JPH0626617B2 - 塩化シランの消火方法 - Google Patents

塩化シランの消火方法

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JPH0626617B2
JPH0626617B2 JP62252211A JP25221187A JPH0626617B2 JP H0626617 B2 JPH0626617 B2 JP H0626617B2 JP 62252211 A JP62252211 A JP 62252211A JP 25221187 A JP25221187 A JP 25221187A JP H0626617 B2 JPH0626617 B2 JP H0626617B2
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保 柳沢
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正勝 清水
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    • A62LIFE-SAVING; FIRE-FIGHTING
    • A62DCHEMICAL MEANS FOR EXTINGUISHING FIRES OR FOR COMBATING OR PROTECTING AGAINST HARMFUL CHEMICAL AGENTS; CHEMICAL MATERIALS FOR USE IN BREATHING APPARATUS
    • A62D1/00Fire-extinguishing compositions; Use of chemical substances in extinguishing fires
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    • AHUMAN NECESSITIES
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    • A62DCHEMICAL MEANS FOR EXTINGUISHING FIRES OR FOR COMBATING OR PROTECTING AGAINST HARMFUL CHEMICAL AGENTS; CHEMICAL MATERIALS FOR USE IN BREATHING APPARATUS
    • A62D1/00Fire-extinguishing compositions; Use of chemical substances in extinguishing fires
    • A62D1/0028Liquid extinguishing substances
    • A62D1/0035Aqueous solutions

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は塩化シランの消火方法に関するものである。
(従来の技術とその問題点) 塩化シランは、空気中においてきわめて不安定なうえ、
引火点の低い可燃物であり、一度着火すると有毒ガスを
発生し、消火がいちじるしく困難な物質である。従来公
知の粉末消火剤では、これら塩化シランの消火は困難で
あるばかりでなく、粉末消火剤の成分と塩化シランとが
反応して、有毒ガス(塩化水素、塩素等)の発生を助長
するという欠点があった。
他方、炭酸ガスおよびハロゲン化物等の気体もしくは液
体消火剤でも、塩化シランの消火は困難である。
また自然物を利用する例として、乾燥砂や水があるが、
これらの方法も有効な消火は不可能である。
すなわち乾燥砂を用いる方法は、いちじるしく多量の乾
燥砂を必要とするほか、砂の中に含まれている不純物と
塩化シランが反応して有毒ガスを発生する。
また水による消火は、消火能力が低いばかりでなく、水
と塩化シランの反応によって塩化水素などの有毒ガス、
シリカの白煙、多量のゲル状物質または塩化シランの種
