JPH06269274A - 生体の細胞の培養装置及び培養方法 - Google Patents

生体の細胞の培養装置及び培養方法

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JPH06269274A
JPH06269274A JP6058193A JP6058193A JPH06269274A JP H06269274 A JPH06269274 A JP H06269274A JP 6058193 A JP6058193 A JP 6058193A JP 6058193 A JP6058193 A JP 6058193A JP H06269274 A JPH06269274 A JP H06269274A
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Ryoichi Haga
良一 芳賀
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 生体の細胞の培養において、液中通気による
効率的な酸素供給を行うことができ長期高密度培養を達
成する生体の細胞の培養装置を提供する。 【構成】 培養槽1には、スクリーン4a及び4bが設
置されており、かつ、生体の細胞が懸濁している培養液
が収容され、液中通気用配管2と接続管22、23及び
24が接続されている。液中通気用配管2には通気ノズ
ル3が、接続管22には逆洗用通気ノズル5が設置され
ている。また、培養槽1と液中通気用配管2の液面上部
の気相部には消泡層が設置されている。スクリーン4a
及び4bは、細胞凝集塊や細胞付着用マイクロキャリア
を通過させない多孔質性の部材で構成され、該スクリー
ンを介して酸素溶解液と培養液が接触、混合して酸素が
生体の細胞に供給される。培養中適時に加振器12の稼
働及び逆洗によりスクリーンの目詰りを防止し、長期高
密度培養を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生体の細胞の培養装置及
び方法に関し、特に、生体の細胞を生体外で増殖せしめ
有用物質を生産させるのに有効に用いられるマイクロキ
ャリアを用いた液中通気方式による生体の細胞の培養装
置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の細胞の培養装置における酸素供給
方法として、いわゆる液中通気方式が細胞への酸素の供
給能力が優れていることからが行われてることは周知で
ある。しかし、従来の液中通気方式は、細胞が多数凝集
して細胞塊を形成しやすい場合やマイクロキャリア等の
培養担体を用いて付着性細胞を培養する場合等において
は適用できないことがあった。これは、液中通気によっ
て生じる気泡にマイクロキャリアや細胞塊が同伴されて
上昇し、上昇したマイクロキャリアや細胞塊が培養液面
上に形成される泡沫層にトラップされてしまい、培養液
中に戻らなくなってしまうためである。
【0003】そのための改良された提案が、培養槽内で
液中通気を行う方法としては、サイトテクノロジー、1
990年第3巻39〜42ページ(Cytotechn
ology,3,P39〜42,1990)、特開昭6
1−254182号公報に記載されており、また、培養
槽外で液中通気を行う方法としては、特開平3−505
041号公報、特開昭62−244380号公報等に記
載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の提案を大別する
と、1)培養槽内に多孔質フィルタで構成された酸素供
給モジュールを設置し該フィルタ内で通気することで気
泡とマイクロキャリアの接触を防ぐ方法、2)培養槽外
で液中通気を行い酸素富化した培地を供給する方法があ
る。しかし、1)では酸素供給能力はフィルタの面積に
依存するが、培養槽内に設置可能なフィルタ面積には限
界があり、培養後期におけるフィルタの目詰りによる酸
素供給量の減少が問題となる。また、1)2)ともに、
酸素が枯渇した培地のみを抜き出すための、マイクロキ
ャリアと液との特別の分離手段が別途必要となる。
【0005】また、バイオリアクターとは別個に培養液
調製槽を設けてその間で培養液を循環させるとともに、
バイオリアクター内に分離板を設けてそこにおいて生物
細胞あるいはそれらを付着させた担体と培養液とを分離
するようにした培養装置(前掲、特開昭62−2443
80号公報)においては、分離手段の簡素化は図れてい
るがポンプによる培養液の強制循環やバイオリアクター
内での不攪拌に伴う不都合を有している。
【0006】更に、これら従来技術は、おもに従来の表
面型マイクロキャリアを用いた到達細胞濃度培養液1ミ
リリットルあたりの細胞数106 個レベルに対応して開
発されたものであり、最近開発された多孔質マイクロキ
ャリア(例、特開昭64−43530号公報)を用いた
107 個レベルの高密度細胞培養ポテンシャルに見合う
十分な酸素を供給することはできない。
