψ1raw にストアする。
【0051】ステップS13Bでは、モ−ドレジスタM
Dに2をセットし、時間レジスタTψをクリアし、カウ
ンタcountψ1及びcountψ2をクリアする。モ−ドレジス
タMDに2がセットされると、次回はψ2モ−ドに移行
する。また、ステップS132,S133,S134,
又はS135の条件を満たさない時には、ステップS1
36でモ−ドレジスタMDがクリアされるので、次回
は、再びψ0モ−ドに戻る。
【0052】次に、図14を参照してψ2モ−ド処理を
説明する。最初のステップS141では、カウンタcoun
tψ2をインクリメント(+1)する。次のステップS
142では、GPS独立測位演算の結果得られた最新の
方位角デ−タψGPSの時間遅れに相当するt秒前の方位
角デ−タψg(-t)が存在しているか否かを調べる。方位
角デ−タψg(-t)が存在する時には、次にステップS1
43に進み、車速vを予め定めたしきい値V1min と比
較し、v>V1min なら次にステップS144に進む。
ステップS144では、カウンタcountψ2をチェック
し、countψ2>1なら次にステップS145に進み、
そうでなければ、ステップS146で、最新の方位角デ
−タψGPSをψ2にストアし、ステップS148に進
む。
【0053】ステップS145では、自車の方位が安定
しているか否かを調べる。即ち、ψ1モ−ドで検出した
ψ1と最新の方位角デ−タψGPSとの差分をそれらが検
出された時間間隔T(1)で割って求めた方位角の変化
率を、上限値ΔψGPSmax と比較し、変化率<上限値で
あると次のステップS148に進む。ステップS148
では、更にカウンタcountψ2が所定値Cψ2OKにな
ったか否かを調べる。なおd_GPS_1はψ1の時間遅れ、
d_GPS_2は最新のψGPSの時間遅れである。自車の方位
が安定すると、ステップS149に進む。
【0054】ステップS149では、まず、数値補正フ
ラグ(数値補正指示)をセットし、スタンドアロ−ンタ
イマTAをクリアする。次に、最新の方位角デ−タψGP
Sをレジスタψ2にストアし、更に、最新の方位角デ−
タψGPSと時間的に一致する過去のジャイロの方位角デ
−タをメモリから読み出し、レジスタψ2raw にストア
する。
【0055】次のステップS14Aでは、A/D変換係
数補正及び逐次近似の処理に備えて、必要なパラメ−タ
を計算する。即ち、方位角デ−タψ2とψ1との差分を
それらが検出された時間間隔T21で割った結果をθc
2にストアし、方位角デ−タψ2rawとψ1rawとの差分
をそれらが検出された時間間隔T21で割った結果をθ
g2にストアする。
【0056】次のステップS14Bでは、モ−ドレジス
タMDに3をセットし、時間レジスタTψをクリアし、
カウンタcountψ2及びcountψ3をクリアする。モ−ドレ
ジスタMDに3がセットされると、次回はψ3モ−ドに
移行する。また、ステップS142,S143,又はS
145の条件を満たさない時には、ステップS147で
カウンタcountψ2がクリアされる。
【0057】次に、図15を参照してψ3モ−ド処理を
説明する。最初のステップS151では、カウンタcoun
tψ3をインクリメント(+1)する。次のステップS
152では、GPS独立測位演算の結果得られた最新の
方位角デ−タψGPSの時間遅れに相当するt秒前の方位
角デ−タψg(-t)が存在しているか否かを調べる。方位
角デ−タψg(-t)が存在する時には、次にステップS1
53に進み、車速vを予め定めたしきい値V1min と比
較し、v>V1min なら次にステップS154に進む。
ステップS154では、カウンタcountψ3をチェック
し、countψ3>1なら次にステップS155に進み、
そうでなければ、ステップS156で、最新の方位角デ
−タψGPSをψ3にストアし、ステップS158に進
む。
【0058】ステップS155では、自車の方位が安定
しているか否かを調べる。即ち、ψ2モ−ドで検出した
ψ2と最新の方位角デ−タψGPSとの差分をそれらが検
出された時間間隔T(2)で割って求めた方位角の変化
率を、上限値ΔψGPSmax と比較し、変化率<上限値で
あると次のステップS158に進む。ステップS158
では、更にカウンタcountψ3が所定値Cψ3OKにな
ったか否かを調べる。なおd_GPS_2はψ2の時間遅れ、
d_GPS_3は最新のψGPSの時間遅れである。自車の方位
が安定すると、ステップS159に進む。
【0059】次のステップS15Aでは、A/D変換係
数補正及び逐次近似の処理に備えて、必要なパラメ−タ
を計算する。即ち、方位角デ−タψ3とψ2との差分を
それらが検出された時間間隔T32で割った結果をθc
3にストアし、方位角デ−タψ3rawとψ2rawとの差分
をそれらが検出された時間間隔T32で割った結果をθ
g3にストアする。
【0060】次のステップS15Bでは、θc3とθc2
との差分を下限値Δcmin と比較し、|θc3−θc2|
<下限値ならステップS15Cに進み、そうでなければ