類によっては水素を発生して爆発混合気を形成するおそ
れもある。
本発明者らは、かかる消火困難な塩化シランの消火方法
について種々検討を重ねた結果、有効な消火方法とし
て、シリカ系多孔質体を主成分とする粉体を散布する方
法を提案した(特願昭61-224329)。
しかしこの方法は、H原子をもつ塩化シランが沸点に近
い気温下で燃焼する場合およびメチル基の多い塩化シラ
ンが燃焼する場合は充分ではないので、かかる場合の消
火方法として、シリカ系多孔質体またはシリカ・アルミ
ナ系多孔質体を主成分とする粉体を散布した後、常温で
液体のハロンまたは水を噴霧する方法を提案した(特願
昭62-22110)。
しかしながらこの方法でも、気温約25℃以上、相対湿度
約60%以上のような高温、多湿下で、難消火性塩化シラ
ンたとえばトリクロロシランおよび/またはメチルジク
ロルシラン等が燃焼する場合は消火困難である。
(問題点を解決するための手段) 一般に消火に必要な作用効果として、 (1)除去作用(可燃物を燃焼の原系から除去する)、 (2)窒息作用(酸素供給源を遮断する)、 (3)冷却作用(燃焼熱を吸収して冷却し、着火温度以下
に下げ燃焼を抑制する)、 (4)抑制作用(燃焼の連鎖反応を抑制、阻止する) の四つが知られているが、これらの作用は単独よりもむ
しろ相乗的に働かせるほうが一層効果的である。
本発明は前記したような気温約25℃以上、相対湿度約60
%以上の高温、多湿下で、難消火性塩化シランたとえば
トリクロロシランおよびメチルジクロルシラン等に対す
る有効な消火方法を提供するものであり、消火対象物の
種類および消火時の環境条件に応じて、上記消火の四つ
の作用すなわち除去作用、窒息作用、冷却作用および抑
制作用のそれぞれまたはそれらの相乗的発揮を効果的な
らしめるよう工夫されたもので、 第1の発明は、 粒子直径5μm〜5mm、細孔直径0.1〜100μmであり、
かつ真比重2.1〜2.5、嵩比重0.2〜0.7であるSiO2を80重
量%以上含むシリカ系多孔質体および/またはSiO2+Al2
O3を90重量%以上含むシリカ・アルミナ系多孔質体から
なる不活性無機粉体を散布し、ついでナトリウムまたは
カリウムの塩化物水溶液を噴霧することを特徴とする塩
化シランの消火方法であり、 第2の発明は、 粒子直径5μm〜5mm、細孔直径0.1〜100μmであり、
かつ真比重2.1〜2.5、嵩比重0.2〜0.7であるSiO2を80重
量%以上含むシリカ系多孔質体および/またはSiO2+Al2
O3を90重量%以上含むシリカ・アルミナ系多孔質体95〜
70重量%と、 粒子直径1〜200μmであり、かつ真比重2.5〜2.6、嵩
比重1.0〜1.2であるSiO2を90重量%以上含む多角形珪砂
5〜30重量%と からなる不活性無機粉体を散布し、ついでナトリウムま
たはカリウムの塩化物水溶液を噴霧することを特徴とす
る塩化シランの消火方法であり、 第3の発明は、 粒子直径5μm〜5mm、細孔直径0.1〜100μmであり、
かつ真比重2.1〜2.5、嵩比重0.2〜0.7であるSiO2を80重
量%以上含むシリカ系多孔質体および/またはSiO2+Al2
O3を90重量%以上含むシリカ・アルミナ系多孔質体95〜
70重量%と、 粒子直径1〜200μmであり、かつ真比重2.5〜2.6、嵩
比重1.0〜1.2であるSiO2を90重量%以上含む多角形珪砂
5〜30重量%と からなる不活性無機粉体を散布することを特徴とする塩
化シランの消火方法である。
以下本発明をさらに詳しく説明する。
本発明でいう難消火性塩化シランは、シリコーン樹脂、
半導体シリコンおよび合成石英等の製造用原料として今
日多量に使用されているもので、 一般式RSiHCl4-l-mであらわされ、 ここにR:通常メチル基CHまたは フエニル基C、 :0〜3、 m:0〜3、 4−−m:1〜4 である。
代表的な物質としては、 トリクロロシラン SiHCl3、 トリメチルクロルシラン (CH3)3SiCl、 メチルジクロルシラン CH3SiHCl2、 ジメチルジクロルシラン (CH3)2SiCl2、 メチルトリクロルシラン CH3SiCl3、 フェニルトリクロルシラン C6H5SiCl3、 ジフェニルジクロルシラン (C6H5)2SiCl2 等がある。
