JPH06268555A - 分散等化器 - Google Patents

分散等化器

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JPH06268555A
JPH06268555A JP4908693A JP4908693A JPH06268555A JP H06268555 A JPH06268555 A JP H06268555A JP 4908693 A JP4908693 A JP 4908693A JP 4908693 A JP4908693 A JP 4908693A JP H06268555 A JPH06268555 A JP H06268555A
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JP
Japan
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circuit
band
dispersion
equalization
delay
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Application number
JP4908693A
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English (en)
Inventor
Takashi Watanabe
渡辺  孝
Kazuo Tanaka
和夫 田中
Hiroyuki Yamazaki
浩行 山崎
Hidenari Maeda
英成 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所定帯域の全域に亘って線形な分散等化能力
を発揮でき、かつ帯域劣化も補償できる分散等化器を提
供する。 【構成】 インダクタ及びキャパシタによる集中定数回
路構成の遅延等化回路32〜35を1又は2以上備え
て、波長分散を等化すると、利得特性(S21特性)に
おいて帯域劣化が生じる。そこで、振幅等化回路36、
38、入力バッファ回路31及び出力バッファ回路39
を設け、1又は2以上の遅延等化回路の利得特性をフラ
ットにすると共に、インピーダンスマッチングを施し
て、1又は2以上の遅延等化回路による損失を補償す
る。これら追加回路によって所定帯域外の利得が大きく
なるので、さらに、所定帯域外を除去するローパスフィ
ルタ回路を設けることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コヒーレント光通信方
式で用いられる、波長分散の影響を補償する分散等化器
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コヒーレント光通信方式においては、光
ファイバ増幅器の進展により、数1000km以上の長
距離通信が実現可能となった。
【0003】しかし、光ファイバ伝送路の零分散波長と
光信号波長を完全に一致させることは難しく、それらが
ずれた場合には、波長分散による受信感度の劣化が生
じ、光通信システムの性能が著しく低下してしまう。
【0004】波長分散による受信感度の劣化を解決する
方法として、コヒーレント光通信受信機(例えば光ヘテ
ロダイン受信機)のIF(中間周波)帯域回路内に分散
等化器を挿入する方法がある(文献1)。分散等化器
は、周波数に対して直線的に群遅延時間が増大する機能
を有し、この群遅延時間の傾きが光ファイバ伝送路の波
長分散特性を解消している。
【0005】 文献1:高知尾昇、岩下克著、「マイクロ波平面回路を
用いた光ヘテロダイン検波用遅延等化法の検討」、通信
学会研究会予稿、OCS88−6 文献2:特開平4−104531号公報 文献3:M.S.Chaudhry,J.J.O'Reilly 著、「Chromatic
dispersion compensating in heterodyne optical syst
ems using monolithic microwave integratedcircuit
s」、OFC’92予稿集 WM11 従来、この種の分散等化器としては、文献2に開示され
たものや、文献3に開示されたものがある。
【0006】まず、図2を参照しながら、文献2に開示
された分散等化器を説明する。
【0007】図2において、この分散等化器10は、ア
ルミナ基板11の表面に設けられたマイクロストリップ
ライン12の両端に高周波用の同軸コネクタ13及び1
4が接続されて構成されている。アルミナ基板11は、
例えば、誘電率9.8、厚さ4mmの裏面全面が金メッ
キされているものである。マイクロストリップライン1