図16のステップS161に進む。
【0061】ステップS15Cでは、更に、|Δψg|
>ΔADαcmin(下限値)の条件,θc3<Δcminの条
件,及びT32<Tω0max(上限値)の条件を調べ、全
ての条件が満足される時には、ステップS15Dで「ゼ
ロω補正」を実行する。
【0062】図16を参照すると、ステップS161で
は|θg3−θg2|<Δrmax の条件を調べ、ステップ
S162では|θg3−θg2|>Δrmin の条件を調
べ、ステップS163では|θc3−θc2|<Δcmax
の条件を調べ、ステップS164では|Δψg|>AD
αcmin の条件を調べる。ステップS161,S162
及びS163の全ての条件が満たされると、ステップS
164の条件の識別結果に応じて、A/D変換係数補正
モ−ドと逐次近似補正モ−ドのいずれかを選択する。
【0063】即ち、|Δψg|>ADαcmin であれば
A/D変換係数補正モ−ドを選択し、そうでなければ逐
次近似補正モ−ドを選択する。A/D変換係数補正モ−
ドの時に|Δψg|≦ADαcmin になった時には、ス
テップS169からS16Bに進んで、逐次近似補正モ
−ドを選択するようにフラグをセットする。また、逐次
近似補正モ−ドの時に|Δψg|>ADαcmin になっ
た時には、ステップS165からS166に進み、A/
D変換係数補正モ−ドを選択するようにフラグをセット
し、更に次のステップS167でパラメ−タ(逐次近似
回数,前回の解)を初期化する。
【0064】そして、逐次近似補正モ−ドの時には、ス
テップS169からS16Aに進んで、「逐次近似」処
理を実行し、A/D変換係数補正モ−ドの時には、ステ
ップS165からS168に進んで、αに1をストア
し、θo'をクリアし、「A/D変換係数補正」処理を実
行し、誤差予想行列をセットする。
【0065】次のステップS16Cでは、レジスタψ3
の内容をψ2にストアし、レジスタψ3raw の内容をψ
2raw にストアし、レジスタψc3の内容をψc2にスト
アし、レジスタψg3の内容をψg2にストアし、再びψ
3モ−ドが実行されるようにセットし、レジスタTψを
クリアし、図15のステップS157に進む。
【0066】ステップS15Dのゼロω補正の内容を図
17に示す。図17を参照して説明する。GPS独立測
位演算によって求められる方位角デ−タψGPSの変化が
ほとんどない場合、ジャイロの出力によって計算される
方位角デ−タψgとψGPSとの誤差Δψgは、ほとんど
がA/D変換係数ADcに起因して生じていると考えら
れる。従ってゼロω補正では、A/D変換係数ADcを
修正する。ステップS172では、ある期間のN個の角
速度ωのサンプリング結果ADgから、角度変化量θg
を求め、それから時間T32後のN個の角速度ωのサン
プリング結果ADgから、角度変化量θgT を求める。
そして次のステップS173では、2つの角度変化量の
差を誤差Δψgとし、Δψgから係数修正量Δを求め
る。ステップS174では、A/D変換係数ADcに係
数修正量Δを加算する。
【0067】ステップS168の「A/D変換係数補
正」の内容を図18に示す。図18を参照して説明す
る。ステップS181では、互いに異なる3地点で、G
PS独立測位演算によってそれぞれ求められたGPS方
位デ−タψ1GPS,ψ2GPS,及びψ3GPSを入力する。
実際には、方位デ−タψ1GPSは、ψ1モ−ドにおいて
検出され、ステップS139で既にレジスタψ1にスト
アされており、ψ2GPSは、ψ2モ−ドにおいて検出さ
れ、ステップS149で既にレジスタψ2にストアされ
ており、ψ3GPSは、ψ3モ−ドにおいて検出され、ス
テップS159で既にレジスタψ3にストアされている
ので、これらのデ−タを利用する。
【0068】次のステップS182では、まず2地点で
の方位デ−タψ2GPSとψ1GPSとの差分を時間T21で
割り、その結果即ち、単位時間あたりの方位変化をθc
2にストアする。また別の2地点での方位デ−タψ3GP
Sとψ2GPSとの差分を時間T32で割り、その結果即
ち、単位時間あたりの方位変化をθc3にストアする。
実際には、ψ2モ−ドのステップS14Aの処理によっ
て、既に方位変化θc2が求められており、またψ3モ
−ドのステップS15Aの処理によって、既に方位変化
θc3が求められているので、これらの情報をそのまま
利用する。また、ステップS14Aでは、方位変化θc
2に相当するジャイロで検出された方位変化θg2が求
められており、ステップS15Aでは、方位変化θc3
に相当するジャイロの方位変化θg3が求められている
が、これらの情報も次のステップで利用される。
【0069】ステップS183では、求められたパラメ
−タθg2,θg3,θc2及びθc3を所定の関係式
に代入し、係数α及びθo’を求める。ここで求められ
た係数α及びθo’を利用して、次のステップS184
では、A/D変換係数ADα及びADcを修正する。
【0070】ステップS16Aの「逐次近似」の内容を