【0007】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解決し、多孔質マイクロキャリアを用いての生体の細
胞の高密度培養に対応可能な、液中通気による効率的な
酸素供給を実施する培養装置及びその方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明による生体の細胞の培養装置は、基本的に、
マイクロキャリアの通過を防止しかつ培養液を通過せし
める細孔を有するスクリーンを装備した培養槽と、培養
液に酸素を供給するための液中通気用配管と、前記液中
通気用配管へ通気してエアリフトを生じさせる手段とを
有し、前記培養槽と前記液中通気用配管とは、前記液中
通気用配管内部でのエアリフト作用により前記培養槽内
の培養液に上向流が生じるように相互に接続された閉鎖
閉鎖系を形成していることを特徴とする。
【0009】スクリーンを、培養槽における液中通気用
配管への培養液流出口近傍と液中通気用配管からの培養
液流入口近傍にそれぞれ設け、その間の領域をマイクロ
キャリアの存在する培養域とすることにより、培養槽内
でマイクロキャリアは浮遊・攪拌されることに加え逆洗
時等にマイクロキャリアが培養領域から逸失するのを有
効に防止することができる。
【0010】液中通気用配管は、好ましくは、主配管
と、該主配管上部と培養槽底部を接続する第1の接続配
管、及び主配管下部と培養槽上部を接続する第2の接続
配管との3つの部分により構成する。また、培養域以外
の部分においてマイクロキャリアを含まない培養液を該
閉鎖系外に抜き出す手段と、及び培養域以外の部分にお
いて培養液を系内にに注入する手段とをさらに設けても
よい。
【0011】前記液中通気用配管内又は液中通気用配管
から培養槽の培養液流入口への管路内に、培養液のpH
及び/又は溶存酸素濃度を測定する手段を設けることに
より、培養条件の管理を確実に行い得る。好ましくは液
中通気用配管から培養槽の培養液流入口への管路内にp
HセンサとDOセンサが設置され、循環液のpH及びD
Oを監視する。それにより、培養槽内のpH及びDOが
細胞の生存、増殖に適した条件に制御される。
【0012】また、培養槽と液中通気用配管の主配管と
の気相部を接続配管によって連通させることにより、培
養槽と液中通気用配管内の液レベルを同じレベルに保つ
ことができる。生体の細胞の高密度培養が長期に及んだ
場合、スクリーンの細孔内に細胞の断片等が付着して、
培養液の上向流濾過を妨げ、酸素供給量が減少する恐れ
がある。高密度培養の場合、酸素供給量の減少は、細胞
の生存率の低下や物質生産能の低下等の悪影響を引き起
こす。本発明の好ましい態様においては、その対策とし
て、スクリーンの目詰りを防ぐ手段をさらに有する。こ
の手段は、スクリーンに振動を生じさせる振動発生手
段、スクリーンに圧力変動を与えるべく前記培養液の循
環量及び/又は循環方向を変化させるいわゆる逆洗を行
う手段、あるいはスクリーンへの超音波照射手段、等で
あってよく、前記振動発生手段としては、内部の空気圧
により形状を変形し得るよう成形された伸縮性を有する
例えばベローズのような部材による手段、ソレノイドに
よる往復動手段、偏心カムと該偏心カムにより付勢され
るスプリング部材とによる往復動手段等であってよい。
【0013】また、液の循環方向及び液の循環量を変化
させてスクリーンに圧力振動を与える手段は、いわゆる
逆洗操作による目詰り防止手段であって、好ましくは、
液中通気用配管の第1の接続配管内に逆洗用酸素含有ガ
ス通気用ノズルを設置する。目詰まりを排除するに際し
ては、液中通気用配管の主配管の下部に設置した酸素含
有ガス通気用ノズルからの酸素含有ガスの通気を停止
し、前記逆洗用酸素含有ガス通気用ノズルから酸素含有
ガスの通気を行う。それにより、培養装置内の液のなが
れを逆転させ、スクリーンの逆洗が行われる。
【0014】スクリーンは、培養液の濾過効率を高める
ために、培養液の循環流路に面しかつ循環方向に対して
垂直な向きとなるように設置することが好ましい。ま
た、スクリーンを構成する材料は、特に限定するもので
はないが、オートクレーブ滅菌やスチーム滅菌の操作条
件に耐え、腐食性が無く、細胞毒性を示さず、物理的強
度の高い材料で構成されていることが望ましい。更に、
目詰り除去の点から、伸縮性のある部材が好ましく、そ
れにより振動や圧力変動による目詰り防止手段の効果を
向上させることができる。伸縮性を有する部材は、引っ
張ることにより引っ張る力に応じて伸び、引っ張りを停
止すると縮んでもとに戻る。この時、部材の孔径の形状
が変化し、その細孔に付着している目詰り物質がはじき
だされる。さらに、その伸縮性により、部材が一定時間
微振動するので、目詰り物質が効率良く除去される。
【0015】このような部材の一例としては、ステンレ
ス鋼の細線を用いて金網を作製、加工して用いるのが望
ましい。更に、該金網を作製する場合は、通常の金網の
ように細線を平織するのでなく、綾織、メリヤス編み、
ガータ編み等の手法を用いて伸縮性のある金網とするの
がよい。また、他の一例としては、市販の平織の金網