2は、例えば、幅4mm、長さ20cmのものである。
同軸コネクタ13及び14は、50Ω系の高周波用コネ
クタであって入出力用ポートとして用いられるものであ
る。
【0008】ここで、アルミナ基板11は、周波数が高
くなるに従って誘電率が低くなる特性を有するものであ
り、そのため、周波数が高くなるに従って群遅延時間が
大きくなる。この分散等化器10は、このことを利用し
て分散等化を行なうものである。
【0009】上述のように、各種の物理的特性(特にマ
イクロストリップライン12の長さを12cm)を選定
した場合には、この分散等化器10は、波長1.5μm
帯で10000ps/nm(75ps/GHz)の分散
等化器になっている。
【0010】次に、図3を参照しながら、文献3に開示
された分散等化器を説明する。
【0011】この分散等化器20は、インダクタL(符
号Lはインダクタを表すと共にそのインダクタンスをも
意味する)及びキャパシタC(符号Cはキャパシタを表
すと共にそのキャパシタンスをも意味する)でなるネッ
トワークによる集中定数回路によって実現されたもので
あり、例えばMMIC(Monolithic Microwave IC )に
よって構成されている。より具体的に説明すると、入出
力端子間に、インダクタL1 と、同一のキャパシタンス
を有する2個のキャパシタC1 ,C1 との並列回路を介
挿すると共に、2個のキャパシタC1 ,C1 の接続中点
をインダクタL2 及びキャパシタC2 を介してアースす
るように構成されている。ここで、キャパシタC1 、C
2 やインダクタL1 、L2 等の回路パラメータの値を適
宜選定することにより、例えば、波長1.5μm帯で1
300ps/nm(10ps/GHz)の分散等化器と
なり、これをコヒーレント光通信受信機のIF帯域回路
に挿入することにより、光ファイバ伝送路の波長分散に
よる受信感度の劣化を補償できるコヒーレント光通信シ
ステムを実現できる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図2に
示す従来の分散等化器10では、波長1.5μm帯で1
0000ps/nm(75ps/GHz)の波長分散を
補償をするためには、上述のようにマイクロストリップ
ライン長が20cmも必要であった。そのため、コヒー
レント光通信受信機の回路規模が増大することを避ける
ことができず、また、長いマイクロストリップライン1
2を通過するためにマイクロストリップライン12によ
るIF帯域の劣化が生じるという問題点があった。
【0013】回路規模の面からみると、図3に示す従来
の分散等化器20の方が好ましい。しかし、図3に示す
従来の分散等化器20では、上述のように、波長1.5
μm帯で1300ps/nm(10ps/GHz)の波
長分散しか補償することができず、高分散伝送系(長距
離光ファイバ伝送路を用いた系)では、1個の図3に示
す分散等化器20だけでは所望の分散等化を実行でき
ず、分散等化能力としては、図2に示す分散等化器10
より劣る。そのため、高分散伝送系(長距離光ファイバ
伝送路を用いた系)では、図3に示した分散等化器20
を多段接続しなければならない。しかし、このように多
段接続して分散等化能力(周波数−群遅延量特性)を高
めても、周波数と群遅延量とが線形な関係にある帯域が
狭いという欠点を有する。また、複数の分散等化器を多
段接続しているため、各分散等化器におけるインダクタ
(例えばストリップラインなる)の抵抗成分や対地容量
等によってIF帯域の劣化が生じるという問題点があっ
た。
【0014】本発明は、以上の点を考慮してなされたも
のであり、小規模の回路によって、所望帯域の全域に亘
って少なくとも線形な分散等化能力を発揮でき、かつ帯
域劣化も補償できる、コヒーレント光通信受信機におけ
る分散等化器を提供しようとしたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明においては、インダクタ及びキャパシタによ
る集中定数回路構成の遅延等化回路を1又は2以上備え
て、コヒーレント光通信で生じた波長分散を補償する分
散等化器において、以下の回路を追加して設けた。
【0016】すなわち、1又は2以上の遅延等化回路の
利得特性をフラットにする1又は2以上の振幅等化回路
と、インピーダンスマッチングを施して、1又は2以上
の遅延等化回路による損失を補償する入力バッファ回路
及び出力バッファ回路とを設けた。
【0017】ここで、さらに、等化が求められている所
定帯域の帯域外を除去するローパスフィルタ回路を設け
ることが好ましい。
【0018】
【作用】インダクタ及びキャパシタによる集中定数回路
構成の遅延等化回路を1又は2以上備えて、コヒーレン