図19に示す。図19を参照して説明する。ステップS
191では、互いに異なる3地点で、GPS独立測位演
算によってそれぞれ求められたGPS方位デ−タψ1GP
S,ψ2GPS,及びψ3GPSを入力する。実際には、方位
デ−タψ1GPSは、ψ1モ−ドにおいて検出され、ステ
ップS139で既にレジスタψ1にストアされており、
ψ2GPSは、ψ2モ−ドにおいて検出され、ステップS
149で既にレジスタψ2にストアされており、ψ3GP
Sは、ψ3モ−ドにおいて検出され、ステップS159
で既にレジスタψ3にストアされているので、これらの
デ−タを利用する。
【0071】次のステップS192では、まず2地点で
の方位デ−タψ2GPSとψ1GPSとの差分を時間T21で
割り、その結果即ち、単位時間あたりの方位変化をθc
2にストアする。また別の2地点での方位デ−タψ3GP
Sとψ2GPSとの差分を時間T32で割り、その結果即
ち、単位時間あたりの方位変化をθc3にストアする。
実際には、ψ2モ−ドのステップS14Aの処理によっ
て、既に方位変化θc2が求められており、またψ3モ
−ドのステップS15Aの処理によって、既に方位変化
θc3が求められているので、これらの情報をそのまま
利用する。また、ステップS14Aでは、方位変化θc
2に相当するジャイロで検出された方位変化θg2が求
められており、ステップS15Aでは、方位変化θc3
に相当するジャイロの方位変化θg3が求められている
が、これらの情報も以下のステップで利用される。
【0072】ステップS193では補正係数を求めるた
めの関係式を決定し、次のステップS194では、測定
誤差推定行列を決定する。次のステップS195では、
前回の解が存在するか否かをチェックする。前回の解が
存在しない時、つまり今回が初回の計算であれば、ステ
ップS196に進み、解に初期値をセットする。この解
を次回の計算の際に利用する。前回の(i番目の)解が
存在する時には、ステップS195からS197に進
み、逐次近似計算を実行し、i+1番目の解X(係数α
及びθo')及びその誤差を求める。ここで求めた係数α
及びθo'により、ステップS184と同様にして係数A
Dα及びADcが修正される。
【0073】図3に示すステップ30の「高度係数補正
処理」では、図示しないが、上述の「方位角係数補正処
理」と同様にして補正が実施される。即ち、「GPS独
立測位演算」で求められた正確な高度z(GPS)によって
高度センサ15の出力信号によって求められる高度z(A
LT)を修正するとともに、高度センサ15の出力信号レ
ベルを高度z(ALT)に変換する時に使用される各種係数
を、高度z(GPS)の値に基づいて修正する。「方位角係
数補正処理」と同様に、「数値補正」,「A/D変換係
数補正」及び「逐次近似」が用意されており、これらの
処理のいずれかがその時の条件に応じて実行される。
【0074】「GPS独立測位演算」では、次の第
(1)式又は第(2)式の航法方程式を解くことによ
り、未知数Δx’,Δy’,Δz’及びcΔtを求め
る。
【0075】
【数1】
【0076】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、利用でき
る衛星の数が2であっても、ジャイロ手段を用いて自車
の回転角速度を検出し、また高度変化を検出して不足す
る情報を補うので、自車位置を測定可能である。車速セ
ンサは不要である。
【0077】また実施例のように、3以上の衛星が利用
でき、独立測位演算によって正確な方位が得られる時
に、基準方位を決定し、この基準方位とジャイロ手段の
検出した回転角速度から方位を計算することによって、
利用できる衛星の数が2以下の時でも、3以上でGPS
の方位精度が悪い場合でも、比較的正確な方位を検出し
うる。また独立測位演算の結果を利用して、高度検出手
段によって検出された高度を校正することにより、正確
な高度を検出しうる。
【0078】更に実施例のように、カルマンフィルタを
用いて未知数を計算することによって、利用できる衛星
の数が2個の時の測位誤差の増大を抑制しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の装置全体の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 図1のユニット16の機能上の構成を示すブ
ロック図である。
【図3】 図1のCPUの動作を示すフロ−チャ−トで
ある。
【図4】 複合測位演算の処理を示すフロ−チャ−トで
ある。
【図5】 図4のステップS42の内容を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図6】 図4のステップS43の内容を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図7】 図4のステップS44の内容を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図8】 図4のステップS45の内容を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図9】 図4のステップS49の内容の一部分を示す