これらの塩化シランはいずれも可燃性であり、一度着火
するといちじるしく消火困難であるとともに、燃焼につ
れ有害な塩化水素を、中には猛毒の塩素を発生するもの
もある。
上記塩化シランのうちで、トリクロロシランおよびメチ
ルジクロルシランのような分子内にH原子をもつ塩化シ
ランは特に消火困難であるが、本発明はこれらを高温、
多湿下でも効果的に消火するものである。
第1、第2、第3の発明において散布する多孔質体は、
不都合な不純物が少なくSiO2を80重量%以上含むシリカ
系多孔質体またはSiO2+Al2O3を90重量%以上含むシリカ
・アルミナ系多孔質体であることが好ましい。これらの
材料は自然界に産出する物質に酸処理、乾燥および焼成
などを施した高純度のものであることが必要である。こ
れらに含有される主な不純物としては、酸化鉄Fe2O3
マグネシヤMgO、酸化カリウムK2O、ケイ酸塩xNa
・ySiO2等があるが、これらのうちアルカリ分CaO,MgO、K
2Oは塩化シランと直接反応して塩化水素などの有毒ガス
や水素のような可燃性ガスを発生し、また水分は塩化シ
ランを加水分解して有毒な塩化水素や水素を発生するの
でいずれも極力少なくすることが望ましい。
前記シリカ系多孔質体としては、たとえば非晶質シリカ
粉末であるシルトン−3S(新潟県糸魚川産出、商品
名)を焼成し、精製処理したものが使用され、これは真
比重2.3、嵩比重0.35、シリカ分89.1重量%である。ま
たシリカ・アルミナ系多孔質体としては、たとえば上記
シルトン−3Sにカオリンを混合し、水練り後乾燥、焼
成、粉砕、篩分け等の工程を経たものが使用され、これ
は真比重2.5、嵩比重0.45、シリカ分68重量%、アルミ
ナ分23重量%である。
これら多孔質の不活性無機粉体の粒子直径は5μm〜5
mmが適当であり、5μm未満の微粒子粉末は飛散し易
く、塩化シラン用の粉末消火剤としては不向きである。
この点、一般の粉末消火剤の粒度は規格の上では177μ
m以下で、10μm前後のものが好ましいとされていると
は大いに異なるところである。
またこれら粉体の細孔直径は0.1〜100μmであることが
適当である。たとえばシリカゲル、アルミナゲルのよう
に細孔直径が0.1μmより小さいと吸着作用が強く働く
ため、塩化シランに触れると吸着熱により温度が上昇し
て塩化シランの蒸発を促進し、かえって火勢を強めると
いう重大な障害を引起こすので、細孔直径の小さすぎる
ものは消火用に不適当である。
なおシリカ系多孔質体、シリカ・アルミナ系多孔質体
に、メチルハイドロジェンポリシロキサンのようなシリ
コーン油による表面処理を施し、防湿性(疎水性)およ
び粉体流動性を改善して、従来型の粉末消火器に充填使
用することも可能である。
つぎに、第1、第2の発明で噴霧する塩化物水溶液は以
下の3種である。
これら水溶液の塩類濃度は、塩化ナトリウムでは15〜30
重量%,塩化カリウムでは15〜25重量%とするのが適当
である。
つぎに第2、第3の発明において散布する多角形珪砂と
しては、粒子直径が1〜200μmでかつ真比重2.5〜2.
6、嵩比重1.0〜1.2のSiO2を90重量%以上含む多角形珪
砂が適当で、自然界に産出する珪砂を水洗、乾燥、篩分
け等の工程を経て所要の粒度のものを調製する。
珪砂の主な用途は、板ガラスその他のガラス製品の原料
用および鋳物用であり、天然珪砂と人造珪砂に大別でき
る。天然珪砂は山砂、河砂および浜砂等天然に産するも
のを露店掘で採取し、つぎに水に浸して微量に含有する
粘土分や塩分を除去した後乾燥し、さらに篩分けにより
粒度調整を行う。天然珪砂は強い風化と永い間の水力、
風力による運搬により摩耗作用を受け丸みを帯びるの
で、形状の点からそのままでは本発明の方法に用いるこ
とはできないが、たとえばがいろ目珪砂をコニカルミル
で粉砕したものは多角形となるので、本発明のための珪