を、加圧処理や熱処理により、折たたみ構造や波状構造
をもつように成形して伸縮性を持たせるのもよい。どち
らの場合も、培養に用いる細胞付着用マイクロキャリア
の形状や大きさにあわせて、最適の開口径のものを作
製、加工する。
【0016】スクリーンを構成する部材の細孔径は、使
用するマイクロキャリアの大きさにあわせて、マイクロ
キャリアが培養域から漏出して酸素溶解溶液中に混入す
ることのない大きさが選択される。好ましくは、ステン
レス製の細線を開口径が5〜500μmの伸縮性のある
布状に成形した部材を用いる。酸素溶解液中及び/又は
培養液中への酸素含有ガスの通気により、培養液中の蛋
白濃度や細胞濃度等により発泡する事態が考えられる場
合には、酸素溶解槽及び/又は培養槽気相部に破泡手段
を設ける。破泡手段としては、特に限定するものではな
く、回転翼等により発泡した泡沫に機械的衝撃を与える
方法、破泡機能を有する固体表面に泡沫を接触させる方
法、消泡機能を有する物質を添加剤として用いる等、公
知の方法を用いることができる。
【0017】
【作用】本発明による生体の細胞の培養装置の好ましい
態様においては、培養槽内にマイクロキャリアは通過さ
せないが液成分は通過させる細孔径をもった多孔質スク
リーンを好ましくは2枚設置しており、マイクロキャリ
アを該2枚のスクリーンではさまれた空間内に閉じ込め
れる。マイクロキャリアの存在する該スクリーン間は、
培養槽内において実際に細胞が増殖する培養域となる。
【0018】液中通気用配管内には酸素を溶解させるべ
き溶液が貯留され、該溶液は常に前記のスクリーンを介
して培養槽内の培養液と連絡している。液中通気用配管
内に貯留される酸素溶解溶液は、新しい培養液、又は培
養液からマイクロキャリア等の固形分を除去した溶液、
又は両者の混合溶液である。本発明において、液中通気
による培養槽内の細胞への酸素の供給は以下のようにし
て行われる。まず、液中通気用配管の主配管の下部に設
置した酸素含有ガス通気用ノズル(液中通気用配管への
通気手段を構成する)から酸素含有ガスを通気し、内部
の酸素溶解用溶液に酸素を溶解せさる。同時に、通気に
よるエアリフト作用により酸素溶解溶液の流動が起こ
る。酸素溶解溶液は主配管を上昇し、第1の接続配管を
下降して培養槽下部に設置されたスクリーンの外側まで
達する。酸素溶解溶液は該スクリーンを通過して培養槽
内を上昇して行く。その過程で、培養槽内の培養液と接
触、混和され、培養域内の細胞に酸素及び栄養分を供給
する。その後に培養槽の上部すなわち液中通気用配管へ
の培養液流出口近傍に設けたスクリーンを通過し、第2
の接続配管に流入して下降し、主配管に戻り再び酸素を
富化される。
【0019】酸素溶解溶液は以上述べた経路を循環し、
酸素溶解溶液と培養域内の培養液とが接触すると、両液
間で酸素や炭酸ガス、及び老廃物等の拡散が起こり、細
胞への酸素及び栄養成分の供給と、老廃成分及び炭酸ガ
スの抜き出しが行われる。培養域を形成する多孔質スク
リーンは、マイクロキャリアの液中通気用配管への漏洩
を防ぎ、マイクロキャリアを液中通気によって生じる気
泡から保護し、培養液状面に形成される泡沫層への取り
込みを防止する。これにより、液中通気による効率的な
酸素供給を可能にしている。
【0020】このように本発明では、マイクロキャリア
はスクリーンにより、液中通気によって生じる気泡から
保護されているので、従来、問題となっていたマイクロ
キャリアの泡沫層への取り込みを防止することができ、
液中通気による効率的な酸素供給が可能となる。通常マ
イクロキャリアの比重は1.03〜1.07程度であり
培養液中に懸濁して静置すると沈降する傾向があること
から、培養にあたっては攪拌によりマイクロキャリアを
100%浮遊させることが必要となるが、本発明におい
ては、培養槽内及び液中通気用配管内での液の流動方向
を下部から上部への上向流となるように培養槽と液中通
気用配管を設置したことにより、単に通気作用のみによ
って酸素の供給と同時に液の流動にる培養域内の循環流
を発生せしめ、マイクロキャリアをこの液の流動によっ
て完全に浮遊させ、均一に攪拌することが可能となる。
【0021】また、本発明では、スクリーンにより、マ
イクロキャリアはスクリーンの内側に留め液のみをスク
リーンの外側に移動させる、いわば、培養液の濾過を行
っていることになる。上から下へ液が流れる下向流で
は、重力沈降によりマイクロキャリアはスクリーン上に
堆積し圧密化して、スクリーンの細孔を閉塞させ酸素供
給を不能に恐れが生じるが、上向流濾過では、重力によ
るスクリーン上への堆積が起こらず、また、液の流動に
よりマイクロキャリア懸濁液の均一な攪拌を同時に行え
る。このように、本発明の上向流濾過では、酸素及び栄
養分の供給と、培養液の攪拌を一度に行うことができ、
また、長期にわたって高い酸素供給能力を保持すること
ができる。
【0022】液の流れを下向流とした場合は、上向流の
場合と異なり、マイクロキャリアの重力沈降方向と液の
流動方向が一致するので、スクリーン上にマイクロキャ
リアが堆積し、マイクロキャリアは浮遊せず均一に攪拌