ト光通信で生じた波長分散を等化すると、利得特性(S
21特性)において、等化が求められている所定帯域内
で劣化が生じてしまう。
【0019】そこで、本発明においては、振幅等化回
路、入力バッファ回路及び出力バッファ回路を設けるこ
とによって、1又は2以上の遅延等化回路の利得特性を
フラットにすると共に、インピーダンスマッチングを施
して、1又は2以上の遅延等化回路による損失を補償す
るようにした。
【0020】このような回路を追加した場合、所定帯域
外の利得が大きくなるので、さらに、所定帯域外を除去
するローパスフィルタ回路を設けることが好ましい。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら詳述する。ここで、図1がこの実施例の全体的な概略
構成を示すブロック図である。
【0022】図1において、この実施例の分散等化器3
0は、入力側から、入力バッファ回路31、4段の遅延
等化回路32〜35、振幅等化回路36、ローパスフィ
ルタ回路(LPF回路)37、振幅等化回路38及び出
力バッファ回路39がこの順に縦続に接続されて構成さ
れている。
【0023】図4は、遅延等化回路群32〜35の詳細
構成を示す回路図である。この実施例の分散等化器30
において、基本的機能である分散等化を行なう構成は、
縦続接続された4段の遅延等化回路32〜35の部分で
あり、この構成部分は例えば全体がMMICによって実
現されている。各遅延等化回路32、33、34、35
はそれぞれ、図4に示すように、図3に示した従来の分
散等化器20と同様なインダクタ及びキャパシタでなる
ネットワークによる集中定数回路によって実現されてい
る。
【0024】図3に示した従来の分散等化器20の構成
によれば、これ単独で、2〜8GHzのIF帯域におい
て、40ps/GHzの傾き(分散等化能力)をもつよ
うに、回路パラメータを求めたとしても、例えば、低域
と高域の傾きが異なり、所望の周波数範囲全域に対して
直線的な分散等化特性を得ることが難しい。
【0025】そこで、この実施例では、図4に示すよう
に、図3に示した構成を有する、それぞれの分散等化能
力が異なる4個の遅延等化回路32〜35を縦続接続
し、2〜8GHzのIF帯域の全域において、周波数に
対して直線的な分散等化特性を得ることができるように
した。この実施例の場合、各段の遅延等化回路32、3
3、34、35の回路パラメータを、例えば、以下のよ
うに選定している。
【0026】 L11=1629pH、L12=728 pH、C11=507 fF、C
12=838 fF L21=3091pH、L22=659 pH、C21=703 fF、C
22=1625fF L31=855 pH、L32=935 pH、C31=553 fF、C
32=366 fF L41=901 pH、L42=286 pH、C41=730 fF、C
42=858 fF 図5は、4個の遅延等化回路32〜35全体の分散等化
特性を示すものであり、図6は、そのS21特性(利得
特性)を示すものである。
【0027】上述のように回路パラメータが定められた
各段の遅延等化回路32、33、34、35単独での分
散等化特性はそれぞれ異なるが、4個の遅延等化回路3
2〜35全体の分散等化特性は、図5に示すように、2
〜8GHzのIF帯域において周波数に対してほぼ直線
的な分散等化特性(40ps/GHz)を得ることがで
きる。
【0028】しかしながら、4個の遅延等化回路32〜
35全体のS21特性は、図6に示すように、2〜8G
HzのIF帯域において、周波数に対してフラットなも
のになっていない。すなわち、周波数が高くなるに従
い、ストリップラインなどによる抵抗成分や対地容量に
よる帯域劣化が生じている。
【0029】入力バッファ回路31、振幅等化回路3
6、振幅等化回路38及び出力バッファ回路39は、遅
延等化回路群32〜35による良好な分散等化特性を維
持しつつ、遅延等化回路群32〜35によって生じる上
述のような帯域劣化を補償しようとして設けられたもの
である。
【0030】振幅等化回路36及び38は、S21特性
のフラット化を特に意図したものであり、入力バッファ
回路31及び出力バッファ回路39は、インピーダンス
マッチングによって損失を補償することを特に意図した
ものである。
【0031】図7は、振幅等化回路36又は38の詳細
構成例を示す回路図である。各振幅等化回路36、38
はそれぞれ、図7に示すように、入出力端子間に並列に
接続された抵抗R51及びキャパシタC51(RC回路)に
よって構成されている。このような構成の振幅等化回路
36又は38は、周波数が高くなるに従ってほぼ直線的
に利得を大きくでき、周波数が高くなるに従ってほぼ直