砂として使用できる。
人造珪砂は上述のがいろ目珪砂を粉砕したもののほか、
石英粒の集合した珪岩やその他珪石を人工的に粉砕加工
したものを総称する。このような人造珪砂は粉砕加工を
経ているので多角形となり本発明に使用できる。またSi
O2分として90重量%以上含む珪砂はきわめて容易に得ら
れる。
(作用) 塩化シラン燃焼中にシリカ系多孔質体またはシリカ・ア
ルミナ系多孔質体からなる不活性無機粉体を散布する
と、これらの物質そのものは塩化シランと反応しないば
かりか、それ自体は不燃性で熱的にも安定な物質である
から化学的になんら変化しない。散布された多孔質体は
その無数の細孔のなかにまず液状の塩化シランを吸収
し、可燃物(塩化シラン)の除去作用が、さらに散布さ
れた粉体によって燃焼中の塩化シランと空気との接触が
妨げられ窒息作用も発揮される。
しかし分子内にH原子をもち、沸点の比較的低いトリク
ロロシランおよびメチルジクロルシランが高温、多湿下
で燃焼した場合には、多孔質体のみの散布では消火困難
である。すなわち多孔質の不活性無機粉体を散布する
と、粉体内に小さな沸騰音が発生し、粉体の散布量を増
加しても、完全な消火ができない。これは比較的沸点の
低い塩化シランが高温下で激しく蒸発し、多孔質体粒子
間の比較的大きな隙間に含まれている多湿空気中の水分
によって速やかに加水分解して水素を発生し、この水素
が着火して沸騰音を発生するためと考えられる。そこで
本発明者らはさらに種々検討し、シリカ系またはシリカ
・アルミナ系多孔質体の散布に加えて、常温で液体であ
るハロンまたは水を噴霧すると、これらの液体が噴霧さ
れた多孔質体の上層部に吸収され、内部への酸素の供給
を妨げる窒息作用のほかに、噴霧された液体の一部は気
化していわゆる気化熱(蒸発潜熱)による冷却作用も発
揮されるなどの相乗効果により、塩化シランの消火がき
わめて短時間に完全に行われる方法を提案した(特願昭
62-22110)。
この場合噴霧するハロンとは、ハロゲン化炭化水素グル
ープの命名法として採用される独特の方式で、炭素原
子、ハロゲンの種類と原子数を示す4または5桁の数字
を前に付して用いられるハロゲン化炭化水素を特定する
呼称である。
たとえば、ハロンABCDE A:炭素原子の数、 B:ふっ素原子の数、 C:塩素原子の数、 D:臭素原子の数、 E:よう素原子の数、 (引用文献:ユージン・メーヤー著、崎川範行訳、“危
険物の化学”4版、p.85、昭和61年7月15日発行、発
行所海文堂、東京)。
第1の発明ではこのハロンまたは水に代えて塩化ナトリ
ウムまたは塩化カリウムの水溶液を噴霧するもので、す
でに散布された不活性無機粉体の表面近くで水分のみが
蒸発して塩類が残り、粉体の表層部に塩類の濃い殻が形
成され、この殻が空気を遮断して消火を早めるととも
に、消火後のガス発生をも抑制するという相乗効果によ
って、塩化シランの火災はきわめて短時間に完全に消火
できる。
これらの塩類は中性の安定な物質であるから、塩化シラ
ンと接触してもなんら変化することはない。
またこれらの塩類の水溶液はいわゆる氷点降下作用を有
するので、冬期に水が凍結して使用できなくなるおそれ
のある場所でも有効である。
従来同様の目的に使用する消火用強化液として知られて
いるものは大部分炭酸カリウムの濃厚水溶液であり、こ
のほかりん酸アンモニウム、塩化リチウム、有機酢酸塩
が知られているが、このうちアルカリ性を呈する炭酸カ
リウム、りん酸アンモニウムの水溶液は塩化シランと激
しく反応して危険になるので使用できない。
しかしながら前記トルクロロシランおよびメチルジクロ
ルシランのような難消火性の塩化シランが、高温、多湿
たとえば気温約25℃以上、相対湿度約60%以上のような
きわめて過酷な環境条件下で燃焼する場合は前記第1の
発明の方法では消火は充分ではない。本発明者らはこれ
らに対する有効な消火方法として第2の発明を提案する
もので、多孔質体に予め混合して散布する多角形の微粒
珪砂は、散布された多孔質体粒子間の比較的大きな隙間
に入り込み、そこに包含される空気の体積を減少するた