されない。さらにマイクロキャリアが凝集して圧密化
し、スクリーンが閉塞してしまう。スクリーンの閉塞は
酸素供給の停止を招き、培養は不可能となる。本発明の
場合のように液の流動が上向流の場合は、マイクロキャ
リアの重力沈降方向と液の流動方向が逆向きとなり、マ
イクロキャリアのスクリーン上への堆積が起こらないの
で、スクリーン細孔の目詰りが起こりにくく、その結
果、単にエアーリフト作用により長期にわたって高い酸
素供給を維持することができる。
【0023】本発明による培養装置において、前記多孔
質スクリーンは培養液の循環流路に面しかつ循環方向に
対して垂直な向きとなるように設置することはきわめて
好ましい態様である。それにより、マイクロキャリアを
培養域内に保持したまま、上記したように液中通気のエ
アリフト作用によって生じる酸素及び栄養分の豊富な液
の上向流循環による細胞への酸素及び栄養分の供給をよ
り確実に行わせることができる。
【0024】好ましくは第1の接続配管内にpHセンサ
とDOセンサが設置され、循環液のpH及びDOを監視
する。それにより、pH及びDOセンサと連動して、培
養槽内のpH及びDOが細胞の生存、増殖に適した条件
に制御される。DOが低下した場合は、液中通気配管で
の酸素通気量及び/又は酸素含有量を高めるか、培地の
灌流率を上げる。pHの低下の場合は、アルカリ溶液を
添加するか、培地の灌流率をあげる。
【0025】また、培養槽外から新しい培養液を培養槽
内に供給する場合には、その供給量に応じて、培養域の
外側から系外のポンプ等を用いて酸素や栄養分が枯渇し
代わりに細胞が産生した有用物質を含む溶液を培養槽外
に所定量抜き出すようにし、それにより、培養槽内の液
量を一定に保って灌流培養を行う。本発明になる培養装
置においては、培養槽上部すなわち上部に位置するスク
リーンより上の液部分から液を抜き出すことで、マイク
ロキャリアを含まない液のみを容易に培養槽外に取り出
すことができ、他の分離手段を必要としない。
【0026】さらに、本発明による培養装置は、前記の
ように酸素供給量の減少を引き起こすスクリーンの目詰
り防止対策手段をも有しており、培養中に定期的に目詰
まり防止対策が施される。スクリーンの目詰りは、第1
段階として少量の死細胞等の細胞成分が弱く付着し、第
2の段階としてその付着物が糊のように機能して他の固
形物がそこに付着していき加速的に目詰まりが進行す
る。培養期間中にスクリーンの目詰り防止対策を定期的
行うことで、前記第1段階での初期状態での目詰りにお
いて適切に処置することが可能となり、第2段階降の重
度の目詰りを防止し、良好な状態で培養を継続すること
ができる。
【0027】上記の説明から明らかなように、本発明に
よる培養装置は構造が簡単であり、また液中通気のエア
リフト作用を液の上向流循環及び培養槽内の攪拌に用い
ているので、工業レベルまでのスケールアップが容易で
ある。
【0028】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説
明する。1は好ましくはステンレス鋼製の培養槽であ
り、培養槽1の上方部及び下端部にはマイクロキャリア
は通過させないが液成分は通過させる細孔径をもった多
孔質スクリーン4a、4bが設置されている。該2枚の
スクリーン4a、4bではさまれた空間内にマイクロキ
ャリアは閉じ込められそこに培養域を形成する。培養槽
1はその外側に加温・保温の目的でウォータジャケット
20を有している。なお、スクリーン4bの位置はスク
リーン4aよりも下の位置に設置されれば良く特に限定
されないが、後記する第1の接続配管22に接続する管
路52と培養槽1の底部との接続部に着脱自在に配置す
ることは好ましい態様である。
【0029】培養槽1とは別個に液中通気用配管50が
設けられ、液中通気用配管50は主配管2、主配管2の
上部と培養槽1の底部を接続する第1の接続配管22、
及び主配管2の下部と培養槽1の上部を接続する第2の
接続配管23との3つの部分により構成される。第1の
接続配管22と培養槽1の底部とは適宜の管路52によ
りまた第2の接続配管23と培養槽1の上方とは適宜の
管路53により接続されている。また、主配管2の上方
端近傍と前記培養槽の上方端近傍とは管路24により連
通されている。
【0030】培養槽1及び主配管2の上方端は閉鎖部材
61、62により気密に閉鎖されており、該閉鎖部材6
1、62には一例として表面をポリシキロ酸で疎水化し
たステンレス製金網のような消泡部材18a及び18b
が取り付けられている。主配管1の下方端近傍には、図
示しない酸素含有ガス源にバルブ21aを介して接続し
た酸素含有ガス通気用ノズル3が配置されている。ま
た、第1の接続配管22の上方端も気密的に閉鎖されて
おり、そこには接続配管22内に位置するようにpHセ
ンサ27とDOセンサ28が設置されている。第1の接
続配管22の下方端近傍には、同じく図示しない酸素含
有ガス源にバルブ21bを介して接続した通気用ノズル
5が配置されており、該通気用ノズル5は後記するよう