線的に利得が小さくなっている遅延等化回路群32〜3
5のS21特性(利得特性)のフラット化に機能する。
【0032】しかしながら、入力インピーダンスや出力
インピーダンスが整合していないと、ここで、損失が生
じ、遅延等化回路群32〜35のS21特性(利得特
性)の十分なフラット化を達成できない。そこで、上述
のように、入力バッファ回路31及び出力バッファ回路
39を設けることとした。
【0033】図8は、入力バッファ回路31の詳細構成
例を示す回路図である。入力バッファ回路31は、大き
くは、直流カット用キャパシタC61と、入力整合部61
と、アンプ部62と、出力整合部63と、直流カット用
キャパシタC64とから構成されている。
【0034】入力端子から入力された分散等化に供する
中間周波帯の入力信号は、キャパシタC61によって直流
成分が除去されて、インダクタL61及びアンプ部62の
一部を構成する抵抗R61でなる入力整合部61に与えら
れる。この入力整合部61は入力インピーダンスのマッ
チングを施す。
【0035】アンプ部62は、2個の電界効果トランジ
スタ(FET)Q61及びQ62を備えた2段の増幅段でな
り、入力整合部61を介した入力信号を増幅する。
【0036】第1の増幅段における電界効果トランジス
タQ61は、そのゲート端子が、動作点規定用の抵抗R62
を介して第2の電源(例えば負電源)に接続されてお
り、ソース端子がアースされており、ドレイン端子が抵
抗R63及びインダクタL62を介して第1の電源に接続さ
れている。また、電界効果トランジスタQ61のゲート端
子及びドレイン端子間は、入力整合部61の要素ともな
っている抵抗R61、及び、キャパシタC62を介して接続
されている。第1及び第2の増幅段は、段間結合用のキ
ャパシタC63によって接続されている。第2の増幅段に
おける電界効果トランジスタQ62は、そのゲート端子
が、動作点規定用の抵抗R64を介して第2の電源に接続
されており、ソース端子がアースされており、ドレイン
端子が出力整合部63の要素ともなっている抵抗R65を
介して第1の電源に接続されている。なお、電界効果ト
ランジスタQ62も出力整合部63の要素と見ることもで
きる。
【0037】このようなアンプ部62によって増幅され
た信号は、上述した抵抗R65及びインダクタL63でなる
出力整合部63によって出力インピーダンスのマッチン
グが施され、この出力整合部63を介した信号が直流カ
ット用キャパシタC64を介して直流成分が除去されて、
遅延等化回路群32〜35に入力される。
【0038】以上のような構成を有する入力バッファ回
路31の動作、すなわちインピーダンスマッチング及び
増幅処理によって、遅延等化回路群32〜35の損失
を、後述する出力バッファ回路39の動作と共に補償す
ることができる。
【0039】図9は、出力バッファ回路39の詳細構成
例を示す回路図である。出力バッファ回路39は、大き
くは、入力整合部71と、直流カット用キャパシタC71
と、アンプ部72と、出力整合部73と、直流カット用
キャパシタC72とから構成されている。
【0040】入力端子は、抵抗R71及びインダクタL71
の直列回路でなる入力整合部71を介してアースされて
おり、入力整合部71は、上述した振幅等化回路38か
らの入力に対するインピーダンスマッチングを行なう。
インピーダンスマッチングが施された入力信号は、直流
カット用キャパシタC71を介して直流成分が除去されて
アンプ部72に入力される。
【0041】アンプ部72は、電界効果トランジスタQ
71を備えている。この電界効果トランジスタQ71のゲー
ト端子は、動作点規定用の抵抗R72を介して第2の電源
に接続されており、ソース端子はアースされており、ド
レイン端子は出力整合部73の要素ともなっている抵抗
R73を介して第1の電源に接続されている。なお、電界
効果トランジスタQ71も出力整合部73の要素と見るこ
ともできる。
【0042】このようなアンプ部72によって増幅され
た信号は、上述した抵抗R73及びインダクタL71でなる
出力整合部73によって出力インピーダンスのマッチン
グが施され、直流カット用キャパシタC64を介して直流
成分が除去されて、当該分散等化器30からの分散等化
出力として次段の回路に出力される。
【0043】以上のような構成を有する出力バッファ回
路39の動作、すなわちインピーダンスマッチング及び
増幅処理によって、遅延等化回路群32〜35の損失を
上述した入力バッファ回路31の動作と共に補償するこ
とができる。
【0044】図10は、図1に示す実施例の分散等化器
30からローパスフィルタ回路37だけを省略した分散
等化器、逆に言えば、入力バッファ回路31、遅延等化