め、塩化シランの加水分解が抑制され沸騰音の発生が防
止されたと推定できる。
この場合微粒珪砂が丸形または角丸形であると、同じ粒
度でも嵩比重は1.2〜1.4と大きいので、散布時に早く落
下して上記効果の現われ方が少ないので好ましくなく、
多角形であればこのようなことはない。
こうして従来公知のもしくは前記先願の消火方法では不
可能であった高温、多湿の過酷な条件下における難消火
性塩化シランの消火が、第2の発明の消火方法により容
易かつ確実に行われるようになった。
第3の発明は第2の発明の多孔質体と多角形珪砂よりな
る不活性粉体のみを散布するもので、多孔質体、多角形
珪砂がそれぞれ効果的に働いて消火を行い、液体の噴霧
を行わないので後処理が容易である。
(実施例1) 塩化シランの中でも特に消火困難なトリクロロシランSi
HCl350mlをステンレス製容器にとり、点火して20秒間
予備燃焼させ、シリカ系多孔質体と多角形珪砂の混合割
合を変えた場合の消火状況を第1表に示す。なお気温は
30℃、相対湿度は75%であった。
使用したシリカ系多孔質体はシルトン−3Sを焼成、精
製処理したもので、 SiO2:89重量% 粒子直径:10〜500μm 細孔直径:0.2〜10μm 真比重:2.3 嵩比重:0.35 である。
また多角形珪砂は予め水洗、乾燥、篩い分け等の処理を
したもので、 SiO2:95重量% 粒子直径:1〜200μm 真比重:2.55 嵩比重:1.10 である。
この場合液温は始め28℃であったが、燃焼の進行につれ
30〜40℃に上昇した。
このように最上欄に示す高温、多湿下でシリカ系多孔質
体のみを散布した場合は(特願昭61-224329)、塩化シ
ランの加水分解が盛んで沸騰音を激しく発生し、消火は
不可能であった。また最下欄に示す多角形珪砂のみの散
布でも沸騰音を激しく発生し、多量の粉体を散布しても
消火不可能であった。これに対しシリカ系多孔質体に5
%の多角形珪砂を添加しただけで、沸騰音が少なくな
り、消火が可能となり、20%に増やすと、沸騰音が全く
しなくなり、消火も容易となる。しかし多角形珪砂をさ
らに増やすとまた沸騰音を生じるようになり、50%にな
ると消火がまた困難となってくる。以上の結果から、混
合割合はシリカ系多孔質体95〜70重量%に多角形珪砂5
〜30重量%とするのが適当である。
(実施例2) トリクロロシランSiHCl350mlをステンレス製容器にと
り、点火して20秒間予備燃焼させ、シリカ・アルミナ系
多孔質体と多角形珪砂の混合割合を変えた場合の消火状
況を第2表に示す。なお気温は28℃、相対湿度は70%で
あった。
使用したシリカ・アルミナ系多孔質体はシルトン−3S
にカオリンを加え、水練りした後、1000℃で焼成し、高
純度塩酸に浸漬し、水洗後、105℃で脱水、乾燥したも
ので、 SiO2:68重量% Al2O3:25重量% 粒子直径:40〜500μm 細孔直径:0.1〜50μm 真比重:2.5 嵩比重:0.45 である。
また混合した多角形珪砂は実施例1の場合と同じもので
ある。
この場合液温は始め26℃であったが、燃焼の進行につれ
30〜42℃に上昇した。
このように、多孔質体の使用量は第1表に示すシリカ形
の場合よりも多いが消火は確実である。また多角形珪砂
の混合割合は実施例1よりも若干多めのほうが効果的で
ある。
(実施例3) 塩化シランの中で特に消火の困難なトリクロロシランSi
HCl350mlをステンレス容器にとり、点火して20秒間予
備燃焼させ、シリカ系多孔質体50gを散布し、本発明の
塩類による水溶液を噴霧した場合と、単なる水を噴霧し
た場合(特願昭62-22110)の消火状況を第3表に比較し
て示す。なお気温は30℃、相対湿度は71%であった。
使用したシリカ系多孔質体はシルトン−3Sを焼成、精
製処理したもので、 SiO2:89重量% 粒子直径:10〜500μm 細孔直径:0.2〜10μm 真比重:2.3 嵩比重:0.35 である。
この場合液温は始め27℃であったが、燃焼の進行につれ
30〜40℃に上昇した。
このように、ナトリウムまたはカリウムの塩化物の噴霧
