JPH06272914A - 多槽連結形氷蓄熱設備 - Google Patents

多槽連結形氷蓄熱設備

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JPH06272914A
JPH06272914A JP5582693A JP5582693A JPH06272914A JP H06272914 A JPH06272914 A JP H06272914A JP 5582693 A JP5582693 A JP 5582693A JP 5582693 A JP5582693 A JP 5582693A JP H06272914 A JPH06272914 A JP H06272914A
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Makoto Yamamoto
山本  誠
Yoshiaki Matsumoto
義昭 松本
Yoshito Arimoto
義人 有元
Keiichi Watanabe
敬一 渡辺
Shigeru Nagamori
茂 永森
Makoto Sekine
誠 関根
Hideki Yoshinaga
秀樹 義永
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的簡単な設備にもかかわらず、蓄氷運転
時には、氷スラリーを多数の蓄熱槽内に均等に蓄えるこ
とができ、放熱運転時には、流動性のある所定濃度の氷
スラリーを取り出せる多槽連結形氷蓄熱設備を提供す
る。 【構成】 多数の蓄熱槽1a〜1cを上部連通部2と下
部連通部3とを介して連通させると共に、各蓄熱槽1a
〜1cの底部11近傍に製氷機4又は別置の氷蓄熱槽か
ら供給される氷スラリーを噴出させる氷スラリー分配ヘ
ッド管7を立設し、更に、各蓄熱槽1a〜1cの天井部
21近傍にブライン分配ヘッダ管10を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、氷の抵抗による槽間自
己バランス作用を利用して多数の蓄熱槽内に氷スラリー
を均等に貯蔵できると共に、流動性の少ない高濃度の氷
スラリーを流動性のある所定濃度の氷スラリーに変換し
ながら需要者に供給することのできる多槽連結形氷蓄熱
設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の地下に構築されている既存の二
重ピットを利用した多槽連結蓄熱槽は、蓄熱冷媒が冷水
である。しかも、水自体は高流動性であるため、各蓄熱
槽間の熱エネルギー輸送(低温冷水の移送)は、各蓄熱
槽を連通管で連通させることによって容易となる。従っ
て、この種の多槽連結蓄熱槽の蓄熱及び放熱は、容易で
ある。
【0003】ところが、氷スラリーを従来の連通管方式
で移送すると、氷によって連通管が閉塞され、氷スラリ
ーの移送が不可能になる。また、各蓄熱槽毎に氷スラリ
ー移送用切替バルブを設けると、イニシャルコストがア
ップすることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の問題を克服するためになされたものであり、その目的
は、比較的簡単な設備であるにもかかわらず、蓄氷運転
時には、氷スラリーを多数の蓄熱槽内に均等に蓄えるこ
とができると共に、放熱運転時には、流動性のある所定
濃度(中濃度)の氷スラリーを取り出すことのできる多
槽連結形氷蓄熱設備を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の多槽連結形氷蓄熱設備は、多数の蓄熱槽同
士を上部連通部と下部連通部とを介して連通させると共
に、各蓄熱槽の底部近傍に製氷機又は別置の氷蓄熱槽か
ら供給される氷スラリーを噴出させる氷スラリー分配ヘ
ッド管を立設し、更に、各蓄熱槽の天井部近傍にブライ
ン分配ヘッダ管を設けたことを特徴とするものである。
【0006】このように、多数の蓄熱槽同士を上部連通