に逆洗用の酸素含有ガスを供給するために用いられる。
【0031】さらに、培養槽1内には従来公知のレベル
センサ10、温度センサ19、pHセンサ6、DOセン
サ7が配置されている。レベルセンサ10は培養槽内の
培養液の液面を検知するものであって、前記した第2の
接続配管23と培養槽1との接続管路53の取り付け位
置と主配管2の上方端近傍と培養槽の上方端近傍とを接
続する管路24の取り付け位置との間に液面が存在する
ことを検知する。
【0032】培養槽1に設けた前記スクリーン4aと閉
鎖部材61との間には加振器12が設置されている。加
振器12の一例を図2に示す。加振器12は、スクリー
ン4aに接続したシャフト13b及び上端が培養槽1の
閉鎖部材61に固定され下端に前記シャフト13bを連
接したベローズ13aとから構成される。前記ベローズ
13a内には図示しない酸素含有ガス源に接続した配管
71がバルブ21dを介して配置しており、さらに、も
う一つの配管がバルブ21cを介して系外に延出してい
る。バルブ21dの開放によりベローズ13a内には加
圧ガスが供給され、バルブ21cの開放によりベローズ
13a内のガスは大気に放出される。それにより、ベロ
ーズは伸縮してスクリーン4aを上下動させる。
【0033】培養槽1内の前記スクリーン4aより上方
位置であってかつ液面より下方位置から配管81、82
が延出しており、それぞれポンプ8a、8bを介して新
鮮培地貯槽9a、培地貯槽9bに接続している。さら
に、この装置は、従来の培養槽装置と同様に、ガス供給
系として酸素源、炭酸ガス源、窒素源を有し(図示しな
い)、また、培養状況を監視し制御を行うための制御部
11から構成されている。前記制御部11は各バルブ、
センサ、ポンプ等に電気的に接続していて、必要な信号
の受信と処理及び発信を行う。
【0034】次に、この装置の使用例を好ましい一実施
態様に言及しつつ説明する。本培養装置により培養され
る得る生体の細胞としては、動物の細胞、微生物、植物
細胞等がある。特に生体の細胞が50μm以上の粒子状
にて培養液中に浮遊している培養液及びマイクロキャリ
アを用いた培養に適している。また、液中通気を行う関
係上、酸素溶解溶液中にはできるだけ固形物が存在しな
いことが望ましいので、酸素溶解溶液としては、新鮮培
地又は細胞凝集塊やマイクロキャリアを除去した培養液
上清、もしくは、両者の混合溶液が用いられる。
【0035】まず、あらかじめ、培養槽1、新鮮培地貯
槽9a、培地貯槽9b及びこれらを接続する配管を高圧
蒸気滅菌する。なお、培養しようとする生体細胞が、付
着性の細胞である場合には、細胞が付着するための細胞
付着用マイクロキャリアを、あらかじめ常法により調製
した後培養槽内のスクリーン4a、4bで仕切られた培
養域内に注入して滅菌する。別途、細胞付着用マイクロ
キャリア調製槽を設置して、細胞付着用マイクロキャリ
アの調製、滅菌、平衡化を行った後、培養槽1に無菌的
に供給する手段をとっても良い。
【0036】次いで、培養する生体細胞の生育に必要な
栄養分を溶かし込んだ培地を調製し、滅菌処理して新鮮
培地貯留槽9aに保管する。保管した新鮮培地のうち必
要量をポンプ8aにより培養槽1に移送する。培養槽内
の液量はレベルセンサ12の情報により、制御部11が
ポンプ8aを稼動させ液量を調節する。次に、培養槽1
外部に設けたウォータジャケット20に温水を通じて、
培養槽内を培養する生体の細胞の生育に適した温度に調
節する。培養槽内の温度状況は温度センサ19によって
制御部11に送られ、その情報をもとに制御部11は培
養槽内の温度を一定に保つ。
【0037】細胞の増殖により、培養液中のpH、溶存
酸素濃度(DO)の変化や、栄養成分の枯渇、老廃物の
蓄積が起こる。培養槽1に設けられた、温度センサ1
9、pHセンサ6、DOセンサ7が、また、第1の接続
配管22に設けられた、pHセンサ27及びDO28
が、それぞれの温度、pH、DOを計測する。これらの
計測情報は制御部11に伝送され、培養状況の判定が行
われる。
【0038】生体細胞への酸素の供給は以下の方法によ
って行われる。すなわち、生体の細胞により培養液中の
酸素が消費されて溶存酸素濃度が低下したことをDOセ
ンサ7及び28からの情報により制御部11が判断す
る。この判断により制御部11は、バルブ21aの開度
を調節し、適当な通気量で主配管2の下部に設置した酸
素含有ガス通気用ノズル3から酸素含有ガスを通気す
る。通気により酸素は培地に溶解し、同時に、この通気
のエアリフト作用により、酸素溶解溶液の流動が起こ
り、酸素溶解溶液は主配管2を上昇し、次に第1の接続
配管22を下降しかつ核路52を通って培養槽1下部に
設置されたスクリーン4bの外側まで達する。酸素溶解
溶液はスクリーン4bを通過して培養槽1内を上昇して
行く過程で、培養域内の培養液と接触、混和され、培養
域内の細胞に酸素及び栄養分を供給する。その後、スク
リーン4aを通過し、管路53を経由し第2の接続配管
23に流入して下降し、主配管2に戻り再び酸素を富化
される。
【0039】なお、本実施例においては液中通気用配管