の効果が、単なる水噴霧よりも大きいことが実験により
確認された。
なお念のため、先願の方法(特願昭62-22110)でシリカ
系多孔質体の散布量を70gに増やして水噴霧すると消火
できたが、消火後のガス発生(水蒸気+塩化水素ガス)
は本発明の方法によるものよりも多かった。
(発明の効果) 以上従来消火困難とされていた塩化シランの中でも特に
消火困難なトリクロロシラン、メチルジクロルシランが
高温、多湿の条件下で燃焼した場合でも、不活性無機粉
体の散布とこれに続くナトリウムまたはカリウムの塩化
物水溶液を噴霧する第1、第2の発明の方法により、下
記のような卓越した消火効果が得られる。
(1)難消火性塩化シランの火災を容易に抑制、鎮火する
ことができる。
(2)消火活動中に有毒ガスの発生を抑制することができ
る。
(3)消火活動中および鎮火後も二次災害を起さない。
(4)鎮火後のガス発生を最小限に抑制することができ
る。
(5)消火剤は価格が安くしかも少量で鎮火できる。
(6)不活性無機粉体散布後、毒性のない中性塩水溶液を
使用するだけであるから、消火後の処理も容易であり、
周囲を汚染することも少ない。また第3の発明では液状
消火剤を使用しないので後処理が容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 正勝 新潟県上越市大字黒井426番地3 信越半 導体株式会社直江津工場内 (72)発明者 田中 敬 新潟県上越市大字黒井426番地3 信越半 導体株式会社直江津工場内 (56)参考文献 特開 昭55−35645(JP,A) 特開 昭50−91994(JP,A) 特開 昭58−69584(JP,A) 特開 昭53−42494(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子直径5μm〜5mm、細孔直径0.1〜
    100μmであり、かつ真比重2.1〜2.5、嵩比重
    0.2〜0.7であるSiOを80重量%以上含むシ
    リカ系多孔質体および/またはSiO+Al
    90重量%以上含むシリカ・アルミナ系多孔質体からな
    る不活性無機粉体を散布し、ついでナトリウムまたはカ
    リウムの塩化物水溶液を噴霧することを特徴とする塩化
    シランの消火方法。
  2. 【請求項2】粒子直径5μm〜5mm、細孔直径0.1〜
    100μmであり、かつ真比重2.1〜2.5、嵩比重
    0.2〜0.7であるSiOを80重量%以上含むシ
    リカ系多孔質体および/またはSiO+Al
    90重量%以上含むシリカ・アルミナ系多孔質体95〜
    70重量%と、 粒子直径1〜200μmであり、かつ真比重2.5〜
    2.6、嵩比重1.0〜1.2であるSiOを90重
    量%以上含む多角形化した珪砂5〜30重量%とを、予
    め混合したものからなる不活性無機粉体を散布し、つい
    でナトリウムまたはカリウムの塩化物水溶液を噴霧する
    ことを特徴とする塩化シランの消火方法。
  3. 【請求項3】粒子直径5μm〜5mm、細孔直径0.1〜
    100μmであり、かつ真比重2.1〜2.5、嵩比重
    0.2〜0.7であるSiOを80重量%以上含むシ
    リカ系多孔質体および/またはSiO+Al
    90重量%以上含むシリカ・アルミナ系多孔質体95〜
    70重量%と、 粒子直径1〜200μmであり、かつ真比重2.5〜
    2.6、嵩比重1.0〜1.2であるSiOを90重
    量%以上含む多角形化した珪砂5〜30重量%とを、予
    め混合したものからなる不活性無機粉体を散布すること
    を特徴とする塩化シランの消火方法。
JP62252211A 1987-10-06 1987-10-06 塩化シランの消火方法 Expired - Lifetime JPH0626617B2 (ja)

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