部と下部連通部とを介して連通させると共に、各蓄熱槽
の底部近傍に製氷機又は別置の氷蓄熱槽から供給される
氷スラリーを噴出させる氷スラリー分配ヘッド管を立設
し、更に、各蓄熱槽の天井部近傍にブライン分配ヘッダ
管を設けたことにより、比較的簡単な設備であるにもか
かわらず、蓄氷運転時には、氷スラリーを多数の蓄熱槽
内に均等に蓄えることができると共に、放熱運転時に
は、流動性のある所定濃度(中濃度)の氷スラリーを取
り出すことのできる。
【0007】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例を説明す
る。図1において、Aは多槽連結形氷蓄熱設備であり、
多槽連結形氷蓄熱設備Aは、多数(図示の場合は、3
つ)の蓄熱槽1a, 1b, 1cを有している。更に、こ
れらの蓄熱槽1a, 1b, 1c同士は、その上部側壁部
分が上部連通管3によって連通し、下部側壁部分が下部
連通管2によって連通している。特に、下部連通管2
は、各蓄熱槽1a, 1b, 1c内の液面レベルLを均等
にする役目を有し、その軸心O1 から蓄熱槽底部11ま
での高さH1 は、100〜500mmに設定されている
(図3参照)。
【0008】更に、多槽連結形氷蓄熱設備Aは、第1蓄
熱槽1aから第3蓄熱槽1c内に達すると共に、2つの
下部連通管2,2を貫通する氷スラリー分配管6を有し
ている。そして、各蓄熱槽1a,1b,1c内には、氷
スラリー分配管6から立上げた分配ヘッダ管7が設けら
れている。更に、製氷系の配管12の一端が第1蓄熱槽
1a側において氷スラリー分配管6に接続され、上記配
管12の他の一端が第3蓄熱槽1cに連通されている。
この製氷系配管12には、製氷機4及びポンプ5が配設
されている。
【0009】上記分配ヘッダ管7の高さH2 は、蓄熱槽
1a〜1cの大きさなどに対応するように設定される
が、氷濃度が上昇しても常に流動性が要求される場合に
は、分配ヘッダ管7の高さH2 を100〜500mmの範
囲で設定することにより、良好な結果が得られる。ま
た、分配ヘッダ管7を上向きに設けることにより、蓄熱
槽内に循環流を発生させる効果があることが実験により
確認されている。
【0010】上記より強力な循環流を必要とする場合に
は、図4に示すように、平板状の仕切板17を分配ヘッ
ダ管7の上端部に、分配ヘッダ管7に平行で、かつ分配
ヘッダ管7の頂部から所定長さ突出するように取り付け
たり、或いは、図5に示すように、分配ヘッダ管7の上
端部に筒状体18を分配ヘッダ管7と軸芯を同じくする
ように取り付けるとよい。
【0011】更に、多槽連結形氷蓄熱設備Aは、第3蓄
熱槽1cから第1蓄熱槽1a内に達するブライン分配管
10を有している。そして、各蓄熱槽1a,1b,1c
内には、ブライン分配管10から分岐した多数のブライ
ン吐出管13が設けられている。ブライン吐出管13
は、図1及び図2に示すように、連通管3の開口部15
並びに氷スラリー供給系の配管14の入口15′の方向
に向けて設けられ、流動性のない高濃度の氷スラリーS
1 を流動性を有する所定濃度(中濃度)の氷スラリーS
2 に融解させると同時に、連通管3の開口部15並びに
氷スラリー供給系の配管14の入口15′の方向に向け
て中濃度の氷スラリーS2 を移動させるようになってい
る。氷スラリー供給系の配管14の一端は、第1蓄熱槽
1aに連通し、他の一端は、第3蓄熱槽1c側において
ブライン分配管10に接続している。更に、上記配管1
4は、ポンプ8及び冷却用熱交換器(空調用・産業用の
熱交換器)9を有している。
【0012】次に、上記の多槽連結形氷蓄熱設備Aの作
用について説明する。 蓄氷運転時 先ず、図6(a),(b),(c) により3つの蓄熱槽1a,1
b,1c内に高濃度の氷スラリーS1 が均等に貯留され
る様子を説明する。今、蓄熱槽1a,1b,1c内にあ
る分配ヘッド管7から吐出される氷スラリーS1 の抵抗
を、夫々、R11,R12,R13とした時に、これらの氷ス