回路群32〜35、振幅等化回路36及び38、並び
に、出力バッファ回路39から構成された分散等化器の
S21特性(利得特性)を示すものである。
【0045】この図10及び上述した図6との比較か
ら、遅延等化回路群32〜35に加えて、入力バッファ
回路31、振幅等化回路36、38、及び、出力バッフ
ァ回路39を設けると、遅延等化回路群32〜35によ
って生じていた2〜8GHzのIF帯域における劣化を
補償できていることが分かる。すなわち、IF帯域より
広い1〜10GHzでフラットなS21特性が得られて
いることが分かる。
【0046】しかし、図10から、このような補償動作
のために、IF帯域より高い帯域の利得も大きくなり、
S21特性において12〜16GHzでピークが生じて
しまっていることが分かる。このようなピーク帯域は、
分散等化が求められている信号の所定帯域の帯域外であ
って雑音にかかる帯域であり、当該分散等化器30に入
力されるレベルがもともと小さいので、分散等化器を介
することで多少大きくなってもこのままで出力すること
も考えられる。しかし、分散等化器の後段の回路に悪影
響を及ぼす可能性もあり、そこで、この実施例の分散等
化器30は、S21特性におけるこのようなIF帯域外
のピークを除去するために、上述したようにローパスフ
ィルタ回路37を設けている。
【0047】図11は、ローパスフィルタ回路37の詳
細構成例を示すものである。
【0048】図11において、このローパスフィルタ回
路37は、インダクタ及びキャパシタでなるネットワー
クによる集中定数回路によって実現されたものであり、
例えばMMICによって構成されている。すなわち、入
出力端子間に、インダクタL81と、同一のキャパシタン
スを有する2個のキャパシタC81,C81との並列回路を
介挿すると共に、2個のキャパシタC81,C81の接続中
点をキャパシタC82及びインダクタL82を介してアース
するように構成されている。従って、上述した各遅延等
化回路32、33、34、35と同様な集中定数回路構
成を有するものである。
【0049】一般の多くのローパスフィルタ回路は、S
21特性(利得特性)においてカットオフ周波数以下の
周波数成分を通過させることができるが、その通過帯域
における分散特性が線形的なものは少ない。
【0050】上述したインダクタ及びキャパシタでなる
ネットワークによる集中定数回路は、遅延等化回路3
2、33、34、35に適用されるように、回路パラメ
ータの選定によって所望の分散特性(遅延特性)を実現
でき、しかも、ローパスフィルタ回路として機能する。
そこで、この実施例においては、遅延等化回路群32〜
35による分散等化特性に影響を与えずに、高域成分を
除去できるように、図11に示す構成のものを適用する
こととした。
【0051】上述のような集中定数回路をローパスフィ
ルタ回路37に適用する場合には、その回路パラメータ
を例えば以下のように選定すれば良い。
【0052】L81=1138pH、L82=235 pH、C81=
251 fF、C82=40fF 図12は、図1に示す分散等化器30の全体の分散等化
特性を示すものであり、図13は、分散等化器30の全
体の伝送特性を示すものである。
【0053】これらの図から、当該分散等化器30は、
IF帯域より若干広い2〜9GHzの帯域において、ほ
ぼ直線的に42ps/GHzの分散等化能力を有すると
共に、−1±0.5dB程度にフラットなS21特性
(利得特性)を実現できていることが分かる。さらに、
その帯域において、S11特性(入力反射特性)もS2
2特性(出力反射特性)も−15db以下に実現できて
いること(反射の影響を受けないこと)が分かる。
【0054】従って、上記実施例によれば、遅延等化回
路群32〜35に加えて、入力バッファ回路31、振幅
等化回路36及び38、ローパスフィルタ回路37、並
びに、出力バッファ回路39を設けたので、小規模の回
路によって、IF帯域の全域に亘って線形な分散等化能
力を発揮でき、かつ帯域劣化も補償できる、コヒーレン
ト光通信受信機における分散等化器を得ることができ
る。
【0055】なお、上記実施例においては、基本的な分
散等化を行なう遅延等化回路部分として4段構成のもの
を示したが、これに限定されるものではない。例えば、
等化帯域などに応じて段数を選定すると共に、各遅延等
化回路の回路パラメータを選定すれば良い。
【0056】また、入力バッファ回路31、各遅延等化
回路32、33、34、35、振幅等化回路36、3
8、ローパスフィルタ回路37、及び、出力バッファ回
路39の具体的構成例は、上述したものに限定されるも
のでないことは勿論である。
【0057】さらに、遅延等化回路群(32〜35)、