を構成する主配管2の内部でかつ下方端部に酸素含有ガ
ス用通気ノズル3を設置し直接酸素含有ガスを溶液中に
通気するようにしているので、少量の通気でより強い循
環力を得ることができる。なお、培養液中への酸素供給
量の調節は、上記の方法に限らず、通気ガス中の酸素濃
度を調製して調節する方法、バルブ21aを調節して通
気量の増減により調節する方法、及び培養槽1の内圧を
変化させて培養液中への酸素の溶解量を増加する方法、
等の方法を適宜併用して行うようにしてもよい。
【0040】液中通気により培養槽液面及び液中通気用
配管内の気相部に生じる泡沫層は、消泡部材18a及び
18bにより破泡される。長期培養において、スクリー
ンの細孔の目詰りによる酸素供給量の減少が生じないよ
うに、培養中適時に目詰り防止操作を行う。目詰り防止
操作は以下のように行われる。培養期間中定期的に、前
記した加振器12によりスクリーン4aを振動させ、重
度の目詰りが起きることのないように、第1段階の軽い
目詰り状態で目詰り物質を除去する。これも前記した制
御部11の判断により行うようにすることもできる。図
2の例においては、バルブ21dを開け空気を通気する
と加圧されベローズ13aは伸び、バルブ21cを開け
て減圧するとベローズ自体の収縮力により縮み、その伸
縮でシャフト13bが上下しスクリーンが振動する。バ
ルブ21cとバルブ21dの開閉を交互に行うことによ
りより確実な振動をスクリーンに与えることができる。
また。振動のサイクルも適宜定め得る。
【0041】前記のように、スクリーンの別の目詰り除
去は通気ノズル3からの通気量を急激に変化させること
によっても行うことができる。更に、通気ノズル3から
の通気を停止し、通気ノズル5から通気することで、液
の循環方向を逆転させてスクリーンの洗浄を行う、いわ
ゆる逆洗も有効な目詰り防止操作である。以上の操作を
単独にまたは組み合わせて培養期間中適宜行うことで、
スクリーンの目詰りによる酸素供給量の減少を防ぐこと
ができる。
【0042】図5は本実施例に使用したスクリーンの微
小部分を拡大して示した図である。スクリーンは、図示
のようにステンレスの細線を一般にメリヤス編みといわ
れる編み方で布状に成形したものを用いることが好まし
いが、これに限らず、一般にガーター編みといわれる編
み方で布状に成形したものを用いてもよい。以上のよう
な方法でスクリーンを作製することにより伸縮性をもつ
スクリーンを得ることができる。スクリーンに伸縮性が
あることにより、スクリーンに振動を与えた場合や逆洗
した場合に、クリーン自体の伸縮性により、目詰り物質
を細孔からはじき出す効果が増大しその結果目詰りの発
生が一層しにくくなる。
【0043】また、図6、図7は他のスクリーンの構造
を示す。図6は同心円状に山折と谷折を交互に行いその
折目によって伸縮性をさらに持たせたスクリーンの例で
あって、図6aはそのスクリーンを真上からみた図であ
り、図6bはその断面を示している。図7は金網を円錐
形となるように折りたたみその折目によって伸縮性をさ
らに持たせたスクリーンの例であって、図7aはそのス
クリーンを真上から、図7bは真横から見たものであ
る。これらは、市販の平織の金網を加工して容易に作製
することができる。
【0044】また、図示していないが、必要に応じて培
養液を一部抜き出し、培養液の濁度や、乳酸濃度、グル
コース濃度、細胞濃度、及び細胞の形状、大きさ、輝度
差等の画像情報等を制御部11に入力するようにしても
よい。制御部11はこれらの情報と内部に蓄積された過
去の培養情報をもとに、その時点での培養状況を推論、
判定し、ガス通気量、通気ガス中の酸素濃度、炭酸ガス
濃度を調節する指令を各調節バルブに伝える。更に、培
養液中の栄養成分の枯渇や乳酸の蓄積に応じて新鮮培地
の供給及び使用済み培地の抜き出しをポンプ8a、8b
に指令し、培地の灌流を行わせる。
【0045】図8は、本発明による方法と従来法との実
際の培養結果の一例を示した図である。この例において
は、装置は図1に示したものであって、培養槽1とし
て、内容積8リットル、培養容積6リットルのステンレ
ス製のものを用い、スクリーン4a、4bには、細孔径
50μmのステンス製フィルタを用いた。また、スクリ
ーン4bは、培養槽1と前記管路52との接続部に配置
した。マイクロキャリアは旭化成マイクロキャリア(旭
化成工業製)を4mg/mlの濃度で用い、培地は新生
子牛血清(大日本製薬より購入)を5%(V/V)添加
したERDF培地(極東製薬製)を使用してCHO−K
1細胞を培養した。なお、従来法とは、培養槽と液中通
気用配管との接続管路を代えて培養液の循環方向を逆転
し、培養槽内の液の流動を下向流とした場合である。
【0046】グラフの縦軸は細胞濃度を、横軸は培養日
数を示す。細胞濃度は、培養液を適時にサンプリング
し、常法による核放出法によりマイクロキャリアに付着
していた細胞数を生細胞数として計測し、培養液1ml
あたりの細胞数に換算して細胞濃度とした。本実施例に
よる培養結果をグラフ中にAとして示し、従来法による
培養結果をBに示した。Aから明らかなように、本実施