ラリー吐出抵抗R11,R12,R13が、R11<R12
13、の関係にあるとすると、第1蓄熱槽1a,第2蓄
熱槽1b,第3蓄熱槽1cの順に氷スラリー吐出抵抗が
大きいから、蓄熱槽1a,1b,1c内にある分配ヘッ
ド管7から吐出される氷スラリーS1 の吐出量Q11、Q
12、Q13は、Q11>Q12>Q13、となる。
【0013】その結果、3つの蓄熱槽1a,1b,1c
に溜まる氷スラリーS1 の量は、氷スラリーS1 の吐出
量にQ11,Q12,Q13比例して増加すると共に、ブライ
ンBの流れは、矢印Fで示すように、第1蓄熱槽1aか
ら第2蓄熱槽1bに向かって流れる。そして、図6(b)
ように、第1蓄熱槽1a内が氷スラリーS1 で満たされ
るので、第1蓄熱槽1a内の分配ヘッド管7から吐出さ
れる氷スラリーS1 の抵抗R11が増大し、氷スラリー吐
出量は、Q12>Q13>Q11、となる。その結果、ブライ
ンBの流れは、第2蓄熱槽1bから第3蓄熱槽1cに向
かって流れるのが殆どで、第1蓄熱槽1aから第2蓄熱
槽1bへは殆ど流れなくなる。
【0014】この状態が続いて、図6(c) 示すように、
第1蓄熱槽aに続いて第2蓄熱槽1b内も氷スラリーS
1 によって満たされると、第1,第2蓄熱槽1a, 1b
内の分配ヘッド管7における氷スラリー吐出抵抗R11
12が増大し、氷スラリーS1 の大部分が第3蓄熱槽1
cに流入するため、全ての蓄熱槽1a, 1b, 1cに高
濃度の氷スラリーS1 が均等に蓄えられる。
【0015】上記のように、高濃度の氷スラリーS
1 は、蓄熱槽1a,1b,1cの吐出抵抗の少ないとこ
ろから多く吐出するが、蓄熱槽1a, 1b, 1c内にア
ンバランスに氷スラリーS1 が吹き込まれ、氷スラリー
1 が不均等に蓄えられても、下部連通管2によって液
面レベルLが各蓄熱槽で同一になると共に、氷スラリー
1 が多寡になった蓄熱槽は、分配ヘッド管7近辺の液
面レベルL以下まで氷スラリーS1 が蓄えられた時点で
氷スラリーS1 の抵抗を受けて吐出抵抗が増大し、それ
に伴って氷スラリーS1 の吹き出し量が少なくなる。
【0016】その結果、それまで氷スラリーS1 の吹出
し量の少なかった蓄熱槽の分配ヘッド管7では、氷スラ
リーS1 の吐出量が増加し、上記のように、各蓄熱槽間
の氷スラリー貯留量が均一化される。上記のように、氷
スラリーS1 の抵抗による各蓄熱槽間の自己バランス作
用により、多数の蓄熱槽に高濃度の氷スラリーS1 を均
等に蓄えることができる。
【0017】 放熱運転時 次に、放熱運転時においては、ポンプ8によって第1蓄
熱槽1aから所定濃度(中濃度)の氷スラリーS2 を抜
き出し、空調用や産業用の冷熱源として需要者側の冷却
用熱交換器9に供される。熱交換器9で溶解した氷スラ
リーS2 は、ブラインBとなって蓄熱槽1a, 1b, 1
cに戻される。この場合、蓄熱槽1a,1b, 1cの上
部に設けられた上部連通管3は、IPFが20〜30%
の氷スラリーS2 の移送用に用いられる。
【0018】一方、IPFが40〜50%の高濃度の氷
スラリーS1 は流動性が少ないため、蓄熱槽1a, 1
b, 1cの上部に単純な連通管3を設けただけでは、各
蓄熱槽間の氷スラリーの移送はできない。そこで、この
実施例では、図2に示すように、ブライン分配ヘッダ管
10を通って蓄熱槽1a, 1b, 1cに戻されたブライ
ンBにより、IPFが40〜50%の流動性のない高濃
度氷スラリーS1 をIPFが20〜30%程度の流動性
のある所定濃度(中濃度)氷スラリーS2 に変えると共
に、この流動性のある所定濃度(中濃度)氷スラリーS
2 をブライン分配ヘッダ管10から分岐した吐出管13
から噴出するブラインBの噴射力を利用して上部連通管
3に流し込むことにより、流動性のある所定濃度(中濃
度)氷スラリーS2 の槽間移送が可能となる。
【0019】また、図7に示す他の実施例のように、ブ
ライン分配ヘッダ管10で蓄熱槽1a, 1b, 1cに戻