振幅等化回路(36、38:1個だけでも良い)、ロー
パスフィルタ回路37の位置関係は任意であって上記実
施例のものに限定されるものではない。
【0058】さらにまた、上記実施例の分散等化器30
の各構成要素31、32、…、39はそれぞれがMMI
C化が可能なものであり、分散等化器30の全体を1個
のMMICで実現しても良く、また、複数のMMICに
よって分散等化器30を実現しても良い。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、遅延等
化回路(群)に加えて、少なくとも振幅等化回路、入力
バッファ回路及び出力バッファ回路を設けたので、少な
くとも所望帯域の全域に亘って線形な分散等化能力を発
揮でき、かつ帯域劣化も補償できる、小形のコヒーレン
ト光通信受信機における分散等化器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の分散等化器の概略構成を示すブロック
図である。
【図2】従来の分散等化器(その1)を示す構成図であ
る。
【図3】従来の分散等化器(その2)を示す構成図であ
る。
【図4】実施例の遅延等化回路群の詳細構成を示す回路
図である。
【図5】図4の構成だけによる分散等化特性(遅延特
性)を示す特性図である。
【図6】図4の構成だけによるS21特性(利得特性)
を示す特性図である。
【図7】実施例の振幅等化回路の詳細構成を示す回路図
である。
【図8】実施例の入力バッファ回路の詳細構成を示す回
路図である。
【図9】実施例の出力バッファ回路の詳細構成を示す回
路図である。
【図10】実施例の分散等化器からローパスフィルタ回
路部分を除いた分散等化器のS21特性を示す特性図で
ある。
【図11】実施例のローパスフィルタ回路の詳細構成を
示す回路図である。
【図12】実施例の分散等化器の分散等化特性(遅延特
性)を示す特性図である。
【図13】実施例の分散等化器の伝送特性を示す特性図
である。
【符号の説明】
30… 分散等化器、 31… 入力バッファ回路、 32、33、34、35…遅延等化回路、 36、38… 振幅等化回路、 37… ローパスフィルタ回路、 39… 出力バッファ回路。
フロントページの続き (72)発明者 前田 英成 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インダクタ及びキャパシタによる集中定
    数回路構成の遅延等化回路を1又は2以上備えて、コヒ
    ーレント光通信で生じた波長分散を補償する分散等化器
    において、 上記1又は2以上の遅延等化回路の利得特性をフラット
    にする1又は2以上の振幅等化回路と、 インピーダンスマッチングを施して、上記1又は2以上
    の遅延等化回路による損失を補償する入力バッファ回路
    及び出力バッファ回路とを備えたことを特徴とする分散
    等化器。
  2. 【請求項2】 等化が求められる所定帯域の帯域外を除
    去するローパスフィルタ回路を有することを特徴とした
    請求項1に記載の分散等化器。
JP4908693A 1993-03-10 1993-03-10 分散等化器 Pending JPH06268555A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6694273B2 (en) 2001-03-02 2004-02-17 Fujitsu Limited Receiving apparatus, method of compensating for waveform degradation of received signal, apparatus and method for detecting waveform degradation, and apparatus and method for measuring waveform

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6694273B2 (en) 2001-03-02 2004-02-17 Fujitsu Limited Receiving apparatus, method of compensating for waveform degradation of received signal, apparatus and method for detecting waveform degradation, and apparatus and method for measuring waveform

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