フロ−チャ−トである。
【図10】 図3のステップ26の内容を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図11】 図3のステップ31の内容を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図12】 図11の一部の処理の内容を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図13】 図11の一部の処理の内容を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図14】 図11の一部の処理の内容を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図15】 図11の一部の処理の内容を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図16】 図11の一部の処理の内容を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図17】 ゼロω補正の内容を示すフロ−チャ−トで
ある。
【図18】 A/D変換係数補正の内容を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図19】 逐次近似の内容を示すフロ−チャ−トであ
る。
【図20】 航法方程式パラメ−タ計算処理の内容を示
すフロ−チャ−トである。
【図21】 座標変換処理の内容を示すフロ−チャ−ト
である。
【符号の説明】
10:受信アンテナ 11:GPS受信機 12:GPS復調器 13:表示装置 14:圧電振動ジャイロ 15:高度センサ 16:GPS情報処理ユニット 101:GPSデ−
タ生成演算 102:GPS独立測位演算 103:複合測位演
算 104:方位角演算 105:高度演算
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 俊 光 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の衛星からそれぞれ発射される時刻
    及び軌道の情報を受信し、それらの情報に基づいて、自
    車位置を測定する車上測位装置において:自車の回転角
    速度に応じた信号を出力するジャイロ手段;検出もしく
    は推定により求められる自車位置の高度の情報を出力す
    る、高度検出手段;及び同時に利用可能な衛星の数が所
    定より不足する場合に、利用可能な衛星からの情報,前
    記ジャイロ手段が出力する自車の回転角速度,及び前記
    高度検出手段が出力する高度の情報に基づいて自車位置
    を計算する情報処理手段;を設けたことを特徴とする車
    上測位装置。
  2. 【請求項2】 前記情報処理手段は、同時に利用可能な
    衛星の数が不足していない時に、衛星からの情報に基づ
    いて求めた方位により、自車の進行方向を示す基準方位
    を決定し、利用可能な衛星の数が所定より不足する時に
    は、ジャイロ手段が出力する自車の回転角速度と前記基
    準方位に基づいて自車の進行方向を求める、前記請求項
    1記載の車上測位装置。
  3. 【請求項3】 前記情報処理手段は、同時に利用可能な
    衛星の数が不足していない時に、衛星からの情報に基づ
    いて求めた方位により、自車の進行方向を示す基準方位
    を決定し、該基準方位を衛星からの最新の情報に基づい
    て逐次更新するとともに、自車の速度が所定以下の時に
    は、前記基準方位の更新を禁止する、前記請求項1記載
    の車上測位装置。
  4. 【請求項4】 前記情報処理手段は、同時に利用可能な
    衛星の数が不足していない時に、衛星からの情報に基づ
    いて求めた位置情報によって、高度検出手段の高度情報
    を補正する、前記請求項1記載の車上測位装置。
  5. 【請求項5】 前記情報処理手段は、同時に利用可能な
    衛星の数が不足している時には、予め定めたカルマンフ
    ィルタの演算式を利用してその解を求め、自車位置を計
    算する、前記請求項1記載の車上測位装置。
  6. 【請求項6】 前記情報処理手段は、同時に利用可能な
    衛星の数が不足していない時に、衛星からの情報に基づ
    いて求めた方位により、自車の進行方向を示す基準方位
    を決定し、該基準方位を衛星からの最新の情報に基づい
    て逐次更新するとともに、検出した方位変化が所定以上
    の時には、前記基準方位の更新を禁止する、前記請求項
    5記載の車上測位装置。
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