されるブラインBの代わりに、別途に槽間移送ポンプ2
0を設けて、ブライン分配ヘッダ管10にブラインBを
流すようにしてもよい。いずれにせよ、上部連通管3と
しては、氷濃度が常に高いという要求特性があるので、
図2に示すように、液面レベルLが管の中心軸O2 にな
るように配設する。また、この実施例では、上部連通管
3の中心軸O2 から蓄熱槽1bの天井21までの高さH
3 を300〜500mmにしている。
【0020】
【発明の効果】上記のように、本発明は、多数の蓄熱槽
同士を上部連通部と下部連通部とを介して連通させると
共に、各蓄熱槽の底部近傍に製氷機又は別置の氷蓄熱槽
から供給される氷スラリーを噴出させる氷スラリー分配
ヘッド管を立設し、更に、各蓄熱槽の天井部近傍にブラ
イン分配ヘッダ管を設けたから、比較的簡単な設備であ
るにもかかわらず、蓄氷運転時には、氷スラリーを多数
の蓄熱槽内に均等に蓄えることができると共に、放熱運
転時には、流動性のある所定濃度(中濃度)の氷スラリ
ーを取り出すことのできるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多槽連結形氷蓄熱設備の一部断面
を含む側面図である。
【図2】本発明に係る多槽連結形氷蓄熱設備の要部拡大
断面図である。
【図3】ヘッド管部分の一部断面を含む側面図である。
【図4】ヘッド管部分の他の実施態様を示す一部断面を
含む側面図である。
【図5】ヘッド管部分の更に他の実施態様を示す一部断
面を含む側面図である。
【図6】(a)は各蓄熱槽から氷スラリーを噴出してい
る状態を示す説明図である。(b)は第1蓄熱槽で氷ス
ラリーの噴出が停止した状態を示す説明図である。
(c)は第1及び第2蓄熱槽で氷スラリーの噴出が停止
した状態を示す説明図である。
【図7】本発明に係る多槽連結形氷蓄熱設備の他の実施
態様を示す一部断面を含む側面図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c 蓄熱槽 2 下部連通部 3 上部連通部 4 製氷機 7 氷スラリー分配ヘッド管 10 ブライン分配ヘッダ管 11 底部 21 天井
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有元 義人 千葉県市原市八幡海岸通1番地 三井造船 株式会社千葉事業所内 (72)発明者 渡辺 敬一 千葉県市原市八幡海岸通1番地 三井造船 株式会社千葉事業所内 (72)発明者 永森 茂 千葉県市原市八幡海岸通1番地 三井造船 株式会社千葉事業所内 (72)発明者 関根 誠 東京都千代田区有楽町1−4−1 三機工 業株式会社内 (72)発明者 義永 秀樹 東京都千代田区有楽町1−4−1 三機工 業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の蓄熱槽同士を上部連通部と下部連
    通部とを介して連通させると共に、各蓄熱槽の底部近傍
    に製氷機又は別置の氷蓄熱槽から供給される氷スラリー
    を噴出させる氷スラリー分配ヘッド管を立設し、更に、
    各蓄熱槽の天井部近傍にブライン分配ヘッダ管を設けた
    ことを特徴とする多槽連結形氷蓄熱設備。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006046871A (ja) * 2004-08-09 2006-02-16 Central Res Inst Of Electric Power Ind スタティック型水冷媒ヒートポンプ製氷システム
JP2014219151A (ja) * 2013-05-08 2014-11-20 株式会社大気社 氷水槽
CN113566466A (zh) * 2021-06-11 2021-10-29 香港华艺设计顾问(深圳)有限公司 一种供冷装置及外融冰供冷方法

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