例の場合、培養4日目から灌流を始め、以後次第に灌流
率を上昇させていったところ、細胞濃度は培養日数10
日目で2×107 個/mlに達し、以後30日目までこ
のレベルを維持することができた。
【0047】培養期間中、加振機12を、30分ごと
に、30ストローク/回のサイクルで振動させ、目視に
よりスクリーンの付着物が除去されるのを確認した。ま
た、あわせて、適時に3〜5回/日、逆洗操作を行っ
た。これらの目詰り防止操作により、培養終了後スクリ
ーンを取りだして観察したところ、細孔内への固形物の
付着はほとんどなかった。
【0048】Bの従来法では、スクリーン4b上へのマ
イクロキャリアが堆積し、マイクロキャリアへの細胞の
付着及び細胞の増殖にもムラが観察され、数個〜数十個
のマイクロキャリアの凝集体が発生した。Aと同様な目
詰り除去操作を行ったが、培養7日目で2×106 個/
mlまで増殖した後、細胞が死滅してマイクロキャリア
から剥離してしまい細胞濃度が減少し、培養を継続する
ことができなかった。これは、マイクロキャリアがスク
リーン上に堆積した結果、培養域内の培養液の均一攪拌
が起こらなかったこと、及びスクリーンが目詰りしたこ
とにより、十分な酸素及び栄養分の供給できなかったた
めである。培養終了後スクリーンを取りだして観察した
ところ、細孔内への固形物の付着し、スクリーン細孔の
50%以上が細胞の死骸や断片が付着して閉塞してい
た。
【0049】以上のように、本培養装置によれば、培養
液中に細胞凝集塊やマイクロキャリア等の固形物を含有
する場合においても泡沫の発生を考慮することなく、所
要量の通気量で液中通気による酸素供給が可能となり、
生体の細胞の高密度培養が可能になる。次に、本発明に
よる生体の細胞の培養装置に用いるの加振器の他の好適
な実施例について図3及び図4を参照つしし説明する。
【0050】図3に示す加振器は、ソレノイド15、ベ
ローズ13a及びスクリーン4aに接続されたシャフト
13bとで構成されている。ソレノイド15への通電を
ON/OFFすることにより、ソレノイド15内のピス
トン15aが往復動する。これによりベローズ13aを
伸縮させ、シャフト13bを上下移動させ、スクリーン
を振動させる。本加振器によれば、ON/OFFのみの
簡易な電気的制御でスクリーンの振動を制御することが
できる。
【0051】図4aに示す加振器は、電動機16、電動
機が接続された回転軸に取り付けられた偏心カム17、
スプリング22及びスクリーン4aに接続されたシャフ
ト13bとで構成されている。電動機16を稼働させる
と、回転軸に取り付けられた偏心カム17が回転しスプ
リング22を押圧する。これによりシャフト13bを往
復動させ、スクリーンを振動させる。偏心カム17の形
状はシャフト13bに往復動を生じさせる形状であれば
任意であり、図4bにその一例17a、17bを示す。
本加振器によれば、偏心カム17の形状を変えること
で、スクリーンに容易に様々なパターンの往復動を与え
ることができる。さらに、電動機16のかわりにハンド
ルを付ければ、手動でも、目詰り防止に効果的な往復動
をスクリーンに与えることができる。
【0052】なお、いずれの場合であっても、シャフト
13aを延長して下方に配置したスクリーン4bにも接
続し、スクリーン4a、4b同時に振動させるようにし
てもよく、それりより目詰りを一層効果的に防止するこ
とができる。また、下方に配置したスクリーン4bに対
して別個の加振手段を設けて必要時に独立的に目詰まり
除去作用を行うようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、細胞凝集塊や細胞付着
用マイクロキャリア等の微小の固形物を懸濁する培養液
についても、大量の酸素を供給できる液中通気方法が可
能となり、高密度培養を実施できる培養装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による培養装置の1実施例を示す図。
【図2】 加振器の1実施例を示す図。
【図3】 加振器の他の実施例を示す図。
【図4】 加振器のさらに他の実施例を示す図。
【図5】 多孔質スクリーンの1実施例を示す図。
【図6】 多孔質スクリーンの他の実施例を示す図。
【図7】 多孔質スクリーンのさらに他の実施例を示す
図。
【図8】 本発明による培養装置での培養結果の一例を
示す図。
【符号の説明】
1…培養槽、2…液中通気用配管、3…通気ノズル、4
a、4b…多孔質スクリーン、5…逆洗用通気ノズル、
6、27…pHセンサ、7、28…DOセンサ、8a、
8b…ポンプ、9a…新鮮培地貯槽、9b…培地貯槽、
10…レベルセンサ、11…制御部、12…加振器、1
3a…ベローズ、13b…シャフト、15…ソレノイ
ド、16…電動機、17、17a、17b…扁芯カム、
18a、18b…消泡ネット、19…温度センサ、20
…ウォータジャケット、21a、21b、21c、21
d…バルブ、22…スプリング、22、23、24、…
接続配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 光 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロキャリアの通過を防止しかつ培
    養液を通過せしめる細孔を有するスクリーンを装備した
    培養槽と、培養液に酸素を供給するための液中通気用配
    管と、前記液中通気用配管へ通気してエアリフトを生じ
    させる手段とを有し、前記培養槽と前記液中通気用配管
    とは、前記液中通気用配管内部でのエアリフト作用によ
    り前記培養槽内の培養液に上向流が生じるように相互に
    接続された閉鎖循環系を形成していることを特徴とする
    生体の細胞の培養装置。
  2. 【請求項2】 前記スクリーンを、前記培養槽における
    前記液中通気用配管への培養液流出口及び前記液中通気
    用配管からの培養液流入口の近傍にそれぞれ設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の生体の細胞の培養装置。
  3. 【請求項3】 前記培養槽における前記スクリーン間の
    領域を前記マイクロキャリアの存在する培養域とするこ
    とを特徴とする請求項2に記載の生体の細胞の培養装
    置。
  4. 【請求項4】 前記培養域以外の部分において培養液を
    前記閉鎖系外に抜き出す手段と、前記培養域以外の部分
    において培養液を系内にに注入する手段とをさらに有す
    ることを特徴とする請求項1〜3に記載の生体の細胞の
    培養装置。
  5. 【請求項5】 前記液中通気用配管内又は前記液中通気
    用配管から培養槽の培養液流入口への管路内に、培養液
    のpH及び/又は溶存酸素濃度を測定する手段をさらに
    有することを特徴とする請求項1〜4に記載の生体の細
    胞の培養装置。
  6. 【請求項6】 前記液中通気用配管内に形成される気相
    部と前記培養槽内に形成される気相部とを連通する接続
    管をさらに具備することを特徴とする請求項1〜5に記
    載の生体の細胞の培養装置。
  7. 【請求項7】 前記スクリーンの目詰りを防ぐ手段をさ
    らに有することを特徴とする請求項1〜6に記載の生体
    の細胞の培養装置。
  8. 【請求項8】 前記スクリーンの目詰りを防ぐ手段が、
    前記スクリーンに振動を生じさせる振動発生手段である
    ことを特徴とする請求項7に記載の生体の細胞の培養装
    置。
  9. 【請求項9】 前記振動発生手段が、内部の空気圧によ
    り形状を変形し得るよう成形された伸縮性を有する部材
    であることを特徴とする請求項8に記載の生体の細胞の
    培養装置。
  10. 【請求項10】 前記振動発生手段が、ソレノイドによ
    る振動発生手段であることを特徴とする請求項8に記載
    の生体の細胞の培養装置。
  11. 【請求項11】 前記振動発生手段が、偏心カムと該偏
    心カムにより付勢されるスプリング部材とを有すること
    を特徴とする請求項8に記載の生体の細胞の培養装置。
  12. 【請求項12】 前記スクリーンの目詰りを防ぐ手段
    が、前記スクリーンに圧力変動を与えるべく前記培養液
    の循環量及び/又は循環方向を変化させる手段である特
    徴とする請求項7に記載の生体の細胞の培養装置。
  13. 【請求項13】 前記スクリーンの目詰りを防ぐ手段
    が、前記スクリーンへの超音波照射手段であることを特
    徴とする請求項7に記載の生体の細胞の培養装置。
  14. 【請求項14】 前記スクリーンが伸縮性のある部材で
    構成されていることを特徴とする請求項1〜13に記載
    の生体の細胞の培養装置。
  15. 【請求項15】 前記スクリーンが、ステンレス製の細
    線を開口径が5〜500μmの伸縮性のある布状に成形
    した部材であることを特徴とする請求項14に記載の生
    体の細胞の培養装置。
  16. 【請求項16】 前記スクリーンが、折たたみ構造及び
    /又は波状構造を付加した開口径5〜500μmのステ
    ンレス製の金網で構成されていることを特徴とする請求
    項15に記載の生体の細胞の培養装置。
  17. 【請求項17】 マイクロキャリアの通過を防止しかつ
    培養液を通過せしめる細孔を有するスクリーンを装備し
    た培養槽と培養液に酸素を供給するための液中通気用配
    管とで培養液の閉鎖循環系を形成し、前記液中通気用配
    管内に系外から通気してエアリフトを生じさせ、エアリ
    フト作用により生じた培養液の循環流を少なくとも前記
    培養槽内において上向流となるようにし、その上向流中
    において培養槽内の細胞への酸素の供給を行うようにし
    たことを特徴とする液中通気による生体の細胞の培養方
    法。
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